JP4963397B2 - 感熱ラベル付きガラス瓶 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱ラベルが装着されたガラス瓶に関する。更に詳しくは、リサイクル性に優れた樹脂コート層を有するガラス瓶と、該ガラス瓶に対して優れた接着性と易剥離性を有する感熱ラベルとからなるラベル付きガラス瓶に関する。
酒類や清涼飲料用途などのガラス瓶をはじめとして、装飾性付与、遮光などの目的で、着色されたガラス瓶が用いられている。これらの着色瓶としては、従来ガラス瓶自体に着色が施されていたが、近年、透明ガラス瓶に樹脂を薄膜コーティングすることにより着色を施したガラス瓶が用いられてきている。これらの樹脂コーティング(プラスチックコーティング)により着色したガラス瓶は、樹脂コーティングを除去すれば、ガラス自体は透明であるため、リサイクル性に優れる利点を有する。また、これらのガラス瓶は樹脂層による補強効果による強度向上という利点を有する。
通常、上記ガラス瓶には、表示や装飾性、機能性の付与のため、プラスチックラベルを装着する場合が多く、例えば、感熱ラベルが使用される。これらラベルには、使用時にはガラス瓶に対する優れた密着性が要求されるのは勿論のこと、リサイクルの観点から、使用後にはガラス瓶から容易に剥離可能で糊残りなどを生じない、易剥離性が要求されている。
従来のガラス瓶に対しては、密着性と易剥離性を兼ね備えた感熱ラベルとして、オレフィン系ポリマーと粘着付与剤からなる感熱接着剤層を有する感熱ラベルなどが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、前記樹脂コーティングされたガラス瓶の場合には、樹脂特有の滑り性の悪さを改良するために、樹脂コーティング層にワックスや滑剤が添加されており、この影響で、表面状態が従来のガラス瓶とは大きく異なり、上記感熱ラベルでは十分な密着力を得られず、使用できないという問題が生じていた。
一方、ガラス瓶への密着性の問題を解決する手段として、シランカップリング剤含んだ接着剤層を有する感熱ラベルやラベル付きガラス瓶(例えば、特許文献3、4参照)が知られている。しかし、これらの感熱ラベルはガラス瓶側と化学結合などで強固に接着するため、使用後の剥離が困難で糊残りを生じたりして、リサイクルに適さないという問題があった。また、ガラス瓶の製造工程で特殊な表面加工を施す必要があるなど、生産性の点でも問題を有していた。
上述のとおり、薄膜コーティングを施したガラス瓶に対して、密着性と易剥離性を両立した感熱ラベルは得られていないのが現状である。
特開2003−291242号公報 特開2005−62321号公報 特開平8−44295号公報 特開2001−31095号公報
本発明の目的は、樹脂コーティングされたガラス瓶に対して優れた密着性を示し、更に使用後には糊残りなく容易に剥離可能な感熱ラベルを装着した、リサイクル性に優れたラベル付きガラス瓶を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の樹脂コーティング層を有するガラス瓶に対して、特定組成の感熱接着剤層を有する感熱ラベルを装着することによって、ラベルの密着性と易剥離性に優れた感熱ラベル付きガラス瓶を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、極性基を有する樹脂を主成分とし滑剤を含有する、厚み5〜20μmの樹脂コーティング層であって、滑剤の添加量が樹脂コーティング層全体に対して0.5〜2重量%である樹脂コーティング層を有するガラス瓶の外面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体20〜70重量%、オレフィン系エラストマー20〜50重量%及び粘着付与剤10〜30重量%を含む感熱接着剤からなる感熱接着剤層を有する感熱ラベルが装着されてなることを特徴とする感熱ラベル付きガラス瓶を提供する。
さらに、本発明は、極性基を有する樹脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂である前記の感熱ラベル付きガラス瓶を提供する。
さらに、本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の、エチレン成分含有量が65〜90重量%、酢酸ビニル成分含有量が10〜35重量%である前記の感熱ラベル付きガラス瓶を提供する。
さらに、本発明は、オレフィン系エラストマーが、α−オレフィン系共重合エラストマーである前記の感熱ラベル付きガラス瓶を提供する。
本発明の感熱ラベル付きガラス瓶は、ラベルの密着性に優れるため、装飾性、取り扱い性などが良好で品質トラブルを生じにくい。また、使用後は、容易にラベルを剥離可能でガラス瓶側に糊残りを生じず、使用後のガラス瓶が容易にリサイクルでき、環境面でも優れている。このため、本発明の感熱ラベル付きガラス瓶は、飲料、食料や調味料など様々な容器として有用である。
以下に、さらに詳しく本発明の感熱ラベル付きガラス瓶について説明する。
本発明の感熱ラベル付きガラス瓶は、ガラス瓶に感熱ラベルが装着されてなる。感熱ラベルはガラス瓶の胴部などに巻き付けて装着されていてもよいし、ガラス瓶の胴部、肩部などの一部に貼り付けて装着されていてもよい。ただし、感熱ラベルは、ガラス瓶の樹脂コーティングが施されている部分(即ち、樹脂コーティング層上)に装着されていることが好ましい。樹脂コーティングが施されていない部分(ガラスそのものが露出している部分など)に装着される場合には、本発明の効果が発揮されない場合がある。
先ず、本発明の感熱ラベルについて説明する。
本発明の感熱ラベル付きガラス瓶に用いられる感熱ラベルは、ラベル基材を有し、少なくとも、ガラス瓶に装着する際にガラス瓶側となる面に感熱接着剤からなる層(以下、感熱接着剤層という)が設けられてなる。好ましくは、ガラス瓶側となる面のみに設けられる。感熱接着剤層は、ラベル基材の全面に設けられてもよいし、一部のみ(例えば、帯状)に設けられてもよい。本発明の感熱ラベルには、本発明の感熱接着剤層の他にも、印刷層、コーティング層、樹脂層、アンカーコート層、プライマーコート層、トップコート層、本発明の接着剤層以外の接着剤層などを設けることができ、不織布、紙、プラスチック等の層を必要に応じて設けてもよい。感熱ラベルの層構成としては、ラベル基材/印刷層/感熱接着剤層や、トップコート層/印刷層/ラベル基材/感熱接着剤層などが例示できる。
本発明の感熱接着剤層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレンと酢酸ビニルを必須のモノマー成分とする共重合体)、オレフィン系エラストマー、粘着付与剤を必須成分とする感熱接着剤からなる。エチレン−酢酸ビニル共重合体および粘着付与剤は粘着性や接着性発現の役割を担い、オレフィン系エラストマーは接着剤層の凝集力を高め易剥離性の発現させ、糊残りを防止する役割を主に担う。なお、上記の必須成分の他にも、必要に応じて、上記の他に、各種添加剤を含有していてもよく、添加剤としては、例えば、乳化剤、ワックス、改質剤、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、抗ブロッキング剤、難燃剤、発泡剤、補強剤、充填剤、レベリング調整剤、増粘剤、消泡剤、界面活性剤、防カビ剤、中和剤、香料、凍結防止剤、架橋剤、消臭剤、安定剤などが挙げられる。
本発明の感熱接着剤に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを必須のモノマー成分とする共重合体であり、必要に応じて、更にその他の共重合モノマー成分を共重合してもよい。共重合モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル等が挙げられる。これら共重合モノマー成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。なお、上記「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」は「アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステル」を意味する。他も同様である。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、市場でも入手可能であり、市販品としては、例えば、三井・デュポンポリケミカル(株)製「エバフレックス EV250、EV450、EV150」、住友化学(株)製「エバテート H4011、K4010」等が挙げられる。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体の、エチレン成分含有量は、モノマー成分全量に対して、65〜90重量%が好ましく、より好ましくは70〜80重量%である。酢酸ビニル成分含有量は、10〜35重量%が好ましく、より好ましくは20〜30重量%である。なお、2種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体を混合して用いる場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体混合物中の全エチレン成分の合計量及び全共重合モノマー成分の合計量が上記範囲を満たしていることが好ましい。エチレン成分含有量が上記範囲を外れる場合には、タック性が低下したり、ブロッキングが発生する場合がある。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体がその他の共重合モノマー成分を含む場合には、共重合モノマー成分含有量は、モノマー成分全量に対して、10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以下である。最も好ましくは、その他の共重合モノマー成分は用いずにエチレンと酢酸ビニルのみをモノマー成分とする場合である。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量は、樹脂強度の観点から、50000〜500000が好ましく、より好ましくは100000〜300000である。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR)(温度230℃、荷重2.16kg)は、柔軟性、樹脂強度、糊残り性の観点から、5〜40g/10分が好ましく、より好ましくは5〜25g/10分である。
本発明の感熱接着剤層中、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、20〜70重量%であり、好ましくは25〜65重量%、より好ましくは30〜60重量%である。エチレン系共重合体の含有量が20重量%未満の場合には、接着性が低下する。また、含有量が70重量%を超える場合には、易剥離性が低下したり、ブロッキングが生じたりする。
本発明の感熱接着剤に用いられるオレフィン系エラストマーは、α−オレフィンをモノマー成分とする共重合体であり、好ましくはエチレンとエチレン以外のα−オレフィンの共重合体である。オレフィン系エラストマーは、極性基を含まず、被着体との密着性を付与する樹脂である。エチレン以外のα−オレフィンとしては、特に限定されないが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数3〜20程度のα−オレフィンが挙げられる。また、更に第3成分として、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどのジエン成分を共重合した3元共重合体であってもよい。
本発明のオレフィン系エラストマーは、市場でも入手可能であり、市販品としては、例えば、三井化学(株)製「タフマー P−0280」、住友化学(株)製「住友TPE 817、821」等が挙げられる。
本発明のオレフィン系エラストマーの重量平均分子量は、密着性の観点から、50000〜500000が好ましく、より好ましくは100000〜300000である。
本発明のオレフィン系エラストマーのMFRは、膜強度の観点から、1〜20g/10分が好ましく、より好ましくは3〜15g/10分である。
本発明の感熱接着剤層中、オレフィン系エラストマーの含有量は、20〜50重量%であり、好ましくは25〜45重量%、より好ましくは25〜40重量%である。粘着付与剤の含有量が20重量%未満の場合には、感熱接着剤層の凝集力が低下して、糊残りが生じやすくなる。また、含有量が50重量%を超える場合には、密着力が低下する。
本発明の感熱接着剤に用いられる粘着付与剤(タッキファイヤー)は、密着性を向上させる作用を示し、例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。粘着付与剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。粘着付与剤としては、テルペン系樹脂を好適に用いることができる。
なお、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられる。ロジン系樹脂には、例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらの誘導体、樹脂酸ダイマーなどが含まれる。石油樹脂は、脂肪族系、芳香族系、脂環族系のいずれの石油樹脂であってもよい。
本発明の粘着付与剤は、市場でも入手可能であり、例えば、ヤスハラケミカル(株)製「クリアロン P115、P105、P95」、丸善石油化学(株)製「R−100AS」等が挙げられる。
本発明の感熱接着剤層中、粘着付与剤の含有量は、10〜30重量%であり、好ましくは15〜25重量%である。粘着付与剤の含有量が10重量%未満の場合には、接着性が低下する。また、含有量が30重量%を超える場合には、ブロッキングを生じやすく、生産性、作業性等が低下する。
本発明の感熱接着剤は上記必須成分以外にも、生産性、耐ブロッキング性の観点から、添加剤として、滑剤を含有することが好ましい。前記滑剤は、公知の固体状でも液体状の滑剤を用いることが可能で、例えば、ポリエチレンワックスやフッ素変性ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス類が例示される。滑剤の含有量は、感熱接着剤層中、0.05〜3重量%が好ましい。例えば、アミド系の滑剤であれば500〜10000ppm、ポリエチレンワックスの場合は0.1〜3重量%程度が好ましい。
なお、本発明の感熱接着剤には、縮合性シリル基などの縮合反応基を有する化合物は実質的に含まないことが好ましい。縮合性シリル基としてはシラノール基や加水分解性シリル基(例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基など)が挙げられ、これを有する化合物としては、例えば、特開平8−44295や特開2001−31095に記載のエポキシ基を有するオレフィン系重合体のシラングラフト変性体等のシランカップリング剤を添加した化合物が挙げられる。なお、上記「実質的に含まない」とは、例えば、感熱接着剤に対する含有量が1重量%以下(好ましくは0.5重量%以下)のことをいう。縮合反応基を有する化合物を1重量%を超えて含む場合には、本発明の感熱接着剤層とガラス瓶の樹脂コーティング層とが、縮合反応による化学接着によって強固に結合するため、ラベルの剥離性が低下し糊残りが生じたりして、リサイクル性に劣る場合がある。
本発明の感熱接着剤のMFRは、例えば、5〜40g/10分が好ましく、より好ましくは10〜30g/10分である。感熱接着剤のMFRが、5g/10分未満の場合には、活性化温度が高くなり感熱ラベラーの適応性が低下する場合がある。一方、40g/10分を超える場合には、低分子量成分及び添加剤成分の割合が多くなり、経時での接着力変化が大きくなる場合がある。
本発明の感熱接着剤の破断点応力(JIS−K−6760に準拠)は、0.5〜5MPa程度が好ましい。該破断点応力が0.5MPaより小さいと、凝集破壊が生じやすくなり、一方、5MPaを超えると、活性化温度が高く、容器への貼着が困難になる場合がある。
本発明の感熱接着剤の伸度(JIS−K−6760に準拠)は、200〜1500%程度が好ましい。該伸度が、200%より小さいと、凝集破壊が生じやすく、一方、1500%を超えると、ラベルの手作業による剥離が困難になる場合がある。
本発明の感熱接着剤のビカット軟化点は、20〜60℃程度が好ましい。ビカット軟化点が、20℃未満では、易剥離性感熱ラベルの感熱接着剤面が常温でブロッキングしやくなって取り扱いが困難になり、一方、60℃を超えると、活性化温度が高く、貼着性が低下する場合がある。
本発明の感熱ラベルに用いられるラベル基材は、耐熱性、取り扱い性、印刷適性などを考慮して適宜選択でき、例えば、紙や合成紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、アルミニウム箔等の金属箔、不織布やまたはこれらの積層体等を好適に用いることができる。前記紙としては、例えば、アート紙、コート紙などの耐水性を有する紙や、和紙などが挙げられる。前記合成紙には、ボイド含有型合成紙(東洋紡績(株)製「クリスパー」など)、内部紙化法合成紙((株)ユポ・コーポレーション製「ユポ」など)、表面塗工法合成紙(日清紡績(株)製「ピーチコート」など)、スパンボンド法合成紙(デュポン社製「TYVEK」など)などが含まれる。
また、前記プラスチックフィルムとしては、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)などのポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アクリル等の樹脂を素材とするフィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2以上を混合、共重合などして用いてもよい。
上記プラスチックフィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途などに応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。例えば、中心層と表層部(内層、外層)からなる3層積層フィルムで、中心層がポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂からなり、表層がポリエステル系樹脂からなるフィルム等であってもよい。また、要求物性、用途などに応じて、未延伸フィルム、1軸配向フィルム、2軸配向フィルムのいずれを用いてもよく、熱収縮性フィルム、非熱収縮性フィルムのいずれも用いることができる。また、発泡ポリスチレンフィルム、発泡ポリエステルフィルム、発泡ポリオレフィンフィルムなどの発泡プラスチックフィルムであってもよい。
上記の中でも、本発明のラベル基材には、無延伸フィルム又は二軸延伸フィルム等、非熱収縮性フィルムが用いられ、特に二軸延伸されたポリプロピレンフィルム(OPP)及び二軸延伸されたPETフィルム等が用いられる。これらのプラスチックフィルムは、市販品を用いることも可能であり、例えば、フタムラ化学(株)製OPPフィルム「FOS」やユニチカ(株)製二軸延伸PETフィルム「S」などが市場で入手可能である。
ラベル基材の熱収縮率は、特に限定されないが、90℃の熱水に5秒間浸漬の条件で、MD方向、TD方向共に5%未満が好ましく、より好ましくは1%未満である。前記熱収縮率が5%以上であると、ラベルが貼着時の熱により収縮して皺やずれを生じることがある。さらに、100℃のグリセリン浴に5秒間浸漬の条件で、5%以下が好ましく、より好ましくは1%以下である。
ラベル基材の厚みは、機械的強度、ラベルの取扱性などを損なわない範囲で適宜選択できるが、例えば5〜200μm程度、好ましくは10〜60μm程度である。
本発明の感熱ラベルにおける、感熱接着剤層の層厚みは、5〜50μmが好ましく、より好ましくは15〜40μmである。感熱接着剤層の層厚みが5μm未満の場合には、均一に積層することが困難となり密着力が低下する場合があり、50μmを超える場合には、剥離時に感熱接着剤層の破壊による糊残りが生じたりする。
本発明の感熱ラベルには印刷層を設けてもよい。印刷層は、通常、商品名、取扱注意事項やキャンペーン等の各種情報などの文字の他、装飾として図形、模様、画像等を表示する層である。印刷層は、凸版輪転印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷やフレキソ印刷等の慣用の印刷方法により形成することができる。該印刷層の形成に用いられる印刷インキは、例えば顔料、バインダー樹脂、溶剤からなり、前記バインダー樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系、セルロース系、ニトロセルロース系などの一般的な樹脂が使用できる。印刷層の厚みとしては、特に制限されず、例えば0.1〜10μm程度である。また、紫外線硬化性インキで印刷層を形成してもよい。
本発明の感熱ラベルは、上記のプラスチックフィルムなどのラベル基材の少なくとも一方の側に、上記感熱接着剤による接着剤層を形成して作製する。感熱接着剤は、所定量の上記各成分を、溶融混練法により混合して作製する。上記感熱接着剤による接着剤層の形成方法は、溶融押出コーティング法が好ましく用いられる。上記感熱接着剤を加熱した1軸または2軸の押出機に投入、T型ダイスなどからラベル基材上(または印刷層上)に溶融押出して、感熱接着剤層を形成する。この際の押出樹脂温度は150〜300℃、滞留時間は5〜60分程度が好ましい。なお、上記感熱粘着剤層は、印刷層の上に設けられていてもよいが、粘着層の機能発現のため、感熱ラベルの最表層として設けられる必要がある。
本発明の感熱ラベルの形状やサイズは特に限定されず、ガラス瓶の形状、大きさによって適宜選択できる。なお、長尺の場合には、所定の幅にスリットして、ロール状に巻回しロール状物として保管できる。
以下に、本発明のガラス瓶について説明する。
本発明のガラス瓶は、透明ガラス瓶(着色ガラス瓶でもよい)の外側に、極性基を有する樹脂を主成分とする樹脂コーティング層が設けられてなる。該コーティング層は、透明ガラス瓶に対する着色効果による装飾性の付与、樹脂被覆による強度向上、遮光による内容物の保護などの効果を発揮する。なお、本発明にいう「ガラス瓶」とは、形状や大きさは特に限定されず、「ガラス容器」等も含むものとする。
本発明の樹脂コーティング層は、ガラスとの接着性の観点から、極性基を有する樹脂を主成分とする。前記極性基としては、エステル基、エポキシ基、水酸基等が挙げられ、前記樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
本発明の樹脂コーティング層を形成する樹脂は、コーティング層の強靱性、耐削れ性付与等の観点から、活性エネルギー線硬化または熱硬化による樹脂(以下、それぞれ活性エネルギー線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂という)であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが好ましく、特に好ましくはアクリル系樹脂である。また、熱硬化型樹脂としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂が好ましく、特に好ましくは、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂である。
上記活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂は、活性エネルギー線重合性化合物(以下、光重合性化合物)を必須成分とする組成物(以下コーティング剤という)を硬化させてなる。また、必要に応じて、前記コーティング剤には反応性希釈剤(モノマー)や活性エネルギー線重合開始剤(以下、光重合開始剤という)、溶媒を含んでいてもよい。
上記光重合性化合物は、分子中に(メタ)アクリロイル基またはフルオロアクリロイル基を2個以上有する化合物であり、好ましくは2〜6個有する化合物である。このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸の反応物である多価(メタ)アクリレート、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸の反応物であるポリエステル(メタ)アクリレート、多価イソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、多価フルオロアクリレート、エポキシ変性フルオロアクリレートなどが挙げられる。中でも、特に好ましくは、多価(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートである。
上記多価(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ変性(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールAエポキシ変性(メタ)アクリレート、グリセロールジグリシジルエーテル変性(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル変性(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル変性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
反応性希釈剤は、コーティング剤の粘度、反応性や硬化後の樹脂コーティング層の硬度などを目的の物性に制御する役割を有し、単官能または多官能のアクリレートなどの活性エネルギー線重合性のモノマー成分が好ましく用いられる。このようなものとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなど挙げられる。
上記コーティング剤に用いられる光重合開始剤としては、用いる樹脂の種類によっても異なるが、公知の光ラジカル重合開始剤や光イオン(カチオン、アニオン)重合開始剤を用いることができる。アクリル系樹脂などに用いられる光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルケタール類、アセトフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン誘導体、ベンジル、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、α−アシロキシムエステル、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、芳香族過酸化エステル類などが挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を混合して使用される。イオン重合開始剤としては、例えば、アリールジアゾニウム化合物、ジアリールヨードニウム化合物、トリアリールスルホニウム化合物、トリアリールセレノニウム化合物などが挙げられる。また、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどの芳香族アミンと併用して使用してもよい。
上記コーティング剤の硬化に用いられる活性エネルギー線は、可視光、紫外線、電子線などを用いることができる。好ましい吸収波長は300〜460nmである。
上記熱硬化型のエポキシ系樹脂としては、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する公知のエポキシ化合物(脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物や芳香族エポキシ化合物など)を用いて得ることができる。エポキシ化合物としては、例えば、プロピレングリコールグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールAのグリシジルエーテル縮合物、フェノールまたはレゾルシン誘導のエポキシ化合物、ノボラック樹脂やクレゾール樹脂のエピクロルヒドリン変性物、芳香族カルボン酸誘導のエポキシ化合物、ビニルポリマー誘導のエポキシ化合物などが挙げられる。これら化合物とアミン系や有機酸無水物系などの硬化剤からエポキシ樹脂を得ることができる。
上記熱硬化型のウレタン樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸との共重合により得られるポリエステルポリオール、ヒマシ油又は他の水酸化脂肪酸のグリセライドエステル、ポリアルキレングリコールなどから選ばれたポリオールと有機ポリイソシアネートを含む組成物から得ることができる。
本発明の樹脂コーティング層は、滑剤を含有することが好ましい。滑剤は、公知の固体状や液体状の滑剤を用いることが可能で、例えば、シリコーンオイルやポリエチレンワックス、フッ素変性ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス類が例示される。本発明の樹脂コーティング層は滑剤を入れずに用いる場合は、滑り性が悪く、工程でのハンドリング性が低下する場合がある。滑剤の添加量は、樹脂コーティング層全体に対して、0.5〜2重量%である。本発明の感熱ラベルはこのような滑剤を含む樹脂コーティング層に対しても優れた接着性を示すため好ましい。
装飾性を付与するためにガラス瓶を着色する場合には、本発明の樹脂コーティング層には、顔料、染料などの着色料を添加することができる。特に、顔料を含有することが好ましい。顔料としては、有機、無機、有色顔料が使用でき、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)等が用途に合わせて選択、使用できる。また、顔料として、その他にも、光沢調製やフロスト調とする目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。顔料を添加する場合、顔料の添加量は、樹脂に対して、5〜30重量%が好ましい。
本発明の樹脂コーティング層には、紫外線を遮蔽し内容物の劣化を防止するなどの目的で、紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明のコーティング剤には、ガラス瓶と樹脂コーティング層との密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤が添加されていてもよい。シランカップリング剤としては、公知のものを用いることが可能で、例えば、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
本発明のコーティング剤には、上記添加剤の他、必要に応じて、溶媒、レベリング剤、分散剤、香料、消臭剤、安定剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤、改質剤などが添加されていてもよい。
本発明のコーティング剤は、上記各成分、例えば、アクリレートからなる光重合性化合物、反応性希釈剤、光重合開始剤、溶剤及び各種添加剤を同時に混合して作製する。混合は、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合温度は15〜30℃、混合時間(滞留時間)は10〜120分が好ましい。得られたコーティング剤は、必要に応じて、濾過してからコーティングに用いてもよい。
本発明のガラス瓶は、通常の透明ガラス瓶の外側に、上記コーティング剤をコーティング(必要に応じて、乾燥)した後、活性エネルギー線または熱により硬化させ、樹脂コーティング層を形成させることによって作製する。上記コーティング方法としては、特に限定されないが、生産性、作業性などの観点から、ディップコート法(浸漬法)が好ましく用いられる。活性エネルギー線による硬化は、例えば、紫外線(UV)ランプ、水銀灯、キセノンランプ、炭素アーク灯、タングステン灯などを用いる。また、熱硬化の場合には、熱風トンネルや赤外線オーブン等を用いることができる。
本発明の樹脂コーティング層の厚みは、5〜20μmであり、好ましくは10〜15μmである。樹脂コーティング層の厚みが5μm未満の場合には強度向上や遮光の効果が小さくなる。また、厚みが20μmを超える場合には、樹脂を多量に使用するため効果に対するコストが高くなり、さらに生産性が低下する。
さらに、本発明の感熱ラベル付きガラス瓶について説明する。
本発明の感熱ラベル付きガラス瓶は、上記ガラス瓶に、上記感熱ラベルを装着することにより作製することができる。ガラス瓶への感熱ラベルの装着は公知乃至慣用の方法で行うことができる。ラベルの装着は、例えば、感熱ラベルの感熱接着剤層側の面を容器表面に重ね、ラベル基材側から熱板を押し当てたり、加熱ドラムへ感熱ラベルをラベル基材側から吸引させ、ドラムからの熱又は赤外線等の熱源により、感熱接着剤層へ熱をあてることにより感熱接着剤層を活性化(軟化又は溶融化等により接着性が発現された状態にすること)させた後、加圧により容器に貼着するなどの方法で、通常、ラベラー(ラベル自動貼付機:例えば、特開平8−58755号公報、特開平11−321831号公報、特開2000−25725号公報に記載されているものが使用できる)を使用して行われる。本発明の感熱ラベル付きガラス瓶においては、特開2001−31095に記載されているように、ガラス瓶の樹脂コーティング層に火炎処理などの表面処理を施さなくても、十分な密着力を発揮することができるため好ましい。上記感熱ラベルの加熱温度は、感熱接着剤層の活性化温度に応じて適宜選択され、例えば70〜150℃が好ましく、より好ましくは80〜120℃である。なお、ここでいう接着剤層の活性化温度とは、非収縮PETフィルム(東洋紡績(株)「A1101」)を被着体として0.1N/15mm以上の接着強度(JIS Z 0237準拠)を生じる温度である。
本発明の感熱ラベルと樹脂コーティング層を有するガラス瓶は、分子間力等により物理的に接着する。両者は、感熱ラベルの極性基と樹脂コーティング層の極性基に起因して適度に親和性が高く、良好な接着性を示すため、加工、流通過程でのラベルの剥離などのトラブルが生じない。本発明の感熱ラベルは主剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いているため、低温(例えば、70〜100℃)貼付適性、適切な強度選択性及び各種添加剤との相溶性等で、特に高い効果をえることができる。他のエチレン−ビニルモノマー共重合体の場合では、低温貼付適性と適正強度の両立が困難であるため好ましくない。一方、上述のとおり、ラベルの感熱接着層は縮合反応性の官能基を実質的に有しないため、特開2001−31095等の場合のような、非常に強固な化学的接着は生じない。このため、使用後にラベルを剥離する際には、糊残りなく容易に剥がすことが可能となり、リサイクル性にも優れる。また、本発明の感熱ラベル用感熱樹脂はホットメルトアプリケータ等を用いて塗工を行うタイプの樹脂の分子量(2〜5万)に比べて分子量が高い(10万〜30万)ため、強度の経時安定性が高く、季節による接着強度の変動が少ない利点を有する。
本発明における、樹脂コーティング層を有するガラス瓶に対する感熱ラベルの接着力は、0.1〜5.0(N/15mm)が好ましく、より好ましくは0.3〜3.0(N/15mm)である。接着力が0.1(N/15mm)未満の場合には、加工、流通過程で剥離し易く、ラベルとしての使用に耐えない場合がある。また、接着力が5.0(N/15mm)を超える場合には、使用後に剥離する際に、剥離が困難となったり、糊残りを生じる場合がある。
本発明の感熱ラベル付きガラス瓶は、例えば、清酒、ビール、ワイン用等の酒類瓶、ジュース用等の清涼飲料瓶、牛乳瓶、ジャム、マヨネーズ用等の食料・調味料瓶、化学薬品、栄養ドリンク、錠剤用等のドリンク・薬瓶、プリンの容器等のガラス容器に好ましく用いられる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)接着性(初期接着力、経時後接着力)、易剥離性
実施例、比較例で得られた感熱ラベル付きガラス瓶のラベル部分に、15mm幅でラベル周方向に切込みをいれ、剥離強度測定を行った。
JIS−Z−0237に準拠して、下記の条件で90°剥離試験を行い、剥離長さ(クロスヘッド移動距離)が(50mmから150mm)の剥離荷重の平均値をもって接着力(N/15mm)とした。測定方向はラベルの周方向である。
サンプル作製後、23℃50%RHの条件下、20分間放置後に測定した接着力を初期接着力とした。また、サンプル作製後、23℃50%RHの条件下、30日間放置後に測定した接着力を経時後接着力とした。
初期接着力、経時後接着力が0.1〜5.0(N/15mm)の範囲にあれば接着性及び易剥離性良好(○)、初期接着力、経時後接着力のいずれかが0.1(N/15mm)未満の場合には接着性不良(×)、5.0(N/15mm)を超える場合には易剥離性不良(×)と判断した。
測定装置 : 島津製作所(株)製オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)
温湿度 : 温度23±2℃、湿度50±5%RH(JIS K 7000標準温度状態2級)
サンプル幅 : 15mm
試験回数 : 3回
クロスヘッド移動速度 : 300mm/分
(2)糊残り
上記(1)の剥離試験後のガラス瓶を目視で観察し、ガラス瓶側に糊残りが見られない場合には良好(○)、ガラス瓶側に糊残りが見られる場合には不良(×)と判断した。
(3)ラベル基材厚み、感熱接着剤層厚み
プラスチックフィルムなどラベル基材の厚みは、触針式厚みゲージを用いて測定した。また、感熱接着剤層厚みは、接着剤層を設けた部分(塗布面)と接着剤層を設けていない部分(非塗布面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、各成分の添加量は、感熱接着剤中の重量%で表している。
実施例1
(感熱ラベル)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル製「エバフレックス EV250」、エチレン含有量72%、酢酸ビニル含有量28%、MFR:30g/10分)50重量%、オレフィン系エラストマーとして、エチレン−αオレフィン共重合体(三井化学(株)製「タフマー P−0280」、MFR:2.9g/10分)30重量%、粘着付与剤として、水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製「クリアロン P115」、環球法軟化点:115℃)20重量%を、溶融混練して、感熱接着剤を作製した。該感熱接着剤のMFRは、22g/10分であった。
次に、上記感熱接着剤を、180〜235℃に加熱した単軸押出機を用いて、ラベル基材であるPETフィルム(東洋紡績(株)製「E5100」、基材厚み:50μm)上に、Tダイ溶融押出し、感熱接着剤層(厚み25μm)を形成して、感熱ラベルを作製した。
(感熱ラベル付きガラス瓶)
ガラス瓶(日本山村硝子(株)製、規格「720N」)に、活性エネルギー線硬化型アクリル系樹脂(ポリエチレンワックスを1.5重量%添加)を厚さ8μmでコーティングしたガラス瓶を用いた。
100℃に熱したホットプレート上に上記で得られた感熱ラベルを糊面を上方にして置き、予め60〜70℃に加熱した上記樹脂コーティングしたガラス瓶をその上から10〜15kgの圧力がかかるように圧接することによって接着させ、感熱ラベル付きガラス瓶を作製した。
表1に示すように、得られた感熱ラベル付きガラス瓶は、糊残りが少なく、優れた接着性、易剥離性を有していた。
実施例2
表1に示すように、ガラス瓶のコーティング樹脂を熱硬化型エポキシ系樹脂に変更(厚さ6μm)した以外は実施例1と同様にして感熱ラベル付きガラス瓶を得た。
表1に示すように、得られた感熱ラベル付きガラス瓶は、糊残りが少なく、優れた接着性、易剥離性を有していた。
実施例3〜6
表1に示すように、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン系エラストマー、粘着付与剤の種類、添加量を変更した以外は、実施例1と全く同様にして、感熱ラベルおよび感熱ラベル付きガラス瓶を作製した。
表1に示すように、得られた感熱ラベル付きガラス瓶は、糊残りが少なく、優れた接着性、易剥離性を有していた。
比較例1〜4
表1に示すように、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン系エラストマー、粘着付与剤の種類、添加量を変更した以外は、実施例1と全く同様にして、感熱ラベルおよび感熱ラベル付きガラス瓶を作製した。
表1に示すように、得られた感熱ラベル付きガラス瓶は、接着性、易剥離性や糊残り性に劣るものであった。
Figure 0004963397

Claims (4)

  1. 極性基を有する樹脂を主成分とし滑剤を含有する、厚み5〜20μmの樹脂コーティング層であって、滑剤の添加量が樹脂コーティング層全体に対して0.5〜2重量%である樹脂コーティング層を有するガラス瓶の外面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体20〜70重量%、オレフィン系エラストマー20〜50重量%及び粘着付与剤10〜30重量%を含む感熱接着剤からなる感熱接着剤層を有する感熱ラベルが装着されてなることを特徴とする感熱ラベル付きガラス瓶。
  2. 極性基を有する樹脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂である請求項1に記載の感熱ラベル付きガラス瓶。
  3. エチレン−酢酸ビニル共重合体の、エチレン成分含有量が65〜90重量%、酢酸ビニル成分含有量が10〜35重量%である請求項1または2に記載の感熱ラベル付きガラス瓶。
  4. オレフィン系エラストマーが、α−オレフィン系共重合エラストマーである請求項1〜3のいずれかの項に記載の感熱ラベル付きガラス瓶。
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