JPH10216533A - 樹脂硬化無機イオン交換体及びその製造方法 - Google Patents

樹脂硬化無機イオン交換体及びその製造方法

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JPH10216533A
JPH10216533A JP9028181A JP2818197A JPH10216533A JP H10216533 A JPH10216533 A JP H10216533A JP 9028181 A JP9028181 A JP 9028181A JP 2818197 A JP2818197 A JP 2818197A JP H10216533 A JPH10216533 A JP H10216533A
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JP
Japan
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ion exchanger
inorganic ion
zirconium
resin
magnesium
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Application number
JP9028181A
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English (en)
Inventor
Yasushi Nakajima
靖 中島
Toshio Nakatani
利雄 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたイオン交換能を発揮するとともに、カラ
ムに充填しても使用できる粒状の樹脂硬化無機イオン交
換体を提供することを主な目的とする。 【解決手段】1.ポリビニルアルコール及びその誘導体
の少なくとも1種、ジルコニウム、チタン、マグネシウ
ム、アルミニウム及びアンチモンの少なくとも1種並び
に無機イオン交換体を含み、かつ、(a)見掛け密度
1.1〜2.5g/cm3、(b)平均粒径0.2〜2
0mm、(c)イオン交換容量0.1〜10meq/g
及び(d)金属成分含有率1〜25重量%であることを
特徴とする樹脂硬化無機イオン交換体。2.ポリビニル
アルコール及びその誘導体の少なくとも1種、無機イオ
ン交換体並びに水溶性化合物を含有する混合液をアルカ
リに接触させることを特徴とする樹脂硬化無機イオン交
換体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂硬化無機イオ
ン交換体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼオライト、酸化物、含水酸化物、ヘテ
ロポリ酸、リン酸塩、無機層状化合物等は、無機イオン
交換体として知られている。これらは、イオン交換樹脂
に比べて特定イオンの選択性、或いは耐酸性・耐アルカ
リ性等に優れている。しかし、これら無機イオン交換体
は、その形態が粉末状であるため、これをカラムに充填
しても高圧をかけて通液しなければならず、そのまま使
用することは困難である。また、これら無機イオン交換
体の粉末をスラリー状態として使用することも考えられ
るが、経時的に粉末が微粉化してしまうため、工業的規
模での使用には適していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、無機イオン
交換体に樹脂成分を配合して造粒する技術等が開発され
ている。しかし、これらの技術により得られる材料は、
比重が大きく、依然として時間の経過とともに微粉化す
る等の問題があり、なお改善の余地がある。
【0004】従って、本発明は、優れたイオン交換能を
発揮するとともに、カラムに充填しても使用できる樹脂
硬化無機イオン交換体を提供することを主な目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の従来
技術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成
を有する樹脂硬化無機イオン交換体が上記目的を達成で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、下記の樹脂硬化無機
イオン交換体及びその製造方法に係るものである。
【0007】1.ポリビニルアルコール及びその誘導体
の少なくとも1種、ジルコニウム、チタン、マグネシウ
ム、アルミニウム及びアンチモンの少なくとも1種並び
に無機イオン交換体を含み、かつ、(a)見掛け密度
1.1〜2.5g/cm3、(b)平均粒径0.2〜2
0mm、(c)イオン交換容量0.1〜10meq/g
及び(d)金属成分含有率1〜25重量%(金属酸化物
換算)であることを特徴とする樹脂硬化無機イオン交換
体。
【0008】2.ポリビニルアルコール及びその誘導体
の少なくとも1種、無機イオン交換体並びに水溶性化合
物を含有する混合液をアルカリに接触させることを特徴
とする樹脂硬化無機イオン交換体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに説明する。
【0010】本発明の樹脂硬化無機イオン交換体は、ポ
リビニルアルコール及びその誘導体の少なくとも1種、
ジルコニウム、チタン、マグネシウム、アルミニウム及
びアンチモンの少なくとも1種並びに無機イオン交換体
を含み、かつ、(a)見掛け密度1.1〜2.5g/c
3、(b)平均粒径0.2〜20mm、(c)イオン
交換容量0.1〜10meq/g及び(d)金属成分含
有率1〜25重量%(金属酸化物換算)であることを特
徴とする。
【0011】本発明で使用するポリビニルアルコール及
びその誘導体(以下「PVA」と略記する。)は、特に
その種類は制限されず、公知のものもそのまま用いるこ
とができる。その中でも特に、完全ケン化ポリビニルア
ルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、或いはビ
ニルアルコール、アリルアルコール、イソプロピルアル
コール等とビニルエーテル等との共重合物等が好まし
い。これらは、1種又は2種以上用いることができる。
【0012】また、本発明のPVAの重合度は、特に制
限されないが、通常500〜3000程度、好ましくは
800〜2700のものを用いれば良い。重合度が50
0未満の場合には強度が低下し、3000を超える場合
にはイオン交換能が低下するおそれがある。
【0013】PVAの含有量は、最終製品の用途等に応
じて適宜設定できるが、通常は1〜30重量%程度、好
ましくは2〜10重量%である。1重量%未満である場
合には製造時において造粒化が困難となり、30重量%
を超える場合にはイオン交換能が低下することがある。
【0014】本発明で用いる無機イオン交換体は、陽イ
オン及び/又は陰イオンを選択的に吸着できるものであ
る限り特に制限されず、例えば金属の含水酸化物、多価
金属の酸化塩、金属の水酸化物、リン酸塩、不溶性フェ
ロシアン化物、合成アルミノケイ酸塩等の公知のものも
使用することができる。この中でも、Zr、Ti、M
g、Al及びSbの酸化物、水酸化物及びリン酸塩の少
なくとも1種が好ましい。
【0015】本発明では、上記酸化物としては、下記一
般式(1) Mab・nH2O…(1) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦a≦5、1≦b≦10、n=0
〜8を示す。)で示される酸化物の少なくとも1種が好
ましい。また、上記水酸化物としては、下記一般式
(2) Mc(OH)d・nH2O…(2) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦c≦5、1≦d≦10、n=0
〜25を示す。)で示される水酸化物の少なくとも1種
を用いることが好ましい。
【0016】これら無機イオン交換体の中でも特に、水
酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム及びリン酸ジルコ
ニウムの少なくとも1種を用いることがより好ましい。
【0017】本発明における無機イオン交換体の含有量
(金属酸化物換算)は、通常は1〜20重量%程度、好
ましくは1〜10重量%とすれば良い。1重量%未満の
場合にはイオン交換能が低下し、20重量%を超える場
合には樹脂硬化体の強度が低下するおそれがある。
【0018】本発明の樹脂硬化無機イオン交換体におい
ては、さらにジルコニウム、チタン、マグネシウム、ア
ルミニウム及びアンチモンの少なくとも1種を含有す
る。これらは、特に後記水溶性化合物(原料)に由来す
る化合物として存在するものであり、例えば水溶性化合
物をアルカリ処理して生成する化合物から構成される。
これらの含有量は、金属酸化物換算で通常1〜20重量
%程度、好ましくは5〜20重量%である。
【0019】本発明の樹脂硬化無機イオン交換体におけ
る金属成分の含有量(総含有量)は、用いる無機イオン
交換体等によって適宜変更できるが、通常は金属酸化物
換算で1〜25重量%程度とすれば良い。
【0020】上記見掛け密度は、次のようにして測定す
る。まず、10mlメスシリンダーに本発明の樹脂硬化
無機イオン交換体を約9ml加え、その重さを測定した
後、脱イオン交換水を加えて10mlとする。このとき
加えた水の重量を測定し、下記計算式によりその密度を
求める。
【0021】見掛け密度=樹脂硬化無機イオン交換体の
重量/(10−加えた水の重量) (但し、水の密度を1g/cm3として算出した) また、平均粒径の測定方法は、受け皿の上に標準ふるい
を重ね、最上段のふるいに量り取った試料10gを加え
て蓋をし、振とう機にセットとして10分間ふるいを行
った後、ふるい上に残った試料を損失なく、秤量瓶に移
し、重量を量り、ふるい上の重量割合を求める。
【0022】本発明の樹脂硬化無機イオン交換体の保有
水分量は、最終製品の用途等に応じて適宜変更できる
が、通常20〜90重量%程度、好ましくは30〜70
重量%とすることが好ましい。20重量%未満では乾燥
しすぎてイオン交換容量が低下するおそれがある。ま
た、90重量%を超えると比重が軽くなり、充填カラム
等に充填して用いることが困難となる。
【0023】本発明の樹脂硬化無機イオン交換体の製造
方法は、ポリビニルアルコール及びその誘導体の少なく
とも1種、無機イオン交換体及び水溶性化合物を含有す
る混合液をアルカリに接触させることを特徴とする。
【0024】PVAとしては、前記と同様のものを使用
することができる。PVAの配合量は、最終製品の用途
等に応じて適宜設定できるが、通常は混合物中1〜30
重量%程度、好ましくは2〜10重量%である。1重量
%未満である場合には造粒化が困難となる。一方、30
重量%を超える場合にはイオン交換能が低下することが
ある。
【0025】無機イオン交換体についても、前記と同様
に陽イオン及び/又は陰イオンを選択的に吸着できる限
り特に制限されず、例えば金属の含水酸化物、多価金属
の酸化塩、金属の水酸化物、リン酸塩、不溶性フェロシ
アン化物、合成アルミノケイ酸塩等の公知のものも使用
することができる。この中でも、Zr、Ti、Mg、A
l及びSbの酸化物、水酸化物及びリン酸塩の少なくと
も1種が好ましい。これら無機イオン交換体の中でも特
に、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム及びリン酸
ジルコニウムの少なくとも1種を用いることがより好ま
しい。
【0026】本発明における無機イオン交換体の配合量
(金属酸化物換算)は、通常は混合液中1〜20重量%
程度、好ましくは1〜10重量%とすれば良い。1重量
%未満の場合にはイオン交換能が低下し、20重量%を
超える場合には樹脂硬化体の強度が低下するおそれがあ
る。
【0027】水溶性化合物は、水溶性である限り特に制
限されないが、好ましくはジルコニウム、チタン、マグ
ネシウム、アルミニウム及びアンチモンの塩化物、硫酸
塩及び硝酸塩の少なくとも1種を用いる。
【0028】上記塩化物としては、特に、 下記一般式(3) MeClf・nH2O…(3) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦e≦5、1≦f≦10、n=0
〜8を示す。)で示される塩化物、 下記一般式(4) MgOClh・nH2O…(4) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦g≦5、1≦h≦10、n=0
〜8を示す。)で示される塩化物、並びに 下記一般式(5) MiOOHClj・nH2O…(5) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦i≦5、1≦j≦10、n=0
〜8を示す。)で示される塩化物の少なくとも1種であ
ることが好ましい。
【0029】上記硫酸塩としては、特に 下記一般式(6) Mk(SO4l・nH2O…(6) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦k≦5、1≦l≦10、n=0
〜8を示す。)で示される硫酸塩、並びに 下記一般式(7) MpO(SO4q・nH2O… (7) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦p≦5、1≦q≦10、n=0
〜8を示す。)で示される硫酸塩の少なくとも1種を用
いることが好ましい。
【0030】上記硝酸塩としては、特に 下記一般式(8) Ms(NO3t・nH2O…(8) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦s≦5、1≦t≦10、n=0
〜8を示す。)で示される硝酸塩、並びに 下記一般式(9) MvO(NO3w・nH2O…(9) (但し、MはZr、Ti、Mg、Al及びSbの少なく
とも1種であって、1≦v≦5、1≦w≦10、n=0
〜8を示す。)で示される硝酸塩の少なくとも1種を用
いることが好ましい。
【0031】これら水溶性化合物の中でも、特に四塩化
ジルコニウム、酸塩化ジルコニウム、塩基性塩化ジルコ
ニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ア
ルミニウム、過塩素酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、塩化チタン、硫酸チタン、硝酸
チタン、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、硫
酸マグネシウム及び硝酸マグネシウムの少なくとも1種
を用いることが好ましい。本発明では、より好ましく
は、酸塩化ジルコニウムを用いる。
【0032】水溶性化合物の配合量(金属酸化物換算)
は、用いる無機イオン交換体の種類等に応じて適宜変更
することができるが、通常は混合液中1〜20重量%程
度、好ましくは5〜20重量%とする。1重量%未満で
は粒状に造粒することが困難となり、20重量%を超え
るとイオン交換能が低下することがある。
【0033】本発明の製造方法では、まず、これらPV
A、無機イオン交換体及び水溶性化合物の混合液を調製
する。配合する順序は、特に限定されず、同時に又は順
次に加えて良い。例えば、PVA水溶液に無機イオン交
換体、水溶性化合物を順に加えても良い。特に、水溶性
化合物を水溶液とし、これにPVA水溶液を加え、次い
で無機イオン交換体を配合すれば、より容易に均一に分
散できる。各水溶液の濃度は、混合液が前記の所定量と
なるように適宜調節すれば良い。
【0034】なお、これらの原料のほかに、本発明の効
果を損なわない範囲で上記混合液中にスピネル、酸化セ
リウム等を配合することもできる。
【0035】次に、得られた混合液をアルカリに接触さ
せて不溶化する。アルカリとしては、公知のものが使用
できるが、特に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水
酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム及びアミン類(モ
ノエタノールアミン、エチレンジアミン等)の少なくと
も1種を用いることが好ましい。特に、水酸化アンモニ
ウムを使用することが好ましい。アルカリ溶液のpH
は、無機イオン交換体、PVA等の種類に応じて設定で
きるが、通常pH10〜14程度、好ましくはpH13
〜14である。
【0036】接触させる方法は、特に制限されず、例え
ばアルカリ溶液又はアルカリ溶液の蒸気・気体と混合液
とを攪拌混合したり、或いはアルカリ溶液の蒸気・気体
を含む雰囲気中で処理することにより実施できる。特
に、混合液をアルカリ溶液中に滴下することが望まし
い。接触させる温度は、特に制限されないが、通常は1
5〜80℃程度、好ましくは15〜30℃とする。
【0037】混合液をアルカリと接触させることによ
り、不溶性樹脂硬化体を得ることができる。用途として
カラム充填用に用いる場合は、粒状物として得ることが
好ましい。上記粒状物の粒径は、最終製品の使用目的等
により適宜変更することができるが、通常0.1〜10
mm程度であれば良い。
【0038】得られた硬化体は、必要に応じて水洗、脱
水することにより、本発明の樹脂硬化無機イオン交換体
が得られる。この交換体の保有水分量は、前記の通り通
常は20〜90重量%程度、特に30〜70重量%に維
持することが好ましい。従って、得られた交換体は特に
乾燥させずに用いることが好ましい。また、保存する場
合にも、保湿した状態におくことが好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、無機イオン
交換体としての特性を実質的に維持したまま、粒状等の
形状をもつ樹脂硬化無機イオン交換体を得ることができ
る。
【0040】本発明の樹脂硬化無機イオン交換体は、カ
ラムに充填しても粉化しない。このため、イオン交換樹
脂のようにカラムに粒状体として充填して使用できる結
果、従来品に比べて優れたイオン交換能を発揮すること
ができる。
【0041】このような特徴をもつ樹脂硬化無機イオン
交換体は、カラム充填用のイオン交換体として有効であ
り、例えば水溶液中の遊離金属イオン、陰イオン、有機
化合物等の除去材として用いることもできる。また、各
種物質の担体として触媒、各種の吸着剤等としても使用
できる。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。なお、実施例
中、無機イオン交換体及び水溶性化合物の配合量は、金
属酸化物換算値である。
【0043】イオン交換能の測定は、次のようにして行
った。まず各イオン濃度を1000ppmに調製した水
溶液100cm3に樹脂硬化無機イオン交換体を2g添
加し、25℃の温度下で24時間かき混ぜた後、固形分
をろ別し、ろ液中のイオン濃度を定量し、樹脂硬化無機
イオン交換体1g当たりの交換能を計算により求めた。
【0044】陽イオン交換の代表例として、ナトリウム
イオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンを用
い、陰イオンの代表例としてリン酸イオン、硫酸イオ
ン、塩素イオン及びホウ素イオンを用い、イオン交換能
を調べた。
【0045】なお、リン酸イオンはJIS法で規格され
たモリブデン青(アスコルビン酸)吸光光度法(「UV
−265FW」分光光度計、島津製作所製)により、ア
ンモニウムイオンはインドチモール−ブルー吸光光度法
により、ナトリウムイオン及びカリウムイオンは原子吸
光光度法(「Z−6000」原子吸光光度計、日立製作
所製)により、硫酸イオンは塩化バリウムを用いる重量
法により、塩素イオンは硝酸銀を用いる比濁法により、
ホウ素イオンはI.C.P.−AES(「SPS−12
00A」セイコー電子製)によりそれぞれ定量した。
【0046】また、各イオンの溶液は次のようにして調
製した。
【0047】(1)ナトリウムイオン溶液 110℃で3時間乾燥した塩化ナトリウム(和光純薬工
業製)2.54gを水に溶かして正しく1000cm3
とした。
【0048】(2)カリウムイオン溶液 110℃で3時間乾燥した塩化カリウム(和光純薬工業
製)1.91gを水に溶かして正しく1000cm3
した。
【0049】(3)アンモニウムイオン溶液 110℃で3時間乾燥した塩化アンモニウム(和光純薬
工業製)3.82gを水に溶かして正しく1000cm
3とした。
【0050】(4)リン酸イオン溶液 110℃で3時間乾燥したリン酸二水素ナトリウム(和
光純薬工業製)3.87gを水に溶かして正しく100
0cm3とした。
【0051】(5)硫酸イオン溶液 110℃で3時間乾燥した硫酸ナトリウム(和光純薬工
業製)4.43gを水に溶かして正しく1000cm3
とした。
【0052】(6)塩素イオン溶液 110℃で3時間乾燥した塩化ナトリウム(和光純薬工
業製)1.65gを水に溶かして正しく1000cm3
とした。
【0053】(7)ホウ素イオン溶液 110℃で3時間乾燥したホウ酸(和光純薬工業製)
5.72gを水に溶かして正しく1000cm3とし
た。
【0054】実施例1 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に酸塩化ジルコニウム(ZrOCl2)140g含む
水溶液397gを加え、さらに水酸化ジルコニウム(Z
r(OH)2)15gを加えて分散させた。
【0055】得られた混合液をアンモニア水中(pH1
2)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。その
形状は球状であり、直径は0.5〜1mmであった。こ
のイオン交換体について、陰イオン交換能を調べた。そ
の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】実施例2 重合度1500のポリビニルアルコール41.9gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を500gとした。この溶
液に酸塩化ジルコニウム138g含む水溶液396gを
加え、さらにγ型リン酸ジルコニウム(Zr(PO4
(H2PO4)・2H2O)25gを加えて分散させた。
【0058】得られた混合液を水酸化ナトリウム水溶液
中(pH14)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を
得た。その形状は球状であり、直径は1〜2mmであっ
た。このイオン交換体について、陽イオン交換能を調べ
た。その結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】実施例3 重合度1500のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を520gとした。この溶
液に塩化チタン(TiCl3)127g含む水溶液49
0gを加え、さらに水酸化チタン(Ti(OH)2)1
0gを加えて分散させた。
【0061】得られた混合液を炭酸アンモニア水溶液中
(pH9.4)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を
得た。その形状は球状であり、直径は3〜4mmであっ
た。このイオン交換体について、陰イオン交換能を調べ
た。その結果を表3に示す。
【0062】実施例4 重合度1700のポリビニルアルコール34.7gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を499gとした。この溶
液に塩化マグネシウム(MgCl2)142g含む水溶
液398gを加え、さらに酸化マグネシウム(MgO)
18gを加えて分散させた。
【0063】得られた混合液をアンモニア水中(pH1
2)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。その
形状は球状であり、直径は1〜2mmであった。このイ
オン交換体について、陰イオン交換能を調べた。その結
果を表3に示す。
【0064】実施例5 重合度1700のポリビニルアルコール34.9gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O)140g
含む水溶液405gを加え、さらに水酸化アルミニウム
(Al(OH)3)15gを加えて分散させた。
【0065】得られた混合液をアンモニア水中(pH1
2)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。その
形状は球状であり、直径は0.3〜0.8mmであっ
た。このイオン交換体について、陰イオン交換能を調べ
た。その結果を表3に示す。
【0066】実施例6 重合度1700のポリビニルアルコール35.5gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に塩化アンチモン(SbCl3)130g含む水溶液
397gを加え、さらに酸化アンチモン(Sb23)2
0gを加えて分散させた。
【0067】得られた混合液をモノエタノールアミン中
(pH9)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得
た。その形状は球状であり、直径は0.1〜0.6mm
であった。このイオン交換体について、陽イオン交換能
を調べた。その結果を表3に示す。
【0068】実施例7 重合度1700のポリビニルアルコール35.5gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に塩基性酸化ジルコニウム(ZrO(OH)Cl2
nH2O)140g含む水溶液397gを加え、さらに
水酸化ジルコニウム10gとγ型リン酸ジルコニウム2
0gとを加えて分散させた。
【0069】得られた混合液をアンモニア水中(pH1
2)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。その
形状は球状であり、直径は5〜10mmであった。この
イオン交換体について、陽イオン交換能及び陰イオン交
換能を調べた。その結果を表3に示す。
【0070】実施例8 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に酸塩化ジルコニウム140g含む水溶液397gを
加え、さらに水酸化ジルコニウム15gを加えて分散さ
せた。
【0071】得られた混合液をエタノールアミン水溶液
中(pH11)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を
得た。その形状は球状であり、直径は0.5〜1.3m
mであった。なお、上記の配合割合よりその組成を計算
したところ、金属成分含有量21重量%、PVA5重量
%及び保有水分量74重量%であった。また、比重は
1.2g/cm3であった。次に、このイオン交換体に
ついて、陰イオン交換能を調べた。その結果を表3に示
す。
【0072】実施例9 重合度1500のポリビニルアルコール41.9gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を500gとした。この溶
液に酸塩化ジルコニウム138g含む水溶液396gを
加え、さらにγ型リン酸ジルコニウム25gを加えて分
散させた。
【0073】得られた混合液をエタノールアミン水溶液
中(pH11)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を
得た。その形状は球状であり、直径は1〜2mmであっ
た。なお、上記の配合割合よりその組成を計算したとこ
ろ、金属成分含有量17.7重量%、PVA4.6重量
%及び保有水分量77.7重量%であった。また、比重
は1.1g/cm3であった。次に、このイオン交換体
について、陽イオン交換能を調べた。その結果を表3に
示す。
【0074】実施例10 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に酸塩化ジルコニウム140g含む水溶液397gを
加え、さらに水酸化ジルコニウム15gを加えて分散さ
せた。
【0075】得られた混合液をエチレンジアミン水溶液
中(pH12)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を
得た。その形状は球状であり、直径は0.2〜1.2m
mであった。上記の配合割合よりその組成を計算したと
ころ、金属成分含有量17.6重量%、PVA3.9重
量%及び保有水分量79.1重量%であった。また、比
重は1.2g/cm3であった。次に、このイオン交換
体について、陰イオン交換能を調べた。その結果を表3
に示す。
【0076】
【表3】
【0077】実施例11 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に酸塩化ジルコニウム140g含む水溶液397gを
加え、さらに水酸化ジルコニウム15gを加えて分散さ
せた。得られた混合液を水酸化ナトリウム溶液中(pH
14)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0078】実施例12 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に酸塩化ジルコニウム140g含む水溶液397gを
加え、さらに水酸化ジルコニウム15gを加えて分散さ
せた。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH12)
へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0079】実施例13 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に四塩化ジルコニウム140g含む水溶液397gを
加え、さらに水酸化ジルコニウム15gを加えて分散さ
せた。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH12)
へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0080】実施例14 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に塩基性塩化ジルコニウム140g含む水溶液397
gを加え、さらに水酸化ジルコニウム15gを加えて分
散させた。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH1
2)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0081】実施例15 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に硝酸ジルコニウム(ZrO(NO32・nH2O)
140g含む水溶液397gを加え、さらに水酸化ジル
コニウム15gを加えて分散させた。得られた混合液を
アンモニア溶液中(pH12)へ滴下し、樹脂硬化無機
イオン交換体を得た。
【0082】実施例16 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に硫酸ジルコニウム140g含む水溶液397gを加
え、さらに水酸化ジルコニウム15gを加えて分散させ
た。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH12)へ
滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0083】実施例17 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を520gとした。この溶
液に酸化チタン(TiO2)127g含む水溶液490
gを加え、さらに水酸化チタン10gを加えて分散させ
た。得られた混合液を炭酸アンモニア溶液中(pH9.
5)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0084】実施例18 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を520gとした。この溶
液に硫酸チタン127g含む水溶液490gを加え、さ
らに水酸化チタン10gを加えて分散させた。得られた
混合液を炭酸アンモニア溶液中(pH9.5)へ滴下
し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0085】実施例19 重合度1700のポリビニルアルコール34.7gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を499gとした。この溶
液に塩化マグネシウム142g含む水溶液398gを加
え、さらに水酸化酸化マグネシウム(Mg(OH)2
18gを加えて分散させた。得られた混合液をアンモニ
ア溶液中(pH12.5)へ滴下し、樹脂硬化無機イオ
ン交換体を得た。
【0086】実施例20 重合度1700のポリビニルアルコール34.7gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を499gとした。この溶
液に過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO42)142
g含む水溶液398gを加え、さらに酸化マグネシウム
(MgO)18gを加えて分散させた。得られた混合液
をアンモニア溶液中(pH13)へ滴下し、樹脂硬化無
機イオン交換体を得た。
【0087】実施例21 重合度1700のポリビニルアルコール34.7gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を499gとした。この溶
液に硫酸マグネシウム142g含む水溶液398gを加
え、さらに酸化マグネシウム18gを加えて分散させ
た。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH13)へ
滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0088】実施例22 重合度1700のポリビニルアルコール34.7gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を499gとした。この溶
液に硝酸マグネシウム142g含む水溶液398gを加
え、さらに酸化マグネシウム18gを加えて分散させ
た。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH13)へ
滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0089】実施例23 重合度1700のポリビニルアルコール34.9gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に過塩素酸アルミニウム140g含む水溶液405g
を加え、さらに水酸化アルミニウム(Al(OH)3
15gを加えて分散させた。得られた混合液をアンモニ
ア溶液中(pH13)へ滴下し、樹脂硬化無機イオン交
換体を得た。
【0090】実施例24 重合度1700のポリビニルアルコール34.9gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に硫酸アルミニウム140g含む水溶液405gを加
え、さらに水酸化アルミニウム15gを加えて分散させ
た。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH13)へ
滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0091】実施例25 重合度1700のポリビニルアルコール34.9gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に硝酸アルミニウム140g含む水溶液405gを加
え、さらに水酸化アルミニウム15gを加えて分散させ
た。得られた混合液をアンモニア溶液中(pH13)へ
滴下し、樹脂硬化無機イオン交換体を得た。
【0092】実施例26 重合度1700のポリビニルアルコール34.9gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O)140g
含む水溶液405gを加え、さらに酸化アルミニウム
(Al23)15gを加えて分散させた。得られた混合
液をアンモニア溶液中(pH13)へ滴下し、樹脂硬化
無機イオン交換体を得た。
【0093】実施例27 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に塩基性酸化ジルコニウム140g含む水溶液397
gを加え、さらに水酸化ジルコニウム15g及び酸化ア
ンチモン10gを加えて分散させた。得られた混合液を
アンモニア溶液中(pH13)へ滴下し、樹脂硬化無機
イオン交換体を得た。
【0094】実施例28 重合度1700のポリビニルアルコール35.0gを脱
イオン交換水に溶かし、全量を497gとした。この溶
液に塩基性酸化ジルコニウム140g含む水溶液397
gを加え、さらに水酸化チタン5g及びα型リン酸ジル
コニウム10gを加えて分散させた。得られた混合液を
アンモニア溶液中(pH13)へ滴下し、樹脂硬化無機
イオン交換体を得た。
【0095】試験例1 実施例12〜28で得られた樹脂硬化無機イオン交換体
と、それに用いた無機イオン交換体とのイオン交換能
(リン酸イオン、アンモニウムイオン)を比較した。そ
の結果を表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】試験例2 実施例1〜28で得られた樹脂硬化無機イオン交換体
と、それに用いた無機イオン交換体との通水性を比較し
た。その結果を表5に示す。なお、通水性は、内径2.
0cm、長さ30cmのカラムに各々10gを充填し、
上部より脱イオン交換水50cm3を加え、下部より5
0cm3が流出するまでに要する時間をそれぞれ測定す
ることにより調べた。
【0098】
【表5】
【0099】以上の結果より、本発明の製造方法により
得られた樹脂硬化無機イオン交換体は、実用的なイオン
交換容量を維持しつつ優れた通水性を発揮することか
ら、カラム充填用のイオン交換体として有用であること
がわかる。
【0100】試験例3 前記実施例1で得られた樹脂硬化無機イオン交換体及び
従来技術により得られた交換体(比較品1)におけるカ
ラム中での耐久性について試験した。
【0101】比較品1は、次のようにして製造した。ま
ず、無機イオン交換体として平均粒子径0.7μmの含
水酸化アンチモン(V)にカリウムを吸着させたものを
500g、粘土鉱物としてカオリン125g、アルミナ
ゾル(「アルミナゾル520」日産化学(株)製)31
5g及び水120gを用い、これらを混合し、ニーダー
で混練した。得られた棒状顆粒体を整粒機で粒状体と
し、これを550℃で4時間熱処理した後、塩酸を用い
てプロトンとイオン交換させたものを比較品1とした。
【0102】内径2cm、長さ30cmのガラス管に交
換体をそれぞれ10g充填し、脱イオン交換水を5cm
3/minの流速で24時間通水した。
【0103】その結果、実施例1の樹脂硬化無機イオン
交換体は特に変化が認められなかった。これに対し、比
較品1では、粉化が起こり、カラムからの流出液が薄く
白濁した。
【0104】試験例4 前記実施例1で得られた樹脂硬化無機イオン交換体及び
従来技術で得られた交換体(比較品1及び2)における
交換容量について調べた。
【0105】比較品1は試験例3と同じものを用い、比
較品2は、次のようにして製造した。無機イオン交換体
として平均粒子径0.5μmのリン酸ジルコニウムにナ
トリウムを吸着させたものと、粘土鉱物としてゼオライ
ト、及びシリカゾル(「スノーテックスC」日産化学
(株)製)を用いた以外は比較品1と同様にして製造し
た。
【0106】硫酸イオンとして200ppmの溶液20
0g(pH3)に、実施例1の樹脂硬化無機イオン交換
体及び比較品1及び2の交換体を2.0g添加し、25
℃の温度下で24時間攪拌後に、うわ液を分取し、定量
してそれぞれの交換容量を求めた。
【0107】その結果、本発明の樹脂硬化無機イオン交
換体では、交換容量が7.8meq/gであった。これ
に対し、従来技術のイオン交換体では、比較品1及び2
のいずれもが0.1meq/gと比較的低い交換容量で
あった。
【0108】以上のことから、本発明の樹脂硬化無機イ
オン交換体は、従来品と異なりカラムに充填しても粉化
しないので、支障なくカラムに充填して用いることがで
き、しかもイオン交換容量が従来品に比べて著しく大き
いことが明らかである。このことから、本発明の樹脂硬
化無機イオン交換体は、カラム充填用のイオン交換体と
して特に有用であることがわかる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール及びその誘導体の少
    なくとも1種、ジルコニウム、チタン、マグネシウム、
    アルミニウム及びアンチモンの少なくとも1種並びに無
    機イオン交換体を含み、かつ、(a)見掛け密度1.1
    〜2.5g/cm3、(b)平均粒径0.2〜20m
    m、(c)イオン交換容量0.1〜10meq/g及び
    (d)金属成分含有率1〜25重量%(金属酸化物換
    算)であることを特徴とする樹脂硬化無機イオン交換
    体。
  2. 【請求項2】無機イオン交換体が、ジルコニウム、チタ
    ン、マグネシウム、アルミニウム及びアンチモンの酸化
    物、水酸化物及びリン酸塩の少なくとも1種である請求
    項1記載の樹脂硬化無機イオン交換体。
  3. 【請求項3】保有水分量が20〜90重量%である請求
    項1記載の樹脂硬化無機イオン交換体。
  4. 【請求項4】ポリビニルアルコール及びその誘導体の少
    なくとも1種、無機イオン交換体並びに水溶性化合物を
    含有する混合液をアルカリに接触させることを特徴とす
    る樹脂硬化無機イオン交換体の製造方法。
  5. 【請求項5】無機イオン交換体が、ジルコニウム、チタ
    ン、マグネシウム、アルミニウム及びアンチモンの酸化
    物、水酸化物及びリン酸塩の少なくとも1種である請求
    項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】水溶性化合物が、ジルコニウム、チタン、
    マグネシウム、アルミニウム及びアンチモンの塩化物、
    硫酸塩及び硝酸塩の少なくとも1種である請求項4記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】水溶性化合物が、四塩化ジルコニウム、酸
    塩化ジルコニウム、塩基性塩化ジルコニウム、硫酸ジル
    コニウム、硝酸ジルコニウム、塩化アルミニウム、過塩
    素酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
    ム、塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、塩化マグネ
    シウム、過塩素酸マグネシウム、硫酸マグネシウム及び
    硝酸マグネシウムの少なくとも1種である請求項4記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】アルカリが、水酸化ナトリウム、炭酸ナト
    リウム、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム及びア
    ミン類の少なくとも1種である請求項4記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】無機イオン交換体が混合液中1〜20重量
    %(金属酸化物換算)含まれる請求項4記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】水溶性化合物が混合液中1〜20重量%
    (金属酸化物換算)含まれる請求項4記載の製造方法。
  11. 【請求項11】ポリビニルアルコール及びその誘導体が
    混合液中1〜30重量%含まれる請求項4記載の製造方
    法。
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