JPH10212080A - リニアモータエレベータの制御装置 - Google Patents
リニアモータエレベータの制御装置Info
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- JPH10212080A JPH10212080A JP9031236A JP3123697A JPH10212080A JP H10212080 A JPH10212080 A JP H10212080A JP 9031236 A JP9031236 A JP 9031236A JP 3123697 A JP3123697 A JP 3123697A JP H10212080 A JPH10212080 A JP H10212080A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2次導体の接続部に発生する推力変動を抑制
し、エレベータの乗り心地の良くすることにある。 【解決手段】 リニアモータ11、12と、エレベータ
の乗りかご1と釣合おもり4をつるべ状に結ぶロープ2
からなるエレベータ機械系を有するリニアモータエレベ
ータにおいて、推力指令T*を作成する推力指令演算部
53と、リニアモータに流す電流のベクトル演算を行う
ベクトル演算部54と、リニアモータを駆動するインバ
ータ部56を有し、ベクトル演算部に所定の推力指令範
囲において推力指令の減少に伴って減少する磁束指令Φ
*を出力する推力指令−磁束指令関数器5453を備
え、前記磁束指令に応じて推力指令に対する励磁電流指
令Id*を減少する特性とし、また、エレベーター機械
系の共振が発生するニアモータのすべり周波数fs*を
変更する。
し、エレベータの乗り心地の良くすることにある。 【解決手段】 リニアモータ11、12と、エレベータ
の乗りかご1と釣合おもり4をつるべ状に結ぶロープ2
からなるエレベータ機械系を有するリニアモータエレベ
ータにおいて、推力指令T*を作成する推力指令演算部
53と、リニアモータに流す電流のベクトル演算を行う
ベクトル演算部54と、リニアモータを駆動するインバ
ータ部56を有し、ベクトル演算部に所定の推力指令範
囲において推力指令の減少に伴って減少する磁束指令Φ
*を出力する推力指令−磁束指令関数器5453を備
え、前記磁束指令に応じて推力指令に対する励磁電流指
令Id*を減少する特性とし、また、エレベーター機械
系の共振が発生するニアモータのすべり周波数fs*を
変更する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導リニアモータ
によってエレベータを駆動するリニアモータエレベータ
ーの制御装置に関する。
によってエレベータを駆動するリニアモータエレベータ
ーの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リニアモータは、駆動部を直接制御する
方式であるため、変速機構を必要としないなど、システ
ム全体を小型化することが可能となる特徴がある。例え
ば、特開平1−278381号公報には、ロープ式エレ
ベーターに誘導型リニアモータが採用され、その釣合お
もり部にモータの1次側を搭載し、昇降路に2次導体を
設置したロープ式のリニアモータエレベーターが述べら
れている。しかし、2次導体の長さは有限であるため、
モータの運動方向に対して、2次導体の接続部(継ぎ
目)が生じる。モータとして平板型リニアモータを用い
ると、この接続部を1次側が通過するとき、推力が変動
する問題がある。このため、速度変動が生じたり、乗り
かごに振動が生じて、エレベーターの乗り心地が悪化す
る、という問題が生じる。そこで、このような問題を解
決するため、例えば、特開平4−266385号公報の
ように、走行方向に対して2次導体を斜めに設置する方
法が提案されている。また、特開平4−266384号
公報のように、2次導体を左右2つに分割し、2次導体
の接続部を左右交互に設置することが提案されている。
さらには、特開平5−85684号公報のように、2次
導体の接続部を段付きにし、接続部における推力変動の
影響を小さくすることも提案されている。
方式であるため、変速機構を必要としないなど、システ
ム全体を小型化することが可能となる特徴がある。例え
ば、特開平1−278381号公報には、ロープ式エレ
ベーターに誘導型リニアモータが採用され、その釣合お
もり部にモータの1次側を搭載し、昇降路に2次導体を
設置したロープ式のリニアモータエレベーターが述べら
れている。しかし、2次導体の長さは有限であるため、
モータの運動方向に対して、2次導体の接続部(継ぎ
目)が生じる。モータとして平板型リニアモータを用い
ると、この接続部を1次側が通過するとき、推力が変動
する問題がある。このため、速度変動が生じたり、乗り
かごに振動が生じて、エレベーターの乗り心地が悪化す
る、という問題が生じる。そこで、このような問題を解
決するため、例えば、特開平4−266385号公報の
ように、走行方向に対して2次導体を斜めに設置する方
法が提案されている。また、特開平4−266384号
公報のように、2次導体を左右2つに分割し、2次導体
の接続部を左右交互に設置することが提案されている。
さらには、特開平5−85684号公報のように、2次
導体の接続部を段付きにし、接続部における推力変動の
影響を小さくすることも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は、いずれ
も2次導体の接続部の形状および設置に関する対策であ
るため、2次導体の接続部の形状が複雑になったり、そ
の運搬や設置に対する制約が発生するなどの問題があ
る。
も2次導体の接続部の形状および設置に関する対策であ
るため、2次導体の接続部の形状が複雑になったり、そ
の運搬や設置に対する制約が発生するなどの問題があ
る。
【0004】本発明の課題は、前述の問題点に鑑み、2
次導体の接続部に発生する推力変動を抑制するに好適な
リニアモータエレベータの制御装置を提供することにあ
る。
次導体の接続部に発生する推力変動を抑制するに好適な
リニアモータエレベータの制御装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、リニアモー
タエレベータにおいて、エレベータの速度指令と実速度
の偏差からリニアモータの推力指令を作成する推力指令
演算部と、推力指令からリニアモータに流す電流のベク
トル演算を行うベクトル演算部と、ベクトル演算部の出
力に応じてリニアモータを駆動するインバータ部を有
し、ベクトル演算部に所定の推力指令範囲において推力
指令の減少に伴って減少する磁束指令を出力する推力指
令−磁束指令関数器を備え、推力指令−磁束指令関数器
からの磁束指令に応じたベクトル演算を行うことによっ
て、解決される。ここで、所定の推力指令範囲は、リニ
アモータのすべり周波数がエレベーター機械系の共振周
波数の1/2となる時の推力指令値を含む。また、ベク
トル演算によって、推力指令の減少に伴って減少する磁
束指令に基づいて推力指令に対する励磁電流指令を減少
する特性とすると共に、リニアモータのすべり周波数を
エレベーター機械系の共振周波数から外すようにする。
タエレベータにおいて、エレベータの速度指令と実速度
の偏差からリニアモータの推力指令を作成する推力指令
演算部と、推力指令からリニアモータに流す電流のベク
トル演算を行うベクトル演算部と、ベクトル演算部の出
力に応じてリニアモータを駆動するインバータ部を有
し、ベクトル演算部に所定の推力指令範囲において推力
指令の減少に伴って減少する磁束指令を出力する推力指
令−磁束指令関数器を備え、推力指令−磁束指令関数器
からの磁束指令に応じたベクトル演算を行うことによっ
て、解決される。ここで、所定の推力指令範囲は、リニ
アモータのすべり周波数がエレベーター機械系の共振周
波数の1/2となる時の推力指令値を含む。また、ベク
トル演算によって、推力指令の減少に伴って減少する磁
束指令に基づいて推力指令に対する励磁電流指令を減少
する特性とすると共に、リニアモータのすべり周波数を
エレベーター機械系の共振周波数から外すようにする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるリ
ニアモータエレベータの制御装置であり、ロープ式平板
型リニアモータエレベータに応用した例を示す。図1に
おいて、リニアモータは、誘導型であり、1次側巻線
(一次導体)11と、アルミ導体からなる2次導体12
により構成される。1次側巻線11にはインバータ56
によって電力が供給される。また、リニアモータの1次
側巻線11は釣合おもり4に搭載され、その走行速度は
釣合おもり4またはリニアモータの1次側巻線11に直
接に取り付けられた速度検出器52によって検出され
る。釣合おもり4にはロープ2が結び付けられ、プーリ
31、32を介して乗りかご1が取り付けられる。な
お、モータの構造は、図面では平板片側式としている
が、両側式でも、また、その他の形式であってもよい。
速度指令演算部51から発せられる速度指令V*と、速
度検出器52からのエレベータの実速度Vの偏差ΔVが
演算され、この偏差ΔVを推力指令演算部53に入力す
る。推力指令演算部53はこの偏差ΔVに応じてリニア
モータの推力指令T*を出力する。ベクトル演算装置5
4はこの推力指令T*に基づいて推力電流指令Iq*、励
磁電流指令Id*、すべり周波数指令fs*を出力する。
電流制御部55はベクトル演算部54の出力に応じてイ
ンバータ部56を駆動し、モータに流す1次電流を制御
する。このように、本実施形態では適用するモータが誘
導型であるため、ベクトル制御を適用して推力の制御を
行う。ベクトル制御は、誘導型モータに与える電流を磁
束と直交する成分と平行する成分に分け、推力を指令通
りに制御する方法であり、リニアモータエレベータにも
適用することができる。この適用例は、例えば特開平1
−278381号公報に記載されている。
用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるリ
ニアモータエレベータの制御装置であり、ロープ式平板
型リニアモータエレベータに応用した例を示す。図1に
おいて、リニアモータは、誘導型であり、1次側巻線
(一次導体)11と、アルミ導体からなる2次導体12
により構成される。1次側巻線11にはインバータ56
によって電力が供給される。また、リニアモータの1次
側巻線11は釣合おもり4に搭載され、その走行速度は
釣合おもり4またはリニアモータの1次側巻線11に直
接に取り付けられた速度検出器52によって検出され
る。釣合おもり4にはロープ2が結び付けられ、プーリ
31、32を介して乗りかご1が取り付けられる。な
お、モータの構造は、図面では平板片側式としている
が、両側式でも、また、その他の形式であってもよい。
速度指令演算部51から発せられる速度指令V*と、速
度検出器52からのエレベータの実速度Vの偏差ΔVが
演算され、この偏差ΔVを推力指令演算部53に入力す
る。推力指令演算部53はこの偏差ΔVに応じてリニア
モータの推力指令T*を出力する。ベクトル演算装置5
4はこの推力指令T*に基づいて推力電流指令Iq*、励
磁電流指令Id*、すべり周波数指令fs*を出力する。
電流制御部55はベクトル演算部54の出力に応じてイ
ンバータ部56を駆動し、モータに流す1次電流を制御
する。このように、本実施形態では適用するモータが誘
導型であるため、ベクトル制御を適用して推力の制御を
行う。ベクトル制御は、誘導型モータに与える電流を磁
束と直交する成分と平行する成分に分け、推力を指令通
りに制御する方法であり、リニアモータエレベータにも
適用することができる。この適用例は、例えば特開平1
−278381号公報に記載されている。
【0007】ここで、2次導体12の接続部(継目)1
2aを1次側巻線11が通過するときの推力変動は、2
次導体に流れる電流の周波数成分(すべり周波数)の2
倍の周波数で振動する成分が主体であり、また、推力が
大きい時ほど推力変動の振幅も大きくなり、さらに、こ
の推力変動の周波数と、釣合おもり、ロープ、乗りかご
から構成されるエレベータ機械系の共振周波数が一致し
た時に特に大きなかご振動が発生することが解析の結果
判明した。そこで、本発明は、ベクトル演算部54の中
に磁束指令を推力指令に応じて変更する推力指令−磁束
指令関数器5453を設け、この出力に応じたベクトル
演算を行うことによって推力指令T*とすべり周波数f
s*との関係を変更し、共振の発生ポイントをずらし、
推力変動の影響が小さくなるようにした。
2aを1次側巻線11が通過するときの推力変動は、2
次導体に流れる電流の周波数成分(すべり周波数)の2
倍の周波数で振動する成分が主体であり、また、推力が
大きい時ほど推力変動の振幅も大きくなり、さらに、こ
の推力変動の周波数と、釣合おもり、ロープ、乗りかご
から構成されるエレベータ機械系の共振周波数が一致し
た時に特に大きなかご振動が発生することが解析の結果
判明した。そこで、本発明は、ベクトル演算部54の中
に磁束指令を推力指令に応じて変更する推力指令−磁束
指令関数器5453を設け、この出力に応じたベクトル
演算を行うことによって推力指令T*とすべり周波数f
s*との関係を変更し、共振の発生ポイントをずらし、
推力変動の影響が小さくなるようにした。
【0008】以下に、ベクトル演算部54の詳細を説明
する。推力指令−磁束指令関数器5453は、推力指令
演算部53からの推力指令T*を入力とし、磁束指令Φ*
を演算する。この関数器5453の特性は後に述べる。
推力指令演算5451は推力指令T*と、磁束指令Φ*を
入力し、これらの割算を行う。その出力は電流の推力成
分指令Iq*となる。すべり周波数演算5452は推力
電流指令Iq*と、磁束指令Φ*とからリニアモータのす
べり周波数指令fs*を演算する。励磁電流指令演算5
454は、磁束指令Φ*からリニアモータの励磁電流指
令Id*を演算する。リニアモータの推力Tと、磁束
Φ、推力電流成分Iqには、 T∝Φ・Iq (数1) の関係があるので、推力電流指令演算5451は(数
1)の演算を行う。また、すべり周波数fsは、 fs∝Iq/Φ (数2) と表される。すべり周波数演算5452は(数2)の演
算を行って、すべり周波数指令fs*を演算する。ま
た、励磁電流成分Idは、磁束Φと Id∝Φ・(1+T2・s) (数3) の関係がある。(数3)において、T2はリニアモータ
の2次回路定数、sはラプラス演算子である。磁束電流
指令演算5454は(数3)の演算を実行して、励磁電
流指令Id*を演算する。
する。推力指令−磁束指令関数器5453は、推力指令
演算部53からの推力指令T*を入力とし、磁束指令Φ*
を演算する。この関数器5453の特性は後に述べる。
推力指令演算5451は推力指令T*と、磁束指令Φ*を
入力し、これらの割算を行う。その出力は電流の推力成
分指令Iq*となる。すべり周波数演算5452は推力
電流指令Iq*と、磁束指令Φ*とからリニアモータのす
べり周波数指令fs*を演算する。励磁電流指令演算5
454は、磁束指令Φ*からリニアモータの励磁電流指
令Id*を演算する。リニアモータの推力Tと、磁束
Φ、推力電流成分Iqには、 T∝Φ・Iq (数1) の関係があるので、推力電流指令演算5451は(数
1)の演算を行う。また、すべり周波数fsは、 fs∝Iq/Φ (数2) と表される。すべり周波数演算5452は(数2)の演
算を行って、すべり周波数指令fs*を演算する。ま
た、励磁電流成分Idは、磁束Φと Id∝Φ・(1+T2・s) (数3) の関係がある。(数3)において、T2はリニアモータ
の2次回路定数、sはラプラス演算子である。磁束電流
指令演算5454は(数3)の演算を実行して、励磁電
流指令Id*を演算する。
【0009】図2は、推力変動発生時の各部の動作状態
説明図である。(a)は推力指令T*(横軸)とすべり
周波数指令fs*、励磁電流指令Id*及び推力変動(脈
動)TR(縦軸)の関係を示し、実線は従来例、破線は
本実施形態による状態を示す。(b)は機械系の共振特
性を示す。また、図3に、推力変動発生時の各部の波形
例を示す。
説明図である。(a)は推力指令T*(横軸)とすべり
周波数指令fs*、励磁電流指令Id*及び推力変動(脈
動)TR(縦軸)の関係を示し、実線は従来例、破線は
本実施形態による状態を示す。(b)は機械系の共振特
性を示す。また、図3に、推力変動発生時の各部の波形
例を示す。
【0010】ここで、従来制御における動作を図2、図
3を用いて説明する。従来制御では、ベクトル演算部5
4に推力指令−磁束指令関数器5453を備えないた
め、推力指令T*に対して励磁電流指令Id*は図2に実
線で示すように一定である。そのため、(数2)、(数
3)の関係からすべり周波数指令fs*は推力指令T*に
対して図2に実線で示すように比例特性となる。このよ
うな制御において、推力変動が特に問題となるのは、す
べり周波数指令fs*が機械系の共振周波数の1/2の
周波数になるAのポイントである。このポイントAにお
ける推力指令T*はポイントBのような値となってお
り、また、推力変動TRは推力指令T*に比例するた
め、ポイントCのような値となる。このような状態で運
転すると、図3(a)に示すように、推力指令T*
(1)に対して、推力Tに大きな変動分(2)が重畳
し、この変動周波数が機械系の共振ポイント+f0と一
致するため、乗りかごに大きな振動(かご加速度)
(3)が発生する。
3を用いて説明する。従来制御では、ベクトル演算部5
4に推力指令−磁束指令関数器5453を備えないた
め、推力指令T*に対して励磁電流指令Id*は図2に実
線で示すように一定である。そのため、(数2)、(数
3)の関係からすべり周波数指令fs*は推力指令T*に
対して図2に実線で示すように比例特性となる。このよ
うな制御において、推力変動が特に問題となるのは、す
べり周波数指令fs*が機械系の共振周波数の1/2の
周波数になるAのポイントである。このポイントAにお
ける推力指令T*はポイントBのような値となってお
り、また、推力変動TRは推力指令T*に比例するた
め、ポイントCのような値となる。このような状態で運
転すると、図3(a)に示すように、推力指令T*
(1)に対して、推力Tに大きな変動分(2)が重畳
し、この変動周波数が機械系の共振ポイント+f0と一
致するため、乗りかごに大きな振動(かご加速度)
(3)が発生する。
【0011】次に、本実施形態における動作を図2、図
3を用いて説明する。本実施形態は、ベクトル演算装置
54に推力指令−磁束指令関数器5453を備え、この
推力指令−磁束指令関数器5453は、すべり周波数指
令fs*がエレベータ機械系の共振周波数の1/2を通
過するWから−W(励磁電流可変の推力指令範囲)の領
域において、推力指令T*の減少に伴って磁束指令Φ*が
減少するように設定し、推力指令T*に対する励磁電流
指令Id*が図2の破線のように変化する特性となるよ
うにする。この磁束指令Φ*の設定により、すべり周波
数指令fs*は(数2)、(数3)の関係から推力指令
T*に対して図2の破線のようなS字状に変化する。な
お、図2では、推力指令T*に対して励磁電流指令Id*
が直線的に減少する比例特性を示したが、励磁電流指令
Id*が曲線的に減少する特性になるように、推力指令
T*に対して磁束指令Φ*を設定してもよい。本実施形態
による制御は、図2に示すように、従来制御と同一推力
指令ポイントBにおける推力変動TRは従来と変わらな
いが、すべり周波数指令fs*がポイントA1に移って
従来よりも高くなる。そのため、図3(b)に示すよう
に、推力指令T*(1)に対して、推力Tの変動周波数
(2)が従来よりも高くなり、この変動周波数が機械系
の共振ポイント+f0から離れるため、乗りかごの振動
(かご加速度)(3)が小さくなる。また、本実施形態
による制御では、すべり周波数指令fs*が機械系の共
振周波数+f0になる時、つまりポイントA2で一致す
るが、このポイントA2の推力指令T*は従来のポイン
トBからB2に移動し、図3(c)に示すように、推力
指令T*の値(1)が小さくなる。これに準じて推力変
動TRも従来のポイントCからC2に移動し、推力Tの
変動の値(2)が従来制御に比べて小さくなり、乗りか
ごの振動(かご加速度)(3)が小さくなる。このよう
に、本実施形態は、すべり周波数指令fs*が推力指令
T*に対してS字状に変化するので、従来制御でエレベ
ーター機械系と共振が発生していたポイントのすべり周
波数が従来よりも高くなり、このため共振しなくなり、
また、推力変動とエレベーター機械系との共振が推力指
令の小さい領域ポイントB2で生じるようにしたので、
すべり周波数がエレベーター機械系の共振周波数の1/
2の周波数になる時の推力指令が従来よりも小さくなる
ため、推力変動の値が小さくなり、エレベーターの速度
変動や乗りかごの振動が軽減される。
3を用いて説明する。本実施形態は、ベクトル演算装置
54に推力指令−磁束指令関数器5453を備え、この
推力指令−磁束指令関数器5453は、すべり周波数指
令fs*がエレベータ機械系の共振周波数の1/2を通
過するWから−W(励磁電流可変の推力指令範囲)の領
域において、推力指令T*の減少に伴って磁束指令Φ*が
減少するように設定し、推力指令T*に対する励磁電流
指令Id*が図2の破線のように変化する特性となるよ
うにする。この磁束指令Φ*の設定により、すべり周波
数指令fs*は(数2)、(数3)の関係から推力指令
T*に対して図2の破線のようなS字状に変化する。な
お、図2では、推力指令T*に対して励磁電流指令Id*
が直線的に減少する比例特性を示したが、励磁電流指令
Id*が曲線的に減少する特性になるように、推力指令
T*に対して磁束指令Φ*を設定してもよい。本実施形態
による制御は、図2に示すように、従来制御と同一推力
指令ポイントBにおける推力変動TRは従来と変わらな
いが、すべり周波数指令fs*がポイントA1に移って
従来よりも高くなる。そのため、図3(b)に示すよう
に、推力指令T*(1)に対して、推力Tの変動周波数
(2)が従来よりも高くなり、この変動周波数が機械系
の共振ポイント+f0から離れるため、乗りかごの振動
(かご加速度)(3)が小さくなる。また、本実施形態
による制御では、すべり周波数指令fs*が機械系の共
振周波数+f0になる時、つまりポイントA2で一致す
るが、このポイントA2の推力指令T*は従来のポイン
トBからB2に移動し、図3(c)に示すように、推力
指令T*の値(1)が小さくなる。これに準じて推力変
動TRも従来のポイントCからC2に移動し、推力Tの
変動の値(2)が従来制御に比べて小さくなり、乗りか
ごの振動(かご加速度)(3)が小さくなる。このよう
に、本実施形態は、すべり周波数指令fs*が推力指令
T*に対してS字状に変化するので、従来制御でエレベ
ーター機械系と共振が発生していたポイントのすべり周
波数が従来よりも高くなり、このため共振しなくなり、
また、推力変動とエレベーター機械系との共振が推力指
令の小さい領域ポイントB2で生じるようにしたので、
すべり周波数がエレベーター機械系の共振周波数の1/
2の周波数になる時の推力指令が従来よりも小さくなる
ため、推力変動の値が小さくなり、エレベーターの速度
変動や乗りかごの振動が軽減される。
【0012】ここでは、推力指令T*が正の領域の動作
を説明したが、推力指令T*が負の領域においても同様
に共振ポイント−f0が推力指令T*の小さい領域に移
動し、かご振動が低減される。
を説明したが、推力指令T*が負の領域においても同様
に共振ポイント−f0が推力指令T*の小さい領域に移
動し、かご振動が低減される。
【0013】なお、本実施形態では、励磁電流指令Id
*が変化する範囲を図2に示す励磁電流可変範囲Wから
−Wの領域に設定したが、この範囲は、機械系の共振ポ
イントを含むように設定すればよい。また、乗りかご振
動が問題とならない範囲で機械系の共振特性に合わせ、
ゲイン特性がなだらかで共振周波数範囲が広い場合は広
く、また、逆の場合は狭く設定すればよい。
*が変化する範囲を図2に示す励磁電流可変範囲Wから
−Wの領域に設定したが、この範囲は、機械系の共振ポ
イントを含むように設定すればよい。また、乗りかご振
動が問題とならない範囲で機械系の共振特性に合わせ、
ゲイン特性がなだらかで共振周波数範囲が広い場合は広
く、また、逆の場合は狭く設定すればよい。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エレベーター機械系と共振が発生するすべり周波数を変
更するため、共振がなくなると同時に、推力変動とエレ
ベーター機械系との共振が推力指令の小さい領域で生じ
るようにしたので、推力変動による影響を小さくするこ
とができ、乗りかごの振動が少なく、乗り心地のよいエ
レベーターの運転を行うことができる。
エレベーター機械系と共振が発生するすべり周波数を変
更するため、共振がなくなると同時に、推力変動とエレ
ベーター機械系との共振が推力指令の小さい領域で生じ
るようにしたので、推力変動による影響を小さくするこ
とができ、乗りかごの振動が少なく、乗り心地のよいエ
レベーターの運転を行うことができる。
【図1】本発明の一実施形態によるリニアモータエレベ
ータの制御装置
ータの制御装置
【図2】推力変動発生時の各部の動作状態説明図
【図3】推力変動発生時の各部の波形例
1:乗りかご 2:ロープ 4:釣合いおもり 11:リニアモータ1
次側巻線 12:リニアモータ2次導体 12a:2次導体接続
部 51:速度指令演算部 52:速度検出器 53:推力指令演算部 54:ベクトル演算部 5451:推力電流指令演算部 5452:すべり周波
数指令演算部 5453:推力指令−磁束指令関数器 5454:励磁電流指令演算部 55:電流制御部 56:インバータ部
次側巻線 12:リニアモータ2次導体 12a:2次導体接続
部 51:速度指令演算部 52:速度検出器 53:推力指令演算部 54:ベクトル演算部 5451:推力電流指令演算部 5452:すべり周波
数指令演算部 5453:推力指令−磁束指令関数器 5454:励磁電流指令演算部 55:電流制御部 56:インバータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長瀬 博 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 二瓶 秀樹 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 荒堀 昇 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 エレベータの乗りかごと、1次導体およ
び2次導体からなるリニアモータと、前記1次導体を組
み込んだ釣合おもりと、前記乗りかごと釣合おもりをつ
るべ状に結ぶロープからなるエレベータ機械系を有する
リニアモータエレベータにおいて、エレベータの速度指
令と実速度の偏差から前記リニアモータの推力指令を作
成する推力指令演算部と、前記推力指令からリニアモー
タに流す電流のベクトル演算を行うベクトル演算部と、
前記ベクトル演算部の出力に応じて前記リニアモータを
駆動するインバータ部を有し、前記ベクトル演算部に所
定の推力指令範囲において前記推力指令の減少に伴って
減少する磁束指令を出力する推力指令−磁束指令関数器
を備え、前記磁束指令に応じたベクトル演算を行うこと
を特徴とするリニアモータエレベータの制御装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記所定の推力指令
範囲は、前記リニアモータのすべり周波数が前記エレベ
ーター機械系の共振周波数の1/2となる時の推力指令
値を含むことを特徴とするリニアモータエレベータの制
御装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
ベクトル演算によって、前記推力指令の減少に伴って減
少する磁束指令に基づいて前記推力指令に対する励磁電
流指令を減少する特性とすることを特徴とするリニアモ
ータエレベータの制御装置。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2において、前記
ベクトル演算によって、前記推力指令の減少に伴って減
少する磁束指令に基づいて前記リニアモータのすべり周
波数を前記エレベーター機械系の共振周波数から外すこ
とを特徴とするリニアモータエレベータの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9031236A JPH10212080A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | リニアモータエレベータの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9031236A JPH10212080A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | リニアモータエレベータの制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212080A true JPH10212080A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=12325779
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9031236A Pending JPH10212080A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | リニアモータエレベータの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10212080A (ja) |
-
1997
- 1997-01-30 JP JP9031236A patent/JPH10212080A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040324 |