JP3745849B2 - 回路部品搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気・電子回路を構成する回路部品を搬送する装置に関するものであり、特に、部品保持具の自身の軸線まわりの回転に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回路部品搬送装置は、例えば、特公昭62−13838号公報に記載されているように、回路部品をプリント基板等の回路基材に装着する回路部品装着システムにおいて回路部品装着装置として用いられる。
上記公報に記載の回路部品装着装置は、複数の部品保持具と、基体により垂直軸線まわりに回転可能に支持され、複数の部品保持具を保持して間欠回転する間欠回転体とを有する。間欠回転体には、その回転軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に保持穴が形成されるとともに、それぞれスリーブが軸方向に移動不能かつ相対回転可能に嵌合されており、各スリーブに部品保持具のノズル保持体が相対回転不能かつ軸方向に移動可能に嵌合されている。
ノズル保持体は下端部において部品吸着ノズルを保持し、上部には係合ピンが直径方向に貫通して嵌合されるとともに、スリーブに形成された軸方向に延びる切欠に嵌合されている。それにより、ノズル保持体はスリーブと一体的に回転するが、軸方向には相対移動可能となっているのである。スリーブの間欠回転体から突出した下端部にはタイミングプーリが固定され、複数のスリーブの各タイミングプーリに共通にタイミングベルトが巻きかけられている。このタイミングベルトはまた、間欠回転体内に同心かつ相対回転可能に収容された回転軸に固定のタイミングプーリにも巻きかけられている。回転軸は、前記基体に取り付けられたモータにより回転させられる。
間欠回転体は、複数の部品保持具の保持間隔に等しい角度ずつ間欠回転させられ、複数の部品保持具が順次部品受取位置および部品装着位置へ移動させられる。部品保持具は、部品受取位置において昇降装置により昇降させられ、回路部品を部品供給装置から取り出し、部品装着位置においても昇降装置により昇降させられて回路部品を回路基材に装着する。部品保持具は回路部品を回路基材に装着するのに先立って自身の軸線のまわりに回転させられる。前記回転軸が回転させられ、タイミングベルト,タイミングプーリを介してスリーブが回転させられれば、部品保持具が回転し、それにより、回路部品は供給装置により供給された際の方位とは異なる方位へ回転させられて回路基材に装着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の回路部品装着装置においては、部品保持具がスリーブを介して間欠回転体に回転可能かつ軸方向に移動可能に保持されているため、間欠回転体が大形になる。部品保持具は軸方向に移動するが、タイミングプーリとタイミングベルトとは軸方向に相対移動させることはできない。そのため、間欠回転体に、部品保持具に対しては軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能であり、間欠回転体に対しては軸方向に移動不能かつ回転可能であるスリーブを設け、スリーブを介して回転を伝達せざるを得ないのであって、間欠回転体が大形となることを避け得ないのである。その結果、間欠回転速度を大きくすることが困難となり、装着能率向上の妨げとなる。
請求項1に係る第1発明は、回転体に保持された複数の部品保持具が回転体に対して回転および軸方向移動させられるとともに、搬送能率の高い回路部品搬送装置を提供することを課題として為されたものである。
請求項2に係る第2発明の課題は、回路部品が回転体の回転と移動とによって搬送される装置において第1発明の課題を解決することである。
請求項3に係る第3発明の課題は、回路部品が回転体の回転と移動とによって搬送されるとともに、部品保持具が搬送平面に直角な姿勢で移動させられる回路部品搬送装置を提供することである。
請求項4に係る第4発明の課題は、部品保持具が旋回に伴って搬送平面に接近,離間する回路部品搬送装置を提供することである。
請求項5に係る第5発明の課題は、部品保持具が旋回に伴って、第4発明とは異なる態様で搬送平面に接近,離間する回路部品搬送装置を提供することである。
請求項6に係る第6発明の課題は、旋回軌跡上の予め定められた位置において部品保持具を昇降させ得る回路部品搬送装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
第1発明に係る回路部品搬送装置は、上記の課題を解決するために、(A)それぞれ軸部の下端に回路部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持具と、(B)回転軸線のまわりに回転させられるとともに、回転軸線から等距離の位置に複数個形成された保持穴の各々に前記複数の部品保持具の各軸部が回転可能かつ軸方向に移動可能に嵌合された回転体と、(C)その回転体と同心に設けられ、駆動源により任意の角度回転させられる駆動歯車と、(D)前記部品保持具の各々に同心に固定され、前記駆動歯車と噛み合わされた複数の被駆動歯車と、(E)前記部品保持具を軸方向に移動させることによりそれら部品保持具の各部品保持部を昇降させる昇降装置とを含み、かつ、前記駆動歯車と前記被駆動歯車とが前記昇降装置による前記部品保持具の軸方向移動にかかわらず噛み合い状態を保つものとされる。
本発明に係る搬送装置においては、駆動歯車が回転させられれば、駆動歯車に噛み合わされた全部の被駆動歯車が回転させられ、複数の部品保持具が一斉に同方向に同角度だけ回転させられる。部品保持具は回転体に保持されているため、駆動歯車が回転させられなくても、回転体が回転させられれば、それに伴って被駆動歯車が回転させられて部品保持具が回転させられる。回転体の回転時に駆動歯車を回転体と同方向に同角速度で回転させれば、部品保持具は回転することなく旋回させられ、回転体の回転中に駆動歯車を回転体に対して相対回転させれば、部品保持具を旋回させつつ、正方向または逆方向に任意の角度、回転させることができる。また、回転体の停止中に駆動歯車を回転させれば、部品保持具が回転のみさせられる。
部品保持具は昇降装置により昇降させられるが、駆動歯車と被駆動歯車とは、部品保持具が昇降装置により軸方向に移動させられても噛み合い状態を保つ。そのため、部品保持具に被駆動歯車を設けて直接回転させることができ、スリーブを介することなく、部品保持具を回転体に直接、回転可能かつ軸方向に移動可能に保持させることができるのであり、回転体を小形にすることができ、回転速度を高くし、搬送能率を向上させることができる。
なお、部品保持具が軸受,スリーブ等を介して回転体により軸方向に移動可能に保持されることがあっても、それら軸受,スリーブ等が相対移動不能に取り付けられる場合は、それらも回転体の一部とみなす。相対移動する部材は、この限りではない。
回転体は、間欠回転体でも、任意の角度回転させられる回転体でもよい。駆動源は専用の駆動源でもよく、他の装置、例えば昇降装置と共用させてもよい。専用の駆動源を用いれば、回転体を任意の角度、任意の方向へ回転させることができ、搬送能率を向上させることが容易である。駆動源を共用にする場合、カム,カムフォロワを含む運動変換装置等により駆動源の回転を間欠回転体に伝達すればよく、駆動源の数が少なくて済み、装置コストを低減させることができる。
部品保持具は、回路部品の保持および解放を、同じ停止位置において行うものとしてもよく、あるいは異なる停止位置において行うものとしてもよい。
また、回転体は、第2発明におけるように、搬送用移動装置により移動させてもよく、あるいは移動させなくてもよい。
【0005】
第2発明においては、第1発明に係る回路部品搬送装置がさらに、前記回転体を保持し、回転体の回転軸線と交差する一平面である搬送平面内の任意の位置に移動させる搬送用移動装置を含むものとされる。
この搬送装置において回路部品は、回転体の旋回と移動とにより搬送されるが、回転体が小形であるため、移動速度を高くすることができ、能率良く回路部品を搬送することができる。
例えば、本発明に係る回路部品搬送装置が回路部品装着システムにおいて回路部品装着装置として用いられるのであれば、部品供給装置および回路基材保持装置を位置を固定して設け、回転体の回転により、あるいは回転および移動により複数の部品保持具に部品供給装置から回路部品を取り出させた後、搬送用移動装置により回路基材保持装置へ移動させ、回転体の回転および移動により、複数の部品保持具に回路部品を回路基材を装着させることができる。それにより大形の部品供給装置や回路基材保持装置を移動させなくてもよく、設置スペースが少なくて済み、回路部品装着システムをコンパクトに構成することができ、あるいは、部品供給装置や回路基材保持装置より質量の小さい回転体を高速で移動させ、部品装着能率を向上させることができる。また、駆動歯車および被駆動歯車は回転体と共に搬送用移動装置により移動させられ、搬送中に部品保持具を回転させて回路部品の保持方位誤差の補正や方位の変更等を行うことができ、回路基材への到達後、直ちに回路部品を回路基材に装着することが可能であり、この点からも装着能率を向上させることができる。
【0006】
第3発明においては、第2発明に係る回路部品搬送装置の回転体の回転軸線が前記搬送平面と直交させられ、前記保持穴が回転軸線に平行に形成される。
搬送平面は水平面でもよく、傾斜面でもよい。搬送平面は、例えばXY座標,極座標等により規定し得る。搬送平面が水平面の場合、回転体の回転軸線は垂直線となり、部品保持具は垂直方向において昇降させられることとなる。
搬送平面を傾斜させれば、部品保持具も傾斜させられることとなるが、例えば、回路部品装着システムにおいて、回路部品が装着される回路基材や回路部品を供給する部品供給装置が傾斜して設けられることがあり、部品保持具を傾斜させることにより、回路部品の受取り、装着を部品供給装置および回路基材に対して直角な姿勢で行うようにすることができる。
【0007】
第4発明においては、第2発明に係る回路部品搬送装置の回転体に設けられる複数の保持穴が、回転体の回転軸線を中心線とする円錐面の複数の母線の各々を中心線として形成され、回転体の回転軸線が、前記搬送平面に対する垂線に対して、前記円錐面の一母線が前記搬送平面と直交する状態となる角度だけ傾斜させられる。
この装置においても搬送平面は水平面でも傾斜面でもよく、搬送平面が水平面であれば、部品保持具は複数の停止位置のうちの1つにおいて垂直となり、垂直方向において昇降させられる。搬送平面が傾斜面であれば、回路部品の受取り、装着を部品供給装置および回路基材に対して直角な姿勢で行うようにすることができる。
本発明に係る搬送装置においては、回転体の回転に伴って部品保持具の高さ(搬送平面との距離)を変えることができ、回路部品装着システムに設けられて上下方向の隙間に撮像装置を配設し得る等の効果が得られる。回転体の回転軸線を傾斜させれば、カム部材およびカムフォロワを設けて部品保持具を昇降させる場合に比較して少ない部品点数で部品保持具の高さを変えることができ、回転体を軽量に構成することができ、回転体の回転速度を高くすることができる。また、回転体が搬送用移動装置により移動させられる場合には更に移動速度も高くすることができ、回路部品の搬送能率を向上させることができる。
【0008】
第5発明においては、第1ないし第4発明のいずれか1つに係る回路部品搬送装置の昇降装置が、(a)複数の部品保持具の各軸部の各部品保持部とは反対側の端部に設けられたカムフォロワと、(b)回転体と同心に配設され、カムフォロワと係合するカム面を備え、回転体の回転に伴って部品保持具を軸方向に移動させるカム部材と、(c)複数の部品保持具をカム部材に向かって付勢することによりカムフォロワをカム面に係合させる付勢手段とを含むものとされる。
回転体が回転させられるとき、カムフォロワがカム面に沿って移動する。カム面は回転体の回転軸線を中心とする円周方向において回転体の回転軸線に平行な方向の位置が変わる部分を有し、その部分をカムフォロワが沿って移動するとき、部品保持具が昇降させられる。カム面の最も低い部分により規定される位置に位置する部品保持具と、最も高い部分により規定される位置に位置する部品保持具との間に上下方向の隙間が得られ、例えば、回路部品装着システムであれば撮像装置を設けることができる。
カム部材およびカムフォロワは、例えば、回転体の回転軸線を中心とする周面にカム溝またはカム突条を備えた円筒カムおよびカム溝またはカム突条と係合するローラ等の転動体としてもよく、あるいは環状のカム面を備えた端面カムおよびカム面に沿って回転しつつ移動するローラ,球等の転動体としてもよい。
部品保持具を本発明に係る昇降装置によって昇降させるとともに、回転軸線を傾斜させることによっても昇降させてもよい。それにより簡易で昇降距離の大きい装置が得られる。
【0009】
第6発明においては、第1ないし第5発明のいずれか1つに係る回路部品搬送装置の前記昇降装置が、(α)複数の部品保持具の旋回軌跡上に予め定められた特定位置に近接して設けられ、その特定位置近傍にある部品保持具に係合する昇降駆動部材と、(β)その昇降駆動部材を昇降させる昇降駆動装置とを含み、特定位置近傍にある部品保持具を、他の部品保持具とは独立に軸方向に移動させる個別昇降装置を含むものとされる。
特定位置近傍にある部品保持具を他の部品保持具とは独立に軸方向に移動させることにより、例えば、回路部品装着システムにおいて、複数の部品保持具の1つに選択的に回路部品の受取り,装着を行わせることができる。
「特定位置近傍」とは、本発明が、部品保持具が特定位置に到達して停止した状態で昇降させられる態様のみならず、特定位置の前と後ろとの少なくとも一方において、部品保持具が旋回と並行して下降,上昇させられる態様を含むことを意味する。
【0010】
【発明の補足説明】
本発明は上記各請求項に記載の態様の外に、下記の態様でも実施可能である。実施の態様は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項として記載する。ただし、複数の請求項または実施態様項に従属する実施態様項にさらに従属する実施態様項は、それら複数の請求項または実施態様項のすべてについて読み得るとは限らず、論理的に矛盾を生じない項のみについて読まれるべきものとする。
(1)前記駆動歯車が前記被駆動歯車より幅の広いものである請求項1ないし6のいずれか1つに記載の回路部品搬送装置。
被駆動歯車を駆動歯車より幅の広いものとすることによっても目的を達し得るが、本態様によれば、1個の歯車の幅を広くすればよく、かつ、部品保持具の軸方向移動を可能にするために必要な被駆動歯車の移動スペースが小さくて済む特有の効果が得られる。
(2)前記カムフォロワが、前記部品保持具の上端にあらゆる方向に回転可能に保持され、前記カム面上を転動する球状のカムフォロワである請求項5,6,実施態様項1のいずれか1つに記載の回路部品搬送装置。
球状のカムフォロワは、カム面に沿って転動するとき、どの方向を向いてもよいため、部品保持具の上端にあらゆる方向に回転可能に保持させればよく、カムフォロワとしてローラを用いる場合のように、ローラを回転体の回転軸線と直交する軸線まわりに回転可能に支持する支持軸および支持軸を支持して昇降する部材を回転体に対して相対回転不能に設ける必要がなく、回路部品搬送装置の構成を簡易化することができる。その結果、部品点数の減少によるコスト低減,回転体と共に移動する部材の質量の減少による搬送速度の向上等の効果が得られる。また、カムフォロワはあらゆる方向に回転可能であるため、部品保持具の軸線まわりの回転を許容し、旋回軌跡中において部品保持具の高さを変えることができ、部品保持具を回転させ得るとともに、構成が簡易で安価な回路部品搬送装置が得られる。
(3)前記カム部材の一部に切欠が形成され、その切欠に前記昇降駆動部材が昇降可能に嵌合されるとともに、前記昇降駆動装置が、昇降駆動部材を、それの下面がカム部材のカム面と連続する上昇位置と、下面がカム面より下方に位置する下降位置との間で昇降させるものとされている請求項6,実施態様項1,2のいずれか1つに記載の回路部品搬送装置。
(4)前記昇降駆動部材が、前記昇降駆動装置に、常には前記切欠に嵌合可能な作用位置にあるが、前記下降位置において前記部品保持具の移動方向に設定値以上の力が加えられた場合には部品保持具の移動を妨げない退避位置へ退避可能に保持されている実施態様項3に記載の回路部品搬送装置。
(5)前記昇降駆動部材が、前記昇降駆動装置に、前記部品保持具の移動軌跡から側方へ外れた位置において垂直軸線まわりに回動可能に保持されており、その回動により前記退避位置へ退避する実施態様項4に記載の回路部品搬送装置。
昇降駆動部材は厳密には昇降駆動装置の出力部材に垂直軸線まわりに回動可能に保持され、その垂直軸線から外れた部分において部品保持具に係合し、退避位置へ回動させられる。昇降駆動部材を平行移動により退避位置へ移動するものとすることも可能であるが、回動による方が昇降駆動装置による昇降駆動部材の保持構造を簡易にすることができ、安価に目的を達成することができる。
(6)請求項1ないし6,実施態様項1ないし5のいずれか1つの回路部品搬送装置と、
回路部品を供給する部品供給装置と、
前記回路部品を装着すべき回路基材を保持する回路基材保持装置と
を含み、前記回路部品搬送装置の部品保持具が前記回路部品供給装置から回路部品を受け取って前記回路基材に装着する回路部品装着システム。
回路部品搬送装置が回路部品を部品供給装置から受け取る部品受取位置と、受け取った回路部品を回路基材に装着する部品装着位置とは、発明の実施の形態において説明するように、同じにしてもよく、異ならせてもよい。回路部品の受取りと装着とを異なる位置において行うことは、既に知られている。例えば、回転体を間欠回転体とし、搬送用移動装置によって移動させず、間欠回転体の間欠回転により、部品受取位置において受け取った回路部品を部品装着位置まで搬送して装着するのであり、回路部品の受取りと装着とが並行して行われる。そのため、例えば、回路部品を予め設定された方位で装着するために部品保持具を回転させるとすれば、装着される回路部品以外の回路部品を保持した部品保持具も回転させられることとなるが、部品装着位置に到達するまでの回転角度および方向が記憶されるようにすれば、回路基材に装着される回路部品を予め設定された方位に位置させるための部品保持具の回転角度および方向がわかる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、第1ないし第3,第5,第6発明に共通の実施形態である回路部品装着システムを備えた回路部品装着システムを図面に基づいて説明する。
本回路部品装着システム8は、回路基材の搬送方向において上流側に設けられた上流側装置であって、塗布システムの一種であり、回路部品にペースト状半田を印刷するスクリーン印刷システムと、下流側に設けられた下流側装置たるリフローシステム(半田を溶融させて回路部品を回路基材に電気的に接続するシステム)と共に電子回路組立ラインを構成している。電子回路組立ラインもプリント基板作業システムの一種である。
【0012】
回路部品装着システム8を説明する。
図1において10は基台である。基台10上には、基板コンベヤ12,2個ずつの回路部品供給装置14,16および回路部品装着装置18,20が設けられている。基板コンベヤ12は、2つのメインコンベヤ400,402と、1つずつの搬入コンベヤ404および搬出コンベヤ406とを備えている。これらメインコンベヤ400,402は、回路基材たるプリント基板408(図3参照)の搬送方向(図1において左右方向であり、プリント基板408の搬送方向をX軸方向とする)と水平面内において直角な方向(Y軸方向とする)に並列に配設されている。
【0013】
搬入コンベヤ404を説明する。
図2に示すように、基台10上には、案内部材支持台420が高さ調節部材たる複数本のアジャストボルト422により高さ調節可能に取り付けられている。案内部材支持台420は図4に示すように矩形の枠状を成し、メインコンベヤ400および402の両方にわたって隣接する長さを有する。案内部材支持台420のY軸方向に平行な一対の枠部上にはそれぞれ、案内部材たる直線状のガイドレール424が固定されるとともに、図2および図4に示すように、コンベヤ支持台426が4個の被案内部たるガイドブロック428において移動可能に嵌合されており、コンベヤ支持台426上に搬入コンベヤ404が設けられている。
【0014】
コンベヤ支持台426は矩形の枠状を成し、図4に示すように、Y軸方向に平行な一対の枠部430を連結する連結部材432の長手方向の中央部において、ロッドレスシリンダ436の移動子に固定されている。ロッドレスシリンダ436はピストンロッドのない空気圧シリンダである。ロッドレスシリンダ436においては、ピストンと一体的に設けられた図示しない移動子が気密を保ってハウジング外へ突出させられており、その移動子に連結部材432が固定されている。ロッドレスシリンダ436は、前記案内部材支持台420上にY軸方向に平行に設けられており、コンベヤ支持台426がロッドレスシリンダ436によって移動させられることにより、搬入コンベヤ404がメインコンベヤ400につらなる第1シフト位置と、メインコンベヤ402につらなる第2シフト位置とにシフトさせられる。これらコンベヤ支持台426およびロッドレスシリンダ436が搬入コンベヤシフト装置438を構成している。搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置するか、第2シフト位置に位置するかは、ロッドレスシリンダ436においてピストンの移動端への移動が移動端検出装置によって検出されることによりわかる。
【0015】
搬入コンベヤ404は、図4に示すように、サイドフレームたる固定フレーム440および可動フレーム442を有する。これらフレーム440,442はコンベヤ支持台426の基板搬送方向の寸法より長い長手形状を成し、固定フレーム440はコンベヤ支持台426の基板搬送方向に平行な一方の端部に基板搬送方向と平行に固定され、可動フレーム442は、基板搬送方向と平行に配設されるとともに、コンベヤ支持台426に、基板搬送方向と直角な方向に移動可能であって、固定フレーム440に対して接近,離間可能に取り付けられている。
【0016】
コンベヤ支持台426の基板搬送方向に平行な端部であって、固定フレーム440が固定された側とは反対側の端部には、基板搬送方向と平行に延びる支持部444が設けられており、固定フレーム440と支持部444とには、案内部材たる一対の直線状のガイドレール446の両端部が固定されるとともに、ねじ軸448の両端部が回転可能に支持されている。ガイドレール446およびねじ軸448は可動フレーム442の移動方向と平行に配設されているのであり、ガイドレール446には、可動フレーム442に固定された被案内部材たるガイドブロック450が移動可能に嵌合され、ねじ軸448には、可動フレーム442に固定されたナット452が螺合されている。これらねじ軸448およびナット452は図示しない鋼球を介して作動するボールねじを構成している。したがって、ねじ軸448が回転させられれば、可動フレーム442がガイドレール446により案内されて固定フレーム440に接近,離間させられる。
【0017】
前記案内部材支持台420には、図4に示すように、スプライン軸456がY軸方向に平行な軸線のまわりに回転可能に取り付けられている。スプライン軸456は、図2および図4に示すように、第1,第2シフト位置に跨がって設けられ、固定フレーム440および可動フレーム442の下側に位置する。スプライン軸456には、固定フレーム440にブラケット457(図3参照)によって回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられたスプライン部材458が相対回転不能かつ軸方向に移動可能に嵌合されている。スプライン部材458は、スプライン軸456とスプライン嵌合するスプライン穴を備えた部材であり、このスプライン部材458にはスプロケット460が一体的に設けられている。スプロケット460と、前記ねじ軸448に固定されたスプロケット462とにチェーン464(図3参照。図4ではチェーン464の図示は省略されている。)が巻きかけられており、スプライン軸456の回転がねじ軸448に伝達される。466はテンションスプロケットである。
【0018】
スプライン軸456の固定フレーム440から外側(可動フレーム442とは反対側)へ突出させられた端部には、図2および図4に示すように、スプロケット468が固定されている。スプライン軸456は、スプロケット468に巻きかけられたチェーン470(図2および図4参照)が移動させられることにより回転させられ、それによりねじ軸448が回転させられて可動フレーム442が移動させられ、搬入コンベヤ404の搬送幅が変更される。搬入コンベヤ404がコンベヤ支持台426の移動によりシフトさせられるとき、スプライン部材458に固定のスプロケット460は固定フレーム440と共にスプライン軸456に対して軸方向に移動するが、スプライン嵌合したままであって回転が伝達される状態に保たれ、搬入コンベヤ404がいずれのシフト位置に位置してもねじ軸448に回転が伝達されて搬送幅が変更される。
なお、搬入コンベヤ404の搬送幅の変更は、メインコンベヤ400,402および搬出コンベヤ406の搬送幅の変更と同時に行われるため、チェーン470の配設および駆動源については後に説明する。
【0019】
固定フレーム440およびコンベヤ支持台426の支持部444はまた、図4に示すように、Y軸方向に平行に配設された回転伝達軸たるスプライン軸480の両端部を回転可能に支持している。スプライン軸480の可動フレーム442側の端部は、可動フレーム442に回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられたスプライン部材482に相対回転不能かつ軸方向に移動可能に嵌合されている。スプライン軸480の固定フレーム440から外側へ突出した端部には、スプロケット484が固定されるとともに、ベルト駆動源たる基板搬送用モータ486の出力軸に固定のスプロケット488(図2参照)にチェーン490によって連結されている。基板搬送用モータ486はAC三相モータの一種であるインダクションモータである。
【0020】
スプライン軸480の固定フレーム440側の端部に一体的に設けられたプーリ492(図2参照)および固定フレーム440に取り付けられた複数のプーリ494(図4には2個のみ図示されている)には、図示しないコンベヤベルトが巻きかけられている。スプライン部材482にも図示しないプーリが一体的に設けられており、このプーリおよび可動フレーム442に回転可能に取り付けられた複数のプーリ496(図4には2個のみ図示されている)にコンベヤベルトが巻きかけられている。したがって、基板搬送用モータ486が起動されれば、スプライン軸480が回転させられるとともにプーリ492等が回転させられ、一対のコンベヤベルトが移動させられてコンベヤベルト上に載せられたプリント基板408が送られる。基板搬送用モータ486はコンベヤ支持台426に取り付けられており、搬入コンベヤ404と共に移動させられ、搬入コンベヤ404が第1,第2シフト位置のいずれに位置する状態においても、プリント基板搬送用の駆動源として機能する。
【0021】
プリント基板408の移動は、固定フレーム440と可動フレーム442とにそれぞれ固定された長手形状の案内部材498,500(図4参照)の垂直な案内面により、幅方向の両側から案内される。案内部材498,500には、コンベヤベルト上へ延び出す押さえ部が設けられ、プリント基板408のコンベヤベルトからの浮上がりを防止する。
【0022】
固定フレーム440の基板搬送方向において下流側の部分には、図4に示すように、プリント基板の到着を検出する基板到着確認センサ504が取り付けられている。基板到着確認センサ504は、発光部および受光部を含む反射型の光電センサであるが、発光部および受光部を含む透過型の光電センサ,リミットスイッチ,近接スイッチ等、種々のセンサの採用が可能である。
【0023】
搬出コンベヤ406は搬入コンベヤ404と同様に構成されており、対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。なお、コンベヤ支持台426およびロッドレスシリンダ438は、搬出コンベヤ406においては、搬出コンベヤシフト装置508を構成し、搬入コンベヤ404と搬出コンベヤ406とはそれぞれ、搬入コンベヤシフト装置438と搬出コンベヤシフト装置508とによって互いに独立にシフトさせられる。
なお、搬出コンベヤ406側には、図1に示すように、搬送幅変更用の操作部材たるハンドル510が設けられている。基台10上にはブラケット512によって回転軸514がY軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられるとともに、一端部にハンドル510が固定され、他端部にはスプロケット516が固定されている。スプロケット516には、前記チェーン470が巻きかけられている。チェーン470はまた、ブラケット512に回転可能に取り付けられたスプロケット518にも巻きかけられている。
【0024】
メインコンベヤ400,402を説明する。メインコンベヤ400,402の構成はほぼ同じであり、メインコンベヤ400を主に説明する。
基台10の搬入コンベヤ404と搬出コンベヤ406との間の部分には、図2および図4に示すように、コンベヤ支持台520が固定されている。コンベヤ支持台520は、Y軸方向においてメインコンベヤ2個分の大きさを有し、コンベヤ支持台520のY軸方向に平行な両端部にはそれぞれ、案内部材たる直線状のガイドレール522(図4参照)が固定されている。
【0025】
メインコンベヤ400は、サイドフレームたる固定フレーム524および可動フレーム526を有する。これらフレーム524,526はそれぞれ、図2に固定フレーム524を代表的に示すように、一対の脚部528と、それら脚部528の上端部を連結する連結部530とを有する門形を成し、固定フレーム524は一対の脚部528においてコンベヤ支持台520に固定されている。可動フレーム526の一対の脚部528にはそれぞれ、被案内部材たるガイドブロック532が固定されるとともに、ガイドレール522に移動可能に嵌合されている。
【0026】
メインコンベヤ400の固定フレーム524の一対の脚部528にはそれぞれ、図4および図5に示すように、ねじ軸536の一端部が回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられている(図4には一方のねじ軸536のみが図示されている)。これら一対のねじ軸536はそれぞれ、図5に示すように、メインコンベヤ400の可動フレーム526の基板搬送方向に平行な方向の両端部にそれぞれ固定されたナット538に螺合されるとともに、可動フレーム526から突出した他端部は、メインコンベヤ402の固定フレーム524により回転可能に支持されている。これらねじ軸536およびナット538は、ボールねじを構成している。また、メインコンベヤ400および402の各可動フレーム526は、連結部材540により連結されており、一体的に移動させられる。
【0027】
上記一対のねじ軸536のメインコンベヤ400の固定フレーム524からの突出端部にはそれぞれ、図2および図5に示すように、スプロケット542が固定されている。前記チェーン470は、図2および図6に示すように、スプロケット542と、コンベヤ支持台520と固定フレーム524とにそれぞれ取り付けられた複数のスプロケット544とに巻きかけられている。したがって、前記ハンドル510が作業者により回転操作されれば、チェーン470が移動させられ、メインコンベヤ400の2本のねじ軸536が回転させられるとともに、搬入コンベヤ404および搬出コンベヤ406の各スプライン軸456が回転させられてねじ軸448が回転させられる。それによりコンベヤ400〜406の各可動フレーム442,526が一斉に同じ方向へ同じ距離移動させられ、コンベヤ400〜406の各搬送幅が同時に同じ大きさに変更される。メインコンベヤ400および402の各可動フレーム526は、連結部材540により連結されており、ねじ軸536の回転によってメインコンベヤ400の可動フレーム526が移動させられることにより、メインコンベヤ402の可動フレーム526も移動させられて搬送幅が変更される。
【0028】
固定フレーム524および可動フレーム526の各連結部530の互いに対向する面にはそれぞれ、基板搬送方向において隔たった両端部を始めとし、複数箇所に図示しないプーリが回転可能に取り付けられるとともに、無端のコンベヤベルト546(図5参照)が巻きかけられている。これらコンベヤベルト546はそれぞれ、固定フレーム524と可動フレーム526とによって回転可能に支持されたスプライン軸548が回転させられることにより移動させられる。
【0029】
メインコンベヤ400のスプライン軸548は、図5に示すように、固定フレーム524によって回転可能に支持されるとともに、可動フレーム526に回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられたスプライン部材550が相対回転不能かつ軸方向に移動可能に嵌合されている。スプライン軸548の固定フレーム524側の端部と、スプライン部材550とにはそれぞれ、プーリ553が一体的に設けられ、コンベヤベルト546が巻きかけられている。スプライン軸548はさらに、メインコンベヤ400の可動フレーム526から突出させられ、メインコンベヤ402の固定フレーム524により回転可能に支持されるとともに、プーリ553が一体的に設けられてコンベヤベルト546が巻きかけられている。このスプライン軸548と、メインコンベヤ402に設けられたスプライン軸548とは継手部材552により連結され、一体的に回転させられる。
【0030】
メインコンベヤ402のスプライン軸548は、図5に示すように、可動フレーム526から突出させられるとともに、突出端部はコンベヤ支持台520に固定の支持部材554により回転可能に支持されている。この突出端部にはスプロケット556が固定されるとともに、支持部材554に取り付けられた基板搬送用モータ558の出力軸に固定のスプロケット560(図4参照)にチェーン562によって連結されている。基板搬送用モータ558は、AC三相モータの一種であるスピードコントロールモータである。
【0031】
したがって、基板搬送用モータ558が起動されれば、2本のスプライン軸548が一体的に回転させられ、プーリ553の回転によりコンベヤベルト546が移動させられてプリント基板408が送られる。なお、コンベヤベルト546の移動は、固定フレーム524および可動フレーム526に固定のベルトガイド564(図5参照)により案内される。また、プリント基板408の移動は、固定フレーム524および可動フレーム526にそれぞれ固定の案内部材566,568の垂直な案内面により幅方向の両側から案内され、プリント基板408のコンベヤベルト540からの浮上がりは案内部材566,568に突設された押さえ部570,572により防止される。押さえ部570,572とコンベヤベルト546の上面との間には、プリント基板408の厚さより大きい隙間があり、コンベヤベルト546上に載置されたプリント基板408と押さえ部570,572との間には僅かに隙間が設けられる。搬送幅の変更時に、スプライン部材550はスプライン軸548に対して軸方向に移動するが、スプライン嵌合した状態に保たれ、搬送幅が変更されてもプーリ553に基板搬送用モータ558の回転が伝達され、プリント基板408が搬送される。
【0032】
固定フレーム524および可動フレーム526の互いに対向する面には更に、図5に示すように、突上部材580がそれぞれ昇降可能に取り付けられている。突上部材580は薄い板状を成し、固定フレーム524および可動フレーム526とほぼ同じ長さを有し、固定フレーム524および可動フレーム526にそれぞれ、昇降可能に取り付けられた保持部材582に固定されて、コンベヤベルト546の内側(他方のコンベヤベルト546側)に位置させられている。
【0033】
保持部材582の下面の長手方向に隔たった両端部にはそれぞれ、係合部材584(図2参照)が下向きに突設されている(図2には一方の係合部材584のみ図示されている)。保持部材582は、前記連結部530との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング586(図2参照)により下方へ付勢されており、突上部材580は、常には、上端面がプリント基板408の搬送面(環状に配設されたコンベヤベルト546の上側の水平部の上面を含む面)より下方であって、プリント基板408と干渉しない退避位置に退避させられている。
【0034】
前記コンベヤ支持台520上には、図5に示すように、昇降台598および昇降台昇降装置600が設けられている。昇降台598は、メインコンベヤ400,402が搬送するプリント基板408のうち、最も大きいプリント基板408より大きい寸法を有する。なお、前記可動フレーム526の前記一対の脚部528間の距離は、昇降台598のX軸方向の寸法より大きくされ、搬送幅の変更時に昇降台598と干渉しないようにされている。また、昇降台598上には、基板支持部材たる複数の基板吸着具602が位置調節可能に設けられている(図1,図4および図5には、1つのみ図示されている)。基板吸着具602は、図示しない真空装置により供給される負圧によってプリント基板408を吸着する。
【0035】
昇降台昇降装置600は、コンベヤ支持台520上にX軸方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられた一対の回動軸608を有し、各回動軸608の両端部にはそれぞれ、レバー610の一端部(図5参照)が相対回転不能に取り付けられている。これら4本のレバー610の各自由端部に回転可能に取り付けられたローラ612はそれぞれ、昇降台598の下面に一体的に設けられた係合凹部614(図2参照)に回転可能に嵌合されている。一対の回動軸608は一体的に回動するように連結されており、一方の回動軸608が図示しない駆動シリンダによって回動させられれば、4個のレバー610が同時に回動させられて昇降台598が水平な姿勢を保って昇降させられる。昇降台598の昇降は、図5に示すように、昇降台598に固定のガイドロッド616と、コンベヤ支持台520上に固定のガイド筒618との嵌合により案内される。
【0036】
昇降台598が上昇させられるとき、基板吸着具602が負圧によりプリント基板408を吸着し、基板吸着具602のゴム製の吸着カップに覆われた支持部材の支持面がプリント基板408を下方から支持する。また、昇降台598は係合部材584に係合し、保持部材582、ひいては突上部材580を圧縮コイルスプリング586の付勢力に抗して上昇させ、プリント基板408をコンベヤベルト546上から突き上げさせる。プリント基板408は基板吸着スプリング602により吸着されて下方から支持されるとともに、コンベヤベルト546から持ち上げられて突上部材580と案内部材566,568の押さえ部570,572とに挟まれ、上方あるいは下方への反りが修正された状態でメインコンベヤ400,402に固定される。基板吸着具602の昇降台598上における位置は、プリント基板408の寸法に応じて調節される。プリント基板408の寸法が小さい場合は、基板吸着具602は省略されることもある。
【0037】
メインコンベヤ400,402の基板搬送方向において下流側にはそれぞれ、図4に示すように、減速開始位置センサ620,基板到着確認センサ622および基板停止装置624が設けられている。減速開始位置センサ620および基板到着確認センサ622はそれぞれ、発光部および受光部を有する反射型の光電センサにより構成され、プリント基板408からの光の反射によりプリント基板408の減速開始位置への到達、基板到着確認位置への到達を検出する。昇降台598には、切欠626が設けられ、光がプリント基板408に当たるようにされている。減速開始位置センサ620,基板到着確認センサ622は、反射型の光電センサに限らず、透過型の光電センサ,近接スイッチ,リミットスイッチ等により構成してもよい。
【0038】
基板停止装置624は、両センサ620,622より下流側に設けられ、ストッパ部材630と、ストッパ部材630を昇降させる昇降装置632とを有する。昇降装置632は、図2に示すように流体圧シリンダたるエアシリンダ634を駆動源とし、ストッパ部材630はエアシリンダ634により、搬送面より上方へ突出してプリント基板408の移動を止める作用位置と、搬送面の下方へ退避させられてプリント基板408の通過を許容する非作用位置とに移動させられる。
【0039】
このように基板コンベヤ12においてはメインコンベヤが2個設けられており、プリント基板408の搬送経路がY軸方向に並んで2つある。しかし、本回路部品装着システム8の上流側に設けられたスクリーン印刷システムおよび下流側に設けられたリフローシステムはいずれも、プリント基板408の搬送経路が1つであって同一線上に位置する装置およびシステムであり、回路部品装着システム8は、メインコンベヤ400を含む搬送経路がスクリーン印刷システムおよびリフローシステムの搬送経路と一致する位置に設けられ、プリント基板408の受渡しが、搬入,搬出コンベヤ404,406が第1シフト位置に位置する状態で行われるようにされている。本回路部品装着システム8等により構成される電子回路組立ラインの基板搬送方向と直角な方向において作業者が作業を施す側は予め定められており、2つのメインコンベヤ400,402のうち、作業者側となるメインコンベヤ400がスクリーン印刷システムおよびリフローシステムと並ぶ位置に設けられているのである。
【0040】
回路部品供給装置14,16を説明する。
回路部品供給装置14,16はそれぞれ、メインコンベヤ400,402の外側方に配設されている。回路部品供給装置14,16の構成は同じであり、供給する回路部品の種類も同じである。回路部品供給装置14を代表的に説明する。
【0041】
回路部品供給装置14は、図7に示すように、本体部としての回路部品供給台車52(以下、台車52と略称する)と、台車52に保持されてそれと共に回路部品供給装置14を構成する複数のフィーダ54とを備えている。図7において、フィーダ54は、想像線(二点鎖線)で示されている。台車52は、ベース60と、ハンドル61と、ベース60に支持されたフレーム62と、そのフレーム62に取り付けられたフレームプレート63と、フレーム62上に設けられたフィーダ保持装置64と、フレーム62に設けられた2つの係合部66(図7には一つのみ図示されている)とを主たる構成要素としている。
【0042】
2つの係合部66は、図8に示すように、前記基台10に設けられた2つの係合装置68に係合させられることにより、基台10と台車52とを機械的に合体させる。各係合装置68は、基台10と台車52とが並ぶ方向(図8において左右方向)に平行移動し、かつ、その移動方向に平行な軸を回転軸とする回転移動が可能な花弁型の係合突起70を備えている。上記平行移動は、係合装置68に内蔵された複動のエアシリンダによって行われる。また、この平行移動の過程で、係合突起70は、図示しないカム機構によって、その移動方向に平行な軸線まわりに一定角度(例えば、90度)回転させられるようになっている。
【0043】
基台10と台車52とが合体していない状態では、係合突起70は突出状態にあり、かつ、係合部66と軸方向に嵌合可能な回転位相にある。係合部66は丸穴部71とその丸穴部71から互いに逆向きに延びた一対の切欠72(それらは、水平方向に対峙する。図7には一方の切欠72のみ図示されている)とを有する開口を備えており、基台10と台車52とが合体のために接近させられると、係合突起70は係合部66の切欠72を通過する。その状態で、エアシリンダの一方の圧力室にエアが供給され、他方の圧力室からのエアの流出が許容されると、当初は係合突起70が正方向に回転させられつつ引っ込まされ、係合突起70が係合部66と軸方向に離脱不能に係合する。係合突起70は、回転を停止した後も一定距離引っ込まされ、それによって台車52が基台10に強く引き付けられる。エアの供給状態が逆転させられると、当初は係合突起70が回転することなく突出させられ、台車52が基台10から離間することが許容され、その後、係合突起70が突出させられつつ回転させられ、係合部66から軸方向に離脱可能な状態となる。
【0044】
基台10には、2個のガイドテーパスリーブ74が設けられている(図8には1個のみ図示されている)。ガイドテーパスリーブ74は、係合突起70と係合部66との係合を妨げない位置において係合部66に嵌合させられる。具体的には、丸穴部71と嵌合させられるのであるが、係合突起70は、ガイドテーパスリーブ74よりも図8において台車52側に位置しているので、係合突起70と係合部66との係合は妨げられない。2組のガイドテーパスリーブ74と丸穴部71との嵌合により、台車52の基台10に対する垂直面に平行な方向の位置決めが正確に行われる。
【0045】
図7に示すように、基台10と台車52とには、ガイド機構80が設けられている。ガイド機構80は、基台10に取り付けられる2つのガイド部材82と、台車52のベース60に取り付けられる2つのローラ84とにより構成されている(図7には、ガイド部材82およびローラ84はそれぞれ、1つずつ図示されいている)。なお、図7に示すガイド部材82と台車52との相対位置は、基台10と台車52とが合体させられた後の状態における位置が示されている。この状態では、ベース60にそれぞれ2つずつ設けられている固定車輪86と回動可能車輪88とが床から離れた状態となる。また、ローラ84もガイド部材82からわずかではあるが離間した状態となる。基台10と台車52とが合体していない状態では、各2つずつの固定車輪86と回動可能車輪88とが共に床に支持されており、台車52は容易に移動させることができる。
【0046】
合体のために基台10に台車52が接近させられると、ローラ84が、ガイド部材82に形成されている斜面90上を転がり上がり、その過程で固定車輪86が床から離間させられる。基台10と台車52とがさらに接近させられると、ガイド部材82に形成されたガイドレール92上をローラ84が転がる。ガイドレール92は、ローラ84との係合によって、基台10と台車52との水平方向(図7の紙面に直交する方向)の相対位置を、合体が容易に成され得る位置に調整する機能を果たす。このことにより、丸穴部71とガイドテーパスリーブ74との嵌合が容易に開始できるようにされているのである。
【0047】
基台10には、図示しない検出装置が設けられている。丸穴部71とガイドテーパスリーブ74とが嵌合し、当接部94が基台10に形成される図示しない突起に当接させられた状態で、上記図示しない検出装置により、台車52に設けられた合体検出用突起(図示省略)が検出されるようになっている。そして、検出装置により合体検出用突起が検出されると、係合装置68のエアシリンダが作動させられ、前述のように、係合突起70が係合部66に軸方向に離脱不能に係合し、台車52を基台10に向かって引き付けて固定する。
【0048】
図8に示すように、台車52は、係合部66において基台10に引き付けられ、係合部66の当接面96が係合装置68側の当接面97に当接するとともに、前記当接部94において基台10に形成される図示しない突起に当接させられることにより、台車52の合体方向の位置決めが正確に行われる。当接面97と上記図示しない突起の当接面とによって規定される平面(図示の例では垂直面)が合体面であり、その合体面に直角な方向が合体方向である。なお、係合装置68が係合突起70を基台10側に引き付ける際の引付力は、回動可能車輪88を床から、ローラ84をガイドレール92からそれぞれ離れさせるために必要な力よりも更に大きくされており、台車52と基台10との合体が強固になされる(例えば、各係合装置68毎に約250kgf ≒2450N程度の大きさとされる)。
【0049】
フィーダ54は、フィーダ保持装置64に設けられる複数のフィーダ保持ユニット100により、各々1つずつ保持される。本実施形態の台車52においては、フィーダ保持装置64の本体部材(後述のベースプレート106)によりフィーダ保持部材が構成され、フィーダ保持ユニット100によりフィーダ保持部が構成されているのである。本フィーダ保持装置64は、隣接する6つのフィーダ保持ユニット100からなるフィーダ保持ユニット群102を4つ備えている(図7には、1つのフィーダ保持ユニット群102のうちの1つのフィーダ保持ユニット100のみが図示されている)。したがって、本フィーダ保持装置64は、最大24個のフィーダ54を保持することができる。
【0050】
図7に示すように、フィーダ保持ユニット100は、ベースプレート106と、そのベースプレート106に支持された係合部材108およびガイドプレート110と、フィーダ54に圧縮空気を供給する空気供給部112と、フィーダ54に各種の電力を供給する電力供給部114とを有している。ベースプレート106とガイドプレート110とは、すべてのフィーダ保持ユニット100に共有され、係合部材108は、各フィーダ保持ユニット群102を構成する6つのフィーダ保持ユニット100に共有される。
【0051】
ベースプレート106には、基台10と台車52とが並ぶ方向に平行に延びる複数の係合溝(図示省略)が各フィーダ保持ユニット100に対応して設けられている。各フィーダ54は、その係合溝と係合部材108とに係合可能な係合突起122を備えている。各フィーダ54がフィーダ保持ユニット100に保持される際には、図7において、右から左へ平行移動させられて、最終的に図7に示す位置に保持される。フィーダ保持ユニット100に保持されたフィーダ54は、自身の係合突起122とベースプレート106の係合溝との係合により、図7の紙面と直交する方向の相対移動が禁止される。また、複数の支柱124によりベースプレート106に取り付けられたガイドプレート110によって、図7の紙面と平行な平面内における上下方向の移動はわずかな量に限定される。このことにより、フィーダ保持ユニット100への着脱の際の、係合突起122と係合部材108との係合・離脱は、滑らかに行われ得る。そして、図7に示す状態では、係合部材108と係合突起122との係合によって、フィーダ54がベースプレート106に対して垂直方向に移動することが禁じられる。
【0052】
フィーダ54には、ベースプレート106に設けられる係合溝125との係合により、フィーダ54自身をフレーム62に向かう向き(図7において左向き)に付勢するU字形の係合部材126が設けられている。この係合部材126は、レバー128が操作されなければ、図7に示すようにフィーダ54の外部に突出させられているが、レバー128が操作されている間は、フィーダ54の内部に収納される。係合部材126をフィーダ54内へ収納する機構は、図10を用いて後に説明する。フィーダ54がフィーダ保持ユニット100に保持される過程においては、係合部材126はフィーダ54内に格納されるように、レバー128が操作されるが、レバー128の操作を解除すれば、フィーダ54がフィーダ保持ユニット100に強固に保持されることになる。フィーダ54をフィーダ保持ユニット100から取り外すためには、レバー128を操作して、係合部材126をフィーダ54の内側に収納した後に、フィーダ54を図7において右方向に平行移動させればよい。
【0053】
また、台車52には、基台10側から各種の電力の供給を受けるための図示しない電力被供給部と、圧縮空気の供給を受けるための空気被供給部とが設けられている。
【0054】
図7に示すように、フィーダ54は、同一種類の回路部品を複数個収容する部品収容リール150を、2つまで装着できる。部品収容リール150には、回路部品を収容するテープ状収容容器152と、そのテープ状収容容器152内の回路部品が脱落しないようにテープ状収容容器152に接着されるカバーフィルム154とからなる部品収容テープ156が巻き付けられている。部品収容テープ156は、テープ状収容容器152が、幅方向の両側において長手方向に延びる被支持部と、それら一対の被支持部の間から下方へ等間隔に突出させられた多数の容器状の回路部品収容部とを有するエンボスタイプのテープである。テープ状収容容器152に接着されているカバーフィルム154は、部品吸着ノズル784により回路部品が吸着される位置(図8において部品吸着ノズル784が示されている位置である。この位置は部品供給位置であって、部品取出位置であり、以下、部品取出位置と称する)よりもわずかに部品収容リール150側(図7において右側)においてテープ状収容容器152から剥がされる。回路部品の供給を終えたテープ状収容容器152は、回路部品装着装置18側(図7において左側)に送られる。この送りのピッチは、テープ状収容容器152の長手方向における回路部品の保持ピッチと一致させられる。
【0055】
回路部品の供給を終えたテープ状収容容器152は、テープガイド160によりテープを切断する切断手段たる切断機162に導かれる。これらテープガイド160と切断機162とは、フレーム62に取り付けられている。切断機162は、テープ状収容容器152を切断し、切断されたテープ状収容容器152の切断片は、フレーム62の下部に取り付けられた切断片収容器164に収容される。なお、テープ状収容容器152から剥がされたカバーフィルム154の処理については後述する。テープガイド160と切断機162とは、図7において想像線(二点鎖線)により表されている。
【0056】
次に、フィーダ54の構成を説明する。
図9はフィーダ54の側面図である。フィーダ54は、同一種類の回路部品を複数個収容する部品収容リール150を、上述のように2つまで装着できる。フィーダ54は、制御装置1050(図24参照)からの供給命令に基づいて、1つまたは2つの部品収容リール150に収容されている1種類または2種類の回路部品を、1つずつ独立に供給できる。2つの部品収容リール150の回路部品を同時に供給することも可能である。ただし、回路部品装着装置18は、後述するように部品吸着ノズル784を複数有しているが、それら複数の部品吸着ノズル784は1つずつ回路部品の吸着を行い、複数が同時に回路部品を吸着することはなく、回路部品を同時に供給する要求は通常は発生しない。したがって、複数のフィーダ54が同時に供給命令を受け取ることもない。
【0057】
図10は、フィーダ54の一部を拡大して示す正面図である。なお、図10は、第1カバー192,第2カバー194,第3カバー196(図9参照)が取り外された状態を示している。フィーダ54は、2つまでの部品収容リール150に巻き付けられた部品収容テープ156に収容された回路部品を供給するために、側板198に取り付けられた2つの駆動装置200,201を備えている。
【0058】
一方の駆動装置200は、モータ202と、そのモータ202の回転軸に取り付けられる駆動ギヤ204と、その駆動ギヤ204と噛み合わされる駆動ギヤ204よりも歯数が多い被駆動ギヤ206と、その被駆動ギヤ206と一体的に形成される駆動プーリ208と、その駆動プーリ208の回転力を伝達する駆動ベルト210と、その駆動ベルト210により駆動される被駆動プーリ212と、その被駆動プーリ212と一体的に形成されるスプロケット214とを備えている。また、駆動プーリ208の回転を伝達する駆動ベルト216と、その駆動ベルト216により駆動される被駆動プーリ218と、その被駆動プーリ218と一体的に形成される駆動側のピンチローラ220と、ピンチローラ220の外周面に予め設定された接触圧で接触させられる遊動側のピンチローラ222とを含んでいる。つまり、モータ202の回転は、スプロケット214と、ピンチローラ220およびピンチローラ222とに伝達される。
【0059】
駆動ベルト210は、複数のガイドローラ224により、通過経路を規定されている。また、モータ202はパルスモータであるので、スプロケット214の回転角度は、モータ202に与えられるパルスの数によって制御可能である。なお、モータ202とスプロケット214との回転角度は、駆動ギヤ204と被駆動ギヤ206とのギヤ比と、駆動プーリ208と被駆動プーリ212との半径の比との積と同じ比率で異なる。テープ状収容容器152には、その長手方向に一定間隔で連なる係合穴が形成されており、スプロケット214の外周上に等間隔に形成される突起と係合させられる。その係合を確実にするために、テープ状収容容器152のスプロケット214からの浮上がりがカバー225によって防止されている。
【0060】
スプロケット214が回転すると、部品収容リール150が回転させられる際の摩擦抵抗やガイドローラ224の回転摩擦等に起因する張力が、部品収容テープ156に発生する。本フィーダ54においては、モータ202に与えるパルスの数を変更することにより、そのような外乱要因の大小に係わらず、容易に任意の送り量で部品収容テープ156を送ることができる。したがって、部品収容テープ156において回路部品が収容されているピッチが変わっても、容易に対処できる。ピンチローラ220と222とは、予め設定された接触圧で接触しており、図9に示すように、それらの間に部品収容テープ156から剥がされたカバーフィルム154が挟み込まれる。
【0061】
ピンチローラ220と222とは、部品収容テープ156がスプロケット214によって送られる際に、カバーフィルム154の既に剥がされている部分を部品収容リール150側に送ることによって、部品収容テープ156に接着されているカバーフィルム154を、順次剥がす機能を果たすのである。このカバーフィルム154の送り量は、スプロケット214による部品収容テープ156の送り量より大きくなるようにされている。そして、カバーフィルム154の部品収容テープ156からの剥離位置は、カバー225に形成されたカバーフィルム154の引出しスリットにより規定されているため、カバーフィルム154の送り量の過大分は、ピンチローラ220,222のカバーフィルム154に対するすべりにより吸収され、カバー225とピンチローラ220,222との間のカバーフィルム154は常に緊張状態に保たれる。
【0062】
他方の駆動装置201も同様に、モータ226,駆動ギヤ228,被駆動ギヤ230,駆動プーリ232,駆動ベルト234,236,被駆動プーリ238,ピンチローラ240,242,ガイドローラ244等により構成されている。なお、本駆動装置201にも、上述のスプロケット214および被駆動プーリ212と同様のものが、図10においてそれらに重なりあう位置に設けられている。
【0063】
ピンチローラ220,222と、ピンチローラ240,242とによってそれぞれ送られるカバーフィルム154は、図9に示すように、軸方向が図9において上下方向とされた状態で取り付けられるパイプ246内を通過して下方に落とされる。したがって、フィーダ54がフィーダ保持ユニット100に保持されている状態では、廃棄されるべきカバーフィルム154が、台車52のベース60上に溜められることとなる。また、パイプ246内におけるカバーフィルム154の通過を滑らかにするために、空気ノズル248が設けられており、モータ202とモータ226との少なくとも一方が回転させられる際に、圧縮空気がパイプ246内に上方から下方に向けて吹き込まれるようにされている。空気ノズル248への圧縮空気の供給は、ソレノイドバルブ250が開かれることによってなされる。
【0064】
フィーダ54には、図示しないいくつかの操作スイッチが設けられている。これらの操作スイッチには、モータ202とモータ226とをそれぞれ独立に正逆両方向に回転させるためのもの、回路部品の供給の際の各モータの回転速度を決定するためのもの、回路部品を1つ供給するごとの各モータの回転角度を決定するためのもの、駆動装置200および201をそれぞれ作動させるか否かを決定するためのもの等が含まれている。
【0065】
フィーダ54のレバー128は、図10に示すように、付勢部材たるスプリング252により、支点254を中心に図10において左回りに回動する向きに付勢されている。この付勢力は、リンク機構256により係合部材126に伝達され、レバー128が操作されていない状態では、係合部材126がフィーダ54の外部に突出させられる。係合部材126をフィーダ54の内部に収納させるには、レバー128を支点254を回転中心として、図10において右回りに回動させる。
【0066】
フィーダ54は、フィーダ保持ユニット100の空気供給部112と嵌合して、前述のソレノイドバルブ250に圧縮空気を供給するための空気被供給部272を備えている。さらに、電力供給部114と電気的に接続されてモータ202等に電力を供給するための電力被供給部274も備えている。この電力は、基台10側から台車52に供給される。なお、台車52と基台10とが合体していない場合に、電力の供給を受けるための図示しない第2の電力被供給部が、台車52に設けられている。回路部品の装着作業に先立って行われる準備作業において、基台10と台車52とが合体されていない状態では、この第2の電力被供給部から供給される電力が使用される。
【0067】
回路部品装着装置18,20を説明する。
図1に示すように、回路部品装着装置18,20はいずれも、装着ヘッド650,652と、X軸スライド654,656およびY軸スライド658,660を備えて装着ヘッド650,652を水平面内の任意の位置へ移動させるXYロボット662,664とを有している。これら装着ヘッド650,652の構成は同じであり、XYロボット662,664の構成は同じであり、回路部品装着装置18の装着ヘッド650およびXYロボット662を代表的に説明する。
【0068】
前記基台10上の基板搬送方向(X軸方向)に隔たった2箇所にはそれぞれ、図2および図3に示すように、案内部材たる直線状のガイドレール666がY軸方向に平行に設けられるとともに、Y軸スライド658が移動可能に嵌合されている。Y軸スライド658は前記フィーダ54が取り付けられる台車52のX軸方向の寸法より長く、長手方向の両端部にそれぞれ被案内部材たる2個ずつのガイドブロック668(図2,図3参照)が固定されるとともに、ガイドレール666に移動可能に嵌合されている。
【0069】
Y軸スライド658には、図2および図3に示すように、一対のガイドレール666に嵌合された部分の上側の部分にそれぞれナット670がY軸方向に平行に固定されるとともに、基台10にY軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられたねじ軸672に螺合されている。これらナット670およびねじ軸672はボールねじを構成している。基台10のX軸方向に隔たった2箇所にはそれぞれ、2本ずつのねじ軸672が上下に設けられており、Y軸スライド658は、X軸方向の一端部と他端部とにおいて上下の位置が異なるねじ軸672に螺合されている。なお、Y軸スライド658には、自身が螺合されるのではないねじ軸672との干渉を回避するために貫通孔(図示省略)が設けられている。
【0070】
4本のねじ軸672はそれぞれ、基台10上に設けられた駆動源たるY軸サーボモータ674により回転させられる。Y軸サーボモータ674は交流サーボモータであり、Y軸スライド658を駆動する2個のY軸サーボモータ674は駆動回路を共通にして同期して回転させられる。そのため、Y軸スライド658は長手形状を有するが、Y軸スライド658や、Y軸スライド658に搭載されているX軸スライド654,装着ヘッド650等の慣性に基づくこじりや振動を生ずることなく、高速で移動させることができる。一対のガイドレール666は、回路部品装着装置18,20の各Y軸スライド658,660に共通であるが、Y軸スライド658,660は個別に駆動され、干渉することはない。
【0071】
Y軸スライド658の下面には、図1および図3に示すように、案内部材たる直線状の2本のガイドレール676がX軸方向に平行に固定されるとともに、X軸スライド654に固定された被案内部材たるガイドブロック680が移動可能に嵌合されている。X軸スライド654の上面には、図3に示すようにブラケット682によってナット684が固定されるとともに、Y軸スライド658にX軸方向に平行に配設され、回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられたねじ軸686に螺合されており、ねじ軸686が駆動源たるX軸サーボモータ688(図2参照)によって回転させられることにより、X軸スライド654がX軸方向に移動させられる。これらナット684およびねじ軸686はボールねじを構成している。なお、符号690,692(図1および図2参照)はフレキシブル配線・配管等保護具であり、保護具690は、基台10とY軸スライド658との間に設けられた信号伝達線,給電線,エア供給ホース,負圧供給ホース等を保護し、保護具692は、Y軸スライド658とX軸スライド654との間に設けられた信号伝達線等を保護する。なお、保護具690は図1のみに図示され、保護具692は図2のみに図示されている。
【0072】
装着ヘッド650はX軸スライド654に搭載されている。X軸スライド654は、図11に示すように、前記ガイドブロック680が固定されてY軸スライド658により吊下げ状態で支持された被支持部700と、被支持部700のX軸方向の一端部から下方へ垂下させられた連結部702とを有する。連結部702の下端部には、図11および図13に示すように、被支持部700のX軸方向の他端部側へ水平に突出させられた取付部704が設けられるとともに、取付部704のY軸方向の中央部は、連結部702とは反対側へ水平に突出させられて支持部706とされている。
【0073】
支持部706は、図11に示すように、回転軸708の下端部を軸受710を介して回転可能に支持しており、回転軸708の上端部は、被支持部700により回転可能に支持されている。被支持部700には固定カム712が固定されている。固定カム712には、嵌合穴713が回転軸708と同心にかつ固定カム712を貫通して形成されるとともに、軸受714を介して駆動歯車716の被支持部718が回転可能に嵌合されている。被支持部718の固定カム712から突出した上端部には被駆動プーリ722が同心に固定され、一体的に回転するようにされるとともに、これら駆動歯車716および被駆動プーリ722は、軸受720,721を介して回転軸708を回転可能に支持している。回転軸708は、水平な搬送平面に対する垂線と平行な軸線(垂直線である)まわりに回転可能に設けられ、駆動歯車716および被駆動プーリ722は回転軸708と同心に設けられているのである。
【0074】
上記被駆動プーリ722には、図14に示すように、駆動源たる方位補正変更用サーボモータ724の回転が駆動プーリ726および巻きかけ部材たるタイミングベルト728によって伝達され、駆動歯車716が正逆両方向に任意の角度回転させられる。被駆動プーリ722には、図11に示すように、板状の被検出体730が半径方向外向きに固定されており、この被検出体730をX軸スライド654に固定された駆動歯車原位置センサ732(図14参照)が検出することにより、駆動歯車716の原位置が検出される。駆動歯車716の原位置は電源投入時に検出され、それに基づいて駆動歯車716の回転位置が演算される。
【0075】
回転軸708の上端部には、被駆動回転体たる被駆動プーリ740が同心に固定されている。被駆動プーリ740には、図14に示すように、駆動源たる旋回用サーボモータ742の回転が駆動プーリ744および巻きかけ部材たるタイミングベルト746により伝達され、回転軸708は旋回用サーボモータ742により正逆両方向に任意の角度回転させられる。被駆動プーリ740には、図11に示すように、板状の被検出体748が半径方向外向きに固定されており、この被検出体748がX軸スライド654に固定された回転軸原位置センサ750(図14参照)によって検出されることにより、回転軸708の原位置がわかる。電源投入時に回転軸708の原位置が検出され、それに基づいて回転軸708の回転位置が演算される。
【0076】
回転軸708の駆動歯車716により支持された部分の下側には、部品吸着軸保持部材760が同心に固定され、回転軸708と共に間欠回転体762を構成している。部品吸着軸保持部材760は概して円筒状を成し、その周壁の回転軸線を中心とする一円周上には、回転軸線に平行な方向に貫通する保持穴764が20個、等角度間隔に形成されている。各保持穴764にはそれぞれ、部品吸着軸766を構成する軸部たる軸部材768が軸受770および保持部材772を介して回転可能かつ軸方向に移動可能に嵌合されており、間欠回転体762の回転時に20個の部品吸着軸766が間欠回転体762の回転軸線を中心として旋回させられる。
【0077】
保持穴764の直径は軸部材768の直径より大きく、図12に示すように、軸部材768は2個のシール部材774,776により気密が保持されて保持穴764に嵌合され、保持穴764内に円環状の通路780が形成されている。上記保持部材772は、保持穴764の下側開口部に嵌合されるとともに、図示しない固定手段たるボルトによって部品吸着軸保持部材760に固定されており、一方のシール部材776は保持部材772により保持されている。軸受770および保持部材772は部品吸着軸保持部材760に相対移動不能に取り付けられて間欠回転体762の一部を構成しており、保持穴764の軸受770が取り付けられた部分および保持部材772内に設けられて軸部材768が嵌合される穴が、軸部材768が回転可能かつ軸方向に移動可能に嵌合される保持穴を構成している。
【0078】
部品吸着軸766の軸部材768の下端部は部品吸着軸保持部材760から下方へ突出させられており、ノズル嵌合穴782が同心に形成されるとともに、部品吸着ノズル784が軸方向に相対移動可能に嵌合されている。部品吸着ノズル784は、吸着管保持体786と、吸着管保持体786により保持された吸着管788とを有し、付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング790によりノズル嵌合穴782から突出する向きに付勢されている。部品吸着ノズル784のノズル嵌合穴782からの抜出しおよび軸部材768に対する回転は、吸着管保持体786に嵌合された係合部材たるピン792が、ノズル嵌合穴782の周壁に形成された係合凹部たる切欠794に係合することにより防止されている。796は、吸着管保持体786に設けられた反射板である。ここでは説明を容易にするために、20個の部品吸着ノズル784はいずれも同じ種類のものであり、吸着管788の径は同じであるとする。部品吸着ノズル784は、回路部品の種類に適したものが選択されて軸部材768に取り付けられるが、部品吸着ノズル784が吸着し得る回路部品は1種類に限らず、大きさが異なる複数種類の回路部品を吸着することが可能である。
【0079】
軸部材768の上端部は、部品吸着軸保持部材760から上方へ突出させられるとともに、突出端部には被駆動歯車800およびカムフォロワ保持体802が同心に固定されている。被駆動歯車800は、前記駆動歯車716より径が小さく、駆動歯車716に噛み合わされており、駆動歯車716が回転させられることにより、駆動歯車716に噛み合わされた全部の被駆動歯車800が一斉に回転させられ、20個の部品吸着軸766が一斉に同角度、同方向に回転させられる。
【0080】
カムフォロワ保持体802は、内部に球状のカムフォロワ804をあらゆる方向に回転可能かつ抜出し不能に保持しており、カムフォロワ804の一部はカムフォロワ保持体802から上方へ突出させられている。部品吸着軸766は、前記通路780内に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング806により上方へ付勢され、カムフォロワ804が前記固定カム712のカム面808に当接させられている。圧縮コイルスプリング806の一端部は、軸部材768に固定のばね受け810により受けられ、他端部はリテーナにより保持されるとともに、前記保持部材772に取り付けられた軸受812により、保持部材772に対して回転可能に支持されている。そのため、部品吸着軸766が自身の軸線のまわりに回転させられるとき、圧縮コイルスプリング806が共に回転し、ねじりが生ずることがない。部品吸着軸766の軸部材768は軸受812を貫通させられ、軸受812に対して軸方向に移動可能かつ回転可能である。
【0081】
固定カム712は、図11および図12に示すように、回転軸708と同心の円筒状のカム面構成部814を有し、カム面構成部814の下面が前記カム面808とされている。カム面808は、部品吸着軸766の旋回軌跡の上方に設けられ、図11および図15に示すように、一部の高さが変化させられている。そのため、間欠回転体762が回転させられるとき、カムフォロワ804がカム面808に沿って転がりつつ移動させられ、20個の部品吸着軸766は回転軸708の軸線のまわりに旋回させられつつ昇降させられる。
【0082】
間欠回転体762が回転させられ、部品吸着軸766が旋回しつつ昇降するとき、20個の部品吸着軸766の各軸部材768の上端部に固定された前記被駆動歯車800はそれぞれ、駆動歯車716とかみ合った状態を保って昇降させられる。駆動歯車716は被駆動歯車800より幅が広く、すなわち間欠回転体762の回転軸線に平行な方向であって、部品吸着軸766の軸方向に平行な方向の寸法が長く、部品吸着軸766が昇降させられても、被駆動歯車800は駆動歯車716に噛み合った状態に保たれる。
【0083】
また、X軸スライド654の取付部704には、間欠回転体762の回転軸線を中心とする部分円筒面に沿って切欠816(図11および図13参照)が形成され、部品吸着軸766およびそれに保持された回路部品との干渉が回避されるようになっている。
【0084】
カム面808は、最も低い位置から正方向および逆方向に向かうに従って高くなり、いずれの方向においても90度離れた位置において最も高くなるように形成されている。20個の部品吸着軸766は、回転軸708が部品吸着軸766の配設角度間欠に等しい角度、間欠回転させられることにより、20個の停止位置に停止させられる。これら20個の停止位置のうち、カム面808の最も低い部分に対応する位置が部品吸着装着位置(部品受取装着位置,部品吸着解放位置とも称し得る)とされ、部品吸着装着位置から90度離れた位置であって、カム面808の最も高い部分に対応する位置が撮像位置とされている。カム面808は、部品吸着装着位置および撮像位置の各前後においては部品吸着軸766が水平に移動するように形成されている。部品吸着装置位置および撮像位置の設定を図16に概略的に示す。図中、丸は部品吸着ノズル784の反射板796を表す。
【0085】
X軸スライド654の撮像位置に対応する位置には、回路部品撮像装置820が設けられている。回路部品撮像装置820は、図13および図15に示すように、X軸スライド654の前記取付部704のY軸方向の一端部にブラケット824および826によって取り付けられている。ブラケット824は取付部704にねじ部材828および長穴830によってX軸方向の位置調節可能に固定され、ブラケット826はブラケット824に、ねじ部材832および長穴834によってY軸方向の位置調節可能に固定されている。
【0086】
回路部品撮像装置820は、照明装置836,反射装置838およびCCDカメラ840を備えている。照明装置836および反射装置838は、図15に示すように、撮像位置に停止させられた部品吸着軸766および部品吸着軸766に保持された回路部品842の下側において、撮像位置に位置する部品吸着軸766の旋回軌跡に対する接線および間欠回転体762の回転軸線に対して直角に延び、かつ回路部品842と対向する状態で設けられている。反射装置838は、例えばプリズムあるいは複数のミラーを有し、像形成光の方向を変換してCCDカメラ840に入光させる。照明装置836は、反射装置838の両側にそれぞれ設けられた照明部848を有し、部品吸着ノズル784の反射板796に向かって光を照射する。回路部品撮像装置820の水平方向の位置は、ブラケット824,826の取付位置の調節により調節し得る。また、照明装置836は、操作部材850を操作することにより取り外すことができる。
【0087】
このように撮像位置は部品吸着装着位置より高くされ、固定カム712およびカムフォロワ804によって部品吸着軸766が上昇させられることによって形成された隙間に回路部品撮像装置820が配設されており、回路部品撮像装置820と部品吸着ノズル784およびそれに保持された回路部品814との干渉、ならびに回路部品撮像装置820と回路部品供給装置14およびプリント基板408との干渉を回避しつつ、部品吸着および装着のための部品吸着ノズル784の昇降距離を小さくすることができる。
部品吸着装着位置と撮像位置とにおける部品吸着軸766の高さが同じであれば、回路部品撮像装置820と回路部品供給装置14およびプリント基板408との干渉を回避しなければならないことは勿論、回路部品撮像装置820と部品吸着軸766およびそれに保持された回路部品814との干渉を回避しなければならず、部品吸着装着位置における部品吸着軸766の位置が高くなって部品吸着および装着のための昇降距離が長くなるのに対し、固定カム712およびカムフォロワ804によって部品吸着軸766を上昇させれば、それによって回路部品撮像装置820との干渉を回避することができ、部品吸着装着位置における部品吸着軸766の高さを低くすることができ、昇降距離を短くすることができるのである。
【0088】
X軸スライド654にはまた、図11に示すように、プリント基板408に設けられた基準マークを撮像する基準マーク撮像装置854が搭載されている。基準マーク撮像装置854は、X軸スライド654の連結部702のY軸方向において回路部品撮像装置820が取り付けられた部分とは反対側の下部に下向きに取り付けられている。
【0089】
前記部品吸着ノズル784は負圧により回路部品842を吸着するものであり、部品吸着軸保持部材760の外面には、20個の部品吸着軸766の各々について圧力切換弁860が等角度間隔に固定されている(図15には2個のみ代表的に図示されている)。部品吸着軸766内には、図12に示すように軸方向に延び、ノズル嵌合穴782に連通する通路862が形成され、通路862は保持穴764と部品吸着軸766との間に形成された前記通路780,部品吸着軸保持部材760内に形成された図示しない通路により圧力切換弁860に接続されている。
【0090】
負圧は、図11に示すように、前記X軸スライド654の取付部704および支持部706内に形成された通路866,円環状通路868,回転軸708内に形成された通路870および図示しないホース等により12個の圧力切換弁860の各々に供給される。通路866は、X軸スライド654に継手部材により取り付けられた図示しないホース等を経て真空装置に接続されている。通路870は円環状通路868により、回転軸708が回転しても常時通路866に連通した状態に保たれる。
【0091】
圧力切換弁860は、図12に示すように、ハウジング872内に上下方向に直線移動可能(昇降可能)に配設された切換部材874を備えており、部品吸着ノズル784内の圧力を負圧と大気圧以上の圧力とに切り換える。切換部材874は下方への移動により負圧供給位置へ移動させられ、圧力切換弁860が部品吸着ノズル784内の圧力を大気圧以上の圧力から負圧に切り換え、部品吸着ノズル784に回路部品842を吸着させる。圧力切換弁860のこの切換状態を負圧供給状態と称する。切換部材874はまた、上方への移動により負圧解除位置へ移動させられ、圧力切換弁860が部品吸着ノズル784内の圧力を負圧から大気圧以上の圧力に切り換え、部品吸着ノズル784に回路部品842を解放させる。圧力切換弁860のこの切換状態を負圧解除状態と称する。切換部材874の移動方向(軸方向)の両端部にはそれぞれ大径のストッパ部876,878が設けられており、負圧供給位置および負圧解除位置で切換部材874の移動を阻止する。切換部材874はまた、負圧供給位置および負圧解除位置へ移動させられた状態では、各位置に保たれるように構成されている。
【0092】
X軸スライド654の部品吸着装着位置の近傍部には、図17ないし図19に示すように、部品吸着軸766を昇降させる個別昇降装置880および切換弁制御装置882の機構部が設けられている。
X軸スライド654の部品吸着装着位置に対応する部分には、図17および図19に示すように、駆動源たるリニアモータ886が固定されている。リニアモータ886の可動子888は、リニアモータ886のハウジングから下方へ垂直に延び出させられるとともに、移動部材890が固定されている。
【0093】
移動部材890には、図20および図22に示すように、移動部材890を、部品吸着装着位置に停止させられた部品吸着軸766の旋回軌跡に対する接線と平行な方向に貫通する切欠891が形成されるとともに、昇降駆動部材892が部品吸着軸766の旋回軌跡(図22に一点鎖線で示す)から側方へ外れた位置において、軸894により垂直軸線まわりに回動可能に取り付けられている。昇降駆動部材892の軸894から固定カム712側へ突出させられた端部には、図18に示すように、薄板状の昇降駆動部896が設けられており、前記固定カム712の部品吸着装着位置に対応する部分に設けられた切欠898(図18および図21参照)に昇降可能に嵌合されている。切欠898は、昇降駆動部896が隙間なく、かつ嵌合,離脱可能に嵌合される幅(固定カム712の周方向の寸法)と、昇降駆動部896の厚さより僅かに大きく、カムフォロワ804が嵌入しても通過可能な深さ(固定カム712の中心線に平行な方向の寸法)とを有する。
【0094】
昇降駆動部材892は、リニアモータ886により移動部材890が昇降させられることにより昇降させられ、移動部材890が上昇端位置へ移動させられ、昇降駆動部896が切欠898に昇降可能に嵌合されて、その下面が固定カム712のカム面808と連続する上昇位置と、移動部材890が下降させられ、昇降駆動部896が切欠898から外れて、下面がカム面808より下方に位置する下降位置との間で昇降させられる。なお、図示は省略するが、昇降駆動部896の上面の部品吸着軸旋回方向に隔たった両縁部は斜めに切り欠かれ、昇降駆動部896の切欠898への嵌合を案内する案内部が設けられている。
【0095】
昇降駆動部材892の昇降駆動部896が設けられた側とは反対側の端部の下面には、図20に示すように、昇降駆動部材892の長手方向に延び、昇降駆動部材892の回動軸線と直交する位置決め凹部たるノッチ900が形成されている。前記移動部材890には、ボールスプリングと称される位置決め具902が取り付けられている。位置決め具902は、移動部材890に螺合されたケーシング906内に位置決め部材たるボール908が移動可能かつ抜出し不能に収容されるとともに、ケーシング906内に収容された付勢手段の一種である弾性部材としてのスプリングにより、ケーシング906から突出する向きに付勢されている。
【0096】
移動部材890にはまた、図21および図22に示すように、ブラケット912が固定されるとともに、位置調節可能なストッパ部材たるアジャストボルト914が螺合されている。アジャストボルト914は、昇降駆動部材892の昇降駆動部896が設けられた側とは反対の端部側であって、図22に矢印で示す部品吸着軸766の旋回方向に対して昇降駆動部材892より下流側に設けられている。このアジャストボルト914は、昇降駆動部材892の回動軸線に直角で、部品吸着装着位置における部品吸着軸766の旋回軌跡に対する接線に平行な向きに螺合され、昇降駆動部材892の誤作動により下降位置にあって部品吸着軸766により回動させられる際の回動方向とは逆の方向への回動限度を規定する。
【0097】
アジャストボルト914の先端の位置は、昇降駆動部材892がアジャストボルト914に当接した状態でボール908がノッチ900に嵌入するとともに、ノッチ900のアジャストボルト914側の傾斜した側面に係合し、他方の側面から離れて、上記側面の斜面の作用により昇降駆動部材896をアジャストボルト914に押し付け、昇降駆動部896を、固定カム712に形成された切欠898に嵌合可能な作用位置(図22に実線で示す位置)に精度良く位置決めするように調節される。ノッチ900および位置決め具902が付勢手段を構成するとともに、アジャストボルト914と共にクリップストップ装置の一種である位置決め装置を構成している。
【0098】
X軸スライド654には、昇降駆動部材892が図22に二点鎖線で示すように退避位置へ回動したことを検知する移動検知装置920(図24参照)が設けられている。移動検知装置920は発光部および受光部を有する透過型の光電センサにより構成されており、昇降駆動部材892の昇降駆動部896によって受光部の受光が妨げられることにより、昇降駆動部材892が退避位置へ回動したことが検出される。移動検知装置920は、透過型の光電センサに限らず、反射型の光電センサや、近接スイッチ,リミットスイッチ等により構成してもよい。
【0099】
前記移動部材890には、図19ないし図21に示すように、主エアシリンダ930が上下方向の位置調節可能に取り付けられている。主エアシリンダ930は、移動部材890に螺合されたアジャストボルト932に当接して移動部材890に対する上下方向の位置を決められ、その状態でシリンダチューブ934(図23参照)と一体的に設けられた被取付部936(図21参照)の長穴938を通ってボルト940が移動部材890に螺合されることにより、移動部材890に固定されている。
【0100】
主エアシリンダ930は、流体圧シリンダの一種であるエアシリンダにより構成されている。主エアシリンダ930は複動シリンダであり、図23に示すように、ピストン944はシリンダチューブ934に気密にかつ軸方向に移動可能に嵌合され、ピストンロッド946はシリンダチューブ934から下方へ突出させられている。これらピストン944およびピストンロッド946内には、軸方向に貫通する段付状の貫通穴948が形成されており、大径穴部950には作用部材952の嵌合部954が軸方向に移動可能に嵌合されている。
【0101】
嵌合部954に突設された軸部956は小径穴部958を通ってピストンロッド946から下方へ突出させられるとともに、大形の作用部960が設けられている。作用部材952は、大径穴部950内に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング962により下方へ、すなわちピストンロッド946から突出する向きに付勢されている。圧縮コイルスプリング962の付勢による作用部材952の下方への移動限度は、嵌合部954が大径穴部950の底面に係合することにより規定される。また、圧縮コイルスプリング962の一端部は、大径穴部950の開口部に螺合されたプラグ964により受けられている。主エアシリンダ930は、部品吸着装着位置に停止させられた部品吸着軸766について設けられた圧力切換弁860の切換部材874の真上に位置する位置に設けられており、作用部材952は切換部材874の真上に位置することとなる。
【0102】
X軸スライド654の部品吸着装着位置の近傍部には、図17ないし図19に示すように、ブラケット970が下方へ延び出す向きに固定されている。ブラケット970の垂直な側面には、案内部材たる直線状のガイドレール972が上下方向に設けられるとともに、流体圧シリンダの一種である主エアシリンダ974のシリンダチューブ976が被案内部材たるガイドブロック978において移動可能に嵌合されている。
【0103】
主エアシリンダ974は複動シリンダであり、図19に示すように、シリンダチューブ976内にピストン980が気密を保持されて移動可能に嵌合されている。ピストン980に突設されたピストンロッド982はシリンダチューブ976から下方へ突出させられるとともに、突出端部に別の流体圧シリンダたる補助エアシリンダ984が取り付けられている。ピストンロッド982の下端部には、雄ねじ部986が形成されて補助エアシリンダ984のシリンダチューブ988に螺合されており、雄ねじ部986の螺合量の調節により、補助エアシリンダ984の主エアシリンダ974に対する上下方向の位置を調節することができる。
【0104】
補助エアシリンダ982は複動シリンダであり、シリンダチューブ988は被案内部材たるガイドブロック990において前記ガイドレール972に移動可能に嵌合されている。補助エアシリンダ984のシリンダチューブ988内にはピストン992が気密を保持されて移動可能に嵌合されており、ピストン992と一体的に設けられたピストンロッド994はシリンダチューブ988から下方へ突出させられるとともに、突出端部に設けられた雄ねじ部996には支持部材998が螺合されている。支持部材998は、被案内部材たるガイドブロック1000においてガイドレール972に移動可能に嵌合されており、雄ねじ部996の螺合量の調節により、支持部材998の補助エアシリンダ984に対する上下方向の位置を調節することができる。
【0105】
ガイドレール972の支持部材998が嵌合された部分より下側の部分には、作用部材1002が被案内部材たるガイドブロック1004において移動可能に嵌合されている。作用部材1002と支持部材998との間には付勢手段の一種である弾性部材としての引張コイルスプリング1006が設けられ、作用部材1002は支持部材998に接近する向きに付勢されている。支持部材998の下面には、弾性材製(例えば、ゴム製)の緩衝部材1008が固定されるとともに、作用部材1002に形成された有底の嵌合穴1010に軸方向に相対移動可能に嵌合されており、引張コイルスプリング1006の付勢力に基づく作用部材1002の移動限度は、緩衝部材1008が嵌合穴1010の底面に当接することにより規定されている。緩衝部材1008は、作用部材1002が引張コイルスプリング1006の付勢力により移動させられ、その移動端位置において停止する際の衝撃を緩和する。
【0106】
作用部材1002は、図17に示すように、ガイドレール972に嵌合された部分から間欠回転体762側へ水平に突出させられた後、部品吸着装着位置に停止させられた部品吸着軸766について設けられた圧力切換弁860の切換部材874の下方へ延び出させられている。作用部材1002はほぼL字形を成すのである。作用部材1002の切換部材874の真下に位置する部分には、当接部材1014が螺合されて作用部材1002の作用部を構成している。当接部材1014の上部には、直径方向に貫通する溝1016が形成されている。
【0107】
作用部材1002は、図18および図19に示すように、継手部材1018および図示しないエア供給ホース等を介してエア供給源(図示省略)に接続されている。エア供給源から供給されたエア(圧縮空気)は、作用部材1002内に形成された通路1020および当接部材1016内に形成された通路1022を通って上方へ噴出する。継手部材1018とエア供給源との途中には電磁開閉弁1024(図24参照)が設けられ、作用部材1002へのエアの供給を許容,遮断するようにされている。また、継手部材1018には可変絞り弁1026が設けられ、エア供給源から作用部材1002に供給されるエアの流量を絞るようにされている。
【0108】
前記ブラケット970には、図18および図19に示すように、リンク1030が軸1032により、部品吸着装着位置に停止させられた部品吸着軸766について設けられた圧力切換弁860の旋回軌跡に対する接線と平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。前記主エアシリンダ974のシリンダチューブ976の上部には、移動部材1034が一体的に設けられており、この移動部材1034に回転可能に取り付けられたローラ1036がリンク1030の一端部に形成された切欠1038(図18参照)に回転可能に嵌合されている。
【0109】
また、リンク1030の他端部に形成された切欠1040(図18参照)には、前記リニアモータ886により昇降させられる移動部材890に回転可能に取り付けられたローラ1042(図21参照)が回転可能に嵌合されている。したがって、移動部材890がリニアモータ886によって昇降させられれば、リンク1030が回動させられ、移動部材890と1034とが機械的に同期して互いに対称に昇降させられ、作用部材952,1002が互いに対称に圧力切換弁860の切換部材874に接近,離間させられる。
【0110】
本回路部品装着システム8を制御する制御装置1050は、図24に示すようにコンピュータ1052を主体として構成される。コンピュータ1052は、図示しないCPU,ROM,RAM,それらを接続するバス,入力インタフェースおよび出力インタフェース等を有する。コンピュータ1052には、基板到着確認センサ504,減速開始位置センサ620,基板到着確認センサ622,駆動歯車原位置センサ732,回転軸原位置センサ750,回路部品撮像装置820,基準マーク撮像装置854,移動検知装置920等が接続されている。コンピュータ1052にはまた、図示しない駆動回路を介して、係合装置68のエアシリンダを制御するエアシリンダ制御用電磁弁1058,モータ202,226,ロッドレスシリンダ436を制御するロッドレスシリンダ制御用電磁弁1060,基板搬送用モータ486,558,エアシリンダ634を制御するエアシリンダ制御用電磁弁1062,Y軸サーボモータ674,X軸サーボモータ688,方位補正変更用サーボモータ724,旋回用サーボモータ742,リニアモータ886,主エアシリンダ930,974および補助エアシリンダ984をそれぞれ制御する主エアシリンダ制御用電磁弁1064,1066,補助エアシリンダ制御用電磁弁1068および電磁開閉弁1024等が接続されている。ROMには、回路部品842の供給,吸着,装着,プリント基板408の搬入,搬出等に必要な種々のプログラムが格納されている。
【0111】
次に作動を説明する。
回路部品装着装置18,20は、メインコンベヤ400とメインコンベヤ402とのいずれか一方により位置決め支持されたプリント基板408に交互に回路部品842を装着する。1枚のプリント基板408について、本回路部品装着システム8において装着が予定された全部の回路部品842を共同して装着するのである。一方のメインコンベヤにおいて位置決め支持されたプリント基板408について回路部品842の装着が行われている間、他方のメインコンベヤにおいてはプリント基板408の搬出,搬入および位置決め支持が行われ、搬入されたプリント基板408は回路部品842の装着に備えてメインコンベヤ上で待機させられる。一方のメインコンベヤにおけるプリント基板408への回路部品842の装着終了後、他方のメインコンベヤにおいて待機させられているプリント基板408への回路部品842の装着が開始される。
【0112】
まず、プリント基板408の搬入,位置決め支持および搬出を説明する。なお、プリント基板408への装着は既に開始され、定常装着状態にあるとする。
プリント基板408は、本回路部品装着システム8の上流側に設けられたスクリーン印刷システムから搬入コンベヤ404へ搬入される。この搬入は、搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置する状態で行われる。搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置させられれば、基板搬送用モータ486が起動されるとともに、スクリーン印刷システムから搬入コンベヤ404へプリント基板408が供給される。搬入コンベヤ404が第1シフト位置に位置するか第2シフト位置に位置するかは、ロッドレスシリンダ436のピストンの移動端への移動を検出することによりわかる。搬入コンベヤ404へ搬入されたプリント基板408が基板到着確認センサ504により検出されれば、基板搬送用モータ486が止められ、プリント基板408は搬入コンベヤ404上で停止させられる。そして、搬入コンベヤ404がメインコンベヤ400にプリント基板408を搬入するのであれば、搬入コンベヤ404は第1シフト位置に位置させられたままとされる。
【0113】
なお、スクリーン印刷システムからのプリント基板408の供給開始後、設定時間が経過しても基板到着確認センサ504がプリント基板408を検出しない場合には、何らかの異常が発生したのであり、回路部品842のプリント基板408への装着が中断されるとともに、異常の発生が報知される。装着の中断とは、現に行われている回路部品842のプリント基板408への装着およびプリント基板408の搬出の終了後、次のプリント基板408への回路部品842の装着を開始しないことである。
【0114】
メインコンベヤ400上のプリント基板408が搬出コンベヤ406へ搬出され(搬出については後に説明する)、メインコンベヤ400へのプリント基板408の搬入が可能であれば、搬入コンベヤ404はメインコンベヤ400にプリント基板408を搬入する。メインコンベヤ400へのプリント基板408への搬入が可能であるか否かは、例えば、基板検知装置である基板到着確認センサ622がプリント基板408を検出しているか否かによりわかる。メインコンベヤ400へのプリント基板408の搬入時には、基板到着確認センサ622の検出信号に基づいてプリント基板408がメインコンベヤ400に搬入されたか否かが判定され、搬入時以外のときは、基板到着確認センサ622がプリント基板408を検出しなければ、メインコンベヤ400上にプリント基板408がなく、メインコンベヤ400にプリント基板408を搬入し得ることがわかる。
【0115】
搬入時には、搬入コンベヤ404の基板搬送用モータ486およびメインコンベヤ400,402の基板搬送用モータ558が起動され、コンベヤベルト546等が移動させられてプリント基板408がメインコンベヤ400へ搬入される。このとき、メインコンベヤ400に設けられた基板停止装置624のストッパ部材630は作用位置へ移動させられている。プリント基板408が搬入され、減速開始位置センサ620によって検出されれば搬送速度が減速され、基板到着確認センサ622によって検出されれば、基板搬送用モータ558が止められる。このとき、プリント基板408はストッパ部材630に当接して移動を止められており、搬送速度の減速によりプリント基板408はストッパ部材630に衝撃少なく当接する。
なお、基板搬送用モータ558の起動後、設定時間が経過しても基板到着確認センサ622がプリント基板408を検出しない場合には、何らかの異常が発生したのであり、プリント基板408への回路部品842の装着が中断されるとともに、異常の発生が報知される。
【0116】
基板搬送用モータ558の停止後、昇降台598が上昇させられ、基板吸着具602がプリント基板408を吸着し、支持するとともに、突上部材580がプリント基板408をコンベヤベルト546から持ち上げて押さえ部570,572に押し付ける。このようにプリント基板408はメインコンベヤ400により位置決め支持された状態で回路部品842の装着に備えて待機させられる。そのため、メインコンベヤ402により位置決め支持されたプリント基板408への回路部品842の装着が終了すれば、最後に回路部品842を装着していた回路部品装着装置の退避(回路部品供給装置への移動)と並行して他方の回路部品装着装置が待機させられているプリント基板408上へ移動させられ、回路部品842の装着を開始する。プリント基板408の交替に要する時間が実質的に0となり、プリント基板408への回路部品842の装着が能率良く行われるのである。なお、回路部品842の装着については後に詳細に説明する。
【0117】
基板搬送用モータ558は2つのメインコンベヤ400,402に共通であり、その起動によりメインコンベヤ400,402の各コンベヤベルト546がいずれも移動させられるが、上記のように回路部品装着時にはプリント基板408はコンベヤベルト546から持ち上げられているため、コンベヤベルト546の移動により送られることはなく、プリント基板408の回路部品842の装着とプリント基板408の搬入および後述する搬出とを並行して行うことができる。
【0118】
回路部品842の装着が終了すれば、基板吸着具602が大気に解放され、プリント基板408の保持が解除される。次いで、昇降台598が下降させられ、プリント基板408がコンベヤベルト546上に載置された後、搬出コンベヤ406およびメインコンベヤ400,402の各基板搬送用モータ486,558が起動され、プリント基板408が搬出コンベヤ406へ搬出される。搬出コンベヤ406は、メインコンベヤ400からのプリント基板408の搬出時には第1シフト位置にシフトさせられている。また、ストッパ部材630が非作用位置へ移動させられている。
【0119】
プリント基板408が搬出コンベヤ406へ搬出され、基板到着確認センサ504により検出されれば、基板搬送用モータ486,558が止められ、プリント基板408は搬出コンベヤ406上において、下流側のリフローシステムへの引渡しに備えて待機させられる。直ちに引渡しが可能であれば、搬出コンベヤ406の基板搬送用モータ486は止められず、プリント基板408はそのままリフローシステムに引き渡される。搬出時にも、基板搬送用モータ486,558の起動から設定時間が経過しても基板到着確認センサ504がプリント基板408を確認しなければ、異常の発生が報知されるとともに、装着が中断される。
【0120】
搬入コンベヤ404は、メインコンベヤ400にプリント基板408を引き渡した後、スクリーン印刷システムから次のプリント基板408を受け取る。そして、コンベヤ支持台426の移動により第2シフト位置へシフトさせられ、メインコンベヤ402へのプリント基板408の搬入に備えて待機させられる。メインコンベヤ402でのプリント基板408への回路部品842の装着が終了し、プリント基板408が搬出された後、搬入コンベヤ404からメインコンベヤ402へプリント基板408が搬入される。
【0121】
搬出コンベヤ406は、メインコンベヤ400から搬出されたプリント基板408を下流側に設けられたリフローシステムへ渡した後、コンベヤ支持台426の移動により第2シフト位置にシフトさせられてプリント基板408の搬出に備えて待機させられている。搬出コンベヤ406はプリント基板408を受け取った後、第1シフト位置へシフトさせられ、リフローシステムへプリント基板408を引き渡す。
【0122】
搬入コンベヤ404からメインコンベヤ402へのプリント基板408の搬入後、プリント基板408はメインコンベヤ402において、メインコンベヤ400におけると同様にして位置決め支持され、回路部品842の装着に備えて待機させられる。メインコンベヤ400において位置決め支持されたプリント基板408への回路部品842の装着終了後、メインコンベヤ402において位置決め支持されたプリント基板408への回路部品824の装着が開始され、装着終了後、搬出コンベヤ406へ搬出される。
【0123】
プリント基板408の種類が変わり、メインコンベヤ400,402,搬入コンベヤ404および搬出コンベヤ406の搬送幅を変更する際には、各コンベヤ400〜406のいずれもがプリント基板408を支持していない状態で作業者がハンドル510を回転操作してチェーン470を移動させる。それにより各コンベヤ400〜406の可動フレーム442,526が一斉に同じ方向へ同じ距離移動させられ、搬送幅が同時に同じ大きさに変更される。
【0124】
回路部品842のプリント基板408への装着を説明する。
回路部品842のプリント基板408への装着は、2個の回路部品装着装置18,20により交互に行われる。回路部品装着装置18,20がそれぞれ回路部品842を取り出す回路部品供給装置は決まっており、回路部品装着装置18は回路部品供給装置14から回路部品842を取り出し、回路部品装着装置20は回路部品供給装置16から回路部品842を取り出す。それぞれ同じ側に設けられた回路部品供給装置から回路部品842を取り出すのであり、2個の回路部品装着装置18,20の各Y軸スライド658,660が装着ヘッド650,652による回路部品842の取出し時および装着時に干渉することはない。
【0125】
回路部品842の装着開始に先立ってプリント基板408の基準マークが、基準マーク撮像装置854により撮像される。基準マークの撮像は、前述のようにプリント基板408がメインコンベヤに搬入されるとともに位置決め支持され、装着に備えて待機している間に行われる。撮像は、待機中のプリント基板408を支持しているメインコンベヤとY軸方向において同じ側に設けられた回路部品装着装置の基準マーク撮像装置854により行われる。一方のメインコンベヤにより位置決め支持されたプリント基板408への回路部品842の装着が行われている間に、他方のメインコンベヤにプリント基板408が搬入され、位置決め支持されれば、そのメインコンベヤと同じ側に設けられた回路部品装着装置は、自身が保持する全部の回路部品842のプリント基板408への装着終了後、回路部品供給装置へ回路部品842を受け取りに行く途中で基準マークを撮像する。1枚のプリント基板408について、予定された全部の回路部品842の装着が終了する前であっても、次に回路部品842が装着されるプリント基板408が搬入されれば、基準マークの撮像が行われるのである。プリント基板408には対角線上に2個の基準マークが設けられており、コンピュータ1052は、回路部品842の吸着,装着等の制御の間に、撮像データに基づいてプリント基板408上の複数の部品装着箇所の各々についてX軸,Y軸方向の位置誤差を演算してメモリに格納する。
【0126】
2個の装着ヘッド650,652のうち、装着ヘッド650による回路部品842の装着を代表的に説明する。
まず、装着ヘッド650は回路部品供給装置14へ移動させられ、予め設定された数の回路部品842を回路部品供給装置14から取り出す。ここでは装着ヘッド650の1回の回路部品842の装着数が20個であり、20個の部品吸着軸766の全部が回路部品842を吸着するものとする。また、説明を容易にするために、複数のフィーダ54はプリント基板408への回路部品842の装着順に並べられており、間欠回転体762の1ピッチずつの間欠回転により、20個の部品吸着ノズル784が間欠的に旋回させられるとともに、間欠回転体762の最短距離の移動により、順次回路部品842を吸着し、装着するものとする。
【0127】
そのため、回路部品842の取出し時には、間欠回転体762の間欠回転により、20個の部品吸着軸766が順次部品吸着装着位置に位置決めされるとともに、XYロボット662により、回路部品842を供給するフィーダ54の部品取出位置上へ移動させられる。なお、間欠回転体762が間欠回転させられるとき、駆動歯車716が同方向に同角速度で回転させられ、部品吸着軸766が回転させられないようにされる。
【0128】
部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ到達する前であって、カムフォロワ804が昇降駆動部材892の昇降駆動部896の下面に係合する状態になれば、リニアモータ886が起動され、移動部材890が下降させられるとともに昇降駆動部材892が下降させられ、部品吸着軸766が下降させられる。部品吸着軸766の旋回と下降とが並行して行われるのである。部品吸着軸766は、部品吸着ノズル784が回路部品842に接触する前に部品吸着装着位置に到達し、停止しており、部品吸着ノズル784は正確に回路部品842に接触することができる。なお、部品吸着軸766が部品吸着装着位置において昇降駆動部材892により下降させられる場合にも、被駆動歯車800は駆動歯車716に噛み合った状態に保たれる。
【0129】
前記フィーダ54により保持された部品収容テープ156は、エンボスタイプの部品収容テープであり、部品収容テープ156に収容された回路部品842の上面(被吸着面)の上下方向(部品吸着軸766の移動方向に平行な方向)の位置は、回路部品842の高さに関係なく一定である。また、12個の部品吸着ノズル784は種類が同じであり、部品吸着装着位置に位置決めされた部品吸着ノズル784の吸着管788の下面(吸着面)の高さは一定である。そのため、部品吸着装着位置に位置決めされた部品吸着ノズル784の吸着管788の下面と、フィーダ54により供給され、部品取出位置に位置する回路部品842の上面との距離は、回路部品842の種類に関係なく一定であり、昇降駆動部材892の昇降距離は一定であって、吸着管788の下面と回路部品842の上面との距離より僅かに大きくされている。昇降駆動部材892は、吸着管788が回路部品842に接触した後、更に小距離下降させられ、回路部品842が確実に吸着されるようにされているのであり、余分な下降距離は部品吸着ノズル784の圧縮コイルスプリング790の圧縮により吸収される。また、リニアモータ886が速度制御されることにより、部品吸着軸766は、下降開始時に滑らかに加速して下降させられた後、滑らかに減速させられて回路部品842に衝撃少なく当接させられる。昇降駆動部材892は、吸着管788が回路部品842に接触した後、小距離下降させられるときも減速され続けながら下降する。リニアモータ886を駆動源として部品吸着軸766を昇降させれば、下降速度および昇降距離を自由に設定することができ、回路部品842をより短い時間で吸着し、また、装着することができる。
【0130】
図25のタイムチャートに、XYロボット662の作動時期(すなわち装着ヘッド650の移動時期)と、間欠回転体762の間欠回転時期と、部品吸着軸766の昇降時期との関係を示す。これら時期はそれぞれ、装着ヘッド650の移動速度,間欠回転体762の回転速度および部品吸着軸766の昇降速度で表されている。同図において山形を成す線のうち、時間の経過に従って頂点に向かう斜めの線は速度の増大を表し、頂点から離れる斜めの線は速度の減少を表す。保持方位補正変更とは、後述するように、部品吸着軸766により吸着された回路部品842の保持方位誤差の補正あるいは方位の予め設定された方位への変更であり、駆動歯車716が回転させられ、部品吸着軸766が回転させられることにより行われる。また、部品保持テープ送りは、フィーダ54における部品収容テープ156の送りであり、撮像は回路部品撮像装置820による回路部品842の撮像である。撮像時期は、速度ではなく、有無で表されている。
【0131】
移動部材890の下降と共に主エアシリンダ930が下降させられ、作用部材952が下降させられるとともに、リンク1030の回動により移動部材1034が上昇させられて作用部材1002が上昇させられる。部品吸着時および装着時には、図26に示すように、主エアシリンダ930,974および補助エアシリンダ984の駆動指令が出力され、主エアシリンダ制御用電磁弁1064,1066,補助エアシリンダ制御用電磁弁1068が切り換えられる。作用部材952,1002を作用位置側へ移動させるように作動するエアシリンダについてはON指令が出力され、作用部材952,1002を非作用位置側へ移動させるように作動するエアシリンダについてはOFF指令が出力される。それにより、回路部品842の吸着時には、図19に示すように、主エアシリンダ930のピストンロッド946がシリンダチューブ934から突出させられ、作用部材952がシリンダチューブ934から突出した作用位置に位置させられる。また、主エアシリンダ974のピストンロッド982はシリンダチューブ976から突出させられ、補助エアシリンダ984のピストンロッド994はシリンダチューブ988内へ引っ込まされ、作用部材1002が非作用位置に位置させられる。なお、以下、主エアシリンダ930,974および補助エアシリンダ984の各ピストンロッド946,982,994が突出状態あるいは引込状態にあることを、主エアシリンダ930,974および補助エアシリンダ984が突出状態あるいは引込状態にあると称する。
【0132】
移動部材890の下降に伴って、図27に示すように、作用部材952が圧力切換弁860の切換部材874に係合し、下方へ移動させる。この際、作用部材1002は上昇するが切換部材874に係合せず、切換部材874が負圧供給位置へ移動させられて圧力切換弁860が負圧供給状態に切り換えられ、部品吸着ノズル784に負圧が供給される。このとき切換部材874は、ストッパ部876がハウジング872に当接して停止している。移動部材890および1034は、昇降駆動部材892の下降に伴って互いに逆向きに移動させられ、切換部材874に互いに反対側から作用するが、機械的に同期して移動させられるため、誤作動,作動遅れ等によって2つの作用部材952,1002が同時に切換部材874に作用したり、作用時期が不適正になったりすることがない。回路部品874のプリント基板408への装着時も同じである。
【0133】
圧力切換弁860は、吸着管788が回路部品842に当接する直前に吸着管788の先端開口部に負圧が供給されるタイミングで切り換えられ、吸着管788が回路部品842に接触した後、極く短時間で回路部品842を吸着するのに十分な高さの負圧が得られ、迅速に回路部品842を吸着することができる。圧力切換弁860の切換タイミングは、下降開始時における主エアシリンダ930の移動部材890に対する上下方向の位置を調節することにより調節し得る。このように部品吸着ノズル784の下降と圧力切換弁860の切換えとは機械的に同期して行われるため、負圧の供給タイミングがずれることがなく、吸着ミスの発生が良好に回避される。回路部品874のプリント基板408への装着時も同じであり、負圧の解除タイミングがずれることがなく、装着ミスの発生が良好に回避される。
【0134】
移動部材890(昇降駆動部材892)は、前述のように、吸着管788が回路部品842に接触した後、更に小距離下降させられるが、このときには、切換部材874が負圧供給位置まで移動し、ストッパ部876がハウジング872に当接して停止しており、余分な下降距離は作用部材952が圧縮コイルスプリング962を圧縮して移動部材890に対して相対移動することにより許容される。
【0135】
回路部品842の吸着後、移動部材890が上昇させられ、昇降駆動部材892が上昇させられる。この際、部品吸着軸766は圧縮コイルスプリング806の付勢力により昇降駆動部材892に追従して上昇させられ、テープ状収容容器152から回路部品842を取り出す。移動部材890が上昇させられれば、主エアシリンダ930が上昇させられ、作用部材952が上昇させられて切換部材874から離間させられるが、切換部材874は負圧供給位置へ移動させられた状態に保たれ、回路部品842が部品吸着ノズル784により吸着された状態に保たれる。また、移動部材1034の下降により作用部材1002が下降させられる。
【0136】
移動部材890が上昇端位置へ到達して昇降駆動部896が固定カム712の切欠898に嵌合する前に間欠回転体762が回転を開始させられ、カムフォロワ804が昇降駆動部896の下面に沿って移動させられる。部品吸着軸766の旋回と上昇とが並行して行われるのである。部品吸着軸766の部品吸着および装着のための昇降と旋回とが並行して行われることにより、部品吸着装着位置に複数の部品吸着軸766が順次到達する時間ピッチを短くすることができ、回路部品842の装着能率を向上させることができる。移動部材890が上昇端位置へ到達し、昇降駆動部896が切欠898に嵌合した後、カムフォロワ804が固定カム712のカム面808に乗り移り、回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置から退避させられ、次に回路部品842を吸着する部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ迅速に移動させられる。
【0137】
次に回路部品842を吸着する部品吸着軸766は、装着ヘッド650がXYロボット662によってX軸方向へ移動させられることにより、回路部品842を供給するフィーダ54の部品取出位置上へ移動させられる。なお、同じフィーダ54から回路部品842が取り出されるのであれば、装着ヘッド650はX軸方向へは移動させられず、間欠回転体762が回転させられるのみである。フィーダ54においては、回路部品842の取出し後、部品収容テープ156が1ピッチ送られ、次に取り出される回路部品842が部品取出位置に位置決めされる。
【0138】
間欠回転体762が回転させられて部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移動させられるとき、リニアモータ886あるいは制御装置1050の誤作動等により、カムフォロワ804が昇降駆動部896の下面に係合する前に昇降駆動部材892が既に下降していてカムフォロワ804より下方に位置することがあれば、被駆動歯車800や部品吸着軸766の軸部材768が昇降駆動部896に当接する。しかし、部品吸着軸766の旋回に伴って昇降駆動部材892に設定値以上の力が加えられれば、昇降駆動部材892は図22に二点鎖線で示す退避位置へ回動させられ、昇降駆動部材892や部品吸着軸766等の損傷が回避される。昇降駆動部材892の退避位置への回動は移動検知装置920により検知され、その検知信号に基づいて吸着作業が停止させられる。異常原因の解消後、吸着が開始される。昇降駆動部材892が作用位置へ戻されるとともに、昇降駆動部896が切欠898に嵌合され、部品吸着軸766のカムフォロワ804が昇降駆動部896の下面に係合させられて吸着が再開される。回路部品842のプリント基板408への装着時も同じである。
【0139】
なお、例えば、リニアモータ886や制御装置1050のリニアモータ886を制御する部分等の誤作動等と、旋回用サーボモータ742や制御装置1050の旋回用サーボモータ742を制御する部分等の誤作動等とが同時に生じ、本来、部品吸着軸766が部品吸着装着位置において停止すべきであるのに停止せず、かつ、部品吸着軸766の部品吸着装着位置の通過時に昇降駆動部材892が下降位置にあることがあっても、部品吸着軸766は旋回しつつ昇降駆動部材892を退避位置へ回動させ、また、カムフォロワ804は切欠898を乗り越えて損傷が回避される。
【0140】
回路部品842は部品吸着軸766によりフィーダ54から取り出された後、プリント基板408への装着前に回路部品撮像装置820により撮像される。部品吸着装着位置と撮像位置とは、図16に示すように5ピッチ(間欠回転体762における20個の部品吸着軸766の配設ピッチを1ピッチとする)離れており、回路部品842を吸着した部品吸着軸766は、間欠回転体762の間欠回転により、他の部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移動させられるのと並行して撮像位置へ移動させられる。そして、回路部品842が回路部品撮像装置820により撮像され、X軸,Y軸方向の各保持位置誤差および保持方位誤差が演算される。撮像位置における回路部品842の撮像は、吸着する回路部品842の数等によっては、部品吸着装着位置における回路部品842の吸着と並行して行われ、また、装着と並行して行われることもあるが、撮像のみが行われることもある。それについては後に説明する。20個の部品吸着軸766は間欠回転体762に搭載されていて、間欠回転体762の間欠回転により、回路部品842を吸着していない部品吸着軸766あるいは回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移動させられるのと並行して、回路部品842を吸着した部品吸着軸766が撮像位置へ移動させられるため、回路部品842の吸着と撮像とを並行して行い、装着と撮像とを並行して行うことが可能であり、撮像結果に基づく保持位置誤差および保持方位誤差の算出に必要な時間を確保しつつ回路部品842の装着能率を向上させることができる。
【0141】
20個の部品吸着軸766の全部が回路部品842を吸着したならば、装着ヘッド650はXYロボット662によりプリント基板408上へ移動させられ、回路部品842を装着する。回路部品842の装着は、X軸スライド654上においては部品吸着時と同じ位置で行われる。プリント基板408に回路部品842を装着する部品吸着軸766は、間欠回転体762の回転により部品吸着装着位置に位置決めされ、XYロボット662によって装着ヘッド650が移動させられることにより、プリント基板408の部品装着箇所上へ移動させられる。回路部品842の吸着と装着とが同じ位置で行われるため、吸着,装着時に部品吸着軸766を昇降させるための駆動源(リニアモータ886)が1つで済み、装置を安価に構成することができるとともに、XYロボット662作動時の慣性負荷が小さくて済み、装着ヘッド650を高速で移動させ得る。
【0142】
部品吸着軸766が間欠回転体762の回転により部品吸着装着位置に位置決めされるのと並行して、回路部品842は保持方位誤差が補正されるとともに、予めプログラムされた角度により設定される方位へ回転させられる。駆動歯車716を間欠回転体762に対して相対回転させ、部品吸着軸766を自身の軸線のまわりに回転させるのである。
【0143】
駆動歯車716は全部の部品吸着軸766に固定の各被駆動歯車800と噛み合わされており、保持方位誤差を補正すべき部品吸着軸766以外の部品吸着軸766も回転させられる。そのため、2番目以降に回路部品842を装着する部品吸着軸766については、自身の保持方位誤差および設定された方位に加えて、先に回路部品842を装着した部品吸着軸766の回転角度および方向に基づいて回転角度および方向が設定される。また、XYロボット662の移動距離は、回路部品842およびプリント基板408の部品装着箇所の各X軸,Y軸方向の位置誤差を解消すべく、補正される。
【0144】
部品装着時にも部品吸着時と同様に、部品吸着軸766が部品吸着装着位置に到達する前であって、カムフォロワ804が昇降駆動部材892の昇降駆動部896の下面に係合した状態で移動部材890が下降させられ、部品吸着軸766が下降させられる。回路部品842をプリント基板408に載置するときには、部品吸着軸766は部品吸着装着位置に至って停止しており、正確に回路部品842をプリント基板408に装着することができる。
【0145】
移動部材890が下降させられれば、作用部材952が下降させられるとともに作用部材1002が上昇させられるが、回路部品842の装着時には、主エアシリンダ930は引込状態とされ、作用部材952が非作用位置に位置させられている。それに対し、作用部材1002は回路部品842の吸着時より高く、切換部材874に近い作用位置に位置させられていて、当接部材1014が圧力切換弁860の切換部材874に係合して上方へ移動させ、負圧解除位置へ移動させて圧力切換弁860を負圧解除状態に切り換える。このとき、切換部材874は、ストッパ部878がハウジング872に当接して停止する。
【0146】
作用部材1002は、後述するように、主エアシリンダ974が引込状態とされ、補助エアシリンダ984が突出状態とされることにより得られる作用位置と、主,補助エアシリンダ974,984が共に引込状態とされることにより得られる作用位置であって、主エアシリンダ974のみが引込状態とされることにより得られる作用位置より高い作用位置とに選択的に位置させられる。
【0147】
圧力切換弁860へのエアの供給,遮断を制御する電磁開閉弁1024は、当接部材1014が切換部材874に当接する前に開かれており、圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられれば、直ちに圧力切換弁860から部品吸着ノズル784に向かってエアの供給が開始され、回路部品842が迅速に解放される。
当接部材1014が切換部材874に当接するとき、圧力切換弁860と部品吸着ノズル784とを接続する通路780,862等内は負圧状態になっており、圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられて圧力切換弁860に供給されるエアが吸着管788の先端開口部に到達するまでに時間を要するが、回路部品842を迅速に解放するためには、この時間を短くすることが必要である。供給されるエアの流量が多ければ到達時間を短くすることができるが、回路部品842を吸着管788から離間させるには多過ぎて、回路部品842をプリント基板408上で移動させ、あるいは吹き飛ばしてしまう恐れがある。
そのため、当接部材1014に溝1016が設けられ、エアが漏らされて流量が減少するようにされている。圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられた後、エアが吸着管788の先端開口部に到達するまでの間も溝1016からエアが漏れるが、圧力切換弁860の切換直後は、圧力切換弁860と部品吸着ノズル784とを接続する通路780等内が負圧状態にあるため、溝1016からエアが漏れても、供給されるエアの多くが部品吸着ノズル784へ流れ、吸着管788の先端開口部に迅速にエアが供給される。吸着管788の先端開口部にエアが供給され、部品吸着ノズル784内の圧力が大気圧に近くなり、あるいは大気圧以上まで増大すれば、圧力切換弁860と部品吸着ノズル784とを接続する通路780等内の圧力が増大するため、溝1016からのエアの漏れ量が増える一方、部品吸着ノズル784へ流れるエアの流量が減少し、回路部品842を吸着管788から離間させるのに適当な量のエアが得られる。
【0148】
可変絞り弁1026の絞り量は、このように部品吸着ノズル784に迅速にエアが供給され、部品吸着ノズル784内の圧力が上昇した後は、溝1016からのエアの漏れにより回路部品842が適切な量のエアによって吸着管788から離間させられる量に設定される。可変絞り弁1026のエアの絞り量の調節によって部品吸着ノズル784内へ供給されるエアと大気中に漏れるエアとの総流量を調節することができ、結果的に、圧力切換弁860の負圧解除状態への切換直後と、圧力増大後とにおける部品吸着ノズル784へのエアの流量の比を調節することができる。なお、部品吸着ノズル784が複数種類搭載されている場合には、中間の大きさの部品吸着ノズル784に合わせて絞り量が設定される。
【0149】
また、当接部材1014が切換部材874に当接した当初は、圧力切換弁860が負圧解除位置に切り換えられておらず、通路1022は切換部材874により塞がれ、部品吸着ノズル784から遮断されているため、通常であればエアの流れが一旦停止してしまう。しかし、溝1016が設けられているため、溝1016を通ってエアが流出してエアの流れができるため、切換部材874が負圧解除位置へ切り換えられ、負圧の供給が遮断されると同時に遅滞なく、また脈動少なく部品吸着ノズル784に向かってエアが供給される。
【0150】
このように回路部品842は、エアの供給によって迅速に解放されるため、圧力切換弁860の負圧解除状態への切換えは、回路部品842がプリント基板408に接触した後に吸着管788の先端開口部にエアが供給されるタイミングで行われる。回路部品842がプリント基板408に載置される前に吸着管788の先端開口部にエアが供給されれば、回路部品842の位置がずれる恐れがあるからである。
【0151】
回路部品842の高さが高いほど、短い下降距離でプリント基板408に接触し、圧力切換弁860の負圧解除状態への切換時期(エアの供給による回路部品842の解放時期)を早くすることができる。圧力切換弁860の切換時期は、回路部品842の高さに応じて設定することが望ましいが、作用部材1002の作用位置が2種類に変更され、圧力切換弁860の切換時期が2種類に変更されるようになっている。そのため、回路部品842を高さに応じて大小2種類に分類し、大きい回路部品842については、移動部材890の下降距離が短くされるとともに、作用部材1002の作用位置が高い側に選択されて圧力切換弁860の切換時期が早くされ、小さい回路部品842については、移動部材890の下降距離が長くされるとともに、作用部材1002の作用位置が低い側に選択されて圧力切換弁860の切換時期が遅くされる。
【0152】
具体的には、高さが0より大きく3mm以下の回路部品842が小さい回路部品842とされ、3mmより大きく、6mm以下の回路部品842が大きい回路部品842とされている。大小いずれの分類においても、移動部材890の下降距離は、各分類に属する複数種類の回路部品842のうち、高さが最も小さい回路部品842に合わせて設定される。図28および図29に示すように、部品吸着装着位置に位置決めされた部品吸着軸766の吸着管788の下面とプリント基板408との間の距離を14mmとすれば、小さい回路部品842の場合、下降距離は(14+α)mmとされ、大きい回路部品842の場合は(11+α)mmとされる。高さが最も小さい回路部品842が確実にプリント基板408に接触するようにされているのである。なお、作用部材1002の2つの作用位置の上下方向の距離の差は3mmとされている。
【0153】
圧力切換弁860の切換タイミングは、作用部材1002の移動部材1034に対する上下方向の位置を調節することにより、すなわち、補助エアシリンダ984の主エアシリンダ974に対する上下方向の位置および支持部材998の補助エアシリンダ984に対する上下方向の位置をそれぞれ調節することにより調節可能である。圧力切換弁860の切換タイミングは、大きい回路部品842の装着時および小さい回路部品842の装着時のいずれにおいても、各分類に含まれる回路部品842のうち、高さが最も小さい回路部品842がプリント基板408上に載置された後に、吸着管788の先端開口部にエアが供給されるタイミングで圧力切換弁860の切換えが行われるように調節されている。大小の各分類にそれぞれ属する回路部品842のうち、高さが大きい回路部品842についてはエアの供給時期が遅れるが、いずれの回路部品842についても、プリント基板408への載置後にエアの供給により解放されることが保証されているのである。移動部材890の下降距離は、回路部品842が確実にプリント基板408に載置されるとともに、上記のように設定されたタイミングで圧力切換弁860が切り換えられ、切換部材874のストッパ部878がハウジング872に当接して負圧解除位置へ移動した状態となることが保証される大きさに設定されている。
【0154】
高さが0より大きく、3mm以下の回路部品842のプリント基板408への装着時には、図26に示す駆動指令に従って主エアシリンダ930,974および補助シリンダ984が駆動され、図28(a)に示すように、主エアシリンダ974が引込状態とされるとともに補助エアシリンダ984が突出状態とされ、作用部材1002が下側の作用位置にあって、圧力切換弁860の切換時期が遅くなるようにされる。また、主エアシリンダ930は引込状態とされ、作用部材952は非作用位置に位置させられて切換部材874に接触しないようにされる。なお、図28(a),(b)および後述する図29(a),(b)には、図示の都合上、切換弁制御装置882を構成する部材の一部が図示されている。
【0155】
移動部材890の下降により、図28(b)に示すように、回路部品842がプリント基板408に接触し、その後、更に移動部材890が小距離下降させられる。この下降は、部品吸着ノズル784の圧縮コイルスプリング790の圧縮により許容される。
【0156】
また、当接部材1014が切換部材874を上方へ移動させ、圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられる。この切換え後の移動部材890の下降(移動部材1034の上昇)は、支持部材998が引張コイルスプリング1006を延ばしつつ作用部材1002に対して上方へ移動することにより許容され、当接部材1014および圧力切換弁860の損傷が回避される。吸着管788の先端開口部へのエア供給から設定時間、すなわち回路部品842を解放するのに十分な時間、エアが供給された後、電磁開閉弁1024が閉じられ、エアの供給が遮断される。
【0157】
回路部品842の装着時にも、リニアモータ886は移動部材890の下降速度が加速,減速するように制御され、回路部品842が衝撃少なくプリント基板408に接触させられる。下降距離は、大小同じ分類に属する複数種類の回路部品842について共通であるが、回路部品842のプリント基板408への接触時期は回路部品842の高さが大きいほど早いため、大小同じ分類に属する回路部品842であっても、減速開始時期は回路部品842の高さが大きいほど早くされる。
【0158】
高さが大きい回路部品842のプリント基板408への装着時には、図29(a)に示すように、主エアシリンダ974および補助エアシリンダ984が共に引込状態とされ、圧力切換弁860の切換時期が早くなるようにされる。そして、移動部材890の下降により、図29(b)に示すように作用部材1002が上昇し、当接部材1014が切換部材874に接触して負圧解除位置へ移動させる。回路部品842のプリント基板38への載置後、吸着管788の先端開口部にエアが供給されて回路部品842が解放される。
【0159】
回路部品842の装着後、移動部材890が上昇させられるとともに、間欠回転体762が回転させられ、次に回路部品842をプリント基板408に装着する部品吸着軸766が部品吸着装着位置に位置決めされる。また、XYロボット662により装着ヘッド650が移動させられ、部品吸着装着位置が別の部品装着箇所上へ移動させられる。回路部品842の装着時にも、部品吸着軸766の上昇と間欠回転体762の間欠回転とが並行して行われ、次に回路部品842を装着する部品吸着軸766が迅速に部品吸着装着位置に位置決めされる。
【0160】
このように、回路部品842の吸着時には、吸着管788が回路部品842に接触する前に吸着管788の先端開口部に負圧が供給されて迅速に回路部品842を吸着することができ、回路部品842の装着時には、移動部材890の下降距離および圧力切換弁860の負圧解除状態への切換時期が回路部品842の高さに応じて2種類に変更され、移動部材890の無駄な下降が少なくされるとともに、回路部品842がプリント基板408への載置後にエアの供給によって迅速に解放されることにより、部品吸着に要する時間および部品装着に要する時間が短くなり、装着能率の高い回路部品装着装置18,20が得られる。
【0161】
図25のタイムチャートに示すように、XYロボット662の作動による装着ヘッド650の水平移動,間欠回転体762の間欠回転,回路部品842の保持方位誤差の補正および変更,部品吸着軸766の部品装着のための昇降が繰り返し行われて、装着ヘッド650において保持された全部の回路部品842がプリント基板408に装着されたならば、装着ヘッド650は次に装着する回路部品842の取出しのために回路部品供給装置14へ移動する。回路部品装着装置18による回路部品842の装着中に、回路部品装着装置20は回路部品供給装置16から回路部品842の取出しを行っており、回路部品装着装置18による回路部品842の装着終了後、直ちに交替してプリント基板408への回路部品842の装着を開始する。プリント基板408へは殆ど休みなく回路部品842が装着され、能率良く装着が行われるのである。
【0162】
なお、吸着エラーが発生した場合、例えば吸着された回路部品842が予定された種類とは異なる場合、あるいは回路部品842の保持方位誤差が過大である場合等には、回路部品842はプリント基板408に装着されない。部品吸着軸766が部品吸着装着位置に位置決めされてもリニアモータ886が起動されず、部品吸着軸766が下降させられないのである。そして、装着ヘッドが保持する全部の回路部品842(吸着エラーのあった回路部品842は除く)の装着終了後、回路部品供給装置へ移動する間に装着ヘッドは図示しない回路部品収容器上へ移動させられ、エラーのあった回路部品842が捨てられる。このとき、捨てられる回路部品842を吸着した部品吸着軸766は部品吸着装着位置に位置決めされており、その部品吸着軸766が回路部品収容器上に至った後、あるいは回路部品収容器上に至る直前にリニアモータ886が起動される。作用部材952が非作用位置に、作用部材1002が作用位置に位置させられており、移動部材890の下降により作用部材1002が切換部材874に係合して負圧解除位置へ移動させ、圧力切換弁860が負圧解除状態に切り換えられて回路部品842が捨てられる。作用部材1002が上側の作用位置に位置させられていれば、下側の作用位置に位置させられた場合よりも、リニアモータ886の起動後、短い時間で回路部品842が解放される。装着ヘッドは、回路部品収容器上において停止させられた状態で回路部品842を捨てるが、回路部品収容器が長手形状の収容器であれば、装着ヘッドを停止させることなく、移動しつつ回路部品842を捨てることも可能である。
【0163】
前述のように、回路部品842を吸着した部品吸着軸766は、吸着後、次の部品吸着軸766が間欠回転体762の回転により部品吸着装着位置へ移動させられるのと並行して撮像位置に向かって移動させられ、撮像位置に至ったとき、回路部品842が回路部品撮像装置820により撮像される。しかし、部品吸着装着位置と撮像位置とは5ピッチ離れており、装着する回路部品842の数が5個以下の場合は勿論、20個であっても、予定数の回路部品842の吸着が終了したとき、撮像の済んでいない回路部品842が生ずる。
【0164】
そのため、▲1▼回路部品装着装置18,20の1回の部品吸着数が20個であり、20個の部品吸着軸766の全部が回路部品842の吸着に使用される場合であって、1番目ないし5番目に吸着される回路部品842の方位変更角度が0±15度(−15度以上+15度以下、他も同じ),90±15度,180±15度および270±15度の範囲内の場合、▲2▼回路部品装着装置18,20の1回の部品吸着数が20個であり、20個の部品吸着軸766の全部が回路部品842の吸着に使用される場合であって、1番目ないし5番目に吸着される回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲外の角度の場合、▲3▼部品吸着数が20個より少ない場合の3つの場合についてそれぞれ、予定された全部の回路部品842の吸着後における回路部品842の撮像が異なる態様で行われる。
【0165】
回路部品842は、部品吸着軸766により回路部品供給装置14,16により供給された際の方位とは異なる方位でプリント基板408に装着されることがある。方位変更角度とは、回路部品842を供給時(部品吸着軸766の部品受取り時)の方位(誤差を含まない方位)から装着時の方位へ回転させるための角度であり、回路部品842の種類,装着箇所等に応じて装着プログラムにおいて予め設定されている。なお、方位変更角度は、部品吸着軸766を一方向へ回転させる角度で設定されているが、実際の回転角度および方向は、回路部品842を最小の回転角度で方位変更角度により設定された方位へ回転させる角度および方向に設定される。
【0166】
まず、▲1▼についてを説明する。
回路部品842の吸着数が20個の場合、図30に示すように、1番目から15番目の回路部品842は、6番目から20番目の回路部品842の吸着と並行して撮像され、方位誤差角度θ1a〜θ15aが画像認識角度として取得される。そして、20番目の部品吸着軸766が回路部品842を吸着した状態から間欠回転体762が1ピッチ回転させられれば、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置に戻り、回路部品842をプリント基板408に装着することができる。
【0167】
しかし、吸着終了時には16番目ないし20番目に吸着された回路部品842(以下、16番目ないし20番目の回路部品842と称する。1番目ないし15番目に吸着された回路部品842についても同じ。)については撮像が行われていないため、1番目ないし5番目の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲内である場合は、1番目ないし5番目の回路部品842のプリント基板408への装着と並行して、16番目ないし20番目の回路部品842の撮像が行われる。
【0168】
このことは、本回路部品装着システム8において、撮像の結果、回路部品842が0度,90度,180度,270度に対して±30度の範囲を超えて傾斜している場合、吸着エラーが発生したと判断され、装着されないようにされていることと関連がある。本回路部品装着システム8においては、20個の部品吸着軸766にそれぞれ固定された被駆動歯車800は共通の駆動歯車716に噛み合わされており、プリント基板408に装着される回路部品842を回転させるとき、他の部品吸着軸766も同角度、同方向へ回転させられる。そのため、装着と撮像とが並行して行われる場合、撮像される回路部品842の方位には、その回路部品842自身の方位誤差角度のみならず、並行して装着される回路部品842の方位変更角度および方位誤差補正角度も含まれている。したがって、並行して装着される回路部品842の方位変更角度および方位誤差補正角度の方向および大きさを考慮に入れない単純な規則で、撮像された回路部品842に過大な保持方位誤差が発生しているか否かを判定するためには、回路部品842が0度,90度,180度,270度を中心として±αの範囲を外れた場合には過大な保持方位誤差が発生したとすることが必要であり、±αの大きさは、撮像される回路部品の方位誤差角度と、並行して装着される回路部品842の方位変更角度および方位誤差補正角度とを考慮して決定されるべきである。方位誤差角度と方位誤差補正角度とが0である極限の状態を考えれば、αは45度自体を除外する大きさとすればよいのであるが、実際には方位誤差角度と方位誤差補正角度とは0ではないため、45±βの範囲を除外する大きさに設定することが必要である。
【0169】
本回路部品装着システム8においては、方位誤差角度が殆どの場合±5度以内であり、何らかの異常が発生した場合でなければ±10度を超えることはないという事実を考慮して、±αが次のようにして±30度と決められている。1番目ないし5番目の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲内である場合は、1番目ないし5番目の回路部品842がプリント基板408に装着される際に回転させられるとしても殆どの場合20度以内である。例えば、保持方位誤差が+5度生じていて、方位変更角度が−15度であれば、回転角度は20度になるからである。そのため、撮像される回路部品842に保持方位誤差が+5度生じており、それに加えて20度回転させられても撮像される回路部品842の回転角度は25度であって、±30度の範囲外となることはない。なお、1番目ないし5番の回路部品842の保持方位誤差が+10度、撮像される回路部品842の保持方位誤差が+10度である場合には、撮像される回路部品842の回転角度は最大35度になるが、そのようなことは実際上、殆ど生ぜず、吸着エラーが生じていないのに生じているとして回路部品842が廃棄される確率は極めて小さく、実用上問題はない。装着と撮像とを並行して行うようにしても支障は殆どないのである。
【0170】
このように1番目ないし5番目の回路部品842の装着と、16番目ないし20番目の回路部品842の撮像とが並行して行われる場合、20個の回路部品842の吸着終了後、間欠回転体762は、XYロボットにより水平移動させられ、部品吸着装着位置がプリント基板408の部品装着箇所上へ移動させられる間に、1ピッチ間欠回転させられるとともに部品吸着軸766が自身の軸線のまわりに回転させられる。それにより1番目の回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移動させられるとともに、回路部品842は保持方位誤差を補正され、かつ、方位変更角度により設定された方位へ回転させられ、移動後、直ちにプリント基板408に装着される。
【0171】
図30に示すように、1番目の回路部品842を保持する部品吸着軸766のトータルの回転角度は(−θ1a+θ1b)であり、16番目の回路部品842の画像認識角度は、1番目の回路部品842の回転角度(−θ1a+θ1b)を含み、(θ16a−θ1a+θ1b)となる。そのため、16番目の回路部品842の装着時吸着軸トータル回転角度は、方位誤差角度(θ16a−θ1a+θ1b)を解消するための角度に自身の方位変更角度θ16bを加えた角度(−θ16a+θ1a−θ1b)+θ16bとなる。17番目ないし20番目の回路部品842についても同じである。また、2番目以降の部品吸着軸766は、先に回路部品842を装着した部品吸着軸766の回転時に同時に回転させられているため、自身が保持する回路部品842の方位誤差角度および方位変更角度に加えて、先に回路部品842を装着した部品吸着軸766の回転角度および方向に基づいて部品吸着軸766の回転角度および方向が設定される。この回転角度および方向は、回路部品842を最小の角度で方位変更角度により設定された方位へ回転させる角度および方向に設定される。
【0172】
▲2▼を説明する。
1番目ないし5番目の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲外の角度の場合、回路部品842のプリント基板408への装着開始に先立って、それら5個の回路部品842の撮像が行われる。1番目ないし5番目の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲外の角度の場合は、回路部品842が±30度以上傾いていて吸着エラーと判断されることがあり得るため、装着と撮像とが並行しては行われないのである。
【0173】
そのため、16番目ないし20番目の回路部品842の撮像は、図25のタイムチャートに示すように、装着ヘッドがXYロボットによって水平移動させられ、部品吸着装着位置がプリント基板408の部品装着箇所上へ移動させられる間に行われる。この撮像のために間欠回転体762が5ピッチ分、90度回転させられることにより、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置から撮像位置側へ4ピッチ離れた位置へ移動させられる。そのため、20番目の回路部品842の撮像後、間欠回転体762が逆方向へ4ピッチ分、回転させられ、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移動させられる。また、この移動と並行して1番目の部品吸着軸766が自身の軸線のまわりに回転させられ、回路部品842の保持方位誤差が補正されるとともに、方位変更角度により設定された方位へ回転させられる。
【0174】
この際、16番目ないし20番目の回路部品842の撮像に要する時間が装着ヘッドの水平移動に要する時間より短ければ、図25のタイムチャートに示すように、装着ヘッドの水平移動中に間欠回転体762が回転させられるとともに、部品吸着軸766が回転させられることとなる。撮像時間の方が長ければ、装着ヘッドの水平移動終了後にも間欠回転体762が回転させられるとともに部品吸着軸766が回転させられる。
【0175】
図31に示すように、1番目の回路部品842の方位誤差角度はθ1a度であり、誤差を補正するためには−θ1a度回転させることが必要である。また、方位変更角度をθ1b度とすれば、回路部品842はトータル(−θ1a+θ1b)度回転させることとなる。2番目以降の回路部品842についても同様であり、部品吸着軸766は間欠回転体762の1ピッチの回転によって部品吸着装着位置へ移動させられるのと並行して回転させられる。2番目以降の部品吸着軸766については、先に回路部品842を装着した部品吸着軸766の回転角度および方向に基づいて部品吸着軸766の回転角度および方向が設定されることは、▲1▼の場合と同じである。
【0176】
▲3▼を説明する。
装着する回路部品842の数が15個ないし19個の場合、吸着する全部の回路部品842の数をN個とすれば、先頭から数えて(N−15)個の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲外の角度であれば、前記▲2▼の場合と同様に、予定された全部の数の回路部品842の吸着後、全部の回路部品842について撮像が行われた後に、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置に戻されて回路部品842を装着する。
【0177】
なお、吸着する回路部品842の数が15個の場合、(N−15)は0であり、回路部品842の撮像位置への到達と部品吸着装着位置への到達とが並行して起こることはなく、部品吸着終了後、装着を伴わない間欠回転が5回行われ、全部の回路部品842が撮像される。回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲内の場合も同じである。
【0178】
先頭から数えて(N−15)個の回路部品842の方位変更角度が0±15度,90±15度,180±15度および270±15度の範囲内であれば、間欠回転体762の間欠回転により、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ到達するまでの間、撮像位置に至った部品吸着軸766が保持する回路部品842の撮像のみが行われ、1番目の回路部品842が部品吸着装着位置に至った後は、装着と撮像とが並行して行われる。撮像のみが(20−N)回行われる。換言すれば、(20−N)回の装着を伴わない間欠回転が行われるのである。
【0179】
例えば、装着される回路部品842の数が17個の場合、図32に示すように、全部の回路部品842の吸着後、回路部品842の装着を伴わない間欠回転体762の間欠回転が3回行われ、1番目の回路部品842が部品吸着装着位置に向かって移動させられるとともに、13番目ないし15番目の回路部品842が撮像される。4ピッチ目の回転により1番目の回路部品842が部品吸着装着位置に到達するため、この間欠回転の間に部品吸着軸766が自身の軸線のまわりに回転させられ、回路部品842の保持方位誤差が補正されるとともに、方位変更角度により設定された方位へ回転させられる。16番目および17番目の回路部品842の撮像は1番目および2番目の回路部品842の装着と並行して行われ、それらの画像認識角度には、1番目および2番目の回路部品842の回転角度が含まれることとなる。
【0180】
17個の回路部品842の吸着後、装着ヘッドが水平移動させられ、プリント基板408上へ移動させられる。この間に13番目ないし15番目の回路部品842の撮像が行われ、撮像が水平移動より先に終了すれば、水平移動と並行して1番目の部品吸着軸766の部品吸着装着位置への移動および回転が行われる。撮像時間の方が長ければ、装着ヘッドの水平移動の終了後にも撮像が行われるとともに、1番目の部品吸着軸766の部品吸着装着位置への旋回および自身の軸線まわりの回転が行われることとなる。
【0181】
装着される回路部品842の数が14個以下の場合、装着と撮像とが並行して行われることはなく、6個以上14個以下の場合は、全部の回路部品842の吸着後に間欠回転体762が5回間欠回転させられて、全部の回路部品842が撮像される。また、装着される回路部品842の数が5個以下の場合は、回路部品842の数だけ間欠回転体762が間欠回転させられる。ただし、5個以下の場合は、装着される回路部品842が全部吸着されても、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766は撮像位置に至らない。そのため、全部の回路部品842が吸着された後、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766を撮像位置に移動させるべく、間欠回転体762が回路部品842が位置する位置と、撮像位置との間のピッチ分、一度に回転させられ、その後、間欠回転体762がN回間欠回転させられて撮像が行われる。
【0182】
このように装着される回路部品842の数が14個以下の場合も、撮像は間欠回転体762の水平移動と並行して行われ、撮像が水平移動より先に終了すれば、水平移動と並行して間欠回転体762が回転させられ、1番目の部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移動させられるとともに自身の軸線のまわりに回転させられる。撮像が水平移動の後に終了すれば、撮像の終了後、1番目の部品吸着軸766が部品吸着装着位置へ移動さらせれるとともに、自身の軸線のまわりに回転させられる。また、撮像終了後、1番目に回路部品842を吸着した部品吸着軸766を部品吸着装着位置へ移動させるとき、間欠回転体762の回転方向は、最も回転角度が少なくて済む方向に設定される。
【0183】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、部品吸着軸766は部品保持具の一種である部品吸着具であって、部品保持具の一種である部品保持軸を構成し、部品吸着ノズル784が部品吸着軸766の部品保持部たる部品吸着部を構成している。旋回用サーボモータ742および制御装置1050の旋回用サーボモータ742を制御して間欠回転体762を間欠回転させる部分が、20個の部品吸着軸766を部品吸着装着位置および撮像位置に順次位置決めする保持具位置決め装置を構成し、搬送用移動部材たるX軸スライド654,656を有するXYロボット662,664が搬送用移動装置を構成している。
メインコンベヤ400,402の昇降台598,昇降台昇降装置600,基板吸着具602および案内部材566,568の押さえ部570,572が回路基材保持装置を構成している。また、間欠回転体762,被駆動プーリ740,駆動プーリ744等が上記保持具位置決め装置と共に保持具旋回装置の一種である吸着具旋回装置を構成している。前記搬送用移動装置は保持具旋回装置を保持して移動するのであり、吸着具旋回装置は、XYロボットと共に吸着具移動装置を構成している。
さらに、リニアモータ886は、昇降駆動部材892を昇降させる昇降駆動装置を構成し、昇降駆動部材892と共に、部品受取装着位置である部品吸着装着位置近傍に位置する部品吸着軸766を昇降させる個別の昇降装置を構成している。カム部材たる固定カム712,カムフォロワ804,圧縮コイルスプリング806が、部品保持具を移動軌跡に沿って昇降させる昇降装置を構成している。制御装置1050の部品吸着装着位置において部品吸着軸766に回路部品供給装置14,16から供給される回路部品842を受け取らせ、あるいはプリント基板408に回路部品842を装着させる部分が受取装着制御装置を構成している。制御装置1050は、保持具旋回装置,搬送用移動装置,個別昇降装置および受取装着制御装置を制御するのである。さらに、複数の部品吸着軸766,保持具旋回装置,搬送用移動装置,個別昇降装置および受取装着制御装置が装着ユニットを構成し、本実施形態においては装着ユニットが2セット設けられており、制御装置1050のそれら2セットの装着ユニットを制御し、回路部品842の受取りおよび装着を交互に行わせる部分が交互装着制御手段を構成している。制御装置1050の部品吸着軸766による回路部品842の保持位置誤差に基づいて搬送用移動装置の移動距離を補正し、保持具旋回装置の回路基材保持装置に対する位置決めを補正する部分が位置決め補正手段を構成している。さらに、駆動歯車716,被駆動歯車800,駆動源たる方位補正変更用サーボモータ724が保持具回転装置を構成し、制御装置1050の回路部品842の保持方位誤差に基づいて保持具回転装置を制御し、保持方位誤差を補正する部分が方位補正手段を構成している。また、図30および図32に基づいて説明したように、制御装置1050の部品吸着軸766による回路部品842の装着と回路部品撮像装置820による回路部品842の撮像とを並行して行わせる部分が並行撮像制御手段を構成している。
間欠回転体762は、部品保持具の軸部材を軸方向に移動可能かつ回転可能に保持し、その軸部材の軸線と交差する方向に移動する移動部材であり、間欠回転により回路部品を搬送する回路部品搬送装置の構成要素でもある。
さらに、制御装置1050の主エアシリンダ930,974,補助エアシリンダ984を制御する部分がアクチュエータ制御装置を構成し、それら主エアシリンダ930,974,補助エアシリンダ984等と共に、昇降駆動部材892が部品吸着ノズル784を下降させるのに伴って切換部材874を圧力切換弁860が部品吸着ノズル784内の圧力を大気圧以上から負圧に切り換える負圧供給位置へ移動させる吸着実現状態と、昇降駆動部材892が部品吸着ノズル784を下降させるのに伴って切換部材874を圧力切換弁860が部品吸着ノズル784内の圧力を負圧から大気圧以上の圧力に切り換える負圧解除位置へ移動させる解放実現状態とに切換えが可能な切換弁制御装置882を構成している。また、リンク1030,ローラ1036,1042が、昇降駆動部材892の移動方向を逆にして移動部材1034に伝達する伝達装置を構成し、作用部材1002を付勢する引張コイルスプリング1006が、主エアシリンダ974および補助エアシリンダ984により作用部材1002に与えられる作動力が設定値を超えた場合には、作用部材1002がエアシリンダ974,984に対して相対移動することを、弾性的な抵抗を付与しつつ許容する相対移動許容装置を構成し、作用部材952を付勢する圧縮コイルスプリング962も同様に相対移動許容装置を構成している。通路1020,1022が作用部材1002に形成された正圧供給通路を構成し、圧力切換弁860内に形成され、通路1020,1022に連通させられてエアが供給される通路も通路1020,1022と共に正圧供給通路を構成している。
【0184】
前記実施形態においては、間欠回転体の回転軸線が垂直とされていたが、図33に示す間欠回転体1500のように傾斜させてもよい。間欠回転体1500を構成する回転軸1502は、図示しないXYロボットのX軸スライドにより、水平な搬送平面に対して傾斜した軸線まわりに回転可能に支持されている。回転軸1502の下端部には部品吸着軸保持部材1504が同心に固定されており、部品吸着軸保持部材1504には、間欠回転体1500の回転軸線を中心線とする円錐面の複数の母線の各々を中心線として複数の嵌合穴1508が形成されており、各嵌合穴1508に複数の部品吸着軸1506が保持されている。間欠回転体1500の回転軸線は、水平な搬送平面に対する垂線に対して、上記円錐面の一母線が搬送平面と直交する状態となる角度だけ傾斜させられており、その直交する状態となる位置が部品吸着装着位置とされ、部品吸着軸1506は、垂直な姿勢で回路部品の吸着,装着を行う。部品吸着軸1506は、前記部品吸着軸766と同様に、軸部1512および部品吸着ノズル1516を有する。
【0185】
複数の嵌合穴1508にはそれぞれ軸受部材1510が嵌合され、固定されており、これら軸受部材1510の各々に部品吸着軸1506の軸部1512が回転可能かつ軸方向に移動可能に嵌合されている。軸受部材1510は間欠回転体1500に固定されていて間欠回転体1500の一部を成しており、軸受部材1510内の穴が、回転体に形成されて部品保持具の軸部が回転可能かつ軸方向に移動可能に嵌合される保持穴を構成している。
【0186】
軸部1512の軸受部材1510から突出させられた上端部に被駆動歯車1518が同心に固定されるとともに、駆動歯車としてのかさ歯車1520に噛み合わされている。かさ歯車1520は、前記回転軸1502に軸受1522を介して回転可能に嵌合された中空軸1524に固定されており、中空軸1524が図示しない方位補正変更用サーボモータによって回転させられることにより回転させられる。被駆動歯車1518の幅、すなわち部品吸着軸1506の軸線に平行な方向であって、被駆動歯車1518の回転軸線に平行な方向の寸法は、かさ歯車1520の幅(被駆動歯車1518の回転軸線に平行な方向の寸法)より広くされており、部品吸着軸1506が昇降させられても、被駆動歯車1518とかさ歯車1520との噛合いが外れることはない。
【0187】
部品吸着軸1506は、軸受部材1510と被駆動歯車1518との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング1526により、上方へ付勢されている。圧縮コイルスプリング1526の一端部は被駆動歯車1518により受けられ、他端部はリテーナにより保持されるとともに、軸受1528を介して軸受部材1510により回転可能に支持され、部品吸着軸1506と共に回転するようにされている。
【0188】
部品吸着装着位置の近傍には、個別昇降装置および切換弁制御装置の主要部が設けられている。個別昇降装置は図示しないリニアモータによって昇降させられる昇降駆動部材1530を有し、切換弁制御装置は、図示は省略するが、前記実施形態の切換弁制御装置と同様に個別昇降装置により作動させられ、圧力切換弁1532を負圧供給状態と負圧解除状態とに切り換える。
なお、本実施形態の回路部品装着装置においては、間欠回転体の回転時に部品吸着軸を軸方向に移動させるカム部材およびカムフォロワは設けられておらず、間欠回転体1500の回転時に部品吸着軸1506は、間欠回転体1500の回転軸線を中心として旋回させられるのみである。
【0189】
回路部品の吸着時には、複数の部品吸着軸1506は、間欠回転体1500の間欠回転により順次部品吸着装着位置へ移動させられる。この間欠回転時にかさ歯車1520が間欠回転体1500と同方向に同角速度で回転させられ、部品吸着軸1506は自身の軸線のまわりに回転させられず、高さ(水平な搬送平面に対する距離)が変化しながら旋回する。部品吸着装着位置に位置決めされた部品吸着軸1506は、昇降駆動部材1530が下降させられることにより、圧縮コイルスプリング1526の付勢力に抗して下降させられ、回路部品を吸着する。吸着後、昇降駆動部材1530が上昇させられれば、部品吸着軸1506は圧縮コイルスプリング1526の付勢力により上昇させられる。被駆動歯車1518の幅はかさ歯車1520の幅より広くされており、部品吸着軸1506の昇降時に両歯車1518,1520は噛み合った状態に保たれる。
【0190】
吸着後、回路部品が回路部品撮像装置により撮像され、装着時に部品吸着軸1506が自身の軸線のまわりに回転させられて、回路部品の保持方位誤差が補正されるとともに、予め設定された方位へ回転させられる。かさ歯車1520が間欠回転体1500に対して相対回転させられ、被駆動歯車1518が回転させられて部品吸着軸1506が自身の軸線のまわりに回転させられるのである。そして、部品吸着軸1506は、部品吸着装置位置において昇降駆動部材1530により下降させられ、回路部品を回路基材に装着する。
【0191】
このように間欠回転体1500の回転軸線を水平な搬送平面に対して傾斜させれば、間欠回転体1500が回転させられるとき、部品吸着軸1506が旋回させられつつ昇降させられ、それにより形成される上下方向の隙間に回路部品撮像装置を設けることができる。
【0192】
なお、先の説明において20個の部品吸着ノズル784は種類が同じであって、各吸着管788の径は同じとされ、図16に概略的に示すように等角度間隔に設けられていたが、図34に概略的に示すように、吸着管の径が大小2種類に異なる10個ずつの部品吸着ノズル1330と1332とを等角度間隔にかつ交互に設けてもよい。なお、図34に図示されているのは、部品吸着ノズル1330,1332の反射板である。これら部品吸着ノズル1330および1332は、図35に概略的に示すように、吸着管の径が同じ部品吸着ノズル同士を寄せて設けてもよい。
【0193】
さらに、図36に示すように、吸着管の径が異なる3種類の部品吸着ノズル1340,1342および1344を設けることも可能である。吸着管の径に関係なく、部品吸着軸の軸部の直径が同じであり、共通の保持穴に嵌合可能であれば、吸着管の径が大きい部品吸着ノズルを有する部品吸着軸については、保持穴に1個おきにあるいは複数個おきに嵌合すればよい。吸着管の径に応じて部品吸着軸の軸部の径が異なり、共通の保持穴を使用できなければ、間欠回転体を部品吸着軸の軸部の径に応じた複数種類の保持穴を有するものとすればよい。
さらにまた、間欠回転体に保持させる全部の部品吸着軸を、吸着管の径が部品吸着ノズル1344のように大きい部品吸着ノズルを有するものとし、部品吸着軸を10個等角度間隔に設けてもよい。部品吸着ノズル1344より更に大きい径の吸着管を有する部品吸着ノズルが取り付けられた部品吸着軸を設けてもよい。さらに部品吸着ノズルを4種類以上設けてもよい。
回路部品の大きさに応じた径の吸着管を有する部品吸着ノズルを設ければ、大きい回路部品でも確実に保持されるため、間欠回転体の間欠回転速度を低くしなくても回路部品がずれることがなく、装着能率の低下を回避することができる。
【0194】
さらに、前記実施形態において、部品吸着具内の圧力増大後における部品吸着具からのエアの噴出流量を調節する可変絞り弁1026は、圧力切換弁860と直列に設けられていたが、図37に示すように圧力切換弁1400と並列に設けてもよい。例えば、圧力切換弁1400のエアが供給される部分の一部を大気に連通させるとともに、可変絞り手段としての可変絞り弁1402を設けるのである。当接部材が切換部材に当接する前に電磁開閉弁1404が開かれていて、エア供給源1406から絞り1408を介してエアが供給され(図中、白丸が当接部材と切換部材との当接を表す)、圧力切換弁1400が負圧解除状態に切り換えられれば、エアが吸着管1410に供給される。吸着管1410の圧力が大気圧近くあるいは大気圧以上になるまでは、エアの多くは吸着管1410に供給され、圧力増大後は可変絞り弁1402から大気中に流出するエアの流量が増大して、吸着管1410には回路部品を離間させるのに適当な量のエアが供給される。
【0195】
可変絞り弁1402の絞り作用を強くすれば(エアの漏れ量を少なくすれば)、吸着管1410の圧力が大気圧近くあるいは大気圧以上になったときの吸着管1410からのエアの噴出流量が多くなり、絞りを弱くすれば、吸着管1410からのエアの噴出流量が少なくなる。圧力切換弁1400は20個の部品吸着軸の各々について設けられており、装着する回路部品の種類が変わり、部品吸着ノズルが交換されれば、その部品吸着ノズルの吸着管の径に応じて可変絞り弁1402の絞り量を調節する。それにより吸着管の径に応じた量のエアが供給され、回路部品が多量のエアによって吹き飛ばされることなく、迅速かつ確実に吸着管から離間させられる。
【0196】
なお、エアの漏れ量を可変絞り弁1402によって調節するとともに、絞り1408を可変絞りとし、エア供給源から供給されるエアの流量をも調節するようにすれば、圧力切換弁の負圧解除状態への切換直後と部品吸着ノズル内の圧力増大後とにおける部品吸着ノズルへのエアの流量の比を一層正確に調節できる。
【0197】
また、前記実施形態においては、当接部材1014に溝1016が形成されて、当接部材1014が切換部材874に接触した状態においても通路1022等を大気に連通させていたが、溝1016に代えて、貫通孔を設けてもよい。当接部材1014の上面に開口する通路1022と交差し、当接部材1014を貫通する貫通孔を設けてエアを流出させるのである。
【0198】
図33に示す実施形態においては、被駆動歯車1518の幅はかさ歯車1520の幅より広くされていたが、逆に、かさ歯車の幅を被駆動歯車の幅より広くしてよい。
【0199】
また、図33に示す実施形態においても、図1〜図32に示す実施形態におけと同様にカム部材およびカムフォロワを設け、間欠回転体の回転により部品吸着が旋回するとき、部品吸着軸を軸方向に移動させてもよい。
【0200】
先の説明においてフィーダ54は、プリント基板408への回路部品842の装着順に並べられ、20個の部品吸着ノズル784が間欠回転体762に設けられた順に回路部品842を吸着し、装着するようにされており、吸着時,装着時における間欠回転体762の移動距離が少なくて済むようにされているものとしたが、例えば、回路部品供給装置14,16が複数種類のプリント基板408への回路部品842の装着に使用される場合には、すべての種類のプリント基板408について、フィーダ54の並び順とプリント基板408の回路部品の装着順とを同じにすることはできない。
この場合に間欠回転体762を1ピッチずつ間欠回転させて20個の部品吸着ノズル784に回路部品842を装着順に吸着させようとすれば、順不動に並んでいるフィーダ54のうち次に吸着させるべき回路部品を収容しているものの位置へ間欠回転体762を順次移動(X軸方向の移動)させることが必要であり、部品吸着のための間欠回転体762の移動距離が長くなることを避け得ない。逆に、間欠回転体762を1ピッチずつ間欠回転させつつフィーダ54の並び順に従って回路部品842を吸着させることにすれば、間欠回転体762の移動距離は最短となる(不要な回路部品842を収容しているフィーダ54をパスするために間欠回転体762の移動距離が大きくなることはあるが、これは止むを得ない)が、プリント基板408への装着順が最適ではなくなって、装着のための間欠回転体762の移動(X,Y軸方向の移動)距離が長くなることを避け得ない。これら2つのモードのいずれかを固定的に選択して実施することも可能であるが、部品装着作業能率向上の観点からは、部品吸着のための間欠回転体762の移動距離と装着のための間欠回転体762の移動距離との和が最小になるように吸着順序と装着順序との両方を適宜変更するモードが好適である。この移動距離の和が最小となるようにする対策と共に、あるいはその対策に代えて、間欠回転体762の間欠回転角度が複数ピッチや逆回転を含むことを許容すれば、それによっても部品装着作業能率を向上させることができる。
以上、説明の容易化のために間欠回転体に搭載される部品保持具は一種類としたが、実際には複数種類とされることもあり、その場合には、さらに部品保持具の種類や配列をも考慮して、効率良く回路部品を吸着,装着するように、吸着順序および装着順序を設定することが望ましい。例えば、間欠回転体に複数種類の部品保持具が搭載され、あるいは2種類の異なる部品保持具が交互に設けられる場合等には、間欠回転体を部品保持具の配設ピッチとは異なる角度で正方向あるいは逆方向に回転させて、複数の部品保持具に、間欠回転体に搭載された順序とは異なる順序で回路部品を吸着および装着させて、回路部品の吸着,装着を効率良く行うようにするのである。
【0201】
さらに、前記実施形態において、メインコンベヤは2つ設けられていたが、3つ以上設けてもよい。その場合、複数個の流体圧シリンダを組み合わせて搬入コンベヤおよび搬出コンベヤをそれぞれ、メインコンベヤにつらなる3つ以上のシフト位置へシフトさせてもよく、あるいはサーボモータを駆動源としてシフトさせてもよい。例えば、コンベヤ支持台に搬入コンベヤの移動範囲にわたってねじ軸を設けるとともに搬入コンベヤに固定のナットを螺合し、ねじ軸をサーボモータにより回転させて搬入コンベヤを3つ以上のシフト位置へ選択的に移動させるのである。
【0202】
サーボモータを用いて搬入コンベヤおよび搬出コンベヤを移動させるのであれば、搬入コンベヤおよび搬出コンベヤを任意の位置に停止させることができ、シフト位置以外の任意の位置にも停止させることができる。例えば、搬入コンベヤ,搬出コンベヤおよび2つのメインコンベヤを備えた回路部品装着システムの上流側の装置がスクリーン印刷機あるいは接着剤塗布装置等の高粘性流体塗布装置を有する塗布システムであって、回路基材を回路部品装着システムに引き渡すためのコンベヤが2つ並列に設けられているが、それらコンベヤの配設ピッチ(コンベヤが並ぶ方向の距離)が2つのメインコンベヤの配設ピッチと異なることがあり、搬入コンベヤは、2つのメインコンベヤとつらなるシフト位置以外に、上流側装置の2つのコンベヤにつらなって回路基材を受け取る受取位置へ移動しなければならない。そのような場合、搬入コンベヤをサーボモータを駆動源として移動させるのであれば、プログラムの設定により、搬入コンベヤを2つのシフト位置の他に2つの受取位置においても停止させ、回路基材を受け取らせることができる。
回路部品装着システムの下流側に設けられた下流側装置が、例えば、半田を溶融させて回路部品を回路基材に電気的に接続するリフロー炉を有する半田溶融システムであったり、あるいはコンデンサ等、1つの回路基材への装着数が少ない回路部品を装着する装置を有する回路部品装着システム等であって、回路基材を搬出コンベヤから受け取って搬送するコンベヤが2つ並列に設けられており、それらコンベヤの配設ピッチが2つのメインコンベヤの配設ピッチと異なる場合も、搬出コンベヤをサーボモータを駆動源として移動させることにより、対応することができる。
【0203】
また、先の説明においては、1番目ないし5番目の回路部品の方位変更角度が0±15度、90±15度、180±15度、270±15度の範囲外の角度のとき、装着ヘッドが予定された全部の回路部品を回路部品供給装置から取り出した後、プリント基板への移動中に撮像が行われ、移動後、迅速に回路部品のプリント基板への装着を開始することができるようにされているが、取り出した全部の回路部品について撮像を行った後にプリント基板へ移動させてもよい。装着する回路部品の数が19個以下であって、全部の回路部品の吸着後に撮像のみが行われる場合も同様である。
【0204】
また、前記実施形態において、部品収容テープはエンボスタイプのテープとされており、回路部品の種類が異なっても、回路部品の上面の上下方向(部品保持軸の移動方向に平行な方向)の位置は一定とされていたが、例えば、部品保持テープがエンボスタイプではなく、テープ状収容容器の回路部品が収容された部分が下方から支持されて搬送されるタイプのテープである場合、回路部品の高さによって回路部品の上面の位置が異なる。この場合、部品吸着軸が回路部品を吸着する際の負圧の供給タイミングおよび部品吸着軸の昇降距離は回路部品の高さに応じて調節することが望ましい。例えば、装着時に圧力切換弁の負圧解除状態への切換えタイミングを2種類に変更するのと同様に、圧力切換弁の切換部材を負圧供給位置へ移動させる作用部材について、主および補助のアクチュエータたる主および補助のエアシリンダを設け、作用部材の作用位置を2種類に変更するようにする。また、昇降駆動部材の昇降距離も2種類に変更し、高さが大きい回路部品については昇降距離を短くする。
圧力切換弁の切換タイミングは、負圧供給状態に切り換える場合でも、負圧解除状態に切り換える場合でも、2種類に限らず、例えば、補助アクチュエータを2個以上互いに直列に設けて3種類以上に変更するようにしてもよい。
【0205】
さらに、プリント基板の基準マークの撮像は、プリント基板への回路部品の装着が行われている間に限らず、装着終了時あるいは装着終了直前に行うようにしてもよい。次に回路部品の装着が行われるプリント基板を支持するメインコンベヤと同じ側に設けられた回路部品装着装置において、回路部品の装着が、その回路部品装着装置にとって1枚のプリント基板への最後の装着であるか否かは装着プログラムからわかり、最後であれば、回路部品供給装置へ回路部品を取出しに行く途中で撮像を行うのである。その回路部品装着装置による装着でプリント基板への回路部品842の装着が終了するのであれば、プリント基板の回路部品への装着終了後に基準マークの撮像が行われることとなり、次に他方の回路部品装着装置により回路部品の装着が行われてプリント基板への回路部品842の装着が終了するのであれば、装着の終了直前に基準マークの撮像が行われることとなる。コンピュータは、回路部品の装着やプリント基板の搬入,搬出等の制御の間に撮像データに基づいてプリント基板の部品装着箇所の位置誤差を演算し、メモリに格納する。プリント基板への回路部品の装着開始前に全部の部品装着箇所の位置誤差が演算されていることは不可欠ではなく、回路部品の装着と並行して演算してもよい。そのようにすれば、保持方位誤差や保持位置誤差を記憶する記憶手段の記憶容量が少なくて済む。
【0206】
また、先の説明において、回路部品に±30度を超える保持方位誤差があれば、その回路部品は装着されないようにされていたが、吸着エラーの判定範囲を更に広くし、例えば±40度とすれば、回路部品に前記実施形態より広い範囲、例えば±15度の範囲で保持方位誤差が生ずることがあっても(保持方位誤差は殆どの場合、±10度の範囲内に収まり、何らかの異常が発生した場合でなければ±15度を超えることはない場合)、吸着エラーが生じているとされることなく、装着と撮像とを並行して行うことができる。
さらに、回路部品の装着と撮像とを並行して行う際の方位変更角度は±15度の範囲内に限らず、他の角度範囲に設定することができる。例えば、回路部品に生ずる保持方位誤差が殆どの場合、±5度の範囲内に収まるとき、吸着エラーの判定範囲を±40度にすれば、回路部品の方位変更角度が±30度の範囲内であっても、装着と撮像とを並行して行うことができる。
【0207】
また、部品保持具の保持方位誤差の補正および方位の変更は、部品保持具の旋回中に限らず、停止した状態で行ってもよい。
【0208】
さらに、前記実施形態において部品保持具は、停止位置の前後において移動(旋回)させられるとともに下降,上昇させられるようになっていたが、停止位置の前と後とのいずれか一方において移動(旋回)と下降,上昇とが並行して行われるようにしてもよい。
【0209】
また、部品保持具は旋回を止めないで昇降させてもよい。昇降駆動部材の下面が部品保持具の旋回方向において、部品保持具の昇降させられる間の旋回距離以上の長さを有するものであれば、部品保持具を停止させずに昇降させることが可能である。部品保持具の旋回を止めない場合、部品保持具は常に一定の速度(角速度)で旋回させてもよく、昇降が行われる領域の前後において減速,加速し、昇降時には旋回速度が小さくなるようにしてもよい。
【0210】
この場合にも、昇降駆動部材が誤作動等により、部品保持具の昇降以外のときに下降位置にあれば、部品保持具の旋回に伴って昇降駆動部材が退避位置へ退避させられて損傷が回避される。また、切欠は浅いため、カムフォロワは切欠を通過することができ、カムフォロワが切欠に嵌入したまま部品保持具が無理に旋回させられて損傷することが回避される。昇降駆動部材が移動検知装置により検知されるが、この検知に基づいて部品保持具が停止させられるまでの間、部品保持具は旋回しており、カムフォロワが切欠を通過することにより損傷が回避されるのである。また、移動検知装置が設けられておらず、部品保持具の旋回が止められなくても、部品保持具等が損傷することがない。
なお、部品保持具が停止させられる場合であっても、何らかの事情でカムフォロワが切欠に嵌入したままの状態で部品保持具の旋回が開始されることがあっても、カムフォロワが切欠を通過することにより損傷が回避される。
【0211】
さらに、前記実施形態において昇降駆動部材は、部品吸着軸の回路部品を吸着し、装着する際の旋回時に、リニアモータ等の誤作動等によって下降位置にあるときに退避位置へ回動させられるようになっていたが、部品吸着軸が逆方向に旋回させられる場合にも、昇降駆動部材が誤作動等により下降位置にあるとき、部品吸着軸により退避位置へ回動させられるようにしてもよい。
【0212】
また、先の説明において、回路部品の装着時にリニアモータにより下降させられる移動部材の下降速度は、加速後、減速させられて、回路部品がプリント基板に接触させられるときに衝撃少なく接触させられ、減速を続けて下降端位置まで下降させられるようになっていたが、回路部品がプリント基板に接触した後は、加速して移動部材が迅速に下降端位置へ到達するようにしてもよい。
【0213】
さらに、図1ないし図32に示す実施形態において、駆動歯車の幅が被駆動歯車の幅より広くされていたが、逆でもよい。
【0214】
また、部品保持具に保持された回路部品を撮像する撮像装置は、回路部品の正面像を取得するものとしてもよい。
【0215】
さらに、先の説明においては部品保持具が自身の軸線のまわりに回転させられることにより、回路部品の保持方位誤差が補正されるとともに、回路部品の方位が受取り時とは異なる方位に変更されるようになっていたが、回路部品を方位を変更しないで回路基材に装着し、保持方位誤差の補正のみが行われることもある。
【0216】
さらに、本発明は、前記各実施形態の構成要素の組合わせを変えた態様で実施することができる。
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1ないし第3,第5および第6発明に共通の一実施形態である回路部品装着装置を備えた回路部品装着システムを示す平面図である。
【図2】上記回路部品装着システムを構成する基板コンベヤを示す正面図である。
【図3】上記回路部品装着システムを構成する基板コンベヤおよび回路部品装着装置を示す側面図である。
【図4】上記基板コンベヤを取り出して示す平面図である。
【図5】上記基板コンベヤを構成するメインコンベヤを示す側面図である。
【図6】上記基板コンベヤの搬入コンベヤ,メインコンベヤおよび搬出コンベヤの各搬送幅を調節するためのチェーンおよびスプロケットの配置を示す図である。
【図7】上記回路部品装着システムを構成する回路部品供給装置を示す側面図である。
【図8】上記回路部品供給装置と回路部品装着システムの基台との接続部分を示す側面図(一部断面)である。
【図9】上記回路部品供給装置を構成するフィーダを示す側面図である。
【図10】上記フィーダの部品保持テープの送りの部分を拡大して示す側面図である。
【図11】上記回路部品装着装置を構成する装着ヘッドをX軸スライドと共に示す正面図(一部断面)である。
【図12】上記装着ヘッドに設けられた部品吸着軸を示す正面断面図である。
【図13】上記装着ヘッドの回路部品撮像装置が設けられた部分を示す平面図である。
【図14】上記装着ヘッドを示す平面図である。
【図15】上記装着ヘッドをX軸スライドと共に示す正面図である。
【図16】上記装着ヘッドに設けられた部品吸着軸の配置を概略的に示す図である。
【図17】上記装着ヘッドに設けられた切換弁制御装置の機構部を示す平面図である。
【図18】上記切換弁制御装置の機構部を示す正面図である。
【図19】上記切換弁制御装置の機構部を示す側面図である。
【図20】上記切換弁制御装置の圧力切換弁を負圧供給状態に切り換える側の部分および個別昇降装置を示す正面図である。
【図21】上記切換弁制御装置の圧力切換弁を負圧供給状態に切り換える側の部分および個別昇降装置を示す側面図である。
【図22】図20におけるXXII-XXII 断面図である。
【図23】上記切換弁制御装置の圧力切換弁を負圧供給状態に切り換える側の作用部材を主エアシリンダと共に示す正面断面図である。
【図24】本回路部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を概略的に示すブロック図である。
【図25】上記回路部品装着システムの回路部品の吸着,撮像,搬送および装着の1態様におけるXYロボットの移動,間欠回転体の回転,部品吸着軸の回転および昇降,フィーダにおける部品保持テープの送りおよび回路部品撮像装置の作動タイミングを示すタイムチャートである。
【図26】回路部品の吸着,装着時における切換弁制御装置の主エアシリンダおよび補助エアシリンダの駆動指令および作動状態を示す図表である。
【図27】回路部品吸着時における切換弁制御装置の作動状態を示す側面図である。
【図28】小さい回路部品の装着時における切換弁制御装置の作動状態を示す側面図である。
【図29】大きい回路部品の装着時における切換弁制御装置の作動状態を示す側面図である。
【図30】回路部品の吸着数が20個であって、回路部品の撮像と装着とが並行して行われる態様での方位誤差角度,画像認識角度,方位誤差補正角度,方位変更角度および装着時吸着軸トータル回転角度を示す図表である。
【図31】回路部品の吸着数が20個であって、回路部品の撮像が装着とは別に行われる態様での方位誤差角度,画像認識角度,方位誤差補正角度,方位変更角度および装着時吸着軸トータル回転角度を示す図表である。
【図32】回路部品の吸着数が17個の場合における方位誤差角度,画像認識角度,方位誤差補正角度,方位変更角度および装着時吸着軸トータル回転角度を示す図表である。
【図33】第1,第2,第4ないし第6発明に共通の実施形態である回路部品装着装置の装着ヘッドの要部を示す正面図(一部断面)である。
【図34】装着ヘッドに2種類の部品吸着ノズルが搭載される場合の部品吸着ノズルの配置の一例を概略的に示す図である。
【図35】装着ヘッドに2種類の部品吸着ノズルが搭載される場合の部品吸着ノズルの配置の別の態様を概略的に示す図である。
【図36】装着ヘッドに3種類の部品吸着ノズルが搭載される場合の部品吸着ノズルの配置を概略的に示す図である。
【図37】回路部品装着装置を構成する切換弁制御装置において部品吸着ノズルへのエアの供給を制御する部分の別の態様を示す回路図である。
【符号の説明】
8:回路部品装着システム 12:基板コンベヤ 14,16:回路部品供給装置 18,20:回路部品装着装置 400,402:メインコンベヤ404:搬入コンベヤ 406:搬出コンベヤ 408:プリント基板
438:搬入コンベヤシフト装置 508:搬出コンベヤシフト装置
650,652:装着ヘッド 662,664:XYロボット 712:固定カム 716:駆動歯車 724:方位変更用サーボモータ 742:旋回用サーボモータ 762:間欠回転体 776:部品吸着軸 784:部品吸着ノズル 800:被駆動歯車 804:カムフォロワ 808:カム面 820:回路部品撮像装置 842:回路部品 860:圧力切換弁 880:個別昇降装置 882:切換弁制御装置 890:移動部材 892:昇降駆動部材 930:主エアシリンダ 952:作用部材 974:主エアシリンダ 984:補助エアシリンダ 1002:作用部材 1030:リンク 1050:制御装置 1330,1332,1340,1342,1344:部品吸着ノズル 1400:圧力切換弁
1500:間欠回転体 1506:部品吸着軸 1516:部品吸着ノズル
1518:被駆動歯車 1520:駆動歯車 1530:昇降駆動部材
1532:圧力切換弁

Claims (6)

  1. それぞれ軸部の下端に回路部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持具と、
    回転軸線のまわりに回転させられるとともに、回転軸線から等距離の位置に複数個形成された保持穴の各々に前記複数の部品保持具の各軸部が回転可能かつ軸方向に移動可能に嵌合された回転体と、
    その回転体と同心に設けられ、駆動源により任意の角度回転させられる駆動歯車と、
    前記部品保持具の各々に同心に固定され、前記駆動歯車と噛み合わされた複数の被駆動歯車と、
    前記部品保持具を軸方向に移動させることによりそれら部品保持具の各部品保持部を昇降させる昇降装置と
    を含み、かつ、前記駆動歯車と前記被駆動歯車とが前記昇降装置による前記部品保持具の軸方向移動にかかわらず噛み合い状態を保つものであることを特徴とする回路部品搬送装置。
  2. さらに、前記回転体を保持し、回転体の回転軸線と交差する一平面である搬送平面内の任意の位置に移動させる搬送用移動装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路部品搬送装置。
  3. 前記回転軸線が前記搬送平面と直交し、前記保持穴が回転軸線に平行に形成された請求項2に記載の回路部品搬送装置。
  4. 前記複数の保持穴が、前記回転体の回転軸線を中心線とする円錐面の複数の母線の各々を中心線として形成されており、回転体の回転軸線が、前記搬送平面に対する垂線に対して、前記円錐面の一母線が前記搬送平面と直交する状態となる角度だけ傾斜させられた請求項2に記載の回路部品搬送装置。
  5. 前記昇降装置が、
    前記複数の部品保持具の各軸部の各部品保持部とは反対側の端部に設けられたカムフォロワと、
    前記回転体と同心に配設され、前記カムフォロワと係合するカム面を備え、回転体の回転に伴って部品保持具を軸方向に移動させるカム部材と、
    前記複数の部品保持具を前記カム部材に向かって付勢することにより前記カムフォロワを前記カム面に係合させる付勢手段と
    を含むものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の回路部品搬送装置。
  6. 前記昇降装置が、
    前記複数の部品保持具の旋回軌跡上に予め定められた特定位置に近接して設けられ、その特定位置近傍にある部品保持具に係合する昇降駆動部材と、
    その昇降駆動部材を昇降させる昇降駆動装置と
    を含み、特定位置近傍にある部品保持具を、他の部品保持具とは独立に軸方向に移動させる個別昇降装置を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の回路部品搬送装置。
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