JPH10218335A - 粒体の選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課迩】 各種粒体を選別して所望の大きさのものを得
る装置を、高効率であり、かつ水平配置以外の設置も可
能なものとする。 【解決手段】 供給用外筒２内のスクリュー６ｂを備え
るスクリューコンベア６によって搬送される粒体は、供
給用外筒２の末端に設けたフィルター装置３により所定
サイズ以下のものが選別除去される。フィルター装置３
は多数の小孔３２ａを形成したフィルターエレメント３
２を内蔵するとともにその周囲をカバーしているフィル
ターケース３１の一部を延設した取り出し口３１ａを備
え、ここにファン３３を設ける。ファン３３はフィルタ
ー装置３内部の粒体を吸引する方向に機能するように構
成され、効率的に規格外の粒体のサイズを選別除去す
る。残余の規格内の粒体は送出用外筒４内のコンベアに
よって搬送され送出部５から取り出される。コンベア全
体を水平以外の設置状態とすることも可能で使用レイア
ウトの自由度が拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種粒体の大きさ
を選別して、所望の大きさのものを取り出す装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の粒体の選別装置は、フィルターと
して所定の大きさの目を有する金網、あるいは所定の大
きさの穴を多数形成した薄板を組み込んだ、いわゆる
「ふるい」によるものであって、これに上下左右方向の
振動、あるいは回転運動を与えることにより区分すべき
粒体を選別するものであったが、いずれも選別体が一定
値以上の比重を持った粒体であることが望ましく、非常
に小さい比重の粒体や相互摩擦により静電気を発生する
粒体の選別は困難な場合が多く、また、操作中にフィル
ターの目詰まりが避けられないものであり、これが［ふ
るい」効率に大きく影響し目詰まりを解消することが絶
対に必要な作業の一つとなっている。

【０００３】しかし、このような装置では、フィルター
上に供給される粒体の重量によってフィルターの小孔か
ら落下する粒体を得るものであるため、フィルターはか
なり大きな面積を持つ平板又は円筒状であり、設備全体
のレイアウトが限定され、設備面積を多く必要とし、特
に比重の小さい粒体、例えば発泡スチロール粉砕粒のよ
うな粒体の粒径選別の場合、選別のため粒体全体がゆり
動かされると多量の静電気が起きて互いにくっつき合っ
てしまい重量による落下現象だけでは選別が困難なもの
となり粒体大きさ別の選別は完全なものとはならず、ど
うしても粒体に細片がまとわりついてしまう問題があっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、前記のような不具合のない、粒体の選別装置を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題は本発明によ
れば、円筒状の外筒と、該外筒内を回転するスクリュー
とを備えて粒体を搬送するスクリューコンベアと、前記
スクリューコンベアの外筒の一端に結合され、粒体を逐
次供給するホッパーと、前記ホッパーとスクリューコン
ベアとの間の箇所、あるいはスクリューコンベアの外筒
を中断した箇所に介挿し組み付けたフィルター装置とか
らなる粒体の選別装置であって、前記フィルター装置
は、前記外筒と同径で外筒に連結し、所定サイズ以下の
粒体を通過させる多数の小孔を備える円筒状のフィルタ
ーエレメントと、前記フィルターエレメントの外周を一
定の空隙を有して覆い、フィルターエレメントを通過し
た粒体を収集するフィルターケースと、フィルターケー
スに延設し、粒体を取り出す取り出し口と、前記取り出
し口に備えたフィルターエレメント内およびフィルター
ケース内の粒体を吸引する方向に機能するファンとを備
えるものとすることにより解決される。

【０００６】また、前項において、前記フィルター装置
をスクリューコンベアの外筒を中断し介挿し組み付ける
箇所は、フィルター装置の後、スクリューコンベア末端
までの間に少なくとも数ピッチのスクリュー分を残す位
置とすることによって解決することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の粒体の選別装置は、スク
リューコンベアを粒体の搬送に使用し、その搬送過程内
にフィルター装置を組み込むものである。

【０００８】スクリューコンベアの搬送始点にはホッパ
ーが組付けられて、選別対象の粒体が供給される。ホッ
パーとスクリューコンベアとの間の箇所、あるいはスク
リューコンベアの外筒を中断した箇所にフィルター装置
を組み込んで、所定サイズ以下の大きさの粒体を取り出
し、所定サイズ以上の粒体は、引き続きスクリューコン
ベアで終点まで搬送し送出する。

【０００９】フィルター装置として、外筒と同径で、所
定サイズ以下の粒体を通過させる多数の小孔を備える円
筒網状のフィルターエレメントを外筒に連結する。そし
て、フィルターケースでその外周を一定の空隙を持たせ
て覆い、フィルターエレメントを通過した粒体を収集す
るようにする。さらにフィルターケースを延設して粒体
を取り出す取り出し口を形成するとともに、該部分にモ
ーターによって駆動されるファンを設ける。

【００１０】ファンの作用方向は、スクリューコンベア
内やフィルター装置内の粒体を吸引する方向とする。こ
のようにすることによって、フィルター装置内の粒体か
ら所定サイズ以下のものが吸引されてフィルターの小孔
を通過し、取り出され、効率的な選別が行われる。

【００１１】スクリューコンベアのスクリュー外径と、
フィルター円筒の内径との間隙は、０．５〜１ｍｍ程度
とし、かなり小さく設定する。このことによって、フィ
ルターの孔に目詰まりを起こさせるような粒体をかき落
として処理することができる。

【００１２】フィルター装置を組み込む箇所がスクリュ
ーコンベアの外筒を中断した箇所である場合、その位置
はスクリューコンベアの終点に接近し過ぎない位置が望
ましく、少なくともフィルター装置の後にスクリューコ
ンベア終点までの間に数ピッチのスクリュー分を残した
位置とするのが望ましい。このようにするとフィルター
装置のファンの吸引作用によってフィルター装置後の数
ピッチ分のスクリュー間は吸引された粒体によってフル
充填状態となり、この状態が所定サイズ以下の粒体を吸
引するファンの吸引作用に有効に働く。

【００１３】フィルター装置によって所定サイズ以下の
粒体を選別除去し、残余の所定サイズ以上のものを製品
とするように構成してもよく、また逆に、所定サイズ以
下の粒体を製品とし、フィルター装置を通過しない残余
の粒体を規格外品として処理することもできる。

【００１４】フィルター装置を２段とし、第１のフィル
ター装置によりサイズの小さい方の規格外品を除去し、
次の第２のフィルター装置によってサイズの大きい方の
規格外品を除外することによって一定の規格の幅に収ま
る大きさの粒体を得ることも可能である。

【００１５】このようにスクリューコンベアと、ファン
を備えたフィルター装置との組み合わせによって、本発
明の選別装置は、効率的な選別が行われるとともに、水
平状態の設置条件にこだわることなく、縦、横、斜め、
いずれの状態にでも設置することができ、使用レイアウ
トの自由度が向上し、スペースの節減が可能となる。

【００１６】

【実施例】図１は本発明の装置全体の説明のための断面
図であり、複雑化を避けるため、細部は省略してある。
１はホッパーであり、選別対象となる粒体がここから供
給される。

【００１７】２は供給用外筒である。ステンレス材等の
金属板または合成樹脂で形成される円筒であって、一方
の（図１では左方）端部や、端部寄りの上部に開口部を
形成して前記ホッパー１を結合する。

【００１８】３はフィルター装置であり、前記供給用外
筒２のホッパー１側とは逆の端部に対してその一方の端
部を結合し、供給される粒体の大きさを選別する。詳細
は後述する。４は送出用外筒であり、前記フィルター装
置３の、前記とは逆の端部に結合した円筒であって、金
属板または樹脂で形成される。５は送出用外筒４の他端
寄りの開口部に結合された送出部であって、フィルター
装置３で選別し取り出された粒体以外の残りがここから
送り出される。

【００１９】６はスクリューコンベアである。６ａは、
その金属製の回転軸であり、該回転軸６ａの外周に金属
製の公知の構造のスクリュー６ｂが取り付けられ、スク
リュー６ｂの外周縁と、前記供給用外筒２および送出用
外筒３の内周面との間隙は０．５〜１ｍｍ程度に設定さ
れていて、回転軸６ａの回転に伴い両外筒内の粒体を図
面左方から右方へ搬送する。なお、６ｃは回転軸６の図
面左方端の軸受であり、６ｄは回転軸６の図面右方端の
軸受である。また、７は回転軸６を回転駆動する減速装
置付きのモーターである。なお、本実施例ではモーター
７はスクリューコンベア６の全長に対して図１の右方端
に設けたが、逆側、即ち左方端であっても差し支えな
い。

【００２０】前述のフィルター装置３の部分詳細を図３
に示す。３１はフィルターケースであって、供給用外筒
２および送出用外筒４の外径に対し、後述の吸引用のフ
ァンによって吸引するに必要な空間より設定できる径と
する円筒状であり、金属板または樹脂で形成され、両端
部は供給用外筒２および送出用外筒４のそれぞれの端部
と結合可能とするように、外径が段差をもって設定され
ていて、この部分を後述のフィルターエレメントととも
に外筒に紺付ける。

【００２１】３２はフィルターエレメントである。金属
または樹脂で形成された網板状の円筒であって、供給用
外筒２および送出用外筒４の径と同径の円筒状であり、
所定寸法、形状の多数の網目孔３２ａが形成されてい
る。網目孔３２ａの形状は円形、楕円形、多角形、十字
孔等、用途によって設定する。フィルターエレメント３
２の両端部は供給用外筒２および送出用外筒４のそれぞ
れの端部と結合するように、外径が段差をもって設定さ
れ、この部分をボルト３ａによって、前記のフィルター
ケース３１とともに組付けている。

【００２２】フィルターエレメント３２の内径と、スク
リュー６ｂの外周縁との間隙は、供給用外筒２および送
出用外筒３の内周面とスクリュー６ｂの外周縁との間隙
同様に０．５〜１ｍｍ程度に、かなり小さく設定されて
いる。

【００２３】３１ａはフィルターケース３１の外周の一
部から延設された筒状の取り出し口である。フィルター
エレメント３２を通過した粒体は取り出し口３１ａへ導
入されるが、図１に示したように該取り出し口３１ａ内
にはモーター３３ａによって駆動されるファン３３が配
置されていて、このファン３３はフィルターエレメント
３２内に位置する粒体を吸引する方向に回転する。

【００２４】再び図１に戻り、４は前記のように送出用
外筒であり、その端部の開口部には送出部５が組付けら
れて、粒体を排出する。

【００２５】このような構成の粒体選別装置において、
選別すべき粒体がホッパー１によって図１における矢印
Ａ方向に供給されると、粒体はスクリューコンベア６の
回転するスクリュー６ｂによって供給用外筒２内を矢印
Ｂ方向へ搬送され、また、ファン３３の吸引力によりフ
ィルター装置３に到達する。

【００２６】供給用外筒２のスクリューコンベアは充填
率からスクリュー間が目一杯になることはなく、必ず余
裕をもって次段へ粒体を移送する。このことはホッパー
１が満杯であっても常に所定量が次段へ送り込まれるこ
とにつながる。

【００２７】スクリュー６ｂによって搬送された粒体
が、例えば発泡スチロール粒のようなものである場合、
搬送中の粒体の相互摩擦作用によって多量の静電気を発
生し互いにくっつき合うことになるが、フィルターエレ
メント３２の網目孔３２ａを通して作用するファン３３
の吸引力の方が静電気による付着力よりも強く設定して
あるので、くっつき合っているものは引き離され、吸引
された粒体のうち、網目孔３２ａを通過できるものはす
べてフィルターエレメント３２を通過して矢印Ｃ方向に
フィルターケース３１内に吸引され、取り出し日３１ａ
から矢印Ｄ方向へ外部へ取り出される。

【００２８】また、フィルターエレメント３２の内径
と、スクリュー６ｂの外周縁との間隙や、供給用外筒２
および送出用外筒３の内周面とスクリュー６ｂの外周縁
との間隙は０．５〜１ｍｍ程度にかなり小さく設定され
ているので、フィルターエレメント３２の網目孔３２ａ
に入り込んで目詰まりを起こさせている一部の粒体をス
クリュー６ｂはかき取り、かき落として処理することが
できる。

【００２９】前記したように供給用外筒２のスクリュー
コンベアは充填率からスクリュー間が目一杯になること
はなく、必ず余裕をもって次段へ粒体を移送する。この
ことはホッパー１が満杯であっても常に所定量が次段へ
送り込まれることを意味するものであるから、この余裕
によってファン３３は有効に作用し、所定サイズ以下の
粒体は効果的にフィルターエレメント３２を通過させて
矢印Ｃ方向にフィルターケース３１内を経て規格外品と
して取り出し口３１ａから矢印Ｄ方向へ外部へ取り出さ
れるこのになる。外部へ取り出された粒体は、所定の処
理が行われる。

【００３０】フィルター装置３により所定サイズ以下の
ものを除去された粒体は、規格品として引き続きスクリ
ューコンベア６によって送出用外筒４の内部を搬送され
るが、フィルター装置３の出力側のスクリューはファン
３３の作用によって吸引されて目詰まり状態となるの
で、フィルター装置付近の粒体に対するファン３３の吸
引の作用の効果をさらに有効なものとする。搬送された
規格品は、やがて末端の送出口５に至り、自然落下等の
手段によって矢印Ｅ方向の外部へ導出され、所定の処理
が行われる。

【００３１】本発明の選別対象粒体は、前記例の発泡ス
チロール粉砕粒の他に、錠剤等の薬品関係、一般工業製
品、農産物の穀物関係等、各種の粒体の選別に利用する
ことができる。

【００３２】従って、用途に応じてフィルターエレメン
トの網目孔３２ａの形状は円形、楕円形、多角形、十字
孔等、用途に応じて選択設定すればよい。また、孔の大
きさも用途に応じて適正な大きさに設定すればよい。

【００３３】また、前記の実施例の各図では、スクリュ
ーコンベアは水平に配置するように記載したが、本発明
の選別装置は横、縦、斜め、いずれの状態の配置でも実
施することができるものである。図３には斜めの状態の
設置例、そして図４には垂直状態に設置した例を示し
た。図４において（ａ）は上方から下方へ搬送する場
合、（ｂ）は下方から上方へ搬送する場合を示した。な
お、説明の複雑化を避けるため、図１の実施例と同様の
部分は図３、４において同様の符号を使用した。

【００３４】また、前記の実施例ではフィルター装置３
の前段に供給用外筒２を配置し、後段に送出用外筒４を
配置したが、状況によっては、供給用外筒２を用いず
に、ホッパー１から直接フィルター装置３に粒体を供給
するようにしてもよい。

【００３５】また、前記の実施例では、フィルター装置
３によって選別された所定サイズ以上の粒体を規格品と
するように構成したが、逆に、フィルター装置３によっ
て選別された所定サイズ以下の粒体を規格品として処理
することもできる。

【００３６】さらに、本発明の発展的な応用としてフィ
ルター装置をもう１段設けて２段とし、第１のフィルタ
ー装置によりサイズの小さい方の規格外品を除去し、次
の第２のフィルター装置によってサイズの大きい方の規
格外品を除去し、一定の規格の幅に収まる大きさの粒体
を得ることも可能である。また、その逆に上記各規格外
品を規格品として利用することも可能である。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、粒体の大
きさを選別する装置として、スクリューコンベアと、フ
ァンを備えたフィルター装置とを組み合わせたので、効
率的な選別作業を行うことができ、さらに、フィルター
装置は従来のように粒体の自重に頼ることがないので、
装置全体を水平な配置だけでなく、縦型、横型、斜め型
のいずれの配置でも行うことができ、専有面積を低下さ
せることが可能となり、使用レイアウト上の自由度が格
段に増大するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の全体の構成を示す説明的な
断面図である。

【図２】本発明の一実施例のフィルター装置の断面図で
ある。

【図３】本発明の選別装置の図１とは別の配置状態の略
図である。

【図４】本発明の選別装置の図１とは別の配置状態の略
図である。

【符号の説明】

１ ホッパー ２ 供給用外筒 ３ フィルター装置 ３１ フィルターケース ３２ フィルターエレメント ３２ａ 網目孔 ４ 送出用外筒 ５ 送出部 ６ スクリューコンベア ６ａ 回転軸 ６ｂ スクリュー ７ モーター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状の外筒と、該外筒内を回転するス
   クリューとを備えて粒体を搬送するスクリューコンベア
   と、 前記スクリューコンベアの外筒の一端に結合され、粒体
   を逐次供給するホッパーと、 前記ホッパーとスクリューコンベアとの間の箇所、ある
   いはスクリューコンベアの外筒を中断した箇所に介挿し
   組み付けたフィルター装置とからなる粒体の選別装置で
   あって、 前記フィルター装置は、 前記外筒と同径で外筒に連結し、所定サイズ以下の粒体
   を通過させる多数の小孔を備える円筒状のフィルターエ
   レメントと、 前記フィルターエレメントの外周を一定の空隙を有して
   覆い、フィルターエレメントを通過した粒体を収集する
   フィルターケースと、 フィルターケースに延設し、粒体を取り出す取り出し口
   と、 前記取り出し口に備えられ、フィルターエレメント内お
   よびフィルターケース内の粒体を吸引する方向に機能す
   るファンと、を備えることを特徴とする粒体の選別装
   置。
2. 【請求項２】 前記フィルター装置をスクリューコンベ
   アの外筒を中断し介挿し組み付ける箇所は、フィルター
   装置の後、スクリューコンベア末端までの間に少なくと
   も数ピッチのスクリュー分を残す位置であることを特徴
   とする請求項１に記載の粒体の選別装置。