JPH10216435A - 濾過材 - Google Patents

濾過材

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JPH10216435A
JPH10216435A JP2075997A JP2075997A JPH10216435A JP H10216435 A JPH10216435 A JP H10216435A JP 2075997 A JP2075997 A JP 2075997A JP 2075997 A JP2075997 A JP 2075997A JP H10216435 A JPH10216435 A JP H10216435A
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JP
Japan
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fiber
fibers
filter
pulp
slurry
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JP2075997A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Suenaga
浩 末永
Hisao Ishikawa
久夫 石川
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルプ繊維を主原料として、圧力損失が低
く、破裂強度、引裂強度に優れた濾過材を提供する。 【解決手段】 湿潤カールファクターが0.4〜1.0
の範囲にあるカールドファイバーを全繊維重量当り50
〜97重量%と、結合強化ファクターが0.15以上の
微細繊維を全繊維重量当り3〜50重量%の割合で含有
するスラリーを脱液、乾燥して得られ、かつ密度が0.
05〜0.80g/cm3 の範囲である濾過材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプ繊維を主原
料とした濾過材であり、優れたフィルター性能と破裂強
度、引裂強度を有するシート、ボード、または成形体な
どの濾過材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に気体中或いは液体中の異物を除去
または分別する目的で使われる濾過材は様々な分野で様
々な用途に用いられており、たとえば自動車の分野では
エンジンオイル中の異物を除去するためのオイルエレメ
ントをはじめ、エンジンに送られる空気中の異物を除去
するためのエアーフィルターなどがある。自動車用途以
外でも、家庭用掃除機等の集塵機用途では集塵用フィル
ター、脱臭用フィルター、抗菌フィルター、エアコンな
どの空調機関連では、エアーフィルター、換気扇用フィ
ルター、また嗜好品ではタバコ用フィルター、コーヒー
用フィルター、ティーパック用フィルターなど様々であ
る。これらの濾過材は、使用される用途によって様々な
特性の要求があり、その要求品質は一概にはいうことが
できないが、一般的には、異物の捕集率が高いこと、し
かも圧力損失が出来るだけ小さいことがこれら濾過材に
共通する必要特性である。その為に、空隙率が高く、ま
た、細孔が多いことが求められる。天然繊維であるパル
プ繊維等を抄いて得られるシートは、生分解性を有する
環境に優しいもので、このような条件を概ね満たすもの
として広く使用されてきたが、パルプ繊維だけで濾過材
を形成して異物を蓄積するためのに必要な細孔を得るた
めには、密度をある程度まで高くしなければならず、逆
に密度を高くすると圧力損失が大きくなってしまい、天
然繊維だけでは濾過材はなかなか製造することができ
ず、ガラス繊維などの無機繊維や合成繊維などの極細で
長い繊維をバインダーと一緒に抄造するなどの方法が取
られてきた。
【0003】家庭でよく使用される電気掃除機を例に取
って詳しく説明すると、近年、ゴミを収集した後に清潔
に処理できるように紙パックフィルターを掃除機内に装
着して使用するようになった。この紙パックフィルター
は、ゴミを収集して一杯になったらゴミと一緒に掃除機
から取り外して捨てることができ、使用後は焼却又は廃
棄される。紙パックフィルター、即ち掃除機フィルター
に使用されるシートには、ゴミを吸引する力を落とさな
いよう所定の通気性が必要となるとともに、一方では、
微細なゴミを通過させないよう集塵率を向上させるため
に紙の空隙率を小さく、すなわち気孔径を小さくするこ
とも必要となる。
【0004】このように吸引力を保持しつつ、集塵率を
高めるために、極細(径10μm以下)の合成繊維とガ
ラス繊維等の無機質繊維とパルプ繊維とを配合した原料
を用いて抄紙したものが、掃除機フィルター用紙として
提案されている。このようなシートは、通気性及び気孔
径を維持するために、木質パルプの他に、極細なポリエ
ステル繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維
等を使用しなければならないため原料コストが高価とな
り、さらにガラス繊維等の無機質繊維は、フィルターか
ら脱落して掃除機の排気と共に室内へ排出される場合も
あり、室内の環境を汚染するという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、生分解性を有するセルロース繊維等を原料
にして優れたフィルター特性を有する素材を求めて鋭意
検討した結果、特定のカールドファイバーと微細繊維を
原料として含有する水性スラリーを、脱水・乾燥して得
られる構造体が優れた濾過材料となりうることを見出
し、本発明を完成するに至った。本発明の成功の原因
は、湿潤カールファクターが0.4〜1.0の範囲にあ
るカールドファイバーは繊維間の結合強度が極めて劣る
が、空隙を多く保持でき、かつ、濾過材内部に三次元的
に細孔を形成させる際に骨組を提供する能力を有するこ
と、一方、結合強化ファクターが0.15以上である微
細繊維は骨組となるカールドファイバー間の結合を強固
にし且つカールドファイバー間に細孔を形成させる能力
を持つという点に着目し、その二つの材料を組み合わせ
た点にある。
【0006】本発明の目的は、パルプ繊維を主原料とし
た、優れたフィルター性能と破裂強度及び引裂強度を有
する濾過材を提供することにある。本発明のもう一つの
目的は、ガラス繊維のような無機質繊維を原料として使
用する必要がなく、その結果、濾過材を装着した機器類
または器具類の使用時に無機質繊維等の脱落により環境
の汚染の心配がないような濾過材を提供することであ
る。本発明の更にもう一つの目的は、濾過材自体が離解
性を備えた回収可能なシート、ボード、または成形体で
あり、濾過材の製造時や加工時の損紙等は故紙として回
収、再使用できるため、損紙等の焼却処理や埋立処理に
伴う環境汚染の心配がない濾過材を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の濾過材は、湿潤
カールファクターが0.4〜1.0の範囲にあるカール
ドファイバーを全繊維重量当り50〜97重量%と、結
合強化ファクターが0.15以上の微細繊維を全繊維重
量当り3〜50重量%の割合で含有するスラリーを脱
液、乾燥して得られ、かつ密度が0.05〜0.80g
/cm3 の範囲であることを特徴とするものである。本
発明の濾過材は、前記スラリーを用いて、JIS P
8209に準じて坪量40g/m2 のシート作製した
時、このシートのJIS P 8117に基づく透気度
が0.2〜2秒であるのが好ましい。また、本発明の濾
過材は、前記スラリーが、さらに湿潤紙力増強剤を含有
する請求項1記載の濾過材を含有するのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の濾過材を作製するのに使
用されるスラリーには、湿潤カールファクターが0.4
〜1.0の範囲にあるカールドファイバー、及び、結合
強化ファクターが0.15以上の微細繊維を含有するこ
とが必須である。また、フィルター性能に優れ、且つ、
破裂強度、引裂強度などの強度に優れた濾過材を得るた
めに、前記カールドファイバーを全繊維重量当り50〜
97重量%の範囲で、また前記微細繊維を全繊維重量当
り3〜50重量%の範囲で含有せしめることが重要であ
る。
【0009】本発明で使用されるカールドファイバー
は、架橋反応による化学結合によってカールやネジレの
ような変形を固定化した、元の繊維の長さと比べて見掛
けの長さが小さくなったパルプ繊維であり、本発明では
湿潤カールファクターが0.4〜1.0の範囲にあるカ
ールドファイバーが用いられ、好ましくは、0.5〜
1.0の範囲のものが用いられる。カールドファイバー
の湿潤カールファクターが0.4未満では、嵩高性が小
さくなり、微細繊維との組合せで得られる濾過材の空隙
率が低いものとなり、逆に、湿潤カールファクターが
1.0を超えて大きくなると、パルプ繊維に変形を付与
する際に機械的処理を強化する必要があるが、そうする
ことによりパルプ繊維に与える損傷による強度低下の影
響の方が、嵩高性に対する効果よりも大きくなり、得ら
れる濾過材の引裂強度及び破裂強度がかえって低下する
ため適さない。
【0010】因みに、湿潤カールファクターは、湿潤状
態での繊維の変形の程度を示す指標で、カールドファイ
バーを室温下、24時間純水に浸漬した後の繊維の実際
の長さ(LA)と繊維の最大投影長さ(繊維を囲む長方
形の最長辺の長さ、LB)を顕微鏡を用いて測定し、
〔(LA/LB)−1〕で算出される値で、直線的な元
の繊維の長さからどれだけ曲線化しているかを数値化し
たものである。
【0011】湿潤状態でのカールの状態を示す湿潤カー
ルファクターが重要となるのは、乾燥状態でのカールフ
ァクターがいくら高くても湿潤カールファクターが小さ
ければ湿潤することでカールが戻ってしまい、低密度に
成り難いからである。湿潤カールファクターが0.4〜
1.0の範囲のカールドファイバーは、パルプ繊維に相
当量変形が付与されて屈曲しており、しかも架橋結合が
施されているので繊維は剛直であり、そのためこれ単独
からなるスラリーを脱液・乾燥して得たものは空隙の大
きいものとなる。しかし、この材料は繊維同士の絡み合
いが弱く、又、架橋処理によりセルロース分子の水酸基
(−OH)が減少しているために、水酸基による水素結
合も生成し難くなっており、得られたものは破裂強度や
引張強度が弱く、実用に供することができない。
【0012】カールドファイバーは、架橋処理によって
セルロース分子の水酸基(−OH)が減少しているため
に、架橋処理を行わないパルプ繊維に比べて親水性は小
さくなっており、水を保持する能力を示す保水度の値は
低い。本発明に使用されるカールドファイバーとして
は、保水度の値が10〜80%の範囲のものが好まし
く、25〜60%の範囲のものがより好ましい。保水度
が10%未満では繊維間結合を形成する能力が減少し、
本発明の微細繊維と組み合わせて使用しても濾過材の強
度が弱くなり、また、保水度が80%を超えて大きくな
ると、得られるシート、ボード、成形体が所望の空隙を
持った濾過材とならない場合があるためである。しか
し、本発明は、保水度によりカールドファイバーを限定
するわけではない。
【0013】カールドファイバーに使用される繊維とし
ては、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイ
トパルプ化、アルカリパルプ化等の処理をすることによ
り得られる未晒または晒化学パルプ、コットン、リンタ
ー、古紙パルプ等が用いることができるが、中でも、針
葉樹晒パルプ、コットン、リンター等の繊維は、繊維長
が比較的長いためカールを付与し易く特に好ましい。
【0014】カールドファイバーとしては公知のものが
本発明に使用できる。例えば、C2〜C8のジアルデヒ
ド並びに酸官能基を有するC2〜C8のモノアルデヒド
を使用してセルロース系繊維の内部を架橋させた平均保
水度28%〜50%の架橋繊維(特公平5−71702
号公報)、C2〜C9のポリカルボン酸を用いてセルロ
ース系繊維を内部架橋させた保水度25%〜60%の架
橋繊維(特開平3−206174号公報、特開平3−2
06175号公報、特開平3−206176号公報参
照)、更には市販のもの(例えば、米国ウェアハウザー
社製、商品名:HBA−FF、NHB405、NHB4
16等)が挙げられ、適宜選択して用いられる。
【0015】架橋繊維を製造する際に、パルプ繊維に架
橋剤を添加した後、機械的攪拌を施し、次いでフラッフ
化と加熱処理を行い、繊維に変形を付与したまま固定す
ると湿潤カールファクターの大きなカールドファイバー
が得られる。
【0016】本発明の成功は、このカールドファイバー
と特定の微細繊維を組み合わせることによって、カール
ドファイバーと他の結着材の組合せでは到底成しえなか
った空隙率と細孔、及び強度のバランスのとれた濾過材
料となり得ることを見出したことにある。
【0017】本発明に用いられる微細繊維は、結合強化
ファクターが0.15以上であることが重要である。繊
維の大きさについては、特に限定されるものではない
が、通常数平均繊維長が0.01〜0.80mmの範囲
のものが好ましく使用される。中でも歩留り及び分散性
の面で0.05〜0.60mmの範囲のものがより好ま
しい。繊維形態としては、微細繊維を得るために使用さ
れた処理形態及び処理程度に依存し、大部分が細い繊維
でできたものや、繊維の一部のみがフィブリル化してそ
の部分だけ細い繊維状となって分散しているもの等、い
ろいろな形態がある。そのため、繊維幅については明確
でないものも多いが、通常0.1〜30μmの幅のもの
が使用される。しかし、本発明における微細繊維の繊維
幅は、特にこれに限定されるわけではない。
【0018】本発明で言う結合強化ファクター(BF)
は、{(E2−E1)/E1}で計算される。但し、E
1は、広葉樹晒クラフトパルプ50重量%及び針葉樹晒
クラフトパルプ50重量%を混合して水性スラリーと
し、カナダ標準フリーネス500mlまで叩解し、手抄
マシンにて脱水・風乾し、その後130℃で1分間熱処
理して坪量60g/m2 のシートを作製し、20℃、6
5%RHに調湿した後測定された超音波弾性率を示す。
E2は上記混合叩解パルプ繊維の50%を微細繊維で置
き換えて水性スラリーを調製し、E1を測定するのと同
じ方法でシート作製、測定した場合の超音波弾性率を示
す。
【0019】微細繊維の素材としては、通常天然高分子
繊維或いは合成高分子繊維或いは半合成高分子繊維或い
はそれらを適宜機械的処理または化学的処理して得られ
るものが用いられる。天然高分子繊維としては、例え
ば、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイト
パルプ化、アルカリパルプ化等して得られる未晒又は晒
化学パルプ、GP、TMP(サーモメカニカルパルプ)
等の機械パルプ、コットンパルプ、リンターパルプ、古
紙パルプ等のパルプ繊維、及びバクテリアセルロース等
のセルロース系繊維、さらに、ウールや絹糸やコラーゲ
ン繊維等の蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギ
ン酸繊維等の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。合成高分
子繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊
維、アラミド繊維等のように単量体から合成される繊維
が挙げられる。また、半合成高分子繊維は、アセチルセ
ルロース系繊維等のように、天然物を化学修飾して得ら
れる繊維が挙げられる。
【0020】これらの中でも、セルロース系繊維、脂肪
族ポリエステル繊維、アセチルセルロース系繊維等のよ
うに生分解性を有するものが好ましく用いられる。さら
に、原料供給の安定性及び価格の面から、セルロース系
繊維の中でも、パルプ繊維またはそれらを処理して得ら
れるものが、より好ましい。
【0021】又、本発明の微細繊維としては、機械的処
理を施して得られる微細繊維が好ましい。機械的処理を
施したものは枝分かれした形状になりやすく、引裂強度
アップの効果が極めて大きい。中でも、引裂強度アップ
の効果の大きさ、及び製造の容易さからするとパルプ繊
維を湿式で機械的に処理して得られる微細繊維パルプが
特に好ましい。本発明においては、上記の如き微細繊維
を、単独使用或いは二種以上併用することができる。
【0022】機械的処理としては、例えば、媒体攪拌ミ
ル処理(特開平4−18186号公報)、振動ミル処理
(特開平6−10286号公報)、高圧均質化装置での
処理、コロイドミル処理、叩解機処理等が挙げられる
が、本発明では特に処理装置を限定するものではない。
【0023】前記処理装置のうちで、媒体攪拌ミルや振
動ミルによって得られる微細繊維パルプは、他の処理装
置で得られるパルプ繊維より柔軟性に富んだものが得や
すく、繊維の長さ方向だけでなく3次元的に微細繊維化
が施されるために、本発明で用いるカールドファイバー
同士を効率よく、又強固に結合することができるため特
に好ましい。
【0024】因みに、媒体攪拌ミルは、ガラスビーズ或
いはアルミナビーズ等を充填した粉砕容器に攪拌機を挿
入して高速で回転させて、剪断応力によってスラリー中
の分散物を粉砕する装置で、塔式、槽式、流通管式、ア
ニュラー式等がある。又、振動ミルは、粉砕容器を高速
振動させ、容器内に充填されたビーズ、ボール、ロッド
等によってスラリー中の分散物に衝撃力、剪断力等の力
を作用させて粉砕する装置である。又、高圧均質化装置
は、高い圧力をかけて小径オリフィス間を通過させて、
スラリー中の分散物を粉砕する装置である。
【0025】本発明では、結合強化ファクターが0.1
5以上の微細繊維を使用することを特徴とするが、結合
強化ファクターが0.15以上の微細繊維を使用するこ
とにより、得られる濾過材は繊維間の結合が強固で、使
用時に破裂を生じるとかカールドファイバー繊維が抜け
落ちるといった問題が殆ど無く、所望の濾過材が得られ
る。結合強化ファクターが0.15未満の微細繊維を使
用した場合、カールドファイバー同士の結合が不充分と
なり、得られる濾過材は、使用時に破裂が生じやすくな
ったりカールドファイバーが抜け易くなったりするため
実用的でない。好ましくは結合強化ファクターが0.1
5〜1.5の範囲の微細繊維が使用され、より好ましく
は0.20〜1.5の範囲のものが使用される。1.5
を超える微細繊維も、品質的には問題なく十分本発明の
濾過材に使用することが可能であるが、該微細繊維の製
造コストが結合強化ファクター1.5以下のものより、
アップするために実用的でないことが多い。
【0026】本発明の微細繊維としては、保水度の値が
150〜500%の範囲にあるものが好ましい。又より
好ましくは165〜450%の範囲のもので、特に好ま
しくは210〜450%の範囲のものである。保水度が
150%未満の場合には、繊維の結合能力が不十分なた
めに、カールドファイバー同士を結び付ける力が十分で
なく、このような微細繊維とカールドファイバーの組合
せで得られる濾過材は引裂強度が劣り、使用中に繊維が
脱落して実用不可の場合もある。一方、保水度が500
%を超えると、その微細繊維の製造コストがアップす
る。因みに、保水度は、湿潤状態にある繊維を15分間
3000Gの遠心力で脱水した後にその繊維が保持して
いる水の量を絶乾繊維1g当りの量として表示した値
(%)と定義されるもので、JAPAN TAPPI
No.26−78に規定されている。この数値は、セル
ロース繊維の水酸基(−OH)の量、即ち、繊維間の水
素結合能力を相対的に表している。
【0027】本発明におけるカールドファイバーと微細
繊維の混合比率は、その比率を変えることで、細孔数と
空隙率と引裂強度のバランスをコントロールすることが
できるので、目的に応じて適宜選択される。即ち、圧力
損失を小さくすることよりも細孔数を増やしたい、或い
は引裂強度を上げたい場合には、微細繊維の配合を増や
せばよい。逆に細孔数を増やすことや引裂強度を上げる
ことよりも圧力損失を小さくすることを重視する場合に
は、カールドファイバーを増やした配合を選択すればよ
い。中でも、カールドファイバーを全繊維絶乾重量当た
り50〜97重量%、微細繊維を全繊維絶乾重量当たり
3〜50重量%の割合で混合して用いた場合、空隙率と
細孔数と引裂強度のバランスが特に優れ好ましい。カー
ルドファイバーの配合が50重量%未満では、濾過材の
空隙を保つことができず圧力損失が過大になる傾向にあ
り、またカールドファイバーの配合が97重量%を超え
ると引裂、破裂などの強度が大幅に低下するため好まし
くない。また、微細繊維の配合が3重量%未満では、濾
過材の強度が不足するとともにカールドファイバーを保
持することができず抜け易くなり、また微細繊維が40
重量%を超えると、濾過材の強度は優れるものの圧力損
失が過大になり好ましくない。
【0028】本発明においては、目的に応じて上記カー
ルドファイバー、微細繊維以外に適宜、天然パルプ繊
維、有機合成繊維、無機繊維、紙力増強剤、耐水化剤、
撥水剤、サイズ剤、染料、顔料、歩留向上剤、填料、P
H調整剤、スライムコントロール剤、増粘剤、防腐剤、
防黴剤、難燃剤、抗菌剤、殺鼠剤、防虫剤、保湿剤、鮮
度保持剤、脱酸素剤、発泡剤、界面活性剤、電磁シール
ド材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤、等を選択
し配合することができる。これらの他に、液体用途にお
いては濾過助剤、気体用途では各種吸着剤等を選択し配
合することができる。以上の薬品類、配合物は複数種併
用することも出来る。
【0029】天然パルプ繊維としては、例えば、針葉樹
化学パルプや広葉樹化学パルプ、或いはGP、TMP
(サーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、古紙パル
プ、コットンパルプ、リンターパルプ等の漂白又は未漂
白で、未叩解、又は叩解したもの、あるいは化学的処理
により繊維の剛性を強化したものを挙げることができ
る。因みに化学的処理により繊維の剛性を強化したもの
としては、具体的にはマーセル化パルプ、液体アンモニ
ア処理パルプ等の膨潤パルプが挙げられる。該繊維は化
学的処理を施さない繊維よりも空隙率を高くする効果が
ある。これらは、単独で或いは適宜選択されて2種以上
が併用される。このパルプ繊維の配合量は、濾過材の用
途によって変わるが、通常全固形分の0〜50重量%の
範囲が好ましい。
【0030】有機合成繊維としては、例えば、ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維等が挙げられるが、中でも、脂肪族ポリエステル、ア
セチルセルロースの様な生分解性繊維は、環境への負荷
が少ない材料であり特に好ましい。また、該繊維の形状
としては、直線的な繊維よりもカール等の曲がりを有す
る繊維が空隙率を下げ、圧力損失を低く抑える効果が期
待できるので好ましい。これらは、単独で或いは適宜選
択されて2種以上が併用される。この有機合成繊維の配
合量は、濾過材の用途によって変わるが、通常全固形分
の0〜30重量%の範囲で添加される。有機合成繊維の
添加は一般的に水湿潤状態での強度向上等に効果があ
る。
【0031】無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、活性炭繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、
シリカ・アルミナシリケート繊維、ロックウール繊維等
を挙げることが出来る。これらは、単独で或いは適宜選
択されて2種以上が併用される。この無機繊維の配合量
は、濾過材の用途によって変わるが、通常全固形分の0
〜30重量%の範囲で添加される。無機繊維の添加は、
一般的に、濾過材への耐熱性や、消臭・脱臭などの各種
機能性の付与に効果がある。
【0032】紙力増強剤としては、例えば、澱粉、CM
C、PVA、ポリアクリルアミド樹脂、尿素ホルムアル
デヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミ
ド尿素ホルムアルデヒド樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミンエピク
ロルヒドリン樹脂、グリセロールポリグリシジルエーテ
ル樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等を挙げることができ
る。耐水化剤としては、上記紙力増強剤が耐水化剤とし
て使用できるほか、アルデヒド基を有するホルムアルデ
ヒド、グリオキザール、ジアルデヒド澱粉、多価金属化
合物である炭酸アンモニウムジルコニウム等が挙げられ
る。撥水剤としては、例えば各種ワックス(天然ワック
ス、石油系ワックス、塩素化パラフィン、ワックスエマ
ルジョンなど)、高級脂肪酸誘導体、合成樹脂類、クロ
ム錯塩、ジルコニウム塩、シリコン樹脂などが挙げられ
る。紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤は、それぞれ単独で
或いは適宜選択されて2種以上が併用される。紙力増強
剤、耐水化剤、撥水剤の配合量は、濾過材の用途によっ
て変わるが、通常全固形分の0〜10重量%の範囲であ
る。紙力増強剤、耐水化剤の添加は一般的に強度向上等
に効果がある。
【0033】中でも、ポリアクリルアミド樹脂、尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、
ポリアミド尿素ホルムアルデヒド樹脂、ケトン樹脂、ポ
リアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミ
ンエピクロルヒドリン樹脂、グリセロールポリグリシジ
ルエーテル樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等の湿潤紙力
増強剤、耐水化剤は水湿潤状態での強度向上に大きな効
果があり、より好ましい材料である。本発明の濾過材は
パルプ繊維系であるが故に、水分の影響を受けて変形や
強度低下が起こりやすくなるので、湿潤紙力増強剤、耐
水化剤の添加は重要な意味をもつ。濾過する液体が水の
場合は、特に水湿潤状態での強度が重要となるが、気体
用途や水以外の他の液体用途の場合にも、通常該気体、
液体中に水分が不純物として含まれているので重要とな
る。
【0034】液体用途の場合に使用される濾過助剤とし
ては、珪藻土、パーライト、石綿、炭素などを挙げるこ
とができる。珪藻土は濾過助剤として最も良好な性能を
示すものである。これは主として珪藻類の殻が堆積して
できたものであり、真比重は2.1〜2.3程度であり
ながら空隙率が大きくて嵩比重は0.3〜0.5程度で
あり、形状が複雑で非圧縮性であるから濾過助剤として
だけでなく、濾過材を低密度に保つためにも使用出来
る。パーライトは濾過助剤として珪藻土と似た性能を備
えており、珪藻土より一般に嵩比重が低いため密度を小
さく保ちたい場合に好適である。石綿は、繊維構造をも
つ石綿の原石を解砕し分級して得た可撓性、圧縮性を有
する短繊維である。濾過助剤の配合量は、濾過材の用途
によって変わるが、通常全固形分の0〜30重量%の範
囲である。
【0035】気体用途の場合に使用される吸着剤は、そ
の目的に応じて多種多様な種類のものがあるが、例え
ば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、
その他多孔質セラミックなどの脱臭剤、一酸化炭素、一
酸化窒素、ホルマリン、エチレンや悪臭ガスを酸化分解
する機能を持った過マンガン酸カリウムとゼオライトま
たは活性アルミナを混合したもの、香料を担持させ得る
多孔質の金属やセラミック等が挙げられる。
【0036】本発明に使用されるスラリーは、通常攪拌
機を有する装置でバッチ式或いは連続的に調製される。
カールドファイバーは長時間湿潤状態で放置せず、でき
るだけ濾過材製造の直前に離解し、微細繊維と混合する
のが望ましい。その理由は、カールドファイバーの親水
性は通常のパルプよりも下がっているものの長時間水中
につけて置くと、水を含んで繊維自体も柔軟となり、得
られる濾過材の空隙が減少して密度が上がりやすくな
り、圧力損失が大きくなるためである。従ってスラリー
の調製はバッチ式よりも、濾過材の製造に合わせて調製
出来る連続式が好ましい。スラリーを形成するのに用い
られる媒体としては通常水が使用されるが、他に水とア
ルコール(メタノールあるいはエタノール等)の混和
液、アルコール、アセトン、酢酸エチル、グリセリン等
の有機溶媒を使用することができる。スラリーの濃度
は、濾過材の製造装置によって異なるが、通常乾燥固形
分量が0.05〜10重量%の範囲に調整される。一般
的には抄紙機の場合には、乾燥固形分量が0.05〜2
重量%となる様に調整される。あまり濃度が高いとカー
ルドファイバーと微細繊維の混合がうまく行われないた
め好ましくない。
【0037】本発明の濾過材は媒体を使うスラリ−方
式、所謂ウエット方式で得られるが、媒体を使わないド
ライ方式に比べて、繊維の混合が均一に成りやすく、繊
維間の水素結合による結合強度が強いので、引裂強度の
強いものが得られる。本発明の濾過材の透気度は、用途
によって異なり、これに限定されるものではないが、本
発明のカールドファイバーと微細繊維を含有するスラリ
−を原料として、JIS P 8209に準じて作製し
た40g/m2 のシ−トの透気度(JIS P 811
7)が0.2〜2秒なる様に設計するのが好ましい。こ
の透気度が0.2秒未満の濾過材は、異物捕集率が低下
する。一方、2秒を越えるものは、圧力損失が大き過ぎ
て、無理やり気体や液体を通そうとすると、パルプ繊維
の脱落が起こり易くなる。
【0038】本発明の濾過材の形状としては、例えば、
シート、ボード、或いは成形体が挙げられるが、シート
の場合には、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等、一般に製紙用として使用され
ている抄紙機を使って製造することができる。これらの
抄紙機によって得られるシートの厚みは、通常30μm
〜5mmである。
【0039】得られるシートの空隙率は、カールドファ
イバーや微細繊維の種類或いはその配合比率、又他の添
加物の種類或いは配合量に影響されるが、それ以外に、
製造段階でのシートにかかる圧力が重要で、出来るだけ
圧力損失を低く保つためには、ワイヤー部での脱水圧を
弱めるためサクションロールの真空度を抑える、ダンデ
ィロールの圧力を出来るだけ下げる、プレス圧を下げ
る、ドライヤーのカンバスの張り及びサイズプレスのプ
レス圧を弱める、オンマシンのカレンダーを使わない等
の工夫が重要となる。本発明では、スラリーの配合と製
造上の工夫を行うことで密度が0.05〜0.80g/
cm3 の範囲のものを得ることができる。密度は用途に
あわせて選択すればよく、一般的には気体用途の場合に
は圧力損失を小さく抑えることが重要となるので、密度
の小さいものが用いられるが、液体用途の場合には密度
の比較的大きいものを用いることも可能である。
【0040】得られたシートは、気体用途では、家庭用
や業務用の掃除機用フィルター、換気扇用フィルター、
脱臭フィルター、エアコン用フィルター、各種の空気清
浄器用フィルター等に使用することが出来る。また、液
体用途では、水系ではコーヒーフィルターやティーバッ
グ用フィルター等に、油系では家庭用・業務用の油こし
紙、自動車用オイルフィルター、自動車用フュエルフィ
ルター、その他各種の濾紙等に使用することができる。
また、生産工程において液体中に含まれている微粒子を
除去することを目的とした工業用の液体フィルターにも
用いることができる。本発明のような湿式法でつくられ
たフィルターは濾過効率が高いこと、安価なこと、衛生
的であることなどの特徴をもつため、各種液体の最終濾
過(清澄、除菌)用に適している。例えば飲料(ビー
ル、清酒、ワイン、清涼飲料)、食品(食用油、酢、醤
油、蜂蜜)、化粧品(液体整髪料、オーデコロン、香
水)、医薬品(注射薬、目薬、その他の液状医薬品)、
水(原料水、仕込水、洗浄水、半導体用純水)、化学薬
品(樹脂、塗料、ワニス)など用として、用途・目的・
使用装置に応じて、カールドファイバーと微細繊維の配
合割合を変えたり、他の素材を配合したり、プレス圧を
調整したりすることによって、所期の保留粒子径、厚
さ、密度を有する濾過材を得ることができる。
【0041】本発明のボード状濾過材は通常、5mm〜
数cmの厚みのもので、シートの場合と同様な上記の如
き抄紙機を使用して製造することが出来る。ボードの場
合もシートの場合と同様、スラリーの配合と製造上の工
夫を行うことで密度が0.05〜0.80g/cm3
範囲のものを得ることができる。又、特殊な製造方法と
しては、スラリーを高温高圧下でボード状に押し出すイ
ンジェクション方法も有効である。得られたボードは、
シートと同様の用途に用いることができるが、シートに
比べて厚いので、圧力損失よりも異物捕集性を優先させ
る場合に有効である。尚、上記の方法によって得られた
シートまたはボードは、表面積を大きくするための折り
畳み構造や波型構造等の加工を行うこともできる。ま
た、複数枚使用して更に厚い濾過材の構造体を作製する
こともできる。
【0042】本発明の濾過材を成形体として製造する場
合には、パルプモールド方式やインジェクション方式で
所望の形態のものを得ることができる。スラリーの配合
や吸引圧力、押出圧力等を選択することによって、密度
が0.05〜0.80g/cm3 の範囲のものを得るこ
とができる。
【0043】抄紙機或いはパルプモールド製造機等でス
ラリーを脱液するために用いられる網としては、例えば
一般に使用されている60メッシュ、80メッシュのメ
ッシュサイズのものが使用できるが、微細繊維が極めて
細かい場合やスラリー濃度が低い場合には150メッシ
ュ以上の細かな網目のものも適宜用いられる。
【0044】尚、濾過材に、紙力増強剤、耐水化剤、撥
水剤、或いは防腐剤、防黴剤、難燃剤、抗菌剤、殺鼠
剤、防虫剤、保湿剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、電磁シー
ルド材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤等を含有
せしめる方法としては、前記の如くスラリー中にこれら
を添加混合する内添法以外に、シート、ボード、成型体
を製造した後に表面塗布する方法、つまり外添法をとる
ことも出来る。この塗布には、塗工、刷毛塗り、スプレ
ー等の手段が使える。もちろん内添・外添を併用しても
構わない。本発明に使用できる製造装置は、上記のもの
に限定されるものではない。又得られた濾過材の用途も
限定されるものではない。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げてより具体的に説明する
が、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例および比較例において「部」および「%」と
あるのは特に断らない限り「固形分重量部」および「重
量%」を示す。
【0046】実施例1 針葉樹晒クラフトパルプ絶乾50gに、エピクロルヒド
リン(和光純薬(株)製)2gをイソプロパノール20
mlに溶かした溶液、5%濃度の水酸化ナトリウム溶液
20ml、及び水を加えて全量を250gとした後よく
混合した。この混合物を容量1リットルの双腕型ニーダ
ー(型式:S1−1、森山製作所製)に入れ、室温にて
双腕をそれぞれ60rpmと100rpmで回転させ、
20分間撹拌処理を施した。続いて、この混合物を耐熱
性のビニール袋に入れて密閉したまま80℃下で2時間
加熱処理を行い架橋させた。次に、パルプ中に残ったア
ルカリを水洗してよく洗浄した後、ブフナー漏斗にて固
形分20%まで濃縮し、その繊維をよくほぐして150
℃の送風乾燥器に入れ2時間処理して乾燥させた。この
乾燥パルプを乾燥器から取り出して、冷却した後、実験
用ワーブルグブレンダーによりパルプ塊を離解してフラ
ッフ化した。このようにして得られたカールドファイバ
ーの湿潤カールファクターは0.77、保水度は28%
であった。また、固形分濃度1%の広葉樹晒クラフトパ
ルプの水スラリーを、平均粒径2mmφのガラスビーズ
を80%充填した六筒式サンドグラインダー(アイメッ
クス(株)製、処理容量300ml)を用いて処理し
て、数平均繊維長0.17mm、結合強化ファクター
1.08の微細繊維を得た。この微細繊維の保水度を測
定したところ、408%であった。以上のようにして得
られたカールドファイバー95部、及び、微細繊維5部
を混合したものに水を加えて、固形分濃度2%に調製
し、十分に攪拌して繊維スラリーを得た。このスラリー
を紙料として80メッシュブロンズワイヤーを備えた角
型(25cm×25cm)手抄きシートマシンによりワ
イヤー上に坪量40g/m2 のシートを形成させ、3.
5kg/cm2 の圧力でウェットプレスをした後、10
5℃の熱風乾燥器で拘束乾燥して、シートを得た。この
シートの密度、引裂強度、破裂強度、透気度を測定し
た。結果を表1に示す。また、このシートを内側(吸込
側)とし、80メッシュのプラスチックワイヤーを外側
(排気側)として二枚重ねた後、これを市販の家庭用電
気掃除機(型式:TC−E380M、三菱電機(株)
製)用の紙パックフィルター(型式:MP−3)と同じ
形状及びサイズに加工して、この電機掃除機を用いて集
塵性能をテストした。この結果を併せて表1に示す。
【0047】以下に結合強化ファクター、数平均繊維
長、保水度、湿潤カールファクター、引裂強度、破裂強
度、透気度、集塵性能等の評価方法を示す。測定法 [結合強化ファクターの測定方法]広葉樹晒クラフトパ
ルプ50部と針葉樹晒クラフトパルプ50部を混合し、
2%濃度に調製して、実験用ナイアガラビーター(容量
23L)にて、カナダ標準フリーネス(CSF)500
mlとなるまで叩解した。この紙料絶乾3.7g分をと
り薬品を加えることなく、150メッシュのワイヤーを
用いて、角型(25cm×25cm)手抄マシンにてシ
ートを形成させ、コーチング処理の後、常法に従って
3.5kg/cm2 の圧力にて5分間(第一プレス)と
2分間(第二プレス)のウェットプレスを施した後、枠
に挟んで送風乾燥機により常温にて乾燥を行った。その
後130℃で2分間熱処理して坪量60g/m2 のシー
ト1を作製し、20℃、65%RHに調湿した。一方、
上記NL混合叩解パルプ50部と微細繊維50部をよく
混合した原料から絶乾3.7g分をとり、同様の方法に
てシート2を作製し、20℃、65%RHにて調湿し
た。シート1及び2の密度を測定した後、動的ヤング率
測定器(型式:SST−210A、野村商事(株)製)
を用いて超音波伝播速度を測定し、シート1及び2の弾
性率(E)を以下の式で計算した。 E(GPa)=ρ(g/cm3 )×{S(km/s)}
2 但し、ρはシートの調湿後の密度(g/cm3 )、Sは
超音波伝播速度(km/s)を示す。シート1の弾性率
をE1(GPa)、シート2の弾性率をE2(GPa)
とした場合、結合強化ファクターは{(E2/E1)−
1}で算出される。
【0048】[数平均繊維長の測定法]カヤーニ繊維長
測定器(型式:FS−200)により測定した。
【0049】[保水度の測定法]保水度は、JAPAN
TAPPI No.26−78に準じて測定した。カ
ールドファイバーが乾燥状態にある場合は、次のように
した。紙料を絶乾0.5g分採取し、蒸留水100ml
中に十分分散させ、そのまま24時間室温下で放置して
十分水を含浸させた。その後、紙料を濾過器上で捕集
し、次いでG2のガラスフィルターを有する遠心分離機
(型式:H−103N、国産遠心器社製)の遠心管に入
れ、遠心力3000Gで15分間遠心脱水した。遠心脱
水処理した試料を遠心管より取り出し、湿潤状態の重量
を測定し、その後105℃の乾燥器で恒量になるまで乾
燥し、乾燥重量を測定し、下記式により保水度を算出し
た。微細繊維の場合は、固形分濃度を6〜9%の範囲に
調製し、試料を絶乾重量で0.7gとなるように採取
し、G3のガラスフィルターを有する遠心管に入れ、前
記と同様にして遠心脱水処理を行い、湿潤重量と乾燥重
量から下記式によって保水度を算出した。 保水度(%)={(W−D)/D}×100 但し、Wは遠心脱水後の試料湿潤重量(g)、Dは、そ
の試料の乾燥重量(g)である。
【0050】[湿潤カールファクターの測定法]蒸留水
に室温で24時間浸漬した後の100本のカールドファ
イバーを顕微鏡用スライドガラス上に置き、画像解析装
置を利用して、繊維1本ごとの実際の(直線状の)長さ
LA(μm)及び最大投影長さ(繊維を囲む長方形の最
長辺の長さに等しい)LB(μm)を測定し、湿潤カー
ルファクターを下記式から求め、その平均値を用いた。 湿潤カールファクター=(LA/LB)−1
【0051】[シート物性]得られたシートについて、
坪量はJIS P 8142、厚さと密度はJISP
8118、引裂強度はJIS P 8116、破裂強度
はJIS P 8112、及び透気度はJIS P 8
117に準じて求めた。
【0052】[掃除機集塵状況評価]掃除機による集塵
状況の評価は、家庭用電機掃除機(型式:TC−E38
0M、三菱電機(株)製)に、得られた濾過材を専用抗
菌紙パックフィルター(型式:MP−3)と同じ形に加
工して装着して(図1参照)、実際に5分間清掃作業を
行い、以下の二つの点について評価を行った。 集塵性・・・フィルター装着前に、装着される部分の
回りの部分(外壁)を清掃しておき、使用後に外壁部分
に粉塵がフィルターから洩れて付着していないかを目視
で以下のように評価した。 ◎・・・粉塵が全く付着していない。 ○・・・粉塵が殆ど付着しておらず、実用上問題がな
い。 ×・・・粉塵がかなり付着しており、実用に不適であ
る。 吸引性・・・電気掃除機で吸引し、集塵メ−タ−で吸
引力の強弱を評価した。 ◎・・・極めて優れている。 ○・・・優れている。 △・・・やや劣るが、実用上問題ない。 ×・・・極めて劣り、実用に不適である。
【0053】実施例2 固形分濃度1%の広葉樹晒クラフトパルプの水スラリー
を、平均粒径2mmφのガラスビーズを80%充填した
1.5リットル容のダイノミル(型式:KDL−PIL
OT型、シンマル・エンタープライゼス社製)装置に3
50ml/分で導入、通過させることにより数平均繊維
長0.28mm、結合強化ファクター0.55の微細繊
維を得た。この微細繊維の保水度を測定したところ、2
87%であった。この微細繊維25部と、市販のカール
ドファイバー(商品名:NHB416、米国ウェアーハ
ウザー社製、湿潤カールファクター0.65、保水度6
0%)75部とを混合し水を加えて固形分濃度2%に希
釈して撹拌し、十分に分散した繊維スラリーを得た。こ
のスラリーを紙料とした以外は実施例1と同様にして坪
量40g/m2 のシートを得た。評価結果を表1に示
す。
【0054】実施例3 実施例2で用いたスラリーに、さらに湿潤紙力増強剤と
してポリアクリルアミド樹脂(商品名:AF−100、
荒川化学工業社製)を絶乾換算で繊維重量当り1.5%
添加したこと以外は、実施例2と同様にして坪量40g
/m2 のシートを得た。評価結果を表1に示す。
【0055】実施例4 固形分濃度3%の広葉樹晒クラフトパルプの水スラリー
を12インチリファイナー(熊谷理機工業社製)にて繰
り返し処理し、CSF193mlの微細繊維を得た。こ
の微細繊維の数平均繊維長は0.37mm、結合強化フ
ァクターは0.17、及び保水度は163%であった。
この微細繊維25部、実施例2で用いた市販のカールド
ファイバー(商品名:NHB416、米国ウェアーハウ
ザー社製)55部、未叩解の針葉樹晒クラフトパルプ
(フリーネス722mlCSF)20部を混合し水を加
えて固形分濃度2%に希釈して撹拌し、十分に分散した
繊維スラリーを得た。このスラリーを紙料とした以外は
実施例1と同様にして坪量40g/m2 のシートを得
た。評価結果を表1に示す。
【0056】比較例1 原料スラリーの配合を、微細繊維を使用することなくカ
ールドファイバーのみとすること以外は実施例1と同様
にしてシートを作製しようとしたが、ワイヤーから湿紙
シートがうまく剥がれず、シートを作製することができ
なかった。
【0057】比較例2 固形分濃度3%の広葉樹晒クラフトパルプの水スラリー
を12インチリファイナー(熊谷理機工業社製)にて繰
り返し処理し、339mlCSFの叩解パルプを得た。
この微細繊維の数平均繊維長は0.45mm、結合強化
ファクターは0.13、保水度は133%であった。こ
の繊維5部をダイノミル処理による微細繊維の代わりに
用いること以外は実施例1と同様にして坪量40g/m
2 のシートを得た。評価結果を表1に示す。
【0058】比較例3 湿潤カールファクターが0.34で保水度が114%の
変形を付与していない未処理の針葉樹晒クラフトパルプ
75部と、実施例2で用いた数平均繊維長が0.28m
mで結合強化ファクターが0.55で保水度287%の
微細繊維25部を混合したものを紙料として用いること
以外は実施例2と同様にして坪量40g/m2 のシート
を得た。評価結果を表1に示す。
【0059】比較例4 実施例4で用いた繊維の配合を、市販のカールドファイ
バー45部、リファイナー叩解による微細繊維25部、
未叩解針葉樹晒クラフトパルプ30部を混合したものを
紙料として使用すること以外は実施例4と同様にして坪
量40g/m2のシートを得た。評価結果を表1に示
す。
【0060】比較例5 二層の積層構造を有する市販の家庭用電気掃除機の専用
紙パックフィルター(型式:MP−3、三菱電機製)か
ら、内側(吸込側)の層をきれいにはぎ取り、物性を評
価した。結果を表1に示す。
【0061】実施例5 原料スラリーとして、実施例1と全く同じ紙料を準備
し、この紙料から絶乾5.2g分のスラリーをとり、内
径12cmのブフナー漏斗に市販の濾紙(商品名:N
0.2、ADVANTEC製、110mmφ)を敷いて
濾過させることにより、湿潤ボードを形成させた。この
湿潤ボードを濾紙から離し、3mmの穴の無数に空いた
ステンレス板に濾紙を敷いたものの上に移し、そのまま
送風乾燥器中で105℃にて乾燥させた。乾燥終了後、
20℃、65%RHにて調湿した後のボードの重量は
5.5g、厚さは6.1mmであった。この円形ボード
を吸引濾過瓶(2リットル容)を有する前記ブフナー漏
斗に装着し、固形分濃度10%の軽質炭酸カルシウム
(商品名:TP−123、奥多摩工業社製、粒子短径
0.1〜0.3μm、長径1.5〜2.5μm))溶液
300mlを、実験用アスピレーターを使って濾過さ
せ、濾過に要した時間(分)を測定すると共に、濾液の
清澄度を以下のように目視で判定し、評価を行った。 ◎・・・濁りが全く認められない。 ○・・・濁りが僅かにあるが、実用上問題がない。 △・・・若干濁りがあり、実用上問題がある。 ×・・・かなり濁りがあり、使用できない。 以上の評価結果を表2に示す。
【0062】実施例6 原料スラリーとして、実施例3と同じものを絶乾9.5
g分用いること以外は実施例5と同様にして円形ボード
を作製した。調湿後のこのボードの重量は10.0g、
厚さは6.3mmであった。評価結果を表2に示す。
【0063】実施例7 原料スラリーとして、実施例4と同じものを絶乾17.
0g分用いること以外は実施例5と同様にして円形ボー
ドを作製した。調湿後のこのボードの重量は17.9
g、厚さは6.1mmであった。評価結果を表2に示
す。
【0064】比較例6 原料スラリーとして、比較例1と同じものを絶乾3g分
用いること以外は実施例5と同様にして円形ボードを作
製した。調湿後のこのボードの重量は3.3g、厚さは
5.9mmであった。この円形ボードは保形性が悪く、
繊維を摘むと剥がれる状態であったが、そのまま実施例
5と同様の試験を行った。評価結果を表2に示す。
【0065】比較例7 原料スラリーとして、比較例2と同じものを絶乾5.2
g分用いること以外は実施例5と同様にして円形ボード
を作製した。調湿後のこのボードの重量は5.4g、厚
さは6.0mmであった。このボードを用いて実施例5
と同じ試験を行った。評価結果を表2に示す。
【0066】比較例8 原料スラリーとして、比較例3と同じものを絶乾28g
分用いること以外は実施例5と同様にして円形ボードを
作製した。調湿後のこのボードの重量は29.4g、厚
さは5.8mmであった。このボードを用いて実施例5
と同じ試験を行った。評価結果を表2に示す。
【0067】比較例9 市販の濾紙(商品名:No.2、ADVANTEC社
製、110mmφ)を用いて、実施例5と同様に濾液の
清澄性、濾過時間の測定を行った。評価結果を表2に示
す。
【0068】実施例8 厚さ1cmの透明アクリル板、及び直径(内径)6cm
φの市販の茶漉し器に80メッシュのプラスチック製濾
布を貼ったものを用いて、図2に示すような10cm角
立方体状のパルプモールド用濾過器を作製した。原料ス
ラリーとして実施例1と同じものを準備し水を加えて固
形分濃度1%に調製した。このスラリーの中に、図2に
示した濾過器を網の部分が下になるようにして入れ、真
空ポンプを用いて−400mmHgの真空度をかけて1
0秒間保持し、その後取出すことにより、湿潤状態の成
形体を形成させた。この湿潤成形体を、105℃の送風
乾燥器の中にいれ、恒量になるまで乾燥させ、乾燥パル
プモールドを得た。調湿後のこのパルプモールドの重量
は10.5g、底の部分の厚さは3.1mmであった。
このパルプモールドに約5000km走行した後の自動
車のエンジンオイル50ccを入れて、自然濾過させ、
濾過にかかった時間及び濾過後のオイルの清澄度を以下
のように目視で評価した。評価結果を表3に示す。 ○・・・濁りが認められず、実用上問題がない。 ×・・・かなり濁りがあり、使用できない。
【0069】実施例9 原料スラリーとして実施例3と同じものを準備し水を加
えて固形分濃度1%に調製して使用すること以外は、実
施例8と同様にして、成形体を作製した。調湿後のこの
パルプモールドの重量は16.5g、底の部分の厚さは
3.0mmであった。評価結果を表3に示す。
【0070】実施例10 原料スラリーとして実施例4と同じものを準備し水を加
えて固形分濃度1%に調製して使用すること以外は、実
施例8と同様にして、成形体を作製した。調湿後のこの
パルプモールドの重量は33.8g、底の部分の厚さは
3.2mmであった。評価結果を表3に示す。
【0071】比較例10 原料スラリーとして比較例1と同じものを準備し水を加
えて固形分濃度1%に調製して使用すること以外は、実
施例8と同様にして、成形体を作製した。調湿後のこの
パルプモールドの重量は6.1g、底の部分の厚さは
2.9mmであった。評価結果を表3に示す。
【0072】比較例11 原料スラリーとして比較例2と同じものを準備し水を加
えて固形分濃度1%に調製して使用すること以外は、実
施例8と同様にして、成形体を作製した。調湿後のこの
パルプモールドの重量は9.8g、底の部分の厚さは
3.3mmであった。評価結果を表3に示す。
【0073】比較例12 原料スラリーとして比較例3と同じものを準備し水を加
えて固形分濃度1%に調製して使用すること以外は、実
施例8と同様にして、成形体を作製した。調湿後のこの
パルプモールドの重量は53.3g、底の部分の厚さは
3.0mmであった。評価結果を表3に示す。
【0074】実施例1〜4、比較例1〜5で得られたシ
ートについての結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】実施例5〜7、比較例6〜9で得られたボ
ードについての結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】実施例8〜10、比較例10〜12で得ら
れた成形体についての結果を表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】表1から明らかなように、実施例1〜4に
おいて得られたフィルターは、市販の電気掃除機用フィ
ルター(比較例5)と比較して、強度面と集塵性に優
れ、吸引性(圧力損失)の面でも実用上全く問題のない
レベルにあり、気体用のフィルターとして十分に実用に
適しているものであった。その中でも、実施例1のもの
は、特に圧力損失が小さく優れていた。この実施例から
も分かる様に、圧力損失よりも強度を重視する場合に
は、カールドファイバーの配合率を下げ、微細繊維の配
合を上げることにより対応することができる(実施例
2)。また、湿潤紙力増強剤を配合することで強度をさ
らにアップさせることができる(実施例3)。また、本
発明の濾過材には、カールドファイバー・微細繊維の他
に、針葉樹クラフトパルプなど他の繊維を配合すること
もできる(実施例4)。
【0081】一方、本発明で特定するカールドファイバ
ーを単独で使用してフィルターを作製しようとしても、
カールドファイバー間の結合力が弱く、シートにならな
い(比較例1)。また、結合強化ファクターが0.15
未満の繊維を本発明の微細繊維として用いると、カール
ドファイバー間の結合力が弱くなり破裂・引裂強度が弱
くなるばかりか、集塵性が著しく低下する(比較例
2)。また、湿潤カールファクターの小さいカールドフ
ァイバーを用いると強度は上がるものの吸引性が悪く
(圧力損失が大きく)なり、フィルターとしての性能が
悪くなる(比較例3)。また、カールドファイバーの配
合量が50%に満たないと、透気度が2秒を越え、圧力
損失が大きいものとなる(比較例4)。
【0082】表2から分かるように、ボードについて
も、水系濁液の濾過過程において、得られる濾液の清澄
度が高く、濾過時間の短い(圧力損失の低い)フィルタ
ーを得ることができる(実施例5〜7)。中でも、カー
ルドファイバーと微細繊維の配合を変えることでより濾
別精度の高いフィルターを得ることができる(実施例5
と6の比較)。また、本発明の濾過材には通常パルプも
配合することができる(実施例7)。
【0083】一方、本発明で特定するカールドファイバ
ーを単独で使用してボードを作製した場合、そのフィル
ターとしての性能は、濾過抵抗は少ないものの集塵性が
悪く、濾液の清澄度が悪くなる(比較例6)。また、結
合強化ファクターが0.15未満の繊維を用いた場合は
濾液の清澄度が悪く実用に供することができない(比較
例7)。また、湿潤カールファクターが0.4未満の繊
維を用いた場合はシート同様圧力損失が大きくなり、濾
過に時間がかかる(比較例8)。
【0084】表3からわかるように、本発明の成形体は
優れたオイルフィルターとして使用することができる
(実施例8〜10)。
【0085】以上、実施例及び比較例では、シートにつ
いては気体、ボードについては液体用(水系)、成形体
については液体用(油系)としての例を示したが、本発
明はこれらの例に限らず、様々な用途に使用することが
可能である。
【0086】
【発明の効果】本発明は、異物捕集性に優れ、圧力損失
が小さく、破裂強度や引裂強度に優れた生分解性を有す
る濾過材を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、電気掃除機用パックフィルターの概
略図である。
【図2】第2図は、実施例、比較例に使用した成形体製
造装置の概略図である。
【符号の説明】
1:フィルター(外装) 2:フィルター(内装) 3:厚紙(フィルター固定部) 4:吸引部 5:透明アクリル板 6:茶漉器 7:ナイロン製濾布 8:空隙部 9:吸引部 10:耐圧ホース 11:真空ポンプ接続部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿潤カールファクターが0.4〜1.0
    の範囲にあるカールドファイバーを全繊維重量当り50
    〜97重量%と、結合強化ファクターが0.15以上の
    微細繊維を全繊維重量当り3〜50重量%の割合で含有
    するスラリーを脱液、乾燥して得られ、かつ密度が0.
    05〜0.80g/cm3 の範囲であることを特徴とす
    る濾過材。
  2. 【請求項2】 前記スラリーを用いて、JIS P 8
    209に準じて坪量40g/m2 のシート作製した時、
    このシートのJIS P 8117に基づく透気度が
    0.2〜2秒である請求項1記載の濾過材。
  3. 【請求項3】 前記スラリーが、さらに湿潤紙力増強剤
    を含有する請求項1記載の濾過材。
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