JPH10212023A - 回路基材作業システム - Google Patents

回路基材作業システム

Info

Publication number
JPH10212023A
JPH10212023A JP9321051A JP32105197A JPH10212023A JP H10212023 A JPH10212023 A JP H10212023A JP 9321051 A JP9321051 A JP 9321051A JP 32105197 A JP32105197 A JP 32105197A JP H10212023 A JPH10212023 A JP H10212023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conveyor
component
carry
circuit
mounting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9321051A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4162741B2 (ja
Inventor
Kouichi Asai
鎬一 浅井
Shinsuke Suhara
信介 須原
Hiroichi Ikegami
博一 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Corp
Original Assignee
Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Machine Manufacturing Co Ltd filed Critical Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
Priority to JP32105197A priority Critical patent/JP4162741B2/ja
Publication of JPH10212023A publication Critical patent/JPH10212023A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4162741B2 publication Critical patent/JP4162741B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業能率が高く、安価な回路基材作業システ
ムを提供する。 【解決手段】 基板コンベヤ12は基板搬送方向と直角
方向に並ぶ2個のメインコンベヤ400,402,1個
ずつの搬入コンベヤ404,搬出コンベヤ406を有
し、搬入,搬出コンベヤ404,406をメインコンベ
ヤ400,402につらなる第1,第2シフト位置にシ
フトさせ、2つのメインコンベヤにプリント基板を搬入
させ、搬出させる。搬入コンベヤ404は第1シフト位
置でプリント基板を受け取ってメインコンベヤ400,
402に渡し、搬出コンベヤ406はメインコンベヤ4
00,402から受け取ったプリント基板を第1シフト
位置において搬出する。一方のメインコンベヤでのプリ
ント基板への回路部品の装着の間に他方のメインコンベ
ヤでプリント基板の搬出,次のプリント基板の搬入が行
われ、装着終了後、直ちに次のプリント基板への回路部
品の装着を開始し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント基板等の回
路基材に対して、電気・電子回路を構成する回路部品の
装着,接着剤の塗布等の作業を行う回路基材作業システ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】回路基材作業システムの中には、回路基
材がコンベヤにより搬送され、位置決め支持された回路
基材に対して作業装置が作業を行うものがある。この種
の回路基材作業システムの一種に、回路基材を搬送する
とともに位置決めして支持するメインコンベヤ、そのメ
インコンベヤに位置決め支持された回路基材に対して作
業を行う作業装置、および回路基材を搬送してメインコ
ンベヤに引き渡す搬入コンベヤとメインコンベヤから回
路基材を受け取って搬出する搬出コンベヤとの少なくと
も一方を含むシステムがある。例えば、回路部品を回路
基材に装着する回路部品装着システムとして、直列に並
べられた1つずつの搬入コンベヤ,メインコンベヤおよ
び搬出コンベヤを含む搬送ラインが2列並列に設けら
れ、回路部品装着装置が2つのメインコンベヤの一方に
位置決め支持された回路基材に回路部品を装着し、その
間に他方のメインコンベヤに位置決め支持されて回路部
品の装着が終了した回路基材がメインコンベヤから搬出
され、次に回路部品が装着されるべき回路基材がメイン
コンベヤに搬入されて位置決め支持されるシステムが知
られている。この回路部品装着システムによれば、一方
のメインコンベヤに位置決め支持された回路基材への回
路部品の装着終了後、回路部品装着装置は、直ちに他方
のメインコンベヤに位置決め支持された回路基材への回
路部品の装着を開始することができる。回路基材の交替
に要する時間が実質的に0になるのであり、能率良く回
路部品を装着することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記回
路部品装着システムにおいては、搬入コンベヤおよび搬
出コンベヤが2つずつ設けられているのに対し、当該回
路部品装着システムの上流側に設けられ、搬入コンベヤ
に回路基材を引き渡す装置(回路基材供給装置,上流側
の回路部品装着システム,回路基材に接着剤やペースト
状半田を塗布する塗布システム等)および当該回路部品
装着システムの下流側に設けられ、搬出コンベヤから回
路基材を受け取る装置(下流側の回路部品装着システ
ム,回路部品を回路基材に仮止めしている接着剤を硬化
させる硬化炉,半田を溶融させて回路部品を回路基材に
電気的に接続するリフロー炉等)には、基材引渡部およ
び基材受取部がそれぞれ1つ設けられているのが普通で
ある。そのため、搬入コンベヤに、上流側装置の基材引
渡部から回路基材を受け取って2つの搬入コンベヤに配
る受配装置を設け、搬出コンベヤに、2つのメインコン
ベヤから回路基材を受け取って下流側装置の基材受取部
に渡す集渡装置を設けることが必要であり、構成が複雑
となり、コストが高くなる問題があった。この問題は、
作業装置が回路部品装着装置以外の装置である場合にも
同様に生ずる。
【0004】請求項1に係る第1発明は、メインコンベ
ヤを複数備えて能率良く作業を行うことができる回路基
材作業システムの構成を簡単化することを課題として為
されたものである。請求項2に係る第2発明の課題は、
回路部品装着装置を備えた回路基材作業システムにおい
て第1発明の効果を得ることである。請求項3に係る第
3発明の課題は、2つずつの回路部品装着装置,部品供
給装置およびメインコンベヤを備えた回路基材作業シス
テムにおいて第1発明の効果を得ることである。請求項
4に係る第4発明の課題は、回路基材への回路部品の装
着を特に能率よく行い得る回路基材作業システムを得る
ことである。請求項5に係る第5発明の課題は、第1発
明の効果を特に有効に享受し得る回路基材作業システム
を得ることである。請求項6に係る第6発明の課題は、
搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方につい
て、いかなるシフト位置においても容易に搬送幅を変更
することができる回路基材作業システムを得ることであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
第1発明は、上記の課題を解決するために、前述のメイ
ンコンベヤ、作業装置および搬入コンベヤと搬出コンベ
ヤとの少なくとも一方を含む作業システムにおいて、メ
インコンベヤを回路基材の搬送方向に直角な方向に複数
並列に配設するとともに、搬入コンベヤと搬出コンベヤ
との少なくとも一方を、それら少なくとも一方が複数の
メインコンベヤの各々とつらなる複数のシフト位置に選
択的にシフトさせるコンベヤシフト装置を設けたことを
要旨とするものである。
【0006】この作業システムが搬入コンベヤを含み、
その搬入コンベヤがコンベヤシフト装置によってシフト
させられるものであれば、搬入コンベヤは、複数のシフ
ト位置のうちのいずれか1つにおいて回路基材を受け取
り、回路基材を受け取ったシフト位置において、あるい
は別のシフト位置において回路基材をメインコンベヤに
引き渡す。搬入コンベヤは、コンベヤシフト装置によっ
てシフトさせられることにより、複数のシフト位置のう
ちの任意の位置において回路基材を受け取り、複数のメ
インコンベヤのいずれへも搬入することができる。ま
た、当該作業システムが搬出コンベヤを含み、その搬出
コンベヤがコンベヤシフト装置によってシフトさせられ
るのであれば、コンベヤシフト装置によってシフトさせ
られることにより、複数のメインコンベヤのいずれから
も回路基材を受け取り、複数のシフト位置のうちの任意
の位置において回路基材を搬出することができる。
【0007】本発明によれば、従来の作業システムにお
けるように、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤを複数設
けなくてもよくなり、しかも、複数の搬入コンベヤに回
路基材を配る装置や複数の搬出コンベヤから回路基材を
集める装置も不要となって、メインコンベヤが複数設け
られていて回路基材の交替時間が実質的に0であり、作
業能率が高く、かつ、構成が簡単な回路基材作業システ
ムが得られる。
【0008】また、当該作業システムが搬入コンベヤを
有するとともに、上流側に搬入コンベヤに回路基材を渡
す装置を設ける場合、搬入コンベヤは複数のシフト位置
のうちのいずれにおいても上流側装置から回路基材を受
け取ることができるため、上流側装置の回路基材引渡位
置が1つに決まっていても、上流側装置を当該作業シス
テムに容易に接続することができる。当該回路基材作業
システムが搬出コンベヤを有し、下流側に搬出コンベヤ
から回路基材を受け取る装置が設けられる場合も同様で
あり、あるいは搬入,搬出コンベヤの両方が設けられる
場合も同様である。
【0009】さらに、当該作業システムのメインコンベ
ヤは、回路基材を位置決め支持するに足る長さを有して
いればよいためそれほど長くはされないのに対し、メイ
ンコンベヤへの回路基材の搬入距離、搬出距離が比較的
長くされることが多い。そのため、搬入コンベヤ,搬出
コンベヤが長くなるのであるが、それらは1つずつ設け
られるのみであり、コンベヤシフト装置を設けてシフト
させるようにしても、搬入コンベヤ,搬出コンベヤをメ
インコンベヤの数と同数設ける場合より装置コストが少
なくて済むことが多い。
【0010】また、回路基材にバーコード等の回路基材
識別部を設けるとともに、作業システムに識別装置を設
け、回路基材識別部の識別によって回路基材の種類の確
認等を行う場合、搬入コンベヤに識別装置を設ければ、
識別装置が1台で済み、識別コストを低減させることが
できる。あるいは搬入コンベヤに回路基材が搬入される
シフト位置が1つに決まっていれば、その位置に識別装
置を設けることによっても1台で済む。
【0011】作業装置には、回路部品装着装置,回路基
材加工装置,スクリーン印刷機や接着剤ディスペンサ等
の高粘性流体塗布装置,回路検査装置等、種々の装置が
あるが、作業装置が何であっても本発明の効果を享受す
ることができる。1サイクルの作業時間(1枚の回路基
材に対して行われる一連の作業の開始から終了までの時
間)が短いほど、1サイクルの作業時間に占める回路基
材の交替時間の割合が大きいため、メインコンベヤを複
数設けて回路基材の交替時間を実質的に0にする効果が
大きい。そのため、高粘性流体塗布装置や回路検査装置
等のように、1サイクルの作業時間が比較的短い装置に
おいては、本発明の効果を有効に享受することができ
る。特に、高粘性流体塗布装置は複数枚の回路基材に連
続して塗布することができる量の高粘性流体を保持して
いて、高粘性流体の補給時を除いて連続して複数枚の回
路基材に高粘性流体を塗布することが可能であり、回路
基材の交替により塗布作業が中断されず、能率良く作業
を行うことができる。1サイクルの作業時間が長く、1
サイクルの作業時間に占める回路基材の交替時間の割合
が小さくても、例えば、作業装置が回路部品装着装置の
ように高価な装置であれば、回路基材の交替時間を実質
的に0にして実質的な稼働率を向上させる効果は大き
い。回路部品装着装置は、第3発明に係る回路基材作業
システムにおけるように2つ設けてもよく、1つあるい
は3つ以上設けてもよい。また、回路部品装着装置が有
する部品保持具は、第4発明に係る回路基材作業システ
ムにおけるように複数でもよく、1つでもよい。回路部
品装着装置以外の作業装置も、複数設けてもよく、ある
いは1つ設けるのみでもよい。作業装置を複数設ける場
合、それら作業装置は種類が同じでもよく、異なってい
てもよい。
【0012】搬入コンベヤと搬出コンベヤとの両方が設
けられている作業システムにおいては勿論、いずれか一
方のみが設けられている回路基材作業システムにおいて
も本発明の効果を得ることができる。例えば、回路基材
に対して何らかの作業を行う作業装置が複数直列に並べ
られてライン状の作業システムを構成しており、本発明
に係る回路基材作業システムがラインの最下流に設けら
れていて、作業の済んだ回路基材がストッカ等の収納装
置に収納されるのであれば、ロボットや作業者によりメ
インコンベヤから取り出して収納装置に収納することが
可能であり、搬出コンベヤによる搬出が不可欠ではない
のである。このような回路基材作業システムにおいては
搬入コンベヤのみが設けられることとなるが、1つの搬
入コンベヤによって複数のメインコンベヤの1つに選択
的に回路基材を引き渡すことができ、本発明の効果を享
受することができる。また、例えば、本発明に係る作業
システムがライン状の作業システムの最上流に設けられ
ていて、ロボットや作業者等によりメインコンベヤに回
路基材がセットされたり、あるいは回路基材供給装置が
複数の基板引渡部を有していて、複数のメインコンベヤ
の各々に回路基材が引き渡されるのであれば、搬入コン
ベヤは不可欠ではない。このような回路基材作業システ
ムにおいても、1つの搬出コンベヤがシフトさせられて
複数のメインコンベヤから選択的に回路基材を搬出し、
本発明の効果を享受することができる。
【0013】なお、メインコンベヤは、発明の実施の形
態において説明するように2つでもよく、あるいは3つ
以上設けてもよい。メインコンベヤを3つ以上設ける場
合、シフト位置は3つ以上になり、搬入コンベヤ,搬出
コンベヤは、複数の流体圧シリンダの組合わせによって
複数のシフト位置に選択的にシフトさせてもよく、ある
いはサーボモータを駆動源として複数のシフト位置に選
択的にシフトさせてもよい。サーボモータを駆動源とす
れば、シフト位置以外の位置へも容易に移動させること
ができる。
【0014】第2発明においては、第1発明に係る回路
基材作業システムの作業装置が、複数のメインコンベヤ
のいずれに位置決め支持されている回路基材に対しても
回路部品を装着し得る回路部品装着装置を含むものとさ
れる。回路部品装着装置は、複数のメインコンベヤのう
ちの1つに位置決め支持されている回路基材への回路部
品の装着が終了すれば、直ちに、別のメインコンベヤに
位置決め支持されて待機している回路基材への回路部品
の装着を開始し、能率良く回路部品の装着を行うことが
できる。回路部品装着装置はいずれのメインコンベヤ上
の回路基材に対しても回路部品を装着し得るため、回路
部品装着装置を1つ設けるのみでもよいが、複数設け
て、一部の回路部品装着装置が回路部品供給装置から回
路部品を取り出す間も別の回路部品装着装置が回路部品
を回路基材に装着するようにすれば、回路部品の取出し
のために装着を中断せずに済み、能率良く回路部品を装
着することができる。回路部品装着装置の構成は様々で
あり、例えば、第4発明に係る回路基材作業システムの
回路部品装着装置のように、複数の部品保持具が共通の
旋回軸線のまわりに旋回させられ、予め定められた作業
位置に順次位置決めされるとともに、部品供給装置と複
数のメインコンベヤとの間を移動させられて回路部品の
受取りおよび回路基材への装着を行う装置や、複数の部
品保持具が直線移動させられて回路部品の受取りおよび
装着を行う装置、部品保持具を1つ有し、その部品保持
具を部品供給装置と回路基材とに跨がる搬送平面内の任
意の位置へ移動させて回路部品の受取りおよび装着を行
わせる装置等が好適である。
【0015】第3発明においては、第1発明に係る作業
システムのメインコンベヤが2つ並列に配設され、それ
ら2つのメインコンベヤの各外側方にそれぞれ回路部品
を供給する部品供給装置が配設されており、作業装置
が、それら2つの部品供給装置の各々から回路部品を受
け取り、前記2つのメインコンベヤの任意のものの上方
に搬送してそのメインコンベヤに位置決め支持されてい
る回路基材に装着する2つの回路部品装着装置を含むも
のとされる。本発明に係る回路基材作業システムにおい
ては、2つのメインコンベヤのうち、一方のメインコン
ベヤに位置決め支持された回路基材に対して、2つの回
路部品装着装置が共同して回路部品を装着し、1枚の回
路基材の回路を形成する。一方の回路部品装着装置が回
路部品を回路基材に装着している間、他方の回路部品装
着装置が部品供給装置から回路部品を受け取り、一方の
回路部品装着装置による回路部品の装着終了後、他方の
回路部品装着装置が替わって回路基材に回路部品を装着
するようにすれば、特に効果的である。回路部品装着装
置が1つであれば、その回路部品装着装置が保持する全
部の回路部品を回路基材に装着した後、部品供給装置か
ら回路部品を受け取って装着を開始するまでの間、装着
が行われず、無駄であるが、回路部品装着装置が2つで
交互に回路部品を装着するようにすれば、時間の無駄な
く回路部品を装着することができ、回路基材の交替時間
が実質的に0であることと相俟って更に装着能率が向上
する効果が得られるのである。ただし、回路部品装着装
置が2つで交互に回路部品を装着するようにすることは
不可欠ではない。そのようにしなくても、例えば、比較
的小形の2つの部品供給装置から多種類の回路部品を供
給することが可能であり、回路部品装着装置の移動距離
の増大を回避しつつ、多種類の回路部品を必要とする回
路の形成を行うことができる効果が得られるのである。
【0016】第4発明においては、第3発明に係る回路
基材作業システムの回路部品装着装置の各々が、共通の
旋回軸線のまわりを旋回可能な複数の部品保持具とそれ
ら複数の部品保持具をそれらの旋回軌跡上に予め定めら
れた作業位置に順次位置決めする保持具位置決め装置と
を備えた装着ヘッドと、その装着ヘッドを部品供給装置
の上方と前記2つのメインコンベヤの上方とに跨がる搬
送平面内の任意の位置に移動させる搬送用移動装置とを
含むものとされる。本発明に係る回路基材作業システム
において回路部品装着装置は、部品供給装置から1度に
複数の回路部品を受け取り、それら回路部品を回路基材
にまとめて装着する。そのため、部品保持具が1つであ
れば、1個の回路部品の装着毎に部品供給装置と回路基
材との間を往復しなければならないのに対し、往復回数
が少なくて済み、能率良く回路部品を回路基材に装着す
ることができる。部品受取り時に複数の部品保持具は旋
回軌跡上に予め定められた作業位置に順次位置決めされ
るため、毎回の部品保持具の旋回角度は小さくて済み、
また、部品供給装置と装着ヘッドとの相対的な位置決め
は、部品供給装置の次に回路部品を供給すべき部分と装
着ヘッドの作業位置とが一致するように行われればよ
い。したがって、部品供給装置上における回路部品の配
置を適切にすることにより、部品供給装置と装着ヘッド
との相対移動量を小さくすることができ、部品保持具の
旋回と移動とに要する時間は部品供給装置と回路基材と
の間の往復に要する時間に比べて著しく短くなり、回路
部品の受取りを能率良く行うことができる。回路部品を
回路基材に装着する際にも同様であり、装着を能率良く
行うことができる。保持具位置決め装置は、旋回によっ
て複数の部品保持具を作業位置に位置決めする保持具旋
回装置でもある。
【0017】つまり、本発明に係る回路基材作業システ
ムは、例えば、従来のインデックス型装着システムのイ
ンデックス型装着ヘッドをXYロボットに保持させたも
のに相当し、各装着ヘッドはインデックス型装着装置と
同様な装着能率を有し、2つの装着ヘッドが交互に回路
部品の受取りと装着とを行う場合には、回路部品の装着
時間ピッチ(装着作業のサイクルタイム)をインデック
ス型装着システムと同程度まで短縮し得る。しかも、イ
ンデックス型装着システムにおいては、インデックス型
装着装置がそれ自体で回路部品を部品供給装置から回路
基材上まで搬送する必要があるため、部品保持具の旋回
軌跡の直径を大きくせざるを得ず、インデックス型装着
ヘッドの回転速度を高めることが困難であるのに対し、
本発明においては部品保持具の旋回軌跡の直径をそれほ
ど大きくする必要がなく、部品保持具を高速で旋回させ
ることができる。また、装着ヘッド自体の移動によって
部品供給装置および回路基材と装着ヘッドとの相対位置
決めを行い得るため、部品供給装置を多数の部品フィー
ダとそれを支持して移動する移動テーブルとを含む部品
供給テーブルを備えたものとする必要がなく、また、回
路基材保持装置を回路基材の各部品装着箇所を部品装着
位置へ移動させるための移動が可能なものとする必要も
ない。部品供給テーブルや回路基材保持装置を移動させ
るためには、移動スペースを確保する必要がある。特
に、回路基材が大形のものである場合や装着すべき回路
部品の種類が多い場合には、回路基材保持装置や部品供
給テーブルが大形となり、これらの移動スペースが大き
くなるため、回路部品作業システムの設置スペースが大
きくなってしまうのであるが、本発明によればそれを回
避することができるのである。また、インデックス型装
着システムにおいては、大形の回路基材保持装置や部品
供給テーブルを急激に加速,減速することが困難である
ことが、装着時間ピッチを短縮する上で大きな障害とな
っているのであるが、本発明によればこの障害が解消さ
れる。
【0018】このように複数の部品保持具が旋回により
作業位置に順次位置決めされるとともに、搬送用移動装
置によって搬送面内の任意の位置へ移動させられる回路
部品装着装置は装着能率は高いが高価であり、基板交替
時間を実質上0にして回路部品装着装置を休みなく作動
させることによる設備費回収効果が大きく、第1発明の
効果を特に有効に享受することができる。
【0019】搬送平面は、水平面,傾斜面でもよく、X
Y座標面,極座標面等、種々の態様で規定され得る。例
えば、回路基材および部品供給装置が水平面に対して傾
斜して設けられていれば、装着ヘッドは水平面に対して
傾斜した搬送平面内を移動させられ、回路部品を部品供
給装置から取り出して回路基材に装着する。搬送平面が
XY座標面であれば、搬送用移動装置は、例えばXYロ
ボットにより構成することができる。
【0020】回路部品の受取りを行う作業位置と装着を
行う作業位置とは、発明の実施の形態において説明する
ように同じでもよく、異なってもよい。部品保持具は、
負圧により回路部品を吸着して保持する部品吸着具でも
よく、複数の把持部材と、その把持部材を互いに対称に
開閉させる把持部材開閉装置とを有する部品把持具等、
種々の態様の保持具が採用可能である。
【0021】第5発明においては、第1ないし第4発明
のいずれか1つに係る回路基材作業システムのメインコ
ンベヤの上流側に搬入コンベヤが、下流側に搬出コンベ
ヤがそれぞれ配設され、かつ、それら搬入コンベヤおよ
び搬出コンベヤの複数のシフト位置のうちの予め定めら
れた基準シフト位置にそれぞれ隣接して、搬入コンベヤ
に回路基材を引き渡す上流側装置と搬出コンベヤから回
路基材を受け取る下流側装置とが配設される。上流側装
置や下流側装置は、単に回路基材を搬入コンベヤに引き
渡し、あるいは搬出コンベヤから受け取る装置でもよ
く、回路基材に対して何らかの作業、例えば、接着剤の
塗布や接着剤の硬化等を行う装置でもよい。搬入コンベ
ヤは複数のシフト位置のいずれにおいても回路基材を受
け取ることができ、搬出コンベヤは複数のシフト位置の
いずれにおいても回路部品を引き渡すことができるた
め、上流側装置および下流側装置の各回路基材引渡位置
および受取位置が1つであって、その位置が搬入コンベ
ヤおよび搬出コンベヤのシフト方向において決まってい
ても、上流側装置および下流側装置の各回路基材引渡位
置および受取位置と一致するシフト位置を当該作業シス
テムの基準シフト位置として三者を接続すれば、回路基
材の受渡しを支障なく行うことができる。
【0022】第6発明においては、第1ないし第5発明
のいずれか1つに係る回路基材作業システムの搬入コン
ベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方の両サイドフレ
ームの少なくとも一方が他方に対して接近,離間する方
向に移動可能な可動フレームとされるとともに、その可
動フレームを他方に対して移動させることにより前記搬
入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方の搬送幅
を変更する幅変更装置が設けられており、その幅変更装
置が、 (a)前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なく
とも一方に対応して回転可能かつ軸方向に移動不能に設
けられ、その少なくとも一方の前記複数のシフト位置に
跨がって延びる駆動軸と、 (b)前記搬入コンベヤと搬出
コンベヤとの少なくとも一方に回転可能かつ軸方向に移
動不能に保持され、前記駆動軸に相対回転不能かつ軸方
向に相対移動可能に係合する被駆動回転体と、 (c)その
被駆動回転体の回転を前記可動フレームの運動に変換す
る運動変換装置とを含むものとされる。本発明に係る作
業システムにおいては、搬入コンベヤと搬出コンベヤと
のうちのシフト可能なものであるシフト可能コンベヤが
シフトさせられても駆動軸は軸方向に移動せず、しか
も、シフト可能コンベヤのシフト位置いかんを問わず、
そのシフト可能コンベヤの被駆動回転体を回転駆動する
ことができる。したがって、駆動軸に直接または回転伝
達装置を介して回転駆動力を与えるハンドルを定位置に
設けることができ、幅変更作業が容易になる。また、駆
動軸をモータ等の駆動源により駆動する場合には、駆動
源を定位置に静止させて設け、かつ、単純な回転伝達装
置により駆動源の回転を駆動軸に伝達することができ、
装置コストを低減し得る。当該回路基材作業システムが
搬入コンベヤおよび搬出コンベヤを含み、各コンベヤの
両サイドフレームの少なくとも一方が可動フレームとさ
れている場合、回転伝達装置を、ハンドルや駆動源等に
より与えられる回転駆動力を搬入コンベヤと搬出コンベ
ヤとの各々に対応して設けられた駆動軸の両方に伝達す
るものとすれば、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの各
搬送幅を同時に変更することができる。
【0023】
【発明の補足説明】本発明は上記各請求項に記載の態様
の外に、下記の態様でも実施可能である。実施の態様
は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項として記載
する。ただし、複数の請求項または実施態様項に従属す
る実施態様項にさらに従属する実施態様項は、それら複
数の請求項または実施態様項のすべてについて読み得る
とは限らず、論理的に矛盾を生じない項のみについて読
まれるべきものとする。 (1)前記メインコンベヤの上流側に前記搬入コンベヤ
が、下流側に前記搬出コンベヤがそれぞれ配設された請
求項1ないし4,6のいずれか1つに記載の回路基材作
業システム。 搬入コンベヤおよび搬出コンベヤは、メインコンベヤと
共に搬送方向を逆にすれば、それぞれ搬出コンベヤおよ
び搬入コンベヤとして機能するようにすることができ
る。 (2)実施態様項1に記載の回路基材作業システムが少
なくとも2つ直列に配列された回路基材作業システム。
この回路基材作業システムにおいては、上流側の作業シ
ステムの搬出コンベヤと下流側の作業システムの搬入コ
ンベヤとの間で回路基材の受渡しが行われる。搬出コン
ベヤも搬入コンベヤも複数のシフト位置に選択的にシフ
トさせることができ、複数のシフト位置のうちの任意の
1つにおいて回路基材の受渡しが行われる。回路基材の
受渡しが行われるシフト位置を1つに決めなくてもよ
く、隣接する2つの作業システムの作業の種類や作業の
進行度に応じて決定することができ、回路基材作業シス
テムの自由度が向上する。 (3)前記メインコンベヤの上流側に、前記搬入コンベ
ヤと前記搬出コンベヤとを兼ねた搬入搬出コンベヤが配
設された請求項1ないし4,6のいずれか1つに記載の
回路基材作業システム。搬入搬出コンベヤは正方向と逆
方向とに回路基材を搬送可能なものであり、正方向に搬
送する状態で搬入コンベヤとして機能し、逆方向に搬送
する状態で搬出コンベヤとして機能する。メインコンベ
ヤも正,逆両方向に回路基材を搬送可能なものとするこ
とが必要である。本態様は、回路基材を供給された側と
同じ側へ排出することが望ましい特殊な場合に有効であ
る。 (4)前記搬入コンベヤおよび搬出コンベヤを含み、前
記コンベヤシフト装置が、搬入コンベヤと搬出コンベヤ
とを互いに独立にシフトさせる搬入コンベヤシフト装置
と搬出コンベヤシフト装置とを含む請求項1ないし6,
実施態様項1,2のいずれか1つに記載の回路基材作業
システム。コンベヤシフト装置を、搬入コンベヤと搬出
コンベヤとを一斉にシフトさせるものとすることも可能
であるが、独立にシフトさせるものとすれば、回路基材
作業システムの自由度が向上する。 (5)前記コンベヤシフト装置が、前記搬入コンベヤと
搬出コンベヤとの少なくとも一方を支持するコンベヤ支
持台と、そのコンベヤ支持台をシフトさせる流体圧シリ
ンダとを含む請求項1ないし6,実施態様項1ないし4
のいずれか1つに記載の回路基材作業システム。流体圧
シリンダを使用すれば、搬入コンベヤや搬出コンベヤを
迅速にシフトさせ得るコンベヤシフト装置を安価に製造
することができる。 (6)前記流体圧シリンダが、前記複数のシフト位置に
跨がって配設されたロッドレスシリンダである実施態様
項5に記載の回路基材作業システム。ロッドレスシリダ
を使用すれば、ピストンロッドを備えた流体圧シリンダ
を使用する場合に比較して、コンベヤシフト装置をコン
パクトに構成し得る。 (7)前記コンベヤシフト装置が、前記搬入コンベヤと
搬出コンベヤとの少なくとも一方を支持するコンベヤ支
持台と、そのコンベヤ支持台を、電動モータを駆動源と
してシフトさせる駆動装置とを含む請求項1ないし6,
実施態様項1ないし4のいずれか1つに記載の回路基材
作業システム。電動モータは、回転モータでもよく、リ
ニアモータでもよい。回転モータとしては、例えば、回
転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータやステッ
プモータが採用可能であり、例えば、ねじ軸およびナッ
トを含む運動変換装置を介してコンベヤ支持台を直線移
動させる。 (8)前記コンベヤシフト装置が、前記搬入コンベヤと
搬出コンベヤとの少なくとも一方を、前記複数のメイン
コンベヤのうち両端に位置するメインコンベヤの各々に
つらなる2つのシフト位置を両端とする領域より広い領
域で移動させるものである請求項1ないし6,実施態様
項1ないし7のいずれか1つに記載の回路基材作業シス
テム。搬入コンベヤと搬出コンベヤとのうちシフト可能
なものであるシフト可能コンベヤのシフト領域は、その
シフト可能コンベヤを複数のメインコンベヤの各々につ
らならせるのみであれば、複数のメインコンベヤのうち
両端に位置するメインコンベヤの各々につらなる2つの
シフト位置を両端とする領域内で移動させれば十分であ
るが、それより広い領域でシフト可能とすれば、当該回
路基材作業システムと直列に配設される装置の回路基材
引渡位置あるいは受取位置の自由度が増し、ラインとし
ての回路基材作業システムの構成の自由度が増す。例え
ば、当該回路基材作業システム1台の上流側と下流側と
の少なくとも一方に複数の装置を並列に配設し、それら
を当該回路基材作業システムとつなぐことも可能にな
る。 (9)前記メインコンベヤが、前記回路基材を搬送面か
ら浮かして位置決め支持する基板位置決め支持装置を含
む請求項1ないし6,実施態様項1ないし8のいずれか
1つに記載の回路基材作業システム。この態様の基板位
置決め支持装置によれば回路基材を確実に位置決めし得
る。 (10)前記複数のメインコンベヤがそれぞれ回路基材
を支持して搬送するコンベヤベルトを備え、かつ、それ
ら複数のメインコンベヤのコンベヤベルトが共通のベル
ト駆動源により一斉に駆動される実施態様項9に記載の
回路基材作業システム。基板位置決め支持装置が回路基
材を搬送面から浮かして位置決め支持するものであれ
ば、複数のメインコンベヤのコンベヤベルトを一斉に作
動させても作業が行われている回路基材が移動すること
はない。また、ベルト駆動源を共通にすれば装置コスト
を低減させることができる。 (11)前記メインコンベヤ,前記搬入コンベヤおよび
前記搬出コンベヤの各々の両サイドフレームの少なくと
も一方が他方に対して接近,離間する方向に移動可能な
可動フレームとされており、かつ、メインコンベヤ,搬
入コンベヤおよび搬出コンベヤの各可動フレームを同時
に他方に対して移動させてメインコンベヤ,搬入コンベ
ヤおよび搬出コンベヤの搬送幅を同時に変更する幅変更
装置を含む請求項5,実施態様項1,2,4ないし10
のいずれか1つに記載の回路基材作業システム。 (12)前記幅変更装置が、前記搬入コンベヤと前記搬
出コンベヤとの各々に対応して回転可能かつ軸方向に移
動不能に設けられ、それらコンベヤの少なくとも前記複
数のシフト位置に跨がって延びる搬入側駆動軸および搬
出側駆動軸と、前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤと
にそれぞれ回転可能かつ軸方向に移動不能に保持され、
前記搬入側駆動軸および搬出側駆動軸にそれぞれ相対回
転不能かつ軸方向に相対移動可能に係合する被駆動回転
体と、その被駆動回転体の回転を前記可動フレームの運
動に変換する運動変換装置とを含む実施態様項11に記
載の回路基材作業システム。搬入コンベヤおよび搬出コ
ンベヤをシフトさせても、搬入コンベヤおよび搬出コン
ベヤの各被駆動回転体は搬入側駆動軸および搬出側駆動
軸に係合した状態を保つため、搬入,搬出コンベヤのシ
フト位置いかんを問わず、被駆動回転体を回転駆動し、
搬送幅を変更することができる。搬送幅が変更される際
の搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの各シフト位置は同
じであっても異なっていてもよく、搬入コンベヤ,搬出
コンベヤのシフトを独立に行うことができる。幅変更時
に搬入コンベヤおよび搬出コンベヤを特定の幅変更位置
へ移動させなくてもよく、その分、幅変更のための操作
が少なくて済むとともに、幅変更に要する時間が短くて
済む。運動変換装置は、例えば、可動フレームを移動可
能に支持する部材に、両サイドフレームが並ぶ方向に平
行な軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に設け
られたねじ軸と、可動フレームに相対回転不能かつ軸方
向に移動不能に設けられるとともに、ねじ軸に螺合され
たナットとを含んで構成される。両サイドフレームがい
ずれも可動フレームである場合、例えば、運動変換装置
を構成するねじ軸を左ねじ部と右ねじ部とを有するもの
とし、左ねじ部を一方の可動フレームに固定のナットに
螺合し、右ねじ部を他方の可動フレームに固定のナット
に螺合すれば、ねじ軸が回転させられることにより、一
対の可動フレームが対称に接近,離間させられて搬送幅
が変更される。 (13)前記幅変更装置がさらに、幅変更用回転駆動源
と、その幅変更用回転駆動源の回転を前記搬入側駆動軸
および搬出側駆動軸に伝達する回転伝達装置とを含む実
施態様項12に記載の回路基材作業システム。この態様
によれば、搬入コンベヤ,メインコンベヤおよび搬出コ
ンベヤの搬送幅の変更を動力により行うことが可能であ
り、幅変更用回転駆動源を自動制御する幅変更用回転駆
動源制御装置を付加すれば、搬送幅の自動変更が可能に
なる。搬入側駆動軸と搬出側駆動軸とのそれぞれについ
て専用の幅変更用回転駆動源を設け、それら幅変更用回
転駆動源を幅変更用回転駆動源制御装置により制御して
搬入側駆動軸と搬出側駆動軸とを同期して回転させるこ
とにより、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの各搬送幅
が同時に変更されるようにしてもよいが、本態様におけ
るように、両駆動軸について駆動源を共通とし、回転伝
達装置により幅変更用回転駆動源の回転を伝達した方が
システムを安価に構成し得る。幅変更用回転駆動源に代
えてハンドル等の手動操作部材を設け、その手動操作部
材により与えられる駆動力を回転伝達装置により搬入側
駆動軸および搬出側駆動軸に伝達するようにしてもよ
い。本態様によれば、幅変更用回転駆動源を搬入コンベ
ヤと搬出コンベヤとに共用でき、かつ、両コンベヤの幅
変更を同時に行うことが容易となる。 (14)前記幅変更装置がさらに、前記複数のメインコ
ンベヤのうちの少なくとも1つについて、回転可能かつ
軸方向に移動不能に設けられた被駆動回転体と、その被
駆動回転体の回転を前記少なくとも1つのメインコンベ
ヤの可動フレームの運動に変換する運動変換装置とを含
む実施態様項11ないし13のいずれか1つに記載の回
路基材作業システム。複数のメインコンベヤの各々につ
いて被駆動回転体および運動変換装置を設けるととも
に、各メインコンベヤの運動変換装置が同期して運動変
換するものとし、複数のメインコンベヤの各可動フレー
ムが同時に移動するようにしてもよく、あるいは複数の
メインコンベヤのうちの少なくとも1つについては被駆
動回転体および運動変換装置を設けず、その被駆動回転
体および運動変換装置が設けられないメインコンベヤの
可動フレームと、被駆動回転体および運動変換装置が設
けられたメインコンベヤの可動フレームとを連結部材に
より連結してもよい。複数のメインコンベヤの各々につ
いて設けられた運動変換装置は、例えば、複数のメイン
コンベヤの各々について専用に設けられた幅変更用回転
駆動源の制御により、同期して運動変換させることがで
き、あるいは複数の運動変換装置のうちの1つの運動が
他の運動変換装置に伝達されるように構成することによ
っても同期させることができる。 (15)前記幅変更装置がさらに、前記複数のメインコ
ンベヤの各可動フレームを一体的に連結する連結部材を
含む実施態様項14に記載の回路基材作業システム。 (16)前記回転伝達装置が、前記幅変更用回転駆動源
の回転を前記少なくとも1つのメインコンベヤの被駆動
回転体に回転を伝達する実施態様項14または15に記
載の回路基材作業システム。被駆動回転体を回転させる
幅変更用回転駆動源をメインコンベヤについて専用に設
け、搬入コンベヤ,搬出コンベヤ用の幅変更用回転駆動
源制御装置を、メインコンベヤの幅変更用回転駆動源を
自動制御し、メインコンベヤの搬送幅変更が搬入コンベ
ヤ,搬出コンベヤの搬送幅変更と同時に行われるように
してもよいが、本態様におけるように幅変更用回転駆動
源を搬入コンベヤおよび搬出コンベヤと共用にすれば、
システムを安価に構成し得る。幅変更用回転駆動源に代
えてハンドル等の手動操作部材を設ける場合、回転伝達
装置は、手動操作部材により与えられる駆動力を搬入側
駆動軸および搬出側駆動軸に加えて、メインコンベヤに
設けられた被駆動回転体に伝達するように構成される。
メインコンベヤについて専用の幅変更用回転駆動源を設
ける場合、複数のメインコンベヤの少なくとも1つに設
けられた被駆動回転体および運動変換装置の各々につい
て設けてもよく、共通に1つ設けてもよい。 (17)前記メインコンベヤ,前記搬入コンベヤおよび
前記搬出コンベヤの各々の両サイドフレームの少なくと
も一方が他方に対して接近,離間する方向に移動可能な
可動フレームとされており、かつ、搬入コンベヤと搬出
コンベヤとの各可動フレームを同時に移動させて搬入コ
ンベヤと搬出コンベヤとの搬送幅を同時に変更する幅変
更装置と、その幅変更装置による幅変更時にメインコン
ベヤの可動フレームと、搬入コンベヤおよび搬出コンベ
ヤの可動フレームとを一体的に移動する状態に連結する
フレーム連結装置とを含む請求項5,実施態様項1,
2,4ないし13のいずれか1つに記載の回路基材作業
システム。フレーム連結装置は、メインコンベヤの可動
フレームと、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの可動フ
レームとを連結する連結位置と、連結しない非連結位置
とに位置可能な連結部材を有する。これら可動フレーム
は連結部材により、他方のサイドフレームに対する接
近,離間方向において相対移動不能に連結される。連結
部材は作業者の操作により連結位置と非連結位置とに位
置させられるものとしてもよく、あるいは連結部材駆動
装置により駆動されて自動的に連結位置と非連結位置と
に位置させられるものとしてもよい。 (18)前記メインコンベヤと、前記搬入コンベヤと搬
出コンベヤとの少なくとも一方とがそれぞれ回路基材を
支持して搬送するコンベヤベルトを備え、かつ、メイン
コンベヤと、搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくと
も一方とがそれぞれ独自のベルト駆動源を備えた請求項
1ないし6,実施態様項1ないし17のいずれか1つに
記載の回路基材作業システム。メインコンベヤ,搬入コ
ンベヤおよび搬出コンベヤのベルト駆動源をそれぞれ専
用にすれば、各コンベヤを独立に作動させることがで
き、回路基材作業システムの自由度が向上する。 (19)前記保持具位置決め装置が、前記旋回軸線のま
わりに互いに独立に回動可能な複数の回動部材と、それ
ら複数の回動部材に、それぞれ前記旋回軸線を一周する
とともにその一周の間に1回以上の停止を含み、かつ互
いに一定時間差を有する回動運動を付与する回動運動付
与装置とを備え、それら回動部材の各々に前記旋回軸線
から等距離の位置に形成された保持部の各々に、前記部
品保持具がそれぞれ軸方向に移動可能に保持された請求
項4ないし6,実施態様項1ないし18のいずれか1つ
に記載の回路基材作業システム。部品保持具を保持し、
回動部材に部品保持具の軸線に平行な方向に移動可能に
保持された移動部材を設けることも可能である。この場
合には、移動部材の移動により部品保持具が自身の軸線
に平行な方向に移動させられることとなる。保持部を回
動部材に形成した保持穴とし、部品保持具を保持穴に回
転可能に嵌合すれば、部品保持具をその軸線のまわりに
回転させ、回路部品の保持方位を変更し、方位誤差を補
正することができる。このようにそれぞれ部品保持具を
保持して互いに独立に回動する複数の回動部材を備えた
保持具旋回装置は、特開平9−237997号公報に記
載されている。回動運動付与装置は、例えば、複数の回
動部材の各々に対してそれぞれ設けられたカムフォロワ
と、それらカムフォロワに順次係合してカムフォロワを
移動させることにより各回動部材を回動させる少なくと
も1個の回動運動付与カムとを含むものとされる。望ま
しくは、回動運動付与カムが、前記旋回軸線を中心とす
る円弧を、その円弧に対して前記旋回軸線とは反対側に
位置するとともにその旋回軸線と直角に立体交差する軸
線のまわりに回転させた場合その円弧が描く軌跡を外周
面とする鼓形カムとされ、鼓形カムが、複数の部品保持
具の旋回軸線を対称軸として軸対称に複数個配設され、
それら複数の鼓形カムの全軸線を含む一平面とそれら複
数の鼓形カムの各外周面との交線の集合が、実質的に連
続した一円周を描くものとされる。 (20)前記保持具位置決め装置が、前記旋回軸線のま
わりに回転させられるとともに、旋回軸線から等距離の
位置に複数個設けられた保持部の各々に前記複数の部品
保持具が軸方向に移動可能に保持された回転体を備えた
請求項4ないし6,実施態様項1ないし18のいずれか
1つに記載の回路基材作業システム。この態様において
も、保持部を保持穴とし、部品保持具を保持穴に回転可
能に嵌合すれば、部品保持具をその軸線のまわりに回転
させ、回路部品の保持方位を変更し、誤差を補正するこ
とができる。回転体は、間欠回転体でも、任意の角度回
転させられる回転体でもよい。駆動源は専用の駆動源で
もよく、他の装置、例えば部品保持具を昇降させる昇降
装置と共用させてもよい。専用の駆動源を用いれば、回
転体を任意の角度、任意の方向へ回転させることがで
き、回路部品の搬送能率を向上させることが容易であ
る。駆動源を共用にする場合、カム,カムフォロワ等を
含む運動変換装置により駆動源の回転を間欠回転体に伝
達すればよく、駆動源の数が少なくて済み、装置コスト
を低減させることができる。 (21)前記旋回軸線が前記搬送平面と直交し、前記保
持部が前記旋回軸線に平行に形成された実施態様項19
または20に記載の回路基材作業システム。搬送平面を
傾斜させれば、部品保持具も傾斜させられることとなる
が、例えば、回路部品装着システムにおいて、回路部品
が装着される回路基材や回路部品を供給する部品供給装
置が傾斜して設けられることがあり、部品保持具を傾斜
させることにより、回路部品の受取り、装着を部品供給
装置および回路部品に対して直角な姿勢で行うようにす
ることができる。 (22)前記複数の保持部が、前記旋回軸線を中心線と
する円錐面の複数の母線の各々を中心線として形成され
ており、前記旋回軸線が、前記搬送平面に対する垂線に
対して、前記円錐面の一母線が前記搬送平面と直交する
状態となる角度だけ傾斜させられた実施態様項19また
は20に記載の回路基材作業システム。搬送平面が水平
であれば、部品保持具は複数の停止位置のうちの1つに
おいて垂直となり、垂直方向において昇降させられる。
部品保持具を旋回させつつ高さ(搬送平面との距離)を
変えることができ、回路部品装着システムにおいて上下
方向の隙間に撮像装置を配設し得る等の効果が得られ
る。また、カム部材およびカムフォロワを設けて部品保
持具の高さを変える場合に比較して部品点数が少なくて
済み、移動質量が小さく、搬送用移動装置による装着ヘ
ッドの搬送速度を高くすることができ、回路部品の装着
能率を向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、第1ないし第6発明に共通
の実施形態である回路部品装着システムを図面に基づい
て説明する。本回路部品装着システム8は、図47に概
略的に示すように、図中、矢印で示す回路基材の搬送方
向において上流側に設けられた上流側装置であって、塗
布システムの一種であり、回路基材にペースト状半田を
印刷するスクリーン印刷システム2と、下流側に設けら
れた下流側装置たるリフローシステム(リフロー炉を有
し、半田を溶融させて回路部品を回路基材に電気的に接
続するシステム)4と共に電子回路組立ライン6を構成
している。回路部品装着システム8は回路基材作業シス
テムたるプリント基板作業システムの一種であり、電子
回路組立ライン6もプリント基板作業システムの一種で
あってライン状に構成されたプリント基板作業システム
である。
【0025】回路部品装着システム8を説明する。図1
において10は基台である。基台10上には、基板コン
ベヤ12,2個ずつの回路部品供給装置14,16およ
び回路部品装着装置18,20が設けられている。基板
コンベヤ12は、2つのメインコンベヤ400,402
と、1つずつの搬入コンベヤ404および搬出コンベヤ
406とを備えている。これらメインコンベヤ400,
402は、回路基材の一種であるプリント基板408
(図3参照)の搬送方向(図1において左右方向であ
り、プリント基板408の搬送方向をX軸方向とする)
と水平面内において直角な方向(Y軸方向とする)に並
列に配設されている。
【0026】搬入コンベヤ404を説明する。図2に示
すように、基台10上には、静止部材の一種である案内
部材支持台420が高さ調節部材たる複数本のアジャス
トボルト422により高さ調節可能に取り付けられてい
る。案内部材支持台420は図4に示すように矩形の枠
状を成し、メインコンベヤ400および402の両方に
わたって隣接する長さを有する。案内部材支持台420
のY軸方向に平行な一対の枠部上にはそれぞれ、案内部
材たる直線状のガイドレール424がY軸方向に平行に
固定されるとともに、図2および図4に示すように、コ
ンベヤ支持台426が複数個(本実施形態においては4
個)の被案内部たるガイドブロック428において移動
可能に嵌合されている。ガイドブロック428は図示し
ないボールを介してガイドレールに嵌合されており、こ
れらガイドレール424およびガイドブロック428が
案内装置の一種であるリニアボールガイドを構成してい
る。コンベヤ支持台426上に搬入コンベヤ404が設
けられている。
【0027】コンベヤ支持台426は矩形の枠状を成
し、図4に示すように、Y軸方向に平行な一対の枠部4
30を連結する連結部材432の長手方向の中央部にお
いて、ロッドレスシリンダ436の移動子に固定されて
いる。ロッドレスシリンダ436はピストンロッドのな
い空気圧シリンダである。ロッドレスシリンダ436に
おいては、ピストンと一体的に設けられた図示しない移
動子が気密を保ってハウジング外へ突出させられてお
り、その移動子に連結部材432が固定されている。ロ
ッドレスシリンダ436は、前記案内部材支持台420
上にY軸方向に平行に設けられており、コンベヤ支持台
426がロッドレスシリンダ436によりガイドレール
424に案内されて移動させられ、それにより搬入コン
ベヤ404がメインコンベヤ400につらなる第1シフ
ト位置と、メインコンベヤ402につらなる第2シフト
位置とにシフトさせられる。これらコンベヤ支持台42
6およびロッドレスシリンダ436が搬入コンベヤシフ
ト装置438を構成している。搬入コンベヤ404が第
1シフト位置に位置するか、第2シフト位置に位置する
かは、ロッドレスシリンダ436においてピストンの移
動端への移動が移動端検出装置によって検出されること
によりわかる。
【0028】搬入コンベヤ404は、図4に示すよう
に、サイドフレームたる固定フレーム440および可動
フレーム442を有する。これらフレーム440,44
2はコンベヤ支持台426の基板搬送方向の寸法より長
い長手形状を成し、固定フレーム440はコンベヤ支持
台426の基板搬送方向に平行な一方の端部に基板搬送
方向と平行に固定され、可動フレーム442は、基板搬
送方向と平行に配設されるとともに、コンベヤ支持台4
26に、基板搬送方向と直角な方向に移動可能であっ
て、固定フレーム440に対して接近,離間可能に取り
付けられている。
【0029】コンベヤ支持台426の基板搬送方向に平
行な端部であって、固定フレーム440が固定された側
とは反対側の端部には、基板搬送方向と平行に延びる支
持部444が設けられており、固定フレーム440と支
持部444とには、案内部材たる一対の直線状のガイド
レール446の両端部が固定されるとともに、ねじ軸4
48の両端部が回転可能かつ軸方向に移動不能に支持さ
れている。ガイドレール446およびねじ軸448は可
動フレーム442の移動方向と平行に配設されているの
であり、ガイドレール446には、可動フレーム442
に固定された被案内部材たる筒状のガイドブロック45
0が図示しないボールを介して移動可能に嵌合され、ね
じ軸448には、可動フレーム442に固定されたナッ
ト452が螺合されている。これらねじ軸448および
ナット452は図示しない鋼球を介して作動するボール
ねじを構成している。したがって、ねじ軸448が回転
させられれば、可動フレーム442がガイドレール44
6により案内されて固定フレーム440に接近,離間さ
せられる。また、ガイドレール446およびガイドブロ
ック450は案内装置の一種であるリニアボールガイド
を構成している。
【0030】前記案内部材支持台420には、図4に示
すように、スプライン軸456がY軸方向に平行な軸線
のまわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられて
いる。スプライン軸456は、図2および図4に示すよ
うに、第1,第2シフト位置に跨がって設けられ、固定
フレーム440および可動フレーム442の下側に位置
する。スプライン軸456には、固定フレーム440に
ブラケット457(図2参照)によって回転可能かつ軸
方向に移動不能に取り付けられたスプライン筒458が
相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されてい
る。スプライン筒458は、スプライン軸456とスプ
ライン嵌合するスプライン穴を備えた部材であり、スプ
ライン軸456にボールを介して噛み合わされてスプラ
イン軸456と共にボールスプラインを構成している。
スプライン筒458にはスプロケット460が一体的に
設けられている。このスプロケット460と、前記ねじ
軸448に固定されたスプロケット462とにチェーン
464(図2参照。図4ではチェーン464の図示は省
略されている。)が巻きかけられており、スプライン軸
456の回転がねじ軸448に伝達される。466はテ
ンションスプロケットである。
【0031】スプライン軸456の固定フレーム440
から外側(可動フレーム442とは反対側)へ突出させ
られた端部には、図2および図4に示すように、スプロ
ケット468が固定されている。スプライン軸456
は、スプロケット468に巻きかけられたチェーン47
0(図2および図4参照)が移動させられることにより
回転させられ、それによりねじ軸448が回転させられ
て可動フレーム442が移動させられ、搬入コンベヤ4
04の搬送幅が変更される。搬入コンベヤ404がコン
ベヤ支持台426の移動によりシフトさせられるとき、
スプライン筒458に固定のスプロケット460は固定
フレーム440と共にスプライン軸456に対して軸方
向に移動するが、スプライン筒458がスプライン軸4
56に嵌合したままであって回転が伝達される状態に保
たれ、搬入コンベヤ404がいずれのシフト位置に位置
してもねじ軸448に回転が伝達されて搬送幅が変更さ
れる。なお、搬入コンベヤ404の搬送幅の変更は、メ
インコンベヤ400,402および搬出コンベヤ406
の搬送幅の変更と同時に行われるため、チェーン470
の配設および駆動源については後に説明する。
【0032】固定フレーム440およびコンベヤ支持台
426の支持部444はまた、図4に示すように、Y軸
方向に平行に配設された回転伝達軸たるスプライン軸4
80の両端部を回転可能かつ軸方向に移動不能に支持し
ている。スプライン軸480の可動フレーム442側の
端部は、可動フレーム442に回転可能かつ軸方向に移
動不能に取り付けられたスプライン筒482に相対回転
不能かつ軸方向に移動可能に嵌合され、スプライン軸4
80と共にボールスプラインを構成している。スプライ
ン軸480の固定フレーム440から外側へ突出した端
部には、スプロケット484が固定されるとともに、ベ
ルト駆動源たる基板搬送用モータ486の出力軸に固定
のスプロケット488(図2参照)にチェーン490に
よって連結されている。基板搬送用モータ486は、電
動モータの一種である電動回転モータたるAC三相モー
タの一種であるインダクションモータである。
【0033】スプライン軸480の固定フレーム440
側の端部に一体的に設けられたプーリ492(図2参
照)および固定フレーム440に取り付けられた複数の
プーリ494(図4には2個のみ図示されている)に
は、図示しないコンベヤベルトが巻きかけられている。
スプライン筒482にも図示しないプーリが一体的に設
けられており、このプーリおよび可動フレーム442に
回転可能に取り付けられた複数のプーリ496(図4に
は2個のみ図示されている)にコンベヤベルトが巻きか
けられている。したがって、基板搬送用モータ486が
起動されれば、スプライン軸480が回転させられると
ともにプーリ492等が回転させられ、一対のコンベヤ
ベルトが移動させられてコンベヤベルト上に載せられた
プリント基板408が送られる。基板搬送用モータ48
6はコンベヤ支持台426に取り付けられており、搬入
コンベヤ404と共に移動させられ、搬入コンベヤ40
4が第1,第2シフト位置のいずれに位置する状態にお
いても、プリント基板搬送用の駆動源として機能する。
【0034】プリント基板408の移動は、固定フレー
ム440と可動フレーム442とにそれぞれ固定された
長手形状の案内部材498,500(図4参照)の垂直
な案内面により、幅方向の両側から案内される。案内部
材498,500には、コンベヤベルト上へ延び出す押
さえ部が設けられ、プリント基板408のコンベヤベル
トからの浮上がりを防止する。
【0035】固定フレーム440の基板搬送方向におい
て下流側の部分には、図4に示すように、プリント基板
の到着を検出する基板到着確認センサ504が取り付け
られている。基板到着確認センサ504は、発光部およ
び受光部を含む反射型の光電センサであるが、発光部お
よび受光部を含む透過型の光電センサ,リミットスイッ
チ,近接スイッチ等、種々のセンサの採用が可能であ
る。
【0036】搬出コンベヤ406は搬入コンベヤ404
と同様に構成されており、対応する部分には同一の符号
を付して説明を省略する。なお、コンベヤ支持台426
およびロッドレスシリンダ438は、搬出コンベヤ40
6においては、搬出コンベヤシフト装置508を構成
し、搬入コンベヤ404と搬出コンベヤ406とはそれ
ぞれ、搬入コンベヤシフト装置438と搬出コンベヤシ
フト装置508とによって互いに独立にシフトさせられ
る。搬出コンベヤ406についても、メインコンベヤ4
00につらなるシフト位置が第1シフト位置であり、メ
インコンベヤ402につらなるシフト位置が第2シフト
位置である。なお、搬出コンベヤ406側には、図1に
示すように、搬送幅変更用の操作部材たるハンドル51
0が設けられている。基台10上にはブラケット512
によって回転軸514がY軸方向に平行な軸線まわりに
回転可能に取り付けられるとともに、一端部にハンドル
510が固定され、他端部にはスプロケット516が固
定されている。スプロケット516には、前記チェーン
470が巻きかけられている。チェーン470はまた、
ブラケット512に回転可能に取り付けられたスプロケ
ット518にも巻きかけられている。
【0037】メインコンベヤ400,402を説明す
る。メインコンベヤ400,402の構成はほぼ同じで
あり、メインコンベヤ400を主に説明する。基台10
の搬入コンベヤ404と搬出コンベヤ406との間の部
分には、図2および図4に示すように、静止部材の一種
であるコンベヤ支持台520が固定されている。コンベ
ヤ支持台520は、Y軸方向においてメインコンベヤ2
個分の大きさを有し、コンベヤ支持台520のY軸方向
に平行な両端部にはそれぞれ、案内部材たる直線状のガ
イドレール522(図2,図4参照)がY軸方向に平行
に固定されている。
【0038】メインコンベヤ400は、サイドフレーム
たる固定フレーム524および可動フレーム526を有
する。これらフレーム524,526はそれぞれ、図2
に固定フレーム524を代表的に示すように、一対の脚
部528と、それら脚部528の上端部を連結する連結
部530とを有する門形を成し、固定フレーム524は
一対の脚部528においてコンベヤ支持台520に固定
されている。可動フレーム526の一対の脚部528に
はそれぞれ、被案内部材たるガイドブロック532が固
定されるとともに、ガイドレール522に図示しないボ
ールを介して移動可能に嵌合されており、これらガイド
ブロック532およびガイドレール522が案内装置の
一種であるリニアボールガイドを構成している。
【0039】メインコンベヤ400の固定フレーム52
4の一対の脚部528にはそれぞれ、図4および図5に
示すように、ねじ軸536の一端部が回転可能かつ軸方
向に移動不能に取り付けられている(図4には一方のね
じ軸536のみが図示されている)。これら一対のねじ
軸536はそれぞれ、図5に示すように、メインコンベ
ヤ400の可動フレーム526の基板搬送方向に平行な
方向の両端部にそれぞれ固定されたナット538に螺合
されるとともに、可動フレーム526から突出した他端
部は、メインコンベヤ402の固定フレーム524によ
り回転可能かつ軸方向に移動不能に支持されている。こ
れらねじ軸536およびナット538は、ボールねじを
構成している。また、メインコンベヤ400および40
2の各可動フレーム526は、連結部材540により連
結されており、一体的に移動させられる。
【0040】上記一対のねじ軸536のメインコンベヤ
400の固定フレーム524からの突出端部にはそれぞ
れ、図2および図5に示すように、スプロケット542
が固定されている。前記チェーン470は、図2および
図6に示すように、スプロケット542と、コンベヤ支
持台520と固定フレーム524とにそれぞれ取り付け
られた複数のスプロケット544とに巻きかけられてい
る。したがって、前記ハンドル510が作業者により回
転操作されれば、チェーン470が移動させられ、メイ
ンコンベヤ400の2本のねじ軸536が回転させられ
るとともに、搬入コンベヤ404および搬出コンベヤ4
06の各スプライン軸456が回転させられてねじ軸4
48が回転させられる。それによりコンベヤ400〜4
06の各可動フレーム442,526が一斉に同じ方向
へ同じ距離移動させられ、コンベヤ400〜406の各
搬送幅が同時に同じ大きさに変更される。メインコンベ
ヤ400および402の各可動フレーム526は、連結
部材540により連結されており、ねじ軸536の回転
によってメインコンベヤ400の可動フレーム526が
移動させられることにより、メインコンベヤ402の可
動フレーム526も移動させられて搬送幅が変更され
る。搬入コンベヤ404,搬出コンベヤ406およびメ
インコンベヤ400の各スプライン軸456およびねじ
軸536はスプロケット468,542等を介してチェ
ーン470により連結され、スプライン軸456とねじ
軸448とは、スプロケット460,462,466,
チェーン464により連結されているため、各コンベヤ
404,406,400,402の搬送幅は互いにずれ
ることなく、精度良く同期して変更される。
【0041】固定フレーム524および可動フレーム5
26の各連結部530の互いに対向する面にはそれぞ
れ、基板搬送方向において隔たった両端部を始めとし、
複数箇所に図示しないプーリが回転可能に取り付けられ
るとともに、無端のコンベヤベルト546(図5参照)
が巻きかけられている。これらコンベヤベルト546は
それぞれ、固定フレーム524と可動フレーム526と
によって回転可能に支持されたスプライン軸548が回
転させられることにより移動させられる。
【0042】メインコンベヤ400のスプライン軸54
8は、図5に示すように、固定フレーム524によって
回転可能に支持されるとともに、可動フレーム526に
回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられたスプラ
イン筒550が相対回転不能かつ軸方向に移動可能に嵌
合されており、スプライン軸548,スプライン筒55
0はボールスプラインを構成している。スプライン軸5
48の固定フレーム524側の端部と、スプライン筒5
50とにはそれぞれ、プーリ553が一体的に設けら
れ、コンベヤベルト546が巻きかけられている。スプ
ライン軸548はさらに、メインコンベヤ400の可動
フレーム526から突出させられ、メインコンベヤ40
2の固定フレーム524により回転可能に支持されると
ともに、プーリ553が一体的に設けられてコンベヤベ
ルト546が巻きかけられている。このスプライン軸5
48と、メインコンベヤ402に設けられたスプライン
軸548とは継手部材552により連結され、一体的に
回転させられる。
【0043】メインコンベヤ402のスプライン軸54
8は、図5に示すように、可動フレーム526から突出
させられるとともに、突出端部はコンベヤ支持台520
に固定の支持部材554により回転可能に支持されてい
る。この突出端部にはスプロケット556が固定される
とともに、支持部材554に取り付けられた基板搬送用
モータ558の出力軸に固定のスプロケット560(図
4参照)にチェーン562によって連結されている。基
板搬送用モータ558は、電動モータの一種である電動
回転モータたるAC三相モータの一種であるスピードコ
ントロールモータである。
【0044】したがって、基板搬送用モータ558が起
動されれば、2本のスプライン軸548が一体的に回転
させられ、プーリ553の回転によりコンベヤベルト5
46が移動させられてプリント基板408が送られる。
なお、コンベヤベルト546の移動は、固定フレーム5
24および可動フレーム526に固定のベルトガイド5
64(図5参照)により案内される。また、プリント基
板408の移動は、固定フレーム524および可動フレ
ーム526にそれぞれ固定の案内部材566,568の
垂直な案内面により幅方向の両側から案内され、プリン
ト基板408のコンベヤベルト540からの浮上がりは
案内部材566,568に突設された押さえ部570,
572により防止される。押さえ部570,572とコ
ンベヤベルト546の上面との間には、プリント基板4
08の厚さより大きい隙間があり、コンベヤベルト54
6上に載置されたプリント基板408と押さえ部57
0,572との間には僅かに隙間が設けられる。搬送幅
の変更時に、スプライン筒550はスプライン軸548
に対して軸方向に移動するが、スプライン嵌合した状態
に保たれ、搬送幅が変更されてもプーリ553に基板搬
送用モータ558の回転が伝達され、プリント基板40
8が搬送される。
【0045】固定フレーム524および可動フレーム5
26の互いに対向する面には更に、図5に示すように、
突上部材580がそれぞれ昇降可能に取り付けられてい
る。突上部材580は薄い板状を成し、固定フレーム5
24および可動フレーム526とほぼ同じ長さを有し、
固定フレーム524および可動フレーム526にそれぞ
れ、昇降可能に取り付けられた保持部材582に固定さ
れて、コンベヤベルト546の内側(他方のコンベヤベ
ルト546側)に位置させられている。
【0046】保持部材582の下面の長手方向に隔たっ
た両端部にはそれぞれ、係合部材584(図2参照)が
下向きに突設されている(図2には一方の係合部材58
4のみ図示されている)。保持部材582は、前記連結
部530との間に配設された付勢手段の一種である弾性
部材としての圧縮コイルスプリング586(図2参照)
により下方へ付勢されており、突上部材580は、常に
は、上端面がプリント基板408の搬送面(環状に配設
されたコンベヤベルト546の上側の水平部の上面を含
む面)より下方であって、プリント基板408と干渉し
ない退避位置に退避させられている。
【0047】前記コンベヤ支持台520上には、図5に
示すように、昇降台598および昇降台昇降装置600
が設けられている。昇降台598は、メインコンベヤ4
00,402が搬送するプリント基板408のうち、最
も大きいプリント基板408より大きい寸法を有する。
なお、前記可動フレーム526の前記一対の脚部528
間の距離は、昇降台598のX軸方向の寸法より大きく
され、搬送幅の変更時に昇降台598と干渉しないよう
にされている。また、昇降台598上には、基板支持部
材たる複数の基板吸着具602が位置調節可能に設けら
れている(図1,図4および図5には、1つのみ図示さ
れている)。基板吸着具602は、図示しない真空装置
により供給される負圧によってプリント基板408を吸
着する。
【0048】昇降台昇降装置600は、コンベヤ支持台
520上にX軸方向に平行な軸線まわりに回動可能に取
り付けられた一対の回動軸608を有し、各回動軸60
8の両端部にはそれぞれ、レバー610の一端部(図5
参照)が相対回転不能に取り付けられている。これら4
本のレバー610の各自由端部に回転可能に取り付けら
れたローラ612はそれぞれ、昇降台598の下面に一
体的に設けられた係合凹部614(図2参照)に回転可
能に嵌合されている。一対の回動軸608は一体的に回
動するように連結されており、一方の回動軸608が図
示しない駆動シリンダによって回動させられれば、4個
のレバー610が同時に回動させられて昇降台598が
水平な姿勢を保って昇降させられる。昇降台598の昇
降は、図5に示すように、昇降台598に固定の被案内
部材たるガイドロッド616と、コンベヤ支持台520
上に固定の案内部材たるガイド筒618との嵌合により
案内される。これらガイドロッド616,ガイド筒61
8が案内装置を構成している。
【0049】昇降台598が上昇させられるとき、基板
吸着具602が負圧によりプリント基板408を吸着
し、基板吸着具602のゴム製の吸着カップに覆われた
支持部材の支持面がプリント基板408を下方から支持
する。また、昇降台598は係合部材584に係合し、
保持部材582、ひいては突上部材580を圧縮コイル
スプリング586の付勢力に抗して上昇させ、プリント
基板408をコンベヤベルト546上から突き上げさせ
る。プリント基板408は基板吸着具602により吸着
されて下方から支持されるとともに、コンベヤベルト5
46から持ち上げられて突上部材580と案内部材56
6,568の押さえ部570,572とに挟まれ、上方
あるいは下方への反りが修正された状態でメインコンベ
ヤ400,402に固定される。基板吸着具602の昇
降台598上における位置は、プリント基板408の寸
法等に応じて調節される。プリント基板408の寸法が
小さい場合は、基板吸着具602は省略されることもあ
る。
【0050】メインコンベヤ400,402の基板搬送
方向において下流側にはそれぞれ、図4に示すように、
減速開始位置センサ620,基板到着確認センサ622
および基板停止装置624が設けられている。減速開始
位置センサ620および基板到着確認センサ622はそ
れぞれ、発光部および受光部を有する反射型の光電セン
サにより構成され、プリント基板408からの光の反射
によりプリント基板408の減速開始位置への到達、基
板到着確認位置への到達を検出する。昇降台598に
は、切欠626が設けられ、光がプリント基板408に
当たるようにされている。減速開始位置センサ620,
基板到着確認センサ622は、反射型の光電センサに限
らず、透過型の光電センサ,近接スイッチ,リミットス
イッチ等により構成してもよい。
【0051】基板停止装置624は、両センサ620,
622より下流側に設けられ、ストッパ部材630と、
ストッパ部材630を昇降させる昇降装置632とを有
する。昇降装置632は、図2に示すように流体圧シリ
ンダたるエアシリンダ634を駆動源とし、ストッパ部
材630はエアシリンダ634により、搬送面より上方
へ突出してプリント基板408の移動を止める作用位置
と、搬送面の下方へ退避させられてプリント基板408
の通過を許容する非作用位置とに移動させられる。
【0052】このように基板コンベヤ12においてはメ
インコンベヤが2個設けられており、プリント基板40
8の搬送経路がY軸方向に並んで2つある。しかし、本
回路部品装着システム8の上流側に設けられたスクリー
ン印刷システム2および下流側に設けられたリフローシ
ステム4はいずれも、プリント基板408の搬送経路が
1つであって同一線上に位置する装置およびシステムで
あり、回路部品装着システム8は、メインコンベヤ40
0を含む搬送経路がスクリーン印刷システム2およびリ
フローシステム4の搬送経路と一致する位置に設けら
れ、プリント基板408の受渡しが、搬入,搬出コンベ
ヤ404,406が第1シフト位置に位置する状態で行
われるようにされている。本回路部品装着システム8等
により構成される電子回路組立ライン6の基板搬送方向
と直角な方向において作業者が作業を施す側は予め定め
られており、2つのメインコンベヤ400,402のう
ち、作業者側となるメインコンベヤ400がスクリーン
印刷システム2およびリフローシステム4と並ぶ位置に
設けられているのである。
【0053】回路部品供給装置14,16を説明する。
回路部品供給装置14,16はそれぞれ、メインコンベ
ヤ400,402の外側方に配設されている。回路部品
供給装置14,16の構成は同じであり、供給する回路
部品の種類も同じである。回路部品供給装置14を代表
的に説明する。
【0054】回路部品供給装置14は、図7に示すよう
に、本体部としての回路部品供給台車52(以下、台車
52と略称する)と、台車52に保持されてそれと共に
回路部品供給装置14を構成する複数のフィーダ54と
を備えている。図7において、フィーダ54は、想像線
(二点鎖線)で示されている。台車52は、ベース60
と、ハンドル61と、ベース60に支持されたフレーム
62と、そのフレーム62に取り付けられたフレームプ
レート63と、フレーム62上に設けられたフィーダ保
持装置64と、フレーム62に設けられた2つの係合部
66(図7には一つのみ図示されている)とを主たる構
成要素としている。
【0055】2つの係合部66は、図8に示すように、
前記基台10に設けられた2つの係合装置68に係合さ
せられることにより、基台10と台車52とを機械的に
合体させる。各係合装置68は、基台10と台車52と
が並ぶ方向(図8において左右方向)に平行移動し、か
つ、その移動方向に平行な軸を回転軸とする回転移動が
可能な花弁型の係合突起70を備えている。上記平行移
動は、係合装置68に内蔵された複動のエアシリンダに
よって行われる。また、この平行移動の過程で、係合突
起70は、図示しないカム機構によって、その移動方向
に平行な軸線まわりに一定角度(例えば、90度)回転
させられるようになっている。
【0056】基台10と台車52とが合体していない状
態では、係合突起70は突出状態にあり、かつ、係合部
66と軸方向に嵌合可能な回転位相にある。係合部66
は丸穴部71とその丸穴部71から互いに逆向きに延び
た一対の切欠72(それらは、水平方向に対峙する。図
7には一方の切欠72のみ図示されている)とを有する
開口を備えており、基台10と台車52とが合体のため
に接近させられると、係合突起70は係合部66の切欠
72を通過する。その状態で、エアシリンダの一方の圧
力室にエアが供給され、他方の圧力室からのエアの流出
が許容されると、当初は係合突起70が正方向に回転さ
せられつつ引っ込まされ、係合突起70が係合部66と
軸方向に離脱不能に係合する。係合突起70は、回転を
停止した後も一定距離引っ込まされ、それによって台車
52が基台10に強く引き付けられる。エアの供給状態
が逆転させられると、当初は係合突起70が回転するこ
となく突出させられ、台車52が基台10から離間する
ことが許容され、その後、係合突起70が突出させられ
つつ回転させられ、係合部66から軸方向に離脱可能な
状態となる。
【0057】基台10には、2個のガイドテーパスリー
ブ74が設けられている(図8には1個のみ図示されて
いる)。ガイドテーパスリーブ74は、係合突起70と
係合部66との係合を妨げない位置において係合部66
に嵌合させられる。具体的には、丸穴部71と嵌合させ
られるのであるが、係合突起70は、ガイドテーパスリ
ーブ74よりも図8において台車52側に位置している
ので、係合突起70と係合部66との係合は妨げられな
い。2組のガイドテーパスリーブ74と丸穴部71との
嵌合により、台車52の基台10に対する垂直面に平行
な方向の位置決めが正確に行われる。
【0058】図7に示すように、基台10と台車52と
には、ガイド機構80が設けられている。ガイド機構8
0は、基台10に取り付けられる2つのガイド部材82
と、台車52のベース60に取り付けられる2つのロー
ラ84とにより構成されている(図7には、ガイド部材
82およびローラ84はそれぞれ、1つずつ図示されい
ている)。なお、図7に示すガイド部材82と台車52
との相対位置は、基台10と台車52とが合体させられ
た後の状態における位置が示されている。この状態で
は、ベース60にそれぞれ2つずつ設けられている固定
車輪86と回動可能車輪88とが床から離れた状態とな
る。また、ローラ84もガイド部材82からわずかでは
あるが離間した状態となる。基台10と台車52とが合
体していない状態では、各2つずつの固定車輪86と回
動可能車輪88とが共に床に支持されており、台車52
は容易に移動させることができる。
【0059】合体のために基台10に台車52が接近さ
せられると、ローラ84が、ガイド部材82に形成され
ている斜面90上を転がり上がり、その過程で固定車輪
86が床から離間させられる。基台10と台車52とが
さらに接近させられると、ガイド部材82に形成された
ガイドレール92上をローラ84が転がる。ガイドレー
ル92は、ローラ84との係合によって、基台10と台
車52との水平方向(図7の紙面に直交する方向)の相
対位置を、合体が容易に成され得る位置に調整する機能
を果たす。このことにより、丸穴部71とガイドテーパ
スリーブ74との嵌合が容易に開始できるようにされて
いるのである。
【0060】基台10には、図示しない検出装置が設け
られている。丸穴部71とガイドテーパスリーブ74と
が嵌合し、当接部94が基台10に形成される図示しな
い突起に当接させられた状態で、上記図示しない検出装
置により、台車52に設けられた合体検出用突起(図示
省略)が検出されるようになっている。そして、検出装
置により合体検出用突起が検出されると、係合装置68
のエアシリンダが作動させられ、前述のように、係合突
起70が係合部66に軸方向に離脱不能に係合し、台車
52を基台10に向かって引き付けて固定する。
【0061】図8に示すように、台車52は、係合部6
6において基台10に引き付けられ、係合部66の当接
面96が係合装置68側の当接面97に当接するととも
に、前記当接部94において基台10に形成される図示
しない突起に当接させられることにより、台車52の合
体方向の位置決めが正確に行われる。当接面97と上記
図示しない突起の当接面とによって規定される平面(図
示の例では垂直面)が合体面であり、その合体面に直角
な方向が合体方向である。なお、係合装置68が係合突
起70を基台10側に引き付ける際の引付力は、回動可
能車輪88を床から、ローラ84をガイドレール92か
らそれぞれ離れさせるために必要な力よりも更に大きく
されており、台車52と基台10との合体が強固になさ
れる(例えば、各係合装置68毎に約250kgf ≒24
50N程度の大きさとされる)。
【0062】フィーダ54は、フィーダ保持装置64に
設けられる複数のフィーダ保持ユニット100により、
各々1つずつ保持される。本実施形態の台車52におい
ては、フィーダ保持装置64の本体部材(後述のベース
プレート106)によりフィーダ保持部材が構成され、
フィーダ保持ユニット100によりフィーダ保持部が構
成されているのである。本フィーダ保持装置64は、隣
接する6つのフィーダ保持ユニット100からなるフィ
ーダ保持ユニット群102を4つ備えている(図7に
は、1つのフィーダ保持ユニット群102のうちの1つ
のフィーダ保持ユニット100のみが図示されてい
る)。したがって、本フィーダ保持装置64は、最大2
4個のフィーダ54を保持することができる。
【0063】図7に示すように、フィーダ保持ユニット
100は、ベースプレート106と、そのベースプレー
ト106に支持された係合部材108およびガイドプレ
ート110と、フィーダ54に圧縮空気を供給する空気
供給部112と、フィーダ54に各種の電力を供給する
電力供給部114とを有している。ベースプレート10
6とガイドプレート110とは、すべてのフィーダ保持
ユニット100に共有され、係合部材108は、各フィ
ーダ保持ユニット群102を構成する6つのフィーダ保
持ユニット100に共有される。
【0064】ベースプレート106には、基台10と台
車52とが並ぶ方向に平行に延びる複数の係合溝(図示
省略)が各フィーダ保持ユニット100に対応して設け
られている。各フィーダ54は、その係合溝と係合部材
108とに係合可能な係合突起122を備えている。各
フィーダ54がフィーダ保持ユニット100に保持され
る際には、図7において、右から左へ平行移動させられ
て、最終的に図7に示す位置に保持される。フィーダ保
持ユニット100に保持されたフィーダ54は、自身の
係合突起122とベースプレート106の係合溝との係
合により、図7の紙面と直交する方向の相対移動が禁止
される。また、複数の支柱124によりベースプレート
106に取り付けられたガイドプレート110によっ
て、図7の紙面と平行な平面内における上下方向の移動
はわずかな量に限定される。このことにより、フィーダ
保持ユニット100への着脱の際の、係合突起122と
係合部材108との係合・離脱は、滑らかに行われ得
る。そして、図7に示す状態では、係合部材108と係
合突起122との係合によって、フィーダ54がベース
プレート106に対して垂直方向に移動することが禁じ
られる。
【0065】フィーダ54には、ベースプレート106
に設けられる係合溝125との係合により、フィーダ5
4自身をフレーム62に向かう向き(図7において左向
き)に付勢するU字形の係合部材126が設けられてい
る。この係合部材126は、レバー128が操作されな
ければ、図7に示すようにフィーダ54の外部に突出さ
せられているが、レバー128が操作されている間は、
フィーダ54の内部に収納される。係合部材126をフ
ィーダ54内へ収納する機構は、図10を用いて後に説
明する。フィーダ54がフィーダ保持ユニット100に
保持される過程においては、係合部材126はフィーダ
54内に格納されるように、レバー128が操作される
が、レバー128の操作を解除すれば、フィーダ54が
フィーダ保持ユニット100に強固に保持されることに
なる。フィーダ54をフィーダ保持ユニット100から
取り外すためには、レバー128を操作して、係合部材
126をフィーダ54の内側に収納した後に、フィーダ
54を図7において右方向に平行移動させればよい。
【0066】また、台車52には、基台10側から各種
の電力の供給を受けるための図示しない電力被供給部
と、圧縮空気の供給を受けるための空気被供給部とが設
けられている。
【0067】図7に示すように、フィーダ54は、同一
種類の回路部品を複数個収容する部品収容リール150
を、2つまで装着できる。部品収容リール150には、
回路部品を収容するテープ状収容容器152と、そのテ
ープ状収容容器152内の回路部品が脱落しないように
テープ状収容容器152に接着されるカバーフィルム1
54とからなる部品収容テープ156が巻き付けられて
いる。部品収容テープ156は、テープ状収容容器15
2が、幅方向の両側において長手方向に延びる被支持部
と、それら一対の被支持部の間から下方へ等間隔に突出
させられた多数の容器状の回路部品収容部とを有するエ
ンボスタイプのテープである。テープ状収容容器152
に接着されているカバーフィルム154は、部品吸着ノ
ズル784により回路部品が吸着される位置(図8にお
いて部品吸着ノズル784が示されている位置である。
この位置は部品供給位置であって、部品取出位置であ
り、以下、部品取出位置と称する。部品取出位置および
その近傍部が部品供給部である。)よりもわずかに部品
収容リール150側(図7において右側)においてテー
プ状収容容器152から剥がされる。回路部品の供給を
終えたテープ状収容容器152は、回路部品装着装置1
8側(図7において左側)に送られる。この送りのピッ
チは、テープ状収容容器152の長手方向における回路
部品の保持ピッチと一致させられる。
【0068】回路部品の供給を終えたテープ状収容容器
152は、テープガイド160によりテープを切断する
切断手段たる切断機162に導かれる。これらテープガ
イド160と切断機162とは、フレーム62に取り付
けられている。切断機162は、テープ状収容容器15
2を切断し、切断されたテープ状収容容器152の切断
片は、フレーム62の下部に取り付けられた切断片収容
器164に収容される。なお、テープ状収容容器152
から剥がされたカバーフィルム154の処理については
後述する。テープガイド160と切断機162とは、図
7において想像線(二点鎖線)により表されている。
【0069】次に、フィーダ54の構成を説明する。図
9はフィーダ54の側面図である。フィーダ54は、同
一種類の回路部品を複数個収容する部品収容リール15
0を、上述のように2つまで装着できる。フィーダ54
は、制御装置1050(図24参照)からの供給命令に
基づいて、1つまたは2つの部品収容リール150に収
容されている1種類または2種類の回路部品を、1つず
つ独立に供給できる。2つの部品収容リール150の回
路部品を同時に供給することも可能である。ただし、回
路部品装着装置18は、後述するように部品吸着ノズル
784を複数有しているが、それら複数の部品吸着ノズ
ル784は1つずつ回路部品の吸着を行い、複数が同時
に回路部品を吸着することはなく、回路部品を同時に供
給する要求は通常は発生しない。したがって、複数のフ
ィーダ54が同時に供給命令を受け取ることもない。
【0070】図10は、フィーダ54の一部を拡大して
示す正面図である。なお、図10は、第1カバー19
2,第2カバー194,第3カバー196(図9参照)
が取り外された状態を示している。フィーダ54は、2
つまでの部品収容リール150に巻き付けられた部品収
容テープ156に収容された回路部品を供給するため
に、側板198に取り付けられた2つの駆動装置20
0,201を備えている。
【0071】一方の駆動装置200は、モータ202
と、そのモータ202の回転軸に取り付けられる駆動ギ
ヤ204と、その駆動ギヤ204と噛み合わされる駆動
ギヤ204よりも歯数が多い被駆動ギヤ206と、その
被駆動ギヤ206と一体的に形成される駆動プーリ20
8と、その駆動プーリ208の回転力を伝達する駆動ベ
ルト210と、その駆動ベルト210により駆動される
被駆動プーリ212と、その被駆動プーリ212と一体
的に形成されるスプロケット214とを備えている。ま
た、駆動プーリ208の回転を伝達する駆動ベルト21
6と、その駆動ベルト216により駆動される被駆動プ
ーリ218と、その被駆動プーリ218と一体的に形成
される駆動側のピンチローラ220と、ピンチローラ2
20の外周面に予め設定された接触圧で接触させられる
遊動側のピンチローラ222とを含んでいる。つまり、
モータ202の回転は、スプロケット214と、ピンチ
ローラ220およびピンチローラ222とに伝達され
る。
【0072】駆動ベルト210は、複数のガイドローラ
224により、通過経路を規定されている。また、モー
タ202はパルスモータであるので、スプロケット21
4の回転角度は、モータ202に与えられるパルスの数
によって制御可能である。なお、モータ202とスプロ
ケット214との回転角度は、駆動ギヤ204と被駆動
ギヤ206とのギヤ比と、駆動プーリ208と被駆動プ
ーリ212との半径の比との積と同じ比率で異なる。テ
ープ状収容容器152には、その長手方向に一定間隔で
連なる係合穴が形成されており、スプロケット214の
外周上に等間隔に形成される突起と係合させられる。そ
の係合を確実にするために、テープ状収容容器152の
スプロケット214からの浮上がりがカバー225によ
って防止されている。
【0073】スプロケット214が回転すると、部品収
容リール150が回転させられる際の摩擦抵抗やガイド
ローラ224の回転摩擦等に起因する張力が、部品収容
テープ156に発生する。本フィーダ54においては、
モータ202に与えるパルスの数を変更することによ
り、そのような外乱要因の大小に係わらず、容易に任意
の送り量で部品収容テープ156を送ることができる。
したがって、部品収容テープ156において回路部品が
収容されているピッチが変わっても、容易に対処でき
る。ピンチローラ220と222とは、予め設定された
接触圧で接触しており、図9に示すように、それらの間
に部品収容テープ156から剥がされたカバーフィルム
154が挟み込まれる。
【0074】ピンチローラ220と222とは、部品収
容テープ156がスプロケット214によって送られる
際に、カバーフィルム154の既に剥がされている部分
を部品収容リール150側に送ることによって、部品収
容テープ156に接着されているカバーフィルム154
を、順次剥がす機能を果たすのである。このカバーフィ
ルム154の送り量は、スプロケット214による部品
収容テープ156の送り量より大きくなるようにされて
いる。そして、カバーフィルム154の部品収容テープ
156からの剥離位置は、カバー225に形成されたカ
バーフィルム154の引出しスリットにより規定されて
いるため、カバーフィルム154の送り量の過大分は、
ピンチローラ220,222のカバーフィルム154に
対するすべりにより吸収され、カバー225とピンチロ
ーラ220,222との間のカバーフィルム154は常
に緊張状態に保たれる。
【0075】他方の駆動装置201も同様に、モータ2
26,駆動ギヤ228,被駆動ギヤ230,駆動プーリ
232,駆動ベルト234,236,被駆動プーリ23
8,ピンチローラ240,242,ガイドローラ244
等により構成されている。なお、本駆動装置201に
も、上述のスプロケット214および被駆動プーリ21
2と同様のものが、図10においてそれらに重なりあう
位置に設けられている。
【0076】ピンチローラ220,222と、ピンチロ
ーラ240,242とによってそれぞれ送られるカバー
フィルム154は、図9に示すように、軸方向が図9に
おいて上下方向とされた状態で取り付けられるパイプ2
46内を通過して下方に落とされる。したがって、フィ
ーダ54がフィーダ保持ユニット100に保持されてい
る状態では、廃棄されるべきカバーフィルム154が、
台車52のベース60上に溜められることとなる。ま
た、パイプ246内におけるカバーフィルム154の通
過を滑らかにするために、空気ノズル248が設けられ
ており、モータ202とモータ226との少なくとも一
方が回転させられる際に、圧縮空気がパイプ246内に
上方から下方に向けて吹き込まれるようにされている。
空気ノズル248への圧縮空気の供給は、ソレノイドバ
ルブ250が開かれることによってなされる。
【0077】フィーダ54には、図示しないいくつかの
操作スイッチが設けられている。これらの操作スイッチ
には、モータ202とモータ226とをそれぞれ独立に
正逆両方向に回転させるためのもの、回路部品の供給の
際の各モータの回転速度を決定するためのもの、回路部
品を1つ供給するごとの各モータの回転角度を決定する
ためのもの、駆動装置200および201をそれぞれ作
動させるか否かを決定するためのもの等が含まれてい
る。
【0078】フィーダ54のレバー128は、図10に
示すように、付勢部材たるスプリング252により、支
点254を中心に図10において左回りに回動する向き
に付勢されている。この付勢力は、リンク機構256に
より係合部材126に伝達され、レバー128が操作さ
れていない状態では、係合部材126がフィーダ54の
外部に突出させられる。係合部材126をフィーダ54
の内部に収納させるには、レバー128を支点254を
回転中心として、図10において右回りに回動させる。
【0079】フィーダ54は、フィーダ保持ユニット1
00の空気供給部112と嵌合して、前述のソレノイド
バルブ250に圧縮空気を供給するための空気被供給部
272を備えている。さらに、電力供給部114と電気
的に接続されてモータ202等に電力を供給するための
電力被供給部274も備えている。この電力は、基台1
0側から台車52に供給される。なお、台車52と基台
10とが合体していない場合に、電力の供給を受けるた
めの図示しない第2の電力被供給部が、台車52に設け
られている。回路部品の装着作業に先立って行われる準
備作業において、基台10と台車52とが合体されてい
ない状態では、この第2の電力被供給部から供給される
電力が使用される。
【0080】回路部品装着装置18,20を説明する。
図1に示すように、回路部品装着装置18,20はいず
れも、装着ヘッド650,652と、X軸スライド65
4,656およびY軸スライド658,660を備えて
装着ヘッド650,652を水平面内の任意の位置へ移
動させるXYロボット662,664とを有している。
これら装着ヘッド650,652の構成は同じであり、
XYロボット662,664の構成は同じであり、回路
部品装着装置18の装着ヘッド650およびXYロボッ
ト662を代表的に説明する。
【0081】前記基台10上の基板搬送方向(X軸方
向)に隔たった2箇所にはそれぞれ、図2および図3に
示すように、案内部材たる直線状のガイドレール666
がY軸方向に平行に設けられるとともに、Y軸スライド
658が移動可能に嵌合されている。Y軸スライド65
8は前記フィーダ54が取り付けられる台車52のX軸
方向の寸法より長く、長手方向の両端部にそれぞれ被案
内部材たる2個ずつのガイドブロック668(図2,図
3参照)が固定されるとともに、ガイドレール666に
移動可能に嵌合されている。ガイドレール666および
ガイドブロック668が案内装置を構成している。
【0082】Y軸スライド658には、図2および図3
に示すように、一対のガイドレール666に嵌合された
部分の上側の部分にそれぞれナット670がY軸方向に
平行に固定されるとともに、基台10にY軸方向に平行
な軸線まわりに回転可能に取り付けられたねじ軸672
に螺合されている。これらナット670およびねじ軸6
72はボールねじを構成している。基台10のX軸方向
に隔たった2箇所にはそれぞれ、2本ずつのねじ軸67
2が上下に設けられており、Y軸スライド658は、X
軸方向の一端部と他端部とにおいて上下の位置が異なる
ねじ軸672に螺合されている。なお、Y軸スライド6
58には、自身に固定のナット670が螺合されるので
はないねじ軸672との干渉を回避するために貫通孔
(図示省略)が設けられている。
【0083】4本のねじ軸672はそれぞれ、基台10
上に設けられた駆動源たるY軸サーボモータ674によ
り回転させられる。Y軸サーボモータ674は交流サー
ボモータであり、Y軸スライド658を駆動する2個の
Y軸サーボモータ674は駆動回路を共通にして同期し
て回転させられる。そのため、Y軸スライド658は長
手形状を有するが、Y軸スライド658や、Y軸スライ
ド658に搭載されているX軸スライド654,装着ヘ
ッド650等の慣性に基づくこじりや振動を生ずること
なく、高速で移動させることができる。一対のガイドレ
ール666は、回路部品装着装置18,20の各Y軸ス
ライド658,660に共通であるが、Y軸スライド6
58,660は個別に駆動され、干渉することはない。
【0084】Y軸スライド658の下面には、図1およ
び図3に示すように、案内部材たる直線状の2本のガイ
ドレール676がX軸方向に平行に固定されるととも
に、X軸スライド654に固定された被案内部材たるガ
イドブロック680が移動可能に嵌合されている。これ
らガイドレール676およびガイドブロック680が案
内装置を構成している。X軸スライド654の上面に
は、図3に示すようにブラケット682によってナット
684が固定されるとともに、Y軸スライド658にX
軸方向に平行に配設され、回転可能かつ軸方向に移動不
能に取り付けられたねじ軸686に螺合されており、ね
じ軸686が駆動源たるX軸サーボモータ688(図2
参照)によって回転させられることにより、X軸スライ
ド654がガイドレール676により案内されてX軸方
向に移動させられる。これらナット684およびねじ軸
686はボールねじを構成している。なお、符号69
0,692(図1および図2参照)はフレキシブル配線
・配管等保護具であり、保護具690は、基台10とY
軸スライド658との間に設けられた信号伝達線,給電
線,エア供給ホース,負圧供給ホース等を保護し、保護
具692は、Y軸スライド658とX軸スライド654
との間に設けられた信号伝達線等を保護する。なお、保
護具690は図1のみに図示され、保護具692は図2
のみに図示されている。
【0085】装着ヘッド650はX軸スライド654に
搭載されている。X軸スライド654は、図11に示す
ように、前記ガイドブロック680が固定されてY軸ス
ライド658により吊下げ状態で支持された被支持部7
00と、被支持部700のX軸方向の一端部から下方へ
垂下させられた連結部702とを有する。連結部702
の下端部には、図11および図13に示すように、被支
持部700のX軸方向の他端部側へ水平に突出させられ
た取付部704が設けられるとともに、取付部704の
Y軸方向の中央部は、連結部702とは反対側へ水平に
突出させられて支持部706とされている。
【0086】支持部706は、図11に示すように、回
転軸708の下端部を軸受710を介して回転可能に支
持しており、回転軸708の上端部は、被支持部700
により回転可能に支持されている。被支持部700には
固定カム712が固定されている。固定カム712に
は、嵌合穴713が回転軸708と同心にかつ固定カム
712を貫通して形成されるとともに、軸受714を介
して駆動歯車716の被支持部718が回転可能に嵌合
されている。被支持部718の固定カム712から突出
した上端部には被駆動プーリ722が同心に固定され、
一体的に回転するようにされるとともに、これら駆動歯
車716および被駆動プーリ722は、軸受720,7
21を介して回転軸708を回転可能に支持している。
回転軸708の上端部は、固定カム712,駆動歯車7
16,被駆動プーリ722を介して被支持部700に、
水平な搬送平面に対する垂線と平行な軸線(垂直線であ
る)まわりに回転可能に設けられ、駆動歯車716およ
び被駆動プーリ722は回転軸708と同心に設けられ
ているのである。
【0087】上記被駆動プーリ722には、図14に示
すように、駆動源たる方位補正変更用サーボモータ72
4の回転が駆動プーリ726および巻きかけ部材たるタ
イミングベルト728によって伝達され、駆動歯車71
6が正逆両方向に任意の角度回転させられる。被駆動プ
ーリ722には、図11に示すように、板状の被検出体
730が半径方向外向きに固定されており、この被検出
体730をX軸スライド654に固定された駆動歯車原
位置センサ732(図14参照)が検出することによ
り、駆動歯車716の原位置が検出される。駆動歯車7
16の原位置は電源投入時に検出され、それに基づいて
駆動歯車716の回転位置が演算される。
【0088】回転軸708の上端部には、被駆動回転体
たる被駆動プーリ740が同心に固定されている。被駆
動プーリ740には、図14に示すように、駆動源たる
旋回用サーボモータ742の回転が駆動プーリ744お
よび巻きかけ部材たるタイミングベルト746により伝
達され、回転軸708は旋回用サーボモータ742によ
り正逆両方向に任意の角度回転させられる。被駆動プー
リ740には、図11に示すように、板状の被検出体7
48が半径方向外向きに固定されており、この被検出体
748がX軸スライド654に固定された回転軸原位置
センサ750(図14参照)によって検出されることに
より、回転軸708の原位置がわかる。電源投入時に回
転軸708の原位置が検出され、それに基づいて回転軸
708の回転位置が演算される。
【0089】回転軸708の駆動歯車716により支持
された部分の下側には、部品吸着軸保持部材760が同
心に固定され、回転軸708と共に間欠回転体762を
構成している。部品吸着軸保持部材760は概して円筒
状を成し、その周壁の回転軸線を中心とする一円周上に
は、回転軸線に平行な方向に貫通する保持穴764が2
0個、等角度間隔に形成されている。各保持穴764に
はそれぞれ、部品吸着軸766を構成する軸部たる軸部
材768が軸受770および保持部材772を介して回
転可能かつ軸方向に移動可能に嵌合されており、間欠回
転体762の回転時に20個の部品吸着軸766が間欠
回転体762の回転軸線を中心として旋回させられる。
【0090】保持穴764の直径は軸部材768の直径
より大きく、図12に示すように、軸部材768は2個
のシール部材774,776により気密が保持されて保
持穴764に嵌合され、保持穴764内に円環状の通路
780が形成されている。上記保持部材772は、保持
穴764の下側開口部に嵌合されるとともに、図示しな
い固定手段たるボルトによって部品吸着軸保持部材76
0に固定されており、一方のシール部材776は保持部
材772により保持されている。軸受770および保持
部材772は部品吸着軸保持部材760に相対移動不能
に取り付けられて間欠回転体762の一部を構成してお
り、保持穴764の軸受770が取り付けられた部分お
よび保持部材772内に設けられて軸部材768が嵌合
される穴が、軸部材768が回転可能かつ軸方向に移動
可能に嵌合される保持穴を構成している。
【0091】部品吸着軸766の軸部材768の下端部
は部品吸着軸保持部材760から下方へ突出させられて
おり、ノズル嵌合穴782が同心に形成されるととも
に、部品吸着ノズル784が軸方向に相対移動可能に嵌
合されている。部品吸着ノズル784は、吸着管保持体
786と、吸着管保持体786により保持された吸着管
788とを有し、付勢手段の一種である弾性部材として
の圧縮コイルスプリング790によりノズル嵌合穴78
2から突出する向きに付勢されている。部品吸着ノズル
784のノズル嵌合穴782からの抜出しおよび軸部材
768に対する回転は、吸着管保持体786に嵌合され
た係合部材たるピン792が、ノズル嵌合穴782の周
壁に形成された係合凹部たる切欠794に係合すること
により防止されている。796は、吸着管保持体786
に設けられた反射板である。ここでは説明を容易にする
ために、20個の部品吸着ノズル784はいずれも同じ
種類のものであり、吸着管788の径は同じであるとす
る。部品吸着ノズル784は、回路部品の種類に適した
ものが選択されて軸部材768に取り付けられるが、部
品吸着ノズル784が吸着し得る回路部品は1種類に限
らず、大きさが異なる複数種類の回路部品を吸着するこ
とが可能である。
【0092】軸部材768の上端部は、部品吸着軸保持
部材760から上方へ突出させられるとともに、突出端
部には被駆動歯車800およびカムフォロワ保持体80
2が同心に固定されている。被駆動歯車800は、前記
駆動歯車716より径が小さく、駆動歯車716に噛み
合わされており、駆動歯車716が回転させられること
により、駆動歯車716に噛み合わされた全部の被駆動
歯車800が一斉に回転させられ、20個の部品吸着軸
766が一斉に同角度、同方向に回転させられる。
【0093】カムフォロワ保持体802は、内部に球状
のカムフォロワ804をあらゆる方向に回転可能かつ抜
出し不能に保持しており、カムフォロワ804の一部は
カムフォロワ保持体802から上方へ突出させられてい
る。部品吸着軸766は、前記通路780内に配設され
た付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルス
プリング806により上方へ付勢され、カムフォロワ8
04が前記固定カム712のカム面808に当接させら
れている。圧縮コイルスプリング806の一端部は、軸
部材768に固定のばね受け810により受けられ、他
端部はリテーナにより保持されるとともに、前記保持部
材772に取り付けられた軸受812により、保持部材
772に対して回転可能に支持されている。そのため、
部品吸着軸766が自身の軸線のまわりに回転させられ
るとき、圧縮コイルスプリング806が共に回転し、ね
じりが生ずることがない。部品吸着軸766の軸部材7
68は軸受812を貫通させられ、軸受812に対して
軸方向に移動可能かつ回転可能である。
【0094】固定カム712は、図11および図12に
示すように、回転軸708と同心の円筒状のカム面構成
部814を有し、カム面構成部814の下面が前記カム
面808とされている。カム面808は、部品吸着軸7
66の旋回軌跡の上方に設けられ、図11および図15
に示すように、一部の高さが変化させられている。その
ため、間欠回転体762が回転させられるとき、カムフ
ォロワ804がカム面808に沿って転がりつつ移動さ
せられ、20個の部品吸着軸766は回転軸708の軸
線のまわりに旋回させられつつ昇降させられる。
【0095】間欠回転体762が回転させられ、部品吸
着軸766が旋回しつつ昇降するとき、20個の部品吸
着軸766の各軸部材768の上端部に固定された前記
被駆動歯車800はそれぞれ、駆動歯車716とかみ合
った状態を保って昇降させられる。駆動歯車716は被
駆動歯車800より幅が広く、すなわち間欠回転体76
2の回転軸線に平行な方向であって、部品吸着軸766
の軸方向に平行な方向の寸法が長く、部品吸着軸766
が昇降させられても、被駆動歯車800は駆動歯車71
6に噛み合った状態に保たれる。
【0096】また、X軸スライド654の取付部704
には、間欠回転体762の回転軸線を中心とする部分円
筒面に沿って切欠816(図11および図13参照)が
形成され、部品吸着軸766およびそれに保持された回
路部品との干渉が回避されるようになっている。
【0097】カム面808は、最も低い位置から正方向
および逆方向に向かうに従って高くなり、いずれの方向
においても90度離れた位置において最も高くなるよう
に形成されている。20個の部品吸着軸766は、回転
軸708が部品吸着軸766の配設角度間隔に等しい角
度、間欠回転させられることにより、20個の停止位置
に停止させられる。これら20個の停止位置のうち、カ
ム面808の最も低い部分に対応する位置が部品吸着装
着位置(部品受取装着位置,部品吸着解放位置とも称し
得る)とされ、部品吸着装着位置から90度離れた位置
であって、カム面808の最も高い部分に対応する位置
が撮像位置とされている。カム面808は、部品吸着装
着位置および撮像位置の各前後においては部品吸着軸7
66が水平に移動するように形成されている。部品吸着
装置位置および撮像位置の設定を図16に概略的に示
す。図中、丸は部品吸着ノズル784の反射板796を
表す。
【0098】X軸スライド654の撮像位置に対応する
位置には、回路部品撮像装置820が設けられている。
回路部品撮像装置820は、図13および図15に示す
ように、X軸スライド654の前記取付部704のY軸
方向の一端部にブラケット824および826によって
取り付けられている。ブラケット824は取付部704
にねじ部材828および長穴830によってX軸方向の
位置調節可能に固定され、ブラケット826はブラケッ
ト824に、ねじ部材832および長穴834によって
Y軸方向の位置調節可能に固定されている。
【0099】回路部品撮像装置820は、照明装置83
6,反射装置838およびCCDカメラ840を備えて
いる。照明装置836および反射装置838は、図15
に示すように、撮像位置に停止させられた部品吸着軸7
66および部品吸着軸766に保持された回路部品84
2の下側において、撮像位置に位置する部品吸着軸76
6の旋回軌跡に対する接線および間欠回転体762の回
転軸線に対して直角に延び、かつ回路部品842と対向
する状態で設けられている。反射装置838は、例えば
プリズムあるいは複数のミラーを有し、像形成光の方向
を変換してCCDカメラ840に入光させる。照明装置
836は、反射装置838の両側にそれぞれ設けられた
照明部848を有し、部品吸着ノズル784の反射板7
96に向かって光を照射する。回路部品撮像装置820
の水平方向の位置は、ブラケット824,826の取付
位置の調節により調節し得る。また、照明装置836
は、操作部材850を操作することにより取り外すこと
ができる。
【0100】このように撮像位置は部品吸着装着位置よ
り高くされ、固定カム712およびカムフォロワ804
によって部品吸着軸766が上昇させられることによっ
て形成された隙間に回路部品撮像装置820が配設され
ており、回路部品撮像装置820と部品吸着ノズル78
4およびそれに保持された回路部品814との干渉、な
らびに回路部品撮像装置820と回路部品供給装置14
およびプリント基板408との干渉を回避しつつ、部品
吸着および装着のための部品吸着ノズル784の昇降距
離を小さくすることができる。部品吸着装着位置と撮像
位置とにおける部品吸着軸766の高さが同じであれ
ば、回路部品撮像装置820と回路部品供給装置14お
よびプリント基板408との干渉を回避しなければなら
ないことは勿論、回路部品撮像装置820と部品吸着軸
766およびそれに保持された回路部品814との干渉
を回避しなければならず、部品吸着装着位置における部
品吸着軸766の位置が高くなって部品吸着および装着
のための昇降距離が長くなるのに対し、固定カム712
およびカムフォロワ804によって部品吸着軸766を
上昇させれば、それによって回路部品撮像装置820と
の干渉を回避することができ、部品吸着装着位置におけ
る部品吸着軸766の高さを低くすることができ、昇降
距離を短くすることができるのである。
【0101】X軸スライド654にはまた、図11に示
すように、プリント基板408に設けられた基準マーク
を撮像する基準マーク撮像装置854が搭載されてい
る。基準マーク撮像装置854は、X軸スライド654
の連結部702のY軸方向において回路部品撮像装置8
20が取り付けられた部分とは反対側の下部に下向きに
取り付けられている。
【0102】前記部品吸着ノズル784は負圧により回
路部品842を吸着するものであり、部品吸着軸保持部
材760の外面には、20個の部品吸着軸766の各々
について圧力切換弁860が等角度間隔に固定されてい
る(図15には2個のみ代表的に図示されている)。部
品吸着軸766内には、図12に示すように軸方向に延
び、ノズル嵌合穴782に連通する通路862が形成さ
れ、通路862は保持穴764と部品吸着軸766との
間に形成された前記通路780,部品吸着軸保持部材7
60内に形成された図示しない通路により圧力切換弁8
60に接続されている。
【0103】負圧は、図11に示すように、前記X軸ス
ライド654の取付部704および支持部706内に形
成された通路866,円環状通路868,回転軸708
内に形成された通路870および図示しないホース等に
より12個の圧力切換弁860の各々に供給される。通
路866は、X軸スライド654に継手部材により取り
付けられた図示しないホース等を経て真空装置に接続さ
れている。通路870は円環状通路868により、回転
軸708が回転しても常時通路866に連通した状態に
保たれる。
【0104】圧力切換弁860は、図12に示すよう
に、ハウジング872内に上下方向に直線移動可能(昇
降可能)に配設された切換部材874を備えており、部
品吸着ノズル784内の圧力を負圧と大気圧以上の圧力
とに切り換える。切換部材874は下方への移動により
負圧供給位置へ移動させられ、圧力切換弁860が部品
吸着ノズル784内の圧力を大気圧以上の圧力から負圧
に切り換え、部品吸着ノズル784に回路部品842を
吸着させる。圧力切換弁860のこの切換状態を負圧供
給状態と称する。切換部材874はまた、上方への移動
により負圧解除位置へ移動させられ、圧力切換弁860
が部品吸着ノズル784内の圧力を負圧から大気圧以上
の圧力に切り換え、部品吸着ノズル784に回路部品8
42を解放させる。圧力切換弁860のこの切換状態を
負圧解除状態と称する。切換部材874の移動方向(軸
方向)の両端部にはそれぞれ大径のストッパ部876,
878が設けられており、負圧供給位置および負圧解除
位置で切換部材874の移動を阻止する。切換部材87
4はまた、負圧供給位置および負圧解除位置へ移動させ
られた状態では、各位置に保たれるように構成されてい
る。
【0105】X軸スライド654の部品吸着装着位置の
近傍部には、図17ないし図19に示すように、部品吸
着軸766を昇降させる個別昇降装置880および切換
弁制御装置882の機構部が設けられている。X軸スラ
イド654の部品吸着装着位置に対応する部分には、図
17および図19に示すように、駆動源たるリニアモー
タ886が固定されている。リニアモータ886の可動
子888は、リニアモータ886のハウジングから下方
へ垂直に延び出させられるとともに、移動部材890が
固定されている。
【0106】移動部材890には、図20および図22
に示すように、移動部材890を、部品吸着装着位置に
停止させられた部品吸着軸766の旋回軌跡に対する接
線と平行な方向に貫通する切欠891が形成されるとと
もに、昇降駆動部材892が部品吸着軸766の旋回軌
跡(図22に一点鎖線で示す)から側方へ外れた位置に
おいて、軸894により垂直軸線まわりに回動可能に取
り付けられている。昇降駆動部材892の軸894から
固定カム712側へ突出させられた端部には、図18に
示すように、薄板状の昇降駆動部896が設けられてお
り、前記固定カム712の部品吸着装着位置に対応する
部分に設けられた切欠898(図18および図21参
照)に昇降可能に嵌合されている。切欠898は、昇降
駆動部896が隙間なく、かつ嵌合,離脱可能に嵌合さ
れる幅(固定カム712の周方向の寸法)と、昇降駆動
部896の厚さより僅かに大きく、カムフォロワ804
が嵌入しても通過可能な深さ(固定カム712の中心線
に平行な方向の寸法)とを有する。
【0107】昇降駆動部材892は、リニアモータ88
6により移動部材890が昇降させられることにより昇
降させられ、移動部材890が上昇端位置へ移動させら
れ、昇降駆動部896が切欠898に昇降可能に嵌合さ
れて、その下面が固定カム712のカム面808と連続
する上昇位置と、移動部材890が下降させられ、昇降
駆動部896が切欠898から外れて、下面がカム面8
08より下方に位置する下降位置との間で昇降させられ
る。なお、図示は省略するが、昇降駆動部896の上面
の部品吸着軸旋回方向に隔たった両縁部は斜めに切り欠
かれ、昇降駆動部896の切欠898への嵌合を案内す
る案内部が設けられている。
【0108】昇降駆動部材892の昇降駆動部896が
設けられた側とは反対側の端部の下面には、図20に示
すように、昇降駆動部材892の長手方向に延び、昇降
駆動部材892の回動軸線と直交する位置決め凹部たる
ノッチ900が形成されている。前記移動部材890に
は、ボールスプリングと称される位置決め具902が取
り付けられている。位置決め具902は、移動部材89
0に螺合されたケーシング906内に位置決め部材たる
ボール908が移動可能かつ抜出し不能に収容されると
ともに、ケーシング906内に収容された付勢手段の一
種である弾性部材としてのスプリングにより、ケーシン
グ906から突出する向きに付勢されている。
【0109】移動部材890にはまた、図21および図
22に示すように、ブラケット912が固定されるとと
もに、位置調節可能なストッパ部材たるアジャストボル
ト914が螺合されている。アジャストボルト914
は、昇降駆動部材892の昇降駆動部896が設けられ
た側とは反対の端部側であって、図22に矢印で示す部
品吸着軸766の旋回方向に対して昇降駆動部材892
より下流側に設けられている。このアジャストボルト9
14は、昇降駆動部材892の回動軸線に直角で、部品
吸着装着位置における部品吸着軸766の旋回軌跡に対
する接線に平行な向きに螺合され、昇降駆動部材892
の誤作動により下降位置にあって部品吸着軸766によ
り回動させられる際の回動方向とは逆の方向への回動限
度を規定する。
【0110】アジャストボルト914の先端の位置は、
昇降駆動部材892がアジャストボルト914に当接し
た状態でボール908がノッチ900に嵌入するととも
に、ノッチ900のアジャストボルト914側の傾斜し
た側面に係合し、他方の側面から離れて、上記側面の斜
面の作用により昇降駆動部材896をアジャストボルト
914に押し付け、昇降駆動部896を、固定カム71
2に形成された切欠898に嵌合可能な作用位置(図2
2に実線で示す位置)に精度良く位置決めするように調
節される。ノッチ900および位置決め具902が付勢
手段を構成するとともに、アジャストボルト914と共
にクリップストップ装置の一種である位置決め装置を構
成している。
【0111】X軸スライド654には、昇降駆動部材8
92が図22に二点鎖線で示すように退避位置へ回動し
たことを検知する移動検知装置920(図24参照)が
設けられている。移動検知装置920は発光部および受
光部を有する透過型の光電センサにより構成されてお
り、昇降駆動部材892の昇降駆動部896によって受
光部の受光が妨げられることにより、昇降駆動部材89
2が退避位置へ回動したことが検出される。移動検知装
置920は、透過型の光電センサに限らず、反射型の光
電センサや、近接スイッチ,リミットスイッチ等により
構成してもよい。
【0112】前記移動部材890には、図19ないし図
21に示すように、主エアシリンダ930が上下方向の
位置調節可能に取り付けられている。主エアシリンダ9
30は、移動部材890に螺合されたアジャストボルト
932に当接して移動部材890に対する上下方向の位
置を決められ、その状態でシリンダチューブ934(図
23参照)と一体的に設けられた被取付部936(図2
1参照)の長穴938を通ってボルト940が移動部材
890に螺合されることにより、移動部材890に固定
されている。
【0113】主エアシリンダ930は、流体圧シリンダ
の一種であるエアシリンダにより構成されている。主エ
アシリンダ930は複動シリンダであり、図23に示す
ように、ピストン944はシリンダチューブ934に気
密にかつ軸方向に移動可能に嵌合され、ピストンロッド
946はシリンダチューブ934から下方へ突出させら
れている。これらピストン944およびピストンロッド
946内には、軸方向に貫通する段付状の貫通穴948
が形成されており、大径穴部950には作用部材952
の嵌合部954が軸方向に移動可能に嵌合されている。
【0114】嵌合部954に突設された軸部956は小
径穴部958を通ってピストンロッド946から下方へ
突出させられるとともに、大形の作用部960が設けら
れている。作用部材952は、大径穴部950内に配設
された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイ
ルスプリング962により下方へ、すなわちピストンロ
ッド946から突出する向きに付勢されている。圧縮コ
イルスプリング962の付勢による作用部材952の下
方への移動限度は、嵌合部954が大径穴部950の底
面に係合することにより規定される。また、圧縮コイル
スプリング962の一端部は、大径穴部950の開口部
に螺合されたプラグ964により受けられている。主エ
アシリンダ930は、部品吸着装着位置に停止させられ
た部品吸着軸766について設けられた圧力切換弁86
0の切換部材874の真上に位置する位置に設けられて
おり、作用部材952は切換部材874の真上に位置す
ることとなる。
【0115】X軸スライド654の部品吸着装着位置の
近傍部には、図17ないし図19に示すように、ブラケ
ット970が下方へ延び出す向きに固定されている。ブ
ラケット970の垂直な側面には、案内部材たる直線状
のガイドレール972が上下方向に設けられるととも
に、流体圧シリンダの一種である主エアシリンダ974
のシリンダチューブ976が被案内部材たるガイドブロ
ック978において移動可能に嵌合されている。
【0116】主エアシリンダ974は複動シリンダであ
り、図19に示すように、シリンダチューブ976内に
ピストン980が気密を保持されて移動可能に嵌合され
ている。ピストン980に突設されたピストンロッド9
82はシリンダチューブ976から下方へ突出させられ
るとともに、突出端部に別の流体圧シリンダたる補助エ
アシリンダ984が取り付けられている。ピストンロッ
ド982の下端部には、雄ねじ部986が形成されて補
助エアシリンダ984のシリンダチューブ988に螺合
されており、雄ねじ部986の螺合量の調節により、補
助エアシリンダ984の主エアシリンダ974に対する
上下方向の位置を調節することができる。
【0117】補助エアシリンダ982は複動シリンダで
あり、シリンダチューブ988は被案内部材たるガイド
ブロック990において前記ガイドレール972に移動
可能に嵌合されている。補助エアシリンダ984のシリ
ンダチューブ988内にはピストン992が気密を保持
されて移動可能に嵌合されており、ピストン992と一
体的に設けられたピストンロッド994はシリンダチュ
ーブ988から下方へ突出させられるとともに、突出端
部に設けられた雄ねじ部996には支持部材998が螺
合されている。支持部材998は、被案内部材たるガイ
ドブロック1000においてガイドレール972に移動
可能に嵌合されており、雄ねじ部996の螺合量の調節
により、支持部材998の補助エアシリンダ984に対
する上下方向の位置を調節することができる。
【0118】ガイドレール972の支持部材998が嵌
合された部分より下側の部分には、作用部材1002が
被案内部材たるガイドブロック1004において移動可
能に嵌合されている。ガイドレール972は、主エアシ
リンダ974,補助エアシリンダ982,支持部材99
8および作用部材1002に共通のガイドレールであ
り、ガイドブロック978,990,1000,100
4の各々と共に案内装置を構成している。作用部材10
02と支持部材998との間には付勢手段の一種である
弾性部材としての引張コイルスプリング1006が設け
られ、作用部材1002は支持部材998に接近する向
きに付勢されている。支持部材998の下面には、弾性
材製(例えば、ゴム製)の緩衝部材1008が固定され
るとともに、作用部材1002に形成された有底の嵌合
穴1010に軸方向に相対移動可能に嵌合されており、
引張コイルスプリング1006の付勢力に基づく作用部
材1002の移動限度は、緩衝部材1008が嵌合穴1
010の底面に当接することにより規定されている。緩
衝部材1008は、作用部材1002が引張コイルスプ
リング1006の付勢力により移動させられ、その移動
端位置において停止する際の衝撃を緩和する。
【0119】作用部材1002は、図17に示すよう
に、ガイドレール972に嵌合された部分から間欠回転
体762側へ水平に突出させられた後、部品吸着装着位
置に停止させられた部品吸着軸766について設けられ
た圧力切換弁860の切換部材874の下方へ延び出さ
せられている。作用部材1002はほぼL字形を成すの
である。作用部材1002の切換部材874の真下に位
置する部分には、当接部材1014が螺合されて作用部
材1002の作用部を構成している。当接部材1014
の上部には、直径方向に貫通する溝1016が形成され
ている。
【0120】作用部材1002は、図18および図19
に示すように、継手部材1018および図示しないエア
供給ホース等を介してエア供給源(図示省略)に接続さ
れている。エア供給源から供給されたエア(圧縮空気)
は、作用部材1002内に形成された通路1020およ
び当接部材1016内に形成された通路1022を通っ
て上方へ噴出する。継手部材1018とエア供給源との
途中には電磁開閉弁1024(図24参照)が設けら
れ、作用部材1002へのエアの供給を許容,遮断する
ようにされている。また、継手部材1018には可変絞
り弁1026が設けられ、エア供給源から作用部材10
02に供給されるエアの流量を絞るようにされている。
【0121】前記ブラケット970には、図18および
図19に示すように、リンク1030が軸1032によ
り、部品吸着装着位置に停止させられた部品吸着軸76
6について設けられた圧力切換弁860の旋回軌跡に対
する接線と平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられ
ている。前記主エアシリンダ974のシリンダチューブ
976の上部には、移動部材1034が一体的に設けら
れており、この移動部材1034に回転可能に取り付け
られたローラ1036がリンク1030の一端部に形成
された切欠1038(図18参照)に回転可能に嵌合さ
れている。
【0122】また、リンク1030の他端部に形成され
た切欠1040(図18参照)には、前記リニアモータ
886により昇降させられる移動部材890に回転可能
に取り付けられたローラ1042(図21参照)が回転
可能に嵌合されている。したがって、移動部材890が
リニアモータ886によって昇降させられれば、リンク
1030が回動させられ、移動部材890と1034と
が機械的に同期して互いに対称に昇降させられ、作用部
材952,1002が互いに対称に圧力切換弁860の
切換部材874に接近,離間させられる。
【0123】本回路部品装着システム8を制御する制御
装置1050は、図24に示すようにコンピュータ10
52を主体として構成される。コンピュータ1052
は、図示しないCPU,ROM,RAM,それらを接続
するバス,入力インタフェースおよび出力インタフェー
ス等を有する。コンピュータ1052には、基板到着確
認センサ504,減速開始位置センサ620,基板到着
確認センサ622,駆動歯車原位置センサ732,回転
軸原位置センサ750,回路部品撮像装置820,基準
マーク撮像装置854,移動検知装置920等が接続さ
れている。コンピュータ1052にはまた、図示しない
駆動回路を介して、係合装置68のエアシリンダを制御
するエアシリンダ制御用電磁弁1058,モータ20
2,226,ロッドレスシリンダ436を制御するロッ
ドレスシリンダ制御用電磁弁1060,基板搬送用モー
タ486,558,エアシリンダ634を制御するエア
シリンダ制御用電磁弁1062,Y軸サーボモータ67
4,X軸サーボモータ688,方位補正変更用サーボモ
ータ724,旋回用サーボモータ742,リニアモータ
886,主エアシリンダ930,974および補助エア
シリンダ984をそれぞれ制御する主エアシリンダ制御
用電磁弁1064,1066,補助エアシリンダ制御用
電磁弁1068および電磁開閉弁1024等が接続され
ている。リニアモータは直線作動するモータであり、フ
ィードバック制御により部品吸着軸766の昇降時の位
置決め制御および速度制御が精度良く行われる。ROM
には、回路部品842の供給,吸着,装着,プリント基
板408の搬入,搬出等に必要な種々のプログラムが格
納されている。
【0124】次に作動を説明する。回路部品装着装置1
8,20は、メインコンベヤ400とメインコンベヤ4
02とのいずれか一方により位置決め支持されたプリン
ト基板408に交互に回路部品842を装着する。1枚
のプリント基板408について、本回路部品装着システ
ム8において装着が予定された全部の回路部品842を
共同して装着するのである。一方のメインコンベヤにお
いて位置決め支持されたプリント基板408について回
路部品842の装着が行われている間、他方のメインコ
ンベヤにおいてはプリント基板408の搬出,搬入およ
び位置決め支持が行われ、搬入されたプリント基板40
8は回路部品842の装着に備えてメインコンベヤ上で
待機させられる。一方のメインコンベヤにおけるプリン
ト基板408への回路部品842の装着終了後、他方の
メインコンベヤにおいて待機させられているプリント基
板408への回路部品842の装着が開始される。
【0125】まず、プリント基板408の搬入,位置決
め支持および搬出を説明する。なお、プリント基板40
8への装着は既に開始され、定常装着状態にあるとす
る。プリント基板408は、本回路部品装着システム8
の上流側に設けられたスクリーン印刷システム2から搬
入コンベヤ404へ搬入される。この搬入は、搬入コン
ベヤ404が第1シフト位置に位置する状態で行われ
る。搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置させら
れれば、基板搬送用モータ486が起動されるととも
に、スクリーン印刷システム2から搬入コンベヤ404
へプリント基板408が供給される。搬入コンベヤ40
4が第1シフト位置に位置するか第2シフト位置に位置
するかは、ロッドレスシリンダ436のピストンの移動
端への移動を検出することによりわかる。搬入コンベヤ
404へ搬入されたプリント基板408が基板到着確認
センサ504により検出されれば、基板搬送用モータ4
86が止められ、プリント基板408は搬入コンベヤ4
04上で停止させられる。そして、搬入コンベヤ404
がメインコンベヤ400にプリント基板408を搬入す
るのであれば、搬入コンベヤ404は第1シフト位置に
位置させられたままとされる。
【0126】なお、スクリーン印刷システム2からのプ
リント基板408の供給開始後、設定時間が経過しても
基板到着確認センサ504がプリント基板408を検出
しない場合には、何らかの異常が発生したのであり、回
路部品842のプリント基板408への装着が中断され
るとともに、異常の発生が報知される。装着の中断と
は、現に行われている回路部品842のプリント基板4
08への装着およびプリント基板408の搬出の終了
後、次のプリント基板408への回路部品842の装着
を開始しないことである。
【0127】メインコンベヤ400上のプリント基板4
08が搬出コンベヤ406へ搬出され(搬出については
後に説明する)、メインコンベヤ400へのプリント基
板408の搬入が可能であれば、搬入コンベヤ404は
メインコンベヤ400にプリント基板408を搬入す
る。メインコンベヤ400へのプリント基板408への
搬入が可能であるか否かは、例えば、基板検知装置であ
る基板到着確認センサ622がプリント基板408を検
出しているか否かによりわかる。メインコンベヤ400
へのプリント基板408の搬入時には、基板到着確認セ
ンサ622の検出信号に基づいてプリント基板408が
メインコンベヤ400に搬入されたか否かが判定され、
搬入時以外のときは、基板到着確認センサ622がプリ
ント基板408を検出しなければ、メインコンベヤ40
0上にプリント基板408がなく、メインコンベヤ40
0にプリント基板408を搬入し得ることがわかる。
【0128】搬入時には、搬入コンベヤ404の基板搬
送用モータ486およびメインコンベヤ400,402
の基板搬送用モータ558が起動され、コンベヤベルト
546等が移動させられてプリント基板408がメイン
コンベヤ400へ搬入される。このとき、メインコンベ
ヤ400に設けられた基板停止装置624のストッパ部
材630は作用位置へ移動させられている。プリント基
板408が搬入され、減速開始位置センサ620によっ
て検出されれば搬送速度が減速され、基板到着確認セン
サ622によって検出されれば、基板搬送用モータ55
8が止められる。このとき、プリント基板408はスト
ッパ部材630に当接して移動を止められており、搬送
速度の減速によりプリント基板408はストッパ部材6
30に衝撃少なく当接する。なお、基板搬送用モータ5
58の起動後、設定時間が経過しても基板到着確認セン
サ622がプリント基板408を検出しない場合には、
何らかの異常が発生したのであり、プリント基板408
への回路部品842の装着が中断されるとともに、異常
の発生が報知される。
【0129】基板搬送用モータ558の停止後、昇降台
598が上昇させられ、基板吸着具602がプリント基
板408を吸着し、支持するとともに、突上部材580
がプリント基板408をコンベヤベルト546から持ち
上げて押さえ部570,572に押し付ける。このよう
にプリント基板408はメインコンベヤ400により位
置決め支持された状態で回路部品842の装着に備えて
待機させられる。そのため、メインコンベヤ402によ
り位置決め支持されたプリント基板408への回路部品
842の装着が終了すれば、最後に回路部品842を装
着していた回路部品装着装置の退避(回路部品供給装置
への移動)と並行して他方の回路部品装着装置が待機さ
せられているプリント基板408上へ移動させられ、回
路部品842の装着を開始する。プリント基板408の
交替に要する時間が実質的に0となり、プリント基板4
08への回路部品842の装着が能率良く行われるので
ある。なお、回路部品842の装着については後に詳細
に説明する。
【0130】基板搬送用モータ558は2つのメインコ
ンベヤ400,402に共通であり、その起動によりメ
インコンベヤ400,402の各コンベヤベルト546
がいずれも移動させられるが、上記のように回路部品装
着時にはプリント基板408はコンベヤベルト546か
ら持ち上げられているため、コンベヤベルト546の移
動により送られることはなく、プリント基板408の回
路部品842の装着とプリント基板408の搬入および
後述する搬出とを並行して行うことができる。
【0131】回路部品842の装着が終了すれば、基板
吸着具602が大気に解放され、プリント基板408の
保持が解除される。次いで、昇降台598が下降させら
れ、プリント基板408がコンベヤベルト546上に載
置された後、搬出コンベヤ406およびメインコンベヤ
400,402の各基板搬送用モータ486,558が
起動され、プリント基板408が搬出コンベヤ406へ
搬出される。搬出コンベヤ406は、メインコンベヤ4
00からのプリント基板408の搬出時には第1シフト
位置にシフトさせられている。また、ストッパ部材63
0が非作用位置へ移動させられている。
【0132】プリント基板408が搬出コンベヤ406
へ搬出され、基板到着確認センサ504により検出され
れば、基板搬送用モータ486,558が止められ、プ
リント基板408は搬出コンベヤ406上において、下
流側のリフローシステム4への引渡しに備えて待機させ
られる。直ちに引渡しが可能であれば、搬出コンベヤ4
06の基板搬送用モータ486は止められず、プリント
基板408はそのままリフローシステム4に引き渡され
る。搬出時にも、基板搬送用モータ486,558の起
動から設定時間が経過しても基板到着確認センサ504
がプリント基板408を確認しなければ、異常の発生が
報知されるとともに、装着が中断される。
【0133】搬入コンベヤ404は、メインコンベヤ4
00にプリント基板408を引き渡した後、スクリーン
印刷システム2から次のプリント基板408を受け取
る。そして、コンベヤ支持台426の移動により第2シ
フト位置へシフトさせられ、メインコンベヤ402への
プリント基板408の搬入に備えて待機させられる。メ
インコンベヤ402でのプリント基板408への回路部
品842の装着が終了し、プリント基板408が搬出さ
れた後、搬入コンベヤ404からメインコンベヤ402
へプリント基板408が搬入される。
【0134】搬出コンベヤ406は、メインコンベヤ4
00から搬出されたプリント基板408を下流側に設け
られたリフローシステム4へ渡した後、コンベヤ支持台
426の移動により第2シフト位置にシフトさせられて
プリント基板408の搬出に備えて待機させられてい
る。搬出コンベヤ406はプリント基板408を受け取
った後、第1シフト位置へシフトさせられ、リフローシ
ステム4へプリント基板408を引き渡す。
【0135】搬入コンベヤ404からメインコンベヤ4
02へのプリント基板408の搬入後、プリント基板4
08はメインコンベヤ402において、メインコンベヤ
400におけると同様にして位置決め支持され、回路部
品842の装着に備えて待機させられる。メインコンベ
ヤ400において位置決め支持されたプリント基板40
8への回路部品842の装着終了後、メインコンベヤ4
02において位置決め支持されたプリント基板408へ
の回路部品824の装着が開始され、装着終了後、搬出
コンベヤ406へ搬出される。
【0136】プリント基板408の種類が変わり、メイ
ンコンベヤ400,402,搬入コンベヤ404および
搬出コンベヤ406の搬送幅を変更する際には、各コン
ベヤ400〜406のいずれもがプリント基板408を
支持していない状態で作業者がハンドル510を回転操
作してチェーン470を移動させる。それにより各コン
ベヤ400〜406の可動フレーム442,526が一
斉に同じ方向へ同じ距離移動させられ、搬送幅が同時に
同じ大きさに変更される。搬入コンベヤ404,搬出コ
ンベヤ406は第1,第2のいずれのシフト位置に位置
していても同時に搬送幅を変更し得、搬送幅の変更時に
搬入コンベヤ404,搬出コンベヤ406の各シフト位
置は同じであることもあり、異なることもある。
【0137】回路部品842のプリント基板408への
装着を説明する。回路部品842のプリント基板408
への装着は、2個の回路部品装着装置18,20により
交互に行われる。回路部品装着装置18,20がそれぞ
れ回路部品842を取り出す回路部品供給装置は決まっ
ており、回路部品装着装置18は回路部品供給装置14
から回路部品842を取り出し、回路部品装着装置20
は回路部品供給装置16から回路部品842を取り出
す。それぞれ同じ側に設けられた回路部品供給装置から
回路部品842を取り出すのであり、2個の回路部品装
着装置18,20の各Y軸スライド658,660が装
着ヘッド650,652による回路部品842の取出し
時および装着時に干渉することはない。
【0138】回路部品842の装着開始に先立ってプリ
ント基板408の基準マークが、基準マーク撮像装置8
54により撮像される。基準マークの撮像は、前述のよ
うにプリント基板408がメインコンベヤに搬入される
とともに位置決め支持され、装着に備えて待機している
間に行われる。撮像は、待機中のプリント基板408を
支持しているメインコンベヤとY軸方向において同じ側
に設けられた回路部品装着装置の基準マーク撮像装置8
54により行われる。一方のメインコンベヤにより位置
決め支持されたプリント基板408への回路部品842
の装着が行われている間に、他方のメインコンベヤにプ
リント基板408が搬入され、位置決め支持されれば、
そのメインコンベヤと同じ側に設けられた回路部品装着
装置は、自身が保持する全部の回路部品842のプリン
ト基板408への装着終了後、回路部品供給装置へ回路
部品842を受け取りに行く途中で基準マークを撮像す
る。1枚のプリント基板408について、予定された全
部の回路部品842の装着が終了する前であっても、次
に回路部品842が装着されるプリント基板408が搬
入されれば、基準マークの撮像が行われるのである。プ
リント基板408には対角線上に2個の基準マークが設
けられており、コンピュータ1052は、回路部品84
2の吸着,装着等の制御の間に、撮像データに基づいて
プリント基板408上の複数の部品装着箇所の各々につ
いてX軸,Y軸方向の位置誤差を演算してメモリに格納
する。
【0139】2個の装着ヘッド650,652のうち、
装着ヘッド650による回路部品842の装着を代表的
に説明する。まず、装着ヘッド650は回路部品供給装
置14へ移動させられ、予め設定された数の回路部品8
42を回路部品供給装置14から取り出す。ここでは装
着ヘッド650の1回の回路部品842の装着数が20
個であり、20個の部品吸着軸766の全部が回路部品
842を吸着するものとする。また、説明を容易にする
ために、複数のフィーダ54はプリント基板408への
回路部品842の装着順に並べられており、間欠回転体
762の1ピッチずつの間欠回転により、20個の部品
吸着ノズル784が間欠的に旋回させられるとともに、
間欠回転体762の最短距離の移動により、順次回路部
品842を吸着し、装着するものとする。
【0140】そのため、回路部品842の取出し時に
は、間欠回転体762の間欠回転により、20個の部品
吸着軸766が順次部品吸着装着位置に位置決めされる
とともに、XYロボット662により、回路部品842
を供給するフィーダ54の部品取出位置上へ移動させら
れる。なお、間欠回転体762が間欠回転させられると
き、駆動歯車716が同方向に同角速度で回転させら
れ、部品吸着軸766が回転させられないようにされ
る。
【0141】部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ到
達する前であって、カムフォロワ804が昇降駆動部材
892の昇降駆動部896の下面に係合する状態になれ
ば、リニアモータ886が起動され、移動部材890が
下降させられるとともに昇降駆動部材892が下降させ
られ、部品吸着軸766が圧縮コイルスプリング806
の付勢力に抗して下降させられる。部品吸着軸766の
旋回と下降とが並行して行われるのである。部品吸着軸
766は、部品吸着ノズル784が回路部品842に接
触する前に部品吸着装着位置に到達し、停止しており、
部品吸着ノズル784は正確に回路部品842に接触す
ることができる。なお、部品吸着軸766が部品吸着装
着位置において昇降駆動部材892により下降させられ
る場合にも、被駆動歯車800は駆動歯車716に噛み
合った状態に保たれる。
【0142】前記フィーダ54により保持された部品収
容テープ156は、エンボスタイプの部品収容テープで
あり、部品収容テープ156に収容された回路部品84
2の上面(被吸着面)の上下方向(部品吸着軸766の
移動方向に平行な方向)の位置は、回路部品842の高
さに関係なく一定である。また、12個の部品吸着ノズ
ル784は種類が同じであり、部品吸着装着位置に位置
決めされた部品吸着ノズル784の吸着管788の下面
(吸着面)の高さは一定である。そのため、部品吸着装
着位置に位置決めされた部品吸着ノズル784の吸着管
788の下面と、フィーダ54により供給され、部品取
出位置に位置する回路部品842の上面との距離は、回
路部品842の種類に関係なく一定であり、昇降駆動部
材892の昇降距離は一定であって、吸着管788の下
面と回路部品842の上面との距離より僅かに大きくさ
れている。昇降駆動部材892は、吸着管788が回路
部品842に接触した後、更に小距離下降させられ、回
路部品842が確実に吸着されるようにされているので
あり、余分な下降距離は部品吸着ノズル784の圧縮コ
イルスプリング790の圧縮により吸収される。また、
リニアモータ886が速度制御されることにより、部品
吸着軸766は、下降開始時に滑らかに加速して下降さ
せられた後、滑らかに減速させられて回路部品842に
衝撃少なく当接させられる。昇降駆動部材892は、吸
着管788が回路部品842に接触した後、小距離下降
させられるときも減速され続けながら下降する。リニア
モータ886を駆動源として部品吸着軸766を昇降さ
せれば、下降速度および昇降距離を自由に設定すること
ができ、回路部品842をより短い時間で吸着し、ま
た、装着することができる。
【0143】図25のタイムチャートに、XYロボット
662の作動時期(すなわち装着ヘッド650の移動時
期)と、間欠回転体762の間欠回転時期と、部品吸着
軸766の昇降時期との関係を示す。これら時期はそれ
ぞれ、装着ヘッド650の移動速度,間欠回転体762
の回転速度および部品吸着軸766の昇降速度で表され
ている。同図において山形を成す線のうち、時間の経過
に従って頂点に向かう斜めの線は速度の増大を表し、頂
点から離れる斜めの線は速度の減少を表す。保持方位補
正変更とは、後述するように、部品吸着軸766により
吸着された回路部品842の保持方位誤差の補正あるい
は方位の予め設定された方位への変更であり、駆動歯車
716が回転させられ、部品吸着軸766が回転させら
れることにより行われる。また、部品保持テープ送り
は、フィーダ54における部品収容テープ156の送り
であり、撮像は回路部品撮像装置820による回路部品
842の撮像である。撮像時期は、速度ではなく、有無
で表されている。
【0144】移動部材890の下降と共に主エアシリン
ダ930が下降させられ、作用部材952が下降させら
れるとともに、リンク1030の回動により移動部材1
034が上昇させられて作用部材1002が上昇させら
れる。部品吸着時および装着時には、図26に示すよう
に、主エアシリンダ930,974および補助エアシリ
ンダ984の駆動指令が出力され、主エアシリンダ制御
用電磁弁1064,1066,補助エアシリンダ制御用
電磁弁1068が切り換えられる。作用部材952,1
002を作用位置側へ移動させるように作動するエアシ
リンダについてはON指令が出力され、作用部材95
2,1002を非作用位置側へ移動させるように作動す
るエアシリンダについてはOFF指令が出力される。そ
れにより、回路部品842の吸着時には、図19に示す
ように、主エアシリンダ930のピストンロッド946
がシリンダチューブ934から突出させられ、作用部材
952がシリンダチューブ934から突出した作用位置
に位置させられる。また、主エアシリンダ974のピス
トンロッド982はシリンダチューブ976から突出さ
せられ、補助エアシリンダ984のピストンロッド99
4はシリンダチューブ988内へ引っ込まされ、作用部
材1002が非作用位置に位置させられる。なお、以
下、主エアシリンダ930,974および補助エアシリ
ンダ984の各ピストンロッド946,982,994
が突出状態あるいは引込状態にあることを、主エアシリ
ンダ930,974および補助エアシリンダ984が突
出状態あるいは引込状態にあると称する。
【0145】移動部材890の下降に伴って、図27に
示すように、作用部材952が圧力切換弁860の切換
部材874に係合し、下方へ移動させる。この際、作用
部材1002は上昇するが切換部材874に係合せず、
切換部材874が負圧供給位置へ移動させられて圧力切
換弁860が負圧供給状態に切り換えられ、部品吸着ノ
ズル784に負圧が供給される。このとき切換部材87
4は、ストッパ部876がハウジング872に当接して
停止している。移動部材890および1034は、昇降
駆動部材892の下降に伴って互いに逆向きに移動させ
られ、切換部材874に互いに反対側から作用するが、
機械的に同期して移動させられるため、誤作動,作動遅
れ等によって2つの作用部材952,1002が同時に
切換部材874に作用したり、作用時期が不適正になっ
たりすることがない。回路部品842のプリント基板4
08への装着時も同じである。
【0146】圧力切換弁860は、吸着管788が回路
部品842に当接する直前に吸着管788の先端開口部
に負圧が供給されるタイミングで切り換えられ、吸着管
788が回路部品842に接触した後、極く短時間で回
路部品842を吸着するのに十分な高さの負圧が得ら
れ、迅速に回路部品842を吸着することができる。圧
力切換弁860の切換タイミングは、下降開始時におけ
る主エアシリンダ930の移動部材890に対する上下
方向の位置を調節することにより調節し得る。このよう
に部品吸着ノズル784の下降と圧力切換弁860の切
換えとは機械的に同期して行われるため、負圧の供給タ
イミングがずれることがなく、吸着ミスの発生が良好に
回避される。回路部品842のプリント基板408への
装着時も同じであり、負圧の解除タイミングがずれるこ
とがなく、装着ミスの発生が良好に回避される。
【0147】移動部材890(昇降駆動部材892)
は、前述のように、吸着管788が回路部品842に接
触した後、更に小距離下降させられるが、このときに
は、切換部材874が負圧供給位置まで移動し、ストッ
パ部876がハウジング872に当接して停止してお
り、余分な下降距離は作用部材952が圧縮コイルスプ
リング962を圧縮して移動部材890に対して相対移
動することにより許容される。
【0148】回路部品842の吸着後、移動部材890
が上昇させられ、昇降駆動部材892が上昇させられ
る。この際、部品吸着軸766は圧縮コイルスプリング
806の付勢力により昇降駆動部材892に追従して上
昇させられ、テープ状収容容器152から回路部品84
2を取り出す。移動部材890が上昇させられれば、主
エアシリンダ930が上昇させられ、作用部材952が
上昇させられて切換部材874から離間させられるが、
切換部材874は負圧供給位置へ移動させられた状態に
保たれ、回路部品842が部品吸着ノズル784により
吸着された状態に保たれる。また、移動部材1034の
下降により作用部材1002が下降させられる。
【0149】移動部材890が上昇端位置へ到達して昇
降駆動部896が固定カム712の切欠898に嵌合す
る前に間欠回転体762が回転を開始させられ、カムフ
ォロワ804が昇降駆動部896の下面に沿って移動さ
せられる。部品吸着軸766の旋回と上昇とが並行して
行われるのである。部品吸着軸766の部品吸着および
装着のための昇降と旋回とが並行して行われることによ
り、部品吸着装着位置に複数の部品吸着軸766が順次
到達する時間ピッチを短くすることができ、回路部品8
42の装着能率を向上させることができる。移動部材8
90が上昇端位置へ到達し、昇降駆動部896が切欠8
98に嵌合した後、カムフォロワ804が固定カム71
2のカム面808に乗り移り、回路部品842を吸着し
た部品吸着軸766が部品吸着装着位置から退避させら
れ、次に回路部品842を吸着する部品吸着軸766が
部品吸着装着位置へ迅速に移動させられる。
【0150】次に回路部品842を吸着する部品吸着軸
766は、装着ヘッド650がXYロボット662によ
ってX軸方向へ移動させられることにより、回路部品8
42を供給するフィーダ54の部品取出位置上へ移動さ
せられる。なお、同じフィーダ54から回路部品842
が取り出されるのであれば、装着ヘッド650はX軸方
向へは移動させられず、間欠回転体762が回転させら
れるのみである。フィーダ54においては、回路部品8
42の取出し後、部品収容テープ156が1ピッチ送ら
れ、次に取り出される回路部品842が部品取出位置に
位置決めされる。
【0151】間欠回転体762が回転させられて部品吸
着軸766が部品吸着装着位置へ移動させられるとき、
リニアモータ886あるいは制御装置1050の誤作動
等により、カムフォロワ804が昇降駆動部896の下
面に係合する前に昇降駆動部材892が既に下降してい
てカムフォロワ804より下方に位置することがあれ
ば、被駆動歯車800や部品吸着軸766の軸部材76
8が昇降駆動部896に当接する。しかし、部品吸着軸
766の旋回に伴って昇降駆動部材892に設定値以上
の力が加えられれば、昇降駆動部材892は図22に二
点鎖線で示す退避位置へ回動させられ、昇降駆動部材8
92や部品吸着軸766等の損傷が回避される。昇降駆
動部材892の退避位置への回動は移動検知装置920
により検知され、その検知信号に基づいて吸着作業が停
止させられる。異常原因の解消後、吸着が開始される。
昇降駆動部材892が作用位置へ戻されるとともに、昇
降駆動部896が切欠898に嵌合され、部品吸着軸7
66のカムフォロワ804が昇降駆動部896の下面に
係合させられて吸着が再開される。回路部品842のプ
リント基板408への装着時も同じである。
【0152】なお、例えば、リニアモータ886や制御
装置1050のリニアモータ886を制御する部分等の
誤作動等と、旋回用サーボモータ742や制御装置10
50の旋回用サーボモータ742を制御する部分等の誤
作動等とが同時に生じ、本来、部品吸着軸766が部品
吸着装着位置において停止すべきであるのに停止せず、
かつ、部品吸着軸766の部品吸着装着位置の通過時に
昇降駆動部材892が下降位置にあることがあっても、
部品吸着軸766は旋回しつつ昇降駆動部材892を退
避位置へ回動させ、また、カムフォロワ804は切欠8
98を乗り越えて損傷が回避される。
【0153】回路部品842は部品吸着軸766により
フィーダ54から取り出された後、プリント基板408
への装着前に回路部品撮像装置820により撮像され
る。部品吸着装着位置と撮像位置とは、図16に示すよ
うに5ピッチ(間欠回転体762における20個の部品
吸着軸766の配設ピッチを1ピッチとする)離れてお
り、回路部品842を吸着した部品吸着軸766は、間
欠回転体762の間欠回転により、他の部品吸着軸76
6が部品吸着装着位置へ移動させられるのと並行して撮
像位置へ移動させられる。そして、回路部品842が回
路部品撮像装置820により撮像され、X軸,Y軸方向
の各保持位置誤差および保持方位誤差が演算される。撮
像位置における回路部品842の撮像は、吸着する回路
部品842の数等によっては、部品吸着装着位置におけ
る回路部品842の吸着と並行して行われ、また、装着
と並行して行われることもあるが、撮像のみが行われる
こともある。それについては後に説明する。20個の部
品吸着軸766は間欠回転体762に搭載されていて、
間欠回転体762の間欠回転により、回路部品842を
吸着していない部品吸着軸766あるいは回路部品84
2を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移
動させられるのと並行して、回路部品842を吸着した
部品吸着軸766が撮像位置へ移動させられるため、回
路部品842の吸着と撮像とを並行して行い、装着と撮
像とを並行して行うことが可能であり、撮像結果に基づ
く保持位置誤差および保持方位誤差の算出に必要な時間
を確保しつつ回路部品842の装着能率を向上させるこ
とができる。
【0154】20個の部品吸着軸766の全部が回路部
品842を吸着したならば、装着ヘッド650はXYロ
ボット662によりプリント基板408上へ移動させら
れ、回路部品842を装着する。回路部品842の装着
は、X軸スライド654上においては部品吸着時と同じ
位置で行われる。プリント基板408に回路部品842
を装着する部品吸着軸766は、間欠回転体762の回
転により部品吸着装着位置に位置決めされ、XYロボッ
ト662によって装着ヘッド650が移動させられるこ
とにより、プリント基板408の部品装着箇所上へ移動
させられる。回路部品842の吸着と装着とが同じ位置
で行われるため、吸着,装着時に部品吸着軸766を昇
降させるための駆動源(リニアモータ886)が1つで
済み、装置を安価に構成することができるとともに、X
Yロボット662作動時の慣性負荷が小さくて済み、装
着ヘッド650を高速で移動させ得る。
【0155】部品吸着軸766が間欠回転体762の回
転により部品吸着装着位置に位置決めされるのと並行し
て、回路部品842は保持方位誤差が補正されるととも
に、予めプログラムされた角度により設定される方位へ
回転させられる。駆動歯車716を間欠回転体762に
対して相対回転させ、部品吸着軸766を自身の軸線の
まわりに回転させるのである。
【0156】駆動歯車716は全部の部品吸着軸766
に固定の各被駆動歯車800と噛み合わされており、保
持方位誤差を補正し、予めプログラムされた角度により
設定され方位へ回転させるべき部品吸着軸766以外の
部品吸着軸766も回転させられる。そのため、2番目
以降に回路部品842を装着する部品吸着軸766につ
いては、自身の保持方位誤差および設定された方位に加
えて、先に回路部品842を装着した部品吸着軸766
の回転角度および方向に基づいて回転角度および方向が
設定される。また、XYロボット662の移動距離は、
回路部品842の中心位置およびプリント基板408の
部品装着箇所の各X軸,Y軸方向の位置誤差を解消すべ
く、補正される。回路部品842の中心位置のX軸,Y
軸方向の位置誤差は、部品吸着軸766が電気部品84
2を吸着する際に生ずる中心位置誤差と、電気部品84
2の保持方位誤差の補正および方位の変更により生ずる
中心位置の変化との和である。
【0157】部品装着時にも部品吸着時と同様に、部品
吸着軸766が部品吸着装着位置に到達する前であっ
て、カムフォロワ804が昇降駆動部材892の昇降駆
動部896の下面に係合した状態で移動部材890が下
降させられ、部品吸着軸766が下降させられる。回路
部品842をプリント基板408に載置するときには、
部品吸着軸766は部品吸着装着位置に至って停止して
おり、正確に回路部品842をプリント基板408に装
着することができる。
【0158】移動部材890が下降させられれば、作用
部材952が下降させられるとともに作用部材1002
が上昇させられるが、回路部品842の装着時には、主
エアシリンダ930は引込状態とされ、作用部材952
が非作用位置に位置させられている。それに対し、作用
部材1002は回路部品842の吸着時より高く、切換
部材874に近い作用位置に位置させられていて、当接
部材1014が圧力切換弁860の切換部材874に係
合して上方へ移動させ、負圧解除位置へ移動させて圧力
切換弁860を負圧解除状態に切り換える。このとき、
切換部材874は、ストッパ部878がハウジング87
2に当接して停止する。
【0159】作用部材1002は、後述するように、主
エアシリンダ974が引込状態とされ、補助エアシリン
ダ984が突出状態とされることにより得られる作用位
置と、主,補助エアシリンダ974,984が共に引込
状態とされることにより得られる作用位置であって、主
エアシリンダ974のみが引込状態とされることにより
得られる作用位置より高い作用位置とに選択的に位置さ
せられる。
【0160】圧力切換弁860へのエアの供給,遮断を
制御する電磁開閉弁1024は、当接部材1014が切
換部材874に当接する前に開かれており、圧力切換弁
860が負圧解除状態に切り換えられれば、直ちに圧力
切換弁860から部品吸着ノズル784に向かってエア
の供給が開始され、回路部品842が迅速に解放され
る。当接部材1014が切換部材874に当接すると
き、圧力切換弁860と部品吸着ノズル784とを接続
する通路780,862等内は負圧状態になっており、
圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられて圧力
切換弁860に供給されるエアが吸着管788の先端開
口部に到達するまでに時間を要するが、回路部品842
を迅速に解放するためには、この時間を短くすることが
必要である。供給されるエアの流量が多ければ到達時間
を短くすることができるが、回路部品842を吸着管7
88から離間させるには多過ぎて、回路部品842をプ
リント基板408上で移動させ、あるいは吹き飛ばして
しまう恐れがある。そのため、当接部材1014に溝1
016が設けられ、エアが漏らされて流量が減少するよ
うにされている。圧力切換弁860が負圧解除状態に切
り換えられた後、エアが吸着管788の先端開口部に到
達するまでの間も溝1016からエアが漏れるが、圧力
切換弁860の切換直後は、圧力切換弁860と部品吸
着ノズル784とを接続する通路780等内が負圧状態
にあるため、溝1016からエアが漏れても、供給され
るエアの多くが部品吸着ノズル784へ流れ、吸着管7
88の先端開口部に迅速にエアが供給される。吸着管7
88の先端開口部にエアが供給され、部品吸着ノズル7
84内の圧力が大気圧に近くなり、あるいは大気圧以上
まで増大すれば、圧力切換弁860と部品吸着ノズル7
84とを接続する通路780等内の圧力が増大するた
め、溝1016からのエアの漏れ量が増える一方、部品
吸着ノズル784へ流れるエアの流量が減少し、回路部
品842を吸着管788から離間させるのに適当な量の
エアが得られる。
【0161】可変絞り弁1026の絞り量は、このよう
に部品吸着ノズル784に迅速にエアが供給され、部品
吸着ノズル784内の圧力が上昇した後は、溝1016
からのエアの漏れにより回路部品842が適切な量のエ
アによって吸着管788から離間させられる量に設定さ
れる。可変絞り弁1026のエアの絞り量の調節によっ
て部品吸着ノズル784内へ供給されるエアと大気中に
漏れるエアとの総流量を調節することができ、結果的
に、圧力切換弁860の負圧解除状態への切換直後と、
圧力増大後とにおける部品吸着ノズル784へのエアの
流量の比を調節することができる。なお、部品吸着ノズ
ル784が複数種類搭載されている場合には、中間の大
きさの部品吸着ノズル784に合わせて絞り量が設定さ
れる。
【0162】また、当接部材1014が切換部材874
に当接した当初は、圧力切換弁860が負圧解除状態に
切り換えられておらず、通路1022は切換部材874
により塞がれ、部品吸着ノズル784から遮断されてい
るため、通常であればエアの流れが一旦停止してしま
う。しかし、溝1016が設けられているため、溝10
16を通ってエアが流出してエアの流れができるため、
切換部材874が負圧解除位置へ切り換えられ、負圧の
供給が遮断されると同時に遅滞なく、また脈動少なく部
品吸着ノズル784に向かってエアが供給される。
【0163】このように回路部品842は、エアの供給
によって迅速に解放されるため、圧力切換弁860の負
圧解除状態への切換えは、回路部品842がプリント基
板408に接触した後に吸着管788の先端開口部にエ
アが供給されるタイミングで行われる。回路部品842
がプリント基板408に載置される前に吸着管788の
先端開口部にエアが供給されれば、回路部品842の位
置がずれる恐れがあるからである。
【0164】回路部品842の高さが高いほど、短い下
降距離でプリント基板408に接触し、圧力切換弁86
0の負圧解除状態への切換時期(エアの供給による回路
部品842の解放時期)を早くすることができる。圧力
切換弁860の切換時期は、回路部品842の高さに応
じて設定することが望ましいが、作用部材1002の作
用位置が2種類に変更され、圧力切換弁860の切換時
期が2種類に変更されるようになっている。そのため、
回路部品842を高さに応じて大小2種類に分類し、大
きい回路部品842については、移動部材890の下降
距離が短くされるとともに、作用部材1002の作用位
置が高い側に選択されて圧力切換弁860の切換時期が
早くされ、小さい回路部品842については、移動部材
890の下降距離が長くされるとともに、作用部材10
02の作用位置が低い側に選択されて圧力切換弁860
の切換時期が遅くされる。
【0165】具体的には、高さが0より大きく3mm以下
の回路部品842が小さい回路部品842とされ、3mm
より大きく、6mm以下の回路部品842が大きい回路部
品842とされている。大小いずれの分類においても、
移動部材890の下降距離は、各分類に属する複数種類
の回路部品842のうち、高さが最も小さい回路部品8
42に合わせて設定される。図28および図29に示す
ように、部品吸着装着位置に位置決めされた部品吸着軸
766の吸着管788の下面とプリント基板408との
間の距離を14mmとすれば、小さい回路部品842の場
合、下降距離は(14+α)mmとされ、大きい回路部品
842の場合は(11+α)mmとされる。高さが最も小
さい回路部品842が確実にプリント基板408に接触
するようにされているのである。なお、作用部材100
2の2つの作用位置の上下方向の距離の差は3mmとされ
ている。
【0166】圧力切換弁860の切換タイミングは、作
用部材1002の移動部材1034に対する上下方向の
位置を調節することにより、すなわち、補助エアシリン
ダ984の主エアシリンダ974に対する上下方向の位
置および支持部材998の補助エアシリンダ984に対
する上下方向の位置をそれぞれ調節することにより調節
可能である。圧力切換弁860の切換タイミングは、大
きい回路部品842の装着時および小さい回路部品84
2の装着時のいずれにおいても、各分類に含まれる回路
部品842のうち、高さが最も小さい回路部品842が
プリント基板408上に載置された後に、吸着管788
の先端開口部にエアが供給されるタイミングで圧力切換
弁860の切換えが行われるように調節されている。大
小の各分類にそれぞれ属する回路部品842のうち、高
さが大きい回路部品842についてはエアの供給時期が
遅れるが、いずれの回路部品842についても、プリン
ト基板408への載置後にエアの供給により解放される
ことが保証されているのである。移動部材890の下降
距離は、回路部品842が確実にプリント基板408に
載置されるとともに、上記のように設定されたタイミン
グで圧力切換弁860が切り換えられ、切換部材874
のストッパ部878がハウジング872に当接して負圧
解除位置へ移動した状態となることが保証される大きさ
に設定されている。
【0167】高さが0より大きく、3mm以下の回路部品
842のプリント基板408への装着時には、図26に
示す駆動指令に従って主エアシリンダ930,974お
よび補助シリンダ984が駆動され、図28(a)に示
すように、主エアシリンダ974が引込状態とされると
ともに補助エアシリンダ984が突出状態とされ、作用
部材1002が下側の作用位置にあって、圧力切換弁8
60の切換時期が遅くなるようにされる。また、主エア
シリンダ930は引込状態とされ、作用部材952は非
作用位置に位置させられて切換部材874に接触しない
ようにされる。なお、図28(a),(b)および後述
する図29(a),(b)には、図示の都合上、切換弁
制御装置882を構成する部材の一部が図示されてい
る。
【0168】移動部材890の下降により、図28
(b)に示すように、回路部品842がプリント基板4
08に接触し、その後、更に移動部材890が小距離下
降させられる。この下降は、部品吸着ノズル784の圧
縮コイルスプリング790の圧縮により許容される。
【0169】また、当接部材1014が切換部材874
を上方へ移動させ、圧力切換弁860が負圧解除状態に
切り換えられる。この切換え後の移動部材890の下降
(移動部材1034の上昇)は、支持部材998が引張
コイルスプリング1006を延ばしつつ作用部材100
2に対して上方へ移動することにより許容され、当接部
材1014および圧力切換弁860の損傷が回避され
る。吸着管788の先端開口部へのエア供給から設定時
間、すなわち回路部品842を解放するのに十分な時
間、エアが供給された後、電磁開閉弁1024が閉じら
れ、エアの供給が遮断される。
【0170】回路部品842の装着時にも、リニアモー
タ886は移動部材890の下降速度が加速,減速する
ように制御され、回路部品842が衝撃少なくプリント
基板408に接触させられる。下降距離は、大小同じ分
類に属する複数種類の回路部品842について共通であ
るが、回路部品842のプリント基板408への接触時
期は回路部品842の高さが大きいほど早いため、大小
同じ分類に属する回路部品842であっても、減速開始
時期は回路部品842の高さが大きいほど早くされる。
【0171】高さが大きい回路部品842のプリント基
板408への装着時には、図29(a)に示すように、
主エアシリンダ974および補助エアシリンダ984が
共に引込状態とされ、圧力切換弁860の切換時期が早
くなるようにされる。そして、移動部材890の下降に
より、図29(b)に示すように作用部材1002が上
昇し、当接部材1014が切換部材874に接触して負
圧解除位置へ移動させる。回路部品842のプリント基
板408への載置後、吸着管788の先端開口部にエア
が供給されて回路部品842が解放される。
【0172】回路部品842の装着後、移動部材890
が上昇させられるとともに、間欠回転体762が回転さ
せられ、次に回路部品842をプリント基板408に装
着する部品吸着軸766が部品吸着装着位置に位置決め
される。また、XYロボット662により装着ヘッド6
50が移動させられ、部品吸着装着位置が別の部品装着
箇所上へ移動させられる。回路部品842の装着時に
も、部品吸着軸766の上昇と間欠回転体762の間欠
回転とが並行して行われ、次に回路部品842を装着す
る部品吸着軸766が迅速に部品吸着装着位置に位置決
めされる。
【0173】このように、回路部品842の吸着時に
は、吸着管788が回路部品842に接触する前に吸着
管788の先端開口部に負圧が供給されて迅速に回路部
品842を吸着することができ、回路部品842の装着
時には、移動部材890の下降距離および圧力切換弁8
60の負圧解除状態への切換時期が回路部品842の高
さに応じて2種類に変更され、移動部材890の無駄な
下降が少なくされるとともに、回路部品842がプリン
ト基板408への載置後にエアの供給によって迅速に解
放されることにより、部品吸着に要する時間および部品
装着に要する時間が短くなり、装着能率の高い回路部品
装着装置18,20が得られる。
【0174】図25のタイムチャートに示すように、X
Yロボット662の作動による装着ヘッド650の水平
移動,間欠回転体762の間欠回転,回路部品842の
保持方位誤差の補正および変更,部品吸着軸766の部
品装着のための昇降が繰り返し行われて、装着ヘッド6
50において保持された全部の回路部品842がプリン
ト基板408に装着されたならば、装着ヘッド650は
次に装着する回路部品842の取出しのために回路部品
供給装置14へ移動する。回路部品装着装置18による
回路部品842の装着中に、回路部品装着装置20は回
路部品供給装置16から回路部品842の取出しを行っ
ており、回路部品装着装置18による回路部品842の
装着終了後、直ちに交替してプリント基板408への回
路部品842の装着を開始する。プリント基板408へ
は殆ど休みなく回路部品842が装着され、能率良く装
着が行われるのである。
【0175】なお、吸着エラーが発生した場合、例えば
吸着された回路部品842が予定された種類とは異なる
場合、あるいは回路部品842の保持方位誤差が過大で
ある場合等には、回路部品842はプリント基板408
に装着されない。部品吸着軸766が部品吸着装着位置
に位置決めされてもリニアモータ886が起動されず、
部品吸着軸766が下降させられないのである。そし
て、装着ヘッドが保持する全部の回路部品842(吸着
エラーのあった回路部品842は除く)の装着終了後、
回路部品供給装置へ移動する間に装着ヘッドは図示しな
い回路部品収容器上へ移動させられ、エラーのあった回
路部品842が捨てられる。このとき、捨てられる回路
部品842を吸着した部品吸着軸766は部品吸着装着
位置に位置決めされており、その部品吸着軸766が回
路部品収容器上に至った後、あるいは回路部品収容器上
に至る直前にリニアモータ886が起動される。作用部
材952が非作用位置に、作用部材1002が作用位置
に位置させられており、移動部材890の下降により作
用部材1002が切換部材874に係合して負圧解除位
置へ移動させ、圧力切換弁860が負圧解除状態に切り
換えられて回路部品842が捨てられる。作用部材10
02が上側の作用位置に位置させられていれば、下側の
作用位置に位置させられた場合よりも、リニアモータ8
86の起動後、短い時間で回路部品842が解放され
る。装着ヘッドは、回路部品収容器上において停止させ
られた状態で回路部品842を捨てるが、回路部品収容
器が長手形状の収容器であれば、装着ヘッドを停止させ
ることなく、移動しつつ回路部品842を捨てることも
可能である。
【0176】前述のように、回路部品842を吸着した
部品吸着軸766は、吸着後、次の部品吸着軸766が
間欠回転体762の回転により部品吸着装着位置へ移動
させられるのと並行して撮像位置に向かって移動させら
れ、撮像位置に至ったとき、回路部品842が回路部品
撮像装置820により撮像される。しかし、部品吸着装
着位置と撮像位置とは5ピッチ離れており、装着する回
路部品842の数が5個以下の場合は勿論、20個であ
っても、予定数の回路部品842の吸着が終了したと
き、撮像の済んでいない回路部品842が生ずる。
【0177】そのため、回路部品装着装置18,20
の1回の部品吸着数が20個であり、20個の部品吸着
軸766の全部が回路部品842の吸着に使用される場
合であって、1番目ないし5番目に吸着される回路部品
842の方位変更角度が0±15度(−15度以上+1
5度以下、他も同じ),90±15度,180±15度
および270±15度の範囲内の場合、回路部品装着
装置18,20の1回の部品吸着数が20個であり、2
0個の部品吸着軸766の全部が回路部品842の吸着
に使用される場合であって、1番目ないし5番目に吸着
される回路部品842の方位変更角度が0±15度,9
0±15度,180±15度および270±15度の範
囲外の角度の場合、部品吸着数が20個より少ない場
合の3つの場合についてそれぞれ、予定された全部の回
路部品842の吸着後における回路部品842の撮像が
異なる態様で行われる。
【0178】回路部品842は、部品吸着軸766によ
り回路部品供給装置14,16により供給された際の方
位とは異なる方位でプリント基板408に装着されるこ
とがある。方位変更角度とは、回路部品842を供給時
(部品吸着軸766の部品受取り時)の方位(誤差を含
まない方位)から装着時の方位へ回転させるための角度
であり、回路部品842の種類,装着箇所等に応じて装
着プログラムにおいて予め設定されている。なお、方位
変更角度は、部品吸着軸766を一方向へ回転させる角
度で設定されているが、実際の回転角度および方向は、
回路部品842を最小の回転角度で方位変更角度により
設定された方位へ回転させる角度および方向に設定され
る。
【0179】まず、についてを説明する。回路部品8
42の吸着数が20個の場合、図30に示すように、1
番目から15番目の回路部品842は、6番目から20
番目の回路部品842の吸着と並行して撮像され、方位
誤差角度θ1a〜θ15aが画像認識角度として取得さ
れる。そして、20番目の部品吸着軸766が回路部品
842を吸着した状態から間欠回転体762が1ピッチ
回転させられれば、1番目に回路部品842を吸着した
部品吸着軸766が部品吸着装着位置に戻り、回路部品
842をプリント基板408に装着することができる。
【0180】しかし、吸着終了時には16番目ないし2
0番目に吸着された回路部品842(以下、16番目な
いし20番目の回路部品842と称する。1番目ないし
15番目に吸着された回路部品842についても同
じ。)については撮像が行われていないため、1番目な
いし5番目の回路部品842の方位変更角度が0±15
度,90±15度,180±15度および270±15
度の範囲内である場合は、1番目ないし5番目の回路部
品842のプリント基板408への装着と並行して、1
6番目ないし20番目の回路部品842の撮像が行われ
る。
【0181】このことは、本回路部品装着システム8に
おいて、撮像の結果、回路部品842が0度,90度,
180度,270度に対して±30度の範囲を超えて傾
斜している場合、吸着エラーが発生したと判断され、装
着されないようにされていることと関連がある。本回路
部品装着システム8においては、20個の部品吸着軸7
66にそれぞれ固定された被駆動歯車800は共通の駆
動歯車716に噛み合わされており、プリント基板40
8に装着される回路部品842を回転させるとき、他の
部品吸着軸766も同角度、同方向へ回転させられる。
そのため、装着と撮像とが並行して行われる場合、撮像
される回路部品842の方位には、その回路部品842
自身の方位誤差角度のみならず、並行して装着される回
路部品842の方位変更角度および方位誤差補正角度も
含まれている。したがって、並行して装着される回路部
品842の方位変更角度および方位誤差補正角度の方向
および大きさを考慮に入れない単純な規則で、撮像され
た回路部品842に過大な保持方位誤差が発生している
か否かを判定するためには、回路部品842が0度,9
0度,180度,270度を中心として±αの範囲を外
れた場合には過大な保持方位誤差が発生したとすること
が必要であり、±αの大きさは、撮像される回路部品の
方位誤差角度と、並行して装着される回路部品842の
方位変更角度および方位誤差補正角度とを考慮して決定
されるべきである。方位誤差角度と方位誤差補正角度と
が0である極限の状態を考えれば、αは45度自体を除
外する大きさとすればよいのであるが、実際には方位誤
差角度と方位誤差補正角度とは0ではないため、45±
β度の範囲を除外する大きさに設定することが必要であ
る。
【0182】本回路部品装着システム8においては、方
位誤差角度が殆どの場合±5度以内であり、何らかの異
常が発生した場合でなければ±10度を超えることはな
いという事実を考慮して、±αが次のようにして±30
度と決められている。1番目ないし5番目の回路部品8
42の方位変更角度が0±15度,90±15度,18
0±15度および270±15度の範囲内である場合
は、1番目ないし5番目の回路部品842がプリント基
板408に装着される際に回転させられるとしても殆ど
の場合20度以内である。例えば、保持方位誤差が+5
度生じていて、方位変更角度が−15度であれば、回転
角度は20度になるからである。そのため、撮像される
回路部品842に保持方位誤差が+5度生じており、そ
れに加えて20度回転させられても撮像される回路部品
842の回転角度は25度であって、±30度の範囲外
となることはない。なお、1番目ないし5番の回路部品
842の保持方位誤差が+10度、撮像される回路部品
842の保持方位誤差が+10度である場合には、撮像
される回路部品842の回転角度は最大35度になる
が、そのようなことは実際上、殆ど生ぜず、吸着エラー
が生じていないのに生じているとして回路部品842が
廃棄される確率は極めて小さく、実用上問題はない。装
着と撮像とを並行して行うようにしても支障は殆どない
のである。
【0183】このように1番目ないし5番目の回路部品
842の装着と、16番目ないし20番目の回路部品8
42の撮像とが並行して行われる場合、20個の回路部
品842の吸着終了後、間欠回転体762は、XYロボ
ットにより水平移動させられ、部品吸着装着位置がプリ
ント基板408の部品装着箇所上へ移動させられる間
に、1ピッチ間欠回転させられるとともに部品吸着軸7
66が自身の軸線のまわりに回転させられる。それによ
り1番目の回路部品842を吸着した部品吸着軸766
が部品吸着装着位置へ移動させられるとともに、回路部
品842は保持方位誤差を補正され、かつ、方位変更角
度により設定された方位へ回転させられ、移動後、直ち
にプリント基板408に装着される。
【0184】図30に示すように、1番目の回路部品8
42を保持する部品吸着軸766のトータルの回転角度
は(−θ1a+θ1b)であり、16番目の回路部品8
42の画像認識角度は、1番目の回路部品842の回転
角度(−θ1a+θ1b)を含み、(θ16a−θ1a
+θ1b)となる。そのため、16番目の回路部品84
2の装着時吸着軸トータル回転角度は、方位誤差角度
(θ16a−θ1a+θ1b)を解消するための角度
(方位誤差補正角度)に自身の方位変更角度θ16bを
加えた角度(−θ16a+θ1a−θ1b)+θ16b
となる。17番目ないし20番目の回路部品842につ
いても同じである。また、2番目以降の部品吸着軸76
6は、先に回路部品842を装着した部品吸着軸766
の回転時に同時に回転させられているため、自身が保持
する回路部品842の方位誤差角度および方位変更角度
に加えて、先に回路部品842を装着した部品吸着軸7
66の回転角度および方向に基づいて部品吸着軸766
の回転角度および方向が設定される。この回転角度およ
び方向は、回路部品842を最小の角度で方位変更角度
により設定された方位へ回転させる角度および方向に設
定される。
【0185】を説明する。1番目ないし5番目の回路
部品842の方位変更角度が0±15度,90±15
度,180±15度および270±15度の範囲外の角
度の場合、回路部品842のプリント基板408への装
着開始に先立って、それら5個の回路部品842の撮像
が行われる。1番目ないし5番目の回路部品842の方
位変更角度が0±15度,90±15度,180±15
度および270±15度の範囲外の角度の場合は、回路
部品842が±30度以上傾いていて吸着エラーと判断
されることがあり得るため、装着と撮像とが並行しては
行われないのである。
【0186】そのため、16番目ないし20番目の回路
部品842の撮像は、図25のタイムチャートに示すよ
うに、装着ヘッドがXYロボットによって水平移動させ
られ、部品吸着装着位置がプリント基板408の部品装
着箇所上へ移動させられる間に行われる。この撮像のた
めに間欠回転体762が5ピッチ分、90度回転させら
れることにより、1番目に回路部品842を吸着した部
品吸着軸766が部品吸着装着位置から撮像位置側へ4
ピッチ離れた位置へ移動させられる。そのため、20番
目の回路部品842の撮像後、間欠回転体762が逆方
向へ4ピッチ分、回転させられ、1番目に回路部品84
2を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移
動させられる。また、この移動と並行して1番目の部品
吸着軸766が自身の軸線のまわりに回転させられ、回
路部品842の保持方位誤差が補正されるとともに、方
位変更角度により設定された方位へ回転させられる。
【0187】この際、16番目ないし20番目の回路部
品842の撮像に要する時間が装着ヘッドの水平移動に
要する時間より短ければ、図25のタイムチャートに示
すように、装着ヘッドの水平移動中に間欠回転体762
が回転させられるとともに、部品吸着軸766が回転さ
せられることとなる。撮像時間の方が長ければ、装着ヘ
ッドの水平移動終了後にも間欠回転体762が回転させ
られるとともに部品吸着軸766が回転させられる。
【0188】図31に示すように、1番目の回路部品8
42の方位誤差角度はθ1a度であり、誤差を補正する
ためには−θ1a度回転させることが必要である。ま
た、方位変更角度をθ1b度とすれば、回路部品842
はトータル(−θ1a+θ1b)度回転させることとな
る。2番目以降の回路部品842についても同様であ
り、部品吸着軸766は間欠回転体762の1ピッチの
回転によって部品吸着装着位置へ移動させられるのと並
行して回転させられる。2番目以降の部品吸着軸766
については、先に回路部品842を装着した部品吸着軸
766の回転角度および方向に基づいて部品吸着軸76
6の回転角度および方向が設定されることは、の場合
と同じである。
【0189】を説明する。装着する回路部品842の
数が15個ないし19個の場合、吸着する全部の回路部
品842の数をN個とすれば、先頭から数えて(N−1
5)個の回路部品842の方位変更角度が0±15度,
90±15度,180±15度および270±15度の
範囲外の角度であれば、前記の場合と同様に、予定さ
れた全部の数の回路部品842の吸着後、全部の回路部
品842について撮像が行われた後に、1番目に回路部
品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位
置に戻されて回路部品842を装着する。
【0190】なお、吸着する回路部品842の数が15
個の場合、(N−15)は0であり、回路部品842の
撮像位置への到達と部品吸着装着位置への到達とが並行
して起こることはなく、部品吸着終了後、装着を伴わな
い間欠回転が5回行われ、全部の回路部品842が撮像
される。回路部品842の方位変更角度が0±15度,
90±15度,180±15度および270±15度の
範囲内の場合も同じである。
【0191】先頭から数えて(N−15)個の回路部品
842の方位変更角度が0±15度,90±15度,1
80±15度および270±15度の範囲内であれば、
間欠回転体762の間欠回転により、1番目に回路部品
842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置
へ到達するまでの間、撮像位置に至った部品吸着軸76
6が保持する回路部品842の撮像のみが行われ、1番
目の回路部品842が部品吸着装着位置に至った後は、
装着と撮像とが並行して行われる。撮像のみが(20−
N)回行われる。換言すれば、(20−N)回の装着を
伴わない間欠回転が行われるのである。
【0192】例えば、装着される回路部品842の数が
17個の場合、図32に示すように、全部の回路部品8
42の吸着後、回路部品842の装着を伴わない間欠回
転体762の間欠回転が3回行われ、1番目の回路部品
842が部品吸着装着位置に向かって移動させられると
ともに、13番目ないし15番目の回路部品842が撮
像される。4ピッチ目の回転により1番目の回路部品8
42が部品吸着装着位置に到達するため、この間欠回転
の間に部品吸着軸766が自身の軸線のまわりに回転さ
せられ、回路部品842の保持方位誤差が補正されると
ともに、方位変更角度により設定された方位へ回転させ
られる。16番目および17番目の回路部品842の撮
像は1番目および2番目の回路部品842の装着と並行
して行われ、それらの画像認識角度には、1番目および
2番目の回路部品842の回転角度が含まれることとな
る。
【0193】17個の回路部品842の吸着後、装着ヘ
ッドが水平移動させられ、プリント基板408上へ移動
させられる。この間に13番目ないし15番目の回路部
品842の撮像が行われ、撮像が水平移動より先に終了
すれば、水平移動と並行して1番目の部品吸着軸766
の部品吸着装着位置への移動および回転が行われる。撮
像時間の方が長ければ、装着ヘッドの水平移動の終了後
にも撮像が行われるとともに、1番目の部品吸着軸76
6の部品吸着装着位置への旋回および自身の軸線まわり
の回転が行われることとなる。
【0194】装着される回路部品842の数が14個以
下の場合、装着と撮像とが並行して行われることはな
く、6個以上14個以下の場合は、全部の回路部品84
2の吸着後に間欠回転体762が5回間欠回転させられ
て、全部の回路部品842が撮像される。また、装着さ
れる回路部品842の数が5個以下の場合は、回路部品
842の数だけ間欠回転体762が間欠回転させられ
る。ただし、5個以下の場合は、装着される回路部品8
42が全部吸着されても、1番目に回路部品842を吸
着した部品吸着軸766は撮像位置に至らない。そのた
め、全部の回路部品842が吸着された後、1番目に回
路部品842を吸着した部品吸着軸766を撮像位置に
移動させるべく、間欠回転体762が回路部品842が
位置する位置と、撮像位置との間のピッチ分、一度に回
転させられ、その後、間欠回転体762がN回間欠回転
させられて撮像が行われる。
【0195】このように装着される回路部品842の数
が14個以下の場合も、撮像は間欠回転体762の水平
移動と並行して行われ、撮像が水平移動より先に終了す
れば、水平移動と並行して間欠回転体762が回転させ
られ、1番目の部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ
移動させられるとともに自身の軸線のまわりに回転させ
られる。撮像が水平移動の後に終了すれば、撮像の終了
後、1番目の部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移
動さらせれるとともに、自身の軸線のまわりに回転させ
られる。また、撮像終了後、1番目に回路部品842を
吸着した部品吸着軸766を部品吸着装着位置へ移動さ
せるとき、間欠回転体762の回転方向は、最も回転角
度が少なくて済む方向に設定される。
【0196】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、部品吸着軸766は部品保持具の一種で
ある部品吸着具であって、部品保持具の一種である部品
保持軸を構成し、部品吸着ノズル784が部品吸着軸7
66の部品保持部たる部品吸着部を構成している。旋回
用サーボモータ742および制御装置1050の旋回用
サーボモータ742を制御して間欠回転体762を間欠
回転させる部分が、20個の部品吸着軸766を部品吸
着装着位置および撮像位置に順次位置決めする保持具位
置決め装置を構成し、搬送用移動部材たるX軸スライド
654,656を有するXYロボット662,664が
搬送用移動装置を構成している。メインコンベヤ40
0,402の昇降台598,昇降台昇降装置600,基
板吸着具602および案内部材566,568の押さえ
部570,572が回路基材保持装置を構成している。
また、間欠回転体762,被駆動プーリ740,駆動プ
ーリ744等が上記保持具位置決め装置と共に保持具旋
回装置の一種である吸着具旋回装置を構成している。前
記搬送用移動装置は保持具旋回装置を保持して移動する
のであり、吸着具旋回装置は、XYロボットと共に吸着
具移動装置を構成している。さらに、リニアモータ88
6は、昇降駆動部材892を昇降させる昇降駆動装置を
構成し、昇降駆動部材892と共に、部品受取装着位置
である部品吸着装着位置近傍に位置する部品吸着軸76
6を昇降させる個別の昇降装置を構成している。カム部
材たる固定カム712,カムフォロワ804,圧縮コイ
ルスプリング806が、部品保持具を移動軌跡に沿って
昇降させる昇降装置を構成している。制御装置1050
の部品吸着装着位置において部品吸着軸766に回路部
品供給装置14,16から供給される回路部品842を
受け取らせ、あるいはプリント基板408に回路部品8
42を装着させる部分が受取装着制御装置を構成してい
る。制御装置1050は、保持具旋回装置,搬送用移動
装置,個別昇降装置および受取装着制御装置を制御する
のである。さらに、複数の部品吸着軸766,保持具旋
回装置,搬送用移動装置,個別昇降装置および受取装着
制御装置が装着ユニットを構成し、本実施形態において
は装着ユニットが2セット設けられており、制御装置1
050のそれら2セットの装着ユニットを制御し、回路
部品842の受取りおよび装着を交互に行わせる部分が
交互装着制御手段を構成している。制御装置1050の
部品吸着軸766による回路部品842の保持位置誤差
に基づいて搬送用移動装置の移動距離を補正し、保持具
旋回装置の回路基材保持装置に対する位置決めを補正す
る部分が位置決め補正手段を構成している。さらに、駆
動歯車716,被駆動歯車800,駆動源たる方位補正
変更用サーボモータ724が保持具回転装置を構成し、
制御装置1050の回路部品842の保持方位誤差に基
づいて保持具回転装置を制御し、保持方位誤差を補正す
る部分が方位補正手段を構成している。また、図30お
よび図32に基づいて説明したように、制御装置105
0の部品吸着軸766による回路部品842の装着と回
路部品撮像装置820による回路部品842の撮像とを
並行して行わせる部分が並行撮像制御手段を構成してい
る。間欠回転体762は、部品保持具の軸部材を軸方向
に移動可能かつ回転可能に保持し、その軸部材の軸線と
交差する方向に移動する移動部材であり、間欠回転によ
り回路部品を搬送する回路部品搬送装置の構成要素でも
ある。さらに、制御装置1050の主エアシリンダ93
0,974,補助エアシリンダ984を制御する部分が
アクチュエータ制御装置を構成し、それら主エアシリン
ダ930,974,補助エアシリンダ984等と共に、
昇降駆動部材892が部品吸着ノズル784を下降させ
るのに伴って切換部材874を圧力切換弁860が部品
吸着ノズル784内の圧力を大気圧以上から負圧に切り
換える負圧供給位置へ移動させる吸着実現状態と、昇降
駆動部材892が部品吸着ノズル784を下降させるの
に伴って切換部材874を圧力切換弁860が部品吸着
ノズル784内の圧力を負圧から大気圧以上の圧力に切
り換える負圧解除位置へ移動させる解放実現状態とに切
換えが可能な切換弁制御装置882を構成している。ま
た、リンク1030,ローラ1036,1042が、昇
降駆動部材892の移動方向を逆にして移動部材103
4に伝達する伝達装置を構成し、作用部材1002を付
勢する引張コイルスプリング1006が、主エアシリン
ダ974および補助エアシリンダ984により作用部材
1002に与えられる作動力が設定値を超えた場合に
は、作用部材1002がエアシリンダ974,984に
対して相対移動することを、弾性的な抵抗を付与しつつ
許容する相対移動許容装置を構成し、作用部材952を
付勢する圧縮コイルスプリング962も同様に相対移動
許容装置を構成している。通路1020,1022が作
用部材1002に形成された正圧供給通路を構成し、圧
力切換弁860内に形成され、通路1020,1022
に連通させられてエアが供給される通路も通路102
0,1022と共に正圧供給通路を構成している。さら
に、搬入側駆動軸たるスプライン軸456、搬出側駆動
軸たるスプライン軸456、搬入コンベヤ404および
搬出コンベヤ406の被駆動回転体たるスプライン筒4
58、ねじ軸448,ナット452,スプロケット46
0,462およびチェーン464を含む運動変換装置、
被駆動回転体たるスプロケット542、ねじ軸536お
よびナット538を含む運動変換装置、連結部材54
0、スプロケット468,516,518,542,5
44,チェーン470を含む回転伝達装置がメインコン
ベヤ400,402,搬入コンベヤ404および搬出コ
ンベヤ406の各搬送幅を同時に変更する幅変更装置を
構成し、この幅変更装置のうち、搬入コンベヤ404お
よび搬出コンベヤ406の搬送幅を変更する部分が請求
項6に係る発明の幅変更装置の実施形態である。
【0197】第1ないし第6発明に共通の別の実施形態
を図33ないし図37に示す。本実施形態は、複数の部
品吸着軸を間欠回転体に、複数の部品吸着軸の旋回軸線
を中心線とする円錐面の複数の母線の各々が軸線となる
状態で保持させるとともに、上記旋回軸線を、搬送平面
に対する垂線に対して、円錐面の一母線が搬送平面と直
交する状態となる角度だけ傾斜させたものである。その
他の構成は、前記実施形態と同じであり、異なる部分の
みを説明する。
【0198】装着ヘッド1100は、前記装着ヘッド6
50,652と同様に、XYロボット1102により水
平移動させられる。XYロボット1102を構成するX
軸スライド1104は、図33に示すように、複数の部
材が互いに固定されて成る。複数の部材の1つは被支持
部材1106であり、被案内部材たる一対のガイドブロ
ック1108が固定されるとともに、図示しないY軸ス
ライドに設けられた一対の案内部材たるガイドレール1
110に移動可能に嵌合されている。これらガイドブロ
ック1108およびガイドレール1110が案内装置を
構成している。被支持部材1106にはナット1112
が固定されるとともに、Y軸スライドに回転可能に取り
付けられたねじ軸1114に螺合されている。これらナ
ット1112およびねじ軸1114はボールねじを構成
している。ねじ軸1114には、X軸サーボモータ11
16の回転がカップリング1118により伝達され、ね
じ軸1114が回転させられてX軸スライド1104が
X軸方向に移動させられる。カップリング1118は、
X軸サーボモータ1116の出力軸1120とねじ軸1
114との各軸線にずれがあっても、そのずれを吸収し
つつX軸サーボモータ1116の回転をねじ軸1114
に伝達する。
【0199】被支持部材1106のX軸方向の一端部に
は、図33および図35に示すように、一対の取付部1
124が下方へ、かつX軸方向の他端部側へ向かう向き
に突設されており(図33には一方のみ図示されてい
る)、これら取付部1124に支持部材1126が固定
されている。支持部材1126は、図33および図34
に示すように、一対の腕部1127を有し、これら腕部
1127においても被支持部材1106に固定されてい
る。また、被支持部材1106のX軸方向の他端部に
は、取付部材1128が下方へ延び出す向きに固定され
ている。
【0200】支持部材1126には、図33に示すよう
に、回転軸1132が複数の軸受1134により回転可
能に取り付けられている。なお、組立の都合上、支持部
材1126は複数の部材が互いに固定されて成り、支持
部材1126の回転軸1132の上部を回転可能に支持
する部分は、支持部材1126の被支持部材1106に
固定される部分に対して着脱可能に固定されている。
【0201】回転軸1132の下部には、被駆動プーリ
1136が固定されている。被駆動プーリ1136に
は、支持部材1126にブラケット1137により取り
付けられた駆動源たる旋回用サーボモータ1138の回
転が駆動プーリ1140およびタイミングベルト114
2により伝達され、回転軸1132が正逆両方向に任意
の角度回転させられる。
【0202】回転軸1132には、軸受1146を介し
て中空軸1148が回転可能に嵌合されている。中空軸
1148の下端部には駆動歯車としての駆動かさ歯車1
150が固定され、上端部には被駆動プーリ1152が
固定されている。被駆動プーリ1152には、支持部材
1126に取り付けられた駆動源たる方位補正変更用サ
ーボモータ1154の回転が駆動プーリ1156および
タイミングベルト1158により伝達され、駆動かさ歯
車1150が正逆両方向に任意の角度回転させられる。
【0203】回転軸1132の中空軸1148から下方
への突出端部には、部品吸着軸保持部材1162が固定
され、回転軸1132と共に間欠回転体1164を構成
している。部品吸着軸保持部材1162には、16個の
保持穴1166が形成されている(図33には2個のみ
図示されている)。これら保持穴1166は、回転軸1
132の回転軸線を中心線とする円錐面の16本の母線
の各々を中心線として形成されており、回転軸1132
は前記支持部材1126に、回転軸線が水平な搬送平面
に対する垂線に対して、上記円錐面の一母線が搬送平面
と直交する状態となる角度だけ傾斜した状態で取り付け
られている。前記旋回用サーボモータ1138および方
位補正変更用サーボモータ1154も、各回転軸線がそ
れぞれ回転軸1132の回転軸線と平行となる向きに傾
斜した状態で支持部材1126に取り付けられている。
【0204】上記保持穴1166の各々には、図37に
示すように、スリーブ1168が嵌合され、固定されて
いる。スリーブ1168は、保持穴1166に嵌合され
るとともに、取付部1172において部品吸着軸保持部
材1162に固定手段たるボルト(図示省略)によって
固定されている。部品吸着軸保持部材1162の取付部
1172が固定される面は平面とされ、多角錐の外周面
を構成している。
【0205】スリーブ1168には、軸受1176を介
して回転部材1178が回転可能に嵌合されている。回
転部材1178の下端部には大径の当接部1180が設
けられ、上端部には被駆動歯車としての被駆動かさ歯車
1182が嵌合されるとともに、雄ねじ部1184にナ
ット1186が螺合されている。被駆動かさ歯車118
2は、当接部1180との間に一対の軸受1176を挟
んで回転部材1178に固定されているのであり、前記
駆動かさ歯車1150に噛み合わされている。
【0206】回転部材1178に部品吸着軸1170が
嵌合されている。部品吸着軸1170は、軸部材119
0と、軸部材1190にアダプタ1192により取り付
けられた部品吸着ノズル1194とを有し、軸部材11
90は回転部材1178に軸方向に相対移動可能に嵌合
されている。軸部材1190の回転部材1178から突
出した下端部に大径のノズル保持部1196が設けられ
ている。軸部材1190の上端部は回転部材1178か
ら突出させられ、軸受1200が取付部材1198によ
って取り付けられており、軸受1200と前記ナット1
186との間に配設された付勢手段の一種である弾性部
材としての圧縮コイルスプリング1202により、部品
吸着軸1170は上方へ付勢されている。部品吸着軸1
170の圧縮コイルスプリング1202の付勢力に基づ
く上方への移動限度は、回転部材1178の当接部11
80の下面に固定された摩擦リング1204に、ノズル
保持部1196が当接することにより規定される。摩擦
リング1204は摩擦係数の高い材料(例えばゴム)に
より作られており、摩擦リング1204とノズル保持部
1196との摩擦係合により、回転部材1178の回転
が軸部材1190に伝達される。
【0207】ノズル保持部1196には、下面に開口す
る段付状の嵌合穴1210が設けられ、アダプタ119
2が軸方向に移動可能に嵌合されている。アダプタ11
92はノズル保持部1196に等角度間隔に取り付けら
れた複数の保持部材1212によって保持されるととも
に、付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイル
スプリング1214により、ノズル保持部1196から
下方へ突出する向きに付勢されている。
【0208】ノズル保持部1196には、軸部材119
0の軸線に平行に延びる複数の切欠1216が等角度間
隔に形成され、前記複数の保持部材1212の各々が回
動可能に嵌合されるとともに、ノズル保持部1196に
巻き付けられたリング状のばね部材1218によってノ
ズル保持部1196に保持されている。保持部材121
2の切欠1216に嵌合された部分の上側には、ノズル
保持部1196の中心側に突出する突部1220が設け
られるとともに、ノズル保持部1196に形成された切
欠1222に嵌合されており、この突部1220の切欠
1222の底面への当接部を中心として、保持部材12
12がその長手方向に直角で、部品吸着軸1170の保
持部材1212が取り付けられた部分に対する接線方向
に延びる軸線まわりに回動可能である。さらに、保持部
材1212の突部1220の上側には操作部1224が
突設され、ノズル保持部1196に形成された切欠12
26に嵌合されている。保持部材1212は、切欠12
16への嵌合と、操作部1224の切欠1226への嵌
合とによって、部品吸着軸1170の軸線と直交し、部
品吸着軸1170の軸部材1190の半径方向に延びる
軸線まわりの回動が阻止されている。
【0209】保持部材1212の下部は、アダプタ11
92の大径の係合部1230に形成された切欠1232
に嵌合されており、ノズル保持部1196とアダプタ1
192との相対回転を阻止している。また、保持部材1
212の下端部にはアダプタ1192側へ突出する係合
突部1234が突設され、この係合突部1234が係合
部1230に下方から係合することにより、アダプタ1
192の嵌合穴1210からの抜出しを防止している。
この状態で前記操作部1224を押して保持部材121
2をばね部材1218の付勢力に抗して回動させ、係合
突部1234と係合部1230との係合を解くことによ
り、アダプタ1192をノズル保持部1196から外す
ことができる。
【0210】部品吸着ノズル1194は、吸着管保持体
1240に保持された吸着管1242を有し、吸着管保
持体1240に設けられたテーパ部1244においてア
ダプタ1192に設けられたテーパ穴1246にテーパ
嵌合されるとともに、ばね部材1248によりアダプタ
1192に保持されている。ばね部材1248はほぼコ
の字形を成し、コの字の一対の腕部においてアダプタ1
192に形成された一対の切欠1252に嵌合され、そ
れら腕部間の距離は先端ほど狭くされて締まり勝手とさ
れている。また、それら腕部間の先端部は互いに接近す
る向きに曲げられ、アダプタ1192からの脱落が防止
されている。
【0211】テーパ部1244がテーパ穴1246に嵌
合されれば、ばね部材1248はテーパ部1244に形
成された円環状の嵌合溝1254に嵌入し、テーパ部1
244に係合して吸着管保持体1240を保持するとと
もに、テーパ穴1246内に引き込んで位置決めする。
ばね部材1248のアダプタ1192に対する取付位置
は、テーパ部1244がテーパ穴1246に嵌合された
状態で、ばね部材1248の円形状の断面の中心位置に
対して、半円形断面の嵌合溝1254の中心位置が下方
へずれた状態となる位置とされており、ばね部材124
8は嵌合溝1254の溝側面の上側の部分に係合して吸
着管保持体1240をテーパ穴1246内に引き込む。
符号1256は、部品吸着ノズル1194の反射板であ
り、『『符号1258は回路部品である。このようにア
ダプタ1192に保持された部品吸着ノズル1194
は、アダプタ1192ごと、軸部材1190に対して着
脱される。
【0212】部品吸着軸保持部材1162の外周面に
は、16個の部品吸着軸1170の各々に対応して16
個の圧力切換弁1260が固定されている。圧力切換弁
1260は切換部材1261を有し、部品吸着軸117
0の軸線と平行に固定されている。圧力切換弁1260
は、図33および図37に示すように、部品吸着軸保持
部材1162内に形成された通路1262,回転軸11
32内に形成された通路1264,1266および支持
部材1126内に形成された円環状通路1268等を介
して図示しない真空装置に接続されている。
【0213】圧力切換弁1260は、図37に示すよう
に、部品吸着軸保持部材1162内に形成された別の通
路1270,スリーブ1168内に形成された通路12
72,シール保持部材1274に形成された通路127
6,回転部材1178内に形成された通路1280によ
り、部品吸着軸1170の軸部材1190内に形成され
た通路1282に接続されている。通路1280は円環
状を成すとともに、軸方向に長く、部品吸着軸1170
が回転部材1178に対して回転および軸方向に移動し
ても、通路1282は通路1280と連通した状態に保
たれる。
【0214】部品吸着軸1170の16個の停止位置の
うち、部品吸着軸1170の軸線が水平な搬送平面と直
交する状態となる位置が部品吸着装着位置であり、部品
吸着装着位置から90度離れた位置が撮像位置とされて
いる。間欠回転体1164の間欠回転により部品吸着軸
1170が旋回させられるとき、部品吸着軸1170の
位置が最も低くなる位置が部品吸着装着位置とされ、そ
れより高い位置が撮像位置とされているのである。前記
支持部材1126の撮像位置に対応する位置には、図3
6に示すように、ブラケット1288により回路部品撮
像装置1290が固定されている。回路部品撮像装置1
290は、前記回路部品撮像装置と同様に構成されてお
り、図示しない照明装置,反射装置1294およびCC
Dカメラ1296を備えている。撮像位置においては部
品吸着軸1170の軸線が搬送平面に対する垂線に対し
て傾斜し、回路部品撮像装置1290は、その光軸が部
品吸着軸1170の軸線と直角となる向きに設けられて
いる。回路部品撮像装置1290は、図33に示すよう
に、水平な搬送平面に対しても傾斜させられている。
【0215】X軸スライド1104を構成する取付部材
1128には、図34に示すように、基準マーク撮像装
置1300が搭載されている。取付部材1128にはま
た、図33に示すように、部品吸着装着位置に対応する
部分に個別昇降装置1302および切換弁制御装置13
04の機構部が取り付けられている。取付部材1128
にはリニアモータ1310が取り付けられており、リニ
アモータ1310の可動子1312に固定された移動部
材1314には、昇降駆動部材1316が固定されてい
る。昇降駆動部材1316は、部品吸着装着位置に位置
決めされた部品吸着軸1170の上方へ突出する昇降駆
動部たる係合部材1318を有する。
【0216】切換弁制御装置1304は、前記切換弁制
御装置882と同様に構成されており、移動部材131
4には、圧力切換弁1260を負圧供給位置に切り換え
るために、主アクチュエータたる主エアシリンダ132
0および主エアシリンダ1320により作用位置と非作
用位置とに移動させられる作用部材1322が取り付け
られている。取付部材1128にはまた、図示は省略す
るが、圧力切換弁1260を負圧解除位置に切り換える
ための主アクチュエータたる主エアシリンダ,補助アク
チュエータたる補助エアシリンダ,移動部材および作用
部材等が取り付けられており、リニアモータ1310に
よって移動部材1314が移動させられるとき、2つの
移動部材が機械的に同期して互いに逆向きに移動し、2
つの作用部材が互いに対称に昇降して選択的に切換部材
1261に作用し、圧力切換弁1260を負圧供給状態
と負圧解除状態とに切り換える。
【0217】以上のように構成された回路部品装着シス
テムにおいて回路部品1258のプリント基板への装着
時には、前記実施形態におけると同様に、XYロボット
1102の作動および間欠回転体1164の間欠回転に
より、複数の部品吸着軸1170が回路部品供給装置へ
移動させられて回路部品1258を吸着し、吸着後、プ
リント基板上へ移動させられて回路部品1258を装着
する。
【0218】回路部品1258の吸着時には、間欠回転
体1164の間欠回転により16個の部品吸着軸117
0が順次部品吸着装着位置へ移動させられる。このと
き、駆動かさ歯車1150が間欠回転体1164と同方
向に同角速度で回転させられ、部品吸着軸1170が自
身の軸線のまわりに回転しないようにされる。部品吸着
軸1170が部品吸着装着位置へ到達した後、移動部材
1314の下降により昇降駆動部材1316が下降させ
られ、部品吸着軸1170が圧縮コョクスプリング12
02の付勢力に抗して下降させられる。部品吸着軸11
70が下降させられれば、軸部材1190のノズル保持
部1196が摩擦リング1204から離れるが、部品吸
着軸1170が回転部材1178に対して回転すること
はない。例えば、圧縮コイルスプリング1202にねじ
りが生ずれば、部品吸着軸1170を回転部材1178
に対して回転させる回転トルクが生ずるが、圧縮コイル
スプリング1202の一端部は、部品吸着軸1170に
より軸受1200を介して支持されているため、圧縮コ
イルスプリング1202は部品吸着軸1170に対して
回転し、部品吸着軸1170が回転させられることはな
いのである。
【0219】部品吸着軸1170の下降の途中で圧力切
換弁1260が負圧供給状態に切り換えられて部品吸着
ノズル1194に負圧が供給され、回路部品1258を
吸着する。吸着後、昇降駆動部材1316が上昇させら
れれば、部品吸着軸1170は圧縮コイルスプリング1
202の付勢力により上昇させられ、回路部品1258
がフィーダから取り出される。
【0220】回路部品1258を吸着した部品吸着軸1
170が間欠回転体1164の回転によって撮像位置に
至れば、回路部品1258が回路部品撮像装置1290
により撮像される。前記実施形態におけると同様に、装
着される回路部品1258の数および1番目ないし5番
目の回路部品1258の方位変更角度の大きさに応じて
装着と撮像とが並行してあるいは別々に行われる。
【0221】回路部品1258の装着時には、複数の部
品吸着軸1170が順次部品吸着装着位置に位置決めさ
れる。間欠回転体1164の間欠回転により、回路部品
1258をプリント基板に装着する部品吸着軸1170
が部品吸着装着位置へ移動させられるとき、間欠回転体
1164の回転中に、駆動かさ歯車1150が間欠回転
体1164に対して相対回転させられて部品吸着軸11
70が自身の軸線のまわりに回転させられ、回路部品1
258の保持方位誤差が補正されるとともに、回路部品
1258が方位変更角度により設定された方位へ回転さ
せられる。駆動かさ歯車1150の回転は、被駆動かさ
歯車1182,回転部材1178,摩擦リング120
4,ノズル保持部1196,保持部材1212,アダプ
タ1192から部品吸着ノズル1194へ伝達され、回
路部品1258が回転させられる。部品吸着軸1170
の部品吸着装着位置への到達後、昇降駆動部材1316
が下降させられ、部品吸着軸1170が下降させられて
回路部品1258がプリント基板に装着される。また、
移動部材1314の下降により圧力切換弁1260が負
圧解除状態に切り換えられ、回路部品1258のプリン
ト基板への接触後、部品吸着ノズル1194にエアが供
給されて回路部品1258が解放される。回路部品12
58の高さに応じて部品吸着軸1170の昇降距離およ
び圧力切換弁1260の負圧解除状態への切換時期が2
種類に変更されることは、前記実施形態におけると同じ
である。
【0222】本回路部品装着システムにおいては、複数
の部品吸着軸1170に共通の旋回軸線が搬送平面に対
する垂線に対して傾斜させられているため、間欠回転体
1164が回転させられるとき、部品吸着軸1170が
旋回させられつつ昇降(水平な搬送平面に対して接近,
離間)させられる。部品吸着軸1170の位置は部品吸
着装着位置において最も低くなり、撮像位置は部品吸着
装着位置より高く、部品吸着軸1170の上昇によって
得られる隙間に回路部品撮像装置1290を設けること
ができ、回路部品撮像装置1290と部品吸着軸117
0および部品吸着軸1170により保持された回路部品
1258との干渉や、回路部品撮像装置1290と回路
部品供給装置との干渉を回避しながら、部品吸着装着位
置における部品吸着軸1170の昇降距離を短くするこ
とができる。また、回路部品撮像装置1290は、水平
な搬送平面に対しても傾斜させられているため、回路部
品撮像装置1290の搬送平面に直角な方向における寸
法が、撮像位置を部品吸着軸1170が水平な姿勢にな
る位置に設定して回路部品撮像装置1290を搬送平面
に対して直角に設ける場合に比較して小さくて済み、X
軸スライド1104をコンパクトに構成することがで
き、搬送速度を高くすることができる。
【0223】なお、前記実施形態において20個の部品
吸着ノズル784は種類が同じであって、各吸着管78
8の径は同じとされ、図16に概略的に示すように等角
度間隔に設けられていたが、図38に概略的に示すよう
に、吸着管の径が大小2種類に異なる10個ずつの部品
吸着ノズル1330と1332とを等角度間隔にかつ交
互に設けてもよい。なお、図38に図示されているの
は、部品吸着ノズル1330,1332の反射板であ
る。これら部品吸着ノズル1330および1332は、
図39に概略的に示すように、吸着管の径が同じ部品吸
着ノズル同士を寄せて設けてもよい。
【0224】さらに、図40に示すように、吸着管の径
が異なる3種類の部品吸着ノズル1340,1342お
よび1344を設けることも可能である。吸着管の径に
関係なく、部品吸着軸の軸部の直径が同じであり、共通
の保持穴に嵌合可能であれば、吸着管の径が大きい部品
吸着ノズルを有する部品吸着軸については、保持穴に1
個おきにあるいは複数個おきに嵌合すればよい。吸着管
の径に応じて部品吸着軸の軸部の径が異なり、共通の保
持穴を使用できなければ、間欠回転体を部品吸着軸の軸
部の径に応じた複数種類の保持穴を有するものとすれば
よい。さらにまた、間欠回転体に保持させる全部の部品
吸着軸を、吸着管の径が部品吸着ノズル1340のよう
に大きい部品吸着ノズルを有するものとし、部品吸着軸
を10個等角度間隔に設けてもよい。部品吸着ノズル1
340より更に大きい径の吸着管を有する部品吸着ノズ
ルが取り付けられた部品吸着軸を設けてもよい。さらに
部品吸着ノズルを4種類以上設けてもよい。回路部品の
大きさに応じた径の吸着管を有する部品吸着ノズルを設
ければ、大きい回路部品でも確実に保持されるため、間
欠回転体の間欠回転速度を低くしなくても回路部品がず
れることがなく、装着能率の低下を回避することができ
る。
【0225】前記実施形態において装着ヘッドは、一軸
線まわりに回転する間欠回転体に複数の部品吸着軸が搭
載されたものとされていたが、図41および図42に概
略的に示すように、搬送用移動装置たるXYロボット1
350に複数の部品吸着軸1352を搭載し、XYロボ
ット1350の移動により複数の部品吸着軸1352を
順次、回路部品供給装置の部品取出位置およびプリント
基板の部品装着箇所上へ移動させてもよい。XYロボッ
ト1350には、複数の部品吸着軸1352のうち、回
路部品の吸着,装着を行う部品吸着軸1352を選択す
る吸着軸選択装置1354が設けられるとともに、複数
の部品吸着軸1352の全部を一斉に昇降させる昇降装
置1356が設けられている。昇降装置1356によっ
て全部の部品吸着軸1352が昇降させられるが、吸着
軸選択装置1354により選択された部品吸着軸135
2は他の部品吸着軸1352より下方へ突出させられて
おり、選択された部品吸着軸1352のみが回路部品の
吸着,装着を行う。
【0226】図43および図44に示すように、搬送用
移動装置たるXYロボット1360上に、XYロボット
1360に対して一方向(例えばX軸方向)に移動する
移動部材1362を設け、その移動部材1362上に複
数の部品吸着軸1364を移動部材1362の移動方向
に平行に並べて設けてもよい。XYロボット1360に
は、移動部材1362を移動させる移動部材移動装置
(図示省略)が設けられ、移動部材1362と共に保持
具直線移動装置を構成しており、移動部材1362を移
動させて複数の部品吸着軸1364を順次、部品吸着装
着位置に位置決めする。搬送用移動装置が保持具直線移
動装置を保持する保持具直線移動装置保持部材を構成し
ている。XYロボット1360の移動により部品吸着装
着位置に位置決めされた部品吸着軸1364が順次、回
路部品供給装置の部品取出位置およびプリント基板の部
品装着箇所上へ移動させられる。また、XYロボット1
360の部品吸着装着位置近傍に対応する位置に昇降装
置等の軸方向移動装置1366および図示しない切換弁
制御装置が設けられ、部品吸着装着位置に位置決めされ
た部品吸着軸1364を軸方向に移動させるとともに、
複数の部品吸着軸1364の各々について設けられた圧
力切換弁のうち、部品吸着装着位置へ移動させられた部
品吸着軸1364について設けられた圧力切換弁を切り
換えて回路部品を吸着,装着させる。
【0227】移動部材1362は一方向に移動する部材
に限らず、図45に示すように、搬送用移動装置たるX
Yロボット1370上に、X軸方向およびY軸方向の両
方向に移動する移動部材1372を設け、図示しない移
動部材移動装置によってX軸,Y軸方向に移動させると
ともに、その移動部材1372上に複数の部品吸着軸1
374をX軸方向およびY軸方向の両方向に並べて設け
てもよい。移動部材1372および移動部材移動装置が
保持具直線移動装置を構成する。
【0228】図43ないし図45に示す各実施形態にお
いて、XYロボット1360,1370にそれぞれ部品
吸着軸の軸線に平行な方向の位置が変化する部分(搬送
平面との距離が変化する部分)を有するカム面を設ける
とともに、部品吸着軸にカムフォロワを設け、移動部材
1362,1372をXYロボット1360,1370
に対してX軸方向,Y軸方向に移動させるとともに、部
品吸着軸の軸線に平行な方向の位置を変えるようにして
もよい。
【0229】また、図41ないし図45に示す各実施形
態において、搬送平面は水平面に限らず、水平面に対し
て傾斜した平面としてもよい。
【0230】前記実施形態において、部品吸着具内の圧
力増大後における部品吸着具からのエアの噴出流量を調
節する可変絞り弁1026は、圧力切換弁860と直列
に設けられていたが、図46に示すように圧力切換弁1
400と並列に設けてもよい。例えば、圧力切換弁14
00のエアが供給される部分の一部を大気に連通させる
とともに、可変絞り手段としての可変絞り弁1402を
設けるのである。当接部材が切換部材に当接する前に電
磁開閉弁1404が開かれていて、エア供給源1406
から絞り1408を介してエアが供給され(図中、白丸
が当接部材と切換部材との当接を表す)、圧力切換弁1
400が負圧解除状態に切り換えられれば、エアが吸着
管1410に供給される。吸着管1410の圧力が大気
圧近くあるいは大気圧以上になるまでは、エアの多くは
吸着管1410に供給され、圧力増大後は可変絞り弁1
402から大気中に流出するエアの流量が増大して、吸
着管1410には回路部品を離間させるのに適当な量の
エアが供給される。
【0231】可変絞り弁1402の絞り作用を強くすれ
ば(エアの漏れ量を少なくすれば)、吸着管1410の
圧力が大気圧近くあるいは大気圧以上になったときの吸
着管1410からのエアの噴出流量が多くなり、絞りを
弱くすれば、吸着管1410からのエアの噴出流量が少
なくなる。圧力切換弁1400は20個の部品吸着軸の
各々について設けられており、装着する回路部品の種類
が変わり、部品吸着ノズルが交換されれば、その部品吸
着ノズルの吸着管の径に応じて可変絞り弁1402の絞
り量を調節する。それにより吸着管の径に応じた量のエ
アが供給され、回路部品が多量のエアによって吹き飛ば
されることなく、迅速かつ確実に吸着管から離間させら
れる。
【0232】なお、エアの漏れ量を可変絞り弁1402
によって調節するとともに、絞り1408を可変絞りと
し、エア供給源から供給されるエアの流量をも調節する
ようにすれば、圧力切換弁の負圧解除状態への切換直後
と部品吸着ノズル内の圧力増大後とにおける部品吸着ノ
ズルへのエアの流量の比を一層正確に調節できる。
【0233】上記各実施形態において、搬入コンベヤ4
04および搬出コンベヤ406はそれぞれ、ロッドレス
シリンダ436を駆動源とする搬入コンベヤシフト装置
438および搬出コンベヤシフト装置508によって第
1シフト位置と第2シフト位置とにシフトさせられるよ
うになっていたが、図48および図49に示す回路部品
装着システム1444の基板コンベヤ1446における
ように、電動モータの一種である電動回転モータであっ
て、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータ1
448を駆動源とする搬入コンベヤシフト装置145
0,搬出コンベヤシフト装置1452により、搬入コン
ベヤ1454,搬出コンベヤ1456をシフトさせても
よい。
【0234】搬入コンベヤシフト装置1450を説明す
る。案内部材支持台1458上には、2個のメインコン
ベヤ1460,1462が並ぶ方向と平行に回転可能か
つ軸方向に移動不能にねじ軸1464が設けられてい
る。ねじ軸1464は、メインコンベヤ1460,14
62のそれらが並ぶ方向の寸法より長く、メインコンベ
ヤ1460,1462をそれぞれ外方へ超えて設けら
れ、コンベヤ支持台1466に固定されたナット146
8が螺合されている。これらねじ軸1464およびナッ
ト1468は図示しない鋼球を介して作動するボールね
じを構成している。
【0235】ねじ軸1464はサーボモータ1448に
より回転させられる。それによりコンベヤ支持台146
6が一対の直線状の案内部材たるガイドレール1470
に案内されて移動させられ、搬入コンベヤ1454がメ
インコンベヤ1460,1462につらなる第1,第2
シフト位置へシフトさせられる他、第1,第2シフト位
置以外の位置であって、第1,第2シフト位置を両端と
する領域より広いシフト領域内の任意のシフト位置へも
シフトさせられる。ねじ軸1464と同様に、メインコ
ンベヤ1460,1462を超えて設けられた一対のガ
イドレール1470と、コンベヤ支持台1466に設け
られてガイドレール1470に図示しないボールを介し
て相対移動可能に嵌合された被案内部材たるガイドブロ
ック1472とが案内装置の一種であるリニアボールガ
イド1474を構成している。また、ねじ軸1464お
よびナット1468が運動変換装置を構成するとともに
サーボモータ1448と共に駆動装置を構成し、駆動装
置,コンベヤ支持台1466およびリニアボールガイド
1474が搬入コンベヤシフト装置1450を構成して
いる。サーボモータ1448は、前記制御装置1050
により図示しない駆動回路を介して制御される。
【0236】搬入コンベヤ1454は、サイドフレーム
たる固定フレーム1476および可動フレーム1478
を有する。案内部材支持台1458上に軸方向に移動不
能かつ回転可能に設けられたスプライン軸1480に、
コンベヤ支持台1466に回転可能かつ軸方向に移動不
能に保持されたスプライン筒1482が軸方向に相対移
動可能かつ相対回転不能に嵌合され、スプライン筒14
82の回転がねじ軸1484およびナット1486によ
り可動フレーム1478の直線移動に変換され、搬入コ
ンベヤ1454の搬送幅が変更されることは上記各実施
形態におけると同じである。また、スプライン軸148
0およびスプライン筒1482はボールスプラインを構
成している。スプライン軸1480は、ねじ軸1464
と同様に、メインコンベヤ1460,1462を超えて
設けられており、搬入コンベヤ1454がシフトさせら
れるとき、スプライン筒1482はスプライン軸148
0に嵌合した状態に保たれる。さらに、可動フレーム1
478に固定の被案内部材たる2個の筒状のガイドブロ
ック1487はそれぞれ、コンベヤ支持台1466に設
けられた案内部材たる直線状のガイドレール1488に
ボールを介して移動可能に嵌合されており、これらガイ
ドブロック1487およびガイドレール1488を含む
案内装置の一種であるリニアボールガイド1489によ
り、可動フレーム1478の移動が案内される。
【0237】搬出コンベヤシフト装置1452および搬
出コンベヤ1456は、搬入コンベヤシフト装置145
0および搬入コンベヤ1454と同様に構成されてお
り、同じ作用を成す構成要素については同一の符号を付
して説明を省略する。但し、搬出コンベヤ1456のシ
フト領域は搬入コンベヤ1454のシフト領域より大き
くされており、その分、ねじ軸1464,ガイドレール
1470,スプライン軸1480が長くされている。
【0238】操作部材たるハンドル1490を作業者が
回転操作することにより得られる回転駆動力は、回転部
材の一種である複数のスプロケット1492,それらス
プロケットに巻きかけられた巻きかけ部材の一種である
複数のチェーン1494を含む回転伝達装置により搬入
コンベヤシフト装置1450,搬出コンベヤシフト装置
1452の各スプライン軸1480に伝達される。
【0239】メインコンベヤ1460,1462はそれ
ぞれ、固定フレーム1498,可動フレーム1500を
有する。メインコンベヤ1460の可動フレーム150
0には、図示しない2つのナットが固定され、それぞれ
ねじ軸1502(図49にはねじ軸1502は1本のみ
図示されている)に螺合されている。ねじ軸1502
は、回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられるととも
に、スプロケット1492が固定されて上記回転伝達装
置を構成しており、回転伝達装置によりハンドル149
0の回転操作に基づく回転駆動力が伝達される。スプロ
ケット1492が被駆動回転体を構成し、ナットおよび
ねじ軸1502が運動変換装置を構成している。可動フ
レーム1500の移動は、互いにボールを介して軸方向
に相対移動可能に嵌合されて、案内装置の一種であるリ
ニアボールガイド1503を構成する筒状のガイドブロ
ック1504およびガイドレール1506により案内さ
れる。
【0240】メインコンベヤ1462の可動フレーム1
500は、メインコンベヤ1460の可動フレーム15
00に、2つの連結部材1508により一体的に連結さ
れている。また、メインコンベヤ1462の可動フレー
ム1500は、メインコンベヤ1460の可動フレーム
1500と同様に、ガイドブロック1504およびガイ
ドレール1506を含むリニアボールガイド1503に
より移動を案内される。
【0241】基板搬送方向において回路部品装着システ
ム1444の上流側に設けられた上流側装置の一種であ
るスクリーン印刷システム1512は、図48に概略的
に示すように、プリント基板を搬出する搬出コンベヤ1
456が、搬入コンベヤ1454のシフト領域のうち、
メインコンベヤ1460からメインコンベヤ1462と
は反対側へ外れた部分とつらなる位置に設けられてい
る。回路部品装着システム1444の基板搬送方向にお
いて下流側には、下流側装置の一種である2つのリフロ
ーシステム1516,1518が搬出コンベヤ1514
のシフト方向と平行に並ぶとともに、それらリフローシ
ステム1516,1518の各搬入コンベヤ1520
が、搬出コンベヤ1456のシフト領域のうち、シフト
方向の両端部とそれぞれつらなる位置に設けられてい
る。これら回路部品装着システム1444,スクリーン
印刷システム1512およびリフローシステム151
6,1518が電子回路組立ライン1522を構成して
いる。
【0242】搬入コンベヤ1454は、スクリーン印刷
システム1512の搬出コンベヤ1514とつらなるシ
フト位置へ移動させられてスクリーン印刷の済んだプリ
ント基板を受け取り、第1あるいは第2シフト位置へ移
動させられてプリント基板をメインコンベヤ1460あ
るいは1462に渡す。搬出コンベヤ1456は、第1
あるいは第2シフト位置へ移動させられ、メインコンベ
ヤ1460あるいは1462からプリント基板を受け取
り、リフローシステム1516あるいは1518の搬入
コンベヤ1520とつらなるシフト位置へ移動させられ
てプリント基板を渡す。搬入コンベヤ1454,搬出コ
ンベヤ1456は、サーボモータを駆動源としてシフト
領域内の任意の位置へシフトさせることができるため、
搬入コンベヤ1454,搬出コンベヤ1456がスクリ
ーン印刷システム1512,リフローシステム151
6,1518との間でプリント基板の受渡しを行うシフ
ト位置と、メインコンベヤ1460,1462との間で
プリント基板の受渡しを行うシフト位置とが異なってい
ても、支障なく、プリント基板の受渡しを行うことがで
きる。そのため、スクリーン印刷システム1512,リ
フローシステム1516,1518の配設の自由度が高
く、さらにはスクリーン印刷システム1512,リフロ
ーシステム1516,1518との間でプリント基板の
受渡しを行う装置の配設の自由度も高くなり、電子回路
組立ライン1522や、電気部品回路組立ライン152
2を含む作業ラインの設計の自由度が向上する効果が得
られる。
【0243】スプライン軸1480はメインコンベヤ1
460,1462を超えて設けられており、搬入コンベ
ヤ1454,搬出コンベヤ1456がいずれの位置へシ
フトさせられてもスプライン筒1486はスプライン軸
1480に嵌合された状態に保たれ、搬送幅を変更する
ことができる。搬送幅の変更時に、搬入コンベヤ145
4,搬出コンベヤ1456の各シフト位置は、同じであ
ることもあり、異なることもある。搬送幅の変更時には
作業者によりハンドル1490が操作され、搬入コンベ
ヤ1454,搬出コンベヤ1456およびメインコンベ
ヤ1460の各ねじ軸1484,1502が同時に回転
させられ、搬入コンベヤ1454,搬出コンベヤ145
6,メインコンベヤ1460,1462の搬送幅が同時
に同様に変更される。メインコンベヤ1462の可動フ
レーム1500はメインコンベヤ1460の可動フレー
ム1500に連結部材1508により一体的に連結され
ており、これら2つの可動フレーム1500は一体的に
移動させられてメインコンベヤ1460,1462の搬
送幅が同時に変更される。
【0244】上記のように回転角度の精度の良い制御が
可能なサーボモータ等の電動モータを駆動源として搬入
コンベヤ,搬出コンベヤをシフトさせる場合、下流側装
置を1つ設け、複数の上流側装置を搬入コンベヤのシフ
ト方向において並列に設けてもよく、それぞれ複数ずつ
の上流側装置および下流側装置を搬入コンベヤ,搬出コ
ンベヤのシフト方向において並列に設けてもよい。ま
た、少なくとも1つの上流側装置および少なくとも1つ
の下流側装置のうちの少なくとも1つは、搬入コンベヤ
および搬出コンベヤのシフト方向において複数のメイン
コンベヤの少なくとも1つに対応する位置に設けてもよ
い。上流側装置および下流側装置がそれぞれ1つであっ
ても、各装置において回路基材を搬出する搬出コンベヤ
および回路基材を搬入する搬入コンベヤがそれぞれ複数
ずつ設けられていることもあり、それらコンベヤの少な
くとも1つが搬入コンベヤおよび搬出コンベヤのシフト
方向においてメインコンベヤと対応しない位置に設けら
れていても、メインコンベヤと共にプリント基板作業シ
ステムを構成する搬入コンベヤおよび搬出コンベヤは、
上流側装置および下流側装置の各搬出コンベヤおよび搬
入コンベヤとつらなるシフト位置へ移動してプリント基
板の受渡しを行うことができる。上流側装置と下流側装
置とのいずれか一方が1つのみ設けられ、その1つが複
数のコンベヤを有する場合も同じである。さらに、搬入
コンベヤのシフト領域を搬出コンベヤのシフト領域より
大きくしてもよく、同じにしてもよい。後者の場合、例
えば、上流側装置および下流側装置の少なくとも1つ
を、各装置の搬出コンベヤおよび搬入コンベヤが、シフ
ト領域内であって、メインコンベヤと対応しない位置に
位置するように設けることができる。
【0245】また、2つのメインコンベヤの各々につい
てねじ軸およびナットを含む運動変換装置を設けるとと
もに、各ねじ軸を相対回転不能かつ軸方向に移動不能に
連結して、2つのメインコンベヤの搬送幅が同時に変更
されるようにしてもよい。2つのメインコンベヤにそれ
ぞれ設けるねじ軸は別のものでもよく、あるいは1本の
ねじ軸を2つのメインコンベヤにわたって設け、共用さ
せてもよい。
【0246】メインコンベヤ400,402,146
0,1462,搬入コンベヤ404,1454および搬
出コンベヤ406,1456の各搬送幅は、図50に示
すように、駆動源たる電動モータの一種である電動回転
モータたるサーボモータ1540を駆動源として自動的
に変更してもよい。サーボモータ1540は、制御装置
1050により図示しない駆動回路を介して自動的に制
御され、各コンベヤの搬送幅が同時に自動的に変更され
る。なお、その他の部分は、上記各実施形態と同じであ
り、図示および説明は省略する。
【0247】上記各実施形態において、基板コンベヤ1
2,1446のメインコンベヤ400,402,146
0,1462,搬入コンベヤ404,1454および搬
出コンベヤ406,1456の各搬送幅は、各コンベヤ
400,404,406,1454,1456,146
0,1462に設けられたねじ軸448,536,14
64,1504を同時に回転させることにより一斉に変
更されるようになっていたが、図51に示すように、搬
入コンベヤ1550,搬出コンベヤ1552の各可動フ
レーム1554をそれぞれ、2つのメインコンベヤ15
56(図には一方のメインコンベヤ1556のみ示され
ている)の可動フレーム1558のうち、一方のメイン
コンベヤ1556の可動フレーム1558に連結部材1
560により連結し、可動フレーム1554の移動に伴
って可動フレーム1558を移動させ、コンベヤ155
0,1552,1556の搬送幅が同時に変更されるよ
うにしてもよい。コンベヤ1550,1552,155
6の一対のサイドフレームの他方は、図示は省略する
が、固定フレームであり、可動フレーム1554と可動
フレーム1558とは、可動フレーム1554,155
8の固定フレームに対する接近,離間方向(幅変更方
向)において相対移動不能に連結される。各一対ずつの
サイドフレームの両方を可動フレームにして連結部材に
より連結してもよい。
【0248】搬入コンベヤ1550,搬出コンベヤ15
52の各可動フレーム1554のメインコンベヤ155
6側の端部には、連結部材1560が係合させられる被
係合部たる係合溝1562が設けられている。係合溝1
562は、可動フレーム1554の上面およびメインコ
ンベヤ1556側の端面に開口させられており、連結部
材1560は係合溝1562に、可動フレーム1554
の固定フレームに対する接近,離間方向において相対移
動不能に嵌合される。搬入コンベヤ1550および搬出
コンベヤ1552は、可動フレーム1558に係合溝1
564が設けられていることを除いて図1ないし図32
に示す実施形態の搬入コンベヤ404および搬出コンベ
ヤ406と同様に構成されており、作業者によるハンド
ル操作に基づいて搬入,搬出コンベヤ1550,155
2に設けられた各ねじ軸が同時に回転させられ、可動フ
レーム1554が同時に移動させられて搬送幅が同時に
変更される。
【0249】2つのメインコンベヤ1556の各可動フ
レーム1558の搬入コンベヤ1550側,搬出コンベ
ヤ1552側の各端部にもそれぞれ、連結部材1560
が係合させられる被係合部たる係合溝1564が設けら
れている。これら係合溝1564の一方は可動フレーム
1558の上面および搬入コンベヤ1550側の端面に
開口させられ、他方は可動フレーム1558の上面およ
び搬出コンベヤ1552側の端面に開口させられてお
り、連結部材1560は係合溝1564に、可動フレー
ム1558の固定フレームに対する接近,離間方向にお
いて相対移動不能に嵌合される。
【0250】2つのメインコンベヤ1556にはいずれ
も、前記メインコンベヤ400等とは異なって幅変更の
ためのねじ軸およびナットは設けられていないが、2つ
のメインコンベヤ1556の各可動フレーム1558
は、連結部材1566により一体的に連結されている。
【0251】搬送幅の変更時には、搬入コンベヤ155
0および搬出コンベヤ1552が2つのメインコンベヤ
1556のうちの一方のメインコンベヤ1556であっ
て、同じメインコンベヤ1556につらなるシフト位置
へ移動させられる。その状態で作業者は、搬入コンベヤ
1550の可動フレーム1554に設けられた係合溝1
562とメインコンベヤ1556の可動フレーム155
8に設けられた係合溝1564とにわたって連結部材1
560を嵌合し、搬出コンベヤ1552の可動フレーム
1554に設けられた係合溝1562とメインコンベヤ
1556の可動フレーム1558に設けられた係合溝1
564とにわたって連結部材1560を嵌合し、2つの
可動フレーム1554と可動フレーム1558とを、固
定フレームに対する接近,離間方向において相対移動不
能に連結する。次いで、作業者がハンドルを操作すれ
ば、2つの可動フレーム1554が同時に移動するのに
伴って、連結部材1560により連結された可動フレー
ム1558が図示しない案内装置により案内されて移動
させられる。2つのメインコンベヤ1556の各可動フ
レーム1558は連結部材1566により一体的に連結
されているため、可動フレーム1554と直接連結され
た可動フレーム1558の移動により、その可動フレー
ム1558に連結部材1566により連結された可動フ
レーム1558も図示しない案内装置により案内されて
同時に移動させられ、2つのメインコンベヤ1556の
搬送幅が同時に変更される。搬送幅の変更後、作業者は
連結部材1560を取り外し、搬入コンベヤ1550,
搬出コンベヤ1552がメインコンベヤ1556に対し
てシフトさせられる状態とする。連結部材1560,係
合溝1562,1564がフレーム連結装置1568を
構成している。
【0252】搬入コンベヤ1550,搬出コンベヤ15
52を2つのメインコンベヤ1556のいずれに連結す
るかは、例えば、幅変更時における搬入コンベヤ155
0,搬出コンベヤ1552のシフト位置により決められ
る。例えば、搬入コンベヤ1550,搬出コンベヤ15
52が同じメインコンベヤ1556につらなるシフト位
置に位置するのであれば、搬入コンベヤ1550,搬出
コンベヤ1552がつらなるメインコンベヤ1556と
連結すればよく、異なるメインコンベヤ1556につら
なるシフト位置に位置するのであれば、搬入コンベヤ1
550,搬出コンベヤ1552のいずれか一方を他方の
コンベヤのシフト位置と同じシフト位置へ移動させ、同
じメインコンベヤ1556と連結させる。搬入コンベヤ
1550,搬出コンベヤ1552の少なくとも一方がメ
インコンベヤ1556から外れたシフト位置に位置する
のであれば、搬入コンベヤ1550,搬出コンベヤ15
52のうち、同じメインコンベヤ1556につらなる状
態を得るのに移動距離が少なくて済む方のコンベヤをメ
インコンベヤ1556につらなるシフト位置へ移動させ
る。
【0253】搬入コンベヤ1550の可動フレーム15
54と搬出コンベヤ1552の可動フレーム1554と
を異なるメインコンベヤ1556の可動フレーム155
8に連結してもよい。そのようにすれば、例えば、幅変
更時における搬入コンベヤ1550,搬出コンベヤ15
52のシフト位置の選択の自由度が向上する。
【0254】上記各実施形態においては、1つの回路部
品装着システム8,1444がスクリーン印刷システム
2,1512およびリフローシステム4,1516,1
518と共に電子回路組立ライン6,1522を構成し
ていたが、図52に示すように、2つの回路部品装着シ
ステム1570,1572を直列に配列し、スクリーン
印刷システム1574およびリフローシステム1576
と共に電子回路組立ライン1578を構成してもよい。
回路部品装着システム1570,1572の基板コンベ
ヤ1580はそれぞれ、2つのメインコンベヤ158
2,1584,1つずつの搬入コンベヤ1586および
搬出コンベヤ1588を有し、作業が施されたプリント
基板は図中、矢印で示される方向へ送られる。2つの回
路部品装着システム1570,1572間におけるプリ
ント基板の受渡しは、2つのシフト位置の任意の1つに
おいて行われる。
【0255】また、図53に概略的に示すプリント基板
作業システム1600におけるように、メインコンベヤ
1602,1604の上流側に、搬入コンベヤと搬出コ
ンベヤとを兼ねた搬入搬出コンベヤ1606を配設して
もよい。搬入搬出コンベヤ1606は、プリント基板を
正方向と逆方向とに搬送可能なものであり、正方向に搬
送する状態で搬入コンベヤとして機能し、逆方向に搬送
する状態で搬出コンベヤとして機能する。メインコンベ
ヤ1602,1604も正,逆両方向にプリント基板を
搬送可能なものとされている。搬入搬出コンベヤ160
6は、図示しない搬入搬出コンベヤシフト装置により、
メインコンベヤ1602,1604につらなる第1,第
2シフト位置へシフトさせられる。搬入搬出コンベヤシ
フト装置は、前記搬入コンベヤシフト装置438と同様
にロッドレスシリンダを駆動源として構成されている。
【0256】搬入搬出コンベヤ1606が搬入コンベヤ
として機能する際の基板搬送方向においてプリント基板
作業システム1600の上流側に隣接して、基板出し入
れ装置1608が設けられ、プリント基板作業システム
1600と共に基板作業ライン1610を構成してい
る。基板出し入れ装置1608は、複数のプリント基板
を順次プリント基板作業システム1600へ供給する機
能と、回路部品装着システム1600からプリント基板
を受け取って収容する機能とを有する。プリント基板作
業システム1600においてプリント基板は、供給され
た側と同じ側へ排出され、基板出し入れ装置1608
は、搬入搬出コンベヤ1606へプリント基板を排出す
るとともに、回路部品が装着されたプリント基板を受け
取る。基板出し入れ装置1608は上流側装置であり、
下流側装置であるのである。搬入搬出コンベヤシフト装
置は、前記搬入コンベヤシフト装置1450と同様にサ
ーボモータを駆動源とし、搬入搬出コンベヤ1606を
シフト領域内の任意の位置へ移動させる装置としてもよ
い。搬入搬出コンベヤ1606が移動する領域は、メイ
ンコンベヤ1602,1604の各々につらなる2つの
シフト位置を両端とする領域より広い領域としてもよ
い。
【0257】回路部品装着装置を構成する装着ヘッドの
別の態様を図54に示す。本実施形態の装着ヘッド16
20においては、XYロボットのX軸スライド1622
に垂直に設けられた軸1624に、複数個(本実施形態
においては12個)の回動部材たる回動板1626が軸
1624の軸線まわりに互いに独立に回動可能に取り付
けられるとともに、各回動板1626にそれぞれ部品保
持ヘッド(図示省略)が昇降可能に搭載されており、回
動板1626が回動運動付与装置たる回動板回動装置1
628によって回動させられることにより、12個の部
品保持ヘッドは軸1624の軸線まわりに旋回させられ
る。12個の部品保持ヘッドはそれぞれ部品吸着ノズル
を有する。部品吸着ノズルは、自身の軸線まわりに回転
可能とされている。
【0258】回動板回動装置1628は、12個の回動
板1626の各々に対してそれぞれ設けられたカムフォ
ロワたるローラ1632と、それらローラ1632に順
次係合してローラ1632を移動させることにより回動
板1626を回動させる回動運動付与カムたる4個の鼓
形カム1634a,1634b,1634c,1634
dとを含む。鼓形カム1634a,1634b,163
4c,1634dは、部品保持ヘッドの旋回軸線を中心
とする円弧を、その円弧に対して旋回軸線とは反対側に
位置するとともにその旋回軸線と直角に立体交差する軸
線のまわりに回転させた場合、その円弧が描く軌跡を外
周面とする。鼓形カム1634a,1634b,163
4c,1634dは、部品保持ヘッドの旋回軸線を対称
軸として軸対称に配設され、それら鼓形カム1634
a,1634b,1634c,1634dの全軸線を含
む一平面とそれら鼓形カム1634a,1634b,1
634c,1634dの各外周面との交線の集合が、実
質的に連続した一円周を描くものとされている。
【0259】鼓形カム1634a,1634b,163
4c,1634dにはそれぞれ、軸線方向の両端部にか
さ歯車1636a,1636b,1636c,1636
dおよび1638a,1638b,1638c,163
8dが設けられて互いに噛み合わされており、鼓形カム
1634aが駆動源たる電動モータの一種である駆動用
サーボモータ1640によって回転させられることによ
り、4個の鼓形カム1634a,1634b,1634
c,1634dが同期して一斉に回転させられる。それ
により、12個の回動板1626にそれぞれ設けられた
ローラ1632が、鼓形カム1634a,1634b,
1634c,1634dにそれぞれ設けられたカム溝1
642a,1642b,1642c,1642dに順次
係合し、12個の回動板1626は別々に回動し、12
個のうちの2個の回動板1626が部品吸着装着位置お
よび撮像位置に停止して部品保持ヘッドが回路部品の吸
着あるいは装着および撮像を行うが、その間も他の回動
板1626は回動させられており、部品吸着装着位置に
部品保持ヘッドが順次到達する到達時間ピッチが短くて
済み、高い部品吸着,装着能率が得られる。
【0260】本実施形態の装着ヘッド1620において
も、図示は省略するが、前記実施形態の装着ヘッド65
0,652におけると同様に、12個の部品保持ヘッド
は、各々に設けられた球状のカムフォロワにおいてX軸
スライド1622に固定の固定カムのカム面に沿って旋
回させられつつ昇降させられる。また、X軸スライド1
622の部品吸着装着位置の近傍部には個別昇降装置お
よび切換弁制御装置の機構部が設けられ、部品吸着装着
位置へ移動させられた部品保持ヘッドが昇降させられる
とともに、切換弁制御装置により部品保持ヘッドの各々
に設けられた圧力切換弁が切り換えられ、部品保持ヘッ
ドに設けられた部品吸着ノズルに負圧が供給され、遮断
される。なお、回路部品の保持方位誤差の補正および保
持方位の変更は、部品保持ヘッドの各々に設けられた部
品吸着ノズル回転装置により部品保持ヘッドごとに行わ
れる。
【0261】図1ないし図32に示す前記実施形態にお
いては、当接部材1014に溝1016が形成されて、
当接部材1014が切換部材874に接触した状態にお
いても通路1022等を大気に連通させていたが、溝1
016に代えて、貫通孔を設けてもよい。当接部材10
14の上面に開口する通路1022と交差し、当接部材
1014を貫通する貫通孔を設けてエアを流出させるの
である。
【0262】また、前記実施形態においてフィーダ54
は、プリント基板408への回路部品842の装着順に
並べられ、20個の部品吸着ノズル784が間欠回転体
762に設けられた順に回路部品842を吸着し、装着
するようにされており、吸着時,装着時における間欠回
転体762の移動距離が少なくて済むようにされている
ものとしたが、例えば、回路部品供給装置14,16が
複数種類のプリント基板408への回路部品842の装
着に使用される場合には、すべての種類のプリント基板
408について、フィーダ54の並び順とプリント基板
408の回路部品の装着順とを同じにすることはできな
い。この場合に間欠回転体762を1ピッチずつ間欠回
転させて20個の部品吸着ノズル784に回路部品84
2を装着順に吸着させようとすれば、順不動に並んでい
るフィーダ54のうち次に吸着させるべき回路部品を収
容しているものの位置へ間欠回転体762を順次移動
(X軸方向の移動)させることが必要であり、部品吸着
のための間欠回転体762の移動距離が長くなることを
避け得ない。逆に、間欠回転体762を1ピッチずつ間
欠回転させつつフィーダ54の並び順に従って回路部品
842を吸着させることにすれば、間欠回転体762の
移動距離は最短となる(不要な回路部品842を収容し
ているフィーダ54をパスするために間欠回転体762
の移動距離が大きくなることはあるが、これは止むを得
ない)が、プリント基板408への装着順が最適ではな
くなって、装着のための間欠回転体762の移動(X,
Y軸方向の移動)距離が長くなることを避け得ない。こ
れら2つのモードのいずれかを固定的に選択して実施す
ることも可能であるが、部品装着作業能率向上の観点か
らは、部品吸着のための間欠回転体762の移動距離と
装着のための間欠回転体762の移動距離との和が最小
になるように吸着順序と装着順序との両方を適宜変更す
るモードが好適である。この移動距離の和が最小となる
ようにする対策と共に、あるいはその対策に代えて、間
欠回転体762の間欠回転角度が複数ピッチや逆回転を
含むことを許容すれば、それによっても部品装着作業能
率を向上させることができる。以上、説明の容易化のた
めに間欠回転体に搭載される部品保持具は一種類とした
が、実際には複数種類とされることもあり、その場合に
は、さらに部品保持具の種類や配列をも考慮して、効率
良く回路部品を吸着,装着するように、吸着順序および
装着順序を設定することが望ましい。例えば、間欠回転
体に複数種類の部品保持具が搭載され、あるいは2種類
の異なる部品保持具が交互に設けられる場合等には、間
欠回転体を部品保持具の配設ピッチとは異なる角度で正
方向あるいは逆方向に回転させて、複数の部品保持具
に、間欠回転体に搭載された順序とは異なる順序で回路
部品を吸着および装着させて、回路部品の吸着,装着を
効率良く行うようにするのである。
【0263】さらに、前記各実施形態において、メイン
コンベヤは2つ設けられていたが、3つ以上設けてもよ
い。その場合、複数個の流体圧シリンダを組み合わせて
搬入コンベヤおよび搬出コンベヤをそれぞれ、メインコ
ンベヤにつらなる3つ以上のシフト位置へシフトさせて
もよく、あるいは流体圧シリンダと複数のストッパ装置
との組合わせにより3つ以上のシフト位置へシフトさせ
てもよく、あるいはサーボモータ等の電動モータを駆動
源としてシフトさせてもよい。例えば、案内部材支持台
に搬入コンベヤの移動範囲にわたってねじ軸を設けると
ともにコンベヤ支持台に固定のナットを螺合し、ねじ軸
をサーボモータにより回転させて搬入コンベヤを3つ以
上のシフト位置へ選択的に移動させるのである。流体圧
シリンダを駆動源とする場合であっても、複数個の流体
圧シリンダの使用や、搬入コンベヤ,搬出コンベヤの移
動を止めるストッパ装置あるいは搬入コンベヤ,搬出コ
ンベヤを検出するセンサ等の併用等により、搬入コンベ
ヤおよび搬出コンベヤをシフト領域内であって、メイン
コンベヤとつらなるシフト位置以外のシフト位置へシフ
トさせることが可能である。
【0264】また、上流側装置を構成するスクリーン印
刷システムは、高粘性流体塗布装置の一種であるスクリ
ーン印刷機を備え、高粘性流体の一種であるクリーム状
半田をプリント基板等の回路基材に印刷する塗布システ
ムの一種であるが、塗布システムには、スクリーン印刷
システムの他に、例えば、接着剤塗布装置を備え、接着
剤を回路基材に塗布する接着塗布システムがある。さら
に、下流側装置は、リフローシステムの他に、コンデン
サ等、1つの回路基材への装着数が少ない回路部品を装
着する装置を有する回路部品装着システム等により構成
される。
【0265】また、前記実施形態においては、1番目な
いし5番目の回路部品の方位変更角度が0±15度、9
0±15度、180±15度、270±15度の範囲外
の角度のとき、装着ヘッドが予定された全部の回路部品
を回路部品供給装置から取り出した後、プリント基板へ
の移動中に撮像が行われ、移動後、迅速に回路部品のプ
リント基板への装着を開始することができるようにされ
ているが、取り出した全部の回路部品について撮像を行
った後にプリント基板へ移動させてもよい。装着する回
路部品の数が19個以下であって、全部の回路部品の吸
着後に撮像のみが行われる場合も同様である。
【0266】また、上記各実施形態において、部品収容
テープはエンボスタイプのテープとされており、回路部
品の種類が異なっても、回路部品の上面の上下方向(部
品保持軸の移動方向に平行な方向)の位置は一定とされ
ていたが、部品収容テープが、例えば、紙テープに多数
の貫通穴が長手方向に沿って等間隔で形成されるととも
に、その貫通穴の一方の開口が紙テープに貼り付けられ
たボトムテープにより覆われて部品収容凹部が形成され
て成るキャリヤテープ(テープ状収容容器)を含み、、
部品収容凹部の各々に回路部品が収容されるとともにカ
バーテープにより覆われてなる場合、回路部品の高さに
よって回路部品の上面の位置が異なる。この場合、部品
吸着軸が回路部品を吸着する際の負圧の供給タイミング
および部品吸着軸の昇降距離は回路部品の高さに応じて
調節することが望ましい。例えば、装着時に圧力切換弁
の負圧解除状態への切換えタイミングを2種類に変更す
るのと同様に、圧力切換弁の切換部材を負圧供給位置へ
移動させる作用部材について、主および補助のアクチュ
エータたる主および補助のエアシリンダを設け、作用部
材の作用位置を2種類に変更するようにする。また、昇
降駆動部材の昇降距離も2種類に変更し、高さが大きい
回路部品については昇降距離を短くする。圧力切換弁の
切換タイミングは、負圧供給状態に切り換える場合で
も、負圧解除状態に切り換える場合でも、2種類に限ら
ず、例えば、補助アクチュエータを2個以上互いに直列
に設けて3種類以上に変更するようにしてもよい。
【0267】さらに、プリント基板の基準マークの撮像
は、プリント基板への回路部品の装着が行われている間
に限らず、装着終了時あるいは装着終了直前に行うよう
にしてもよい。次に回路部品の装着が行われるプリント
基板を支持するメインコンベヤと同じ側に設けられた回
路部品装着装置において、回路部品の装着が、その回路
部品装着装置にとって1枚のプリント基板への最後の装
着であるか否かは装着プログラムからわかり、最後であ
れば、回路部品供給装置へ回路部品を取出しに行く途中
で撮像を行うのである。その回路部品装着装置による装
着でプリント基板への回路部品842の装着が終了する
のであれば、プリント基板の回路部品への装着終了後に
基準マークの撮像が行われることとなり、次に他方の回
路部品装着装置により回路部品の装着が行われてプリン
ト基板への回路部品842の装着が終了するのであれ
ば、装着の終了直前に基準マークの撮像が行われること
となる。コンピュータは、回路部品の装着やプリント基
板の搬入,搬出等の制御の間に撮像データに基づいてプ
リント基板の部品装着箇所の位置誤差を演算し、メモリ
に格納する。プリント基板への回路部品の装着開始前に
全部の部品装着箇所の位置誤差が演算されていることは
不可欠ではなく、回路部品の装着と並行して演算しても
よい。そのようにすれば、保持方位誤差や保持位置誤差
を記憶する記憶手段の記憶容量が少なくて済む。
【0268】また、前記各実施形態において、回路部品
に±30度を超える保持方位誤差があれば、その回路部
品は装着されないようにされていたが、吸着エラーの判
定範囲を更に広くし、例えば±40度とすれば、回路部
品に前記実施形態より広い範囲、例えば±15度の範囲
で保持方位誤差が生ずることがあっても(保持方位誤差
は殆どの場合、±10度の範囲内に収まり、何らかの異
常が発生した場合でなければ±15度を超えることはな
い場合)、吸着エラーが生じているとされることなく、
装着と撮像とを並行して行うことができる。さらに、回
路部品の装着と撮像とを並行して行う際の方位変更角度
は±15度の範囲内に限らず、他の角度範囲に設定する
ことができる。例えば、回路部品に生ずる保持方位誤差
が殆どの場合、±5度の範囲内に収まるとき、吸着エラ
ーの判定範囲を±40度にすれば、回路部品の方位変更
角度が±30度の範囲内であっても、装着と撮像とを並
行して行うことができる。
【0269】さらに、前記実施形態において複数の部品
保持具の保持方位誤差の補正および方位変更は、共通の
駆動歯車および駆動源を用いて行われるようになってい
たが、部品保持具の停止位置の1つ、あるいは移動軌跡
中に保持具回転装置を設けて部品保持具を回転させるよ
うにしてもよい。部品保持具に、保持具回転装置に設け
られた係合部材と係合する係合部を設け、係合部材と係
合可能な位置に至った部品保持具の係合部に係合部材を
係合させ、軸線まわりに回転させて保持方位誤差の補正
および方位の変更を行うのである。
【0270】また、部品保持具の保持方位誤差の補正お
よび方位の変更は、部品保持具の旋回中に限らず、停止
した状態で行ってもよい。
【0271】さらに、上記各実施形態において部品保持
具は、停止位置の前後において移動(旋回)させられる
とともに下降,上昇させられるようになっていたが、停
止位置の前と後とのいずれか一方において移動(旋回)
と下降,上昇とが並行して行われるようにしてもよい。
【0272】また、部品保持具は移動を止めないで昇降
させてもよい。昇降駆動部材の下面が部品保持具の移動
方向において、部品保持具の昇降させられる間の移動距
離以上の長さを有するものであれば、部品保持具を停止
させずに昇降させることが可能である。部品保持具の移
動を止めない場合、部品保持具は常に一定の速度で移動
させてもよく、昇降が行われる領域の前後において減
速,加速し、昇降時には移動速度が小さくなるようにし
てもよい。
【0273】この場合にも、昇降駆動部材が誤作動等に
より、部品保持具の昇降以外のときに下降位置にあれ
ば、部品保持具の移動に伴って昇降駆動部材が退避位置
へ退避させられて損傷が回避される。また、切欠は浅い
ため、カムフォロワは切欠を通過することができ、カム
フォロワが切欠に嵌入したまま部品保持具が無理に移動
させられて損傷することが回避される。昇降駆動部材が
移動検知装置により検知されるが、この検知に基づいて
部品保持具が停止させられるまでの間、部品保持具は移
動しており、カムフォロワが切欠を通過することにより
損傷が回避されるのである。また、移動検知装置が設け
られておらず、部品保持具の移動が止められなくても、
部品保持具等が損傷することがない。なお、部品保持具
が停止させられる場合であっても、何らかの事情でカム
フォロワが切欠に嵌入したままの状態で部品保持具の移
動が開始されることがあっても、カムフォロワが切欠を
通過することにより損傷が回避される。
【0274】さらに、前記実施形態において昇降駆動部
材は、部品吸着軸の回路部品を吸着し、装着する際の旋
回時に、リニアモータ等の誤作動等によって下降位置に
あるときに退避位置へ回動させられるようになっていた
が、部品吸着軸が逆方向に旋回させられる場合にも、昇
降駆動部材が誤作動等により下降位置にあるとき、部品
吸着軸により退避位置へ回動させられるようにしてもよ
い。
【0275】また、上記各実施形態において、回路部品
の装着時にリニアモータにより下降させられる移動部材
の下降速度は、加速後、減速させられて、回路部品がプ
リント基板に接触させられるときに衝撃少なく接触させ
られ、減速を続けて下降端位置まで下降させられるよう
になっていたが、回路部品がプリント基板に接触した後
は、加速して移動部材が迅速に下降端位置へ到達するよ
うにしてもよい。
【0276】さらに、図1ないし図32に示す実施形態
において、駆動歯車の幅が被駆動歯車の幅より広くされ
ていたが、逆でもよい。
【0277】また、部品保持具に保持された回路部品を
撮像する撮像装置は、回路部品の正面像を取得するもの
としてもよい。
【0278】さらに、上記各実施形態においては部品保
持具が自身の軸線のまわりに回転させられることによ
り、回路部品の保持方位誤差が補正されるとともに、回
路部品の方位が受取り時とは異なる方位に変更されるよ
うになっていたが、回路部品を方位を変更しないで回路
基材に装着し、保持方位誤差の補正のみが行われること
もある。
【0279】また、上記各実施形態においては、装着ヘ
ッド650,652等の移動等、種々の作動に、駆動源
として電動モータの一種である電動回転モータたるサー
ボモータ674,688等が用いられていたが、サーボ
モータ以外にも回転角度の制御精度が高い電動回転モー
タ、例えばステップモータを用いてもよい。また、電動
モータの一種であるリニアモータを駆動源として用いて
もよい。リニアモータは直線作動するモータであり、精
度の良い位置決め制御および速度制御が可能なサーボモ
ータにより構成してもよく、あるいはステップモータに
より構成してもよい。部品吸着装着位置において部品吸
着軸766,1170を昇降させる個別昇降装置88
0,1302の駆動源としてフィードバック制御される
リニアモータ886,1310が用いられていたが、リ
ニアモータはリニアステップモータにより構成してもよ
く、また、リニアモータに限らず、電動回転モータの一
種であるサーボモータやステップモータを駆動源として
もよい。
【0280】さらに、本発明は、前記各実施形態の構成
要素の組合わせを変えた態様で実施することができる。
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の
知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明
を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1ないし第6発明に共通の一実施形態である
回路部品装着システムを示す平面図である。
【図2】上記回路部品装着システムを構成する基板コン
ベヤを示す正面図である。
【図3】上記回路部品装着システムを構成する基板コン
ベヤおよび回路部品装着装置を示す側面図である。
【図4】上記基板コンベヤを取り出して示す平面図であ
る。
【図5】上記基板コンベヤを構成するメインコンベヤを
示す側面図である。
【図6】上記基板コンベヤの搬入コンベヤ,メインコン
ベヤおよび搬出コンベヤの各搬送幅を調節するためのチ
ェーンおよびスプロケットの配置を示す図である。
【図7】上記回路部品装着システムを構成する回路部品
供給装置を示す側面図である。
【図8】上記回路部品供給装置と回路部品装着システム
の基台との接続部分を示す側面図(一部断面)である。
【図9】上記回路部品供給装置を構成するフィーダを示
す側面図である。
【図10】上記フィーダの部品保持テープの送りの部分
を拡大して示す側面図である。
【図11】上記回路部品装着システムを構成する回路部
品装着装置の装着ヘッドをX軸スライドと共に示す正面
図(一部断面)である。
【図12】上記装着ヘッドに設けられた部品吸着軸を示
す正面断面図である。
【図13】上記装着ヘッドの回路部品撮像装置が設けら
れた部分を示す平面図である。
【図14】上記装着ヘッドを示す平面図である。
【図15】上記装着ヘッドをX軸スライドと共に示す正
面図である。
【図16】上記装着ヘッドに設けられた部品吸着軸の配
置を概略的に示す図である。
【図17】上記装着ヘッドに設けられた切換弁制御装置
の機構部を示す平面図である。
【図18】上記切換弁制御装置の機構部を示す正面図で
ある。
【図19】上記切換弁制御装置の機構部を示す側面図で
ある。
【図20】上記切換弁制御装置の圧力切換弁を負圧供給
状態に切り換える側の部分および個別昇降装置を示す正
面図である。
【図21】上記切換弁制御装置の圧力切換弁を負圧供給
状態に切り換える側の部分および個別昇降装置を示す側
面図である。
【図22】図20におけるXXII-XXII 断面図である。
【図23】上記切換弁制御装置の圧力切換弁を負圧供給
状態に切り換える側の作用部材を主エアシリンダと共に
示す正面断面図である。
【図24】本回路部品装着システムを制御する制御装置
のうち、本発明に関連の深い部分を概略的に示すブロッ
ク図である。
【図25】上記回路部品装着システムの回路部品の吸
着,撮像,搬送および装着の1態様におけるXYロボッ
トの移動,間欠回転体の回転,部品吸着軸の回転および
昇降,フィーダにおける部品保持テープの送りおよび回
路部品撮像装置の作動タイミングを示すタイムチャート
である。
【図26】回路部品の吸着,装着時における切換弁制御
装置の主エアシリンダおよび補助エアシリンダの駆動指
令および作動状態を示す図表である。
【図27】回路部品吸着時における切換弁制御装置の作
動状態を示す側面図である。
【図28】小さい回路部品の装着時における切換弁制御
装置の作動状態を示す側面図である。
【図29】大きい回路部品の装着時における切換弁制御
装置の作動状態を示す側面図である。
【図30】回路部品の吸着数が20個であって、回路部
品の撮像と装着とが並行して行われる態様での方位誤差
角度,画像認識角度,方位誤差補正角度,方位変更角度
および装着時吸着軸トータル回転角度を示す図表であ
る。
【図31】回路部品の吸着数が20個であって、回路部
品の撮像が装着とは別に行われる態様での方位誤差角
度,画像認識角度,方位誤差補正角度,方位変更角度お
よび装着時吸着軸トータル回転角度を示す図表である。
【図32】回路部品の吸着数が17個の場合における方
位誤差角度,画像認識角度,方位誤差補正角度,方位変
更角度および装着時吸着軸トータル回転角度を示す図表
である。
【図33】第1ないし第6発明に共通の別の実施形態で
ある回路部品装着システムの回路部品装着装置の装着ヘ
ッドをX軸スライドと共に示す正面図(一部断面)であ
る。
【図34】図33に示す装着ヘッドをX軸スライドと共
に示す左側面図である。
【図35】図33に示す装着ヘッドの間欠回転体の上部
を示す平面図である。
【図36】図33に示す装着ヘッドの間欠回転体の下部
を示す平面図である。
【図37】図33に示す装着ヘッドの部品吸着軸が吸着
軸保持部材により保持された状態を示す正面断面図であ
る。
【図38】装着ヘッドに2種類の部品吸着ノズルが搭載
される場合の部品吸着ノズルの配置の一例を概略的に示
す図である。
【図39】装着ヘッドに2種類の部品吸着ノズルが搭載
される場合の部品吸着ノズルの配置の別の態様を概略的
に示す図である。
【図40】装着ヘッドに3種類の部品吸着ノズルが搭載
される場合の部品吸着ノズルの配置を概略的に示す図で
ある。
【図41】第1ないし第6発明に共通の別の実施形態で
ある回路部品装着システムの回路部品装着装置の装着ヘ
ッドを概略的に示す底面図である。
【図42】図40に示す装着ヘッドを示す正面図であ
る。
【図43】第1ないし第6発明に共通の更に別の実施形
態である回路部品装着システムの回路部品装着装置の装
着ヘッドを概略的に示す底面図である。
【図44】図43に示す装着ヘッドを示す正面図であ
る。
【図45】第1ないし第6発明に共通の更に別の実施形
態である回路部品装着システムの回路部品装着装置の装
着ヘッドを概略的に示す底面図である。
【図46】回路部品装着装置を構成する切換弁制御装置
において部品吸着ノズルへのエアの供給を制御する部分
の別の態様を示す回路図である。
【図47】図1に示す回路部品装着システムを含む電子
回路組立ラインを概略的に示す図である。
【図48】第1ないし第6発明に共通の更に別の実施形
態である回路部品装着システムを含む電子回路組立ライ
ンを概略的に示す図である。
【図49】図48に示す回路部品装着システムの基板コ
ンベヤを示す平面図である。
【図50】第1ないし第6発明に共通の別の実施形態で
ある回路部品装着システムの基板コンベヤの幅変更装置
の駆動源にサーボモータを用いた例を示す図である。
【図51】第1ないし第6発明に共通の更に別の実施形
態である回路部品装着システムの基板コンベヤにおいて
搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの各可動フレームとメ
インコンベヤの可動フレームとを連結部材により連結し
て搬送幅を変更する例を概略的に示す図である。
【図52】第1ないし第6発明に共通の更に別の実施形
態である電子回路組立ラインであって、2つの回路部品
装着システムが直列に配列されたラインを概略的に示す
図である。
【図53】第1ないし第6発明に共通の更に別の実施形
態である電子回路組立ラインであって、搬入搬出コンベ
ヤが設けられたラインを概略的に示す図である。
【図54】第1ないし第6発明に共通の更に別の実施形
態である回路部品装着システムの装着ヘッドを概略的に
示す図である。
【符号の説明】
8:回路部品装着システム 12:基板コンベヤ
14,16:回路部品供給装置 18,20:回路部
品装着装置 400,402:メインコンベヤ 404:搬入コンベヤ 406:搬出コンベヤ 4
08:プリント基板 438:搬入コンベヤシフト装置 508:搬出コン
ベヤシフト装置 650,652:装着ヘッド 662,664:XY
ロボット 712:固定カム 716:駆動歯車
724:方位変更用サーボモータ 742:旋回用
サーボモータ 762:間欠回転体 776:部品
吸着軸 784:部品吸着ノズル 800:被駆動
歯車 804:カムフォロワ 808:カム面
820:回路部品撮像装置 842:回路部品 8
60:圧力切換弁 880:個別昇降装置 88
2:切換弁制御装置 890:移動部材 892:
昇降駆動部材 930:主エアシリンダ 952:
作用部材 974:主エアシリンダ 984:補助
エアシリンダ 1002:作用部材 1030:リ
ンク 1050:制御装置 1100:装着ヘッド 1102:XYロボット 1138:旋回用サーボモ
ータ 1150:駆動かさ歯車 1154:方位補
正変更用サーボモータ 1164:間欠回転体 1
182:被駆動かさ歯車 1194:部品吸着ノズル
1260:圧力切換弁 1290:回路部品撮像
装置 1302:個別昇降装置 1304:切換弁制御装置 1314:移動部材
1320:主エアシリンダ 1322:作用部材
1330,1332,1340,1342,1344:
部品吸着ノズル 1350:XYロボット 135
2:部品吸着軸 1360:XYロボット 1364:部品吸着軸
1370:XYロボット 1374:部品吸着軸
1400:圧力切換弁 1444:回路部品装着シス
テム 1446:基板コンベヤ 1450:搬入コ
ンベヤシフト装置 1452:搬出コンベヤシフト装
置 1454:搬入コンベヤ 1456:搬出コン
ベヤ 1460,1462:メインコンベヤ 15
50:搬入コンベヤ 1552:搬出コンベヤ 1
556:メインコンベヤ 1570,1572:回路
部品装着システム 1580:基板コンベヤ 15
82,1584:メインコンベヤ 1586:搬入コ
ンベヤ 1588:搬出コンベヤ 1600:プリ
ント基板作業システム 1602,1604:メイン
コンベヤ 1606:搬入搬出コンベヤ 162
0:装着ヘッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基材を搬送するとともに位置決めし
    て支持するメインコンベヤと、そのメインコンベヤに位
    置決め支持された回路基材に対して作業を行う作業装置
    と、回路基材を搬送してメインコンベヤに引き渡す搬入
    コンベヤとメインコンベヤから回路基材を受け取って搬
    出する搬出コンベヤとの少なくとも一方とを含む作業シ
    ステムにおいて、 前記メインコンベヤを前記回路基材の搬送方向に直角な
    方向に複数並列に配設するとともに、前記搬入コンベヤ
    と搬出コンベヤとの少なくとも一方を、それら少なくと
    も一方が複数のメインコンベヤの各々とつらなる複数の
    シフト位置に選択的にシフトさせるコンベヤシフト装置
    を設けたことを特徴とする回路基材作業システム。
  2. 【請求項2】 前記作業装置が、前記複数のメインコン
    ベヤのいずれに位置決め支持されている回路基材に対し
    ても回路部品を装着し得る回路部品装着装置を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の回路基材作業システム。
  3. 【請求項3】 前記メインコンベヤが2つ並列に配設さ
    れ、それら2つのメインコンベヤの各外側方にそれぞれ
    回路部品を供給する部品供給装置が配設されており、前
    記作業装置が、それら2つの部品供給装置の各々から回
    路部品を受け取り、前記2つのメインコンベヤの任意の
    ものの上方に搬送してそのメインコンベヤに位置決め支
    持されている回路基材に装着する2つの回路部品装着装
    置を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基材作
    業システム。
  4. 【請求項4】 前記回路部品装着装置の各々が、共通の
    旋回軸線のまわりを旋回可能な複数の部品保持具とそれ
    ら複数の部品保持具をそれらの旋回軌跡上に予め定めら
    れた作業位置に順次位置決めする保持具位置決め装置と
    を備えた装着ヘッドと、その装着ヘッドを前記部品供給
    装置の上方と前記2つのメインコンベヤの上方とに跨が
    る搬送平面内の任意の位置に移動させる搬送用移動装置
    とを含むことを特徴とする請求項3に記載の回路基材作
    業システム。
  5. 【請求項5】 前記メインコンベヤの上流側に前記搬入
    コンベヤが、下流側に前記搬出コンベヤがそれぞれ配設
    され、かつ、それら搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの
    前記複数のシフト位置のうちの予め定められた基準シフ
    ト位置にそれぞれ隣接して、搬入コンベヤに回路基材を
    引き渡す上流側装置と搬出コンベヤから回路基材を受け
    取る下流側装置とが配設されたことを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか1つに記載の回路基材作業システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少
    なくとも一方の両サイドフレームの少なくとも一方が他
    方に対して接近,離間する方向に移動可能な可動フレー
    ムとされるとともに、その可動フレームを他方に対して
    移動させることにより前記搬入コンベヤと搬出コンベヤ
    との少なくとも一方の搬送幅を変更する幅変更装置が設
    けられており、その幅変更装置が、 前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方に
    対応して回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられ、そ
    の少なくとも一方の前記複数のシフト位置に跨がって延
    びる駆動軸と、 前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方に
    回転可能かつ軸方向に移動不能に保持され、前記駆動軸
    に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に係合する被
    駆動回転体と、 その被駆動回転体の回転を前記可動フレームの運動に変
    換する運動変換装置とを含む請求項1ないし5のいずれ
    か1つに記載の回路基材作業システム。
JP32105197A 1996-11-27 1997-11-21 回路部品装着システム Expired - Lifetime JP4162741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32105197A JP4162741B2 (ja) 1996-11-27 1997-11-21 回路部品装着システム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31586096 1996-11-27
JP8-315860 1996-11-27
JP32105197A JP4162741B2 (ja) 1996-11-27 1997-11-21 回路部品装着システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10212023A true JPH10212023A (ja) 1998-08-11
JP4162741B2 JP4162741B2 (ja) 2008-10-08

Family

ID=26568453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32105197A Expired - Lifetime JP4162741B2 (ja) 1996-11-27 1997-11-21 回路部品装着システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4162741B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002066989A (ja) * 2000-08-29 2002-03-05 Nec Machinery Corp プリント基板切断装置
JP2002237695A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Juki Corp 移送装置及び電子部品搭載装置
JP2010050398A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Juki Corp 表面実装装置
JP2010157767A (ja) * 1999-05-21 2010-07-15 Panasonic Corp 部品実装装置及び部品実装方法
JP4762480B2 (ja) * 2000-08-22 2011-08-31 パナソニック株式会社 部品実装装置及び方法
CN109502264A (zh) * 2018-10-30 2019-03-22 昆山硕泰智能装备有限公司 一种电磁炉组装线
JP2019201025A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 Juki株式会社 実装装置、実装方法
CN115072328A (zh) * 2021-11-24 2022-09-20 厦门博奥特自动化科技有限公司 一种继电器组装上料机构及应用其的设备

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010157767A (ja) * 1999-05-21 2010-07-15 Panasonic Corp 部品実装装置及び部品実装方法
JP4762480B2 (ja) * 2000-08-22 2011-08-31 パナソニック株式会社 部品実装装置及び方法
JP4651789B2 (ja) * 2000-08-29 2011-03-16 キヤノンマシナリー株式会社 プリント基板切断装置
JP2002066989A (ja) * 2000-08-29 2002-03-05 Nec Machinery Corp プリント基板切断装置
JP2002237695A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Juki Corp 移送装置及び電子部品搭載装置
JP4566421B2 (ja) * 2001-02-08 2010-10-20 Juki株式会社 移送装置及び電子部品搭載装置
CN101686632A (zh) * 2008-08-25 2010-03-31 Juki株式会社 表面安装装置
JP2010050398A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Juki Corp 表面実装装置
JP2019201025A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 Juki株式会社 実装装置、実装方法
CN109502264A (zh) * 2018-10-30 2019-03-22 昆山硕泰智能装备有限公司 一种电磁炉组装线
CN109502264B (zh) * 2018-10-30 2024-02-13 昆山硕泰智能装备有限公司 一种电磁炉组装线
CN115072328A (zh) * 2021-11-24 2022-09-20 厦门博奥特自动化科技有限公司 一种继电器组装上料机构及应用其的设备
CN115072328B (zh) * 2021-11-24 2023-11-17 厦门博奥特自动化科技有限公司 一种继电器组装上料机构及应用其的设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP4162741B2 (ja) 2008-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3802955B2 (ja) 回路部品装着システム
US5218753A (en) Assembling apparatus using back up pins for supporting printed circuit board
JP4082770B2 (ja) 電気部品搬送装置ならびにそれにおける保持具交換方法および装置
US6073342A (en) Circuit-substrate-related-operation performing system
JP3802954B2 (ja) 回路部品搬送装置
JP3969808B2 (ja) 電気部品供給方法および装置ならびに電気部品装着装置
JP4331301B2 (ja) 電気部品装着機および電気部品装着方法
JP2001345599A (ja) 電気部品装着方法,電気部品取扱方法および電気部品装着装置
JP2001345596A (ja) 電気部品装着装置
JPH10159930A (ja) 回路部品搬送装置
JP4162741B2 (ja) 回路部品装着システム
EP0404577B1 (en) Assembling apparatus using back-up pins for supporting printed circuit board
JP3745849B2 (ja) 回路部品搬送装置
JP4644308B2 (ja) 電子回路組立方法および電子回路組立システム
JP4147543B2 (ja) 回路部品装着システム
JP3970301B2 (ja) 回路部品装着システム
JPH11288980A (ja) ダイボンダ
JP4314310B2 (ja) 回路部品装着方法および装着システム
JPH05267896A (ja) 表面実装機
JP4592723B2 (ja) 回路部品装着システム
JP4147540B2 (ja) 回路部品装着方法および装着システム
JP3058798B2 (ja) ロータリキャリアのワーク供給・取出し装置
JPH1056297A (ja) 電子部品保持ヘッド選択的位置決め装置および電子部品搬送装置
JPH1093294A (ja) 表面実装機
JPH04127600A (ja) 電子部品装着装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term