JPH10216647A - 重量選別機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】選別対象物の傷の防止、選別機の受体の耐久性
の向上を課題とする。 【解決手段】人参重量選別機１は、左右一対設けられた
無端チェーン２６と、無端チェーン２６が巻かれた８個
（四対）のスプロケット２７と、これらの一対のスプロ
ケット２７がそれぞれ連結されるとともに機体６に回転
可能に固定された前述した４本の回転軸９と、回転軸９
を駆動する駆動源と、無端チェーン２６とともに周回せ
しめられる複数のフォーク１５と、無端チェーン２６の
上側の周回路に沿って配設された複数個の固定秤１６
と、人参５を置くことができる形状であるとともに、フ
ォーク１５が通過できるように機体６に立設された櫛歯
状の部材から構成された隙間部材１７とから構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、選別対象物を効率
的に選別するための重量選別機、例えば人参等の長物果
菜類の重量選別機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、収穫した人参等の果菜類を供給機
から重量選別機へ自動供給するには、たとえば、実開平
５−１４０２２号及び実開平３−８００２５号に示す通
り、供給部Ｂから選別部Ａの秤量用受体２に落下させる
構造が例示される。また、実開６−４８８６８号、実開
平６−３４７７号、実公平７−３４０１６号等にも同様
の構造が開示されている。

【０００３】ところが、上記の従来技術は、選別対象物
を落下させる構造であるため、落下の衝撃により選別対
象物が傷ついたり折損したりする等のおそれがある。ま
た、受体の方にも衝撃が加わり故障の発生を招いたり耐
久性が損なわれるおそれがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上の諸点に鑑み、本
発明の重量選別機は、選別対象物の傷を防止すること、
選別機の受体の耐久性を向上させることを課題とするも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
には、従来のように選別対象物が落下する構造ではな
く、選別対象物を下からすくい上げて搬送することがで
きるような構造としたものである。すなわち、請求項１
に記載の発明は、無端搬送部材と、該無端搬送部材を駆
動する駆動源と、前記無端搬送部材とともに所定方向に
周回することができる複数の受体と、該受体を案内する
案内部材と、前記無端搬送部材に沿って配設され、前記
受体に乗せられた選別対象物を選別する秤量部材と、を
備えた重量選別機において、前記受体をフォーク部材と
すること、該フォーク部材が、前記無端搬送部材に直交
するように配置された軸部材と、該軸部材と直交する方
向に複数のフックとを備えたこと、前記フォーク部材の
通路に受け渡し部材を設け、前記フォーク部材が前記受
け渡し部材を通過できるように構成したこと、前記受け
渡し部材が前記選別対象物を載せることができる構造で
あること、を特徴とする重量選別機である。これにより
選別対象物が受け渡し部材に載せられると、下からフォ
ーク部材がすくいあげて秤量部材まで搬送し、重量選別
が行われる。したがって、供給機の出口を受け渡し部材
と同程度の高さに設置すれば、選別対象物に衝撃が加わ
らず、しかもフォーク部材にも負担がかからない。な
お、受け渡し部材は請求項３の通り、立板から斜めに支
持板が分岐した一体構造とされ、その間に選別対象物が
載せられる構造が好適であるが、これに限定されるもの
ではなく、立板と支持板とを別体としたり、板材を丸材
とする等、種々なる形状構造等が可能であることは無論
である。さらに、供給機の出口高さに合わせて受け渡し
部材の高さをねじ等で調整可能（スライド可能とする
等）とすることも可能である。

【０００６】請求項２に記載の発明は、前記フォーク部
材の一端部にピンを設け、他端部にころを設け、前記ピ
ンが固定秤と摺接することができることを特徴とする請
求項１に記載の重量選別機である。これにより選別対象
物の安定的な搬送が可能となるのである。

【０００７】請求項３に記載の発明は、前記受け渡し部
材は、長尺状の立板と、該立板から傾斜して上方に延び
出す短尺の支持板とから構成された板部材を、所定間隔
で複数個、横方向に配列したことを特徴とする請求項１
に記載の重量選別機である。これにより、コストが低減
された簡素な構造を提供することができるのである。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１〜図１３に示す人参重量選別
機１の好適な実施形態について説明する。図２に示す通
り、人参重量選別機１は人参自動供給機２に連結された
ものであり、この特徴は人参自動供給機２の説明の後に
詳述することとする。人参自動供給機２は、従来技術に
従ったものでも良いが本実施形態では新規な構成とした
ものであり、ホッパー３からベルトコンベア４を介在さ
せて人参５（図１２参照）を引き出し、そして、人参自
動供給機２へ人参５を確実に１個ずつ供給するためのも
のである（矢印参照）。この人参自動供給機２は、機体
６と、人参自動供給機２に向かって機体６に上り勾配で
配設された２枚の平行で所定間隔とされた支持板７と、
これら支持板７の左側部に設けられた人参５をホッパー
３へ帰還させる帰還路８と、支持板７に対して直交方向
（横方向）に所定間隔で昇り勾配で、支持板７に対して
回転可能に一列に整列されて配設された１６本の回転軸
（図示略）と、これら回転軸を同期して所定方向に回転
させる人参重量選別機１に設けられた回転軸９（図５参
照、後述する）と、回転軸（図示略）に偏心させて複数
個ずつ整列されて偏心させて固定された第一円盤グルー
プ１０と第二円盤グループ１１（図５参照）と、無端チ
ェーンが巻かれ、回転軸９と連動（同期）して駆動する
スプロケット１３を備えている。人参自動供給機２は人
参重量選別機１から駆動源を供給されているのである。
また人参５が人参自動供給機２から人参重量選別機１へ
1個ずつ受け渡されるようなタイミングとなるべく、ギ
ア比等を設定している。なお、場合により、ギア比は適
宜の構成比を任意に採択しうるものである。便宜上、動
力源を人参重量選別機１から供給されているのである
が、動力源は別途、人参自動供給機２側に設置した構成
とすることができる等、種々なる態様が可能であること
は無論である。

【０００９】つぎに人参重量選別機１の特徴的な構成を
説明する。人参重量選別機１は、図３乃至図６に示す通
り、左右一対設けられた無端チェーン２６と、無端チェ
ーン２６が巻かれた８個（四対）のスプロケット２７
と、これらの一対のスプロケット２７がそれぞれ連結さ
れるとともに機体６に回転可能に固定された前述した４
本の回転軸９と、回転軸９を駆動する駆動源と、無端チ
ェーン２６とともに周回せしめられる複数のフォーク１
５と、無端チェーン２６の上側の周回路に沿って配設さ
れた複数個の固定秤１６と、人参５を置くことができる
形状であるとともに、フォーク１５が通過できるように
機体６に立設された櫛歯状の部材から構成された受け渡
し部材１７とから構成されたものである。

【００１０】人参重量選別機１の特徴的な構成の１つで
あるフォーク１５を説明する。図７及び図８に示す通
り、フォーク１５は、従来の重量選別機の受皿とは異な
り、フォーク形状に形成されたことに特徴がある。すな
わち、フォーク１５は、円筒状の中空軸５０から複数の
フック５１が延設されたものである。フック５１は人参
５を受ける為に中央部で屈曲されているものである。フ
ォーク１５の両端部からアーム５２、アーム５３がそれ
ぞれ延設されて、それぞれの端部には、先端の尖ったピ
ン５４が固定されるとともに、ころ５５が回転可能に連
結されている。また、中空軸５０の二個所には貫設穴５
６を備えた爪５７が固定され、貫設穴５６に軸５８が嵌
挿できるようにされている。また、軸５８はスタンド５
９に固定されている。したがって、フォーク１５が軸５
８の周囲を回動することができる。なお、フォーク１５
の形状構造等は適宜な構成を採択することができる。

【００１１】人参重量選別機１のもう１つの特徴的な構
成である受け渡し部材１７を説明する。図９乃至図１１
に示す通り、受け渡し部材１７は、フォーク１５の通路
に設けられ、フォーク１５が受け渡し部材１７を通過で
きるようにされた隙間部材であるとともに、受け渡し部
材１７が人参５を載せることができる構造である。すな
わち、受け渡し部材１７は、長尺状の立板７０と、立板
７０から傾斜して上方に人参自動供給機２側へ突出する
短尺の支持板７１とから構成された板部材７２を、所定
間隔７３で複数個、横方向に配列し隙間を設けた櫛歯の
ような構成としたものである。所定間隔７３は幅はフォ
ーク１５のフック５１の幅より若干大きくされ、フォー
ク１５が通過可能に設定されている。また、受け渡し部
材１７は、機体６にねじで固定されている。なお、立板
７０に縦長孔（図示略）が設けられ、上下の位置が調整
可能となっており、供給機の出口高さに合わせて調整可
能とされ、種々の供給機に対応でき便利である。また、
人参重量選別機１と人参自動供給機２の駆動源の同期を
採って、人参自動供給機２からの人参５の排出タイミン
グと、フォーク１５の搬送速度を合わせているので、人
参自動供給機２から１個ずつ供給された人参５は1個ず
つフォーク１５によりすくいあげられるように構成され
ている。なお、受け渡し部材１７は縦方向に長尺状に形
成されているのであるが、これを受け渡し付近に限定し
て設けてもよいし、受け渡し部材１７の形状構造等も適
宜な構成を採択し得るものである。

【００１２】さらに図５及び図６に示す通り、人参重量
選別機１には４個ずつ１組とされた一対のスプロケット
２７が４本の回転軸９の両端にそれぞれに設置されて、
スプロケット２７に一対の無端チェーン２６が巻回され
ている。前述した人参５を受けたフォーク１５は、無端
チェーン２６とともに周回できるようにされ、固定秤１
６において、周知のように人参５の重量選別できるよう
に構成されている。さらに、ころ５５を案内するための
案内レール２９が図９に示す通り周回状に設置されてい
る。さらに図１に示す通り、人参重量選別機１の後端部
にあるスプロケット２７には復帰縦レール３３が設置さ
れている。その復帰縦レール３３によりピン５４が垂直
下方に誘導されるとともに、コロ５５がスプルケット２
７の円盤（図示せず）に誘導（周回）されることによ
り、図１２の点線でに示す倒れた状態のフォーク１５を
原姿勢（水平状態）に復帰できるように構成されてい
る。

【００１３】また、図６に示す通り、最奥部の回転軸７
ｐが無端チェーン３０とスプロケット３１，３２を介し
て回転軸９と接続されている。したがって、回転軸９か
ら無端チェーン３０を介して回転軸７ｐに動力が伝達さ
れ、回転軸７ｐが無端チェーン１２及びスプロケット１
３により１６本の回転軸と同期して回転できるようにな
っている（図１参照）。

【００１４】図６及び図９に示す通り、人参５の人参自
動供給機２から人参重量選別機１への受け渡し構造につ
いて説明する。受け渡し部材１７は人参自動供給機２の
端部に近接する領域に設置され、板部材７２は最後の回
転軸９とほぼ同様の高さに設定し、落差が生じないよう
にしてある（図６参照）。また、受け渡し部材１７の幅
は支持板７の幅と同様な幅に設定され、人参５が零れ落
ちないようにしている。図９に示す通り、受け渡し部材
１７の高さはスプロケット２７の間隔の程度に設定して
おり、フォーク１５の案内を確実なものとしている。

【００１５】固定秤１６は周知の構造であるから、実開
平１−１２４２７８号又は特開平８−１８２９６９号等
を参照されたい。したがって、図１２及び図１３に示す
通り、固定秤１６とフォーク１５等との関連構造につい
て説明する。図に示す通り、人参重量選別機１の上面側
には複数の固定秤１６が人参５を各クラスに重量の大き
いものから小さいものの順序で分けてゆくため、所定間
隔でベース３４に固設されている。また、図１３に示す
通り、固定秤１６には周知のように測定レール３５が秤
動可能に設置してあり、ピン５４とで出力接点を構成し
ている。固定秤１６の両側には安定レール３６が延設さ
れ、固定秤１６の出口側の安定レール３６の端部にはカ
ッターナイフ３７が着脱自在に固定されている。なお、
図１２に示す通り、フォーク１５はスタンド５９を介在
させて無端チェーン２６に固定されている。

【００１６】なお、本実施形態は人参重量選別機１の発
明であるから、人参自動供給機２については従来技術に
従って構成することも可能であり、例えば、実開平１−
１２４２７８号公報、実開平６−４８８６８号、実開平
４−１３０２２７等、当業者であれば、種々の重量選別
機を採用することも無論可能である。

【００１７】つぎに、人参重量選別機１の動作を説明す
る。図２に示す通り、ホッパー３からベルトコンベア４
で人参５を人参自動供給機２に矢印で示す方向に送り出
す。人参自動供給機２に移動した人参５は、矢印で示す
方向に、人参自動供給機２から人参重量選別機１に向か
って登り勾配で供給され、人参自動供給機２から１個ず
つ所定間隔毎（所定時間毎）に人参重量選別機１に人参
５を供給する。人参５は受け渡し部材１７に１個ずつ供
給される、つまり人参５がころがりながら人参自動供給
機２から移動して一旦そこに載置される。次の人参５が
供給されるまでに、フォーク１５が下側から上昇してき
て、フォーク１５が下から人参５を次々に掬い上げる。
これにより従来と異なり、落下する衝撃で人参５に傷が
つきにくい利点があるとともに、フォークの故障が防止
できる。こうしてフォーク１５に１個ずつ間欠的にすく
いあげられた人参５は、１個ずつ間欠的にフォーク１５
により搬送させられ、重量選別用の固定秤１６で人参５
が各クラス（等級）毎に選別される。例えば、人参５が
固定秤１６の設定荷重よりも大きい又は小さい場合、図
１２の点線に示す通り、カッターナイフ３７で選り分け
られてピン５４が安定レール３６と当接しなくなるた
め、支えを無くしたフォーク１５は自重で反時計方向に
回動し、人参５はフォーク１５から放出されて、シュー
ト（図示略）に排出される。重量選別自体の構造は周知
であり各種の構造があるので、説明は割愛する。

【００１８】以上、本発明の好適な実施の形態を説明し
たが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものでは
ないことは無論であり、本発明の技術的思想を逸脱しな
い範囲で多くの変更等を施し得ることができることは当
業者であれば当然である。例えば、立板７０と支持板７
１とを別体とした板部材７２から受け渡し部材１７を構
成することもできる。また板状にかえて断面が丸形、楕
円形、三角形等種々なる態様が可能である。そして、支
持板７１をカーブさせたものでも良い。またフック５１
は屈曲しているが、これを緩やかにカーブされたもので
も良く種々なる形状が実施可能である。さらに人参５に
代えて種々なる果菜類等の農産物、魚類等のほか種々な
る選別対象物にも適用ができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１乃至３に
記載の発明により、供給機から選別機への受け渡しの際
の選別対象物への衝撃を緩和すること、選別機の受体の
耐久性を向上させることができ、その工業的利用価値は
極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態の人参重量選別機の内部構造の右側
面図である。

【図２】本実施形態の人参重量選別機を人参自動供給機
側から見た斜視図である。

【図３】同斜め上方から見た人参重量選別機の拡大斜視
図である。

【図４】同斜め上方から見た人参重量選別機の拡大斜視
図である。

【図５】同横斜めから見た人参重量選別機の拡大斜視図
である。

【図６】同人参重量選別機と人参自動供給機との接続部
分の拡大斜視図である。

【図７】同重量選別機の受け部材の斜視図である。

【図８】同受け部材の平面図である。

【図９】同重量選別機の内部構造の左側面部分拡大図で
ある。

【図１０】同人参重量選別機の置き部材の斜視図であ
る。

【図１１】（ａ）は同置き部材の背面図、（ｂ）は同正
面図、（ｃ）は左側面図、（ｄ）は平面図である。

【図１２】同重量選別機の右側面図の部分拡大図であ
る。

【図１３】同重量選別機の平面図の部分拡大図である。

【符号の説明】

１・・・人参重量選別機 ２・・・人参自動供給機 ３・・・ホッパー ５・・・人参 ６・・・機体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端搬送部材と、 該無端搬送部材を駆動する駆動源と、 前記無端搬送部材とともに所定方向に周回することがで
   きる複数の受体と、 該受体を案内する案内部材と、 前記無端搬送部材に沿って配設され、前記受体に乗せら
   れた選別対象物を選別する秤量部材と、を備えた重量選
   別機において、 前記受体をフォーク部材とすること、該フォーク部材
   が、前記無端搬送部材に直交するように配置された軸部
   材と、該軸部材と直交する方向に複数のフックとを備え
   たこと、 前記フォーク部材の通路に受け渡し部材を設け、前記フ
   ォーク部材が前記受け渡し部材を通過できるように構成
   したこと、前記受け渡し部材が前記選別対象物を載せる
   ことができる構造であること、 を特徴とする重量選別機。
2. 【請求項２】 前記フォーク部材の一端部にピンを設
   け、他端部にころを設け、前記ピンが固定秤と摺接する
   ことができることを特徴とする請求項１に記載の重量選
   別機。
3. 【請求項３】 前記受け渡し部材は、長尺状の立板と、
   該立板から傾斜して上方に延び出す短尺の支持板とから
   構成された板部材を、所定間隔で複数個、横方向に配列
   したことを特徴とする請求項１に記載の重量選別機。