JPH10218729A - 老化防止化粧料 - Google Patents

老化防止化粧料

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JPH10218729A
JPH10218729A JP3559597A JP3559597A JPH10218729A JP H10218729 A JPH10218729 A JP H10218729A JP 3559597 A JP3559597 A JP 3559597A JP 3559597 A JP3559597 A JP 3559597A JP H10218729 A JPH10218729 A JP H10218729A
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JP
Japan
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testis
skin
fish
cosmetics
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JP3559597A
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Hiroaki Tsuji
宏明 辻
Miho Matsumoto
美保 松本
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Nisshin Oil Mills Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚の老化防止効果に優れた化粧料を提供す
る。 【解決手段】 魚類精巣を遠心分離またはアルコール抽
出して得られる成分を含有してなる老化防止効果に優れ
た化粧料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚の老化を防止
するための化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚に対して、はり、ツヤを与え、シワ
やたるみの発生を防止する、いわゆる肌の老化防止を目
的とする化粧料には種々のタイプの製品が提案されてい
る。代表的なものとしては、多価アルコール類(グリセ
リン、ソルビトール等)、ヒアルロン酸、コラーゲン、
エラスチン、天然保湿因子(Natural Moisturizing Fac
or;例えばアミノ酸、乳酸塩、ピロリドンカルボン酸ソ
ーダ、尿素等)、細胞間脂質(スフィンゴ脂質、リン脂
質、コレステロール等)、皮脂類似物質(オリーブ油、
ホホバ油、スクワラン等)等の保湿成分を配合した化粧
料、またビタミンA、ビタミンC、ビタミンEおよびそ
の誘導体、ビタミンF(リノール酸)、ビタミンH(グ
ルタチオン)等のビタミン類、ホルモン類、植物抽出物
(グリチルリチン、β−カロチン等)、動物抽出物(プ
ラセンタリキッド、ローヤルゼリー等)等の細胞賦活成
分を配合した化粧料がある。また、肌のシミやシワを目
立たなくするように、表面処理を施したチタン粉末やタ
ルク粉末を配合した化粧料もこれに該当する。
【0003】一般的に皮膚の老化現象の目安となる肌の
シワやたるみを形成する主な原因として、皮膚の真皮組
織における構成成分の質的および量的変化が大きく影響
を及ぼすといわれている。すなわち真皮組織には繊維性
蛋白成分としてコラーゲン繊維と弾性繊維(エラスチ
ン)の2種類のものが存在するが、これらが種々の外的
または内的原因によって蛋白質変性をおこし、これにと
もないそれらの弾性力が低下して結果的にシワやたるみ
が生じると考えられている。
【0004】この蛋白質変性をひきおこす要因の一つに
コラーゲン繊維間の架橋結合がある。この架橋結合は、
幼若期のうちはコラーゲン繊維としての強度を増すため
に重要であり、架橋酵素によって促進される。しかし、
それが充分に成熟した後にも生体にとって必要とされな
い架橋がコラーゲン繊維間で非酵素的に生成される。現
在、この生成段階において活性酸素が関与していること
が知られている(例えば広瀬 統ら、J. Soc. Cosmet.
Chem. Japan 、第26巻(No. 4)第289〜294
頁、1993年)。
【0005】また、コラーゲンは繊維芽細胞において産
生され、繊維芽細胞自らが産生する酵素によって分解す
る。この産生と分解のバランスによりコラーゲンの量は
組織内で適切に維持されていると考えられるが、皮膚の
日光露出部いわゆる光加齢皮膚においては、その組織中
のコラーゲン量が著しく減少することが知られている。
これに関連して、岡田らは、活性酸素が繊維芽細胞に対
して作用してそのコラーゲン産生能を低減させ、さらに
そのコラーゲン分解能を促進させることを知見として
得、活性酸素の影響により皮膚組成中のコラーゲン含量
が減少することを示唆している(岡田 富雄、香粧会
誌、第17巻(No. 4)、第202〜206頁、199
3年)。
【0006】さらに、前記繊維性成分の間は組織間基質
つまりムコ多糖類(主にヒアルロン酸)で埋められてい
るが、活性酸素が作用するとムコ多糖類の断片化(低分
子化)現象が生じることが知られている(柏村 直樹
著、「活性酸素」、第464〜468頁、共立出版、1
990年)。
【0007】なお、活性酸素にはスーパーオキシド(O
2 - )、一重項酸素(1 2 )、ヒドロキシラジカル
(・OH)、過酸化水素(H2 2 )等があるが、この
うちヒドロキシラジカルは反応性が高く、生物障害作用
が最も大きいと考えられている。例えば、田中らはコラ
ーゲンとグルコースとがメイラード反応を起こし、コラ
ーゲンが架橋を生じる実験系を用い、これに種々の活性
酸素の消去剤を添加し、コラーゲン架橋の抑制効果を調
べている。その結果、スーパーオキシドおよび一重項酸
素の消去剤には該効果がなく、ヒドロキシラジカル消去
剤にコラーゲン架橋抑制効果のあることを認めている。
また同時に、種々の活性酸素を用いてヒアルロン酸の断
片化に及ぼす影響を調べた結果、ヒドロキシラジカルが
最も作用することを認めている(田中 弘ら、香粧会
誌、第17巻(No.4)、第207〜213頁、199
3年)。
【0008】以上に述べたように、活性酸素の発生を防
止しまたこれを除去することが皮膚のシワやたるみの形
成といった肌の老化防止に有効であると考えられる。し
かしながら、ヒドロキシラジカル消去剤としては、マニ
トール、トリプトファン、チオ尿素、ギ酸、アルコール
等が知られているにすぎず、また微量で実用的に効果の
あるヒドロキシラジカル消去剤はほとんどなく、これを
工業的に多量かつ安定に入手することは困難であるのが
現状である。
【0009】一方、魚類精巣はカズノコ、タラコ、イク
ラなどの魚卵ないし魚肉部の食用加工時に大量に発生し
ている。95年度の発生量はニシンとタラ類で約1万
t、サケ類約5000tといわれている。その一部(年
間約40t)は室温にて酸性水溶液で化学分解後、中和
することにより得られた塩基性タンパク質(プロタミン
ヒストン)を細菌、乳酸菌および産膜酵母用抗菌剤とし
て食品添加物として使用されている。また、核酸を分離
精製した物およびその塩は医薬品用ないし化粧品用に年
間約30t使用されているが精巣全体の発生量から見る
とごくわずかである。そのため飼料や肥料への転用が検
討されているが、実際のところそのほとんどが廃棄され
ている素材であり、その有効活用が課題となっている未
利用資源である。しかし、魚類精巣に含まれるこれらの
物質が前記ヒドロキシラジカル消去機能を有することは
これまでに知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、肌に
対してはり、ツヤを与え、シワやたるみの形成を防止す
る化粧料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意検討した結果、ニシン目、タラ
目、スズキ目由来の魚類精巣を遠心分離および/または
アルコール抽出して得られる成分(以後、精巣成分とい
う)がヒドロキシラジカルを効果的に消去し得る活性を
持つことに加え、該魚類精巣成分を配合した化粧料を適
用すると肌のシワやたるみの形成を防止できることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】魚類精巣としてはニシン目、タラ目、スズ
キ目由来の魚類精巣の1種または2種以上を含有するも
のが好ましく、また好ましい実施態様としては前記魚類
精巣成分を含有してなる化粧料であり、さらには前記魚
類精巣成分とともに保湿剤、より好ましくはヒアルロン
酸および/またはピロリドンカルボン酸ソーダを併用し
て配合してなる化粧料である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず本発明では魚類精巣としてニシン目、タラ目、スズ
キ目由来の精巣を対照とする。これらの精巣は魚卵ない
し魚肉を得る目的で加工する際にその副産物として発生
し、容易に入手することが可能である。具体的な魚種と
してはニシン目はニシン(Clupea harengus pallasi
)、タラ目はタラコや魚肉を食するマダラ(Gadus mor
hua macrocephalus)、主にすり身の原料になるスケト
ウダラ(Theragra chalcogramma )の他ヒゲダラ(Lote
lla phycis)、トウジン(Coelorhynchus japonicus
がねり製品原料として加工されている。スズキ目はカツ
オ(Katsuwonus pelamis, skipjack)、ハガツオ(Sard
a orientalis, bonito)が食用ないしインスリン製造用
に加工される。その他カサゴ目アイナメ(Hexagraos ot
akii)やホッケ(Pleurogrammus azonus)なども加工さ
れるが漁獲量が少ないため入手が困難である。一方、ベ
ニサケ(Oncorhynchus nerka)、シロサケ(Oncorhynch
us keta )、カラフトマス(Oncorhynchus gorbuscha
などサケ類はニシン目に属している。
【0014】水産加工場にて分取された魚類精巣は、生
のままないし凍結した状態にて流通しており、本発明に
おいてはそのいずれも利用可能である。魚類精巣は解凍
した状態ないし加温した後、遠心分離および/またはア
ルコール抽出してその沈殿部分を除去する。沈殿部分を
除去した精巣成分はそのままないし、加熱乾燥機、噴霧
乾燥装置ないし凍結乾燥器などを利用して乾燥物として
製剤に用いることができる。なお、乾燥の際にセルロー
ス、キチン、酸カゼインの様な通常使用される担体を適
宜併用しても差し支えない。さらに、乾燥物の含水低級
アルコール抽出物を製剤に用いることも可能である。以
上の分離法により魚類精巣成分が調製される。
【0015】アルコール抽出する場合のアルコールは、
含水低級アルコールが適当で、含水低級アルコールとし
ては、炭素数1〜4の直鎖状もしくは側鎖状低級アルコ
ール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール等と水を混合
し、アルコール濃度を0〜100% (v/v)、好ま
しくは0〜80%(v/v)、より好ましくは0〜50
%(v/v)に調節したものがよい。
【0016】精巣成分由来ヒドロキシラジカル消去機能
物質本体としては精巣に含まれるグルタチオン、ポリア
ミン類、キサンチン類、蛋白質/アミノ酸類、リン脂質
の様に抗酸化効果ないし抗酸化相乗効果が知られている
物質が係わっていると考え、ニシン精巣成分中抗酸化に
関連する既知物質を定量し抗酸化活性を測定したとこ
ろ、ニシン精巣成分の抗酸化活性の15分の1の活性し
か示さなかった。このことから、本発明による製剤の活
性本体は未知の新規物質ないし組成物と考えられる。
【0017】次に、本発明に係る魚類精巣成分の特徴的
な性状である、活性酸素種の消去活性を測定する方法を
以下に示す。ヒドロキシラジカル消去活性は、電子スピ
ン共鳴(ESR)装置を用い、5, 5’−ジメチル−1
−ピロリン−N−オキシド(以下、DMPOと略す。)
によるスピントラップ法(例えば Gow-Chin Yen an dPi
n-Der Cuh、J. Agric. Food Chem.、第42巻、第62
9〜632頁、1994年)にて測定する。すなわち硫
酸第1鉄溶液の存在下、過酸化水素はフェントン反応に
よりヒドロキシラジカルとヒドロキシアニオンとを生成
する。このうちヒドロキシラジカルは共存させたDMP
Oに補足されDMPO−OHアダクトが得られる。この
アダクトは比較的安定であり、ESRスペクトルにおい
て特徴的な4重線を示す。このとき、反応液中にヒドロ
キシラジカルを消去する活性を有する物質が共存する
と、DMPO−OHアダクトのESRスペクトルが減少
する。このスペクトルの積分値の減少量から試料のヒド
ロキシラジカル消去活性を測定できる。
【0018】ヒドロキシラジカルを消去する活性を有す
る物質として、大柳 善彦著、「SODと活性酸素種調
節剤−その薬理的作用と臨床応用」(第225〜228
頁、1989年、(株)日本医学館)ではマニトール、
トリプトファン、ギ酸等をあげ、これらのヒドロキシラ
ジカル消去活性を調べているが、該活性はマニトールで
は10μmol /ml、トリプトファンでは20μmol /ml
およびギ酸では100μmol /mlの各存在量において測
定されたものである。これに対して本発明に係るリグナ
ン配糖体の試験量は1μmol /ml以下で測定し、このよ
うな微少濃度でも充分なヒドロキシラジカル消去活性が
認められる。したがって本発明に係るリグナン配糖体
は、ヒドロキシラジカルを消去する有効成分として極め
て高い活性を有するものである。
【0019】このため、前述した本発明に係る魚類精巣
成分を化粧品、トイレタリー製品、医薬部外品の種々の
皮膚適用製品に利用することは、ヒドロキシラジカルに
よる肌への悪影響を防止するうえで極めて有用であると
考えられる。この考えをもとになされた本発明の趣旨
は、魚類精巣成分を必須成分として配合してなることを
特徴とする化粧料に関するものである。本発明の化粧料
の種類としては、特に限定されるものではないが、とり
わけ皮膚に対して使用する公知の各種化粧品を対象とす
ることが望ましく、例えばコールドクリーム、バニシン
グクリーム、エモリエントクリーム、サンスクリーンク
リーム等の各種クリーム、乳液、化粧水、ファンデーシ
ョン、洗顔料、美容液、パック剤等があげられる。トイ
レタリー製品についても同様に制限はないが、石けん、
入浴剤等を好適に例示できる。
【0020】本発明の化粧料において特徴的に配合する
成分は、魚類精巣由来物質であり、より好ましくはニシ
ン目、タラ目、スズキ目由来の魚類精巣成分の1種また
は2種以上を主成分とする製剤であり、これらの好まし
い実施態様としては、魚類精巣を含水低級アルコールで
抽出処理して得られる成分を配合してなる化粧料であ
る。ここに含水低級アルコール抽出物とは、魚類精巣か
ら本発明に係る成分を製造する方法(前述)において記
載したように、含水低級アルコール抽出などの方法で精
製した物をいう。
【0021】かかる魚類精巣成分の化粧料への配合量
は、魚類精巣成分を単独使用した場合、化粧料全量に対
して50ppm 〜100,000ppm 、望ましくは10pp
m 〜50,000ppm 混合して使用する。また前述した
含水低級アルコール抽出物のときは化粧料全量に対して
5〜20,000ppm 、望ましくは10ppm 〜50,0
00ppm とするのがよい。これらの範囲を外れて少ない
と本発明の所望の効果を奏することができず、逆に多す
ぎると最終製品において処方や色調等の品質安定性を損
なったり、またにおいの点で懸念を生じる場合がある。
【0022】本発明の化粧料は、前記魚類精巣成分と他
の公知の成分とを用いて、常法により調製することがで
きる。すなわち公知の油性成分、界面活性剤、保湿剤、
増粘剤、防腐剤、顔料、粉体、pH調節剤、抗酸化剤、
紫外線吸収剤、香料、色素、精製水等を適宜に配合すれ
ばよい。
【0023】具体的には、油性成分としては流動パラフ
ィン、イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、ミツロ
ウ、カルナウバロウ、ラノリン、ミリスチン酸イソプロ
ピル、ミリスチン酸イソパルミチル、ミリスチン酸オク
チルドデシル、イソオクチル酸セチル、トリイソオクチ
ル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、カプリル
酸及びカプリン酸の混合脂肪酸のトリグリセリド、ジイ
ソオクチル酸ネオペンチルグリコールエステル、リンゴ
酸ジイソステアリル、イソノナン酸イソノニル、12−
ヒドロキシステアリン酸コレステリル、イソステアリン
酸ジペンタエリスリトールエステル、オリーブ油、ホホ
バ油、月見草油、ユーカリ油、大豆油、菜種油、サフラ
ワー油、パーム油、ゴマ油、米胚芽油、タートル油、ミ
ンク油、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ステ
アリルアルコール、セタノール、ベヘニルアルコール等
があげられる。
【0024】界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
セチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエー
ト、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステア
レート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノス
テアレート、レシチン、リゾレシチン、ポリグリセリン
やショ糖と前記脂肪酸とのモノ、ジ、トリまたはテトラ
エステル等があげられる。
【0025】また保湿剤としては、多価アルコール類、
ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、天然保湿因子
(NMF)、ピロリドンカルボン酸ソーダ、スフィンゴ
脂質、リン脂質、コレステロール等があげられ、増粘剤
としてはカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルアルコール、カラギーナン等が
あげられ、防腐剤としてはメチルパラベン、エチルパラ
ベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナ
トリウム等を例示でき、顔料、粉体としてはタルク、カ
オリン、マイカ、ベントナイト、雲母、雲母チタン、酸
化チタン、ベンガラ、酸化鉄等があげられ、pH調節剤
としてはクエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤があ
げられる。
【0026】抗酸化剤としてはBHT、BHA、ビタミ
ンA類およびそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミ
ンC類およびそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミ
ンE類およびそれらの誘導体並びにそれらの塩等があげ
られ、紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン誘導体、パ
ラアミノ安息香酸誘導体、メトキシケイ皮酸誘導体、ウ
ロカニン酸等があげられる。
【0027】これらを適宜に組み合わせ、加温もしくは
非加温状態で、混合、分散、乳化あるいは溶解させ、液
状、ペースト状、ゲル状、クリーム状(半固形状を含
む)または固形状となし、本発明の化粧料を得る。本発
明の化粧料は肌に直接または間接に塗布して使用する。
【0028】なお本発明の化粧料においては、本発明に
係る魚類精巣成分と保湿剤とを併用して配合することに
より、本発明の効果すなわち皮膚にハリとツヤを付与
し、シワやたるみの形成を防ぐ効果がより一層顕著に発
揮される。かかる保湿剤としては公知の化粧料用原料で
あるヒアルロン酸、皮脂に類似する油剤(オリーブ油、
ホホバ油、スクワラン等)、天然保湿因子(NMF)お
よびこれに類似する成分(アミノ酸、乳酸塩、ピロリド
ンカルボン酸ソーダ等)、スフィンゴミエリン、ホスフ
ァチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホ
スファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホ
スファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、これら
のリゾ体、およびこれらの混合リン脂質、レチノイド、
α−ヒドロキシ酸(グリコール酸、クエン酸、リンゴ
酸、乳酸、酒石酸等)等を例示でき、これらのうち特に
ヒアルロン酸および/またはピロリドンカルボン酸ソー
ダが好ましい。このときの併用割合は、本発明に係るリ
グナン配糖体/保温剤=1/100〜100/1(重量
比)がよい。
【0029】
【実施例】以下に参考例および実施例を示して本発明を
具体的に説明する。 参考製造例1 ニシン、タラ、カツオ類精巣各1kgから3000rpm 、
30分間遠心し、沈殿を除いた後噴霧乾燥し、各精巣成
分を得た。各回収量はそれぞれ53g、48gおよび3
2gであった。
【0030】参考製造例2 ニシン、タラ、カツオ類由来精巣混合物1kgを80℃に
て30分間加温後、遠心分離して沈殿を除いた物にアビ
セル(旭化成社製)5重量%加え凍結乾燥を行い乾燥物
65gを得た。さらに、得られた乾燥物50gに対し9
0%含水エタノールを500ml加えて撹拌した後、濾過
し、濾液を減圧乾燥して精巣アルコール抽出物22gを
得た。
【0031】参考製造例3 ニシン、タラ、カツオ類由来精巣混合物1kgに90%
(v/v)エタノール2lを加え、ホモジナイザーによ
り4500rpm 、5分間撹拌後、遠心分離して沈澱を除
いた物を減圧乾燥して、精巣アルコール抽出物52gを
得た。
【0032】参考試験例1 魚類精巣成分のヒドロキシラジカルに対する消去活性を
測定した。すなわち、電子スピン共鳴(ESR)装置を
用い、DMPOによるスピントラップ法でヒドロキシラ
ジカル消去活性を測定した。0.55mMジエチレントリ
アミンN,N,N’,N”,N”五酢酸を含む0.1mM
硫酸第1鉄溶液75μl 、1mM過酸化水素溶液75μl
、8.8mMのDMPO溶液20μl および下記リグナ
ン配糖体水溶液50μl を混合して反応液とした。参考
製造例1で得た精製物(ニシン精巣成分)を該反応液中
の濃度が0〜1.0mg/mlの所定濃度となるように加
え、各々のDMPO−OHアダクトのスペクトルをES
R装置で測定した。ESRの測定条件は、ESR装置
(日本電子社製、JES−RE1X)を用い、磁場:3
34.5±5mT、出力:8mV、変調:100kHz 、室温
にて測定、応答時間:0.1sとし、酸化マグネシウム
中のマンガンイオン(Mn2+)を標準物質とした。SG
−3によるヒドロキシラジカルの消去活性のESRスペ
クトルを図1(A)〜図1(D)に示した。ニシン精巣
成分区が無添加のESRスペクトル(図1(A))に比
べ、該成分の添加濃度が増すにつれ明らかにスペクトラ
ムは減少した(図1(B)、図1(C)および図1
(D))。このことにより、ニシン精巣成分はヒドロキ
シラジカルを消去する活性を有することが明らかになっ
た。
【0033】参考試験例2 参考試験例1に記載の方法において、ヒドロキシラジカ
ル測定反応液に添加する魚類精巣成分の種類(参考製造
例1、2、3で得た各精製物)および濃度を変えてES
Rスペクトルを測定し、その積分値と添加濃度との関係
を各配糖体成分について求めた。その結果、いずれにお
いても反応液中に0. 01〜1. 0mg/mlの濃度範囲の
添加量で、ヒドロキシラジカルを消去する強い活性が認
められた。
【0034】実施例1(クリーム) 表1に示す処方および下記の製造方法によりクリームを
調製した。また比較のためのクリームを同様に調製し、
両クリームの性状を評価した。その結果を表2に示す。
本発明のクリームは肌に対してはりとツヤを与える効果
が大きく、シワやたるみの形成を防止する効果が認めら
れた。
【0035】
【表1】
【0036】〔製造方法〕 (1)〜(4)、(7)、(8)および(10)を
加熱しながら混合し、70〜80℃に保つ。 (12)に(5)、(6)、(9)および(11)
を加えて加熱しながら混合し、70〜80℃に保つ。 の混合物にの混合物を徐々に加えながら撹拌
し、均一に乳化する。 の乳化物を水浴に置き、室温になるまで撹拌を続
けてクリームを得る。
【0037】〔評価方法〕20〜50代の女性10名を
パネラーとし、,毎日、朝夕の洗顔後2回、1ヵ月間に
わたって、本発明クリームおよび比較クリームの各適量
を顔面に塗布した。各クリームの評価は以下の基準によ
った。 判 定 内 容 ──────────────────────────────────── ○(効果が認められた) : 肌にはり、つやが付与された、シワ・たるみ が改善された。 △(効果がやや認められた) : 肌にはり、つやがやや付与された、シワ・た るみが改善された。 ×(効果が認められなかった): 使用前と変わらない。 ────────────────────────────────────
【0038】
【表2】
【0039】実施例2(乳液) 表3に示す処方および下記の製造方法により乳液を調製
した。また比較のための乳液を同様に調製し、両乳液の
性状を評価した(評価方法および基準は実施例1と同
じ)。その結果を表4に示す。本発明の乳液は肌に対し
てはりとツヤを与える効果が大きく、シワやたるみの形
成を防止する効果が認められた。
【0040】
【表3】
【0041】〔製造方法〕 (1)〜(3)、(6)、(7)および(9)を加
熱しながら混合し、70〜80℃に保つ。 (11)に(4)、(5)、(8)および(10)
を加えて加熱しながら混合し、70〜80℃に保つ。 の混合物にの混合物を徐々に加えながら撹拌
し、均一に乳化する。 の乳化物を水浴に置き、室温になるまで撹拌を続
けて乳液を得る。
【0042】
【表4】 注)評価基準は実施例1と同じ。
【0043】実施例3(化粧水) 表5に示す処方で化粧水を調製し、実施例1と同様の方
法で評価したところ、本発明品(3−1〜3−3)はい
ずれも肌に対してはりとツヤを与える効果が大きく、特
に3−3(ピロリドンカルボン酸ソーダと精巣成分との
併用)ではその効果が顕著であった(表6参照)。この
ことから本発明品では、皮膚のシワやたるみの形成を防
ぐ効果が認められることが明らかになった。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】 注)評価基準は実施例1と同じ。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、魚類精巣成分からなる
ヒドロキシラジカルを消去する作用のある混合物を配合
してなる化粧料が提供される。本化粧料は肌にはり、ツ
ヤを与え、皮膚のシワやたるみの形成を防止する効果を
奏する。また該効果は、前記化粧料に保湿剤を併用する
ことによってさらに顕著に発現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】5,5’−ジメチル−1−ピロリン−N−オキ
シド−OHアダクトの電子スピン共鳴スペクトルであ
り、魚類精巣成分(ニシン)の添加量によるヒドロキシ
ラジカル消去活性の変化を示す図である。ニシン精巣成
分の添加濃度が図1(A):無添加、図1(B):0.
052mg/ml、図1(C):0.13mg/ml、図1
(D):0.26mg/mlである。Mn2+は酸化マグネシ
ウム中のマンガンイオン(標準物質)を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚類精巣を遠心分離および/またはアル
    コール抽出してなる成分を含有してなる老化防止用化粧
    料。
  2. 【請求項2】 魚類精巣がニシン目、タラ目、スズキ目
    の1種または2種以上を由来とする請求項1記載の化粧
    料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の化粧料がさら
    に保湿剤を含有してなる前記化粧料。
  4. 【請求項4】 保湿剤がヒアルロン酸および/またはピ
    ロリドンカルボン酸ソーダである請求項3に記載の化粧
    料。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2013172525A1 (ko) * 2012-05-16 2013-11-21 주식회사 코씨드바이오팜 어류 안구의 파쇄물 또는 추출물을 함유하는 화장료, 약학 및 식품 조성물
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KR20210068841A (ko) * 2019-12-02 2021-06-10 주식회사 밸리스 배스 추출물을 포함하는 항산화, 주름개선 및 면역활성 증진용 조성물

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