JP3603469B2 - 音声品質改善装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルコードレス電話の音声通信のための符号化に規定されている、32kbpsADPCM音声符号化方式(ITU‐TG.726)において、伝送誤りがある際の通話品質を改善する音声品質改善装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルハンディホンシステム(PHS)の無線路における通信では、音声は、32kbpsADPCM音声符号化方式(lTU‐TG.726準拠)により符号化され、図13に示す構成を有する伝送フォーマットにより伝送される。この場合、音声は、TCHにADPCM符号(4ビット)×40サンブル(=8kHzサンプリング×5ms)の、計160ビットという単位(フレームと呼ぶ)で伝送されている。この伝送フォーマットにおいて、UW(Unique Word)は、フレームの同期をとるためのビットであり、CRCは、TCHの音声データの伝送誤りを検出するための検出ビットである。ADPCM音声符号化方式は、低ビットでかつ高品質な音声通信を実現するが、現実には想定した誤り率(10−3程度)よりも高い誤り率(10−2程度)の下での通信が行われることも現実には存在し、何らかのエラー対策処理を施さないと十分な通話品質が得られず、聴覚上耳障りな異音(クリック雑音)が発生し、通話品質は劣化する。そのため、通話品質の劣化を防ぐための対策が必要であった。
【0003】
従来、この対策法として、復号前のADPCM符号への符号置換処理としては、特願平4−263528に記載された方式があり、復号後の異音発生時の処理としては、特願平6−252865に記載された方式等があるが、いずれの方式も音声通信における誤り検出は、CRCのみにより行なわれている。しかし、CRCによる伝送エラー検出では、TCHの音声データに誤りが有るか無いかの判断しかできないため、例えば、1ビット誤りなのか誤りなのか、100ビット誤りなのかということがわからない。そのため、CRCによりエラーが検出されたフレームに対して、異音発生を防ぐための符号置換処理を行った際に、本来、誤りの無い符号まで置換してしまう可能性がある。この間題に対して、特願平7−250107に記載された発明では、回線状況を推定し、その推定結果に応じたADPCM符号置換処理を行ない、通話品質の劣化を防いでいる。
【0004】
図14に、特願平7−250107に記載された装置のブロック図を示す。図14で、回線品質推定回路は、CRCエラーが検出されたフレームに対して絶対値が6以上のADPCM符号の出現数を数えて、その数に従って回線品質を推定し、回線品質推定結果を出力する。符号置換回路では、回線品質推定結果に応じて、あらかじめ収集したいくつかの回線品質における符号誤りの統計量に基づいてADPCM符号の符号置換を行ない出力する。符号置換回路により出力されたADPCM符号は、ADPCMデコーダによりPCM符号に変換されて出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ADPCM符号化方式を用いた音声通信において、伝送誤りがあるときには、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPCM符号に変換する際に異音(クリック雑音)が発生するという問題点があった。この異音は、聴覚上耳障りな音であり、通話品質を著しく劣化させていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPCM符号に変換する際に発生する異音(クリック雑音)の発生防止、または、異音が発生したときの聴覚上の不快感の軽減による、通話品質の向上が図れる音声品質改善装置の構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の音声品質改善装置は、従来、フレームの同期をとるために用いられている同期フレーム(UW:Unique Word)に着目し、UWのビット誤り数に従って回線品質を推定し、回線品質推定結果に応じた音声品質改善処理を行なうことにより通話品質の向上を図るものである。
【0008】
つまり、CRC符号による伝送誤りが検出された際に、従来、フレーム同期をとるためだけに使用されていたUWを、そのビット誤り数による回線品質の推定を行ない、回線品質推定結果により伝送誤りに対する改善手段を変えることにより、ADPCMデコーダで発生する異音発生による聴覚上の不快感を低滅することが可能となり通話品質は向上する。
【0009】
請求項1記載の音声品質改善装置は、無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、音声データ伝送誤り検出符号(Cyclic Redundary Check Code:CRC符号)により誤りが検出されたフレームに対し、ADPCM符号と一時刻前のADPCM符号との差分を計算する差分検出部と、その差分検出部により計算された差分値と、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数に応じて変更される閾値との比較を行なう閾値比較部と、その閾値比較部の結果より、差分値が閾値よりも大きい場合は、ADPCM符号を閾値よりも小さくなるように置換する符号置換部を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2記載の音声品質改善装置は、無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、CRC符号により誤りが検出されたフレームに対し、同期フレームの誤りビット数に応じて閾値を決定し、ADPCM符号が閾値を超えている場合、ADPCM符号が閾値よりも小さくなるようにADPCM符号を置換する符号置換部を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3記載の音声品質改善装置は、無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、CRC符号により誤りが検出されたフレームに対し、同期フレームの誤りビット数に応じて閾値を決定し、ADPCM符号が閾値を超えている場合、ADPCM符号が閾値よりも小さくなるようにADPCM符号を置換する符号置換部と、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換する際に、ADPCMデコーダの内部変数値により異音発生を検出し、異音発生を検出した場合に、異音検出フラグを立てる機能を有するADPCMデコーダを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の音声品質改善装置は、CRC符号により伝送誤りが検出された場合の、ADPCMデコーダの内部変数に着目し、内部変数のとる値により異音発生を検出するもので、異音発生がADPCMデコーダにより検出された場合、異音発生フラグを立て、フラグが立ったときに、入力フレームに対して、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質推定の結果によりADPCM符号の上限値を決定して、符号置換を行なう符号置換部と、ADPCM符号からPCM符号に復号すると共に、復号した際の内部変数により復号時に発生する異音を検出する機能を持つADPCMデコーダとを備えている。但し、符号置換部と、ADPCMデコーダとの間の無限ルーブになることを防ぐため、一度符号置換を行なったフレームに対しては、ADPCMデコーダにより異音が検出され異音発生フラグが立っても、符号置換は行なわない。
【0013】
請求項4記載の音声品質改善装置は、無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換した際に、異音の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された場合、同期フレームの誤りビット数に応じてフレーム単位でPCM減衰の減衰量を変えるPCM減衰部とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の音声品質改善装置は、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPCM符号へ変換した際にPCM符号に異音が発生している場合、聴覚上の不快感を低滅させるために、異音が発生したことを検出する異音発生検出部と異音が発生した場合に異音を聴覚上耳障りのない程度に異音が発生したフレームとそれ以後の数フレームをUWの誤りビット数に応じて段階的に減衰量を変更するPCM減衰部とを備えている。
【0015】
請求項5記載の音声品質改善装置は、無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換した際に、異音の発生を検出する異音検出部と、入力信号レベルを検出するレベル検出部とを備え、異音発生を検出した場合に、入力信号の異音部分を同期フレームの誤りビット数に応じて滅衰量を変更し、前記レベル検出部により得られる入力信号レベルと略同等の大きさの白色雑音を入力信号に加えることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5記載の音声品質改善装置は、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPCM符号へ変換した際に異音が発生した場合、異音を検出する異音検出部と、異音を聴覚的に聞き取れない程度のレベルまで減衰させるPCM減衰部と、そのとき、再生音声に断続感を残してしまうと聴覚上不快感を与えるため、入力音声信号レベルを検知するレベル検出部と、レベル検出部により検出したレベルの白色雑音を加える白色雑音送出部等により構成される。
【0017】
請求項6記載の音声品質改善装置は、無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換した際に、異音の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された場合に、入力信号が、無音信号か有音信号かを検出する無音・有音検出部と、入力信号が無音信号か有音信号かと、同期フレームの誤りビット数とに応じて、減衰を行なう区間または減衰量を変更するPCM減衰部を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項7記載の音声品質改善装置は、請求項1乃至請求項3に記載された音声品質改善装置の、ADPCM符号への所定の処理と、請求項4乃至請求項6に記載された音声品質改善装置の、ADPCMデコーダによりPCM符号に変換した後の所定の処理とを、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数に応じて組み合わせて、通話品質を向上させるための処理を行なうことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に基づいて本発明の音声品質改善装置の一実施形態について説明する。図1は音声品質改善装置のブロック図、図2は符号置換部3の動作を説明するための説明図である。図で、遅延器は、入力したADPCM符号を1時刻遅延させるためのものであり、差分検出部1は、入力したADPCM符号と遅延器部により得られる1時刻前のADPCM符号との差分の絶対値を計算するものである。閾値比較部2は、差分検出部1により得られるADPCM符号の差分の絶対値と、UWの誤りビット検出部9が検出するUWの誤りビット数に応じて変更される閾値との大小比較を行なう。例えば、CRCCODE10によってCRC符号の誤りが検出されたフレームで、UWの誤りビット数が0〜1ビットのとき閾値を1とし、誤りビット数が2〜4ビットのとき閾値を4とする。
【0020】
符号置換部3では、閾値比較部2により入力したADPCM符号と、1時刻前のADPCM符号との差分の絶対値が、UWの誤りビット数に応じて変更される閾値より大きい場合、ADPCM符号を閾値比較部2の閾値よりも小さくなるように置換して出力する。そうでない場合は、入力したADPCM符号の置換を行なわず、そのまま出力する。UWの誤りビット数に応じて、閾値を変更するということは、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質により閾値を変更していることに相当している。そのため、回線品質に応じた符号置換処理を行なっていることになる。
【0021】
図3及び図4に基づいて本発明の音声品質改善装置の異なる実施形態について説明する。図3は音声品質改善装置のブロック図、図4はADPCM符号置換部の動作を説明するための説明図である。符号置換部3では、UWの誤りビット数に応じて、ADPCM符号の絶対値のとりうる値の上限を設定し、その上限を超えたADPCM符号に対し、上限を超えないように符号置換を行なう。例えば、UWの誤りビット数が0〜1ビットのとき上限値を6とし、誤りビット数が2〜4ビットのとき上限値を4とする。UWの誤りビット数に応じて、上限値を変更するということは、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質により上限値を変更していることに相当している。そのため、回線品質に応じた符号置換処理を行なっていることになる。
【0022】
図5及び図6に基づいて本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明する。図5は音声品質改善装置のブロック図、図6はADPCM符号置換部の動作を説明するための説明図である。符号置換部3では、CRCエラーが検出された場合で、かつ、ADPCMデコーダ4によりADPCM符号からPCM符号への復号の際に異音が検出され異音検出フラグが立っている場合に、UWの誤りビット数に応じて、ADPCM符号の絶対値のとりうる値の上限を設定し、その上限を超えたADPCM符号に対し、上限を超えないように符号置換を行なう。例えば、UWの誤りビット数が0〜1ビットのとき閾値を1とし、誤りビット数が2〜4ビットのとき閾値を4とする。UWの誤りビット数に応じて、上限値を変更するということは、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質により上限値を変更していることに相当している。そのため、回線品質に応じた符号置換処理を行なっていることになる。上限値を超えない場合は、符号置換を行なわないADPCM符号をそのまま出力する。
【0023】
ADPCMデコーダ4では、入力したADPCM符号をPCM符号へ復号するすると共に、復号時の内部変数の値により異音発生が検出された場合に異音検出フラグを立てる。lTU‐TG.726に規定された、ADPCMデコーダ4の概略構成を、図7のブロック図に示す。実際に異音検出に使用する変数は、Spである。Spの値がある値(例えば、127)よりも大きい値をとるとき異音を発生するという特徴を生かし、Spの値に閾値を設け、その閾値よりも大きい値をとる場合には、異音発生検出フラグを立てる。
【0024】
図8及び図9に基づいて本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明する。図8は音声品質改善装置のブロック図、図9はPCM減衰部6の動作を説明するための説明図である。PCM減衰部6では、異音検出部5により異音発生が検出された場合、異音が発生した時点からそのフレームの最後まで−18dB、その次の2フレームに対して−12dB、さらにその次の2フレームに対して−6dBのPCM減衰を行ない、滅衰を行なった後のPCM符号を出力する。この減衰させるフレーム数は、UWの誤りビット数に応じて変更する。異音発生が検出されない場合には、入力したPCM信号をそのまま出力する。
【0025】
異音検出部5での異音検知の方法を以下に示す。まず、過去のPCM符号の(疑似)平均値を以下の式に従って計算する。
【0026】
【数1】
【0027】
ただし、PCM_tは時刻tにおけるPCM符号の絶対値、PCM_0=0、PCM_MEAN_0=0とする。
【0028】
次に、次式のようにして、求められたPCM_MEAN_tとPCM符号の絶対値PCM_tとの差分の絶対値を求め、その値が閾値よりも大きければ異音と判断する。
【0029】
【数2】
【0030】
段階的にPCM抑圧量を変える点に関して、特願平6−97486に記載された装置では、データ置換部で置換されたデータにエラー信号を与え、そのエラー信号に応じて抑圧量を段階的に変えている。一方、図8及び図9に示す音声品質改善装置では、異音の発生を検出し、異音を検出した部分より段階的な異音抑圧処理を行なっているため、特願平6−97486に記載された装置の手法とは異なる手法を用いるものである。
【0031】
図10のブロック図に基づいて本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明する。レベル検出部7では、ADPCMデコーダ4により出力されるPCM符号のレベルを、PCM符号の絶対値を積分することにより求める。PCM減衰部6では、異音検出部5で異音が検出された場合、異音が発生しているフレームのみを聴覚的に聞こえない程度に減衰させ、レベル検出部7により検出したPCMのレベルと同等のレベルを持つ白色雑音(図10では白色雑音送出部11から供給)をPCM変換した信号を入力信号に加えて出力する。異音が検出されなかった場合には、入力したPCM符号をそのまま出力する。
【0032】
図11のブロック図に基づいて本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明する。無音・有音検出部8では、ADPCMデコーダ4により得られるPCM符号が無音信号であるか有音信号であるかを検出する。無音の検出は、PCM信号の絶対値を16ms間積分して、その値が、閾値(例えば閾値を−36dBm0としたときは0.01122)より小さい値ならば、無音であるとする。無音でない場合は有音とする。
【0033】
PCM減衰部6では、異音検出部5により異音が検出された場合、入力信号が無音信号か有音信号かという条件、及び、UWの誤りビット数に応じて、PCM信号を減衰する区間、または、減衰量を変更する。例えば、入力信号が無音信号の場合は有音信号の時に比べて長時間減衰する。異音が検出されない場合は、入力したPCM信号をそのまま出力する。
【0034】
図12の表1に基づいて本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明する。図12に基づいて説明する音声品質改善装置は、請求項1乃至請求項3に記載された音声品質改善装置の、ADPCM符号への所定の処理(符号置換処理)と、請求項4乃至請求項6に記載された音声品質改善装置の、ADPCMデコーダ4によりPCM符号に変換した後の所定の処理(異音抑圧処理)とを、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数に応じて組み合わせて、通話品質を向上させるための処理を行なうことを特徴とするもので、図12の表1は、それらの処理の組み合わせの実施形態を示したものであり、図12の表1に示すように、符号置換処理と異音抑圧処理との組み合わせに制限はなく、任意の組み合わせが可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の音声品質改善装置によれば、CRCエラーが検出された時点で、一時刻前のADPCM符号との差分を用いて符号置換をすることにより、異音発生に関係のある符号のみを、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質推定の結果にしたがって、ADPCM符号の特性を生かし、符号置換するため、異音発生を未然に防ぐだけでなく、伝送誤りがあっても元音声を忠実に再生できる。その結果、伝送誤りが発生した場合の通話音声の劣化を防ぐことが可能になり、通話品質の劣化を防ぐことが可能となる。
【0036】
請求項2記載の音声品質改善装置によれば、CRCエラーが検出された時点で、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定して、その回線品質に応じて異音発生に影響のある符号を置換するため、異音発生を未然に防ぐことが可能である。その結果、伝送誤りが発生した場合の通話音声の劣化を防ぐことが可能になり、通話品質の劣化を防ぐことが可能となる。
【0037】
請求項3記載の音声品質改善装置によれば、ADPCMデコーダでADPCM符号をPCM符号に復号するときに、CRC符号による誤り検出と共に、CRCエラー検出の無いフレームに対してADPCMデコーダで内部変数の値により異音発生を検出し、異音発生したフレームに対して、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質推定の結果にしたがって、符号置換処理を行なうことにより、異音の発生回数は、極めて少なくなる。そのため、異音による聴覚への影響は異音発生回数に比例して少なくなるため、音声品質の向上を図ることが可能となる。この方式では、ADPCMデコーダの内部変数により異音を検出しているので、確実に異音発生を防ぐことが可能となる。
【0038】
請求項4記載の音声品質改善装置によれば、ADPCMデコーダでADPCM符号をPCM符号に変換した際に異音が発生した場合PCM符号の減衰量をUWの誤りビット数に応じて段階的に変えることにより、異音発生フレームとその予防のために数フレームを一定量の滅衰量でPCM減衰をした場合では途切れ途切れの再生音声になっていたが、それをフレーム単位で減衰量を変えることにより再生音声が途切れ途切れになることが少なくなり、その結果、通話品質の劣化を防ぐことが可能となる。
【0039】
請求項5記載の音声品質改善装置によれば、ADPCMデコーダでADPCM符号をPCM符号に変換したときに異音が発生した場合、異音の影響を感じなくする程度にまでPCM抑圧をすることにより、異音の聴覚的な影響を除去できる。しかし、異音の聴覚的な影響を除去すると、その部分の再生音声が欠如してしまい、断続感のある再生音声となってしまう恐れがある。そのため、入力信号のレベルと同程度のレベルの背景雑音をPCM抑圧をした部分に加えることにより、再生音声の断続感は、回避可能となる。その結果、異音発生による聴覚的影響は低減でき、同時に通話品質は向上する。
【0040】
請求項6記載の音声品質改善装置によれば、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換したときに異音が発生した場合、異音発生から元の信号レベルに戻るまでの時間が無音信号と有音信号とで異なるため、より長い時間のかかる傾向にある無音信号に対してPCM抑圧処理をする時間を長くすることにより、異音の影響を低減することが可能となる。また、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質に応じた異音への減衰区間、減衰量を変更することにより、異音の影響を低減することが可能となる。その結果、異音発生の影響により聴覚上の不快感を与えることが無くなり、通話品質は向上する。
【0041】
請求項7記載の音声品質改善装置によれば、UWの誤りビット数に応じて回線品質を推定し、その回線品質推定の結果にしたがって、請求項1乃至請求項3に記載された音声品質改善装置の、異音発生を防ぐための符号置換処理と、請求項4乃至請求項6に記載された音声品質改善装置の異音減衰処理を組み合わせることにより、伝送誤りがあったときに発生する異音の影響を低減することが可能となり、通話品質は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音声品質改善装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】符号置換部の動作を説明するための説明図である。
【図3】本発明の音声品質改善装置の異なる実施形態を示すブロック図である。
【図4】符号置換部の動作を説明するための説明図である。
【図5】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態を示すブロック図である。
【図6】符号置換部の動作を説明するための説明図である。
【図7】ADPCMデコーダの一実施形態の概略構成を示すブロック図である。回線品質に応じた音声品質改善処理方法の従来例
【図8】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態を示すブロック図である。
【図9】PCM減衰部の動作を説明するための説明図である。
【図10】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態を示すブロック図である。
【図12】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施形態を示すブロック図である。
【図13】伝送フォーマットを示す構成図である。
【図14】従来の音声品質改善装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 差分検出部
2 閾値比較部
3 符号置換部
4 ADPCMデコーダ
5 異音検出部
6 PCM減衰部
7 レベル検出部
8 無音・有音検出部
Claims (7)
- 無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、音声データ伝送誤り検出符号(Cyclic Redundary Check Code:CRC符号)により誤りが検出されたフレームに対し、ADPCM符号と一時刻前のADPCM符号との差分を計算する差分検出部と、その差分検出部により計算された差分値と、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数に応じて変更される閾値との比較を行なう閾値比較部と、その閾値比較部の結果より、差分値が閾値よりも大きい場合は、ADPCM符号を閾値よりも小さくなるように置換する符号置換部を備えたことを特徴とする音声品質改善装置。
- 無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、CRC符号により誤りが検出されたフレームに対し、同期フレームの誤りビット数に応じて閾値を決定し、ADPCM符号が閾値を超えている場合、ADPCM符号が閾値よりも小さくなるようにADPCM符号を置換する符号置換部を備えたことを特徴とする音声品質改善装置。
- 無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、CRC符号により誤りが検出されたフレームに対し、同期フレームの誤りビット数に応じて閾値を決定し、ADPCM符号が閾値を超えている場合、ADPCM符号が閾値よりも小さくなるようにADPCM符号を置換する符号置換部と、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換する際に、ADPCMデコーダの内部変数値により異音発生を検出し、異音発生を検出した場合に、異音検出フラグを立てる機能を有するADPCMデコーダを備えたことを特徴とする音声品質改善装置。
- 無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換した際に、異音の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された場合、同期フレームの誤りビット数に応じてフレーム単位でPCM減衰の減衰量を変えるPCM減衰部とを備えたことを特徴とする音声品質改善装置。
- 無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換した際に、異音の発生を検出する異音検出部と、入力信号レベルを検出するレベル検出部とを備え、異音発生を検出した場合に、入力信号の異音部分を同期フレームの誤りビット数に応じて滅衰量を変更し、前記レベル検出部により得られる入力信号レベルと略同等の大きさの白色雑音を入力信号に加えることを特徴とする音声品質改善装置。
- 無線通信において、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数によって回線品質を推定し、通話品質を向上させるための処理を行なう音声品質改善装置であって、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換した際に、異音の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された場合に、入力信号が、無音信号か有音信号かを検出する無音・有音検出部と、入力信号が無音信号か有音信号かと、同期フレームの誤りビット数とに応じて、減衰を行なう区間または減衰量を変更するPCM減衰部を備えたことを特徴とする音声品質改善装置。
- 請求項1乃至請求項3に記載された音声品質改善装置の、ADPCM符号への所定の処理と、請求項4乃至請求項6に記載された音声品質改善装置の、ADPCMデコーダによりPCM符号に変換した後の所定の処理とを、同期フレーム(PHSでは、Unique Word)の誤りビット数に応じて組み合わせて、通話品質を向上させるための処理を行なうことを特徴とする音声品質改善装置。
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JP11514996A Expired - Lifetime JP3603469B2 (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 音声品質改善装置 |
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JP (1) | JP3603469B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4551555B2 (ja) * | 2000-11-29 | 2010-09-29 | 株式会社東芝 | 符号化データ伝送装置 |
-
1996
- 1996-05-09 JP JP11514996A patent/JP3603469B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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