JP4551555B2 - 符号化データ伝送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばディジタル携帯電話装置のように符号化データを伝送する装置に係わり、特に通信中に受信データと蓄積データとを切り換える場合のように複数の符号化データ系列を切り換えることを可能にした符号化データ伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、携帯電話装置をはじめとする音声通信端末の中には、録音機能等により予め蓄積された音声符号化データを再生する機能を持った端末が増えている。
【0003】
この種の端末において、例えば再生対象のデータを通話相手端末から受信した音声データから蓄積音声データに切り換えようとする場合、蓄積音声データがPCM(Pulse Code Modulation)信号であれば、D/A変換器に入力するデータを受信音声データから蓄積音声データに切り換えることで実現できる。また、蓄積音声データが符号化データの場合には、音声復号器に入力するデータを受信音声符号化データから蓄積音声符号化データに切り換えることで実現される。
【0004】
一方、音声データを再生する端末が自端末でなく通信相手の端末である場合には、蓄積音声データがPCM信号であれば自端末の音声符号化器に入力するデータを送話音声データから蓄積音声データに切り換えることで実現できる。また、蓄積音声データが圧縮された符号化データの場合には、送信部に入力するデータを送話音声符号化データから蓄積音声符号化データに切り換えることで実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成には次のような解決すべき課題がある。すなわち、音声データの切り換えをPCM信号の状態で行うには蓄積音声データをPCM信号として保存しておく必要があるため、音声データを蓄積するためのメモリの容量が大きくなり端末が高価になる。これに対し音声データの切り換えを圧縮された符号化データの状態で行うと、蓄積音声データを保存するメモリ容量を少なくできる反面、再生する音声符号化データを切り換えたときに音声符号化データの内容と音声符号化方式の種類によっては耳障りな異音が発生することがある。
【0006】
この異音の発生は、音声符号化方式として予測符号化方式を採用している場合に顕著に現れる。これは、予測符号化方式が過去のフレームのピッチ周期や利得、合成フィルタ係数等のパラメータおよびその入力信号に基づいて復号処理部の内部状態を更新しながら現フレームを推定し差分を符号化する方式であり、途中で音声符号化データを切り換えると切り換え後の符号化データフレームの復号処理が切り換え前の符号化データフレームのパラメータの影響を受けて、符号化時とは異なった推定がなされるためである。この誤った推定が行われると異常な復号データが得られ、これが非常に耳障りな異音となって出力される。
【0007】
この異音の発生を防ぐために、切換時に再生データをミュートすることも考えられる。しかし、ミュートすると切り換えの前後において再生されない音声データが発生し、これが語尾切れや語頭切れの原因となり受話品質の劣化を招く。また、音声データの切り換えを送信側の端末で行う場合には、通信相手の端末が切り換えタイミングを認識することができないため、ミュートを使用することができない。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、復号処理手段がフレーム間の相関を利用して復号を行う方式を採用している場合でも、符号化データ系列の切り換え時点で異常な復号データが再生されないようにした符号化データ伝送装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、符号化データ系列の切換指示に応じて、複数の符号化データ系列を切り換えて選択的に復号処理に供する符号化データ伝送装置にあって、上記選択された符号化データ系列の切り換え後の最初のフレームに付加されている誤り検出識別子を、誤り検出識別子付加手段において誤りが検出されたことを示す識別子に強制的に置き換えて復号処理に供し、復号処理手段では、上記選択出力された符号化データ系列をフレームごとに過去のフレームとの相関をもとに復号して原データを再生するとともに、上記誤りが検出されたことを示す識別子が付加されたフレームが入力された場合には当該フレームに対し所定の誤り補償処理を含む復号処理を行うようにしたものである。
【0012】
従って第1の発明によれば、符号化データの切り換えが行われると、その切換後の最初のフレームに付加されている誤り検出識別子が強制的に誤り有りの識別子に置き換えられる。このため、上記切換後の最初のフレームを復号する際には、上記誤り有りの識別子により補間や利得制御などの誤り補償処理を含む復号処理が行われる。従って、予測符号化方式を使用して復号処理を行う場合に、切り換え直後に異常な復号データが再生されることはなくなり、この結果異音や異常画像が出力される不具合を防止できる。
【0013】
一方第2の発明は、符号化データ系列の切換指示に応じて、複数の符号化データ系列を切り換えて選択的に送信する符号化データ伝送装置にあって、データ伝送先の符号化データ受信装置が、受信した符号化データ系列をフレームごとに過去のフレームとの相関をもとに復号して原データを再生するとともに、特定ビットパターンのフレームが入力された場合には過去のフレームとの相関をキャンセルして上記特定ビットパターンに続くフレームから復号処理を再開する復号処理手段を備えている場合に、
上記選択された符号化データ系列の切り換え後の最初のフレームを、フレーム置換手段により予め用意した特定ビットパターンのフレームに置き換えて送信処理に供し、送信処理手段において、上記フレーム置換手段によるフレーム置換処理がなされた符号化データ系列を上記受信装置に向け通信伝送路へ送信するようにしたものである。
【0014】
従って第2の発明によれば、送信側の装置において、複数の符号化データ系列を切り換えながら受信側の装置へ送信する場合に、符号化データ系列の切り換えが行われると、切換後の最初のフレームが特定ビットパターンのフレームに置き換えられて送信される。このため、受信側の装置では、上記特定ビットパターンが挿入されていたフレームを受信した時点で復号処理が一旦初期化される。従って、受信側の装置が予測符号化方式を使用して復号処理を行っている場合に、符号化データ系列の切り換え直後に異常な復号データが再生される心配はなくなり、これにより例えば異音や異常画像が出力される不具合を防止できる。
【0015】
また第3の発明は、符号化データ系列の切換指示に応じて、複数の符号化データ系列を切り換えて選択的に送信する符号化データ伝送装置にあって、データ伝送先の符号化データ受信装置が、受信した符号化データ系列をフレームごとに過去のフレームとの相関をもとに復号処理して原データを出力するとともに、誤り検出有りを表す識別子が付加されたフレームが入力された場合には当該フレームに対し所定の誤り補償処理を含む復号処理を行う復号処理手段を備えている場合に、
上記選択された符号化データ系列の各フレームに付加されている誤り検出識別子のうち、切換後の最初のフレームに付加されている誤り検出識別子を、誤り検出識別子置換手段において誤り検出有りを示す識別子に強制的に置き換えて送信処理に供し、送信処理手段において、上記誤り検出符号置換手段により誤り検出符号の置き換え処理がなされた符号化データ系列を符号化データ受信装置に向けて通信伝送路へ送信するようにしたものである。
【0016】
従って第3の発明によれば、送信側の装置において、複数の符号化データ系列を切り換えながら受信側の装置へ送信する場合に、符号化データ系列の切り換えが行われると、切換後の最初のフレームに付加されている誤り検出符号が受信側装置の誤り検出手段において必ず誤りとして検出される誤り検出符号に置き換えられて送信される。このため受信側の装置では、上記切換後の最初の符号化データフレームが受信されると、このフレームについて誤りが検出されて、補間や利得制御などの誤り補償処理を含む復号処理が行われる。従って、受信側の装置が予測符号化方式を使用して復号処理を行っている場合に、符号化データ系列の切り換え直後に異常な復号データが再生されてこれが例えば異音や異常画像となって出力される不具合は防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
この発明の第1の実施形態は、音声符号化データを受信し復号再生する装置において、受信した音声符号化データと予め蓄積しておいた音声符号化データとを相互に切り換えて復号し再生出力する場合に、切換後の最初のフレームを予め用意した特定ビットパターンに置き換えたのち音声復号処理部に供給する。そして、音声復号処理部において、復号すべき音声符号化データのフレームを、過去のフレームの復号過程で生成し保持しておいた内部状態をもとに復号して原データを再生するとともに、復号すべきフレームが上記特定ビットパターンだった場合には上記過去のフレームの内部状態を初期化して後続のフレームから復号処理を再開するようにしたものである。
【0018】
図1は、この発明に係わる符号化データ伝送装置の第1の実施形態である音声データ受信端末の要部構成を示す回路ブロック図である。
この音声データ受信端末は、図示しない通信網に接続されるネットワーク受信制御部10を備えている。このネットワーク受信制御部10は、通信網に対する呼制御および通信相手端末との間の通信制御を行うもので、相手端末から通信網を介して伝送された通信データを受信しその音声符号化データを再生データ切り換え部14に入力する。
【0019】
また音声データ受信端末は、音声符号化データ蓄積部11を備えている。この音声符号化データ蓄積部11には、例えば過去に受信および送信した通信相手からの受信音声符号化データおよび自身の送話音声符号化データや、オフラインでパーソナル・コンピュータなどを用いて符号化した音声符号化データが格納される。この蓄積音声符号化データは、主制御部1Aにより読み出されて蓄積データバッファ12に一旦書き込まれる。この蓄積データバッファ12は例えばFIFO(First-in First-out)メモリからなり、上記蓄積音声符号化データをフレーム単位で読み出して上記再生データ切り換え部14に入力する。
【0020】
再生データ切り換え部14は、キー入力部13の操作に応じて主制御部1Aから出力されるデータ切り換え制御信号SWaに従い、上記ネットワーク受信制御部10から出力された受信音声符号化データと、上記蓄積データバッファ12から読み出された蓄積音声符号化データとを択一的に選択してデータ切り換え補正部15Aに入力する。
【0021】
データ切り換え補正部15Aは、特定パターン格納メモリ15aと、セレクタ15bとを備える。特定パターン格納メモリ15aには、予め設定した特定のビットパターンが格納されている。この特定パターンとしては、例えばAMR(Adaptive Multi Rate)音声符号化方式で規定されている復号処理の初期化を促すホーミングフレームが用いられる。
【0022】
セレクタ15bは、主制御部1Aから出力される上記データ切り換え制御信号SWaに応じて、通常状態では再生データ切り換え部14から出力された音声符号化データを選択し、一方音声符号化データの切り換えが行われた直後の最初のフレーム期間には上記特定パターン格納メモリ15aから出力される特定パターンPを選択する。そして、この選択した音声符号化データおよび特定パターンPを音声符号化データバッファ16に書き込む。
【0023】
音声符号化データバッファ16はFIFOメモリを使用しており、書き込まれた上記音声符号化データおよび特定パターンPを音声復号処理部17Aの要求に従いフレーム単位で読み出して当該音声復号処理部17Aに入力する。
【0024】
音声復号処理部17Aは、特定パターン格納メモリ17aと、比較器17bと、音声復号処理コア部17cとを備えている。特定パターン格納メモリ17aには前記特定パターンPが格納されている。比較器17bは、音声符号化データバッファ16から音声符号化データのフレームを一つ取り込むごとに、このフレームのデータと上記特定パターンPとを比較し、これにより上記フレームが特定パターンフレームであるか否かを判定する。そして、特定パターンフレームが検出された場合に初期化信号を音声信号処理コア部17cに与える。
【0025】
音声復号処理コア部17cは、入力された音声符号化データを予測符号化方式により復号処理してPCM音声信号を出力する。なお、予測符号化には、PCMサンプル間の予測に限らず、分析合成系の符号化方式の復号過程で得られるピッチ周期、ゲイン、合成フィルタ計数などのパラメータ予測も含まれる。一例としてはAMR音声符号化方式があげられる。
【0026】
AMR音声符号化方式の復号処理では、過去の復号過程で得られた上記各パラメータおよび入力信号を内部状態を表す情報として内部状態格納メモリ18に保持し、この内部状態を表す情報を考慮して現行フレームの復号処理を行う。そして、この復号処理により得られたPCM音声信号をD/A変換器19へ出力する。また、上記内部状態格納メモリ18に保持されている内部状態を表す情報を、上記現行フレームの復号処理において新たに得られたパラメータおよび信号に更新する。
【0027】
また音声復号処理コア部17cは、上記比較器17bから初期化信号が与えられた場合に、その時点で上記内部状態格納メモリ18に保持されている内部状態を表す情報を初期化する。
【0028】
D/A変換器19は、上記音声復号処理コア部17cから出力されたPCM信号をアナログ音声信号に変換し、このアナログ音声信号をスピーカ20に供給して拡声出力させる。
【0029】
次に、以上のように構成された音声データ受信端末の動作を説明する。図2はこの動作説明に使用するタイミング図である。
先ず通常の通話状態において、再生データ切り換え部14およびセレクタ15bはそれぞれネットワーク受信制御部10側および再生データ切り換え部14側に設定される。従ってこの状態では、ネットワーク受信制御部10で受信された音声符号化データが音声符号化データバッファ16を介して音声復号処理部17Aに入力される。音声復号処理部17Aでは、上記受信音声符号化データのフレームが一つ入力されるごとに、先に述べたように音声復号処理コア部17cにおいて、内部状態格納メモリ18に保持されている過去のフレームの復号過程で得たパラメータ情報等をもとに予測符号化の復号処理が行われる。そして、この復号処理により得られたPCM音声信号はD/A変換器19でアナログ音声信号に変換されてスピーカ20から拡声出力される。
【0030】
さて、この通話の途中で、この受信端末のユーザが留守伝言などの蓄積音声符号化データを再生するべく、キー入力部13において符号化データの再生切換操作を行ったとする。そうすると主制御部1Aからデータ切り換え制御信号SWaが出力され、これにより再生データ切り換え部14が蓄積データバッファ12側に切り換わる。このため、音声符号化データ蓄積部11から読み出された蓄積音声符号化データは、蓄積データバッファ12から上記再生データ切り換え部14およびデータ切り換え補正部15Aを介して音声符号化データバッファ16に一旦書き込まれ、この音声符号化データバッファ16から音声復号処理部17Aに入力される。
【0031】
ところで、このとき上記主制御部1Aから出力されたデータ切り換え制御信号SWaに従い、データ切り換え補正部15Aのセレクタ15bが切り換え直後の最初のフレーム期間にのみ特定パターン格納メモリ15a側に切り換わる。従って、上記再生データ切り換え部14から出力された蓄積音声符号化データの切り換え後の最初のフレームは、上記特定パターン格納メモリ15aから読み出された特定パターンに置き換えられる。
【0032】
音声復号処理部17Aでは、上記蓄積音声符号化データの切換後の最初のフレームが入力されると、この最初のフレームに挿入されている特定パターンが比較器17bで検出されて、音声復号処理コア部17cに初期化信号が与えられる。このため、内部状態格納メモリ18に保持されている内部状態を表す情報が初期化され、音声復号処理コア部17cは上記特定パターンフレームに続いて入力されるフレームから予測符号化の復号処理を再開する。従って、蓄積音声符号化データの復号処理に、切換前の受信音声符号化データの復号処理において予測されたパラメータ等が使用されることはなく、この結果誤りの少ない蓄積音声符号化データのPCM信号が得られる。このため、切り換え直後にスピーカ20から耳障りな異音が出力される不具合は防止される。
【0033】
なお、ユーザがキー操作部13において、上記蓄積音声符号化データの再生から受信音声符号化データの再生に戻すための切り換え操作を行った場合にも、上記受信音声符号化データから蓄積音声符号化データへの切換時と同様に、特定パターンを利用したデータ切り換え補正が行われる。
【0034】
以上述べたように第1の実施形態では、音声復号処理部17Aに供給する符号化データが、受信音声符号化データと蓄積音声符号化データとの間で切り換えられた場合に、データ切り換え補正部15Aにおいて、切換後の最初のフレームを特定パターンに置き換えている。そして、音声復号処理部17Aにおいて、比較器17bにより上記特定パターンを検出すると音声復号処理コア部17cに初期化信号を与えて内部状態格納メモリ18を初期化するようにしている。
【0035】
従って、切換後の音声符号化データに対し予測符号化による復号処理をする際に、切換前の音声符号化データの復号処理において予測されたパラメータ情報等が上記復号処理に悪影響を及ぼさないようにすることができ、これにより誤りの少ない復号処理が可能となる。このため、切り換え直後にスピーカ20から耳障りな異音が出力される不具合は防止され、これにより受話品質は高められる。
【0036】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、音声符号化データを受信し復号再生する装置において、受信した音声符号化データと予め蓄積しておいた音声符号化データとを相互に切り換えて復号し再生出力する場合に、切換後の最初のフレームに付加されている誤り検出結果を表す誤り検出識別子を強制的に誤りが検出されたことを表す識別子に置き換える。そして、音声復号処理部において、復号すべき音声符号化データのフレームを、過去のフレームの復号過程で生成し保持しておいた内部状態をもとに復号して原データを再生するとともに、復号すべきフレームに誤り有りを示す誤り検出識別子が付加されている場合には、当該フレームについて補間や利得調整などの誤り補償処理を施したのち復号処理に供するようにしたものである。
【0037】
図3は、この発明に係わる符号化データ伝送装置の第2の実施形態である音声データ受信端末の要部構成を示す回路ブロック図である。なお、同図において前記図1と同一部分には同一符号付して詳しい説明は省略する。
【0038】
ネットワーク受信制御部10により受信された通信データは、音声符号化データ抽出部21および誤り検出処理部22にそれぞれ入力される。音声符号化データ抽出部21は、上記通信データからCRC(Cyclic Redundancy Check)符号などの誤り検出符号を含む音声符号化データをヘッダ情報などの他の情報から分離抽出し、再生データ切り換え部14に入力する。
【0039】
誤り検出処理部22は、上記ネットワーク受信制御部10から入力された通信データのフレームごとに、このフレームデータと当該フレームに付加されている誤り検出符号とから当該フレームが符号誤りを有する誤りフレームであるか否かを判定する。そして、この判定結果を誤りフレーム信号によりデータ切り換え補正部15Bに通知する。誤りフレーム信号は、例えば誤りフレームであれば“1”、誤りフレームでなければ“0”となる。
【0040】
再生データ切り換え部14は、ユーザの切り換え操作に応じて主制御部1Bから出力されるデータ切り換え制御信号SWbに従い、上記音声符号化データ抽出部21から出力された受信音声符号化データと、音声符号化データ蓄積部11から読み出された蓄積音声符号化データとを択一的に切り換えて、データ切り換え補正部15Bに入力する。
【0041】
データ切り換え補正部15Bは、セレクタ15cと、オア回路15dと、誤り識別子付加部15eとから構成される。セレクタ15cは、主制御部1Bから出力されるデータ切り換え制御信号SWbに従い、受信音声符号化データが選択されている期間には前記誤り検出処理部22から出力される誤りフレーム信号を選択し、一方蓄積音声符号化データが選択されている期間にはエラーフリーが予想されるため“0”を選択する。
【0042】
オア回路15dは、通常状態では上記セレクタ15cから出力される信号をそのまま出力し、一方符号化データ切り換え後の最初のフレーム期間にはデータ切り換え制御信号SWb(“1”レベル)を出力する。誤り識別子付加部15eは、上記再生データ切り換え部14から出力された音声符号化データのフレームごとに、上記オア回路15dから出力された信号を誤り検出識別子として付加する。そして、この誤り検出識別子を付加した音声符号化データを音声符号化データバッファ16に書き込む。
【0043】
音声符号化データバッファ16と音声復号処理部17Bとの間には誤り識別子チェック部23が設けてある。この誤り識別子チェック部23は、上記音声符号化データバッファ16から音声符号化データを1フレーム取り込むごとに、このフレームに付加されている誤り検出識別子をもとに当該フレームが誤りフレームであるか否かを判定する。そして、この判定結果を音声復号処理部17Bの誤り補償処理部17dに通知する。
【0044】
音声復号処理部17Bは、音声復号処理コア部17cと、誤り補償処理部17dとを備えている。誤り補償処理部17dは、上記誤り識別子チェック部23から誤りフレームが検出された旨の判定結果が通知された場合に、上記音声符号化データバッファ16から取り込んだ音声符号化データの該当するフレームに対し誤り補償処理を施す。誤り補償処理としては例えば、AMR音声符号化方式のように過去のフレームにおいて予測したパラメータ情報から現行フレームのパラメータを補間するとともに、当該パラメータの利得を一定レベル以下に下げる処理が用いられる。
【0045】
音声復号処理コア部17cは、誤りのないフレームが入力された場合には、内部状態格納メモリ18に保持されている過去のフレームの復号過程で得られたパラメータ情報をもとに現行フレームの復号処理を行う。一方、誤りフレームの場合には、上記誤り補償処理部17dにより誤り補償されたパラメータ情報に従い復号処理する。
【0046】
次に、以上のように構成された音声データ受信端末の動作を説明する。
先ず通常の通話状態において、再生データ切り換え部14およびセレクタ15cはそれぞれ音声符号化データ抽出部21側および誤り検出処理部22側に設定される。従ってこの状態では、ネットワーク受信制御部10で受信された音声符号化データが、音声符号化データ抽出部21から再生データ切り換え部14を介して誤り識別子付加部15cに入力される。そして、この誤り識別子付加部15cにおいて、上記受信音声符号化データのフレームごとに、誤り検出処理部22から出力された誤りフレーム信号が誤り検出識別子として付加され、音声符号化データバッファ16に書き込まれる。
【0047】
音声復号処理部17Bでは、上記受信音声符号化データのフレームが一つ入力されるごとに、このフレームが誤りフレームでなければ、音声復号処理コア部17cにおいて内部状態格納メモリ18に保持されている過去のフレームの復号過程で得たパラメータ情報等をもとに予測符号化の復号処理が行われる。これに対し、上記入力フレームが誤りを有するフレームだった場合には、誤り補償処理部17dにおいて当該フレームのパラメータ情報の補間および利得下げなどの誤り補償処理が行われ、この誤り補償されたパラメータ情報をもとに音声復号処理コア部17cで復号処理される。
【0048】
そして、この復号処理により得られたPCM音声信号はD/A変換器19でアナログ音声信号に変換されてスピーカ20から拡声出力される。
【0049】
さて、このような通話の途中で、この端末のユーザが留守伝言などの蓄積音声符号化データを再生するべく、キー入力部13において符号化データの切換操作を行ったとする。そうすると主制御部1Bからデータ切り換え制御信号SWbが出力され、これにより再生データ切り換え部14が蓄積データバッファ12側に切り換わる。このため、音声符号化データ蓄積部11から読み出された蓄積音声符号化データは、蓄積データバッファ12から上記再生データ切り換え部14を介してデータ切り換え補正部15Bに入力される。また、上記データ切換制御信号SWbにより、データ切り換え補正部15Bのセレクタ15cは誤り無しを表す“0”を選択する。従って、以後蓄積音声符号化データの各フレームには上記“0”が誤り検出識別子として固定的に付加され、音声符号化データバッファ16に書き込まれる。
【0050】
ところで、このときデータ切り換え補正部15Bのオア回路15dには、切り換え直後の最初のフレーム期間に上記データ切り換え制御信号SWb(“1”レベル)が入力される。このため、再生データ切換部14から出力された蓄積音声符号化データの最初のフレームには、上記データ切り換え制御信号SWbによる“1”が誤り検出識別子として付加される。
【0051】
音声復号処理部17Bでは、上記蓄積音声符号化データの切換後の最初のフレームが入力されると、この最初のフレームは誤りフレームであることが誤り識別子チェック部23から通知されているので、誤り補償処理部17dにおいてパラメータ情報の誤り補償処理が行われ、この誤り補償されたパラメータ情報をもとに音声復号処理コア部17cで復号処理される。従って、蓄積音声符号化データの最初のフレームの復号処理に、切換前の受信音声符号化データの復号処理において予測されたパラメータ情報等がそのまま使用されることはなく、この結果誤りの少ない蓄積音声符号化データのPCM信号が得られる。このため、切り換え直後にスピーカ20から耳障りな異音が出力される不具合は防止される。
【0052】
なお、ユーザがキー操作部13において、上記蓄積音声符号化データの再生から受信音声符号化データの再生に戻すための切り換え操作を行った場合にも、上記受信音声符号化データから蓄積音声符号化データへの切換時と同様に、データ切り換え補正部15Bにおいては切換後の最初のフレームに誤り有りを示す誤り検出識別子が強制付与され、この誤り検出識別子をもとに音声復号処理部17Bにおいて誤り補償処理を含む復号処理が行われる。
【0053】
以上述べたように第2の実施形態では、音声復号処理部17Aに供給する符号化データが、受信音声符号化データと蓄積音声符号化データとの間で切り換えられた場合に、データ切り換え補正部15Bにおいて切換後の最初のフレームに誤り有りを示す誤り検出識別子を強制付与し、この誤り検出識別子をもとに音声復号処理部17Bにおいて補間や利得下げなどの誤り補償処理を含む復号処理を行うようにしている。
【0054】
従って、切換後の音声符号化データに対し予測符号化による復号処理をする際に、相関性のない不適当なパラメータ情報がそのまま使用されないようにすることができ、この結果誤りの少ない復号処理が可能となる。このため、切り換え直後にスピーカ20から耳障りな異音が出力される不具合は防止され、これにより受話品質は高められる。
【0055】
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は、通信相手端末へ音声符号化データを送信する端末装置において、ユーザがマイクロホンに入力した送話音声の符号化データと、予め蓄積しておいた音声符号化データとを相互に切り換えて送信する場合に、切換後の最初のフレームを予め用意した特定ビットパターンに置き換えて送信するようにしたものである。
【0056】
図4は、この発明に係わる符号化データ伝送装置の第3の実施形態である音声データ送信端末の要部構成を示す回路ブロック図である。
【0057】
同図において、マイクロホン30から出力されたアナログ音声信号は、A/D変換器31でPCM音声信号に変換されたのち音声符号化処理部32に入力される。この音声符号化処理部32は、AMR音声符号化方式により上記PCM音声信号の符号化圧縮処理を行い、これにより得られた送話音声符号化データを音声符号化データバッファ33に書き込む。音声符号化データバッファ33はFIFOメモリを使用しており、書き込まれた上記送話音声符号化データをフレーム単位で送信データ切り換え部34に入力する。
【0058】
また本実施形態の音声データ送信端末は、音声符号化データ蓄積部35を備えている。この音声符号化データ蓄積部35には、例えば過去に受信および送信した通信相手からの受信音声符号化データおよび自身の送話音声符号化データや、オフラインでパーソナル・コンピュータなどを用いて符号化した音声符号化データが格納される。この蓄積音声符号化データは、主制御部2Aにより読み出されて蓄積データバッファ36に一旦書き込まれる。この蓄積データバッファ36は例えばFIFOメモリからなり、上記蓄積音声符号化データをフレーム単位で読み出して上記送信データ切り換え部34に入力する。
【0059】
送信データ切り換え部34は、キー入力部40の操作に応じて主制御部2Aから出力されるデータ切り換え制御信号SWcに従い、上記音声符号化データバッファ33から読み出された送話音声符号化データと、上記蓄積データバッファ36から読み出された蓄積音声符号化データとを択一的に選択してデータ切り換え補正部37Aに入力する。
【0060】
データ切り換え補正部37Aは、特定パターン格納メモリ37aと、セレクタ37bとを備える。特定パターン格納メモリ37aには、予め設定した特定のビットパターンが格納されている。この特定パターンとしては、AMR音声符号化方式で規定されている復号処理の初期化を促すホーミングフレームが用いられる。
【0061】
セレクタ37bは、主制御部2Aから出力される上記データ切り換え制御信号SWcに応じて、通常状態では送信データ切り換え部34から出力された音声符号化データを選択し、一方音声符号化データの切り換えが行われた直後の最初のフレーム期間には上記特定パターン格納メモリ37aから読み出される特定パターンPを選択する。そして、この選択した音声符号化データおよび特定パターンPをネットワーク送信制御部38に供給する。
【0062】
ネットワーク送信制御部38は、上記データ切り換え補正部37Aから出力された音声符号化データを、通信網のアクセス制御プロトコルに従い通信網を介して通信相手端末へ送信する。
【0063】
次に、以上のように構成された音声データ送信端末の動作を説明する。
先ず通常の通話状態において、送信データ切り換え部34およびセレクタ37bはそれぞれ音声符号化データバッファ33側および送信データ切り換え部34側に設定される。従ってこの状態では、マイクロホン30に入力されたユーザの送話音声の符号化データが、音声符号化データバッファ33から送信データ切り換え部34およびセレクタ37bをそれぞれ介してそのままネットワーク送信制御部38に入力され、このネットワーク送信制御部38から通信相手端末に向け送信される。
【0064】
さて、この通話の途中で、この送信端末のユーザが留守伝言などの蓄積音声符号化データを送信するべく、キー入力部40において符号化データの送信切換操作を行ったとする。そうすると主制御部2Aからデータ切り換え制御信号SWcが出力され、これにより送信データ切り換え部34が蓄積データバッファ36側に切り換わる。このため、以後音声符号化データ蓄積部35から読み出された蓄積音声符号化データが、上記送信データ切り換え部34およびデータ切り換え補正部37Aを介してネットワーク送信制御部38に入力され送信される。
【0065】
ところで、このとき上記主制御部2Aから出力されたデータ切り換え制御信号SWcに従い、データ切り換え補正部37Aのセレクタ37bが切り換え直後の最初のフレーム期間にのみ特定パターン格納メモリ37a側に切り換わる。従って、上記送信データ切り換え部34から出力された蓄積音声符号化データの切り換え後の最初のフレームは、上記特定パターン格納メモリ37aから読み出された特定パターンに置き換えられ、この特定パターンPが通信相手端末へ送信される。
【0066】
なお、ユーザがキー操作部40において、上記蓄積音声符号化データの送信から送話音声符号化データの送信に復帰するための切り換え操作を行った場合にも、先に述べた送話音声符号化データから蓄積音声符号化データへの切換時と同様に、切り換え後の最初のフレームのデータは特定パターンPに置き換えられ、通信相手端末へ向け送信される。
【0067】
したがって、通信相手端末がAMR音声符号化方式に対応する一般的な復号処理機能、例えば図1に示した音声復号処理部17Aを備えていれば、通信相手端末では、受信音声符号化データが送話音声符号化データから蓄積音声符号化データに、あるいは蓄積音声符号化データから送話音声符号化データにそれぞれ切り替わる時点で、特定パターンPがトリガとなって内部状態格納メモリ18に格納されている内部状態情報が初期化される。このため、切換前の音声符号化データの復号処理において得られたパラメータ情報等が切換後の音声符号データの復号処理に悪影響を及ぼさないようにすることができ、これにより誤りの少ない復号処理が可能となる。
【0068】
このように第3の実施形態では、送信端末において、送信すべき音声符号化データを送話音声符号化データと蓄積音声符号化データとの間で切り換えた場合に、切換後の最初のフレームを、受信端末の音声復号処理部にパラメータ情報の初期化を促す特定ビットパターンPに置き換えて送信するようにしている。
【0069】
従って、受信端末では受信音声符号化データが送話音声符号化データから蓄積音声符号化データに、あるいは蓄積音声符号化データから送話音声符号化データにそれぞれ切り替わる時点で、特定パターンPにより音声復号処理部の内部状態情報が初期化される。このため、切換前の音声符号化データの復号処理において得られたパラメータ情報等が切換後の音声符号データの復号処理に悪影響を及ぼさないようにすることができ、これにより誤りの少ない復号処理を行うことができる。この結果、切り換え直後に耳障りな異音が出力される不具合は防止され、これにより受話品質は高められる。
【0070】
(第4の実施形態)
この発明の第4の実施形態は、通信相手端末へ音声符号化データを送信する端末装置において、ユーザがマイクロホンに入力した送話音声の符号化データと、予め蓄積しておいた音声符号化データとを相互に切り換えて送信する場合に、各フレームに付加される誤り検出符号のうち、切換後の最初のフレームに付加される誤り検出符号を、受信端末が当該フレームの誤り検出を行ったときに必ず誤り有りとして検出するような符号に強制的に置き換えるようにしたものである。
【0071】
図5は、この発明に係わる符号化データ伝送装置の第4の実施形態である音声データ送信端末の要部構成を示す回路ブロック図である。なお、同図において前記図4と同一部分には同一符号付して詳しい説明は省略する。
【0072】
送信データ切換部34とデータ切り換え補正部37Bとの間には誤り検出符号付加部39が設けてある。この誤り検出符号付加部39は、送信データ切り換え部34から出力された音声符号化データの各フレームに、CRC符号などの誤り検出符号を付加する。
【0073】
データ切り換え補正部37Bは、誤り挿入処理部37cと、セレクタ37dとを備えている。誤り挿入処理部37cは、上記誤り検出符号付加部39から出力された音声符号化データのフレームごとに、そのデータと当該フレームに付加されている誤り検出符号とをもとに、受信端末が当該フレームの誤り検出を行ったときに必ず誤りを検出するような不正誤り検出符号を生成する。
【0074】
セレクタ37dは、通常時には上記誤り検出符号付加部39から出力された正規の誤り検出符号付きの音声符号化データをそのまま通過させてネットワーク送信制御部38に供給し、一方主制御部2Bからデータ選択制御信号SWdが出力されたフレーム期間には、上記誤り挿入処理部37cから出力された不正誤り検出符号付きの音声符号化データを選択してネットワーク送信制御部38に供給する。
【0075】
次に、以上のように構成された音声データ送信端末の動作を説明する。
先ず通常の通話状態において、送信データ切り換え部34およびセレクタ37bはそれぞれ音声符号化データバッファ33側および送信データ切り換え部34側に設定される。従ってこの状態では、マイクロホン30に入力されたユーザの送話音声の符号化データが、誤り検出符号付加部39でフレームごとに誤り検出符号が付加されたのちネットワーク送信制御部38に入力され、このネットワーク送信制御部38から通信相手端末に向け送信される。
【0076】
さて、この通話の途中で、この送信端末のユーザが留守伝言などの蓄積音声符号化データを送信するべく、キー入力部40において符号化データの送信切換操作を行ったとする。そうすると主制御部2Bからデータ切り換え制御信号SWdが出力され、これにより送信データ切り換え部34が蓄積データバッファ36側に切り換わる。このため、以後音声符号化データ蓄積部35から読み出された蓄積音声符号化データが、上記送信データ切り換え部34を介して誤り検出符号付加部39に入力され、ここでフレームごとに誤り検出符号が付加されたのち、データ切り換え補正部37Aを介してネットワーク送信制御部38に入力され送信される。
【0077】
またこのとき、上記切り換え後の最初のフレーム期間においては、主制御部2Bから出力されるデータ選択制御信号SWdによりデータ切り換え補正部37Bのセレクタ37dが誤り挿入処理部37c側に切り替わる。このため、この切り換え後の最初のフレーム期間には、誤り検出符号付加部39から出力される正規の誤り検出符号付きの音声符号化データが、誤り挿入処理部37cから出力された不正誤り検出符号付きの音声符号化データに置き換えられて送信される。
【0078】
なお、ユーザがキー操作部40において、上記蓄積音声符号化データの送信から送話音声符号化データの送信に復帰するための切り換え操作を行った場合にも、先に述べた送話音声符号化データから蓄積音声符号化データへの切換時と同様に、切り換え後の最初のフレームは不正誤り検出符号付きの音声符号化データに置き換えられて通信相手端末へ向け送信される。
【0079】
したがって、通信相手端末が例えば図3に示したように、CRC符号などを用いた一般的な誤り検出処理部22と、その検出結果に応じて誤り検出識別子を付加する誤り識別子付加部15eと、この誤り識別子付加部15eにより付加された誤り検出識別子をもとに誤り補償処理付きの復号処理を行う一般的な音声復号処理部17Bとを備えていれば、音声符号化データの切替時点において適切な復号処理が可能となる。
【0080】
すなわち、通信相手端末では、受信音声符号化データが送話音声符号化データから蓄積音声符号化データに、あるいは蓄積音声符号化データから送話音声符号化データにそれぞれ切り替わる時点で、上記不正誤り検出符号に応じて音声復号処理部17Bで補間や利得下げなどの誤り補償処理を含む復号処理が行われる。このため、切換後の音声符号化データに対し予測符号化による復号処理をする際に、相関性のない不適当なパラメータ情報がそのまま使用されないようにすることができ、この結果誤りの少ない復号処理が可能となる。このため、切り換え直後にスピーカから耳障りな異音が出力される不具合は防止され、これにより受話品質は高められる。
【0081】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、受信音声符号化データあるいは送話音声符号化データと蓄積音声符号化データとの間を切り換える場合を例にとって説明したが、例えばマルチコール機能により複数の通信相手端末から受信した複数の音声符号化データ間で切り換えるようにしてもよい。
【0082】
また、前記各実施形態では複数の音声符号化データ間で切り換える場合を例に説明したが、音声符号化データと画像符号化データとの間や、複数の画像符号化データ間で切り換えを行う場合にも、本発明を適用可能である。
【0083】
さらに、符号化データ伝送装置の種類としては、ディジタル携帯電話機やディジタル有線電話機等の音声端末の他に、符号化データを伝送する機能を持つパーソナル・コンピュータやサーバであってもよい。
【0084】
その他、符号化データ伝送装置の構成やデータ符号化方式の種類、通信網の種類やその通信方式等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0085】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、切換後の最初のフレームを特定ビットパターンのフレームに強制的に置き換えるか、または当該最初のフレームに付加されている誤り検出識別子あるいは誤り検出符号を復号する際に必ず誤りとなる符号に強制的に置き換え、この置き換え後の符号化データ系列を復号処理あるいは送信処理に供するようにしている。
【0086】
従ってこの発明によれば、復号処理手段がフレーム間の相関を利用して復号を行う場合でも、符号化データ系列の切り換え時点で異常なデータが復号再生されないようにすることができる符号化データ伝送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わる符号化データ伝送装置の第1の実施形態である音声データ受信端末の要部構成を示す回路ブロック図。
【図2】 図1に示す音声データ受信端末の動作説明に使用するタイミング図。
【図3】 この発明に係わる符号化データ伝送装置の第2の実施形態である音声データ受信端末の要部構成を示す回路ブロック図。
【図4】 この発明に係わる符号化データ伝送装置の第3の実施形態である音声データ受信端末の要部構成を示す回路ブロック図。
【図5】 この発明に係わる符号化データ伝送装置の第4の実施形態である音声データ受信端末の要部構成を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
1A,1B,2A,2B…主制御部
10…ネットワーク受信制御部
11,35…音声符号化データ蓄積部
12,36…蓄積データバッファ
13,40…キー入力部
14…再生データ切り換え部
15A,15B,37A,37B…データ切り換え補正部
15a,37a…特定パターン格納メモリ
15b,15c,37b,37d…セレクタ
15d…オア回路
15e…誤り識別子付加部
16,33…音声符号化データバッファ
17A,17B…音声復号処理部
17a…特定パターン格納メモリ
17b…比較器
17c…音声復号処理コア部
17d…誤り補償処理部
18…内部状態格納メモリ
19…D/A変換器
20…スピーカ
21…音声符号化データ抽出部
22…誤り検出処理部
30…マイクロホン
31…A/D変換器
32…音声符号化処理部
34…送信データ切り換え部
35…音声符号化データ蓄積部
36…蓄積データバッファ
37c…誤り挿入処理部
38…ネットワーク送信制御部
39…誤り検出符号付加部
SWa,SWb…データ切換制御信号
SWc,SWd…データ選択制御信号
P…特定パターン
Claims (3)
- 入力された符号化データ系列を復号処理して原データを再生する符号化データ伝送装置において、
複数の符号化データ系列を入力する符号化データ入力手段と、
前記複数の符号化データ系列間の切換指示を入力するための切換指示入力手段と、
この切換指示入力手段により入力された切換指示に応じて、復号処理に供する符号化データ系列を前記複数の符号化データ系列間で切り換える切換手段と、
前記切換手段から出力された符号化データ系列の各フレームに、当該フレームが符号誤りを有するフレームであるか否かを表す誤り検出識別子を付加し、かつ切り換え後の最初のフレームに対しては前記誤り検出識別子を誤りが検出されたことを表す識別子に強制的に置き換える誤り検出識別子付加手段と、
前記誤り検出識別子が付加された符号化データ系列をフレームごとに過去のフレームとの相関をもとに復号処理して原データを出力するとともに、誤りが検出されたことを表す識別子が付加されたフレームが入力された場合には当該フレームに対し所定の誤り補償処理を含む復号処理を行う復号処理手段と
を具備したことを特徴とする符号化データ伝送装置。 - 複数の符号化データ系列を入力する符号化データ入力手段と、
前記複数の符号化データ系列間の切換指示を入力するための切換指示入力手段と、
この切換指示入力手段により入力された切換指示に応じて、送信処理に供する符号化データ系列を前記複数の符号化データ系列間で切り換える切換手段と、
この切換手段から出力された符号化データ系列の切り換え後の最初のフレームを、予め用意した前記特定ビットパターンのフレームに置き換えるフレーム置換手段と、
このフレーム置換手段によるフレーム置換処理がなされた後の符号化データ系列を、符号化データ受信装置に向け通信伝送路へ送信する送信処理手段とを具備し、
前記特定ビットパターンのフレームは、復号の際に過去のフレームとの相関をキャンセルして上記特定ビットパターンのフレームに続くフレームから復号処理の再開を指示するフレームであることを特徴とする符号化データ伝送装置。 - 受信された符号化データ系列のフレームごとに当該フレームに付加されている誤り検出符号をもとに誤りを検出してこの誤りが検出されたフレームに対し誤り補償処理を行う手段を備えた符号化データ受信装置に向け、符号化データ系列を送信する符号化データ伝送装置であって、
複数の符号化データ系列を入力する符号化データ入力手段と、
前記複数の符号化データ系列間の切換指示を入力するための切換指示入力手段と、
この切換指示入力手段により入力された切換指示に応じて、送信処理に供する符号化データ系列を前記複数の符号化データ系列間で切り換える切換手段と、
前記切換手段から出力された符号化データ系列のフレームごとに誤り検出符号を付加する誤り検出符号付加手段と、
前記切換手段から出力された符号化データ系列の切り換え後の最初のフレームに付加される前記誤り検出符号を、前記符号化データ受信装置において誤りとして検出される符号に強制的に置き換える誤り検出符号置換手段と、
前記誤り検出符号置換手段による誤り検出符号の置き換え処理がなされた符号化データ系列を、前記符号化データ受信装置に向けて通信伝送路へ送信する送信処理手段と
を具備したことを特徴とする符号化データ伝送装置。
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