JPH10209977A - 受信データ伸長装置 - Google Patents

受信データ伸長装置

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JPH10209977A
JPH10209977A JP9011205A JP1120597A JPH10209977A JP H10209977 A JPH10209977 A JP H10209977A JP 9011205 A JP9011205 A JP 9011205A JP 1120597 A JP1120597 A JP 1120597A JP H10209977 A JPH10209977 A JP H10209977A
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賢二 村田
Koji Goto
宏二 後藤
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    • H04BTRANSMISSION
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B14/00Transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B14/02Transmission systems not characterised by the medium used for transmission characterised by the use of pulse modulation
    • H04B14/06Transmission systems not characterised by the medium used for transmission characterised by the use of pulse modulation using differential modulation, e.g. delta modulation
    • H04B14/066Transmission systems not characterised by the medium used for transmission characterised by the use of pulse modulation using differential modulation, e.g. delta modulation using differential modulation with several bits [NDPCM]
    • H04B14/068Transmission systems not characterised by the medium used for transmission characterised by the use of pulse modulation using differential modulation, e.g. delta modulation using differential modulation with several bits [NDPCM] with adaptive feedback

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信データエラー発生時におけるADPCM
符号の不連続に起因する雑音発生を装置規模および消費
電力を増加させることなく効果的に抑圧する。 【解決手段】 エラー検出情報(102)の受信データ
エラー非検出状態時活性化され、入力ADPCM符号
(101)をPCM符号(105)に伸長しかつエラー
検出情報のエラー検出時復号処理動作を停止するADP
CM復号器(3)と、エラー検出情報のエラー非検出時
書込状態に設定され、生成されたADPCM符号を順次
格納しかつエラー検出情報がエラー検出状態となるとそ
の格納したPCM符号を出力するメモリ回路(4)と、
エラー検出情報のエラー非検出状態時PCM符号(5)
を選択して次段のPCM復号器へ与え、かつエラー検出
情報のエラー検出状態のときにはメモリ回路から読出さ
れたPCM符号(106)を選択して次段のPCM復号
器へ与える再生出力切換スイッチ(5)とが設けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は受信圧縮符号化デ
ータを伸長するための装置に関し、特にADPCM(適
応型差分パルス符号変調)符号化データをPCM符号化
データに変換するための装置に関する。より特定的に
は、ADPCM音声符号化方式で用いる音声復号器にお
ける伝送誤り発生時における雑音を抑圧するための構成
に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナル・ハンディホン・システム
(PHS:第2世代ディジタルコードレス電話システ
ム)およびディジタル欧州コードレス電話システム(D
ECT)などに用いられる通信端末機には、伝送データ
量を低減するために、音声信号が高能率に圧縮符号化し
て送信され、受信側で、この符号化された音声データが
復号される。
【0003】図36は、従来のPHS携帯電話の構成を
概略的に示す図である。図36において、携帯電話機
は、ADPCM方式音声符復号器1と、このADPCM
方式音声符復号器1とADPCM符号の授受を行なう送
受信ユニット2を含む。
【0004】ADPCM方式音声符復号器1は、マイク
ロホンMCを介して与えられるアナログ音声信号を受け
てPCM(パルス符号変調)符号に変換するPCM符号
器1aと、このPCM復号器1aからのPCM符号をA
DPCM(適応型差分パルス符号変調)符号に圧縮して
送受信ユニット2へ伝達するADPCM符号器1bと、
送受信ユニット2から与えられるADPCM符号に伸長
処理を施してPCM符号を生成するADPCM復号器1
cと、このADPCM復号器1cから与えられるPCM
符号をアナログ音声信号に変換してスピーカSPに与え
るPCM復号器1dを含む。
【0005】この送受信ユニット2は、ADPCM符号
化データ(以下、単にADPCM符号と称す)の送受信
時、パケットの形態で送受する。また送受信ユニット2
は、送信パケットおよび受信パケットを時分割的に送受
するとともに、送信時においては、この送信パケットを
所定の周波数の搬送波で変調して送信する。受信時にお
いては、この送受信ユニット2は、受信したパケット2
から搬送波を除去し、ADPCM符号のパケットを生成
する。
【0006】図37は、この通信時に用いられるパケッ
トの形態を概略的に示す図である。図37において、送
信/受信パケット50は、所定のビットパターンを有
し、パケットの始まりを示すフレーム同期パターンを格
納するフレーム同期領域16aと、通信データ(送信デ
ータまたは受信データ)を格納する通信データ領域16
bと、この通信データの誤りを検出するための誤り検出
符号を格納するエラー検出ビット領域16cを含む。
【0007】このパケットへの変換は図36に示す送受
信ユニット2において実行される。送信時においては、
誤り検出符号は、通信データ領域16bに含まれる通信
データに所定の処理(たとえば生成行列を通す処理)に
より生成される。このフレーム50には、5ms〜10
ms程度の時間幅に含まれるデータが含まれ、このフレ
ームを単位としての送信/受信の時分割多重化が実行さ
れる。
【0008】またこれら無線方式の通信においては、フ
ェージング現象などにより、受信データの誤りが発生す
る確率は、有線通信路を用いる通信システムのそれより
も高く、また、ADPCM符号化処理などのような高能
率符号化技術を用いて伝送データが圧縮されるため、受
信側でのデータの誤りの影響が大きくなるため、このよ
うなデータの誤りに起因する雑音を抑える機能が重要と
なる。
【0009】このようなデータの誤りを抑制するため
に、図38に示すように、受信側においては、誤り検出
回路60が設けられる。この誤り検出訂正回路60は、
受信パケットに含まれる通信データおよび誤り検出符号
を用いて検査行列にしたがって、この通信データにエラ
ーが存在するか否かを検出する。この検出されたエラー
が訂正可能な場合には、エラーを訂正してADPCM符
号を生成して図20に示すADPCM復号器13へ与え
る。この誤り検出符号としては、CRC(巡回冗長検
査)ビットが用いられ、また、通常このような誤り検出
符号を用いて、検出されたエラーを訂正することができ
ない。したがって、この誤り検出回路60において、エ
ラーの存在が検出された場合には、この誤り検出回路6
0は、エラー検出情報を、エラー検出指示状態に設定す
る。このエラー検出情報のエラー検出指示状態に従っ
て、フレーム補間処理などによるエラーコンシールメン
ト処理が実行される。
【0010】図39は、従来の携帯端末機における伝送
誤り発生時における雑音抑圧を行なう部分の構成を概略
的に示す図である。図39において、雑音抑圧部は、デ
ータ入力ノード101aを介して与えられるADPCM
符号101をフレーム単位で記憶するためのフレームバ
ッファ1caと、入力ノード102aを介して与えられ
るエラー検出情報102に従ってこのフレームバッファ
1caから読出されたADPCM符号103と入力ノー
ド101aから与えられるADPCM符号101の一方
を選択して復号すべきADPCM符号104としてAD
PCM復号器1cへ与える復号器入力切換スイッチ1c
bを含む。このADPCM復号器1cにより伸長されて
生成されたADPCM符号105は、出力ノード105
aを介して図36に示すPCM復号器1dへ与えられ
る。
【0011】フレームバッファ1caは、このエラー検
出情報102がエラー非検出状態のときには、入力ノー
ド101aから与えられる受信ADPCM符号をフレー
ム単位で格納する。このフレームバッファ1caは、ま
たエラー検出情報102が、エラー検出状態に設定され
たときには書込が禁止され、読出状態に設定され、その
格納されたADPCM符号を順次出力する。復号器入力
切換スイッチ1cbは、エラー検出情報102がエラー
非検出状態を示すときには、入力ノード101aから与
えられる受信ADPCM符号101を選択してADPC
M復号器1cへ与える。一方、エラー検出情報102
が、エラー検出状態に設定されているときには、この復
号器入力切換スイッチ1cbは、フレームバッファ1c
aから読出されたADPCM符号103を選択してAD
PCM復号器1cへ与える。
【0012】図40は、この図39に示す雑音抑圧部の
動作シーケンスを示す図である。以下、この図40を参
照して図39に示す雑音抑圧部の動作について説明す
る。
【0013】エラー検出情報102がエラー非検出状態
のとき、フレームバッファ1caは、書込状態に設定さ
れ、この入力ノード101aを介して与えられるADP
CM符号101は、フレームn−3,n−2およびn−
1をそれぞれ単位として順次格納する。
【0014】復号器入力切換スイッチ1cbは、エラー
検出情報102がエラー非検出状態のときには、受信A
DPCM符号101を選択してADPCM復号器1cへ
与えている。したがって、ADPCM復号器1cは、こ
のフレームn−3,n−2,n−1に含まれるADPC
M符号を順次復号してPCM符号105を生成する。
【0015】入力ノード101aに次のフレームnのA
DPCM符号が与えられるとき、このフレームnに受信
データエラーが存在するときには、エラー検出情報10
2が、エラー検出状態に設定される。この状態において
は、フレームバッファ1caは、書込が禁止され、読出
状態に設定され、また復号器入力切換スイッチ1cb
は、フレームバッファ1caからのADPCM符号10
3を選択する状態に設定される。フレームバッファ1c
aにおいては、エラーが検出されたフレームnの前のフ
レームn−1のADPCM符号が記憶されており、この
フレームn−1のADPCM符号が順次読出されてAD
PCM復号器1cへ与えられる。したがって、フレーム
nにエラーが検出されたときには、その直前のフレーム
n−1のADPCM符号に従ってPCM符号105が生
成される。
【0016】この次のフレームn+1においてはエラー
が存在しない場合には、エラー検出情報102は、エラ
ー非検出状態に設定される。この状態においては、フレ
ームバッファ1caが再び書込状態に設定され、新たに
与えられるフレームn+1のADPCM符号101を順
次格納する。このときまた、復号器入力切換スイッチ1
cbは、入力ノード101aから与えられるADPCM
符号101を選択する。ADPCM復号器1cは、この
フレームn+1に含まれるADPCM符号を順次伸長処
理してPCM符号105を生成する。
【0017】図40に示すように、エラーが発生したフ
レームは、その前の正常なフレームで置換えられる。フ
レーム長が、5ms〜10ms程度の場合、連続した2
フレーム間における音声信号波形は近似した波形となる
確率が高いため、伝送誤りが発生した場合、このエラー
が発生したフレームをその前のフレームのADPCM符
号化データ(以下、ADPCM符号と単に称す)へ置換
して復号することにより、雑音発生を抑圧している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
伝送誤り時における雑音を抑圧する方式では、1フレー
ムのADPCM符号を格納する記憶容量を有するフレー
ムバッファを必要とする。このため、装置構成要素数が
多くなり、回路規模および消費電力が大きくなるという
問題が生じる。特に、このような大記憶容量のフレーム
バッファを用いる場合、小型かつ低消費電力化が要求さ
れる移動体通信端末機用途に対する大きな障害となる。
【0019】また、ADPCM符号は以下に説明するよ
うに、差分信号を符号化したものであり、エラー発生時
に前のフレームのADPCM符号での置換を行なった場
合以下に示すような問題が生じる。
【0020】図41は、送信すべきADPCM符号を生
成するADPCM符号器の構成を概略的に示す図であ
る。図41において、ADPCM符号器1bは、PCM
符号器からノード120aを介して与えられるPCM符
号120と予測信号122との差分を求めて差分信号1
23を生成する減算器23と、この差分信号123に対
し適応量子化処理を行なってADPCM符号121を生
成して伝送路121aに伝達する適応量子化器20と、
この適応量子化器20からのADPCM符号121に適
応逆量子化処理を施して量子化差分信号124を生成す
る適応逆量子化器22と、予測信号122と量子化差分
信号124とを加算して再生信号125を生成する加算
器24と、量子化差分信号124と再生信号125とを
受け、適応予測を行なって予測信号122を生成する適
応予測器21とを含む。
【0021】すなわち、ADPCM符号は、適応予測に
基づいて生成された予測信号とPCM符号との差分信号
を適応量子化したものであり、この適応的な処理を行な
うために、その内部状態(後に説明する係数)は、適応
的に変更される。
【0022】図42は、図39に示すADPCM復号器
1cの構成を概略的に示す図である。図42において、
ADPCM復号器1cは、入力ノード101aを介して
与えられるADPCM符号101に適応逆量子化処理を
施して量子化差分信号127を生成する適応逆量子化器
25と、量子化差分信号127と予測信号126とを加
算してPCM符号105を生成してノード105aへ伝
達する加算器27と、加算器27からのPCM符号10
5と適応逆量子化器25からの量子化差分信号127に
従って適応予測を行なって予測信号126を生成して加
算器27へ与える適応予測器26を含む。このADPC
M復号器1cにおいても、PCM符号105と量子化差
分信号127とに基づいて適応予測を行なって予測信号
126が生成される。
【0023】この図41および図42に見られるよう
に、ADPCM符号器1bの内部フィードバックルー
プ、すなわち適応逆量子化器22、加算器24および適
応予測器21で構成されるフィードバックループの構成
は、ADPCM復号器1cの内部構成と同じである。送
信側および受信側においてADPCM符号器とADPC
M復号器は、それぞれの適応逆量子化器および適応予測
器の内部状態(適応予測のための係数)が完全に一致し
て動作する。したがって、送信側ADPCM符号器にお
ける適応逆量子化器22および適応予測器21の内部状
態は、受信側のADPCM復号器1cに含まれる適応逆
量子化器25および適応予測器26の内部状態と同じと
なる。これにより、ADPCM復号器に入力されるPC
M符号120とADPCM復号器1cからの出力される
PCM符号105が同じとなり、正確な音声信号の再生
が可能となる。
【0024】したがって、伝送誤りが発生したときに、
エラーが発生したフレームのデータ(ADPCM符号)
を正常な前フレームのデータで置換して復号を行なった
場合、以下の問題が生じる。
【0025】すなわち、図43に示すように、エラーが
発生した場合、時刻t1およびt2においてそれぞれ再
生出力切換スイッチの接続経路が切換えられる。したが
って、この時刻t1およびt2においてデータの連続性
がなくなり、この再生出力切換スイッチ1cbの切換直
後にデータエラーが発生したことと等しくなる。すなわ
ち、図43に示すように、エラー非検出状態からエラー
検出状態への移行時においては、復号されるADPCM
符号は、フレームn−1の最終ADPCM符号♯Nか
ら、フレームn−1の先頭ADPCM符号♯1に変化す
る。また、エラー検出状態からエラー非検出状態への移
行時においては、フレームn−1の最終ADPCM符号
♯Nが復号された後、新たなフレームn+1の先頭AD
PCM符号♯1が復号される。
【0026】フレーム長が5ms〜10ms程度の場
合、これらの連続した2フレーム間における音声信号波
形は近似波形である確率が高いため、ADPCM復号器
の内部パラメータもこれらの連続した2フレーム間にお
いては近似した値をとることおよびADPCM符号の各
符号がとり得る確率分布には偏りがあり、このため雑音
発生確率が高い差分値の大きい符号(予測信号との誤差
の大きい符号)が不連続点で連結される可能性が低いこ
となどから、このデータの不連続の影響を低く抑えるこ
とは可能である。
【0027】しかしながら、エラー検出のフレームが1
回発生した場合、再生出力切換スイッチ1cbの切換は
時刻t1および時刻t2と2回行なわれるため、そのデ
ータの不連続点も2箇所発生し、データエラーが2回発
生したのと等しくなる。さらにこのエラー検出情報が2
フレーム以上連続してエラー検出状態を示す場合には、
1フレームの記憶容量を有するフレームバッファ1ca
を繰返して使用した場合、フレーム変更時においては、
このフレームバッファ1caに格納された、エラー発生
の直前のフレームの先頭ADPCM符号と最終ADPC
M符号が連続的に復号されるため、隣接するフレーム間
で発生するデータの不連続点が、このエラー検出情報が
エラー検出状態に設定されるフレームの数に比例して増
加し、雑音抑圧の効果が低減する。
【0028】このデータ不連続点の増加を防止するため
には、フレームバッファの記憶容量を、このエラー検出
状態にあるフレームの連続数に対応するサイズにまで大
きくする必要があり、装置規模の小型化に対する大きな
障害となるという問題が生じる。
【0029】それゆえ、この発明の目的は、装置規模を
増加させることなく低消費電力化が可能でありかつ受信
データエラー発生時に生じる雑音を効果的に抑圧するこ
とのできる受信データ伸長装置を提供することである。
【0030】この発明の他の目的は、ADPCM符復号
器を用いる携帯端末機における伝送エラー発生時の雑音
を効果的に抑圧することのできる受信データ伸長装置を
提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る受信デー
タ伸長装置は、伝送路を介してフレーム単位で与えられ
る圧縮符号化された受信圧縮符号化データにエラーが存
在するか否かを示すエラー検出情報を入力するための入
力ノードと、この入力ノードからのエラー検出情報のエ
ラー非検出指示に応答して活性化され、受信圧縮符号化
データに伸長処理を施して伸長符号化データを生成する
ための復号器と、エラー検出情報のエラー非検出指示に
応答して書込状態とされ、復号器からの伸長符号化デー
タを記憶しかつエラー検出情報のエラー検出指示に応答
して読出状態とされて該記憶した伸長符号化データを出
力するメモリ回路と、このメモリ回路から読出された伸
長符号化データおよび復号器からの伸長符号化データを
受け、エラー検出情報のエラー非検出指示に応答して、
この復号器からの伸長符号化データを選択して出力しか
つエラー検出情報のエラー検出指示に応答してメモリ回
路から読出された伸長符号化データを選択して出力する
再生出力切換スイッチとを備える。
【0032】請求項2に係る受信データ伸長装置は、エ
ラー検出情報のエラー検出指示状態からエラー非検出状
態への変化を検出する変化検出回路をさらに備える。圧
縮符号化データは、ADPCM符号化データであり、復
号器は、高速スケールファクタyuと低速スケールファ
クタylとを用いてこのADPCM符号化データの適応
逆量子化処理を行なうためのスケールファクタyを生成
する量子化スケールファクタユニットと、変化検出回路
からの変化検出指示に応答して、高速スケールファクタ
yuを低速スケールファクタylとスケーリングファク
タ2-aとを用いてyu=2-a・ylに置換する回路とを
備える。ここで、aは、6≦a≦18の関係を満たす自
然数である。
【0033】請求項3に係る受信データ伸長装置は、請
求項1または2の装置は、さらに、エラー検出情報のエ
ラー検出指示に応答して活性化され、再生出力切換スイ
ッチからの伸長符号化データの大きさを時間とともに小
さくして出力するフェードアウト手段を備える。
【0034】請求項4に係る受信データ伸長装置は、請
求項1から3のいずれかの装置が、さらに、再生出力切
換スイッチの出力するデータを受け、エラー検出情報の
エラー検出指示からエラー非検出状態への変化に応答し
て、この再生出力切換スイッチの出力するデータを、予
め定められた値の減衰量から減衰量0まで時間とともに
減少する減衰量に従って増幅するフェードイン手段を備
える。
【0035】請求項5に係る受信データ伸長装置は、請
求項1から4のいずれかの装置が、さらに、エラー検出
情報のエラー検出指示からエラー非検出指示への変化に
応答して予め定められた時間活性化され、再生出力切換
スイッチの出力するデータの値を予め設定されたクリッ
プ値と比較し、この比較結果が再生出力切換スイッチか
ら出力するデータの値がクリップ値よりも大きいことを
示すとき、再生出力切換スイッチの出力するデータが示
す符号の振幅値をクリップ値に置換する置換手段をさら
に備える。
【0036】請求項6に係る受信データ伸長装置は、請
求項5の装置が、さらに、エラー検出情報のエラー非検
出指示に応答して活性化され、復号器の出力するデータ
の所定時間内の最大振幅値を検出して保持し、エラー検
出情報のエラー検出からエラー非検出への変化に応答し
て該保持した最大振幅値をクリップ値として出力する手
段を備える。
【0037】請求項7に係る受信データ伸長装置は、伝
送路を介してフレーム単位で与えられる圧縮符号化デー
タにエラーが存在するか否かを示すエラー検出情報を受
けるための入力ノードと、このエラー検出情報のエラー
非検出指示に応答して活性化され、伝送路を介して与え
られる圧縮符号化データに伸長処理を施して伸長符号化
データを生成するための復号器と、背景雑音を発生する
ための背景雑音発生器と、背景雑音発生器からの背景雑
音と復号器からの伸長符号化データとを受け、エラー検
出情報のエラー検出指示に応答してこの背景雑音を選択
して出力しかつエラー検出情報のエラー非検出指示に応
答して復号器から出力される伸長符号化データを選択し
て出力する再生出力切換スイッチを備える。
【0038】請求項8に係る受信データ伸長装置は、伝
送路を介してフレーム単位で伝達されるADPCM符号
化データについて、フレーム単位で各フレーム内のAD
PCM符号化データにエラーが存在するか否かを示すエ
ラー検出情報を入力するノードと、このエラー検出情報
のエラー非検出に応答して活性化され、伝送路を介して
与えられるADPCM符号に伸長処理を施してADPC
M符号化データを生成するADPCM復号器と、入力ノ
ードからのエラー検出情報の状態変化時、このADPC
M復号器の出力データの再生時に生じる雑音を抑圧する
ための雑音抑圧データを発生するための雑音抑圧データ
発生器と、エラー検出情報のエラー非検出指示に応答し
てADPCM復号器の出力するデータを選択し、かつこ
のエラー検出情報のエラー検出指示に従って、雑音抑圧
データ発生器からの雑音抑圧データを選択して出力する
再生出力切換スイッチを含む。
【0039】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]図1は、この発明の実施の形態1に従
う受信データ伸長部の構成を概略的に示す図である。図
1において、受信データ伸長部は、伝送路に結合される
入力ノード101aを介して与えられるADPCM符号
101を受け、入力ノード102aを介して与えられる
エラー検出情報のエラー非検出状態時に活性化され、こ
の受けたADPCM符号101をPCM符号105へ伸
長するADPCM復号器3と、エラー検出情報102の
エラー非検出状態時に書込状態に設定され、このADP
CM復号器3からのPCM符号105を格納するメモリ
回路4と、エラー検出情報102に従って、ADPCM
復号器3から出力されるPCM符号105とメモリ回路
4から読出されたPCM符号106の一方を選択して次
段のPCM復号器(図36参照)へ与えられるPCM符
号107を生成する再生出力切換スイッチ5を含む。
【0040】ADPCM復号器3は、このエラー検出情
報102が、フレーム内に受信データエラーが発生して
いないことを示している場合には非活性状態とされ、復
号動作を停止する。メモリ回路4は、このエラー検出情
報102が、エラー検出状態に設定されたときには、デ
ータの書込が停止され、読出状態に設定され、エラー検
出直前に格納されたPCM符号化データを読出す。再生
出力切換スイッチ5は、このエラー検出情報102が入
力ノード101aを介して与えられるADPCM符号列
に受信データエラーが発生していないことを示している
ときにはADPCM復号器3からのPCM符号105を
選択してPCM符号107として出力し、一方、エラー
検出情報102が、受信データエラー発生を示している
ときにはメモリ回路4から読出されたPCM符号106
を選択してPCM符号107を生成する。次に、この図
1に示す受信データ伸長部の動作を、図2に示す動作シ
ーケンス図を参照して説明する。なお、図2の信号波形
にはトーン信号を一例として示す。
【0041】エラー検出情報102がエラー非検出状態
のときには、ADPCM復号器3は活性化され、復号動
作(伸長処理)を実行し、ADPCM符号101からP
CM符号105を生成する。したがってこの間、フレー
ムn−2およびn−1に含まれるADPCM符号に従っ
てPCM符号105が生成される。再生出力切換スイッ
チ5は、エラー非検出状態においては、このADPCM
復号器3からのPCM符号105を選択して出力してい
る。したがって、このエラー非検出状態においては、P
CM符号107は連続的に変化しており、なだらかな再
生波形が得られる。このエラー非検出状態においては、
メモリ回路4は、ADPCM復号器3からのPCM符号
105を格納する。このメモリ回路4は、1つのPCM
符号化データを格納するだけであり、順次その記憶内容
が書込動作により更新される。
【0042】フレームn−1からフレームnへの移行時
の時刻t1において、エラー検出情報102がエラー検
出状態に設定され、このフレームn内において受信デー
タエラーが発生したことを示す。この状態においては、
ADPCM復号器3は非活性状態とされ、復号動作が停
止される。メモリ回路4は、書込状態から読出状態に切
換えられ、その格納したフレームn−1の最終PCM符
号を出力する。再生出力切換スイッチ5は、このメモリ
回路4から読出されたPCM符号106を選択して出力
する。メモリ回路4には、後に詳細に説明するが、1つ
のPCM符号のデータが格納されているだけである。し
たがってこのエラー検出期間においては、フレームn−
1の最終PCM符号が持続的に出力される。したがっ
て、このエラー非検出からエラー検出状態への移行時に
おいて、ADPCM符号101の不連続の影響は何ら生
じず、雑音も発生しない。
【0043】この受信データエラーが発生しているフレ
ームnの区間においては、音声信号再生中にこのメモリ
回路4から持続的に出力されるPCM符号により、ミュ
ートが挿入されることになる(再生信号はDC信号であ
る)。しかしながら、フレームの時間幅は5ms〜10
msであり、このような短期間(5ms〜10ms)の
ミュートの挿入は、若干の再生音声における断続感が感
知される程度であり、聴感品質の劣化は極めて小さい。
【0044】このエラーフレーム期間が経過すると、エ
ラー検出情報102は、時刻t2において、エラー非検
出状態へ設定される。このエラー検出情報102のエラ
ー非検出状態に従ってADPCM復号器3が再び活性化
され、次のフレームn+1に含まれるADPCM符号1
01の復号動作を行なう。メモリ回路4は、このエラー
検出情報102のエラー非検出状態に従って再び書込状
態に設定され、ADPCM復号器3からのPCM符号1
05を書込む。再生出力切換スイッチ5は、再びADP
CM復号器3からのPCM符号105を選択する。これ
により、時刻t2以降のエラー非検出状態においては、
順次与えられるフレームn+1、n+2、n+3、…の
ADPCM符号101に従ってPCM符号107が生成
され、音声信号が再生される。
【0045】この時刻t2以前においては、ADPCM
復号器3は、復号処理を停止しており、その内部変数
(内部状態)も、受信データエラーが発生する直前のフ
レームn−1の最後の処理時に更新された値をそのまま
保持している。フレーム長が5ms〜10ms程度の場
合、連続した2フレームにおける音声信号波形は近似波
形である確率が高い。したがって、ADPCM復号器3
に保持された内部変数の値を用いて復号処理を再開して
も、従来と同等程度にADPCM符号の不連続に起因す
る雑音発生確率を低く抑えることができる。
【0046】図3は、図1に示すメモリ回路4の動作シ
ーケンスを示す図である。以下、図3を参照して、この
メモリ回路4の動作について説明する。
【0047】エラー検出情報102がエラー非検出状態
に設定されているときには、メモリ回路4は書込状態に
あり、ADPCM復号器3からのPCM符号105を格
納する。このメモリ回路4は、このPCM符号の書込毎
に、その記憶内容が更新される。したがって、常にこの
メモリ回路4においては1つのPCM符号が格納され
る。時刻t1において、エラー検出情報102がエラー
非検出状態からエラー検出状態に設定されると、このメ
モリ回路4は、フレームn−1の最後のPCM符号♯N
を格納している。エラー検出情報102がエラー検出状
態にある間、メモリ回路4は読出状態に設定され、その
記憶したフレームn−1のPCM符号♯Nを連続的に読
出す。したがって、このエラーが発生しているフレーム
の区間、メモリ回路4に格納されるPCM符号化データ
の値はこのフレームn−1の最終PCM符号♯Nの値に
固定され、したがってメモリ回路4から読出されるPC
M符号106系列は、DCのPCM符号列となる。この
時刻t1において、PCM符号は連続しており、ADP
CM符号101の不連続の影響は生じない。
【0048】時刻t2において、エラー検出情報102
がエラー検出状態からエラー非検出状態に設定される
と、メモリ回路4は再び書込状態に設定され、活性化さ
れたADPCM復号器3からのPCM符号105を格納
する。この時刻t2以降においては、次のフレームn+
1の先頭PCM符号♯1以降のPCM符号がメモリ回路
4に順次格納される。この時刻t2以前のエラー検出状
態の間、ADPCM復号器3の内部状態は、フレームn
−1の最終PCM符号♯N生成時の内部状態に保持され
ている。フレーム非検出状態においてADPCM符号の
各符号がとり得る確率分布には偏りがあり、小さな差分
値である確率が高い。また、フレーム長が5ms−10
ms程度の場合、連続したフレーム間における音声波形
は近似波形である確率も高い。したがって、このフレー
ムn+1の先頭ADPCM符号♯1を、フレームn−1
の最終ADPCM符号♯Nの復号時の内部状態(内部変
数)に従って復号処理をしても、不連続点における差分
値誤差が小さい値を取る確率が高く、発生する不連続の
影響を小さくすることができ、不連続点以降での復号処
理において雑音発生確率を低く抑えることができる。
【0049】メモリ回路4としては、1つのPCM符号
化データを格納する記憶容量を有しかつエラー検出情報
に従って書込状態/読出状態に選択的に設定される構成
であれば任意の構成を用いることができ、たとえば図4
に示すような構成も利用することができる。
【0050】図4は、図1に示すメモリ回路4の構成の
一例を示す図である。図4において、メモリ回路4は、
PCM符号データを格納するためのレジスタ回路4a
と、エラー検出情報102のエラー非検出状態時活性化
され、ADPCM復号器3からのPCM符号105をレ
ジスタ回路4aへ書込む書込ゲート4bと、エラー検出
情報102のエラー検出状態時活性化され、このレジス
タ回路4aに格納されたPCM符号データを読出してP
CM符号106を生成する読出ゲート4cを含む。レジ
スタ回路4aは、1つのPCM符号データを格納する容
量を備える。
【0051】この図4に示す構成を用いることにより、
メモリ回路4を、容易に形成することができる。また、
このメモリ回路4は、1つのPCM符号データを格納す
る記憶容量が要求されるだけであり、その占有面積は十
分小さくすることができる。
【0052】以上のように、この発明の実施の形態1に
従えば、エラー非検出時においては、ADPCM復号器
からのPCM符号に従ってPCM復号動作を行ない、エ
ラー検出時においては、このエラー検出直前に生成され
たPCM符号を用いてPCM復号処理を行ない、このエ
ラー検出期間の間ADPCM復号器を非活性状態として
いるため、エラー非検出状態からエラー検出状態への移
行時におけるADPCM符号の不連続の影響が生じるこ
とはなく、雑音が発生しない。また、エラー検出状態か
らエラー非検出状態移行時においては、ADPCM符号
の影響は生じるものの、連続する2フレームの音声信号
波形は近似波形である確率が高く、従来例と同等にこの
ADPCM符号の不連続に起因する雑音発生確率を低く
抑えることができる。また、1つのPCM符号をメモリ
回路は格納するだけであり、装置規模、および消費電流
を低減できる。
【0053】[実施の形態2]図5は、この発明の実施
の形態2に従う受信データ伸長部の構成を概略的に示す
図である。図5において、受信データ伸長部は、ノード
102aを介して与えられるエラー検出情報102のエ
ラー検出状態からエラー非検出状態に変化する時点を検
出するエラー変化点検出器6と、このエラー変化点検出
器6からの変化点検出指示に応答して所定の内部変数を
置換し、この内部変数に従って伝送路に結合される入力
ノード101aからのADPCM符号101の伸長処理
を施してPCM符号105を生成するADPCM復号器
3と、エラー検出情報102のエラー非検出状態のとき
ADPCM復号器3からのPCM符号105を格納する
メモリ回路4と、エラー検出情報102に従って、AD
PCM復号器3からのPCM符号105とメモリ回路4
から読出されたPCM符号106の一方を選択的に通過
させてPCM符号107として出力する再生出力切換ス
イッチ5を含む。
【0054】ADPCM復号器3は、その内部構成は後
に詳細に説明するが、先に図42を参照して説明したよ
うに、このADPCM符号に対し適応逆量子化処理を実
行する。この適応逆量子化処理においては、各ADPC
M符号に対して、量子化スケールファクタy(k)が用
いられ、この適応的に求められた量子化スケールファク
タy(k)に従ってADPCM符号から量子化差分信号
が生成される。この量子化スケールファクタy(k)
は、高速スケールファクタyu(k)と低速スケールフ
ァクタyl(k)を含む。高速スケールファクタyu
(k)は、差分信号が大きな変動を示すような信号(た
とえば音声)に対応し、低速のスケールファクタyl
(k)は、差分信号が小さな変動を示すようなたとえば
音声周波数帯域データ信号およびトーン信号などの信号
に対応する。低速スケールファクタyl(k)は、変化
速度が小さく、連続した2フレーム期間においてはほぼ
その値は一定であるとみなすことができる。このエラー
検出状態からエラー非検出状態への移行時に、このAD
PCM復号器3において、この低速スケールファクタy
l(k)のスケーリングにより求めた高速スケールファ
クタyu(k)によりエラー検出前の高速スケールファ
クタ値を置換する。次に、この図5に示す装置の動作を
図6に示す動作シーケンス図を参照して説明する。時刻
t1前のエラー非検出状態においては、ADPCM復号
器3は、活性状態にあり、受信したADPCM符号10
1に伸長処理を施してPCM符号105を生成する。メ
モリ回路4は、このADPCM復号器3からのPCM符
号105を格納する。エラー検出情報102がエラー検
出状態となると、ADPCM復号器3は復号動作を停止
し、その内部状態は、エラー検出直前のフレームn−1
の最終ADPCM符号の伸長処理時の状態に維持され
る。メモリ回路4は、書込状態から読出状態に変換さ
れ、受信データエラーが発生したフレームnの区間(時
刻t1から時刻t2の区間)においては、メモリ回路4
から読出されたエラー検出直前のフレームn−1の最終
PCM符号106が読出されて、再生出力切換スイッチ
5へ与えられる。これらの動作は、先の実施の形態1の
動作と同じである。
【0055】エラー検出情報102がエラー検出状態か
らエラー非検出状態へ変化すると、エラー変化点検出器
6がエラー変化点検出指示をADPCM復号器3へ与え
る。ADPCM復号器3においては、このエラー変化点
検出器6からのエラー変化点検出指示に応答して、その
内部に保持された低速スケールファクタyl(k)をス
ケーリングした値(2-a・yl(k))でそれまでに保
持していた高速スケールファクタyu(k)を置換す
る。この置換した高速スケールファクタおよび低速スケ
ールファクタを用いてスケーリングファクタy(k)が
生成され、時刻t2の後に与えられた正常フレームn+
1のADPCM符号101の復号処理がADPCM復号
器3において実行される。
【0056】以降は、この与えられるADPCM符号に
従ってその内部変数が変化し、順次復号処理が実行され
る。復号再開時に、この高速スケールファクタyu
(k)をスケーリングされた低速スケールファクタyl
(k)で置換することによる効果について以下に説明す
る。
【0057】図7は、図5に示すADPCM復号器3の
構成をより詳細に示す図である。図7において、ADP
CM復号器3は、ADPCM符号101(I(k))と
量子化スケールファクタy(k)とから量子化差分信号
dq(k)を生成する適応逆量子化器3aと、量子化差
分信号dq(k)と予測信号se(k)とから再生信号
sr(k)を生成してPCM符号105として出力する
再生信号算出器3bと、量子化差分信号dq(k)と再
生信号sr(k)とから予測信号se(k)を生成する
適応予測器3cを含む。信号は、すべてサンプリングさ
れたディジタル信号であり、各信号に付された括弧内の
文字kは、サンプリング時刻を示す。
【0058】ADPCM復号器3は、さらに、ADPC
M符号101(I(k))と適応速度制御変数al
(k)とに従って量子化スケールファクタy(k)を生
成する量子化スケールファクタ適応部3dと、量子化ス
ケールファクタy(k)とADPCM符号101(I
(k))と適応予測器3cからの適応係数a2(k)と
量子化差分信号dq(k)に従って速度変数tr(k)
およびtd(k)を生成して適応予測器3cおよび適応
速度制御部3eへ与えるトーンおよび変化点検出器3g
を含む。次に、各部の動作について説明する。
【0059】適応逆量子化器3aは、量子化スケールフ
ァクタ適応部3dから与えられる量子化スケールファク
タy(k)を用いて入力ADPCM符号101(I
(k))を量子化差分信号dq(k)に変換する。この
入力信号I(k)は、送信側において差分信号(予測信
号se(k)と量子化PCM信号si(k)の差分信
号)を量子化した後符号化されて伝送されたものであ
る。適応量子化器においては、この差分信号が2を底と
する対数に変換され、次いでスケールファクタy(k)
で正規化される。すなわち、 log2 (d(k))−y(b) の式に従って正規化された値が次いで量子化され、この
量子化値を符号化することにより、ADPCM符号10
1(I(k))が得られる。
【0060】適応逆量子化器3aは、この適応量子化器
の適応量子化処理と逆の処理を行なう。すなわち、量子
化スケールファクタ適応部3aから与えられた量子化ス
ケールファクタy(k)により入力信号I(k)をスケ
ーリングし、このスケーリングされた値を対数から真数
に変換することにより量子化差分信号dq(k)が求め
られる。
【0061】量子化スケールファクタ適応部3dは、A
DPCM符号101(I(k))と適応速度制御変数a
l(k)に従ってスケールファクタy(k)を生成す
る。この量子化スケールファクタ適応部3dは、高速の
スケールファクタyu(k)および低速のスケールファ
クタyl(k)を適応的に求める。高速のスケールファ
クタyu(k)は、たとえば音声のような差分信号が大
きな変動を示すような信号に対応する。低速のスケール
ファクタyl(k)は、トーン信号および音声周波数帯
域データのような、差分信号が小さな変動を示す信号に
対応する。高速のスケールファクタyu(k)および低
速のスケールファクタyl(k)は、それぞれ次式で与
えられる。
【0062】 yu(k)=(1−2-5)・y(k)+2-5・W[I(k)] yl(k)=(1−2-6)・yl(k−1)+2-6・yu(k) 但し、yu(k)は1.06≦yu(k)≦10.00
の範囲に制限される。
【0063】W[I(k)]は、入力I(k)に従って
予め定められた値をとる離散的な値をとる関数である。
係数(1−2-5)のような係数を用いることにより、適
応化の過程において過去の影響が有限とされ、伝送誤り
が生じた場合においても符号器と復号器の内部状態は両
者が一致するように収束する。これらの係数はリンケー
ジ(リーク)係数と呼ばれる。スケールファクタy
(k)は、この高速スケールファクタyu(k)と低速
のスケールファクタyl(k)とを次式に従って適応速
度制御変数al(k)を用いて合成することにより求め
られる。 y(k)=al(k)・yu(k−1)+[1−al(k)]・yl(k−1) ここで、0≦al(k)≦1である。
【0064】量子化スケールファクタ適応部3dにおい
ては、リセット信号に従ってこの高速スケールファクタ
yu(k)および低速のスケールファクタyl(k)が
所定の初期値(544および34816)にリセットさ
れる。また、後に説明するように、エラー検出情報のエ
ラー検出状態からエラー非検出状態への移行時、その高
速のスケールファクタyu(k)が、低速のスケールフ
ァクタyl(k)をスケーリングした値により求められ
る(これについては後に詳細に説明する)。
【0065】適応速度制御部3eからの適応速度制御変
数al(k)は、音声信号の場合に1に近づき、音声周
波数帯域データ信号およびトーン信号の場合は0に近づ
く。すなわち、スケールファクタy(k)は、音声信号
の場合には、高速のスケールファクタyu(k)の影響
が大きくなり、音声周波数帯域データ信号およびトーン
信号の場合には、低速のスケールファクタyl(k)の
影響が大きくなる。この適応速度制御変数al(k)
は、差分信号の変化率より算出される。入力ADPCM
符号101(I(k))の大きさの平均値を示す値が2
種類算出される。
【0066】 dms(k)=(1−2-5)・dms(k−1)+2-5・F[I(k)] dml(k)=(1−2-7)・dml(k−1)+2-7・F[I(k)] 関数F[I(k)]は、入力ADPCM符号101(I
(k))の値に従って予め定められた離散的な値をとる
関数である。dms(k)は、関数F[I(k)]の比
較的短時間の平均値を示し、dml(k)は、関数F
[I(k)]の比較的長時間の平均値を示す。これらの
2種類の平均値dms(k)およびdml(k)を用い
て変数ap(k)が以下のように定義される。
【0067】(i) |dms(k)−dml(k)|
≧2-3・dml(k)のとき: ap(k)=(1−2-4)・ap(k−1)+2-3 (ii) y(k)<3のとき: ap(k)=(1−2-4)・ap(k−1)+2-3 (iii) td(k)=1のとき: ap(k)=(1−2-4)・ap(k−1)+2-3 (iv) tr(k)=1のとき: ap(k)=1 (v) その他の場合: ap(k)=(1−2-4)・ap(k−1) 上述の条件(i)において、変数ap(k)は、平均値
dms(k)およびdml(k)の差の大きい場合に
は、すなわち、入力ADPCM符号I(k)の大きさの
平均値が大きく変化している場合には、2に近づき(初
項1/8、公比1/16の等比数列)、一方、両者の差
が小さい場合には、すなわち入力ADPCM符号I
(k)の大きさの平均値が比較的一定のときには、条件
(v)から、0に近づく(公比15/16の等比数
列)。
【0068】上述の条件(ii)におけるy(k)<3
は、空きチャンネルを用いた通信が行なわれていること
を示し、この場合には、変数ap(k)は、2に近づ
く。
【0069】狭帯域信号の場合は、後に説明するように
td(k)=1で示される。この場合には、変数ap
(k)は2に近づく。
【0070】狭帯域信号の変化の検出時(tr(k)=
1で示される場合(iv))、変数ap(k)は1にセ
ットされる。この変数ap(k−1)から次式に従って
適応速度制御変数al(k)が求められる。
【0071】 al(k)=1 :ap(k−1)>1、 al(k)=ap(k−1) :ap(k−1)≦1 この非対称な適応速度制御変数al(k)に対する制限
により、入力ADPCM符号I(k)の絶対値が一定の
値を保つようになるまで適応速度が速い状態から遅い状
態へ移行するのを遅らせる。これは、パルス状の入力信
号に対して誤って高速適応状態から低速適応状態へ移行
するのを防止するためである。すなわち、パルス状の入
力信号に対して、差分信号が大きく変化するため、高速
適応状態で対応する必要がある。これは、適応速度制御
変数al(k)を1に近づけ、高速のスケールファクタ
yu(k)の影響を大きくして量子化スケールファクタ
y(k)を算出することにより実現される。
【0072】適応速度制御部3eにおいては、リセット
信号の発生に従って、変数ap(k)が0に初期設定さ
れ、また平均値dms(k)およびdml(k)もそれ
ぞれ0に初期設定される。したがって、適応速度制御変
数al(k)もこれらの係数ap(k)、dms
(k)、およびdml(k)のリセットに、初期値0に
リセットされる。すなわちこのリセット動作により、適
応速度が遅くされる(このリセット値により、スケール
ファクタy(k)は、高速のスケールファクタyu
(k)が無効とされ、低速のスケールファクタyl
(k)により与えられることになる)。
【0073】適応予測器3cは、量子化差分信号dq
(k)から予測信号se(k)を算出する。この適応予
測器3cにおいては、2種類の適応予測が行なわれる。
予測信号se(k)は次式に従って算出される。
【0074】se(k)=Σai(k−1)・sr(k
−i)+sez(k) ただし、総和Σは、i=1および2について行なわれ
る。
【0075】 sez(k)=Σbi(k−1)・sq(k−i) ただし、総和Σは、i=1から6について行なわれる。
【0076】再生信号算出器3bで算出される再生信号
sr(k−i)は次式で定義される。
【0077】 sr(k−i)=se(k−i)+dq(k−i) 予測信号se(k)を求めるために用いられる2次の極
予測に用いられる係数a1(k)およびa2(k)は、
それぞれ次式で与えられる。
【0078】a1(k)=(1−2-8)・a1(k−
1)+(3・2-8)・sgn[p(k)]・sgn[p
(k−1)]、 a2(k)=(1−2-7)・a2(k−1)+(2
-7{sgn[p(k)]・sgn[p(k−2)]−f
[a1(k−1)]・sgn[p(k)]・sgn[p
(k−1)]} ここで、p(k)=dq(k)+sez(k)である。
関数fは、次式で定義される。
【0079】 f(a1)=4・a1 :|a1|≦2-1 f(a1)=2・sgn(a1) :|a1|>2-1 関数sgn[p(k)]は、p(k)の符号を示す。
【0080】tr(k)=1の場合には、変数a1
(k)およびa2(k)ともに0とされる(a1(k)
=a2(k)=0)。
【0081】もう1つの6次の零予測に用いられる係数
bi(k)は、次式で与えられる。 bi(k)=(1−2-8)・bi(k−1)+2-7・s
gn[dq(k)]・sgn[dq(k−i)] i=1,2,…,6 tr(k)=1のときには、係数b1(k)〜b6
(k)はすべて0とされる(b1(k)=b2(k)=
…=b6(k)=0)。
【0082】再生信号算出部3bにおいて、リセット信
号が与えられた場合には、再生信号sr(k−1)およ
びsr(k−2)が所定の値(32)にリセットされ
る。適応予測器3cにおいては、このリセット信号に従
って係数b1(k−1)〜b6(k−1)がすべて0に
リセットされ、また係数a1(k−1)およびa2(k
−1)が0にリセットされ、さらにap(k−1)が0
にリセットされ、応じて適応速度制御変数al(k)が
0にリセットされる。さらに、適応予測器3cにおいて
は、変数p(k−1)およびp(k−2)は所定の値
(0)にリセットされ、さらに量子化差分信号dq(k
−1)〜dq(k−6)が所定の値(32)にリセット
される。
【0083】トーンおよび変化点検出器3gにおいて
は、トーン信号および音声周波数帯域データ信号などの
狭帯域信号を検出したとき、逆量子化器の適応速度を高
速側へ移す。すなわち、この制御変数td(k)は次式
で定義される。
【0084】(i) a2(k)<−0.71875の
とき: td(k)=1 (ii) その他の場合: td(k)=0 すなわち、この検出された狭帯域信号の変化を検出した
場合には、適応予測器3cにおける係数a1,a2およ
びbi(k)がすべて0にセットされる。すなわち、変
数tr(k)は次式で定義される。
【0085】(i) a2(k)<−0.71875か
つ|dq(k)|>24・2・esp(yl(k))の
とき: tr(k)=1 (ii) その他の場合: tr(k)=0 この図7に示すADPCM復号器3の具体的構成は、I
TU勧告G.726に詳細に示されている。
【0086】図5に示すエラー変化点検出器6が、エラ
ー検出情報のエラー検出状態からエラー非検出状態にな
る変化点を検出した際に再生信号振幅に大きく影響を与
えるのはスケールファクタy(k)である。変化点での
雑音発生を抑圧するためには、このスケールファクタy
(k)の値ができるだけ正確な値であることが必要であ
る。上述のように、スケールファクタy(k)は、 y(k)= al(k)・yu(k−1)+[1−al(k)]・yl(k−1) で与えられ、適応速度制御変数al(k)を用いて低速
のスケールファクタyl(k)および高速のスケールフ
ァクタyu(k)を合成して得られる。すなわち、雑音
を抑圧するためには、低速のスケールファクタyl
(k)および高速のスケールファクタyu(k)が正確
な値であることが必要である。
【0087】低速のスケールファクタyl(k)は、次
式に従って展開することができる。 yl(k)=(1−2-6)・yl(k−2)+2-6・yu(k) =(1−2-62 ・yl(k−2)+2-6{yu(k)+(1−2 -6)・yu(k−1)} =… =(1−2-6n ・yl(k−n)+2-6{yu(k)+(1−2 -6)・yu(k−1) +…+(1−2-6n ・yu(k−n)} =… =(1−2-6K ・yl(0) +2-6{yu(k)+(1−2-6)yu(k−1)+…+(1− 2-6)k・yu(0)} すなわち、低速のスケールファクタyl(k)は、(1
−2-6)で重み付けされた高速のスケールファクタyu
(k)の加算平均(時間についての平均値)であり、緩
やかな変化をする。低速のスケールファクタyl(k)
を求める処理においては、高速のスケールファクタyu
(k)のローパスフィルタ処理を行なって低速のスケー
ルファクタyl(k)が求められる。したがって、エラ
ーが検出されたフレームを挟んで低速のスケールファク
タyl(k)の値の変化は僅少とみなすことができ、A
DPCM復号器3の復号処理停止により保持された値
は、そのまま復号処理再開時における低速のスケールフ
ァクタyl(k)の値として用いることができる。高速
のスケールファクタyu(k)については、初期化時の
スケールファクタyu(k)とyl(k)の値544と
34816の関係に基づき、この正確な値を与える低速
のスケールファクタyl(k)を次式に従ってスケーリ
ングして求める。
【0088】yu(k)=2-6・yl(k) 上述の置換により、エラー検出情報102が、エラー検
出状態からエラー非検出状態に変化する際に、このAD
PCM復号器3の内部変数である高速のスケールファク
タyu(k)を、正確な値を与える低速のスケールファ
クタyl(k)を用いて置換することにより、ADPC
M復号処理再開時におけるスケールファクタy(k)の
誤差を縮小することができ、雑音発生を抑圧することが
できる。次に、この高速のスケールファクタyu(k)
の低速のスケールファクタyl(k)による置換の理由
について説明する。
【0089】図8(A)は、低速のスケールファクタy
l(k)のビット構成を示し、図8(B)は、高速のス
ケールファクタyu(k)のビット構成を示す図であ
る。この低速のスケールファクタyl(k)および高速
のスケールファクタyu(k)のビット構成は、前述の
ITU勧告G.726において規定されている。
【0090】図8(A)に示すように、低速のスケール
ファクタyl(k)は23 〜2-15の桁を有する19ビ
ットで表現される。枠内に示す数字は、各桁の重みを示
す(たとえば、「3」は、23 の桁を示す)。この低速
のスケールファクタyl(k)は、リセット時、値34
816にリセットされる。
【0091】一方、図8(B)に示すように、高速のス
ケールファクタyu(k)は、23〜2-9の13ビット
で表示される。この図8(B)においても、枠内の数字
は各桁の重みを示す。この高速のスケールファクタyu
(k)は、リセット時、値544にリセットされる。こ
のリセット時、低速のスケールファクタyl(k)のリ
セット値(初期値)と高速のスケールファクタyu
(k)のリセット値(初期値)の関係は、低速のスケー
ルファクタylの初期値が、高速のスケールファクタy
uの26 倍の値となっている。すなわち、初期値におい
ては、高速のスケールファクタyuは、低速のスケール
ファクタylを6ビット算術右シフトして(シフト後の
上位ビットには0を挿入)上位13ビットをとることに
より求めることができる。したがって、復号処理再開時
の高速のスケールファクタyu(k)として、この初期
化時と同様の関係を満たす高速のスケールファクタを用
いれば、比較的正確な高速のスケールファクタyuが求
められ、応じてスケールファクタy(k)の誤差を小さ
くすることができる。
【0092】ここで、図8(A)および(B)に示すよ
うに、低速のスケールファクタyl(k)は、さらに1
2ビット右シフト処理を行なうことができる(1ビット
は残す必要があるため)。したがって、低速のスケール
ファクタylを18ビット(6ビット+12ビット)算
術右シフトし、その上位13ビットを高速のスケールフ
ァクタyu(k)として用いることもできる。したがっ
て、復号処理再開時における高速のスケールファクタy
uとしては、次式の関係を満たす値を採用することがで
きる。
【0093】yu=2-a・yl(k) ただし、a:6≦a≦18を満たす自然数である。
【0094】実際の処理においては、高速のスケールフ
ァクタyu(k)に対しては、下限値が定められてお
り、1.06よりも小さい値は、すべてこの下限値でク
リップされる。したがって、実際には、a>10は、す
べて同じ高速のスケールファクタ値を与えるため、次式
に従って復号処理再開時における高速のスケールファク
タの置換が行なわれてもよい。
【0095】yu(k)=2-a・yl(k) ただし、a:6≦a≦10を満たす自然数である。
【0096】この上述のような、aの値を6より大きな
値に設定して、低速のスケールファクタyl(k)のス
ケーリング量を大きくとれば、スケールファクタy
(k)の値も小さくなり、応じてADPCM復号器の復
号処理再開直後の再生信号が一時的にミュートされた状
態となり、a=6の場合と同等もしくはそれ以上の雑音
発生抑圧効果を得ることができる。
【0097】図9は、図7に示す量子化スケールファク
タ適応部3dの内部構成を概略的に示す図である。図9
において、量子化スケールファクタ適応部3dは、入力
ADPCM符号I(k)を受け、関数Wおよびスケール
ファクタy(k)に従って高速のスケールファクタyu
(k)を算出するyu算出部3daと、このyu算出部
3daで算出された高速のスケールファクタを1サンプ
リング期間遅延するための遅延回路3dbと、yu算出
部3daにより算出された高速のスケールファクタと1
サンプリング前の低速のスケールファクタyl(k−
1)とに従って低速のスケールファクタyl(k)を算
出するyl算出部3dcと、yl算出部3dcの出力デ
ータを1サンプリング期間遅延して低速のスケールファ
クタyl(k−1)を生成する遅延回路3ddと、適応
速度制御変数al(k)に従って遅延回路3dbおよび
3ddから出力されるスケールファクタyu(k−1)
およびyl(k−1)を合成してスケールファクタy
(k)を生成する合成回路3deと、エラー検出情報1
02のエラー検出状態のときにこの遅延回路3dbから
の低速のスケールファクタyl(k−1)に従って復号
再開時に置換すべき更新された高速のスケールファクタ
を算出して出力する更新yu算出部3dfを含む。
【0098】この更新yu算出部3dfからの更新高速
スケールファクタは、図5に示すエラー変化点検出器6
からの変化点検出信号に従って遅延回路3dbに格納さ
れる。これによって、遅延回路3dbの保持内容が更新
される。次に、この図9に示す量子化スケールファクタ
適応部3dの動作を、図10に示すフロー図を参照して
説明する。
【0099】エラー検出情報102に従って、受信デー
タエラーが発生しているか否かの判定が行なわれる(ス
テップS1)。エラー検出情報102が、エラー検出状
態に設定されている場合には、この量子化スケールファ
クタ適応部3dは、そのスケールファクタ算出動作を停
止し、かつその内部変数を保持する(ステップS2)。
この状態において、更新yu算出部3dfにおいて、低
速のスケールファクタylのスケーリングにより、高速
のスケールファクタyuが算出されて保持される。次い
で、エラー検出情報102が、エラー検出状態にある間
この状態が保持される。エラー検出情報102が、エラ
ー検出状態からエラー非検出状態に変化すると(ステッ
プS4)、遅延回路3dbは、変化点検出信号の活性化
に従って更新yu算出部3dfで算出された高速のスケ
ールファクタで、それまで保持していた高速のスケール
ファクタを置換する。この置換された高速のスケールフ
ァクタを用いて新たに与えられたADPCM符号I
(k)に対するスケールファクタの算出動作が再開され
る(ステップS5)。
【0100】この更新された高速のスケールファクタ
は、新たに与えられる高速のスケールファクタで書換え
られて、各入力ADPCM符号I(k)に対するスケー
ルファクタy(k)の算出動作が継続される。エラー検
出情報102が、エラー非検出状態に設定されている場
合には、復号動作は継続して実行されるため、ステップ
S6に従って、スケールファクタy(k)の算出動作が
継続して実行される。
【0101】この上述の説明においては、スケールファ
クタy(k)の算出は、ハードウェアを用いて実行され
るように示されている。しかしながら、ソフトウェア的
に、またはディジタル・シグナル・プロセサ(DSP)
を用いて実行されてもよい。
【0102】以上のように、この発明の実施の形態2に
従えば、ADPCM符号の復号再開時において、高速の
スケールファクタを保持している低速のスケールファク
タのスケーリングされた値で置換しているため、処理再
開時における量子化スケールファクタの値をほぼ正しい
値に近づけることができ、処理再開時におけるADPC
M符号の不連続に起因する雑音発生を抑圧することがで
きる。
【0103】[実施の形態3]図11は、この発明の実
施の形態3に従う受信データ伸長部の構成を概略的に示
す図である。この図11に示す構成は、図1に示す実施
の形態1と以下の点において異なっている。すなわち、
この発明の実施の形態3においては、再生出力切換スイ
ッチ5からのADPCM符号107を受け、エラー検出
情報102のエラー検出状態への変化直後から、受けた
ADPCM符号107を徐々に減衰させて出力するフェ
ードアウト処理部7が設けられる。このフェードアウト
処理部7は、エラー検出情報102がエラー非検出状態
のときには、再生出力切換スイッチ5から与えられるA
DPCM符号107をそのままADPCM符号108と
して出力し、ノード108aを介して次段のADPCM
復号器へ与える。次に、この図11に示すこの発明の実
施の形態3に従う受信データ伸長部の動作を図12に示
す動作シーケンス図を参照して説明する。
【0104】エラー検出情報102がエラー非検出状態
のときには、ADPCM復号器3は、復号処理を実行し
ており、ADPCM復号器3から出力されるADPCM
符号105が、再生出力切換スイッチ5により選択され
てフェードアウト処理部7へ与えられる。エラー検出情
報102がエラー非検出状態のときには、フェードアウ
ト処理部7は、非活性状態にあり、この与えられたAD
PCM符号107をそのままADPCM符号108とし
て出力する。したがってこのエラー非検出状態において
は、ADPCM復号器3により生成されたADPCM符
号に従った再生音声が得られる。
【0105】時刻t1において、エラー検出情報102
がエラー非検出状態からエラー検出状態に変化すると、
ADPCM復号器3は、その復号処理を停止する。一
方、メモリ回路4が書込状態から読出状態に変更され、
このメモリ回路4から読出されたADPCM符号106
が再生出力切換スイッチ5を介してフェードアウト処理
部7へ与えられる。フェードアウト処理部7は、このエ
ラー検出情報102のエラー検出状態指示に従って活性
化され、再生出力切換スイッチ5から与えられるADP
CM符号107(メモリ回路4の出力するADPCM符
号106)を徐々に減衰させる。このフェードアウト処
理部7の減衰処理により、ADPCM符号108の再生
波形の振幅が徐々に減衰する。したがって、このメモリ
回路4から読出されたADPCM符号106に従うDC
値よりも、DCバイアスの小さなミュート状態となり、
安定にミュート状態を保持することができる。また、こ
のフェードアウト処理部7により、徐々にPCM符号1
08の振幅を減衰させることにより、急激に減衰させる
場合に生じる雑音を抑圧することができ、このエラー検
出情報のエラー非検出からエラー検出状態への変化時に
おける雑音発生を抑圧して安定にミュート状態を保持す
ることができる。
【0106】図13は、図11に示すフェードアウト処
理部7の構成を概略的に示す図である。図13におい
て、フェードアウト処理部7は、エラー検出情報102
のエラー検出状態指示時に活性化され、所定の減衰関数
f(x,t)を発生する関数発生部7aと、エラー検出
情報102のエラー検出状態指示時活性化され、この関
数発生部7aからの関数f(x,t)を与えられたPC
M符号107に適用して、PCM符号108を生成する
演算部7bを含む。演算部7bは、エラー検出情報10
2がエラー非検出状態を示すときには、与えられたPC
M符号107を単に通過させる転送ゲートとして機能す
る。
【0107】関数発生部7aが発生する減衰関数f
(x,t)において、tは時間を示し、xは入力PCM
符号を示す。
【0108】図14は、関数発生部7aが出力する減衰
関数f(x,t)の形態の一例を示す図である。図14
においては、この減衰関数f(x,t)の時間tについ
ての変化f(x)を示す。この図14に示すように、減
衰関数f(x,t)は、時間tの経過とともに、入力値
xに対する減衰量を増加させる。このような減衰関数f
(x,t)の一例としては、関数2-t・xがある。次
に、この図13に示すフェードアウト処理部7の動作を
図15に示すフロー図を参照して説明する。
【0109】エラー検出情報102に従って、エラー検
出情報102がエラー非検出状態からエラー検出状態に
変化したかが識別される(ステップS10)。エラー検
出情報102がエラー非検出状態指示を維持する間、こ
のステップS10が繰返し実行される。エラー検出情報
102が、エラー非検出状態指示からエラー検出状態へ
変化すると、関数発生部7aおよび演算部7bが活性化
され、減衰処理が実行される(ステップS11)。この
減衰処理においては、関数発生部7aが、減衰関数f
(x,t)を発生して演算部7bへ与える。演算部7b
は、この関数発生部7aから与えられる関数f(x,
t)に従って、入力されたPCM符号107を処理し、
処理後の関数値を入力PCM符号107と同じ量子化幅
で量子化した後PCM符号108に符号化して出力す
る。演算部7bは、予め定められた最大減衰値に到達す
ると、その最大減衰値で処理された値を継続的に出力す
る(ステップS12)。この最大減衰値は、出力PCM
符号108の振幅値が0であってもよく、また有限の振
幅値であってもよい。演算処理がこの状態で停止し、出
力値が保持されて接続して出力されてもよい。このと
き、メモリ回路の読出も停止する。
【0110】この状態で、エラー検出情報102がエラ
ー検出状態からエラー非検出状態に変化したか否かが判
定される。エラー検出情報102が、エラー検出状態を
維持している場合には、演算部7bは、最大減衰値を継
続して出力する。エラー検出情報102がエラー検出状
態からエラー非検出状態へ移行すると、演算部7bが、
減衰処理を停止し、また関数発生部7aも、動作状態に
あれば、その関数発生動作を停止する。これにより、演
算部7bが入力PCM符号107を単に通過させる伝送
ゲートとして機能する(ステップS14)。この状態
で、ステップS10へ戻り、エラー検出情報102のモ
ニタが行なわれる。
【0111】このフェードアウト処理部7は、ハードウ
ェアで構成されてもよく、またソフトウェアを用いてこ
のフェードアウト処理が実行されてもよい。
【0112】以上のように、この発明の実施の形態3に
従えば、エラー検出時においては、メモリ回路から読出
されたPCM符号に対しフェードアウト処理を実行して
いるため、確実に、このエラー検出時に、再生音声に対
し、ミュートをかけることができ、このエラー検出時の
雑音発生を抑圧することができる。
【0113】[実施の形態4]図16は、この発明の実
施の形態4に従う受信データ伸長部の構成を概略的に示
す図である。この図16に示す実施の形態4に従う受信
データ伸長部は、以下の点で図1に示す実施の形態1に
従う受信データ伸長部と異なっている。
【0114】すなわち、再生出力切換スイッチ5の出力
するPCM符号107を受け、エラー検出情報102の
エラー検出状態からエラー非検出状態への変化に応答し
て、この受けたPCM符号107に対し、所定の減衰量
から減衰量0に復帰するまで徐々に増幅してPCM符号
110を生成するフェードイン処理部8が設けられる。
このフェードイン処理部8からのPCM符号110は、
ノード110aを介して次段のPCM復号器へ与えられ
る。
【0115】この図16に示す受信データ伸長部の動作
を図17に示す動作シーケンス図を参照して説明する。
【0116】エラー検出情報102がエラー非検出状態
のときには、ADPCM復号器3は復号動作を停止して
おり、再生出力切換スイッチ5は、メモリ回路4から読
出されたPCM符号106を選択してフェードイン処理
部8へ与える。フェードイン処理部8は、このエラー検
出情報102のエラー検出状態のときには、単に再生出
力切換スイッチ5から与えられるPCM符号107を通
過させて、PCM符号110として次段のPCM復号器
へ与える。図17においては、振幅値0のPCM符号を
示すが、所定のレベルのDC信号であればよい。時刻t
2において、エラー検出情報102がエラー検出状態か
らエラー非検出状態へ移行すると、フェードイン処理部
8が活性化され、予め定められた減衰量から徐々に減衰
量を低減してこの再生出力切換スイッチ5から与えられ
る入力PCM符号107に対し増幅動作を開始する。P
CM符号110の再生波形は、時間とともにその振幅が
徐々に増加する。この減衰量が0に到達すると(または
所定の時間が経過すると)、フェードイン処理部8は、
この再生出力切換スイッチ5から与えられるPCM符号
107に対する増幅動作を停止して、与えられたPCM
符号107をそのまま通過させてPCM符号110とし
て出力する。このエラー非検出状態においては、ADP
CM復号器3が復号動作を実行しており、再生出力切換
スイッチ5は、このADPCM復号器3からのPCM符
号105を選択してフェードイン処理部8へ与えてい
る。エラー検出状態からエラー非検出状態への変化時
に、ADPCM符号に不連続が生じても、フェードイン
処理部8は、最大の減衰量で与えられたPCM符号10
7に対する増幅動作を行なっている。したがって、この
ADPCM符号の不連続に起因する雑音の振幅は十分小
さくされており、エラー検出状態からエラー非検出状態
移行時における雑音発生が抑圧される。これにより、A
DPCM復号器3の復号処理開始後における再生音声の
聴感品質の劣化を軽減することができる。
【0117】図18は、図16に示すフェードイン処理
部8の構成を概略的に示す図である。図18において、
フェードイン処理部8は、エラー検出情報102のエラ
ー検出状態からエラー非検出状態への変化に応答して所
定時間活性化され、増幅関数g(x,t)を発生する関
数発生部8aと、エラー検出情報102のエラー検出状
態からエラー非検出状態への変化に応答して関数発生部
8aから与えられる関数g(x,t)を入力PCM符号
107に適用してPCM符号110を生成する演算部8
bを含む。演算部8bは、このエラー検出情報102が
エラー検出状態からエラー非検出状態に移行してから所
定時間が経過した後または関数発生部8aからの関数g
(x,t)の減衰量が0に到達すると、転送ゲートとし
て機能し、PCM符号107を通過させてPCM符号1
10を生成する。
【0118】図19は、関数発生部8aが発生する増幅
関数g(x,t)の形の一例を示す図である。図19に
示すように、この関数発生部8aから発生される関数g
(x,t)は、時間tの経過とともに、その減衰量が小
さくなり、最終的にその減衰量が0となる。関数g
(x)としては、たとえば(1−2-t)・xがある。次
に、この図18に示す増幅動作を図20に示すフローを
参照して説明する。
【0119】エラー検出情報102に従って、エラー検
出状態からエラー非検出状態への変化が生じるか否かが
モニタされる。エラー検出情報102がエラー検出状態
のときには、フェードイン処理8は非活性状態にあり、
増幅動作は行なわない。このとき、エラー検出情報10
2がエラー検出状態に設定されている場合、このフェー
ドイン処理部8は、最大の減衰率で増幅動作を行なって
いてもよい。エラー検出情報102がエラー検出状態か
らエラー非検出状態に変化すると、関数発生部8aおよ
び演算部8bが活性化され、演算部8bは、この関数発
生部8aからの関数g(x,t)に従って入力PCM符
号107に対し、増幅動作を実行する(ステップS2
1)。演算部8bは、この関数発生部8aからの関数g
(x,t)の減衰量が0に到達したか否かの判定を行な
う(ステップS22)。この判定動作は、単に、エラー
検出情報102のエラー検出状態からエラー非検出状態
への変化に従って所定の時間が経過したか否かに従って
判定が行なわれてもよい。この時間経過時に、関数発生
部8aの発生する関数g(x,t)の減衰量が0となる
ように構成されていればよい。
【0120】この関数g(x,t)の減衰量が0に到達
するまで、演算部8bは、この関数g(x,t)に従っ
て増幅動作(減衰率が低減される減衰動作)を実行す
る。減衰量が0に到達すると、演算部8bは増幅動作を
停止し、入力PCM符号107を通過させてPCM符号
110を生成する。これにより、一連のフェードイン処
理が完了する。
【0121】以上のように、この発明の実施の形態4に
従えば、エラー検出情報がエラー検出状態からエラー非
検出状態への変化に応答して、その減衰量が時間ととも
に徐々に低減される減衰量をもって増幅動作を行なうフ
ェードイン処理を実行しているため、復号処理開始時に
おけるADPCM符号の不連続に起因する雑音発生を抑
圧することができる。
【0122】[実施の形態5]図21は、この発明の実
施の形態5に従う受信データ伸長部の構成を概略的に示
す図である。この図21に示す受信データ伸長部は、図
1に示す受信データ伸長部と以下の点において異なって
いる。
【0123】すなわち、図21に示す受信データ伸長部
においては、再生出力切換スイッチ5から与えられるP
CM符号107を受け、エラー検出情報102に従って
選択的にフェードイン/フェードアウト処理を実行する
フェードイン/アウト処理部9が設けられる。このフェ
ードイン/アウト処理部9は、エラー検出情報102
が、エラー非検出状態からエラー検出状態となると、再
生出力切換スイッチ5から与えられるPCM符号107
に対し、フェードアウト処理を実行し、徐々にこの出力
PCM符号109の振幅を低減する。エラー検出情報1
02がエラー検出状態にある間、このフェードイン/ア
ウト処理部9は、最大減衰量で減衰されたPCM符号1
09を保持する。フェードイン/アウト処理部9は、こ
のエラー検出情報102が、エラー検出状態からエラー
非検出状態へ変化すると、再生出力切換スイッチ5から
与えられるPCM符号107に対しフェードイン処理を
実行する。次に、この図21に示す受信データ伸長部の
動作を、図22に示す動作シーケンス図を参照して説明
する。エラー検出情報102がエラー非検出状態の状態
においては、ADPCM復号器3は、入力ADPCM符
号101に従って、PCM符号105を生成する。再生
出力切換スイッチ5は、このPCM符号105を選択し
てフェードイン/アウト処理部9へ与える。フェードイ
ン/アウト処理部9は、このエラー検出情報102がエ
ラー非検出状態にある間(非検出への変化時点から処理
時間経過後)においては、再生出力切換スイッチ5から
与えられるPCM符号を選択してPCM符号109とし
て次段のPCM復号器へ与える。
【0124】時刻t1において、エラー検出情報102
がエラー非検出状態からエラー検出状態へ変化すると、
ADPCM復号器3は、復号動作を停止する。再生出力
切替スイッチ5はメモリ回路4からのPCM符号106
を選択してこのPCM符号107としてフェードイン/
アウト処理部9へ与える。フェードイン/アウト処理部
9は、このエラー検出情報102のエラー非検出状態か
らエラー検出状態への変化に従って入力PCM符号10
7に対し実施の形態3と同様にフェードアウト処理を実
行する。これにより、フェードイン/アウト処理部9か
ら出力されるPCM符号109の再生波形は、徐々にそ
の振幅が低減され、最大の減衰値に到達すると、その振
幅値で保持される。
【0125】図22においては、このフェードイン/ア
ウト処理部9は、振幅値0にまでPCM符号109の振
幅値を低減している処理状態が一例として示される。こ
の最大減衰時におけるPCM符号の大きさは、0となら
なくてもよく、所定の有限の値であってもよい。
【0126】エラー検出情報102がエラー検出状態か
らエラー非検出状態へ時刻t2において変化すると、フ
ェードイン/アウト処理部9は、再生出力切換スイッチ
5から与えられるPCM符号107に対しフェードイン
処理を実行する。再生出力切換スイッチ5は、このエラ
ー検出情報102のエラー非検出状態に従って、ADP
CM復号器3から与えられるPCM符号105を選択し
てフェードイン/アウト処理部9へ与える。これによ
り、復号されたPCM符号105に従ってフェードイン
/アウト処理部9からのPCM符号109の再生波形の
振幅は徐々に大きくされる。したがって、エラー検出状
態からエラー非検出状態への移行時におけるADPCM
符号の不連続が生じても、フェードイン/アウト処理部
9において、フェードイン処理が行なわれるため、AD
PCM符号の不連続時における再生音声波形の振幅値は
小さく、不連続に起因する雑音発生を抑圧することがで
きる。フェードイン/アウト処理部9は、この減衰量が
0に到達すると、フェードイン処理を停止し、再生出力
切換スイッチ5から与えられるPCM符号107を、こ
のPCM符号109として伝達する。
【0127】図23は、フェードイン/アウト処理部9
の構成を概略的に示す図である。図23において、フェ
ードイン/アウト処理部9は、エラー検出情報102の
エラー検出状態への移行時活性化され、予め定められた
減衰関数f(x,t)を発生する関数発生器9aと、エ
ラー検出情報102のエラー検出状態からエラー非検出
状態への変化時に活性化され、予め定められた増幅関数
g(x,t)を発生する関数発生器9bと、エラー検出
情報102に従って関数発生器9aおよび9bの出力す
る関数の一方を選択して出力する選択器9cと、エラー
検出情報102のエラー検出状態への変化時およびエラ
ー検出状態からエラー非検出状態への変化時に活性化さ
れ、選択器9cから与えられる関数を入力PCM符号1
07に適用してPCM符号109を生成する演算部9d
を含む。この図23に示すフェードイン/アウト処理部
9の構成は、図13および図18に示す構成を組合せた
ものである。したがって、この図23に示すフェードイ
ン/アウト処理部9の動作は、図15および図20に示
すフローを組合せることにより与えられる。すなわち、
エラー検出情報102がエラー非検出状態でありかつエ
ラー非検出状態への移行後所定時間経過後は、フェード
イン/アウト処理部9は単に転送ゲートとして機能し、
入力PCM符号107を通過させる。
【0128】エラー検出情報102が、エラー非検出状
態からエラー検出状態に変化すると、関数発生器9aが
活性化され、選択器9cがこの関数発生器9aからの関
数f(x,t)を選択して演算部9dへ与える。演算部
9dは、このエラー検出情報102の変化に応答して、
入力PCM符号107に対し選択器9cから与えられた
関数を適用し、PCM符号109を生成する。これによ
り、PCM符号109の再生波形振幅値が徐々に低減さ
れ、エラーフレーム期間中最小振幅値で保持される。
【0129】エラー検出情報102がエラー検出状態の
間、PCM符号109は、最小振幅値の状態にある。
【0130】エラー検出情報102がエラー検出状態か
らエラー非検出状態へ変化すると、関数発生器9bが活
性化され、また選択器9cがこの関数g(x,t)を選
択して演算部9dへ与える。演算部9dは、このエラー
検出情報102のエラー非検出状態への変化に応答し
て、選択器9cから与えられる関数を入力PCM符号1
07に適用して、PCM符号109を生成する。これに
より、PCM符号109の再生波形振幅が徐々に大きく
なる。演算部9dは、この関数発生器9gから与えられ
る関数g(x,t)の減衰量が0に到達するかまたは、
エラー検出情報102がエラー非検出状態への変化後所
定時間が経過すると、増幅動作を停止し、転送ゲートと
して機能し、入力PCM符号107を通過させてPCM
符号109を生成する。
【0131】この図23に示すフェードイン/アウト処
理部9は、ハードウェアを用いて構成されてもよく、ま
たDSPにより実現されてもよく、単にまたソフトウェ
アを用いて実現されてもよい。
【0132】この発明の実施の形態5に従えば、エラー
非検出状態からエラー検出状態への変化時、フェードア
ウト処理を実行し、エラー検出状態からエラー非検出状
態への移行時このフェードアウトされた状態からフェー
ドイン処理を実行してPCM符号109を生成してい
る。したがって、エラー検出情報102のエラー検出状
態からエラー非検出状態への変化時に、確実にフェード
イン処理を実行することができ、ADPCM符号不連続
時における雑音発生を確実に抑圧することができる。
【0133】[実施の形態6]図24は、この発明の実
施の形態6に従う受信データ伸長部の構成を概略的に示
す図である。図24に示す受信データ伸長部は、図1に
示す実施の形態1に従う受信データ伸長部と以下の点に
おいて異なっている。すなわち、エラー検出情報102
がエラー検出状態からエラー非検出状態へ変化すると、
ノード113aから与えられるクリップ時間設定信号1
13に応答して活性化され、ノード114aから与えら
れるクリップ値信号114の示すクリップ値でこの再生
出力切換スイッチ5から与えられるPCM符号107の
振幅をクリップするクリップ処理部11が設けられる。
クリップ処理部11によりその振幅がクリップ値信号1
14の示すクリップ値でクリップされたPCM符号11
5が生成され、ノード115aを介してこのPCM符号
115が次段のPCM復号器へ与えられる。
【0134】次にこの図24に示す受信データ伸長部の
動作を図25に示す動作シーケンス部を参照して説明す
る。エラー検出情報102がエラー非検出状態のときに
は、ADPCM復号器3は、復号処理を実行してPCM
符号105を生成する。再生出力切換スイッチ5は、A
DPCM復号器3からのPCM符号105を選択してP
CM符号107としてクリップ処理部11へ与える。ク
リップ処理部11は、エラー検出情報102がエラー非
検出状態にあるため、クリップ処理は行なわず、この与
えられたPCM符号107を通過させてPCM符号11
5を生成する。
【0135】時刻t1において、エラー検出情報102
がエラー非検出状態からエラー検出状態に変化すると、
ADPCM復号器3は復号処理を停止し、再生出力切換
スイッチ5は、メモリ回路4から読出されたPCM符号
106を選択してクリップ処理部へ与える。このエラー
検出時間においても、クリップ処理部11は、クリップ
処理は行なわず、与えられた入力PCM符号107を通
過させてPCM符号115を生成する。図25において
は、このエラー検出時におけるPCM符号107(PC
M符号115)の振幅は、0であるように示される。
【0136】時刻t2において、エラー検出情報102
がエラー検出状態からエラー非検出状態に変化すると、
クリップ処理部11は、このクリップ時間設定信号11
3が設定する期間活性化されてクリップ処理を行なう。
エラー非検出状態への移行に従って、再生出力切換スイ
ッチ5は、ADPCM復号器3により生成されたPCM
符号105を選択してPCM符号107としてクリップ
処理部11へ与えている。クリップ処理部11は、この
与えられたPCM符号107の振幅をクリップ値信号1
14と比較する。入力PCM符号107の振幅値がクリ
ップ値信号114の値よりも大きい場合には、入力PC
M符号107の振幅値がクリップ値振幅114が示すク
リップ値で置換される。クリップ長設定信号113が設
定する時間が経過すると、クリップ処理部11は、クリ
ップ処理を停止し、この入力PCM符号107をクリッ
プ処理を行なわずに通過させてPCM符号115を生成
する。
【0137】エラー検出情報102がエラー検出状態か
らエラー非検出状態への移行時に所定時間の間クリップ
処理を行なうことにより、ADPCM符号101の不連
続的の発生により、ADPCM復号器3が再生したPC
M符号105の振幅値が異常に大きくなり、雑音の発生
源となる可能性がある場合においても、この振幅値の大
きなPCM符号105の振幅値が予め設定されたクリッ
プ値信号114で制限することにより、雑音発生を抑圧
することができる。
【0138】図26は、図24に示すクリップ処理部1
1の構成を概略的に示す図である。図26において、ク
リップ処理部11は、エラー検出情報102のエラー非
検出時クリップ長設定信号113の示す期間活性化され
るタイマ15と、タイマ15の出力信号113bの活性
化時活性化され、クリップ値信号114と入力PCM符
号107の振幅値を比較する比較器11aと、比較器1
1aの出力信号に従ってクリップ値信号114およびP
CM符号107の一方を選択的に通過させる選択器11
bを含む。この選択器11bからPCM符号115が出
力される。比較器11aは、エラー検出情報102がエ
ラー検出状態にあるときおよびエラー検出情報102が
エラー非検出状態にありかつタイマ15からの出力信号
113aの非活性化時には、選択器11bに、PCM符
号107を選択させる。次にこの図26に示すクリップ
処理部の動作を、図27に示すフローを参照して説明す
る。
【0139】まず、エラー検出情報102が、エラー検
出状態からエラー非検出状態へ変化したか否かが判定さ
れる(ステップS30)。エラー検出情報102がエラ
ー検出状態からエラー非検出状態へ変化すると、タイマ
15が起動される(ステップS31)。タイマ15は、
この起動時、クリップ長設定信号113の示す期間活性
化され、その出力信号113bを活性化する。比較器1
1aは、エラー検出情報102のエラー非検出状態およ
びタイマ15の出力信号113aの活性化に従って活性
状態とされ、比較動作を行なう(ステップS32)。こ
の比較器11aは、入力PCM符号107のクリップ値
信号114が示すクリップ値と入力PCM符号107の
振幅の大小判別を行なう(ステップS33)。クリップ
値信号114が示すクリップ値がPCM符号107の振
幅よりも大きい場合には、選択器11bは、比較器11
aの出力信号に従って、PCM符号107を選択してP
CM符号115として出力する(ステップS34)。一
方、クリップ値信号114の示すクリップ値がPCM符
号107の振幅以下の場合には、選択器11bは、比較
器11aの出力信号に従って、PCM符号107の振幅
値をクリップ値で置換して出力する。すなわち、クリッ
プ値信号114が示すクリップ値に入力PCM符号10
7の符号を付して出力する(ステップS35)。
【0140】次に、タイマ15からの出力信号113b
が活性状態にあるか否かの判定が行なわれる(ステップ
S36)。タイマ15からのクリップ長規定信号113
bが活性状態にあり、クリップ区間を示している場合に
は、ステップS32へ戻り、再び比較動作が行なわれ
る。タイマ15の出力するクリップ長規定信号113a
が非活性状態とされると、比較器11aは、比較動作を
停止し、応じて選択器11bは、入力PCM符号107
を選択してPCM符号115として出力する(ステップ
S37)。ステップS37の後には、ステップS30へ
戻り、次の処理に備える。
【0141】以上のようにして、エラー検出情報のエラ
ー検出状態からエラー非検出状態への変化時所定のクリ
ップ期間入力PCM符号107の振幅に対しクリップ処
理を行なうことができる。この処理は、ハードウェアを
用いて行なわれてもよく、またソフトウェア的に実行さ
れてもよい。
【0142】さらに、この図26に示す構成において、
タイマ15はエラー検出情報102に従って起動してい
る。クリップ長設定信号113としては、所定の期間内
に与えられるサンプル数(入力PCM符号の数)を示す
値であってもよい。この場合には、クリップ処理部11
において、エラー検出情報102のエラー非検出状態へ
の移行に従って、カウンタがカウント動作を行ない、入
力PCM符号107の数をカウントする。このカウント
値がクリップ長設定信号113が示すカウント値と等し
くなるとクリップ値が停止される。この構成が用いられ
てもよい。
【0143】以上のように、この発明の実施の形態6に
従えば、エラー検出情報がエラー検出状態からエラー非
検出状態への変化時、所定区間の間入力PCM符号の振
幅値を所定のクリップ値でクリップするように構成した
ため、ADPCM復号処理再開時におけるADPCM符
号の不連続により、雑音発生の可能性の高い異常な振幅
を有するPCM符号の再生が抑圧され、応じて雑音発生
が抑圧される。
【0144】[実施の形態7]図28は、この発明の実
施の形態7に従う受信データ伸長部の構成を概略的に示
す図である。この図28に示す受信データ伸長部は、図
24に示す受信データ伸長部と以下の点において異なっ
ている。すなわち、この図28に示す受信データ伸長部
においては、エラー検出情報102のエラー非検出状態
とクリップ処理指示113bの非処理指示とに応答して
活性化され、各フレームごとに、所定区間内のPCM符
号105の最大振幅値を検出し、該保持した最大振幅値
をクリップ値信号114として出力する最大値検出回路
12が設けられる。この最大値検出回路12は、エラー
検出情報102のエラー検出状態およびクリップ処理実
行中のときには、最大値検出動作を停止し、直前のフレ
ームにおいて検出したPCM符号105の最大振幅値を
保持する。クリップ処理部11は、このエラー検出情報
102のエラー検出状態からエラー非検出状態への変化
に応答して活性化され、最大値検出回路114からのク
リップ値信号114に従って、再生出力切換スイッチ5
から与えられるPCM符号107に対するクリップ処理
を実行する。次にこの図28に示す受信データ伸長部の
動作を、図29に示す動作シーケンス図を参照して説明
する。
【0145】エラー検出情報102がエラー非検出状態
のときには、ADPCM復号器3が復号動作を実行して
ADPCM符号101をPCM符号105に伸長してい
る。最大値検出回路12は、このエラー検出情報102
のエラー非検出状態に従って各フレーム単位でフレーム
内の所定の期間内におけるPCM符号105の最大振幅
値を検出する。この最大値検出回路12は、各フレーム
単位で、検出した最大値が更新される(エラー検出情報
102がエラー非検出状態のとき)。
【0146】時刻t1において、エラー検出情報102
がエラー非検出状態からエラー検出状態に変化すると、
ADPCM復号器3は、復号動作を停止し、再生出力切
換スイッチ5は、メモリ回路4から読出されたPCM符
号106を選択してクリップ処理部11へ与える。最大
値検出回路12は、このエラー検出情報102のエラー
検出状態への変化に応答して最大値検出動作を停止し、
先のフレームにおいて検出した最大振幅値を保持する。
クリップ処理部11は、このエラー検出情報102がエ
ラー検出状態のときには、クリップ処理は行なわず、最
大出力切換スイッチ5から与えられるPCM符号107
を通過させてPCM符号115を出力する。メモリ回路
4においては、このサイクルにおける最終ADPCM符
号に対応するPCM符号が格納されており、したがって
PCM符号106の振幅値が有限であるが、図29にお
いては、この振幅値は0であるように示される。
【0147】時刻t2において、エラー検出情報102
がエラー検出状態からエラー非検出状態へ移行すると、
最大値検出回路12は、保持した最大振幅値をクリップ
値信号114としてクリップ処理部11へ与える。クリ
ップ処理部11は、クリップ長期間設定信号113に従
って所定期間このクリップ値信号114に従って再生出
力切換スイッチ5から与えられるPCM符号107の振
幅値に対するクリップ処理を実行する。このクリップ処
理実行中も最大値検出回路12の動作を停止する。AD
PCM復号器3は復号動作を実行しているが、この最大
値検出回路12において検出された最大振幅値は、エラ
ー検出直前のフレームにおける所定区間内のPCM符号
の最大振幅値である。したがって連続する2フレームに
おける音声波形は近似波形である確率が高いため、この
先のフレーム内の所定区間内におけるPCM符号の最大
振幅値をクリップ値として用いることにより、復号処理
再開時におけるADPCM符号の不連続に起因して、再
生されたPCM符号の振幅値が異常に大きくなり、雑音
発生源となる信号を確実に抑圧することができる。この
クリップ値信号114のクリップ値は、各フレームごと
に更新されるため、各フレームに対応した適切なクリッ
プ値を用いて復号処理再開時におけるクリップ処理を実
行することができる。
【0148】図30は、図28に示す最大値検出回路1
2の構成を概略的に示す図である。図30において、最
大値検出回路12は、エラー検出情報102のエラー非
検出状態とクリップ処理指示113bのクリップ処理非
実行とに応答して活性化され、入力PCM符号105と
レジスタ12bに格納されたPCM符号の振幅を比較す
る比較器12aを含む。レジスタ12bは、フレーム終
了情報120のフレーム終了指示に応答してその記憶内
容が初期値にリセットされ、また比較器12aからの出
力信号が入力PCM符号105の振幅値が大きいことを
示すとき、入力PCM符号105を格納する。レジスタ
12bは、さらに、エラー検出情報102がエラー非検
出状態からエラー検出状態へ変化すると、その記憶内容
を次段のレジスタ12cへ転送する。レジスタ12cか
らクリップ値信号114が出力される。次にこの図30
に示す最大値検出回路12の動作を図31に示すフロー
を参照して説明する。
【0149】エラー検出情報102が、エラー非検出状
態にあるか否かの判定が行なわれる(ステップS4
0)。続いて、クリップ処理期間中であるか否かの判定
が行なわれる(ステップS46)。エラー検出情報10
2がエラー非検出状態であり、かつクリップ処理期間中
でないときには、比較器12aが活性状態にあり、各フ
レームごとに、所定区間内で、入力PCM符号105の
最大振幅値が検出される(ステップS41)。この最大
振幅値検出処理時において以下の動作が行なわれる。
【0150】レジスタ12bは、各フレームごとに、そ
の格納値が所定の初期値(たとえば振幅値0)にリセッ
トされる。比較器12aは、各フレームごとに、所定区
間内で活性化され、入力PCM符号105の絶対値とレ
ジスタ12bに格納された値とを比較する。入力PCM
符号105の振幅値(絶対値)がレジスタ12bに格納
された値よりも小さい場合には、レジスタ12bは、そ
の記憶内容の更新は行なわない。一方、入力PCM符号
105の振幅値がレジスタ12bに格納された値よりも
大きい場合には、比較器12aの出力信号に従ってレジ
スタ12bは、入力PCM符号105の振幅値を格納す
る。この処理が、所定区間内で入力PCM符号105に
対して実行される。この所定区間は、各フレームの始ま
りを示す信号に従って所定時間経過後または所定サンプ
ル数経過後比較器12aが活性化される構成が用いられ
ればよく、フレームの始まりは、フレーム同期パターン
により検出することができる。またフレーム終了情報1
20は、各フレーム間においては、フレーム間にある時
間差が存在しており、これを検出することによりフレー
ム終了を検出することができる。
【0151】フレーム終了情報120が、非活性状態に
あり、フレームの終了を示していないときにはこの動作
が繰返される(ステップS42)。一方、フレーム終了
情報120がフレームの終了を示すと、レジスタ12b
の格納値(所定区間内における最大振幅値がレジスタ1
2cに伝達され、また、レジスタ12bの記憶内容が初
期値にリセットされる(ステップS43)。次いで再び
ステップS40からの処理が繰返される。
【0152】一方、ステップS40において、エラー検
出情報102がエラー検出状態のとき、またはステップ
S46においてクリップ期間中であると判定されたとき
には、最大値検出処理が停止される(ステップS4
4)。すなわち、比較器12aは、比較動作は行なわ
ず、またレジスタ12bも、その記憶内容の更新は行な
われない。この状態においては、フレーム終了情報12
0がフレームの終了を示しても、エラー検出情報102
がエラー検出状態にあるときには、レジスタ12bから
レジスタ12cへのデータ転送は禁止される(ステップ
S45)。エラー検出情報102が、エラー非検出状態
へ変化すると、再びステップS41からの処理により、
各フレームごとに所定区間での最大振幅値検出処理が行
なわれる。このとき、レジスタ12cは、エラー検出直
前のフレームにおける所定区間内の最大振幅値を保持し
ており、クリップ値信号114として出力している。こ
のエラー検出状態からエラー非検出状態への変化後の最
初のフレームにおいては、このレジスタ12cの格納デ
ータをクリップ値信号114として、クリップ処理部1
1においてPCM符号107に対するクリップ処理が行
なわれる。
【0153】クリップ処理部11の動作は、先の図26
に示すクリップ処理部の構成および図27に示すクリッ
プ処理部の動作と同じである。与えられるクリップ値信
号がエラー検出フレームに応じて変化することが異なる
だけである。
【0154】以上のように、この発明の実施の形態7に
従えば、各フレームごとに、所定区間内でPCM符号の
最大振幅値を検出して保持し、エラー検出状態からエラ
ー非検出状態への移行時には、このエラー検出前のフレ
ームにおける所定区間内のPCM符号の最大振幅値をク
リップ値信号として用いてPCM符号の振幅のクリップ
処理を行なっているため、エラー検出状態からエラー非
検出状態移行時におけるADPCM符号の不連続に起因
する異常振幅を有するPCM符号の発生を抑圧すること
ができる。またこのクリップ値は、エラー検出フレーム
ごとに定められるため、最適なクリップ値を設定してク
リップ処理を行なうことができ、聴感品質の劣化を抑制
することができる。
【0155】[実施の形態8]図32は、この発明の実
施の形態8に従う受信データ伸長部の構成を概略的に示
す図である。図32において、受信データ伸長部は、伝
送路に結合されるノード101aを介して与えられるA
DPCM符号101をPCM符号105に伸長するAD
PCM復号器3と、ノード102aから与えられるエラ
ー検出情報102のエラー検出指示に応答して活性化さ
れ、背景雑音116を発生する背景雑音発生器13と、
エラー検出情報102に従ってADPCM復号器3から
のPCM符号105および背景雑音発生器13からの背
景雑音116の一方を選択して、PCM符号117とし
て出力する再生出力切換スイッチ5を含む。この再生出
力切換スイッチ5からのPCM符号117は、ノード1
17aを介して次段のPCM復号器へ与えられる。
【0156】ADPCM復号器3は、先の実施の形態1
から7の構成と同様、エラー検出情報102がエラー検
出状態にある間、その復号動作が停止される。次に、こ
の図32に示す受信データ伸長部の動作を図33に示す
動作シーケンス図を参照して説明する。
【0157】エラー検出情報102がエラー非検出状態
のときには、ADPCM復号器3は活性状態にあり、A
DPCM符号101をPCM符号105に伸長する。再
生出力切換スイッチ5は、このADPCM復号器3から
のPCM符号105を選択してノード117aを介して
PCM符号117として伝達する。この状態において背
景雑音発生器13は非活性状態にある。
【0158】時刻t1において、エラー検出情報102
がエラー非検出状態からエラー検出状態に変化すると、
ADPCM復号器3は、復号処理を停止する。背景雑音
発生器13は、このエラー検出情報102のエラー検出
状態指示に応答して活性化され、背景雑音116を発生
する。再生出力切換スイッチ5は、この背景雑音116
を選択してPCM符号117として出力する。
【0159】時刻t2において、エラー検出情報102
が、エラー検出状態からエラー非検出状態へ変化する
と、背景雑音発生器13は背景雑音116の発生を停止
する。一方ADPCM復号器3は、再び復号動作を開始
し、ADPCM符号101をPCM符号105に伸長す
る。再生出力切換スイッチ5は、このADPCM復号器
3からのPCM符号105を選択して出力する。
【0160】このエラー検出時においてADPCM復号
器3の復号処理を停止させて、背景雑音を発生すること
により、エラー検出時において受信信号が完全に無音と
なる状態を避けることができ、再生音声の違和感を軽減
することができる。ADPCM復号器3は、エラー検出
時その復号処理が停止されており、内部状態は維持して
いるため、ADPCM符号の不連続は、エラー検出情報
102がエラー検出状態からエラー非検出状態へ変化す
るときにのみ生じる。今この場合において、背景雑音が
挿入されており、この不連続による雑音の効果を低減す
ることができる。
【0161】図34は、図32に示す背景雑音発生器1
3の構成の一例を示す図である。図34において、背景
雑音発生器13は、エラー検出情報102のエラー検出
状態指示に応答して活性化され、疑似雑音(PN)パタ
ーンを発生するPNパターン発生器13aと、このPN
パターン発生器13aからのPNパターンの帯域を制限
する1/fフィルタ13bを含む。1/fフィルタ13
bから背景雑音116が出力される。1/fフィルタ1
3bは、周波数fに従って通過レベルを低減する。次に
この図34に示す背景雑音発生器13の動作を図35に
示すフローを参照して説明する。
【0162】エラー検出情報102が、エラー非検出状
態からエラー検出状態へ変化したか否かが監視される
(ステップS50)。エラー検出情報102がエラー非
検出状態の場合には、この背景雑音発生器13は動作せ
ず、非活性状態を維持する。エラー検出情報102がエ
ラー非検出状態からエラー検出状態に変化すると、PN
パターン発生器13aが活性化され、PNパターンを発
生する(ステップS51)。このPNパターン発生器1
3aからのPNパターンは、1/fフィルタ13bによ
り帯域制限されて、背景雑音116として出力される。
これにより、PNパターンが発生しても、1/fフィル
タ13bの帯域制限により、不快感を与える雑音が発生
されるのを抑制することができる。
【0163】この背景雑音116の発生は、エラー検出
情報102がエラー検出状態にある間実行される(ステ
ップS52)。エラー検出情報102が、ステップS5
2においてエラー非検出状態へ変化したと判定される
と、このPNパターン発生器13aは非活性状態とさ
れ、背景雑音116の発生が停止される(ステップS5
3)。エラー非検出状態においては、ADPCM復号器
3により生成されたPCM符号105による音声再生が
行なわれる。
【0164】以上のように、この発明の実施の形態8に
従えば、エラー検出時、ADPCM復号器の処理を停止
させるとともに、背景雑音を挿入するように構成してい
るため、受信信号が完全に無音状態となるのを防止する
ことができ、再生音声の違和感を軽減することができ
る。
【0165】上述の実施の形態1から8においては、A
DPCM復号器の構成が示される。しかしながら、圧縮
符号化された符号を伸長処理して伸長符号を生成する方
式の受信データ伸長部であれば、本発明は適用可能であ
る。また、各構成において、各処理は、ハードウェア、
ソフトウェアおよびディジタル・シグナル・プロセサな
どを用いて実現されてもよい。
【0166】また、エラー検出情報としては以下のもの
が用いられてもよい。フレーム内にエラー検出訂正符号
を含め、エラー検出を行ない、訂正可能なエラーは訂正
する。フレーム内に訂正不可能なエラーが存在するとき
のみエラー検出情報をエラー検出状態に設定する。
【0167】
【発明の効果】エラー検出情報に従って、受信データに
エラーが発生していることが示された場合には、復号器
の復号処理が停止され、再生出力切換スイッチは、メモ
リ回路から読出された伸長符号化データを選択して出力
する。エラー検出情報がエラー検出状態のときには、メ
モリ回路は、リード状態(データ読出状態)に設定さ
れ、データの書込は停止されている。したがってこのメ
モリ回路に格納された伸長符号化データは、エラー検出
情報がエラー非検出状態からエラー検出状態へ切換わる
直前に復号器が出力した伸長符号化データとなり、直流
(DC)の信号として出力される。5ms〜10msの
時間幅を有するフレーム構成の場合には、音声信号再生
中に、このDC信号により、5ms〜10msのミュー
トが挿入されることになるが、聴感品質は、若干の断続
感が感知される程度である。
【0168】エラー検出情報がエラー検出状態からエラ
ー非検出状態へ変化する際には、復号器の内部状態は、
このエラー検出情報がエラー検出状態に変化する直前の
内部状態を保持しているため、従来と同様に、圧縮符号
の不連続は発生するものの、従来例と同程度の聴感品質
を保つことができる。また、エラー検出情報がエラー非
検出状態からエラー検出状態へ移行すると、復号器は復
号処理を停止しており、このときの圧縮化符号の不連続
は無関係であり、エラー検出状態の間、このエラー検出
状態移行直前の伸長化符号が持続的に出力される。した
がって、この圧縮符号の不連続は、エラー検出情報のエ
ラー検出状態からエラー非検出状態への移行時のみとな
り、従来よりもこの圧縮符号の不連続の発生回数を半分
にすることができ、雑音発生確率を低減することができ
る。
【0169】ADPCM復号器においては、適応逆量子
化処理を行なうためのスケーリングファクタを算出する
ために、高速スケールファクタyuおよび低速スケール
ファクタylが用いられる。エラー検出情報のエラー検
出状態からエラー非検出状態への移行時に、この高速ス
ケールファクタyuを、スケーリングされた低速スケー
リングファクタyl、すなわち2-a・ylに設定する。
低速スケーリングファクタylは、高速スケールファク
タyuの時間にわたる加算平均を示しており、その変化
が小さく、エラー検出状態からエラー非検出状態への移
行前に与えられるADPCM符号に対する低速スケール
ファクタの値とエラー非検出状態からエラー検出状態移
行時における低速スケーリングファクタylの値はほぼ
同じとみることができる。したがって、この低速スケー
リングファクタylを用いて高速スケーリングファクタ
yuを算出すれば、エラー非検出状態からエラー検出状
態移行時における高速スケールファクタyuを用いる場
合よりも誤差を縮小することができ、この値を用いてス
ケーリングファクタyを求めることにより、エラー非検
出状態移行後のADPCM符号に対し、より誤差の小さ
なスケーリングファクタyを算出することができ、この
ADPCM符号不連続点における雑音発生確率を低減す
ることができる。
【0170】また、エラー検出情報がエラー非検出状態
からエラー検出状態へ変化した直後において、メモリ回
路から読出されかつ再生出力切換スイッチにより選択さ
れた伸長化符号の大きさを徐々に減衰させることによ
り、エラー検出状態移行時において復号器の動作停止後
に生じる再生音声の違和感を軽減することができる。
【0171】また、エラー検出情報がエラー検出状態か
らエラー非検出状態へ変化した場合には、再生出力切換
スイッチにより選択された伸長化符号が予め減衰され、
この減衰量が0に復帰するまで徐々に増幅する。これに
より、復号器の復号処理開始後における、圧縮符号の不
連続に起因する雑音の影響は十分に抑制され、減衰量が
0に復帰した状態においては、この復号器の内部状態は
送信側符号器のそれと一致しており、エラー検出情報が
エラー検出状態からエラー非検出状態へ変化した際の再
生音声の違和感が軽減される。
【0172】また、エラー検出情報のエラー検出状態か
らエラー非検出状態への移行時、すなわち復号器の復号
処理開始時に、その出力データの振幅値をクリップ値で
制限している。これにより、圧縮符号の不連続の発生に
より復号器が発生した伸長符号の振幅値が異常となって
も、雑音の発生源となり得る異常な振幅値の信号を除去
することができ、雑音の発生を軽減することができる。
【0173】エラー検出情報がエラー非検出状態のとき
所定時間内の伸長符号の最大値を各所定時間幅単位で更
新しながら算出し、その最大絶対値をクリップ値として
用いることにより、エラー検出前の伸長符号の振幅値よ
りもこの復号処理再開後の圧縮符号の不連続に起因する
異常に大きな振幅値を有する伸長符号の振幅を適応的に
制限することができ、雑音の発生源となるのを抑圧する
ことができ、雑音の発生を低減することができる。
【0174】また、エラー検出情報がエラー検出状態の
ときに、すなわち復号器の復号処理停止時においては背
景雑音発生器からの背景雑音を出力することにより、エ
ラー検出状態時において受信信号が完全に無音となる状
態を避けることができる。
【0175】また、フレーム単位で伝達されるADPC
M符号化データについてフレーム単位でエラーの有無を
示すエラー検出情報に従って、ADPCM復号器および
雑音抑圧データ発生器の出力の一方を選択することによ
り、エラー検出時におけるこのADPCM符号の不連続
に起因する雑音を抑圧することができる。また、ADP
CM復号器をエラー検出時に動作を停止させることによ
り、内部状態はエラー検出前の状態を維持し、復号再開
時において新たに与えられるADPCM符号に対する内
部状態のずれを小さくすることができる。
【0176】以上のように、この発明に従えば、受信デ
ータエラーが発生した場合、復号器の処理を停止し、そ
の内部状態を保持するように構成したため、フレームバ
ッファを用いることなく伝送誤り時の雑音抑圧を改善す
ることが可能となる。またフレームバッファが不要とな
り、ハードウェア構成を小さくすることができ、低消費
電力および装置規模を小型にすることができる。また、
連続的に受信データエラーが発生した場合においても、
復号器の処理停止時間が長くなるだけであり、符号の不
連続点が増加することはなく、応じて雑音発生確率が高
くなることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に従う受信データ伸
長部の構成を概略的に示す図である。
【図2】 図1に示す受信データ伸長部の動作シーケン
スを示す図である。
【図3】 図1に示す受信データ伸長部のエラー検出情
報変化時の動作シーケンスをより詳細に示す図である。
【図4】 図1に示すメモリ回路の構成の一例を概略的
に示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に従う受信データ伸
長部の構成を概略的に示す図である。
【図6】 図5に示す受信データ伸長部の動作シーケン
スを示す図である。
【図7】 この発明に用いられるADPCM復号器の詳
細な構成を示す図である。
【図8】 (A)は低速のスケールファクタの構成を示
し、(B)は、高速のスケールファクタの構成を示す図
である。
【図9】 図7に示す量子化スケールファクタ適応部の
構成を概略的に示す図である。
【図10】 図7に示す量子化スケールファクタ適応部
の動作を示すフロー図である。
【図11】 この発明の実施の形態3に従う受信データ
伸長部の構成を概略的に示す図である。
【図12】 図11に示す受信データ伸長部の動作シー
ケンスを示す図である。
【図13】 図11に示すフェードアウト処理部の構成
を概略的に示す図である。
【図14】 図13に示す関数発生部の発生する関数の
一例を示す図である。
【図15】 図13に示すフェードアウト処理部の動作
を示すフロー図である。
【図16】 この発明の実施の形態4に従う受信データ
伸長部の構成を概略的に示す図である。
【図17】 図16に示す受信データ伸長部の動作シー
ケンスを示す図である。
【図18】 図16に示すフェードイン処理部の構成を
概略的に示す図である。
【図19】 図18に示す関数発生部の発生する関数の
一例を示す図である。
【図20】 図18に示すフェードイン処理部の動作を
示すフロー図である。
【図21】 この発明の実施の形態5に従う受信データ
伸長部の構成を概略的に示す図である。
【図22】 図21に示す受信データ伸長部の動作シー
ケンスを示す図である。
【図23】 図21に示すフェードイン/アウト処理部
の構成を概略的に示す図である。
【図24】 この発明の実施の形態6に従う受信データ
伸長部の構成を概略的に示す図である。
【図25】 図24に示す受信データ伸長部の動作シー
ケンスを示す図である。
【図26】 図24に示すクリップ処理部の構成の一例
を概略的に示す図である。
【図27】 図26に示すクリップ処理部の動作を示す
フロー図である。
【図28】 この発明の実施の形態7に従う受信データ
伸長部の構成を概略的に示す図である。
【図29】 図28に示す受信データ伸長部の動作シー
ケンスを示す図である。
【図30】 図28に示す最大値検出回路の構成の一例
を概略的に示す図である。
【図31】 図30に示す最大値検出回路の動作を示す
フロー図である。
【図32】 この発明の実施の形態8に従う受信データ
伸長部の構成を概略的に示す図である。
【図33】 図32に示す受信データ伸長部の動作シー
ケンスを示す図である。
【図34】 図32に示す背景雑音発生器の構成の一例
を概略的に示す図である。
【図35】 図34に示す背景雑音発生器の動作を示す
フロー図である。
【図36】 従来の通信端末機の構成を概略的に示す図
である。
【図37】 従来の通信端末機における受信ADPCM
符号のフレーム構成を概略的に示す図である。
【図38】 従来の通信端末機におけるエラー検出情報
発生部の構成を概略的に示す図である。
【図39】 従来の伝送誤り雑音抑圧部の構成を概略的
に示す図である。
【図40】 図39に示す装置の動作シーケンスを示す
図である。
【図41】 図36に示すADPCM復号器の構成を詳
細に示す図である。
【図42】 図36に示すADPCM復号器の構成をよ
り詳細に示す図である。
【図43】 従来の伝送誤り雑音抑圧方式の問題点を説
明するための図である。
【符号の説明】
3 ADPCM復号器、4 メモリ回路、5 再生出力
切換スイッチ、6 エラー変化点検出器、3a 適応逆
量子化器、3d 量子化スケールファクタ適応部、7
フェードアウト処理部、8 フェードイン処理部、9
フェードイン/アウト処理部、11 クリップ処理部、
12 最大値検出回路、13 背景雑音発生器。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送路を介してフレーム単位で与えられ
    る圧縮符号化された受信圧縮符号化データにエラーが存
    在するか否かを示すエラー検出情報を入力するための入
    力ノード、 前記入力ノードからのエラー検出情報のエラー非検出指
    示に応答して活性化され、前記受信圧縮符号化データに
    伸長処理を施して伸長符号化データを生成する復号器、 前記エラー検出情報のエラー非検出指示に応答して書込
    状態とされ、前記復号器からの伸長符号化データを記憶
    しかつ前記エラー検出情報のエラー検出指示に応答して
    読出状態とされて該記憶した伸長符号化データを出力す
    るメモリ回路、および前記メモリ回路から読出された伸
    長符号化データと前記復号器から与えられる伸長符号化
    データとを受け、前記エラー検出情報のエラー非検出指
    示に応答して前記復号器からの伸長符号化データを選択
    して出力しかつ前記エラー検出情報のエラー検出指示に
    応答して前記メモリ回路から読出された伸長符号化デー
    タを選択して出力する再生出力切換スイッチを備える、
    受信データ伸長装置。
  2. 【請求項2】 前記エラー検出情報のエラー検出指示状
    態からエラー非検出状態への変化を検出する変化検出回
    路をさらに備え、 前記圧縮符号化データはADPCM符号化データであ
    り、 前記復号器は、高速スケールファクタyuと低速スケー
    ルファクタylとを用いて前記ADPCM符号化データ
    の適応逆量子化処理を行なうためのスケールファクタy
    を生成するための量子化スケールファクタユニット、お
    よび前記変化検出回路からの変化検出指示に応答して、
    前記低速スケールファクタylと所定のスケーリングフ
    ァクタ2-aとを用いて前記高速スケールファクタyu
    を、 yu=2-a・yl、ただしaは6≦a≦18の自然数 に置換する回路を備える、請求項1記載の受信データ伸
    長装置。
  3. 【請求項3】 前記エラー検出情報のエラー検出指示に
    応答して活性化され、前記再生出力切換スイッチからの
    伸長符号化データの大きさを時間とともに小さくして出
    力するフェードアウト手段をさらに備える、請求項1ま
    たは2記載の受信データ伸長装置。
  4. 【請求項4】 前記再生出力切換スイッチの出力する伸
    長符号化データを受けかつ前記エラー検出情報のエラー
    検出指示からエラー非検出指示への変化に応答して活性
    化され、前記再生出力切換スイッチが出力するデータ
    を、予め定められた値の減衰量から減衰量0まで時間と
    ともに減少する減衰量に従って増幅して出力するフェー
    ドイン手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の受信データ伸長装置。
  5. 【請求項5】 前記エラー検出情報のエラー検出指示か
    らエラー非検出指示への変化に応答して、予め定められ
    た時間活性化され、前記再生出力切換スイッチの出力す
    る伸長符号化データの絶対値を予め定められたクリップ
    値と比較し、該比較結果が前記伸長符号化データの絶対
    値が前記クリップ値よりも大きいことを示すとき、前記
    再生出力切換スイッチの出力するデータが示す符号の振
    幅値を前記クリップ値に置換する手段をさらに備える、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の受信データ伸長装
    置。
  6. 【請求項6】 前記エラー検出情報のエラー非検出指示
    に応答して活性化され、前記復号器の出力する伸長符号
    化データの所定時間内の最大振幅値を検出して各所定時
    間単位で保持し、かつ前記エラー検出情報のエラー検出
    からエラー非検出への変化に応答して該保持した最大振
    幅値を前記クリップ値として出力する手段をさらに備え
    る、請求項5記載の受信データ伸長装置。
  7. 【請求項7】 伝送路を介してフレーム単位で与えられ
    る圧縮符号化データにエラーが存在するか否かを示すエ
    ラー検出情報を受ける入力ノード、 前記エラー検出情報のエラー非検出指示に応答して活性
    化され、前記伝送路を介して与えられる圧縮符号化デー
    タに伸長処理を施して伸長符号化データを生成するため
    の復号器、 背景雑音を発生するための背景雑音発生器、 前記背景雑音発生器からの背景雑音と前記復号器からの
    伸長符号化データとを受け、前記エラー検出情報のエラ
    ー検出指示に応答して前記背景雑音データを選択して出
    力しかつ前記エラー検出情報のエラー非検出指示に応答
    して前記復号器から出力される伸長符号化データを選択
    して出力する再生出力切換スイッチを備える、受信デー
    タ伸長装置。
  8. 【請求項8】 伝送路を介してフレーム単位で伝達され
    るADPCM符号化データについて、フレーム単位で各
    フレーム内のADPCM符号化データにエラーが存在す
    るか否かを示すエラー検出情報を入力するための入力ノ
    ード、 前記伝送路を介して与えられるADPCM符号化データ
    を受け、前記エラー検出情報がエラー非検出指示状態の
    とき活性化され、与えられたADPCM符号化データに
    伸長処理を施してPCM符号化データを生成し、かつ前
    記エラー検出情報のエラー検出指示状態のときにその伸
    長処理動作が停止されるADPCM復号器、 前記エラー検出情報の状態変化時に、前記ADPCM復
    号器の出力するPCM符号の不連続による雑音を抑制す
    るための雑音抑制データを発生するための雑音抑制デー
    タ発生器、および前記ADPCM復号器および前記雑音
    抑制データ発生器に結合され、前記エラー検出情報のエ
    ラー検出指示に応答して前記雑音抑制データ発生器から
    の雑音抑制データを選択して出力しかつ前記エラー検出
    情報のエラー非検出指示状態に応答して前記ADPCM
    復号器からのPCM符号を選択して出力する再生出力切
    換スイッチを備える、受信データ伸長装置。
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