JP4396047B2 - 艶消し蒸着フィルムおよびそれを用いた粘着シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属蒸着フィルムおよび金属蒸着フィルムを用いた粘着シートに関し、詳しくは金属調の光沢を保ちつつ艶消し風合いにした蒸着フィルム、およびその蒸着フィルムを表面基材に用いた粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリオレフィン系フィルムは、その優れた機械特性、透明性、加工性のため工業用途ばかりでなく包装用として広く使用されている。一方、包装用や装飾用として金属を蒸着した金属蒸着フィルムは、優れた意匠性のため、特に付加価値が高く、基材として二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPP)、CPP、PETやA−PETが使用されている。
【0003】
金属蒸着フィルムのなかに、金属調の光沢を保ちつつ艶消し状にしたメタリック調艶消しタイプがある。メタリック調艶消しタイプの蒸着フィルムとしては、蒸着フィルムの金属蒸着面を薬剤などにより処理する方法、フィルムの片面に凹凸を形成し、凹凸面の反対側の面に金属蒸着層を形成したものがなどが製品化あるいは提案されている。なお、前者の方法は、金属調の光沢が失われる、また処理工程での金属蒸着層が剥がれるなどの問題が発生している。
【0004】
後者のフィルムの片面に凹凸する方法としては、例えば、PETやOPPなどのフィルムを薬剤により処理する方法、フィルムにエンボス加工を施す方法、フィルムの表面に砂などの微粒子を吹き付け、フィルムに小さな傷を付ける方法(サンドマット法)、フィルムに塗工により凹凸を形成する方法などが知られている。このように片面に凹凸を形成したフィルムの他面(平滑面)に金属を蒸着したフィルムは、使用しているフィルムの特性である半透明性、柔軟性のため、金属光沢を持ちながら艶がない高級感を持っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
艶消し風合いを有する蒸着フィルムを粘着加工したものは、デザイン的にも優秀なラベルとなる。例えば、そのデザイン性や柔軟性から、ボトルや瓶などの容器の表示用ラベルなどに適している。しかし、これらの容器や標示物はラベルを貼合したままの状態で使用されたり、表面がこすられたりする場合が多いため、印刷が剥がれたり、金属蒸着層が剥がれ落ちてしまうといった問題が生じる。金属蒸着層面に粘着剤層を形成した構成にすると、金属蒸着層が剥がれ落ちることはないが、フィルムとしてポリオレフィン系フィルムを用いた場合、印刷が剥がれるといった問題が生じる。フィルムの印刷適性を高めるために、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、SBR樹脂などの易印刷層を形成することを試みたが、フレキソ印刷を行った場合、インキの密着性が悪く、フィルムにアンカー層を形成した後に樹脂の塗工層を形成する必要があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、まず、粗面化面を有するポリオレフィン系フィルムを使用し、その片面に金属蒸着、その反対面にオキサゾリン基変性樹脂を成分を含有する易印刷層を施すことで、アンカー層がなくても印刷適性が良好で、メタル調艶消しタイプの蒸着フィルムが得られることを見出した。
【0007】
(1)フィルム基材の片面に金属蒸着層を有する蒸着フィルムの金属蒸着を施した面に、直接或いは中間層を介して粘着剤層を形成した粘着シートにおいて、
フィルム基材が、ポリオレフィン系フィルムを縦延伸と横延伸し、片面に粗面化層を形成し、該粗面化を有する面に易印刷層を形成し、該粗面化層を有さない面に接着層を形成したであって、かつ、該易印刷層がオキサゾリン基変性樹脂アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびSBR樹脂から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂とを含ポリオレフィン系フィルム基材であることを特徴とする印刷用蒸着粘着シートである。
特に、粗面化面を有している面に金属蒸着層を施すと、印刷後にトップコートを施したり、オーバーラミを貼付したりなどの処理を行っても、艶消し感が失われないので好ましい。
【0008】
(2)前記フィルム基材が、ポリオレフィン系フィルムを縦延伸と横延伸をする間に、少なくとも片面にポリエチレンを含有した層を積層して粗面化層を形成し、該粗面化層を有する面に易印刷層を形成したポリオレフィン系フィルムである上記(1)記載の印刷用蒸着粘着シートが好ましい。ポリプロピレンとポリエチレンを含む粗面化層は、ポリプロピレンのみの層よりも金属蒸着層の密着性が高くなるので特に好ましい。
【0009】
(3)前記粘着剤層が、アクリル酸エステル共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤である上記(1)または(2)に記載の印刷用蒸着粘着シートであることが好ましい。
【0010】
(4)前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用蒸着粘着シートからなる表示ラベル。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の艶消し蒸着フィルムは、ポリオレフィン系フィルムの片面、好ましくは両面に粗面化面を持ち、片方の面に直接或いは接着層(金属蒸着層の密着性を高めるための層)を介して金属蒸着層を有する構成である。反対面(金属蒸着層を形成しない面)には、特定の成分を含む易印刷層を持たせることが必要であり、艶消し状態を保ったまま高度な印刷適性を持たせることができる。
【0012】
本発明で使用する基材フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−nブチルアクリレート共重合体等が挙げられる。また、これらは単独で使用してもよく、任意の組み合わせになる混合物も好適に使用できる。また、これらのポリオレフィン系樹脂には、必要応じて光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤等を添加することができる。
【0013】
ポリプロピレンフィルムを代表例として更に例示をすると、ポリプロピレンを主成分であれば特に限定するものではなく、ポリプロピレン共重合体、またはこれらの混合物であってもよい。例えば、ポリプロピレンのホモポリマーは勿論のこと、エチレン、ブテン、4−メチルペンテンなどで代表されるα−オレフィン類やスチレンで代表される芳香族系オレフィン類、ブタジエンで代表されるジエン類等のプロピレンと共重合可能なモノマーとプロピレンとの共重合体、あるいはポリプロピレンやポリプロピレン共重合体と、これらのものとの公知ブレンド物、例えばポリエチレン、各種エチレン共重合体のようなポリ・α・オレフィン類、ポリスチレン、合成ゴム、テルペン樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル等とのブレンド物、あるいはこれらの混合物等を主成分とするもので、ポリプロピレン共重合体の共重合成分、あるいはブレンド組成物のブレンド成分等の種類と量は、ポリプロピレンフィルムとして特質を失わないものであれば特に限定されない。
【0014】
ポリプロピレンフィルムに粗面化面を持たせる方法としては、(1)フィルムにエンボス加工を施す方法、(2)フィルムの表面に砂などの微粒子を吹き付け、フィルムに小さな傷を付ける方法(サンドマット法)、(3)フィルムに塗工により凹凸を形成する方法などが一般的に使用されている。
また、その他の方法としては、(4)ポリプロピレン樹脂の表面にエチレン・プロピレンブロック共重合体を配合した樹脂組成物を積層して延伸する方法、(5)ポリプロピレンにポリエチレンを配合した樹脂組成物を積層して延伸する方法、(6)ポリプロピレンの押し出し成型時に結晶性の異なるポリプロピレンを混在させた原反を作成し、これを延伸する方法などがある。
特に後者(上記(5)、(6))のように、樹脂を積層、延伸する方法は、フィルムの製造工程で粗面化面を形成することができるので、エンボス加工やサンドマット加工といった別工程を必要とせず、艶消し性に優れた粗面化面が得られるので好ましい。中でもポリエチレンを配合すると、金属蒸着層の密着性が高くなるので(5)の方法が特に好ましい。また、片面だけでなく両面を粗面化することにより艶消し性が更に優れるので好ましい。
【0015】
フィルムと金属蒸着(例えばアルミ蒸着)の密着性を上げるために、接着層を設けてもよい。接着層は粗面化面、平滑面のどちらにも施すことができるが、平滑面の場合、特に金属蒸着の密着性が劣るので、接着層を形成することが望ましい。接着層の構成としては、金属蒸着層の密着性が改善される樹脂(化合物)を塗工した層であればよい。接着層を塗工する場合、過剰な塗工はコスト高になり、また、ブロッキングが起こる可能性があることから1.5μm以下であることが好ましい。また、粗面化面に接着層を塗工した場合、接着層が1.5μmを超えると蒸着する際に艶が生じることからも1.5μm以下が好ましい。
【0016】
接着層としては、アクリルポリオールと塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含む層、エチレンイミン系ポリマーまたはアミノエチル化樹脂を含む層、ニトロセルロースとアクリルポリオールの樹脂を含む層などが例示できる。中でもアクリルポリオールと塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンイミンを含有するメタクリル酸エステルの化合物とビスフェノール型エポキシ樹脂がポリプロピレンとの密着も良く、かつ、耐水性も兼ね備えている。また、アクリルポリオールと酢酸−塩化ビニルの共重合体にイソシアネート化合物を添加して架橋促進させると更に密着性が向上するので好ましい。また、接着層中には必要に応じてブロッキング防止剤を添加できる。ブロッキング防止剤は特に限定されるものではなく、有機顔料、無機顔料が適宜使用できる。中でも、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびスチレン−アクリル共重合体樹脂顔料といった有機顔料が好ましい。なお、接着層を塗工する方法としては、公知の方法、例えば、メタリングバー方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、スプレー方式、リバースロール方式などの方法が利用できる。
これら接着層を設ける際には、必要に応じて、ポリプロピレンフィルム表面をコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの処理を施した後に接着層を設けたり、接着層を設けた後にコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの処理を施してもよい。
【0017】
ポリオレフィン系フィルムの金属蒸着層を施さない面は、平滑であっても構わないが、粗面化層を形成すると艶消し性が更に優れるため好ましく、蒸着する面と同様に粗面化層を有することがより好ましい。
【0018】
ポリオレフィン系フィルムの金属蒸着層を施さない面には、印刷適性を改善するため、オキサゾリン基変性樹脂とバインダー樹脂を成分とする易印刷層を形成する必要がある。オキサゾリン基変性樹脂とは、樹脂中にオキサゾリン基が存在するものであれば如何なるものでも構わない。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、SBR樹脂、ポリオレフィン樹脂にオキサゾリン基をグラフト結合させたものを挙げることができる。オキサゾリン基変性樹脂は、易印刷層中に2〜50重量部含有されていることが好ましく、より好ましくは5〜20重量部が好ましい。2重量部未満の場合は、ポリオレフィン系フィルムとの密着が悪くなる可能性がある。
【0019】
オキサゾリン基変性樹脂と併用するバインダー樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、SBR樹脂などから選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
【0020】
ブロッキング防止のために易印刷層中に顔料を配合することができる。顔料の種類、配合部数は特に限定はなく、有機顔料、無機顔料どちらでも使用することができる。
【0021】
これら易印刷層を塗工する方法として公知の方法、例えば、メタリングバー方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、スプレー方式、リバースロール方式などの方法が利用できる。なお、易印刷層の塗工量は0.05〜1.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5g/m2であることが好ましい。0.05g/m2より少ないと均一な塗工層の形成が難しく、1.0g/m2をこえると、ブロッキングを生じやすくなる。
これら易印刷層を設ける際には、必要に応じて、ポリプロピレンフィルム表面をコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの処理を施した後に易印刷層を設けたり、易印刷層を設けた後にコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの処理を施してもよい。
易印刷層を形成した後の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で2.0μm以上、中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜0.9μm、最大高さ(Rmax)で1.5μm以上であれば、良好な艶消しの状態を維持できるので特に好ましい。
【0022】
本発明で使用する、フィルム基材の厚さ(粗面化層を有するポリオレフィン系フィルムと接着層の厚さ、又は粗面化層を有するポリオレフィン系フィルムと接着層と易印刷層の厚さ)は、用途によりさまざまであるが、表示ラベル用としては15〜80μmが一般的である。
また、フィルム基材に金属蒸着する前のポリオレフィン系フィルムのヘイズ値は25%以上が好ましく、より好ましいのは30%以上である。ちなみにヘイズ値が25%未満であると金属蒸着したあとの艶消し感が低下することがある。
【0023】
フィルム基材に金属を真空蒸着する方法として通常行われる真空蒸着法をそのまま用いることができる、使用できる金属としては、アルミニウム(アルミ)以外にも金、銀、銅、クロム、錫、インジウム、アンチモン、ニッケルなどがあるが、アルミニウムがもっとも一般的である。高真空にした容器のなかで金属をフィルム基材の一面に加熱蒸着させれば良く、小規模のバッチ式からロール状に巻いたフィルムに連続的に蒸着する連続式まで適宜使用できる。金属蒸着層の厚みは使用する金属によって一概にいえないが、アルミニウムの場合、厚さは20〜1000Å程度、好ましくは20〜500Åが好ましい。なお、金属蒸着を施した層の表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で2.0μm以上、中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜0.9μm、最大高さ(Rmax)で1.5μm以上であれば、良好な艶消しの状態を維持できるので好ましい。また、粗面化面に蒸着を施した場合、オーバーラミなどを施しても艶消し性が失われないので好ましい。
【0024】
本発明の艶消し蒸着フィルムは、特に用途を限定するものではなく、例えば、表示用、ラベル用、包装用、事務用など、その装飾性を必要とすシートに使用することができる。例えば、金属蒸着層を設けていない面に、インクジェット記録層、熱転写記録層、感熱記録層などの記録層を施した記録体として使用することもできる。なお、フィルム基材、粗面化層、接着層、易印刷層などの層に、染料を含有せしめ、単に蒸着だけでは得られない色調を得ることも可能である。また、金属蒸着層表面を保護するために樹脂層を形成することもできる。
【0025】
上記艶消し蒸着フィルムは粘着剤層および剥離シートを積層して粘着シートとすることができる。特に金属蒸着層面側に粘着剤層および剥離シートを積層すると、使用時に金属蒸着層が剥がれ落ちるといった問題が生じないので好ましい。なお、粘着剤層は金属蒸着層に直接積層してもよいし、樹脂などの中間層を形成した後、粘着剤を積層しても構わない。また、金属蒸着層の表面の濡れ張力を増大させるため、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの処理を施すこともできる。
【0026】
本発明で用いられる粘着剤としては、構成成分としては特に限定されるものではなく、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系、ウレタン系、シリコーン系など、形態としては溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型などがある。特にアクリル系プレモノマー、もしくはアクリル系モノマーなどを主成分とするアクリル系樹脂が耐候性の点から好ましい。アクリル系樹脂としては特に限定されず、アクリル基を含有するビニルモノマー、エポキシ基を有するビニルモノマー、アルコキシル基を有するビニルモノマー、エチレンオキシド基を有するビニルモノマー、アミノ基を有するビニルモノマー、アミド基を有するビニルモノマー、ハロゲン原子を有するビニルモノマー、リン酸基を有するビニルモノマー、スルホン酸基を有するビニルモノマー、シラン基を有するビニルモノマー、フェニル基を有するビニルモノマー、ベンジル基を有するビニルモノマー、テトラヒドロフルフリル基を有するビニルモノマー、その他の共重合可能なモノマー等の含有するものが挙げられる。
【0027】
これらアクリル系樹脂の粘着物性向上のため、各種添加剤、例えばロジン等の天然樹脂、変成ロジン、ロジンおよび変成ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変成体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体をはじめとする粘着付与剤、老化防止剤、安定剤、オイル等の軟化剤、充填剤、安定剤、顔料、着色剤等を必要に応じて添加できる。これらは、必要に応じて2種類以上を併用して使用することもできる。上記アクリル系樹脂は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、ならびに水に不溶または難溶性の単量体を乳化剤と共に分散化させ水溶性重合開始剤を用いて重合を行う乳化重合法等任意の方法で重合される。また、粘着付与剤の配合割合は、上記アクリル酸エステル重合体100重量部に対して1〜50重量部である。因みに、1重量部未満では、粘着力を向上させる効果に乏しく、50重量部を超えると、逆に粘着力が低下する傾向にある。
また、耐候性を挙げるために粘着剤層にベンゾフェノン系あるいはベンゾトリアゾール系などの有機系紫外線吸収剤を添加しても良い。
また、粘着剤には多官能エポキシ化合物、金属キレート化合物、多官能イソシアネート化合物などの架橋剤を必要に応じて添加できる。粘着剤層と金属蒸着層との密着性を向上させるためには多官能イソシアネート化合物が好ましく、この中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0028】
粘着剤層を形成させるには、剥離シートへ前記の如き粘着剤を塗工し、必要により乾燥して粘着剤層を形成せしめ、金属蒸着層面が粘着剤側となるようにして蒸着フィルムと貼り合わせることにより、或いは金属蒸着層面に粘着剤を塗工した後、剥離シートと貼り合わせることにより、本発明の粘着シートが得られる。この粘着剤の塗工装置としては、リバースロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、スロットダイコーター、エアーナイフコーター、リバースグラビアコーター、バリオグラビアコーター等が使用され、塗工量は乾燥重量で5〜50g/m2の範囲で、より好ましくは10〜30g/m2の範囲で調節される。因みに5g/m2未満では、被着体に対する粘着力が不十分となり、一方50g/m2を超えると粘着剤がはみ出したり、剥離時に凝集破壊の原因や打ち抜き時に身上がりの原因となるおそれがある。
【0029】
粘着剤層を覆う剥離シートとしては、特に限定されるものではなく、グラシン紙のような高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙または上質紙にポリエチレンなどのフィルムをラミネートした紙、上質紙にポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体樹脂などを塗工した紙やポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムに、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等を乾燥重量で0.1〜3g/m2程度になるように塗工し、熱硬化や電離放射線硬化等によって剥離剤層を設けたものが適宜使用される。この場合の塗工装置としては、バーコーター、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、多段ロールコーター等が適宜使用される。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はそれらに限定されるものではない。
【0031】
実施例1
(蒸着フィルムの作成)
両面に粗面化層を持つ延伸ポリプロピレンフィルム(商品名「POW−201」、王子製紙株式会社製、厚さ50μm、ポリプロピレンを縦軸に延伸し、ポリプロピレンを主成分としポリエチレンを配合したものを両面に押し出し積層し、横軸に延伸して得られた両面に粗面化層を有するフィルム)を用い、易印刷層として下記の塗工液を塗工量0.15g/m2になるように塗工した。
「易印刷層用塗液」
・オキサゾリン基変性樹脂 5部
(商品名:エポクロスWS−500、日本触媒社製)
・アクリル樹脂 95部
(商品名:AC−2235、ロームアンドハース社製)
【0032】
次いで、易印刷層とは反対の粗面化面に、アルミニウムを200〜500Åの厚さに蒸着加工して蒸着フィルムを得た。
【0033】
(粘着シートの作成)
アクリル系粘着剤(商品名「OPT−1」、サイデン化学株式会社製)に金属キレート系架橋剤(商品名「M−2」、サイデン化学株式会社製)を添加混合し、粘着剤塗液とした。
市販のポリエチレンテレフタレートセパレーター(商品名「セラピールBK#25」、東洋メタライジング株式会社製)に上記粘着剤塗液を乾燥重量で20g/m2となるようにコンマコーターで塗工、90℃で1分間乾燥させた後、先に加工した蒸着フィルムと金属蒸着層が粘着剤側となるように貼り合わせて粘着シートを得た。
【0034】
実施例2
実施例1において、易印刷層とは反対の粗面化面に、下記の塗工液を0.5g/m2となるように塗工して蒸着用接着層を形成し、アルミニウムを200〜500Åの厚さに蒸着加工した以外は、実施例1と同様にして蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
「蒸着用接着層用塗液」
・アミノエチル化樹脂(商品名:NK−350、日本触媒製) 99.5部
・有機顔料(商品名:エポスターMA1002、日本触媒製) 0.5部
【0035】
比較例1
実施例1において、易印刷層を施さない以外は実施例1と同様にして、本発明の蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
【0036】
比較例2
実施例1の易印刷層用塗液においてオキサゾリン基変性樹脂を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、本発明の蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
【0037】
実施例3
片面に粗面化層を有する二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名「PO−201」、王子製紙株式会社製、厚さ50μm、ポリプロピレンを縦軸に延伸し、ポリプロピレンを主成分としポリエチレンを配合したものを片面に押し出し積層し、横軸に延伸して得られた片面に粗面化層を有するフィルム)を用い、粗面化層を有さない面に易印刷層を、粗面化層を有する面に蒸着層を設けた以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
【0038】
実施例4
片面に粗面化層を有する二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名「PO−201」、王子製紙株式会社製、厚さ50μm、ポリプロピレンを縦軸に延伸し、ポリプロピレンを主成分としポリエチレンを配合したものを片面に押し出し積層し、横軸に延伸して得られた片面に粗面化層を有するフィルム)を用い、粗面化層を有する面に実施例1と同様の易印刷層を、粗面化層を有さない面に、下記の塗工液を0.5g/m2となるように塗工した蒸着用接着層を形成し、該接着層上にアルミニウムを200〜500Åの厚さに蒸着加工した以外は、実施例1と同様にして蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
「蒸着用接着層用塗液」
・アミノエチル化樹脂(商品名:NK−350、日本触媒製) 99.5部
・有機顔料(商品名:エポスターMA1002、日本触媒製) 0.5部
【0039】
比較例3
実施例3において、易印刷層を施さない以外は実施例3と同様にして、本発明の蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
【0040】
比較例4
実施例3の易印刷層用塗液においてオキサゾリン基変性樹脂を配合しなかった以外は実施例3と同様にして、本発明の蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
【0041】
参考例1
蒸着用接着層を塗工しない以外は実施例4と同様にして、本発明の蒸着フィルムおよび粘着シートを得た。
【0042】
実施例5
エマルジョン型アクリル系粘着剤(L−145A、日本カーバイド工業株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の粘着シートを得た。
【0043】
このようにして得られた粘着シートについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
<評価項目>
【0044】
[アルミ蒸着密着性]
得られた粘着シートを厚さ5mmの耐熱ガラスに張り付け、40℃の温水に48時間漬け込み、取り出した後、セロファンテープ(ニチバンCT−18)を約150mm貼り、指で均一に圧着したのち、素早く引き剥がし、セロファンテープにアルミ蒸着層が剥がれてこないか調べる。
○:アルミ蒸着層が全く剥がれない
△:アルミ蒸着層が少し剥がれる
×:アルミ蒸着層がすべて剥がれる
【0045】
[UV凸版インキ密着性]
得られた粘着シートを、恩田製作所シール印刷機を用いてUV印刷(使用インキ:FLASH DRY FDO−G、東洋インキ製)を行った。
印刷されたサンプルを粘着テープ(王子化工株式会社製)を空気を抱き込まないようにして貼り付け、指で押圧してから180°剥離させ、評価した。
○:インキが剥がれない
×:インキが剥がれる
【0046】
[艶消し性]
光沢度計にて光沢度を測定し、艶があるかどうか判断した。
○:光沢度70%以下、艶がなく良好
△:光沢度70〜100%、やや艶がある
×:光沢度100%以上艶があり不良
【0047】
[総合評価]
◎:印刷可能メタル調艶消し粘着シートとして非常に優れている
○:やや艶があるが印刷可能メタル調艶消し粘着シートとして実用上問題ないレベル
×:印刷可能メタル調艶消し粘着シートとして実用上問題となるレベル
【0048】
【表1】
Figure 0004396047
【0049】
【発明の効果】
表1の結果から明らかなように、本発明は表面基材に粗面化層を設け、片面に金属蒸着を施し、その反対面にオキサゾリン基変性樹脂を含有する易印刷層設けることにより、印刷可能なメタル調艶消しタイプの金属蒸着フィルムを得ることができる。また粘着加工を施すことによりOPPラベルとして、密着性が良好な印刷適性のある粘着シートが得られるものである。

Claims (4)

  1. フィルム基材の片面に金属蒸着層を有する蒸着フィルムの金属蒸着を施した面に、直接或いは中間層を介して粘着剤層を形成した粘着シートにおいて、
    フィルム基材が、ポリオレフィン系フィルムを縦延伸と横延伸し、片面に粗面化層を形成し、該粗面化を有する面に易印刷層を形成し、該粗面化層を有さない面に接着層を形成したであって、かつ、該易印刷層がオキサゾリン基変性樹脂アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびSBR樹脂から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂とを含ポリオレフィン系フィルム基材であることを特徴とする印刷用蒸着粘着シート。
  2. 前記フィルム基材が、ポリオレフィン系フィルムを縦延伸と横延伸をする間に、少なくとも片面にポリエチレンを含有した層を積層して粗面化層を形成し、該粗面化層を有する面に易印刷層を形成したポリオレフィン系フィルムである請求項1記載の印刷用蒸着粘着シート
  3. 前記粘着剤層が、アクリル酸エステル共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤である請求項1または2に記載の印刷用蒸着粘着シート。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用蒸着粘着シートからなる表示ラベル。
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