JP4147543B2 - 回路部品装着システム - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1に記載の回路部品装着システムは、複数の部品保持具と、それら複数の部品保持具を垂直な共通の旋回軸線のまわりに旋回させる保持具旋回装置と、回路部品を供給する部品供給装置と、回路基材を保持する回路基材保持装置とを備えている。
保持具旋回装置は、垂直軸線まわりに回転可能に設けられ、複数の部品保持具を等角度間隔に保持する回転体と、その回転体を間欠回転させる間欠回転装置とを有している。回転体が間欠回転させられることにより、複数の部品保持具は複数の停止位置に順次停止させられ、それら複数の停止位置のうちの1つである部品受取位置において部品供給装置から回路部品を受け取り、別の停止位置である部品装着位置において回路部品を回路基材に装着する。部品供給装置は、移動テーブル上に搭載された複数の部品供給カートリッジを有する。複数の部品供給カートリッジは各部品供給部が一直線状に並ぶ状態で移動テーブルに搭載され、移動テーブルが移動テーブル移動装置によって上記一直線に平行な方向に移動させられることにより、複数の部品供給カートリッジの1つが部品供給位置に位置決めされる。また、回路基材保持装置は、回路基材を位置決め保持した状態で回路基材移動装置により水平面内の任意の位置に移動させられ、複数の部品装着箇所が順次、部品装着位置に位置決めされた部品保持具の下方に位置決めされて回路部品が装着される。この回路部品装着システムによれば、複数の部品保持具が短い時間間隔で部品受取位置および部品装着位置に到達して順次回路部品を受け取り、装着することができる。
しかしながら、この回路部品装着システムにおいては、複数の部品供給カートリッジを支持する移動テーブルや、回路基材を位置決め保持する回路基材保持装置を移動させなければならないのであるが、これら移動テーブルや回路基材保持装置は大形であるため、広い移動スペースを確保しなければならず、システムが大形になることを避け得ない。また、部品供給装置の移動テーブルと回路基材保持装置とは、それぞれ移動しても互いに干渉しない位置に設けられるが、回路基材は、回路基材の全部の部品装着箇所が部品装着位置に位置決めされた部品保持具の下方の位置へ移動させられなければならないため、移動範囲が広く、部品供給装置と回路基材保持装置とが並ぶ方向において、回路基材の移動範囲の中間位置に設定された部品装着位置と、部品受取位置との距離が長くなる。そのため、回転体が大形になって間欠回転速度を大きくすることが困難である。
この回路部品装着システムにおいて複数の部品保持具は、回転体の間欠回転により、複数の停止位置のうちの1つについて設定された部品受取位置に順次位置決めされて回路部品を受け取り、複数の部品保持具がそれぞれ回路部品を受け取った後、回路基材上へ移動させられて回路部品を回路基材に装着する。部品装着位置は1つに決まっておらず、部品保持具は旋回軌跡上の複数の停止位置のうちの任意の1つにおいて回路部品を回路基材に装着する。複数の部品保持具の各々について保持具選択装置が設けられているため、部品保持具はいずれの停止位置においても回路部品を装着可能なのである。
この回路部品装着システムによれば、種々の効果が得られる。例えば、部品供給カートリッジが搭載されたカートリッジ支持テーブルや回路基材保持装置は移動しないため、大形のカートリッジ支持テーブルや回路基材保持装置の移動スペースを確保する必要がなく、システム全体をコンパクトに構成することができる。特に、供給する回路部品の種類が多く、部品供給カートリッジの数が多い場合や、回路基材が大きい場合、カートリッジ支持テーブルや回路基材保持装置が大形になるため、それらを移動させないことによる省スペース効果は大きい。
また、部品供給装置と回路基材保持装置とを殆ど隙間なく並べ設けることができ、その点においてもシステムをコンパクトに構成することができる。
さらに、回転体は複数の部品保持具を保持可能な大きさを有すればよく、特許文献1記載の回転体に比較して小さくすることができ、間欠回転速度を高くして1サイクルの作業時間(隣接する2個の部品保持具の一方による回路部品の保持終了あるいは装着終了から他方による回路部品の保持終了あるいは装着終了までに要する時間)を短縮することが可能である。作業時間の短縮効果は部品保持具の数が多いほど大きい。
しかも、部品の受取りと部品の装着とが共通の部品受取装着位置において行われ、その共通の部品受取装着位置に対応して個別昇降装置を1つ設ければよいため、個別昇降装置の数を減らすことができ、装置コストの低減が可能となる。また、部品受取り時と部品装着時とにおいて回路部品の方位が変わらないため、部品受取位置と部品装着位置とが異なる場合のように方位を補正することが不要となり、容易にかつ迅速に回路部品を回路基材に装着することができる。
さらに、個別昇降装置が1つで済むことにより、複数の部品保持具および保持具旋回装置が搬送用移動装置により部品供給装置と回路基材保持装置とに跨がる搬送平面内の任意の位置へ移動させられる際の慣性負荷が小さくて済み、それらを高速で移動させて、回路部品の回路基材への装着作業の能率を高めることができる。
なお、上記「搬送平面」は、水平面に限らず、傾斜した平面でもよい。搬送平面は、XY座標や極座標等により規定され、搬送用移動装置は、XYロボットでもよく、回動アームを備え、極座標により移動位置が規定されるロボットでもよく、さらに、サーフェスステッピングモータでもよい等、種々の態様の装置が採用可能である。サーフェスステッピングモータは、例えば、特開平7−45995号公報に記載されているように、平面状のステータを有する。ステータは磁路を形成し、例えば、磁性材料により作られるとともに多数の突極を有し、可動子の移動範囲全体に設けられる。可動子は、それぞれ、ヨークに磁界を作るコイルが巻き付けられた複数の電磁素子を有し、これら複数の電磁素子が選択的に励磁されることにより、可動子がステータに平行な平面内の任意の位置へ移動させられる。したがって、搬送用移動部材を可動子に取り付ければ(可動子そのものを搬送用移動部材としてもよい)、保持具旋回装置を搬送平面内の任意の位置へ移動させることがで
きる。サーフェスステッピングモータを用いれば、ステータが搬送用移動部材の移動を案内する機能を果たし、ステータのあるところであればどこへでも移動することができる。特に、後述するように、保持具旋回装置が複数設けられる場合、各保持具旋回装置を保持する搬送用移動部材の案内装置同士の干渉がなく、複数の保持具旋回装置の移動の自由度が高くなり、部品供給装置からの回路部品の取出や回路基材への装着の自由度が高くなり、回路部品を効率良く装着することが可能となる。2つの保持具旋回装置に同時期に1つの回路基材に回路部品を装着させることも可能となるのであり、必要に応じて保持具旋回装置の数を3つ以上とすることもできる。
部品保持具は、後述するように、部品吸着具でもよく、複数の把持部材により回路部品を把持する部品把持具でもよい。複数の把持部材は、把持部材開閉装置により、互いに対称に開閉させられて回路部品を把持、解放する。
前記回路部品を装着すべき回路基材を保持する回路基材保持装置と、
それぞれ回路部品を保持する複数の部品保持具と、
それら複数の部品保持具を保持して共通の旋回軸線のまわりに旋回させるとともに、その旋回軌跡上の部品受取位置および部品装着位置に順次停止させる保持具旋回装置と、
その保持具旋回装置を保持する搬送用移動部材を備え、その搬送用移動部材を移動させることによって保持具旋回装置を前記部品供給装置と前記回路基材保持装置とに跨がる搬送平面内の任意の位置へ移動させる搬送用移動装置と、
前記搬送用移動部材に保持され、少なくとも前記部品受取位置および前記部品装着位置において部品保持具を昇降させる昇降装置と、
前記部品受取位置において前記部品保持具に前記部品供給装置から供給される回路部品を受け取らせ、前記部品装着位置において前記回路基材保持装置に保持された回路基材に回路部品を装着させる受取装着制御装置と、
前記保持具旋回装置,前記搬送用移動装置,前記昇降装置および前記受取装着制御装置を制御する制御装置と
を含む回路部品装着システム。
昇降装置は、部品保持具を直接昇降させるものでもよく、部品保持具を保持する部材を昇降させるのでもよい。
(2)前記制御装置が、前記保持具旋回装置による前記部品保持具の旋回と、前記昇降装置による回路部品の受取りおよび装着のための前記部品保持具の下降と上昇との少なくとも一方とを並行させる並行昇降制御手段を含む(1)項に記載の回路部品装着システム。
このように、制御装置を、保持具旋回装置による部品保持具の旋回と、昇降装置による回路部品の受取りおよび装着のための部品保持具の下降と上昇との少なくとも一方とを並行させる並行昇降制御手段を含むものとすれば、複数の部品保持具のうち、回路部品の受取あるいは装着を終わったものと次に回路部品を受取あるいは装着すべきものとの交替と、受取あるいは装着のための下降と上昇との少なくとも一方とが同時に行われることとなり、作業時間の短縮(作業の能率向上)効果が得られる。
(3)前記保持具旋回装置が、複数の部品保持具を部品受取位置でも部品装着位置でもある部品受取装着位置に順次停止させるものとされ、昇降装置が、その部品受取装着位置に対応する位置に前記複数の部品保持具に共通に設けられて、その部品受取装着位置に到達する前記複数の部品保持具の各々を昇降させる個別昇降装置とされた(1)項または(2)項に記載の回路部品装着システム。
部品受取位置と部品保持位置とを共通にすれば、昇降装置の数を減らすことができ、装置コストの低減が可能となる。また、部品受取り時と部品装着時とにおいて回路部品の方位が変わらないため、従来のように部品受取位置と部品装着位置とが異なることによる方位の補正の必要がなく、容易にかつ迅速に回路部品を回路基材に装着することができる。(4)部品供給装置を回路基材保持装置の両側に1つずつ2つ有するとともに、複数の部品保持具,保持具旋回装置,搬送用移動装置,昇降装置および受取装着制御装置を含む装着ユニットを2セット有し、2つの部品供給装置および回路基材保持装置が少なくとも装着作業中は静止させられるとともに、制御装置が、2セットの装着ユニットの一方に、2つの部品供給装置の一方から回路部品を受け取らせて回路基材に装着させ、装着ユニットの他方に、部品供給装置の他方から回路部品を受け取らせて同じ回路基材に装着させ、かつ、それら2セットの装着ユニットに回路部品の受取りおよび装着を交互に行わせる交互装着制御手段を含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
本項の回路部品装着システムにおいては、2セットの装着ユニットのうちの一方が回路部品を回路基材に装着している間に、他方が部品供給装置から回路部品を受け取り、一方による回路部品の装着終了後、直ちに他方が回路部品の装着を開始する。装着ユニットが1セットのみ設けられているのであれば、部品保持具が部品供給装置から回路部品を受け取っている間は装着が行われず、無駄であるのに対し、装着が殆ど休みなく行われ、回路部品を能率良く装着することができる。
また、部品供給装置は、回路基材保持装置の両側に1つずつ設けられるため、2つの保持具旋回装置の干渉を避けつつ一方の保持具旋回装置を部品供給装置へ移動させ、他方の保持具旋回装置を回路基材へ移動させることが容易であり、搬送用移動装置の設計や装着プログラムの作成が容易なシステムが得られる。
2つの部品供給装置の各々が供給する回路部品の種類は同じでもよく、異なっていてもよい。いずれにしても、2つの装着ユニットは共同して1つの回路基材に回路部品を装着する。供給する回路部品の種類が同じであれば、2つの装着ユニットのいずれから装着を開始するかが必ずしも問われない利点がある。また、2つの装着ユニットの各部品供給装置が保持する回路部品の種類が異なれば、回路部品の種類が多くても、2つの部品供給装置に分けて持たせるとともに、回路基材の両側に配設することにより、保持する回路部品の種類が多い大形の部品供給装置を回路基材の一方の側に設ける場合に比較してシステムをコンパクトにまとめて設けることができる。
なお付言すれば、部品供給装置を2つ設けることと、装着ユニットを2組設けることとは、常に一緒に採用されなければならないわけではなく、請求可能発明の実施態様としては、いずれか一方のみが2つまたは2組設けられた回路部品装着システムもあり得る。
(5)(a)搬送用移動部材に、部品保持具に保持された回路部品に対向する状態で保持され、回路部品を撮像する撮像装置と、(b)その撮像装置により取得された回路部品の像に基づいて部品保持具による回路部品の保持位置誤差を取得し、その保持位置誤差に基づいて搬送用移動装置による保持具旋回装置の回路基材保持装置に対する位置決めを補正する位置決め補正手段とを含む(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
このシステムにおいては、回路部品が撮像されるとともに、保持位置誤差が補正され、回路部品が回路基材の部品装着箇所に精度良く装着される。撮像装置が搬送用移動部材に保持されて保持具旋回装置と共に移動するため、回路部品の受取りと並行して撮像を行うことが可能であり、撮像結果に基づく保持位置誤差の算出に必要な時間を確保しつつ部品装着の高速化を図ることができる。
撮像は、回路部品が停止している状態で行ってもよく、移動している状態で行ってもよい。例えば、撮像装置を、ストロボ付高速度カメラあるいはラインセンサを含むものとす
れば、回路部品が移動している状態でも撮像することが可能である。
ストロボ付高速度カメラは、回路部品が通過するとき、回路部品に強い光を照射して撮像する。回路部品は移動しているが、シャッタ速度を極めて大きくするか、照明時間を極く短くすることにより、回路部品をあたかも静止しているかのように撮像することができる。
ラインセンサは、一直線状に並べられた多数の撮像素子を有し、部品保持具の旋回軸線を中心とする円の半径方向に長く延びる姿勢で設けられ、一定時間毎に回路部品を撮像する。撮像は、部品保持具が等速で移動する状態で行われ、回路部品の像は、その移動方向において1ライン分ずつ分けて撮像され、回路部品がラインセンサを通過し終わったとき、回路部品の全体像のデータが得られる。ラインセンサによる撮像の繰返しと部品保持具の移動とによって回路部品の2次元像が得られるのである。ただし、部品保持具は回動しており、回路部品のラインセンサに対する角度が撮像毎に異なるため、この角度の変化を考慮して2次元像を構成することが必要である。
(6)前記部品保持具が保持具旋回装置により部品保持具の軸線まわりに回転可能に保持されるとともに、搬送用移動部材に部品保持具をその部品保持具の軸線のまわりに回転させる保持具回転装置が保持されており、かつ、当該回路基材装着システムが、搬送用移動部材に、部品保持具に保持された回路部品に対向する状態で保持され、回路部品を撮像する撮像装置と、その撮像装置により取得された回路部品の像に基づいて部品保持具による回路部品の保持方位誤差を取得し、その保持方位誤差に基づいて保持具回転装置を制御して保持方位誤差を補正する方位補正手段とを含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
このシステムにおいては、部品保持具による回路部品の保持方位誤差が補正され、回路部品は正確な方位で回路基材に装着される。
保持具回転装置は、発明の実施の形態において説明するように、複数の部品保持具を一斉に回転させるものとしてもよく、あるいは個々に回転させるものとしてもよい。保持具回転装置は、最終的に搬送用移動部材に保持され、それと共に移動可能であればよく、例えば、保持具旋回装置に保持されていてもよい。また、保持具回転装置により、保持方位誤差を補正するのみならず、回路部品の保持方位を予め設定された方位に変更してもよい。
(7)さらに、(ア)複数の部品保持具の旋回軌跡に沿って形成された周方向において高さの変化するカム面を備えたカム部材と、(イ)複数の部品保持具の各々に対して各部品保持具と共に昇降可能に設けられ、カム面と係合することにより、各部品保持具の旋回に伴って各部品保持具を昇降させるカムフォロワとを含む(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
この回路部品装着システムにおいては、複数の部品保持具は保持具旋回装置によって旋回させられるとともに、カムおよびカムフォロワにより昇降させられる。
本項が(5)項または(6)項に従属する態様では、前記撮像装置がカム面の部品受取位置と部品装着位置との少なくとも一方に対応する部分より高い部分に対応する位置に配設されることが望ましい。そのようにすれば、複数の部品保持具は保持具旋回装置によって旋回させられるとともに、カムおよびカムフォロワにより昇降させられ、それにより形成された隙間に撮像装置が配設される。換言すれば、撮像装置と部品保持具およびそれに保持された回路部品との干渉、ならびに撮像装置と部品供給装置および回路基材との干渉を回避しつつ、部品受取,装着時の昇降距離を小さくし得る。
カム部材およびカムフォロワとしては、簡易化,小形化の観点からは、発明の実施の形態において説明する端面カムおよび球状カムフォロワが好適であるが、溝カム,突条カムおよびローラ等としてもよい。
なお、通常、「高さ」とは垂直方向における物の位置を表し、複数の部品保持具の旋回軸線が垂直な場合、カム面の高さの変化により複数の部品保持具の高さが変化すると言うことができるが、旋回軸線は、後述するように搬送平面に対して傾斜させられることもある。この場合、カム部材のカム面は、旋回軸線を中心とする円錐面上においてその円錐面
の頂点からの距離が変化するものとされ、部品保持具はカム面に沿って円錐面の各母線に平行な方向に移動させられることとなるが、この部品保持具の位置の変化も高さの変化であると考えることとする。
(8)さらに、(α)複数の部品保持具の旋回軌跡に沿って形成された高さの変化するカム面を備えたカム部材と、(β)複数の部品保持具の各々に対して各部品保持具と共に昇降可能に設けられ、カム面と係合することにより、部品保持具の旋回に伴って部品保持具を昇降させるカムフォロワとを含み、かつ、部品受取位置と部品装着位置との少なくとも一方がカム面の最も低い部分に対応する位置に設定された(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
このシステムにおいて部品保持具は保持具旋回装置によって旋回させられるとともに、カム部材およびカムフォロワにより昇降させられ、部品受取位置と部品装着位置との少なくとも一方における部品保持具の昇降距離を小さくし、受取りと装着との少なくとも一方に要する時間を短くしながら、他の部品保持具を高い位置に保ち得る。
もし、すべての部品保持具が同じ高さにあれば、それらすべての部品保持具が、部品供給装置,回路基材保持装置および回路基材に既に装着された回路部品等の、部品保持具と対向する可能性のある部分のうちで最も高い部分より高くなるようにする必要があり、部品受取位置と部品装着位置との少なくとも一方において、部品供給装置の部品供給部や回路基材の部品装着箇所に十分近づけることができず、部品受取りや装着のための昇降距離が大きくなってしまう。それに対し、請求可能発明によれば、部品受取位置と部品装着位置との少なくとも一方およびその近傍にある部品保持具以外は高い位置に保ち得るため、他の部品保持具が部品供給装置や回路基材保持装置と干渉することを回避しつつ、部品受取位置と部品装着位置との少なくとも一方の部品保持具を部品供給部や部品装着箇所に十分近づけることができるのである。
(9)前記保持具旋回装置が、一定角度ずつ間欠回転し、その間欠回転角度の整数倍の角度間隔で複数の部品保持具を保持する間欠回転体を備え、撮像装置が間欠回転体の停止による部品保持具の複数の停止位置の一つに設けられてその停止位置が部品撮像位置とされ、部品受取位置および部品装着位置がその部品撮像位置とは異なる停止位置に設定された(5)項ないし(8)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
このシステムにおいては、停止状態の回路部品を撮像装置で撮像し、しかもその撮像を他の回路部品の受取りまたは装着と並行して行うことが可能であり、装着能率を向上させることができる。部品保持具の配設角度間隔は一種類に限らず、複数種類に変えることも可能である。
保持具旋回装置は、発明の実施の形態において説明するように、間欠回転体を回転させるために専用の駆動源(例えば、サーボモータ等の電動モータ)を有するものとしてもよいが、他の装置(例えば昇降装置)と駆動源を共用し、カム,カムフォロワを含む運動変換装置等によって伝達される駆動源の駆動力により間欠回転体を回転させるものとしてもよい。駆動源の駆動力は、別のカム,カムフォロワ等を含む運動変換装置により昇降装置の昇降運動に変換される。専用の駆動源を設ければ、間欠回転体を任意の角度回転させることができ、例えば、1番目に回路部品を装着する部品保持具を逆方向に旋回させて最短の回転角度で部品受取位置や部品装着位置に位置させることなどが可能となり、回路部品を能率良く装着することができる。また、間欠回転体に設けられる部品保持具の種類が変わり、部品保持具の配設間隔が変わって間欠回転角度が変わっても容易に対応することができる。
また、発明の実施の形態において説明するように、複数の部品保持具を間欠回転体の回転軸線を中心とする一円周上において、回転軸線に平行に保持させれば、回転軸線に対して放射状に保持させる場合に比較して間欠回転体の径を大きくすることなく、部品保持具の保持数を多くすることができ、間欠回転角度が小さく、間欠回転に要する時間が短く、装着能率を向上させることができる。
(10)前記保持具回転装置が、複数の部品保持具を一斉に回転させるものであり、当該回路部品装着システムが、それら部品保持具により受け取られることが予定されている回
路部品のすべてが受け取られ、それら部品保持具により保持された回路部品の一部のみが撮像装置により撮像された状態で、搬送用移動装置に保持具旋回装置を回路基材上方へ移動させ、昇降装置に部品装着位置にある部品保持具に回路部品の装着を行わせるのと並行して撮像装置に回路部品の撮像を行わせる並行撮像制御手段を含む(9)項に記載の回路部
品装着システム。
間欠回転体の間欠回転につれて回路部品の受取りと撮像が並行して行われる場合、部品受取位置と撮像位置とは離れているため、部品保持具により受け取られることが予定されている回路部品のすべてが受け取られたとき、部品受取位置と撮像位置との間に位置する回路部品については未だ撮像が行われていない。これらの回路部品についても撮像を行った後に、回路部品の装着を開始することも可能であるが、撮像を装着と並行して行わせれば、並行撮像が行われる分だけ、全回路部品の装着に要する時間を短縮し得る。複数の部品保持具のすべてに回路部品が保持され、その直後に水平移動装置により保持具旋回装置が回路基材上方へ移動させられる場合が最も効果的である。
(11)前記部品保持具が、軸部と、その軸部の下端に回路部品を保持する部品保持部を備えている(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
(12)前記保持具旋回装置が、前記旋回軸線のまわりに互いに独立に回動可能な複数の回動部材と、それら複数の回動部材に、それぞれ前記旋回軸線を一周するとともにその一周の間に1回以上の停止を含み、かつ互いに一定時間差を有する回動運動を付与する回動運動付与装置とを備え、それら回動部材の各々に前記旋回軸線から等距離の位置に形成された保持部の各々に、前記複数の部品保持具の各軸部がそれぞれ軸方向に移動可能に保持された(11)項に記載の回路部品装着システム。
部品保持具を保持し、回動部材に部品保持具の軸線に平行な方向に移動可能に保持された移動部材を設けることも可能である。この場合には、移動部材の移動により部品保持具が自身の軸線に平行な方向に移動させられることとなる。保持部を回動部材に形成した保持穴とし、部品保持具を保持穴に回転可能に嵌合すれば、部品保持具をその軸線のまわりに回転させ、回路部品の保持方位を変更し、保持方位誤差を補正することができる。
このようにそれぞれ部品保持具を保持して互いに独立に回動する複数の回動部材を備えた保持具旋回装置は、本出願人による特願平7−342430号の明細書に記載されている。回動運動付与装置は、例えば、複数の回動部材の各々に対してそれぞれ設けられたカムフォロワと、それらカムフォロワに順次係合してカムフォロワを移動させることにより各回動部材を回動させる少なくとも1個の回動運動付与カムとを含むものとされる。望ましくは、回動運動付与カムが、前記旋回軸線を中心とする円弧を、その円弧に対して前記旋回軸線とは反対側に位置するとともにその旋回軸線と直角に立体交差する軸線のまわりに回転させた場合その円弧が描く軌跡を外周面とする鼓形カムとされ、鼓形カムが、複数の部品保持具の旋回軸線を対称軸として軸対称に複数個配設され、それら複数の鼓形カムの全軸線を含む一平面とそれら複数の鼓形カムの各外周面との交線の集合が、実質的に連続した一円周を描くものとされる。
(13)前記保持具旋回装置が、前記旋回軸線のまわりに回転させられるとともに、旋回軸線から等距離の位置に複数個設けられた保持部の各々に前記複数の部品保持具の各軸部が軸方向に移動可能に保持された回転体を含む(11)項に記載の回路部品装着システム。
この態様においても、部品保持具を保持し、回転体に部品保持具の軸線に平行な方向に移動可能に保持された移動部材を設けることが可能である。この場合には、移動部材の移動により部品保持具が自身の軸線に平行な方向に移動させられることとなる。保持部を保持穴とし、部品保持具を保持穴に回転可能に嵌合すれば、部品保持具をその軸線のまわりに回転させ、回路部品の保持方位を変更し、誤差を補正することができる。
(14)前記旋回軸線が前記搬送平面と直交し、前記保持部が旋回軸線に平行に形成された(12)項または(13)項に記載の回路部品搬送装置。
(15)前記複数の保持部が、前記回転体の前記旋回軸線を中心線とする円錐面の複数の母線の各々を中心線として形成されており、前記旋回軸線が、前記搬送平面に対する垂線に対して、前記円錐面の一母線が前記搬送平面と直交する状態となる角度だけ傾斜させら
れた(12)項または(13)項に記載の回路部品搬送装置。
(14)項または(15)項のシステムにおいて、搬送平面が傾斜面であれば、部品保持具も傾斜した軸線に沿って昇降させられる。回路基材が傾斜して保持され、部品供給装置が傾斜して設けられていれば、部品保持具を傾斜した軸線に沿って昇降させることにより、部品供給装置や回路基材に対して直角に接近,離間させることができ、回路部品の受取り、装着をスムーズに行うことができる。
(15)項のシステムにおいては、回転体の回転に伴って部品保持具の高さ(搬送平面との距離)を変えることができ、上下方向の隙間に撮像装置を配設し得る等の効果が得られる。また、カム部材やカムフォロワを設けなくても部品保持具の高さを変えることができ、部品点数が少なくて済み、移動質量が小さく、搬送用移動装置による保持具旋回装置の移動速度を高くして装着能率を向上させることができる。
(16)前記カム部材が、前記部品保持具の旋回軌跡の上方に配設されるとともに、カム部材の下面が周方向において高さの変化するカム面とされており、前記部品保持具を前記カム部材に向かって付勢する付勢手段を含む(7)項に記載の回路部品装着システム。
カムフォロワは部品保持具の軸部の上端にあらゆる方向に回転可能に保持され、カム面上を転動する球状のカムフォロワとされることが望ましい。球状のカムフォロワはカム面に沿って移動するとき、どの方向を向いていてもよいため、部品保持具の軸部の上端にあらゆる方向に回転可能に保持させればよく、カムフォロワとしてローラを用いる装置のように、ローラを回転可能に支持する支持軸および部品保持具を保持する部材に対して相対回転不能であってローラを支持する支持部材を設ける必要がなく、保持具旋回装置の構成を簡易化することができる。その結果、部品点数の減少によるコスト低減,部品保持具を保持する部材と共に移動する部材の質量の減少による移動速度高速化等の効果が得られる。
また、球状のカムフォロワはカム面上を転動するため、部品保持具の軸部の上端部に外面が半球面状を成すカムフォロワを一体的に設け、カム面に沿って移動させる場合に比較して摺動抵抗が少なくて済み、摩耗が少なく、寿命の長い装置が得られる。
球状のカムフォロワは、どの方向にも向くことができ、部品保持具が自身の軸線のまわりに回転させられる場合、部品保持具の回転を許容する。部品保持具を回転させる場合、カムフォロワがローラのように回転軸線の方向を1つに決めなければならないものであれば、部品保持具にカムフォロワを保持させることができず、部品保持具とは別にカムフォロワを、その回転軸線の方向が1つに決められた状態で保持する部材を設けなければならないのに対し、部品保持具に直接カムフォロワを保持させることができ、旋回軌跡中において高さを変えることができ、部品保持具を回転させ得るとともに、構成が簡易で安価な保持具旋回装置が得られる。
(17)前記保持具旋回装置が、前記複数の部品保持具を前記部品受取位置でも前記部品装着位置でもある部品受取装着位置に順次停止させるものとされ、前記カム部材の前記部品受取装着位置に対応する部分に切欠が形成され、その切欠に前記昇降駆動部材が昇降可能に嵌合され、前記昇降駆動装置が前記昇降駆動部材を、その昇降駆動部材の下面が前記カム面と連続する上昇位置と、下面がカム面より下方に位置する下降位置との間で昇降させるものである(7)項または(16)項に記載の回路部品装着システム。
部品保持具の昇降時以外は、昇降駆動部材は上昇位置にあり、カムフォロワはカム面に沿って移動し、昇降駆動部材の下面に係合する。この状態で昇降駆動部材が下降させられれば、部品保持具が下降させられ、昇降駆動部材が上昇させられれば、部品保持具は付勢手段の付勢力により昇降駆動部材に追従して上昇させられ、カムフォロワがカム面に係合する位置へ復帰する。
保持旋回装置が部品保持具をそれの旋回軌跡上の予め定められた位置に停止させるものであり、昇降駆動部材がその停止位置に設けられる場合に、昇降駆動装置は、部品保持具が停止位置に停止させられてから昇降駆動部材を下降させるものとしてもよく、停止位置の前と後ろとの少なくとも一方において、カムフォロワが昇降駆動部材に係合した状態で昇降駆動部材を下降させるものとしてもよい。後者の場合は、部品保持具の旋回と回路部
品の受取りおよび装着のための下降,上昇の少なくとも一方とが並行させられることとなり、部品保持具の昇降を伴って行われる作業の時間を短縮することができる。
(18)前記昇降装置が、前記複数の部品保持具に共通に設けられ、それら部品保持具の1つずつに、その1つの部品保持具の前記保持具旋回装置による旋回を許容しつつその部品保持具を昇降可能に係合する昇降駆動部材と、前記搬送用移動部材に固定的に保持され、その昇降駆動部材を上昇位置と下降位置との間で昇降させることにより前記1つの部品保持具を昇降させる昇降駆動装置とを含む(1)項ないし(15)項のいずれかに記載の回路部
品装着システム。
(19)前記昇降駆動部材が、常には前記部品保持具を昇降可能な作用位置にあるが、前記下降位置において前記部品保持具の旋回方向に設定値以上の力が加えられた場合には部品保持具の移動を妨げない退避位置へ退避可能に保持されている(17)項または(18)項に記載の回路部品装着システム。
(20)前記昇降駆動部材が、前記昇降装置に、前記部品保持具の旋回軌跡から側方へ外れた位置において垂直軸線まわりに回動可能に保持されており、その回動により前記退避位置へ退避する(19)項に記載の回路部品装着システム。
昇降駆動部材は、厳密には、昇降駆動装置の出力部材に垂直軸線まわりに回動可能に保持され、その垂直軸線から外れた部分において部品保持具に係合し、退避位置へ回動させられる。昇降駆動部材を平行移動により退避位置へ移動するものとすることも可能であるが、回動による方が昇降駆動装置による昇降駆動部材の保持構造を簡易にすることができ、安価に目的を達成することができる。
(21)前記昇降装置が、前記昇降駆動部材を前記作用位置に向かって付勢する付勢手段と、その付勢手段の付勢力に抗して作用位置に保つストッパとを含む(19)項または(20)項に記載の回路部品装着システム。
(22)前記ストッパが、前記昇降駆動部材を昇降可能に保持する保持部材に、位置調節可能に取り付けられた調節可能ストッパ部材を含む(21)項に記載の回路部品装着システム。
(23)前記カム部材の前記切欠が、前記球状のカムフォロワが通過可能な深さで形成されている(17)項に記載の回路部品装着システム。
(24)さらに、前記昇降駆動部材の前記退避位置に向かう移動を検知して検知信号を発する移動検知装置と、その移動検知装置の検知信号に応じて前記保持具旋回装置の旋回を停止させる旋回停止手段とを含む(19)項ないし(22)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
昇降駆動部材の退避位置に向かう移動を検知する代わりに、昇降駆動部材の昇降時以外の時期における下降位置への移動を検知することにより、部品保持具の旋回を停止させるようにしてもよい。
(25)前記部品保持具が、負圧により前記回路部品を吸着して保持する部品吸着具である(1)項ないし(24)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
回路部品を負圧により吸着して保持すれば、回路部品を損傷する恐れなく保持することができる。また、部品保持具の構成が単純となるとともに、回路部品の保持,解放の制御が簡単となり、さらに部品保持具に保持された回路部品の撮像も容易となる。
(26)さらに、前記部品吸着具内の圧力を制御することにより部品吸着具に回路部品の吸着,解放を行わせる圧力制御装置を含む(25)項に記載の回路部品搬送装置。
(27)前記圧力制御装置が、
前記保持具旋回装置に保持され、前記部品吸着具内の圧力を切り換える切換部材を備えた圧力切換弁と、
前記部品保持具を昇降させる昇降装置により作動させられるとともに、昇降装置の前記部品吸着具を昇降させる昇降駆動部材が部品吸着具を下降させるのに伴って、前記切換部材を前記圧力切換弁が前記部品吸着具内の圧力を大気圧以上の圧力から負圧に切り換える負圧供給位置へ移動させる吸着実現状態と、前記昇降駆動部材が部品吸着具を下降させるのに伴って、切換部材を圧力切換弁が部品吸着具内の圧力を負圧から大気圧以上の圧力に
切り換える負圧解除位置へ移動させる解放実現状態とに切換えが可能な切換弁制御装置と
を含む(26)項に記載の回路部品搬送装置。
回路部品の吸着時には、昇降駆動部材が部品吸着具を下降させるのに機械的に同期して圧力切換弁の切換部材が負圧供給位置へ移動させられ、圧力切換弁が吸着具内の圧力を大気圧以上の圧力から負圧に切り換え、部品吸着具が回路部品を吸着する。回路部品の解放時には、逆に、昇降駆動部材が部品吸着具を下降させるのに機械的に同期して圧力切換弁の切換部材が負圧解除位置へ移動させられ、圧力切換弁が吸着具内の圧力を負圧から大気圧以上の圧力に切り換え、部品吸着具が回路部品を解放する。圧力切換弁は同じ位置において、1つの昇降装置の昇降駆動部材の下降に伴って2つの状態のいずれかに選択的に切り換えられるのである。
本態様によれば、部品吸着具の昇降と負圧の供給,解除の切換えとが機械的に同期して行われ、部品吸着具の下降,上昇タイミングと、負圧の供給,解除タイミングとがずれることがなく、吸着ミスや装着ミスの発生が良好に回避される。また、回路部品の吸着,装着が同じ位置で行われ、圧力切換弁を切り換えるための駆動源が1つで済み、装置を安価に構成することができる。
昇降駆動部材は、それ自身が昇降して部品吸着具を昇降させるものとしてもよく、それ自身は部品吸着具の昇降方向とは平行ではない方向に移動し、カム装置,リンク機構等の運動変換装置を介して部品吸着具を昇降させるものとしてもよい。また、昇降駆動部材が自身の移動により切換部材を移動させるようにしてもよく、あるいは他の部材を介して切換部材を移動させるようにしてもよい。
(28)前記切換弁制御装置が、
前記部品吸着具の昇降に伴って機械的に同期することにより互いに逆向きに移動する2つの切換用移動部材と、
それら切換用移動部材の各々に設けられ、前記切換部材に互いに反対側から作用する作用部材を各切換用移動部材に対して相対移動させる2つのアクチュエータと、
それら2つのアクチュエータを、前記2つの切換用移動部材の移動に伴って前記2つの作用部材の一方ずつが選択的に前記切換部材に作用するように制御するアクチュータ制御装置と
を含む(27)項に記載の回路部品装着システム。
切換用移動部材を直線移動するものとし、作用部材を切換用移動部材に対して平行な方向に直線移動するものとしてもよく、あるいは交差する方向に直線移動するものとしてもよい。また、切換用移動部材を回動部材とするとともに、作用部材を、切換用移動部材の回動軸線と同じ回動軸線のまわりに回動可能に設けられ、同じ回動軌跡を描く回動部材としてもよい。
切換用移動部材の移動方向は昇降駆動部材の移動方向と平行にすることも可能であるが、例えば直交する方向等非平行な方向とすることも可能である。切換部材の移動方向も昇降駆動部材や作用部材の移動方向と平行にすることは不可欠ではなく、また、切換部材の移動は直線運動でも回動でもよい。アクチュエータも直線的に作動するものでも、回転で作動するものでもよい。
(29)前記切換部材が昇降により前記負圧供給位置と前記負圧解除位置とに移動するものであり、前記2つの切換用移動部材の一方が前記昇降駆動部材と一体的に昇降し、他方が昇降駆動部材の移動方向を逆にして伝達する伝達装置により昇降駆動部材に連携させられている(28)項に記載の回路部品装着システム。
2つの切換用移動部材を共に昇降駆動部材に対して相対移動するものとすることも可能であるが、切換用移動部材の一方を昇降駆動部材と一体的に移動するものとすれば、切換弁制御装置を簡単に構成することができる。
(30)前記切換弁制御装置が、前記2つの切換用移動部材の少なくとも一方とその一方に対応する前記作用部材との間に、主アクチュエータとしての前記アクチュエータと直列に、その対応する作用部材を切換用移動部材に対して相対移動させる補助アクチュエータを少なくとも1個含む(28)項または(29)項に記載の回路部品装着システム。
主アクチュエータと補助アクチュエータとが共に、2つの作動状態を取り得るものであり、補助アクチュエータが1個設けられている場合には、主アクチュエータにより作用部材が切換部材に作用する作用位置と作用しない非作用位置とに移動させられるとともに、作用部材の作用位置が副アクチュエータにより2段階に変更される。副アクチュエータを複数個互いに直列に設ければ、作用部材の非作用位置を多段階に変更可能となる。
例えば、回路部品の高さに応じて、部品吸着具が回路部品を吸着する際の高さや解放する際の高さが変わることがあれば、その高さに応じて圧力切換弁の切換時期を設定することにより、より適切な時期に回路部品を吸着し、あるいは解放することができ、搬送能率を向上させることができる。
主アクチュエータと補助アクチュエータとは互いに直列に設けられればよく、いずれが作用部材側に設けられてもよい。補助アクチュエータは直線的に作動するものとすることも、回動するものとすることも可能である。
(31)前記作用部材の一方に、切換部材を介して前記部品吸着具に正圧を供給する正圧供給通路が設けられており、前記解放実現状態の少なくとも初期において前記部品吸着具に正圧が供給される(28)項ないし(30)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
(32)前記作用部材の前記切換用移動部材との間に、切換用移動部材により作用部材に与えられる作動力が設定値を超えた場合には、作用部材が切換用移動部材に対して相対移動することを、弾性的な抵抗力を付与しつつ許容する相対移動許容装置が設けられた(28)項ないし(31)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
圧力切換弁を切換部材のできる限り短い作動ストロークで確実に切り換えるためには、負圧供給位置および負圧解除位置で切換部材の移動を阻止するストッパを設け、そのストッパにより切換部材の移動が阻止された後の切換用移動部材の余分なストロークを相対移動許容装置に吸収させることが望ましい。
(33)前記正圧供給通路が設けられた作用部材が前記切換部材に接触した状態においてそれら作用部材と切換部材とに跨がって形成される正圧供給通路の、前記圧力切換弁が負圧供給状態にある状態では前記部品吸着具および負圧源から遮断される部分に設けられ、正圧供給通路から気体が大気中に流出することを、その流出気体に絞り効果を与えつつ許容する流出許容手段が設けられた(31)項または(32)項に記載の回路部品搬送装置。
(34)前記流出許容手段が、前記正圧供給通路が設けられた作用部材に、その作用部材が前記切換部材に接触した状態においても正圧供給通路を大気に連通させる状態で形成された連通路を含む(33)項に記載の回路部品搬送装置。
(35)前記流出許容手段と、前記作用部材が切換部材に接触した状態においてそれら作用部材と切換部材とに跨がって形成される正圧供給通路の流出許容手段より上流側の部分との少なくとも一方に、可変絞り手段が設けられた(33)項または(34)項に記載の回路部品搬送装置。
可変絞り手段の調節により、部品吸着具内の圧力増大後における部品吸着具からの圧力気体の噴出流量を調節したり、圧力切換弁の負圧解除状態への切換直後と部品吸着具内の圧力増大後とにおける部品吸着具への圧力気体の流量の比を調節したりすることができる。
(36)前記部品保持具が前記保持具旋回装置により部品保持具の軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動可能に保持されており、かつ、当該回路部品装着システムが、さらに、前記旋回軸線に対して同心に設けられ、駆動源により任意の角度回転させられる駆動歯車と、前記部品保持具の各々に同心に固定され、前記駆動歯車とかみ合わされた複数の被駆動歯車とを含み、かつ、前記駆動歯車と前記被駆動歯車とが前記昇降装置による前記部品保持具の軸方向移動にかかわらずかみ合い状態を保つものである(1)項ないし(35)項のい
ずれかにに記載の回路部品装着システム。
駆動源,駆動歯車,被駆動歯車等が、各部品保持具の軸方向の移動を許容しつつ、部品保持具を一斉に回転させる保持具回転装置を構成することとなる。
(37)前記駆動歯車が前記被駆動歯車より幅の広いものである(36)項に記載の回路部品装着システム。
被駆動歯車を駆動歯車より幅の広いものとすることによっても目的を達し得るが、本態様によれば、1個の歯車の幅を広くすればよく、かつ、部品保持具の軸方向移動を可能にするために必要な被駆動歯車の移動スペースが小さくて済む特有の効果が得られる。
(38)さらに、回路基材を搬送するとともに位置決めして支持するメインコンベヤと、回路基材を搬送してメインコンベヤに引き渡す搬入コンベヤとメインコンベヤから回路基材を受け取って搬出する搬出コンベヤとの少なくとも一方とを含み、かつ、
前記メインコンベヤを前記回路基材の搬送方向に直角な方向に複数並列に配設するとともに、前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方を、それら少なくとも一方が複数のメインコンベヤの各々とつらなる複数のシフト位置に選択的にシフトさせるコンベヤシフト装置を含む(1)項ないし(37)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
メインコンベヤは、回路基材の搬送機能と位置決め支持機能とを有し、回路基材を位置決めして支持する部分が回路基材保持装置を構成している。
搬入コンベヤは、コンベヤシフト装置によってシフトさせられることにより、複数のシフト位置のうちの任意の位置において回路基材を受け取り、複数のメインコンベヤのいずれへも搬入することができる。搬出コンベヤは、コンベヤシフト装置によってシフトさせられることにより、複数のメインコンベヤのいずれからも回路基材を受け取り、複数のシフト位置のうちの任意の位置において回路基材を搬出することができる。メインコンベヤが複数設けられており、一方のメインコンベヤにより支持された回路基材への回路部品の装着後、直ちに他方のメインコンベヤにより支持された回路基材への回路部品の装着を開始することができ、回路基材の交替時間が実質的に0であり、1つずつの搬入コンベヤ,搬出コンベヤによって複数のメインコンベヤに回路基材を搬入し、搬出することができ、作業能率が高く、かつ、構成が簡単な回路部品装着システムが得られる。
搬入コンベヤと搬出コンベヤとは、両方設けてもよく、いずれか一方のみを設けてもよい。例えば、回路基材に対して何らかの作業を行う作業装置が複数直列に並べられてライン状の作業システムを構成しており、本態様に係る回路部品装着システムがラインの最下流に設けられていて、作業の済んだ回路基材がストッカ等の収納装置に収納されるのであれば、ロボットや作業者によりメインコンベヤから取り出して収納装置に収納することが可能であり、搬出コンベヤによる搬出が不可欠ではないのである。このようなシステムにおいては、搬入コンベヤのみが設けられることとなるが、1つの搬入コンベヤによって複数のメインコンベヤの1つに選択的に回路基材を引き渡すことができる。
また、例えば、本態様の回路部品作業システムがライン状の作業システムの最上流に設けられていて、ロボットや作業者等によりメインコンベヤに回路基材がセットされたり、あるいは回路基材供給装置が複数の基板引渡部を有していて、複数のメインコンベヤの各々に回路基材が引き渡されるのであれば、搬入コンベヤは不可欠ではない。このようなシステムにおいても、1つの搬出コンベヤがシフトさせられて複数のメインコンベヤから選択的に回路基材を搬出することができる。
(39)前記複数の部品保持具,前記保持具旋回装置,前記搬送用移動装置,前記昇降装置および前記受取装着制御装置を含む装着ユニットが、前記複数のメインコンベヤのいずれに位置決め支持されている回路基材に対しても回路部品を装着し得るもので(38)項に記載の回路部品装着システム。
装着ユニットは、複数のメインコンベヤのうちの1つに位置決め支持されている回路基材への回路部品の装着が終了すれば、直ちに、別のメインコンベヤに位置決め支持されて待機している回路基材への回路部品の装着を開始し、能率良く回路部品の装着を行うことができる。装着ユニットはいずれのメインコンベヤ上の回路基材に対しても回路部品を装着し得るため、装着ユニットを1つ設けるのみでもよいが、複数設けて、一部の装着ユニットの部品保持具が回路部品供給装置から回路部品を取り出す間も別の装着ユニットが回路部品を回路基材に装着するようにすれば、回路部品の取出しのために装着を中断せずに済み、能率良く回路部品を装着することができる。
(40)前記メインコンベヤが2つ並列に配設され、それら2つのメインコンベヤの各外側方にそれぞれ前記部品供給装置が配設されており、前記複数の部品保持具,前記保持具
旋回装置,前記搬送用移動装置,前記昇降装置および前記受取装着制御装置を含む装着ユニットが2つ設けられ、それら2つの装着ユニットが、前記2つの部品供給装置の各々から回路部品を受け取り、前記2つのメインコンベヤの任意のものの上方に搬送してそのメインコンベヤに位置決め支持されている回路基材に装着する(38)項に記載の回路部品装着システム。
装着ユニットが2つで交互に回路部品を装着するようにすれば、時間の無駄なく回路部品を装着することができるが、交互に回路部品を装着するようにすることは不可欠ではない。そのようにしなくても、例えば、比較的小形の2つの部品供給装置から多種類の回路部品を供給することが可能であり、装着ユニットの移動距離の増大を回避しつつ、多種類の回路部品を必要とする回路の形成を行うことができる効果が得られるのである。
(41)前記メインコンベヤの上流側に前記搬入コンベヤが、下流側に前記搬出コンベヤがそれぞれ配設され、かつ、それら搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの前記複数のシフト位置のうちの予め定められた基準シフト位置にそれぞれ隣接して、搬入コンベヤに回路基材を引き渡す上流側装置と搬出側コンベヤから回路基材を受け取る下流側装置とが配設されている(38)項ないし(40)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
上流側装置には、例えば、回路基材供給装置,回路部品装着システム,回路基材に接着剤やペースト状半田を塗布する塗布システム等があり、下流側装置には、例えば、回路部品装着システム,回路部品を回路基材に仮止めしている接着剤を硬化させる硬化炉,半田を溶融させて回路部品を回路基材に電気的に接続するリフロー炉等がある。
搬入コンベヤは複数のシフト位置のいずれにおいても回路基材を受け取ることができ、搬出コンベヤは複数のシフト位置のいずれにおいても回路部品を引き渡すことができるため、上流側装置および下流側装置の各回路基材引渡位置および受取位置が1つであって、その位置が搬入コンベヤおよび搬出コンベヤのシフト方向において決まっていても、上流側装置および下流側装置の各回路基材引渡位置および受取位置と一致するシフト位置を当該回路部品装着システムの基準シフト位置として三者を接続すれば、回路基材の受渡しを支障なく行うことができる。
(42)前記メインコンベヤの上流側に前記搬入コンベヤが、下流側に前記搬出コンベヤがそれぞれ配設された(38)項ないし(40)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
搬入コンベヤおよび搬出コンベヤは、メインコンベヤと共に搬送方向を逆にすれば、それぞれ搬出コンベヤおよび搬入コンベヤとして機能するようにすることができる。
(43)(42)項に記載の回路部品装着システムが少なくとも2つ直列に配列された回路部品装着システム。
この回路部品装着システムにおいては、上流側の回路部品装着システムの搬出コンベヤと下流側の回路部品装着システムの搬入コンベヤとの間で回路基材の受渡しが行われる。搬出コンベヤも搬入コンベヤも複数のシフト位置に選択的にシフトさせることができ、複数のシフト位置のうちの任意の1つにおいて回路基材の受渡しが行われる。回路基材の受渡しが行われるシフト位置を1つに決めなくてもよく、隣接する2つの回路部品装着システムの装着の進行度に応じて決定することができ、回路部品装着システムの自由度が向上する。
(44)前記メインコンベヤの上流側に、前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤとを兼ねた搬入搬出コンベヤが配設された(38)項ないし(40)項のいずれかに記載の回路基材作業システム。
搬入搬出コンベヤは正方向と逆方向とに回路基材を搬送可能なものであり、正方向に搬送する状態で搬入コンベヤとして機能し、逆方向に搬送する状態で搬出コンベヤとして機能する。本態様は、回路基材を供給された側と同じ側へ排出することが望ましい特殊な場合に有効である。
(45)前記コンベヤシフト装置が、前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤとを互いに独立にシフトさせる搬入コンベヤシフト装置と搬出コンベヤシフト装置とを含む(41)項ないし(43)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
コンベヤシフト装置を、搬入コンベヤと搬出コンベヤとを一斉にシフトさせるものとす
ることも可能であるが、独立にシフトさせるものとすれば、回路部品装着システムの自由度が向上する。
(46)前記コンベヤシフト装置が、前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方を支持するコンベヤ支持台と、そのコンベヤ支持台をシフトさせる流体圧シリンダとを含む(38)項ないし(45)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
流体圧シリンダを使用すれば、搬入コンベヤや搬出コンベヤを迅速にシフトさせ得るコンベヤシフト装置を安価に製造することができる。
(47)前記流体圧シリンダが、前記複数のシフト位置に跨がって配設されたロッドレスシリンダである(46)項に記載の回路部品装着システム。
ロッドレスシリンダを使用すれば、ピストンロッドを備えた流体圧シリンダを使用する場合に比較して、コンベヤシフト装置をコンパクトに構成し得る。
(48)前記コンベヤシフト装置が、前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方を支持するコンベヤ支持台と、そのコンベヤ支持台を、サーボモータを駆動源としてシフトさせる駆動装置とを含む(38)項ないし(45)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
(49)前記メインコンベヤが、前記回路基材を搬送面から浮かして位置決め支持する基板位置決め支持装置を含む(38)ないし(48)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
この態様の装置によれば、回路基材を確実に位置決めし得る。
(50)前記複数のメインコンベヤがそれぞれ回路基材を支持して搬送するコンベヤベルトを備え、かつ、それら複数のメインコンベヤのコンベヤベルトが共通のベルト駆動源により一斉に駆動される(49)項に記載の回路部品装着システム。
基板位置決め支持装置が回路基材を搬送面から浮かして位置決め支持するものであれば、複数のメインコンベヤのコンベヤベルトを一斉に作動させても作業が行われている回路基材が移動することはない。また、ベルト駆動源を共通にすれば装置コストを低減させることができる。
(51)前記メインコンベヤ,前記搬入コンベヤおよび前記搬出コンベヤの各々の両サイドフレームの少なくとも一方が他方に対して接近,離間可能な可動フレームとされており、かつ、メインコンベヤ,搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの各可動フレームを同時に移動させてメインコンベヤ,搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの搬送幅を同時に変更する幅変更装置を含む(41)項ないし(43)項,(45)項ないし(50)項のいずれかに記載の回路基材作業システム。
(52)前記メインコンベヤ,前記搬入コンベヤおよび前記搬出コンベヤの各々の両サイドフレームの少なくとも一方が他方に対して接近,離間可能な可動フレームとされており、かつ、搬入コンベヤと搬出コンベヤとの各可動フレームを同時に移動させて搬入コンベヤと搬出コンベヤとの搬送幅を同時に変更する幅変更装置と、その幅変更装置による幅変更時にメインコンベヤの可動フレームと、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの可動フレームとを一体的に移動する状態に連結するフレーム連結装置とを含む(41)項ないし(43)項,(45)項ないし(50)項のいずれかに記載の回路基材作業システム。
フレーム連結装置は、メインコンベヤの可動フレームと、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの可動フレームとを連結する連結位置と、連結しない非連結位置とに位置可能な連結部材を有する。連結部材は作業者の操作により連結位置と非連結位置とに位置させられるものとしてもよく、あるいは連結部材駆動装置により駆動されて自動的に連結位置と非連結位置とに位置させられるものとしてもよい。
(53)前記幅変更装置が、
前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤとの各々に対応して設けられ、それらコンベヤの前記複数のシフト位置に跨がって延びる搬入側駆動軸および搬出側駆動軸と、
前記搬入コンベヤと前記搬出コンベヤとにそれぞれ回転可能かつ軸方向に移動不能に保持され、前記搬入側駆動軸および搬出側駆動軸にそれぞれ相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に係合する被駆動回転体と、
その被駆動回転体の回転を前記可動フレームの運動に変換する運動変換装置と、
幅変更用回転駆動源と、
その幅変更用回転駆動源の回転を前記搬入側駆動軸および搬出側駆動軸に伝達する回転伝達装置と
を含む(51)項または(52)項に記載の回路基材作業システム。
この態様によれば、幅変更用回転駆動源を搬入コンベヤと搬出コンベヤとに共用でき、かつ、両コンベヤの幅変更を同時に行うことが容易となる。しかも、搬入コンベヤと搬出コンベヤとのシフトを独立に行うことができる。
また、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤをシフトさせても、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤの各被駆動回転体は搬入側駆動軸および搬出側駆動軸に係合した状態を保つため、搬入,搬出コンベヤが複数のシフト位置のうちのいずれにあっても搬送幅を変更することができる。
(54)前記幅変更装置がさらに、
前記複数のメインコンベヤのうちの1つに、それらメインコンベヤが並ぶ方向に設けられたメインコンベヤ側駆動軸と、
そのメインコンベヤ側駆動軸が設けられたメインコンベヤに回転可能かつ軸方向に移動不能に保持され、前記メインコンベヤ側駆動軸に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に係合する被駆動回転体と、
前記複数のメインコンベヤの各可動フレームを一体的に連結する連結部材と
を含むとともに、前記回転伝達装置が前記幅変更用回転駆動源の回転を前記搬入側駆動軸および搬出側駆動軸に加えて、前記メインコンベヤ側駆動軸に伝達するものである(53)項に記載の回路基材作業システム。
(55)前記メインコンベヤと、前記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方とがそれぞれ回路基材を支持して搬送するコンベヤベルトを備え、かつ、メインコンベヤと、搬入コンベヤと搬出コンベヤとの少なくとも一方とがそれぞれ独自のベルト駆動源を備えた(38)項ないし(54)項のいずれかに記載の回路部品装着システム。
メインコンベヤ,搬入コンベヤおよび搬出コンベヤのベルト駆動源をそれぞれ専用にすれば、各コンベヤを独立に作動させることができ、回路部品装着システムの自由度が向上する。
本回路部品装着システム8は、回路基材の搬送方向において上流側に設けられた上流側装置であって、塗布システムの一種であり、回路部品にペースト状半田を印刷するスクリーン印刷システムと、下流側に設けられた下流側装置たるリフローシステム(半田を溶融させて回路部品を回路基材に電気的に接続するシステム)と共に電子回路組立ラインを構成している。電子回路組立ラインもプリント基板作業システムの一種である。
図1において10は基台である。基台10上には、基板コンベヤ12,2個ずつの回路部品供給装置14,16および回路部品装着装置18,20が設けられている。基板コンベヤ12は、2つのメインコンベヤ400,402と、1つずつの搬入コンベヤ404および搬出コンベヤ406とを備えている。これらメインコンベヤ400,402は、回路基材たるプリント基板408(図3参照)の搬送方向(図1において左右方向であり、プリント基板408の搬送方向をX軸方向とする)と水平面内において直角な方向(Y軸方向とする)に並列に配設されている。
図2に示すように、基台10上には、案内部材支持台420が高さ調節部材たる複数本のアジャストボルト422により高さ調節可能に取り付けられている。案内部材支持台420は図4に示すように矩形の枠状を成し、メインコンベヤ400および402の両方にわたって隣接する長さを有する。案内部材支持台420のY軸方向に平行な一対の枠部上にはそれぞれ、案内部材たる直線状のガイドレール424が固定されるとともに、図2および図4に示すように、コンベヤ支持台426が4個の被案内部たるガイドブロック428において移動可能に嵌合されており、コンベヤ支持台426上に搬入コンベヤ404が設けられている。
なお、搬入コンベヤ404の搬送幅の変更は、メインコンベヤ400,402および搬出コンベヤ406の搬送幅の変更と同時に行われるため、チェーン470の配設および駆動源については後に説明する。
なお、搬出コンベヤ406側には、図1に示すように、搬送幅変更用の操作部材たるハンドル510が設けられている。基台10上にはブラケット512によって回転軸514がY軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられるとともに、一端部にハンドル510が固定され、他端部にはスプロケット516が固定されている。スプロケット516には、前記チェーン470が巻きかけられている。チェーン470はまた、ブラケット512に回転可能に取り付けられたスプロケット518にも巻きかけられている。
基台10の搬入コンベヤ404と搬出コンベヤ406との間の部分には、図2および図4に示すように、コンベヤ支持台520が固定されている。コンベヤ支持台520は、Y軸方向においてメインコンベヤ2個分の大きさを有し、コンベヤ支持台520のY軸方向に平行な両端部にはそれぞれ、案内部材たる直線状のガイドレール522(図4参照)が固定されている。
回路部品供給装置14,16はそれぞれ、メインコンベヤ400,402の外側方に配設されている。回路部品供給装置14,16の構成は同じであり、供給する回路部品の種類も同じである。回路部品供給装置14を代表的に説明する。
図9はフィーダ54の側面図である。フィーダ54は、同一種類の回路部品を複数個収容する部品収容リール150を、上述のように2つまで装着できる。フィーダ54は、制御装置1050(図24参照)からの供給命令に基づいて、1つまたは2つの部品収容リール150に収容されている1種類または2種類の回路部品を、1つずつ独立に供給できる。2つの部品収容リール150の回路部品を同時に供給することも可能である。ただし、回路部品装着装置18は、後述するように部品吸着ノズル784を複数有しているが、それら複数の部品吸着ノズル784は1つずつ回路部品の吸着を行い、複数が同時に回路部品を吸着することはなく、回路部品を同時に供給する要求は通常は発生しない。したがって、複数のフィーダ54が同時に供給命令を受け取ることもない。
図1に示すように、回路部品装着装置18,20はいずれも、装着ヘッド650,652と、X軸スライド654,656およびY軸スライド658,660を備えて装着ヘッド650,652を水平面内の任意の位置へ移動させるXYロボット662,664とを有している。これら装着ヘッド650,652の構成は同じであり、XYロボット662,664の構成は同じであり、回路部品装着装置18の装着ヘッド650およびXYロボット662を代表的に説明する。
部品吸着装着位置と撮像位置とにおける部品吸着軸766の高さが同じであれば、回路部品撮像装置820と回路部品供給装置14およびプリント基板408との干渉を回避しなければならないことは勿論、回路部品撮像装置820と部品吸着軸766およびそれに保持された回路部品814との干渉を回避しなければならず、部品吸着装着位置における部品吸着軸766の位置が高くなって部品吸着および装着のための昇降距離が長くなるのに対し、固定カム712およびカムフォロワ804によって部品吸着軸766を上昇させれば、それによって回路部品撮像装置820との干渉を回避することができ、部品吸着装着位置における部品吸着軸766の高さを低くすることができ、昇降距離を短くすることができるのである。
X軸スライド654の部品吸着装着位置に対応する部分には、図17および図19に示すように、駆動源たるリニアモータ886が固定されている。リニアモータ886の可動子888は、リニアモータ886のハウジングから下方へ垂直に延び出させられるとともに、移動部材890が固定されている。
回路部品装着装置18,20は、メインコンベヤ400とメインコンベヤ402とのいずれか一方により位置決め支持されたプリント基板408に交互に回路部品842を装着する。1枚のプリント基板408について、本回路部品装着システム8において装着が予定された全部の回路部品842を共同して装着するのである。一方のメインコンベヤにおいて位置決め支持されたプリント基板408について回路部品842の装着が行われている間、他方のメインコンベヤにおいてはプリント基板408の搬出,搬入および位置決め支持が行われ、搬入されたプリント基板408は回路部品842の装着に備えてメインコンベヤ上で待機させられる。一方のメインコンベヤにおけるプリント基板408への回路部品842の装着終了後、他方のメインコンベヤにおいて待機させられているプリント基板408への回路部品842の装着が開始される。
プリント基板408は、本回路部品装着システム8の上流側に設けられたスクリーン印刷システムから搬入コンベヤ404へ搬入される。この搬入は、搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置する状態で行われる。搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置させられれば、基板搬送用モータ486が起動されるとともに、スクリーン印刷システムから搬入コンベヤ404へプリント基板408が供給される。搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置するか第2シフト位置に位置するかは、ロッドレスシリンダ436のピストンの移動端への移動を検出することによりわかる。搬入コンベヤ404へ搬入されたプリント基板408が基板到着確認センサ504により検出されれば、基板搬送用モータ486が止められ、プリント基板408は搬入コンベヤ404上で停止させられる。そして、搬入コンベヤ404がメインコンベヤ400にプリント基板408を搬入するのであれば、搬入コンベヤ404は第1シフト位置に位置させられたままとされる。
なお、基板搬送用モータ558の起動後、設定時間が経過しても基板到着確認センサ622がプリント基板408を検出しない場合には、何らかの異常が発生したのであり、プリント基板408への回路部品842の装着が中断されるとともに、異常の発生が報知される。
回路部品842のプリント基板408への装着は、2個の回路部品装着装置18,20により交互に行われる。回路部品装着装置18,20がそれぞれ回路部品842を取り出す回路部品供給装置は決まっており、回路部品装着装置18は回路部品供給装置14から回路部品842を取り出し、回路部品装着装置20は回路部品供給装置16から回路部品842を取り出す。それぞれ同じ側に設けられた回路部品供給装置から回路部品842を取り出すのであり、2個の回路部品装着装置18,20の各Y軸スライド658,660が装着ヘッド650,652による回路部品842の取出し時および装着時に干渉することはない。
まず、装着ヘッド650は回路部品供給装置14へ移動させられ、予め設定された数の回路部品842を回路部品供給装置14から取り出す。ここでは装着ヘッド650の1回の回路部品842の装着数が20個であり、20個の部品吸着軸766の全部が回路部品842を吸着するものとする。また、説明を容易にするために、複数のフィーダ54はプリント基板408への回路部品842の装着順に並べられており、間欠回転体762の1ピッチずつの間欠回転により、20個の部品吸着ノズル784が間欠的に旋回させられるとともに、間欠回転体762の最短距離の移動により、順次回路部品842を吸着し、装着するものとする。
当接部材1014が切換部材874に当接するとき、圧力切換弁860と部品吸着ノズル784とを接続する通路780,862等内は負圧状態になっており、圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられて圧力切換弁860に供給されるエアが吸着管788の先端開口部に到達するまでに時間を要するが、回路部品842を迅速に解放するためには、この時間を短くすることが必要である。供給されるエアの流量が多ければ到達時間を短くすることができるが、回路部品842を吸着管788から離間させるには多過ぎて、回路部品842をプリント基板408上で移動させ、あるいは吹き飛ばしてしまう恐れがある。 そのため、当接部材1014に溝1016が設けられ、エアが漏らされて流量が減少するようにされている。圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられた後、エアが吸着管788の先端開口部に到達するまでの間も溝1016からエアが漏れるが、圧力切換弁860の切換直後は、圧力切換弁860と部品吸着ノズル784とを接続する通路780等内が負圧状態にあるため、溝1016からエアが漏れても、供給されるエアの多くが部品吸着ノズル784へ流れ、吸着管788の先端開口部に迅速にエアが供給される。吸着管788の先端開口部にエアが供給され、部品吸着ノズル784内の圧力が大気圧に近くなり、あるいは大気圧以上まで増大すれば、圧力切換弁860と部品吸着ノズル784とを接続する通路780等内の圧力が増大するため、溝1016からのエアの漏れ量が増える一方、部品吸着ノズル784へ流れるエアの流量が減少し、回路部品842を吸着管788から離間させるのに適当な量のエアが得られる。
接触しないようにされる。なお、図28(a),(b)および後述する図29(a),(b)には、図示の都合上、切換弁制御装置882を構成する部材の一部が図示されている。
回路部品842の吸着数が20個の場合、図30に示すように、1番目から15番目の回路部品842は、6番目から20番目の回路部品842の吸着と並行して撮像され、方位誤差角度θ1a〜θ15aが画像認識角度として取得される。そして、20番目の部品吸着軸766が回路部品842を吸着した状態から間欠回転体762が1ピッチ回転させられれば、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置に戻り、回路部品842をプリント基板408に装着することができる。
1番目ないし5番目の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲外の角度の場合、回路部品842のプリント基板408への装着開始に先立って、それら5個の回路部品842の撮像が行われる。1番目ないし5番目の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲外の角度の場合は、回路部品842が±30度以上傾いていて吸着エラーと判断されることがあり得るため、装着と撮像とが並行しては行われないのである。
装着する回路部品842の数が15個ないし19個の場合、吸着する全部の回路部品842の数をN個とすれば、先頭から数えて(N−15)個の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲外の角度であれば、前記(ii)の場合と同様に、予定された全部の数の回路部品842の吸着後、全部の回路部品842について撮像が行われた後に、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置に戻されて回路部品842を装着する。
メインコンベヤ400,402の昇降台598,昇降台昇降装置600,基板吸着具602および案内部材566,568の押さえ部570,572が回路基材保持装置を構成している。また、間欠回転体762,被駆動プーリ740,駆動プーリ744等が上記保持具位置決め装置と共に保持具旋回装置の一種である吸着具旋回装置を構成している。前記搬送用移動装置は保持具旋回装置を保持して移動するのであり、吸着具旋回装置は、XYロボットと共に吸着具移動装置を構成している。
さらに、リニアモータ886は、移動部材890および軸894と共同して、昇降駆動部材892を昇降させる昇降駆動装置を構成し、昇降駆動部材892と共に、部品受取装着位置である部品吸着装着位置近傍に位置する部品吸着軸766を昇降させる個別昇降装置を構成している。カム部材たる固定カム712,カムフォロワ804,圧縮コイルスプリング806が、部品保持具を移動軌跡に沿って昇降させる昇降装置を構成している。制御装置1050の部品吸着装着位置において部品吸着軸766に回路部品供給装置14,16から供給される回路部品842を受け取らせ、あるいはプリント基板408に回路部品842を装着させる部分が受取装着制御装置を構成している。制御装置1050は、保持具旋回装置,搬送用移動装置,個別昇降装置および受取装着制御装置を制御するのである。さらに、複数の部品吸着軸766,保持具旋回装置,搬送用移動装置,個別昇降装置および受取装着制御装置が装着ユニットを構成し、本実施形態においては装着ユニットが2セット設けられており、制御装置1050のそれら2セットの装着ユニットを制御し、回路部品842の受取りおよび装着を交互に行わせる部分が交互装着制御手段を構成している。制御装置1050の部品吸着軸76
6による回路部品842の保持位置誤差に基づいて搬送用移動装置の移動距離を補正し、保持具旋回装置の回路基材保持装置に対する位置決めを補正する部分が位置決め補正手段を構成している。さらに、駆動歯車716,被駆動歯車800,駆動源たる方位補正変更用サーボモータ724が保持具回転装置を構成し、制御装置1050の回路部品842の保持方位誤差に基づいて保持具回転装置を制御し、保持方位誤差を補正する部分が方位補正手段を構成している。また、図30および図32に基づいて説明したように、制御装置1050の部品吸着軸766による回路部品842の装着と回路部品撮像装置820による回路部品842の撮像とを並行して行わせる部分が並行撮像制御手段を構成している。
間欠回転体762は、部品保持具の軸部材を軸方向に移動可能かつ回転可能に保持し、その軸部材の軸線と交差する方向に移動する移動部材であり、間欠回転により回路部品を搬送する回路部品搬送装置の構成要素でもある。
さらに、制御装置1050の主エアシリンダ930,974,補助エアシリンダ984を制御する部分がアクチュエータ制御装置を構成し、それら主エアシリンダ930,974,補助エアシリンダ984等と共に、昇降駆動部材892が部品吸着ノズル784を下降させるのに伴って切換部材874を圧力切換弁860が部品吸着ノズル784内の圧力を大気圧以上から負圧に切り換える負圧供給位置へ移動させる吸着実現状態と、昇降駆動部材892が部品吸着ノズル784を下降させるのに伴って切換部材874を圧力切換弁860が部品吸着ノズル784内の圧力を負圧から大気圧以上の圧力に切り換える負圧解除位置へ移動させる解放実現状態とに切換えが可能な切換弁制御装置882を構成している。また、リンク1030,ローラ1036,1042が、昇降駆動部材892の移動方向を逆にして移動部材1034に伝達する伝達装置を構成し、作用部材1002を付勢する引張コイルスプリング1006が、主エアシリンダ974および補助エアシリンダ984により作用部材1002に与えられる作動力が設定値を超えた場合には、作用部材1002がエアシリンダ974,984に対して相対移動することを、弾性的な抵抗を付与しつつ許容する相対移動許容装置を構成し、作用部材952を付勢する圧縮コイルスプリング962も同様に相対移動許容装置を構成している。通路1020,1022が作用部材1002に形成された正圧供給通路を構成し、圧力切換弁860内に形成され、通路1020,1022に連通させられてエアが供給される通路も通路1020,1022と共に正圧供給通路を構成している。
の距離は先端ほど狭くされて締まり勝手とされている。また、それら腕部間の先端部は互いに接近する向きに曲げられ、アダプタ1192からの脱落が防止されている。
さらにまた、間欠回転体に保持させる全部の部品吸着軸を、吸着管の径が部品吸着ノズル1344のように大きい部品吸着ノズルを有するものとし、部品吸着軸を10個等角度間隔に設けてもよい。部品吸着ノズル1344より更に大きい径の吸着管を有する部品吸着ノズルが取り付けられた部品吸着軸を設けてもよい。さらに部品吸着ノズルを4種類以上設けてもよい。
回路部品の大きさに応じた径の吸着管を有する部品吸着ノズルを設ければ、大きい回路部品でも確実に保持されるため、間欠回転体の間欠回転速度を低くしなくても回路部品がずれることがなく、装着能率の低下を回避することができる。
この場合に間欠回転体762を1ピッチずつ間欠回転させて20個の部品吸着ノズル784に回路部品842を装着順に吸着させようとすれば、順不動に並んでいるフィーダ54のうち次に吸着させるべき回路部品を収容しているものの位置へ間欠回転体762を順次移動(X軸方向の移動)させることが必要であり、部品吸着のための間欠回転体762の移動距離が長くなることを避け得ない。逆に、間欠回転体762を1ピッチずつ間欠回転させつつフィーダ54の並び順に従って回路部品842を吸着させることにすれば、間欠回転体762の移動距離は最短となる(不要な回路部品842を収容しているフィーダ54をパスするために間欠回転体762の移動距離が大きくなることはあるが、これは止むを得ない)が、プリント基板408への装着順が最適ではなくなって、装着のための間欠回転体762の移動(X,Y軸方向の移動)距離が長くなることを避け得ない。これら2つのモードのいずれかを固定的に選択して実施することも可能であるが、部品装着作業能率向上の観点からは、部品吸着のための間欠回転体762の移動距離と装着のための間欠回転体762の移動距離との和が最小になるように吸着順序と装着順序との両方を適宜変更するモードが好適である。この移動距離の和が最小となるようにする対策と共に、あるいはその対策に代えて、間欠回転体762の間欠回転角度が複数ピッチや逆回転を含むことを許容すれば、それによっても部品装着作業能率を向上させることができる。
以上、説明の容易化のために間欠回転体に搭載される部品保持具は一種類としたが、実際には複数種類とされることもあり、その場合には、さらに部品保持具の種類や配列をも考慮して、効率良く回路部品を吸着,装着するように、吸着順序および装着順序を設定することが望ましい。例えば、間欠回転体に複数種類の部品保持具が搭載され、あるいは2種類の異なる部品保持具が交互に設けられる場合等には、間欠回転体を部品保持具の配設ピッチとは異なる角度で正方向あるいは逆方向に回転させて、複数の部品保持具に、間欠回転体に搭載された順序とは異なる順序で回路部品を吸着および装着させて、回路部品の吸着,装着を効率良く行うようにするのである。
回路部品装着システムの下流側に設けられた下流側装置が、例えば、半田を溶融させて回路部品を回路基材に電気的に接続するリフロー炉を有する半田溶融システムであったり、あるいはコンデンサ等、1つの回路基材への装着数が少ない回路部品を装着する装置を有する回路部品装着システム等であって、回路基材を搬出コンベヤから受け取って搬送するコンベヤが2つ並列に設けられており、それらコンベヤの配設ピッチが2つのメインコンベヤの配設ピッチと異なる場合も、搬出コンベヤをサーボモータを駆動源として移動させることにより、対応することができる。
イプのテープである場合、回路部品の高さによって回路部品の上面の位置が異なる。この場合、部品吸着軸が回路部品を吸着する際の負圧の供給タイミングおよび部品吸着軸の昇降距離は回路部品の高さに応じて調節することが望ましい。例えば、装着時に圧力切換弁の負圧解除状態への切換えタイミングを2種類に変更するのと同様に、圧力切換弁の切換部材を負圧供給位置へ移動させる作用部材について、主および補助のアクチュエータたる主および補助のエアシリンダを設け、作用部材の作用位置を2種類に変更するようにする。また、昇降駆動部材の昇降距離も2種類に変更し、高さが大きい回路部品については昇降距離を短くする。
圧力切換弁の切換タイミングは、負圧供給状態に切り換える場合でも、負圧解除状態に切り換える場合でも、2種類に限らず、例えば、補助アクチュエータを2個以上互いに直列に設けて3種類以上に変更するようにしてもよい。
さらに、回路部品の装着と撮像とを並行して行う際の方位変更角度は±15度の範囲内に限らず、他の角度範囲に設定することができる。例えば、回路部品に生ずる保持方位誤差が殆どの場合、±5度の範囲内に収まるとき、吸着エラーの判定範囲を±40度にすれば、回路部品の方位変更角度が±30度の範囲内であっても、装着と撮像とを並行して行うことができる。
この回路部品装着システムにおいて保持具旋回装置および昇降装置は、例えば、前記特開平6−196546号公報に記載の保持具旋回装置および昇降装置のように、複数の部品保持具の各々を任意の位置に停止させるとともに、部品保持具を昇降させて回路部品の受取りおよび装着を行わせる装置とされるなど、種々の態様の保持具旋回装置および昇降装置の採用が可能である。
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
650,652:装着ヘッド 662,664:XYロボット 712:固定カム 716:駆動歯車 724:方位変更用サーボモータ 742:旋回用サーボモータ 762:間欠回転体 776:部品吸着軸 784:部品吸着ノズル 800:被駆動歯車 804:カムフォロワ 808:カム面 820:回路部品撮像装置 842:回路部品 860:圧力切換弁 880:個別昇降装置 882:切換弁制御装置 890:移動部材 892:昇降駆動部材 930:主エアシリンダ 952:作用部材 974:主エアシリンダ 984:補助エアシリンダ 1002:作用部材 1030:リンク 1050:制御装置 1100:装着ヘッド 1102:XYロボット 1138:旋回用サーボモータ 1150:駆動かさ歯車 1154:方位補正変更用サーボモータ 1164:間欠回転体 1182:被駆動かさ歯車 1194:部品吸着ノズル 1260:圧力切換弁 1290:回路部品撮像装置 1302:個別昇降装置
1304:切換弁制御装置 1314:移動部材 1320:主エアシリンダ 1322:作用部材 1330,1332,1340,1342,1344:部品吸着ノズル 1400:圧力切換弁
Claims (8)
- 回路部品を供給する部品供給装置と、
前記回路部品を装着すべき回路基材を保持する回路基材保持装置と、
それぞれ回路部品を保持する複数の部品保持具と、
それら複数の部品保持具を保持して共通の旋回軸線のまわりに旋回させるとともに、その旋回軌跡上の部品受取装着位置に順次停止させる保持具旋回装置と、
その保持具旋回装置を保持する搬送用移動部材を備え、その搬送用移動部材を移動させることによって保持具旋回装置を前記部品供給装置と前記回路基材保持装置とに跨がる搬送平面内の任意の位置へ移動させる搬送用移動装置と、
前記搬送用移動部材により前記部品受取装着位置に対応する位置に保持されて、前記複数の部品保持具に共通に設けられ、その部品受取装着位置に到達する複数の部品保持具の各々を昇降させる個別昇降装置と、
前記部品受取装着位置において前記部品保持具に前記部品供給装置から供給される回路部品を受け取らせ、前記部品受取装着位置において前記回路基材保持装置に保持された回路基材に回路部品を装着させる受取装着制御装置と、
前記保持具旋回装置,前記搬送用移動装置,前記個別昇降装置および前記受取装着制御装置を制御する制御装置と
を含む回路部品装着システム。
- 前記個別昇降装置が、
前記搬送用移動部材に昇降可能に保持され、前記複数の部品保持具のうち前記部品受取装着位置に到達する部品保持具に順次係合可能な昇降駆動部材と、
前記搬送用移動部材に固定された駆動源を備え、前記昇降駆動部材を昇降させる昇降駆動装置と
を含む請求項1に記載の回路部品装着システム。 - 前記昇降駆動装置の前記駆動源がリニアモータである請求項2に記載の回路部品装着システム。
- 前記複数の部品保持具の各々が、付勢手段により後退方向に付勢されており、かつ、前記制御装置が、前記複数の部品保持具の1つが前記受取装着位置へ到達する前であってその1つの部品保持具が前記昇降駆動部材の下面に係合している状態でその昇降駆動部材を下降させる向きの前記昇降駆動装置の作動を開始させることと、前記昇降駆動部材が前記上昇位置に達する前であって前記複数の部品保持具の1つが前記昇降駆動部材の前記下面に係合している状態で前記保持具旋回装置による前記複数の部品保持具の旋回を開始させることとの少なくとも一方を行うことにより、前記保持具旋回装置による前記部品保持具の旋回と、前記昇降装置による回路部品の受取りおよび装着のための前記部品保持具の前記付勢手段の付勢に抗する前進である下降と前記付勢手段の付勢に従う後退である上昇との少なくとも一方とを並行させる並行昇降制御手段を含む請求項2または3に記載の回路部品装着システム。
- さらに、
複数の部品保持具の旋回軌跡に沿って形成された周方向において高さの変化する下向きのカム面を備えたカム部材と、
複数の部品保持具の各々に対して各部品保持具と共に昇降可能に設けられ、カム面と係合することにより、各部品保持具の旋回に伴って各部品保持具を昇降させるカムフォロワと、
前記複数の部品保持具の各々を前記カム面に係合する上昇方向に付勢する付勢手段と
を含む請求項2ないし4のいずれかに記載の回路部品装着システム。 - 前記保持具旋回装置が、前記旋回軸線のまわりに回転させられるとともに、旋回軸線から等距離の位置に複数設けられた保持部の各々に前記複数の部品保持具の各軸部を軸方向に移動可能に保持した回転体を含み、前記複数の保持部が、その回転体の前記旋回軸線を中心線とする円錐面の複数の母線の各々を中心線として形成され、前記旋回軸線が、前記搬送平面に対する垂線に対して、前記円錐面の一母線が前記搬送平面と直交する状態となる角度だけ傾斜させられた請求項2ないし4のいずれかに記載の回路部品装着システム。
- 前記複数の部品保持具の各々が付勢手段により後退方向に付勢されており、その付勢手段の付勢に従う方向への移動限度が、前記回転体の当接部に前記部品保持具が当接させられることより規定される請求項6に記載の回路部品装着システム。
- 前記円錐面の一母線が前記搬送平面と直交する状態となる位置が前記部品受取装着位置とされており、前記個別昇降装置がその部品受取装着位置へ到達する前記部品保持具を前記付勢手段の付勢に抗して下降させる請求項7に記載の回路部品装着システム。
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