JPH08298098A

JPH08298098A - セラミックス放電ランプ、点灯装置および照明装置

Info

Publication number: JPH08298098A
Application number: JP25414995A
Authority: JP
Inventors: Kazuyoshi Okamura; 和好岡村; Shinji Inukai; 伸治犬飼; Akira Ito; 彰伊藤; Kazuo Uchida; 一生内田; Takayuki Aoki; 貴之青木
Original assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Current assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date: 1995-03-01
Filing date: 1995-09-29
Publication date: 1996-11-12

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】低電圧始動かつ高管壁負荷でありながら、気密
容器とナトリウムとの反応を長期に亘って抑えることの
でき、所期の特性を長期に亘って維持し得るセラミック
放電ランプ、点灯装置および照明装置を提供する。【構成】ネオンを封入する一方、透光性セラミックスか
らなる気密容器２内表面にナトリウムに対して化学的に
安定な保護層９を具備し、定格ランプ入力に応じた所定
の高い管壁負荷でランプが点灯するように構成される。【効果】低電圧始動でかつ所定の高い管壁負荷で点灯す
るよう構成されているにもかかわらず、気密容器に封入
されたナトリウムと高温となる気密容器内表面とが長期
的に反応することが抑えられ、所期の発光特性を長期に
亘って維持し得るセラミックス放電ランプを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ネオンおよびナトリウ
ムが封入されたセラミックス放電ランプ、点灯装置およ
び照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開昭５８−３８４４９号公報には、低
い電圧でランプを始動させるために気密容器に水銀、ナ
トリウムおよびネオンを含む混合ガスを封入した高圧ナ
トリウムランプ（先行技術１）が記載されている。この
ものは、始動電圧が低くなるので、高圧パルス発生手段
が不要となり、またインダクタンス成分が小さなチョー
クコイルを使用した小形の安定器で済むので、安価な水
銀灯用安定器を使用することができる。

【０００３】しかし、ネオンは熱伝導率が高いので、気
密容器から不所望に熱が放出してしまい、アーク温度が
高くならないために所定のナトリウム蒸気圧が得られに
くく、低光出力となる傾向にある。すなわち、先行技術
１のネオン封入の高圧ナトリウムランプは、低電圧始動
が可能であるが、光出力が低いという欠点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ネオン
を封入した高圧ナトリウムランプの光出力を高めるため
に管壁負荷を高める研究を重ねた。そして、管壁負荷を
所望に高めると気密容器に封入したナトリウム・水銀ア
マルガム中のナトリウム比率が低下してしまい、所期の
発光特性が維持できなくなるという問題に遭遇した。こ
の原因は、ネオンの熱伝導率が高いにもかかわらず気密
容器内表面温度が１２００度Ｃを越えてしまい、アルミ
ナと気密容器に封入しているナトリウムとが反応してベ
ータアルミナを生成するため、ナトリウムが減少するた
めであることを究明した。

【０００５】特公平４−４９２２１号公報には、点灯
時、気密容器中心部の表面温度が１２００度Ｃとなるア
ルミナ製の気密容器内表面に窒化アルミニウムコーティ
ングを施した高圧ナトリウムランプ（先行技術２）が記
載されている。しかし、先行技術２には、ネオンを封入
したランプ構成については記載がなく、低電圧始動の課
題については示唆さえない。したがって、先行技術１お
よび先行技術２を組み合わせることは、当業者にとって
困難であるし、仮に組み合わせることができたとして
も、単に先行技術１の気密容器の内表面に窒化アルミニ
ウムコーティングを施した低い光出力しか得られない低
電圧始動形の高圧ナトリウムランプができるだけであ
る。この場合、気密容器内表面はせいぜい８００度Ｃ程
度の比較的低温状態であるので、窒化アルミニウムコー
ティングの施す効果は殆どない。

【０００６】本発明は、ネオンを封入しているにもかか
わらず、高い管壁負荷で、しかも気密容器とナトリウム
との反応を抑えることができ、所期の発光特性を維持
し、低い電圧で始動し得るセラミック放電ランプ、点灯
装置および照明装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１は、透光性セラ
ミックスからなる気密容器と；気密容器内に離間対向
して封装された一対の電極と；気密容器内に封入され
た少なくともナトリウムおよび少なくともネオンを含み
始動電圧を低下させる始動ガスを含む放電媒体と；気密
容器の内表面に形成されたナトリウムに対して化学的に
安定な保護層と；を具備し、定格ランプ入力７０〜１０
０Ｗに対して管壁負荷が３０〜４０Ｗ／ｃｍ２、定格ラ
ンプ入力１５０〜４００Ｗに対して管壁負荷が２０〜３
５Ｗ／ｃｍ２、定格ランプ入力６６０〜１０００Ｗに対
して管壁負荷が１５〜２５Ｗ／ｃｍ２で点灯されるよう
に構成されていることを特徴とするセラミックス放電ラ
ンプである。

【０００８】本請求項および他各請求項において、透光
性セラミックスからなる気密容器は、気密容器内の放電
によって発生する可視光を透過でき、およそ１２００度
Ｃ以上の温度に耐え得るものであればよく、材質および
形状は限定されない。一般的に、工業的、経済的理由か
ら高圧ナトリウムランプに使用されるアルミナが好まし
いが、これに限定されるものではない。

【０００９】電極は、既知のものを使用できる。

【００１０】放電媒体は、ナトリウムおよびネオンを含
み、電極間の電圧の印加によって放電し発光するもので
あればよい。水銀・ナトリウムアマルガムとネオン・ア
ルゴンの希ガスとから構成され、高圧蒸気放電によって
発光するものを使用できるが、水銀が含まれていなくて
もよく、またハロゲン元素が含まれていてもよい。ま
た、始動電圧を低下させる始動ガスとは、そのガスが封
入されていない場合に比較して始動電圧が低下するガス
であればよい。ネオンと他の希ガスとの混合ガスが使用
できるが、単にネオンを封入したものであっても水銀と
の協働で始動電圧が下がる作用を行うので、これに限定
されない。

【００１１】保護層は、耐火性、透光性を有して、気密
容器の透光性セラミックス材料よりもナトリウムとの反
応が少ないものであればよく、窒化アルミニウムコーテ
ィング、ダイヤモンドコーティング等の保護膜の他、高
温下におかれた気密容器を例えばアンモニアガス中に長
時間曝して、気密容器内表面材質を窒素置換した層構造
を許容する。

【００１２】管壁負荷とは、ランプ入力ワットを気密容
器の内表面積のうち、電極間の部分で割った値をいう。
入力ワット毎に管壁負荷の範囲が異なるのは、電極降下
を無視しているためであるが、上記範囲であれば、気密
容器温度がほぼ１２００度Ｃを越える高管壁負荷であ
る。

【００１３】次に、本発明の作用を説明する。ネオンを
含む始動電圧を低める始動ガスが封入されているので電
極間に放電破壊する程度の低い電圧を印加すると、放電
媒体が放電する。始動ガスを構成するネオンは、始動電
圧低下に寄与する一方で、熱伝導率が高いために、放電
によって発生する熱を気密容器外部に逃がす働きをす
る。しかし、上記数値範囲の管壁負荷で点灯されるの
で、放電付近の温度は、高まり十分なナトリウム蒸気圧
が得られて、高い光出力が得られる。

【００１４】また、上記範囲の管壁負荷で点灯され、ネ
オンガスの熱伝導の影響も相俟って、気密容器は、ほぼ
１２００度Ｃを越える高温となる。各管壁負荷の範囲の
下限を下回ると気密容器温度が下がる代わりに、光出力
が低下してしまう。一方、各管壁負荷の範囲の上限を上
回ってしまうと、電極封装部の気密性を保持できなくな
るため、実用に供さなくなる。

【００１５】このように本発明は、ネオンの高い熱伝導
率のために放電温度が低くならないように気密容器を過
酷な高温度条件で使用されるにもかかわらず、気密容器
の内表面は、ナトリウムに対して化学的に安定な保護層
が設けられているためナトリウムとの反応が抑えられ
る。

【００１６】請求項２は、保護層に窒素原子が存在する
ことを特徴とする請求項１記載のセラミックス放電灯で
ある。

【００１７】窒素原子を含む保護層であれば、工業的に
容易に形成でき、ナトリウムに対する化学的安定度も良
好である。

【００１８】請求項３は、始動ガスがアルゴン、クリプ
トンおよびキセノンの少なくとも一種とネオンとを混合
した希ガスを含んでいて、始動電圧５００Ｖ以下で始動
可能に構成されていることを特徴とする請求項１または
２記載のセラミックス放電ランプである。上記ガスは、
それ自体始動電圧を低める作用があるが始動電圧が５０
０Ｖ以下となるように既知の数値範囲を適用できる。始
動ガスの封入圧が０.６〜８０ＫＰaであって、ネオンの
分圧比は０.５〜５０％の範囲内で設定するれば始動電
圧５００Ｖ以下での始動が可能となる。

【００１９】本発明においては、このように始動電圧を
５００Ｖ以下にすることができるので、始動用パルス発
生手段を使用する必要がなく、インダクタンス値が小さ
い安定器が使用できるので、安価な小形の点灯回路を使
用することができる。また、熱伝導率の高いネオンが封
入されているので、気密容器から不所望に熱が放出して
しまい、所定の蒸気圧が得られにくく、低光出力となる
傾向にある。しかしながら、管壁負荷を所定に高めてい
るので、所定の蒸気圧を得られ、光出力を高めることが
できる。一方、管壁負荷を所定に高くするので、気密容
器温度がおよそ１２００度Ｃを越えるが、保護層によっ
て、ナトリウムと気密容器内表面との反応を抑えること
ができる。

【００２０】請求項４は、気密容器を収容する外管を具
備していることを特徴とする請求項１ないし３いずれか
記載のセラミックス放電ランプである。

【００２１】請求項５は、請求項１ないし４いずれか記
載のセラミックス放電ランプと；この放電ランプを安定
に点灯する点灯手段と；を具備していることを特徴と
する点灯装置である。

【００２２】請求項６は、請求項１ないし４いずれか記
載のセラミックス放電ランプと；この放電ランプを安定
に点灯する水銀灯用安定器と；を具備し、始動用高圧
パルス発生手段を有していないことを特徴とする点灯装
置である。

【００２３】水銀灯用安定器とは、JIS C 8110 に規定
している高圧水銀灯用安定器をいう。

【００２４】本発明においては、請求項３の作用に加え
て、安価な水銀灯用安定器を使用できるので、点灯装置
を安価に提供できる。

【００２５】請求項７は、請求項１〜４のいずれか記載
のセラミックス放電ランプと；この放電ランプを収容
する照明器具と；を具備していることを特徴とする照明
装置である。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図３に基づいて説明する。なお、図１〜図３中、同一
または相当部分には同一符号を付している。

【００２７】図１は本発明のセラミックス放電ランプの
要部断面図である。図１において、１は、セラミックス
放電ランプ本体である。２は、気密容器であり、透光性
アルミナ（Ａ１2０3）セラミックスにより密閉円筒状に
形成されていて、この円筒の両端部には貫通孔３ａ，３
ｂが形成されている。これら貫通孔３ａ，３ｂには電極
６ａ，６ｂが封装されている。電極６ａ，６ｂは、ニオ
ビウムＮｂ，またはニオビウムＮｂとジルコニウムＺｒ
の合金等からなる導電体４ａ，４ｂ、これら導電体４
ａ，４ｂの各内端に溶接された例えばタングステンから
なる電極軸７ａ，７ｂおよびこれら電極軸７ａ，７ｂの
先端部に複数巻回されたタングステンからなる電極コイ
ル８ａ，８ｂからなる。電極コイル８ａ，８ｂには、例
えばＢａ０−Ｃａ０−Ｗ０3などのような電子放射物質
（エミッタ）を塗布している。

【００２８】電極６ａ，６ｂの封装は、具体的には導電
体４ａ，４ｂをガラス封着剤５ａ，５ｂにより貫通孔３
ａ，３ｂ内に気密に接合することで行っている。

【００２９】気密容器２は、定格ランプ入力および電極
間距離との関係で、定格ランプ入力７０〜１００Ｗに対
しては管壁負荷が３０〜４０Ｗ／ｃｍ２、定格ランプ入
力１５０〜４００Ｗに対して管壁負荷が２０〜３５Ｗ／
ｃｍ２、定格ランプ入力６６０〜１０００Ｗに対して管
壁負荷が１５〜２５Ｗ／ｃｍ２で点灯されるように構成
される。

【００３０】気密容器２内には、例えば水銀Ｈｇ、ナト
リウムＮａおよび始動用ガスとしてネオン（Ｎｅ）とア
ルゴン（Ａｒ）とのペニングガスを適量封入している。

【００３１】このネオンとアルコンとの混合ガスは高圧
の始動用パルスにより点灯せしめる必要がないように放
電開始（始動）電圧を低下せしめるものであり、例えば
５００Ｗ以下の始動電圧で点灯されるように適量封入さ
れる。これにより高圧の始動用パルス発生手段（イグナ
イター）を省略することができ、部品数の削減とコスト
低減とを共に図ることができる。また、イグナイターを
省略することができるので、寿命中の気密容器２が何ら
かの原因により点灯しない場合に、イグナイターから繰
り返し出力される高圧の始動パルスにより電磁波ノイズ
を発生させ、また配線間の絶縁を破壊せしめて配線ショ
ートや溶断が発生するのを未然かつ確実に防止すること
ができる。

【００３２】そして、透光性アルミナ（Ａ１2０3）セラ
ミックス製の気密容器２は、少なくともその内表面に窒
素原子を含む保護層９を形成している。この窒素原子を
含む保護層９は、気密容器２を構成するアルミナ（Ａ１
2０3）中の酸素（０2）成分を窒素（Ｎ2）に置換した反
応構造からなる窒素原子を含む層であり、この層の深さ
は例えば０．０５μｍ以上としている。

【００３３】このような構成のセラミックス放電ランプ
は、透光性アルミナセラミック製の気密容器２の内表面
に室化保護層９を形成しているので、ランプ効率を上げ
るために気密容器２への投入ワットを上げて管壁負荷を
高めてランプ温度を立上げた場合においても、この窒素
原子を含む保護層９により、ナトリウム（Ｎａ）とアル
ミナ（Ａ１2０3）との反応を防止し、発光物質のナトリ
ウムの消失を防止することができる。このためランプ効
率を高めることができると共に、光束の低下を抑止し、
光束維持率を高くすることができる。

【００３４】

【実施例】

気密容器；透光性アルミナ製；全長８８mm，外径８．５
５mm，内径φ６・８５mm，肉厚０．８５mm 放電媒体；ペニングガス：ネオン（Ｎｅ）とアルゴン
（Ａｒ）との混合ガス８０ＫＰa（封入圧比;ネオン：ア
ルゴン＝１：１）水銀：気密容器の単位容積当り１．０ｍｇ／cc、ナトリ
ウム：気密容器２の単位容積当り７．３ｍ
ｇ／cc 電極；電極間距離６２ｍｍ保護層；窒化アルミニウム層：５０μｍ定格ランプ入力；３６０Ｗ管壁負荷；２５Ｗ／ｃｍ２この実施例の効果；保護層９を形成しない従来のランプ
では、６０００時間点灯後の光束維持率が５０％である
のに対し、本実施例は、６０００時間点灯後の光束維持
率は９０％となり、保護層を形成することによる効果が
確認されている。

【００３５】また、この窒素原子を含む保護層９は、気
密容器２を構成するアルミナ（Ａ１2０3）の中の酸素
（０2）成分と窒素（Ｎ2）とが置換された反応構造から
なる層であるから、径方向に傾斜構造になっていて、ひ
び割れや剥離，脱落などが発生する心配がない。

【００３６】図２は、本発明のセラミックス放電ランプ
の外観図である。図２は、気密容器２を、例えば硬質ガ
ラス等からなる透光性の外管２２内に収容したものであ
る。セラミックス放電ランプは、外管２２を硬質ガラス
により形成しており、その中央部に膨出部を形成し、そ
の上下部に小径なトップ部２３ａとネック部２３ｂを形
成して、いわゆるＢＴ形をなしている。ネック部２３ｂ
端部には口金２４を被着している。外管２２内は真空に
保たれている。

【００３７】外管２２内は気密容器２を収容しており、
この気密容器２は外管２２内において、サポートワイヤ
２５により支持されている。サポートワイヤ２５はステ
ンレスのような導電性ワイヤを四角の枠状に形成したも
のであり、上部が弾性片２６を介して外管２２のトップ
部２３ａ内に係止されていると共に、下部はステム２７
に封着した一方の封着線２８ａに溶接されている。

【００３８】気密容器２の上端から導出された一方の導
電体４ａは、導電線を兼用する上部導電性ホルダ２９ａ
を介して上記サポートワイヤ２５に電気的および機械的
に接続されている。気密容器２の下端から導出された他
方の導電体４ｂは絶縁体を介して他の下部ホルダー２９
ｂに機械的に支持されており、この下部ホルダー２９ｂ
はサポートワイヤ２５に機械的に取り付けられている。
したがって、気密容器２は上下端部でホルダー２９ａ，
２９ｂに支持され、これらホルダー２９ａ，２９ｂを介
してサポートワイヤ２５に支持されている。

【００３９】気密容器２の下部導電体４ｂは、リード線
３０を介してステム２７に封着した他の封着線２８ｂに
電気的に接続されている。これら封着線２８ａ，２８ｂ
は口金２４のシェル２４ａおよ外部端子２４ｂに接続さ
れている。

【００４０】気密容器２の外面には始動補助のための近
接導体３１が接近して配置され、あるいはスパイラルに
巻回されている。この近接導体３１は、例えばモリブデ
ン，タングステン・タンタル・ニオビウム，鉄，ニッケ
ル等の少なくとも１種からなる高融点金属からなり、一
端がバイメタル３３片に支持されていると共に、他端は
上部ホルダー２９ａに形成した係止部に支持されてい
る。なお、３２はゲッターである。上記ナトリウムを金
属ハロゲン化物のナトリウムに置換することによりメタ
ルハライドランプに構成することができる。

【００４１】図３は、本発明の点灯装置および照明装置
を一部省略および切断して示す概念図である。

【００４２】図３において、２１はセラミックス放電ラ
ンプであり、セラミックス放電ランプ２１は照明装置４
１の光源として用いられる。つまり、照明装置４１は照
明器具本体４２の内面に反射面４２ａを有するととも
に、下面または一側面が閉口されたハウジング構造をな
している。この照明器具本体４２の側壁にはソケット４
４が取り付けられており、このソケット４４内にはセラ
ミックス放電ランプ２１の口金２４がねじ込まれて照明
器具本体４２に取り付けられている。

【００４３】ソケット４４は、照明器具本体４２に取り
付けられ、または器具本体４２の外部に設置された水銀
灯用安定器からなる点灯手段４５を介して交流商用電源
２００Ｖ４６に接続されるようになっており点灯手段
４５の入力電圧が２００Ｖ，出力電圧が１３０Ｖ±１０
Ｖとなる。この点灯手段４５はチョークコイルや力率改
善用のコンデンサーを有し、別途図示しないキック電圧
を得るための点灯管をランプの入力両端子に並列に接続
することで、始動用の高圧パルスを出力するイグナイタ
ーを有しないものである。すなわち、気密容器１内に封
入されたネオンのために始動電圧が４００Ｖ程度とな
り、高圧の始動パルスが不要となる。

【００４４】

【発明の効果】請求項１によれば、放電媒体としてネオ
ンを含む始動電圧を低める始動ガスを封入しているの
で、始動電圧を低く抑えることができ、一方気密容器の
内表面にナトリウムに対して化学的に安定な保護層を具
備しているので、それぞれの数値範囲内の高い管壁負荷
で点灯するよう構成されているにもかかわらず、気密容
器に封入されたナトリウムと高温となる気密容器内表面
とが長期的に反応することが抑えられ高い光出力が長期
に亘って低下しにくく、かつ低い電圧で始動できるセラ
ミックス放電ランプを提供することができる。さらに、
ランプを点灯させる際には、始動用高圧パルス発生手段
を有していない安価な点灯装置と組み合わせて使用でき
る。

【００４５】請求項２によれば、窒素原子を含む保護層
を有しているので、請求項１の効果を奏するセラミック
ス放電ランプを経済的に提供することができる。

【００４６】請求項３によれば、放電媒体が、ネオンを
有するガスを含んでいて、始動電圧５００Ｖ以下で始動
可能に構成されているので、始動用パルス発生手段を必
要とせず、高い光出力が長期に亘って低下しにくいセラ
ミックス放電ランプを提供することができる。

【００４７】請求項４によれば、請求項１ないし３いず
れか記載の効果を奏するセラミックス放電ランプを提供
できる。

【００４８】請求項５によれば、請求項１ないし４いず
れか記載の効果を奏する点灯装置を提供できる。

【００４９】請求項６によれば、請求項３記載の効果に
加え、安価な点灯装置を提供できる。

【００５０】請求項７によれば、請求項１〜４のいずれ
か記載の効果を有する照明装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のセラミックス放電ランプの要部断面図
である。

【図２】本発明のセラミックス放電ランプの外観図であ
る。

【図３】本発明の点灯装置および照明装置を一部省略お
よび切断して示す概念図である。

【符号の説明】

１，２１セラミックス放電ランプ２気密容器３ａ，３ｂ一対の電極９保護層２２外管４１照明装置４２照明器具本体４５点灯手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者内田一生東京都品川区東品川四丁目３番１号東芝ライテック株式会社内 (72)発明者青木貴之東京都品川区東品川四丁目３番１号東芝ライテック株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透光性のセラミックスからなる気密容器
と；気密容器内に離間対向して封装された一対の電極
と；気密容器内に封入された少なくともナトリウムおよ
びネオンを有する始動ガスを含む放電媒体と；気密容器
の内表面に形成されたナトリウムに対して化学的に安定
な保護層と；を具備し、定格ランプ入力７０〜１００Ｗ
に対して管壁負荷が３０〜４０Ｗ／ｃｍ２、定格ランプ
入力１５０〜４００Ｗに対して管壁負荷が２０〜３５Ｗ
／ｃｍ２、定格ランプ入力６６０〜１０００Ｗに対して
管壁負荷が１５〜２５Ｗ／ｃｍ２で点灯されるように構
成されていることを特徴とするセラミックス放電ラン
プ。
【請求項２】保護層は、窒素原子を含んでいることを特
徴とする請求項１記載のセラミックス放電灯。
【請求項３】始動ガスがアルゴン、クリプトンおよびキ
セノンの少なくとも一種とネオンとを混合した希ガスを
含んでいて、始動電圧５００Ｖ以下で始動可能に構成さ
れていることを特徴とする請求項１または２記載のセラ
ミックス放電ランプ。
【請求項４】気密容器を収容する外管を具備しているこ
とを特徴とする請求項１ないし３いずれか記載のセラミ
ックス放電ランプ。
【請求項５】請求項１ないし４いずれか記載のセラミッ
クス放電ランプと；この放電ランプを安定に点灯する点
灯手段と；を具備していることを特徴とする点灯装置。
【請求項６】請求項３記載のセラミックス放電ランプ
と；この放電ランプを安定に点灯する水銀灯用安定器
と；を具備し、始動用高圧パルス発生手段を有していな
いことを特徴とする点灯装置。
【請求項７】請求項１〜４のいずれか記載のセラミック
ス放電ランプと；この放電ランプを収容する照明器具
と；を具備していることを特徴とする照明装置。