JPH10217692A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JPH10217692A
JPH10217692A JP2394797A JP2394797A JPH10217692A JP H10217692 A JPH10217692 A JP H10217692A JP 2394797 A JP2394797 A JP 2394797A JP 2394797 A JP2394797 A JP 2394797A JP H10217692 A JPH10217692 A JP H10217692A
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JP
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resin
layer
transfer sheet
transfer
film
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JP2394797A
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Keijirou Nanba
系治郎 難波
Yuji Ishii
祐司 石井
Kahei Murata
嘉平 村田
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを基材フィ
ルムとした転写フィルムと同等の性能を備え、しかも健
康被害や環境破壊等の心配がなく経済的な、三次元形状
の物品の表面への転写に適した転写シートを提供する。 【解決手段】基材フィルム上に転写層を有する転写シー
トにおいて、前記基材フィルムが、非晶質ポリオレフィ
ン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成物層と、エチレ
ン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂から
なる樹脂層とが、2層以上に積層されてなる積層フィル
ムであることを特徴とする転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元形状の物体
の表面に絵柄を転写形成するに好適な転写シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、木質系加工品や樹脂成形品等の三
次元形状の物体の表面に絵柄を転写形成する方法とし
て、熱成形性を有する転写シートを加熱軟化させた状態
で、真空圧を利用して物体の表面に沿って密着させて成
形する、所謂真空成形法を利用して転写する方法や、熱
成形性を有する転写シートを物体の表面に載置し、シリ
コーンゴム等の弾性体を介して加熱加圧することによ
り、加熱軟化した転写シートを物体の表面の凹部にまで
圧入して転写する方法等が用いられている。
【0003】係る転写方法に使用する転写シートとして
は、三次元形状の物体の表面に沿って成形されるに十分
な熱成形性が要求されるので、熱成形性に優れた樹脂で
あるポリ塩化ビニル樹脂フィルムを基材フィルムとした
転写シートが、最も広く使用されている。
【0004】しかしながら、上記ポリ塩化ビニル樹脂
は、燃焼時に塩化水素等の有害ガスを発生するので、火
災時の被害や焼却処分時の環境汚染問題等が指摘されて
いる他、可塑剤やモノマーの揮発により使用者に健康被
害を発生したり、焼却灰の埋め立て処分により安定剤と
して含有されていた重金属が溶出し環境汚染を発生する
等、多くの問題を抱えたものであるので、より環境に優
しい材料による代替が今や社会的要請となっている。特
に転写シートの場合には、基材フィルムは転写終了後直
ちに産業廃棄物となるから、問題は一層深刻である。
【0005】ところが、三次元形状の物体の表面への転
写に使用する転写シートの基材フィルムとしては、ポリ
塩化ビニル樹脂以外にも例えばポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニル系樹脂
等、各種の樹脂フィルムを使用する方法が検討されて来
たが、転写シートに要求される印刷適性や、熱成形性
(軟化温度や加熱軟化状態での耐破断性、柔軟性、均一
変形性、形状追随性等)、転写性(剥離性、剥離時の柔
軟性、耐破断性等)、経済性等の面で、ポリ塩化ビニル
樹脂フィルムと同等以上の性能を有するものは得られて
おらず、ポリ塩化ビニル樹脂の代替の目処は全く立って
いないのが実状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記した問題点を解決すべくなされたものであっ
て、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを基材フィルム
とした転写シートと同等の性能を備え、しかも健康被害
や環境破壊等の心配がなく経済的な、三次元形状の物品
の表面への転写に適した転写シートを提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の転写シートは、
基材フィルム上に転写層を有する転写シートにおいて、
前記基材フィルムが、非晶質ポリオレフィン樹脂を含有
するオレフィン系樹脂組成物層と、エチレン系樹脂およ
び/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層と
が、少なくとも2層に積層されてなる積層フィルムであ
ることを特徴とするものである。
【0008】また本発明の転写シートは、前記転写層
が、前記基材フィルムのエチレン系樹脂および/または
結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層の表面上に設
けられてなることを特徴とするものである。
【0009】また本発明の転写シートは、前記基材フィ
ルムが、前記非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレ
フィン系樹脂組成物層の表裏に、前記エチレン系樹脂お
よび/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層
が積層された3層積層フィルムであることを特徴とする
ものである。
【0010】また本発明の転写シートは、前記非晶質ポ
リオレフィン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成物層
が、プロピレンおよび/またはブテン−1成分含有率が
50重量%以上の非晶質ポリオレフィン樹脂を20〜1
00重量%と、結晶性ポリプロピレン樹脂および/また
はエチレン系樹脂を80〜0重量%含有する樹脂組成物
からなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の転写シートは、その一例
を図1に示す様に、基材フィルム1上に絵柄等の転写層
2が剥離可能に形成されてなる転写シートにおいて、前
記基材フィルム1が、非晶質ポリオレフィン樹脂を含有
するオレフィン系樹脂組成物層11と、エチレン系樹脂
および/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂
層12とが、少なくとも2層に積層されてなる積層フィ
ルムであることを特徴とするものである。
【0012】非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレ
フィン系樹脂組成物層11は、基材フィルム1に適当な
柔軟性や熱変形性を与えるために設けられる層である。
非晶質ポリオレフィン樹脂としては、沸騰n−ヘプタン
によるソックスレー抽出不溶分が70重量%以下、より
好適には60重量%以下であることが、柔軟性確保の面
から好ましい。一方、機械的強度の面からは、数平均分
子量は1000〜200000、より好適には1500
〜100000の範囲であることが好ましい。
【0013】上記非晶質ポリオレフィン樹脂として具体
的には、例えばアタクチックポリプロピレン樹脂、プロ
ピレン・エチレン共重合体樹脂、プロピレン・ブテン−
1共重合体樹脂、プロピレン・ブテン−1・エチレン三
元共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセン−1・オクテン
−1三元共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセン−1・4
−メチルペンテン−1三元共重合体樹脂、ポリブテン−
1樹脂、ブテン−1・エチレン共重合体樹脂、ブテン−
1・ヘキセン−1・オクテン−1三元共重合体樹脂、ブ
テン−1・ヘキセン−1・4−メチルペンテン−1三元
共重合体等の非晶質のオレフィン系樹脂を挙げることが
でき、またそれらのうちの複数種を適宜混合して使用す
ることもできる。
【0014】但し、エチレン成分含有量が多すぎると、
基材フィルム1が柔軟になり過ぎ、また加熱軟化状態で
の強度が低下する。一方、ヘキセン−1等の長い側鎖を
与える成分が多すぎると、基材フィルム1の柔軟性が低
下する他、軟化温度が上昇し、加熱軟化状態での変形
性、形状追随性等が低下する。従って、非晶質ポリオレ
フィン樹脂としてはプロピレンおよび/またはブテン−
1を主体とすることが好ましく、両者の含有率を50重
量%以上とすることが最も好ましい。
【0015】上記非晶質ポリオレフィン樹脂を含有する
オレフィン系樹脂組成物層11には、必要に応じて結晶
性ポリプロピレン樹脂および/またはエチレン系樹脂を
添加して、柔軟性や軟化温度、軟化状態での変形性等の
必要物性を調整することもできる。結晶性ポリプロピレ
ン樹脂としては、沸騰n−ヘプタン不溶性のアイソタク
チックポリプロピレン樹脂、またはアイソタクチックポ
リプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体樹脂等
を好適に使用することができる。
【0016】また、エチレン系樹脂としては、例えば低
密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、
超低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、
高密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン樹脂や、エチ
レンと他のオレフィン、ビニルエステルまたはその鹸化
物、不飽和カルボン酸またはそのエステルまたは金属塩
等との共重合体樹脂等を使用することができる。
【0017】また、上記した非晶質ポリオレフィン樹脂
や結晶質ポリプロピレン樹脂、エチレン系樹脂として
は、例えば不飽和カルボン酸またはそのエステル、酸無
水物、金属塩等の誘導体、不飽和物のアミド、アミノ化
合物、グリシジルメタアクリレート、ヒドロキシメタア
クリレート等により変性したものを使用することもでき
る。
【0018】非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレ
フィン系樹脂組成物層11に、上記した結晶性ポリプロ
ピレン樹脂および/またはエチレン系樹脂を添加する場
合には、非晶質ポリオレフィン樹脂の含有量を20〜1
00重量%、結晶性ポリプロピレン樹脂および/または
エチレン系樹脂の含有量を80〜0重量%の範囲とする
ことが好ましい。非晶質ポリオレフィン樹脂の含有量が
20重量%以下であると、十分な柔軟性や熱成形性を得
ることが困難である。
【0019】その他、必要に応じて例えば安定剤、可塑
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、密着助剤、充填材、着色
剤、体質顔料等の添加剤を適宜添加しても良い。
【0020】エチレン系樹脂および/または結晶性ポリ
プロピレン樹脂からなる樹脂層12は、基材フィルム1
に腰や耐破断性等の機械的強度や表面強度、耐溶剤性、
表面非粘着性等の表面物性を付与する目的で設けられる
ものであって、その樹脂として具体的には上記した非晶
質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成
物層11に添加することができる樹脂として掲げたエチ
レン系樹脂や結晶性ポリプロピレン樹脂と同様の樹脂を
使用することができ、非晶質ポリオレフィン樹脂を含有
するオレフィン系樹脂組成物層11に添加した樹脂と同
一の樹脂であっても異なる樹脂であっても良い。
【0021】本発明の転写シートの基材フィルム1を構
成する積層フィルムの、上記2種の樹脂の層11、12
の層数や積層順序等は特に問わず、また他の熱成形性の
樹脂層が共に積層されていても良いが、少なくともその
転写層2を形成する面は、エチレン系樹脂および/また
は結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層12で形成
されていることが好ましい。エチレン系樹脂および/ま
たは結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層12は、
非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィン系樹脂
組成物層11と比較して、表面強度や耐溶剤性、表面非
粘着性等に優れるので、転写層2を印刷形成する際に、
インキに含有される溶剤による侵食や機械的擦傷等を受
けにくく、印刷欠陥が少なく転写性に優れた高品質の転
写層2の形成が容易であるからである。
【0022】なお、転写層2を形成する面には、必要に
応じてシリコーン樹脂等による離型処理を施すことも可
能である。しかしながら、エチレン系樹脂および/また
は結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層12は、表
面張力が低くしかも非粘着性であり、印刷インキ等の転
写層2に対する剥離性に優れるから、一般には離型処理
を施す必要がない場合が多い。
【0023】また、転写層2を設ける面と反対側の面
に、非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィン系
樹脂組成物層11が露出していると、非晶質ポリオレフ
ィン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成物層11とエ
チレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂
からなる樹脂層12との熱膨張係数の差による反りを発
生して、印刷時や転写時の作業適性を悪化させたり、機
械的・熱的特性の差により熱成形時に不均一な変形を発
生したり、表面強度が低いので表面に傷がついて破断の
原因となったり、表面に粘着性があってブロッキングの
原因となったりする場合がある。
【0024】従って、転写層2を設ける面と反対側の面
にも、エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピ
レン樹脂からなる樹脂層12を設けておくことが好まし
い。非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィン系
樹脂組成物層11の両面に設けるエチレン系樹脂および
/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層12
は、同一の樹脂からなる層であっても異なっていても良
いが、反りや不均一変形の防止の観点および製造上の経
済を考慮すると、同一の樹脂を使用することが最も好ま
しい。
【0025】本発明において、基材フィルム1の総厚は
特に限定されないが、三次元形状の物体の表面への転写
に使用する場合には、薄すぎると熱成型時に破断し易
く、厚すぎると形状追従性が悪化したり、転写シートを
軟化させるに要する熱量が増してエネルギーロスの増大
や生産性の低下に繋がるので、具体的な物体の形状や材
質にもよるが概ね10〜300μm程度の範囲で選ばれ
るのが一般的であり、中でも50〜120μmの厚みの
ものが使用される例が最も多い。
【0026】またその各構成層の厚さも特に限定されな
いが、非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィン
系樹脂組成物層11の構成比が多いほど積層フィルムは
柔軟性や熱変形性が増し、一方エチレン系樹脂および/
または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層12の
構成比が多いほど腰が強く破断強度の高い積層フィルム
が得られるから、両者の構成比を適宜設定することによ
って、基材フィルム1の機械的・熱的特性を調整するこ
とができる。
【0027】特に、従来の三次元成形用転写シートの基
材フィルムとして使用されていたポリ塩化ビニル樹脂フ
ィルムに近い特性を得る為には、各樹脂の具体的な組成
にも依存するが、非晶質ポリオレフィン樹脂を含有する
オレフィン系樹脂組成物層11とエチレン系樹脂および
/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層12
との構成比を概ね1:2〜2:1程度の範囲から選ぶこ
とが好ましい。また、エチレン系樹脂および/または結
晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層12を非晶質ポ
リオレフィン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成物層
11の両面に設けた3層構成とする場合には、両面のエ
チレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂
からなる樹脂層12の厚みは同一であっても異なってい
ても良いが、反りや不均一変形の防止の観点および製造
上の経済を考慮すると、両者を同一の厚みとすることが
最も好ましい。
【0028】本発明において、基材フィルム1の製造方
法は特に限定されず、例えば熱ラミネート法、ドライラ
ミネート法、共押出し法、押出しラミネート法等、従来
公知の任意の方法が適用可能である。また積層時に接合
面に例えば接着剤やアンカー剤、プライマー等の塗布や
コロナ処理、フレーム処理、オゾン処理、酸処理、紫外
線または電子線等の電離放射線照射処理等の表面処理を
施すことによって、各構成層間の密着性を向上する処置
を施すことも任意である。
【0029】転写層2は、従来の転写シートのそれと全
く同様であって、例えばグラビア印刷法、オフセット印
刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、無版印刷法
等の任意の印刷方法によって所望の絵柄を設けることが
できる。また、単なる着色を目的とする場合にはベタ印
刷層であっても良いし、また例えばグラビアコーティン
グ法、マイクログラビアコーティング法、ロールコーテ
ィング法、フローコーティング法、スプレーコーティン
グ法、ディップコーティング法、ナイフコーティング
法、エアーナイフコーティング法、ロッドコーティング
法、キスコーティング法、リップコーティング法、コン
マコーティング法等、任意の方法で設けられたコーティ
ング層であっても良い。またその材質は、従来公知の任
意の印刷インキやコーティング剤、塗料等が使用可能で
ある。
【0030】なお、基材フィルム1の表面を構成するエ
チレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂
からなる樹脂層12は、一般に印刷インキ等に対する受
容性に乏しいので、印刷・コーティング適性を向上する
為に、事前にコロナ処理やフレーム処理、オゾン処理、
酸処理、紫外線または電子線等の電離放射線照射処理等
の表面処理を施しても良い。
【0031】転写層2としては上記の絵柄以外にも、例
えば剥離層、表面保護層、艶調整層、金属蒸着層、光輝
層、隠蔽層、接着層等を、必要に応じて適宜設けても良
い。これらのうち、表面保護層を設ける場合には、表面
の耐磨耗性や耐溶剤性等の観点からは、熱可塑性樹脂よ
りも熱硬化性樹脂または電離放射線硬化性樹脂等の硬化
性樹脂を使用する方が好ましいが、硬化済の硬化性樹脂
は熱変形性に乏しいので、硬化性樹脂を使用する場合に
は未硬化または半硬化状態としておき、転写完了後に完
全硬化させることが好ましい。但し、転写シートの熱成
形時の硬化性樹脂層のヒビ割れを利用した亀裂模様の形
成を目的とする場合等にはこの限りでない。
【0032】
【実施例】厚さ25μmの非晶質ポリオレフィン樹脂を
含有するオレフィン系樹脂組成物(宇部レキセン社製、
商品名CAP350)の表裏を、それぞれ厚さ25μm
の結晶性ポリプロピレン樹脂(三井石油化学工業社製、
商品名ハイポールLA221)でサンドイッチする様
に、三層共押出し法により成形し、厚さ75μmの三層
積層シートを作製した。
【0033】上記三層積層シートの片面をコロナ処理
後、硝化綿系剥離剤からなる剥離層と、硝化綿系インキ
からなる絵柄層とを、それぞれグラビア印刷法により設
けて、本発明の転写シートを作製した。
【0034】表面に框組型の切削加工を施した厚さ20
mmの中密度繊維板からなる基材の表面に、ウレタン変
性ビニル樹脂系エマルジョン接着剤(コニシ社製、商品
名CVC555)を乾燥後の塗布量10g/m2 に塗布
し、その表面に上記転写シートを、従来の塩ビ転写シー
トの場合と同一条件(シート加熱温度70℃、圧縮空気
圧力2kg/cm2 、圧熱時間110秒)にて真空圧空
成型法にて密着させ、三層積層シートを剥離除去して、
基材表面に絵柄を転写形成することができた。
【0035】
【発明の効果】本発明の転写シートは、基材フィルム上
に転写層を有する転写シートにおいて、前記基材フィル
ムを、非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィン
系樹脂組成物層と、エチレン系樹脂および/または結晶
性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層とが、2層以上に
積層されてなる積層フィルムから構成したことにより、
ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを使用した転写シートに匹
敵する熱成形性や転写適性が得られ、三次元形状の物体
の表面への転写に非常に好適である。然も、ポリ塩化ビ
ニル樹脂を使用していないので、焼却しても塩化水素等
の有害ガスを発生することがなく、また有害な重金属等
を含有する焼却灰も発生しないから、健康被害や環境汚
染、廃棄物処理等の問題がなく、近年の社会的要請にも
合致したものである。
【0036】特に、前記転写層を、前記基材フィルムの
エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹
脂からなる樹脂層の表面上に設けることにより、積層フ
ィルムの転写層形成面が耐溶剤性や耐擦傷性、離型性等
に優れるので、転写層を設ける為の印刷インキやコーテ
ィング剤等に含有される溶剤によって積層フィルムが侵
食されることがなく、印刷欠陥が少なく転写性にも優れ
た高品質の転写シートを容易に得ることができる。
【0037】また特に、前記基材フィルムを、前記非晶
質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成
物層の表裏に、前記エチレン系樹脂および/または結晶
性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層が積層された3層
積層フィルムから構成したことにより、基材フィルムが
物性的に表裏対称となって、反りや不均一な変形等を発
生することがなく、印刷適性や熱成形適性に優れる他、
工程上の表面擦傷防止やブロッキング防止等の観点から
も有効である。
【0038】また特に、前記非晶質ポリオレフィン樹脂
を含有するオレフィン系樹脂組成物層を、プロピレンお
よび/またはブテン−1成分含有率が50重量%以上の
非晶質ポリオレフィン樹脂を20〜100重量%と、結
晶性ポリプロピレン樹脂および/またはエチレン系樹脂
を80〜0重量%含有する樹脂組成物から構成すること
により、柔軟性や機械的強度、熱成形性等の諸物性が、
従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを使用したものに最
も近い転写シートが得られ、印刷工程や転写工程におい
て従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを使用した場合と
全く同様の工程条件で、転写シートの製造および転写加
工が可能であるという顕著な利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【符号の説明】
1‥‥基材フィルム 11‥‥非晶質ポリオレフィン樹脂を含有するオレフィ
ン系樹脂組成物層 12‥‥エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロ
ピレン樹脂からなる樹脂層 2‥‥転写層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルム上に転写層を有する転写シー
    トにおいて、前記基材フィルムが、非晶質ポリオレフィ
    ン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成物層と、エチレ
    ン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂から
    なる樹脂層とが、2層以上に積層されてなる積層フィル
    ムであることを特徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】前記転写層が、前記基材フィルムのエチレ
    ン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂から
    なる樹脂層の表面上に設けられてなることを特徴とする
    請求項1に記載の転写シート。
  3. 【請求項3】前記基材フィルムが、前記非晶質ポリオレ
    フィン樹脂を含有するオレフィン系樹脂組成物層の表裏
    に、前記エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロ
    ピレン樹脂からなる樹脂層が積層された3層積層フィル
    ムであることを特徴とする請求項1または2に記載の転
    写シート。
  4. 【請求項4】前記非晶質ポリオレフィン樹脂を含有する
    オレフィン系樹脂組成物層が、プロピレンおよび/また
    はブテン−1成分含有率が50重量%以上の非晶質ポリ
    オレフィン樹脂を20〜100重量%と、結晶性ポリプ
    ロピレン樹脂および/またはエチレン系樹脂を80〜0
    重量%含有する樹脂組成物からなることを特徴とする請
    求項1、2または3に記載の転写シート。
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