JPH09307513A - 音声品質改善装置 - Google Patents

音声品質改善装置

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JPH09307513A
JPH09307513A JP11515096A JP11515096A JPH09307513A JP H09307513 A JPH09307513 A JP H09307513A JP 11515096 A JP11515096 A JP 11515096A JP 11515096 A JP11515096 A JP 11515096A JP H09307513 A JPH09307513 A JP H09307513A
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章 寺澤
Hiroaki Takeyama
博昭 竹山
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香子 田中
Minoru Fukushima
実 福島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送誤りにより発生する異音を低減する。 【解決手段】 伝送誤り(CRCエラー)が検出された
フレームのADPCM符号と、一時刻前のADPCM符
号との差分値を計算する差分検出部1と、その差分検出
部1により計算された差分値と所定の閾値との比較を行
なう閾値比較部2と、その閾値比較部2の結果より差分
値が閾値よりも大きい場合、差分値が閾値よりも小さく
なるようにADPCM符号を置換する符号置換部3とを
備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルコードレ
ス電話の音声通信のための符号化に規定されている32
kbpsADPCM音声符号化方式(lTU‐TG.7
26)において、伝送誤りがある際の通話品質を改善す
る音声品質改善装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタルコードレス電話の音声通信のた
めの符号化を規定している、32kbpsADPCM音
声符号化方式(lTU−TG.726)によれば、低ビ
ットでかつ高品質な音声通信を実現できる。しかし、現
実には、想定した誤り率よりも高い誤り率の下での通信
が行なわれる可能性があり、何らかのエラー対策処理を
施さないと、十分な通話品質が得られず、聴覚上耳障り
な異音(クリック雑音)が発生する恐れがある。この問
題に対して、従来は、図26のブロック図に示す回路構
成によって対策がとられていた。
【0003】図26で、ADPCMデコーダは、ADP
CM符号をPCM符号に変換した構成、符号置換部は、
入力したADPCM符号を所定の符号に置換する構成、
CRCCODEは、伝送誤り(CRCエラー)を検出す
る構成、PCM減衰ブロックは、異音による聴覚上の不
快感を低減させるために、PCM抑圧処理を行う構成で
ある。また、図26に示す回路は、差分のブロックとO
VERFLOWのブロックとを備えた異音検出部を設
け、差分のブロックで、PCM符号の一時刻前との差分
値を求め、その差分値が所定の閾値よりも大きい場合に
異音と判断する方式と、OVERFLOWのブロック
で、PCM符号がPCM符号の表現出来る最大の数を連
続して示した場合に、異音と判断する方式とを組み合わ
せて異音を検出するように構成された回路である。
【0004】図26に示す回路は、MUTlNG方式
(符号置換方式)の一例を示す回路であり、PCM符号
がPCM符号の表現出来る最大の数を連続して示した場
合は、ADPCM符号の絶対値最大を示す符号”011
1”,”1000”を、絶対値最小を示す符号”111
1”に置換することにより異音発生を防止するが、AD
PCM符号の特性を生かしているとは言えない。そのた
め、ADPCM符号の特性を生かした符号置換法を検討
する必要がある。また、異音による聴覚上の不快感を低
減させるための、PCM減衰ブロックによるPCM抑圧
処理は異音を完全に取り除くことが出来ないため、通話
品質上問題が残るという問題点があった。また、その処
理は、フレーム単位で行なわれるため、音声の欠落によ
り、とぎれとぎれの音声が再生されてしまうことがあっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、ADPCM音声符号化方式を用いた音声通信におい
て、伝送誤りが発生すると、ADPCMデコーダにより
ADPCM符号からPCM符号に変換した際に、聴覚上
耳障りな異音が発生するという問題があり、この異音
は、通話品質を劣化させる原因となっていた。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、ADPCM音声符号化方
式を用いた音声通信における、伝送誤りによる異音の発
生の防止、または、異音が発生したときの聴覚上の問題
の軽減が図れる音声品質改善装置の構造を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の音声品質改善装置は、伝送誤り(C
RCエラー)が検出されたフレームのADPCM符号
と、一時刻前のADPCM符号との差分値を計算する差
分検出部と、その差分検出部により計算された差分値と
所定の閾値との比較を行なう閾値比較部と、その閾値比
較部の結果より差分値が閾値よりも大きい場合、差分値
が閾値よりも小さくなるようにADPCM符号を置換す
る符号置換部とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】請求項1記載の音声品質改善装置は、AD
PCM符号の特性を生かし、伝送誤りが発生したフレー
ムに対して異音発生を未然に防ぐためのADPCM置換
処理を行なうために、差分検出部で、一時刻前のADP
CM符号と現時刻のADPCM符号との差分をとり、差
分比較部で、その差分検出部の結果をあらかじめ設定し
た閾値と比較し、符号置換部で、差分比較部の結果から
ADPCM符号を置換するように構成されている。
【0009】請求項2記載の音声品質改善装置は、請求
項1記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号をPCM符号に変換した際の、異音
の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により
異音が検出された場合に、フレーム単位でPCM減衰の
減衰量を変えるPCM減衰部とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0010】請求項2記載の音声品質改善装置は、請求
項1記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号からPCM符号へ変換した際に異音
が発生した場合に、異音の発生を異音発生検出部で検出
し、聴覚上の不快感を軽減するため、異音を聴覚上耳障
りのない程度となるように、PCM減衰部で異音が発生
したフレームとそれ以後の数フレームの減衰量を段階的
に変えるように構成されたもので、ADPCM符号の置
換処理と、PCM符号変換後の異音減衰処理を行うもの
である。
【0011】請求項3記載の音声品質改善装置は、請求
項1記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号をPCM符号に変換した際の、異音
の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により
異音が検出された場合に、異音が発生したビット単位で
減衰処理を行なうPCM減衰部とを備えたことを特徴と
するものである。
【0012】請求項3記載の音声品質改善装置は、請求
項1記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号からPCM符号へと変換した際に異
音が発生した場合、異音発生検出部で異音発生を検出
し、聴覚上の不快感を低減させるため、PCM減衰部で
異音が発生したビットに対してのみ減衰処理を行なうの
で、不必要な部分まで減衰することによって発生する、
音声の断続感を防止することができる。請求項3記載の
音声品質改善装置は、ADPCM符号の置換処理を行う
請求項1記載の音声品質改善装置に、PCM符号変換後
の異音減衰処理を行う機能を付加したものである。
【0013】請求項4記載の音声品質改善装置は、AD
PCM符号をPCM符号に復号すると共に、異音発生を
検出した場合に、異音発生検出フラグを立てるADPC
Mデコーダと、伝送誤り(CRCエラー)が検出され、
前記ADPCMデコーダにより異音検出フラグが立てら
れている場合に、入力したADPCM符号のうち、絶対
値が所定の閾値よりも大きいADPCM符号を、ADP
CM符号”1111”に置換する符号置換部とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0014】請求項4記載の音声品質改善装置は、CR
Cエラーが検出された場合であって、かつ、ADPCM
符号からPCM符号を復号し、復号した際の内部変数に
より復号時に発生する異音を検出するADPCMデコー
ダにより異音発生が検出された場合に、符号置換部で、
入力フレームに対してADPCM符号の符号置換を行な
って異音発生を防ぐように構成されている。但し、符号
置換部とADPCMデコーダ間で、無限ループが発生す
ることを防止するため、一度符号置換を行なったフレー
ムに対しては、ADPCMデコーダにより異音が検出さ
れても、符号置換は行なわないように構成されている。
【0015】請求項5記載の音声品質改善装置は、請求
項4記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号をPCM符号に変換した際の、異音
の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により
異音が検出された場合に、フレーム単位でPCM減衰の
減衰量を変えるPCM減衰部とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0016】請求項5記載の音声品質改善装置は、請求
項4記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号からPCM符号へ変換した際に異音
が発生した場合、異音発生検出部で異音を検出し、聴覚
上の不快感を低減させるため、異音を聴覚上耳障りのな
い程度に、PCM減衰部で異音が発生したフレームとそ
れ以後の数フレームの減衰量を段階的に変えるように構
成されており、ADPCM符号の置換処理と、PCM符
号変換後の異音減衰処理を行うものである。
【0017】請求項6記載の音声品質改善装置は、請求
項4記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号をPCM符号に変換した際の、異音
の発生を検出する異音検出部と、その異音検出部により
異音が検出された場合に、異音が発生したビット単位で
減衰処理を行なうPCM減衰部とを備えたことを特徴と
するものである。
【0018】請求項6記載の音声品質改善装置は、請求
項4記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号からPCM符号へと変換した際に異
音が発生した場合に、異音発生検出部で異音を検出し、
聴覚上の不快感を低減させるため、PCM減衰部で異音
が発生したビットに対してのみ減衰処理を行ない、不必
要な部分まで減衰させることによって発生する、音声の
欠落を防止するように構成されている。請求項6記載の
音声品質改善装置は、ADPCM符号の置換処理と、P
CM符号変換後の異音減衰処理を行うものである。
【0019】請求項7記載の音声品質改善装置は、伝送
誤り(CRCエラー)が検出されたフレームに対し符号
置換を行う符号置換部と、ADPCMデコーダによりA
DPCM符号をPCM符号に変換した際の、異音の発生
を検出する異音検出部と、その異音検出部により異音が
検出された場合に、入力信号が、無音信号か有音信号か
を検出する無音・有音検出部と、入力信号が無音信号の
場合には、入力信号が有音信号の場合に比べて減衰を行
なう区間を長くするPCM減衰部とを備えたことを特徴
とするものである。
【0020】請求項7記載の音声品質改善装置は、CR
Cエラーが検出された場合に、CRCエラーが検出され
たフレームに対して符号置換部で符号置換を行ない、異
音検出部で異音を検出し、無音・有音検出部で、入力信
号が有音か無音かを検出し、異音を検出した際に有音か
無音かによってPCM減衰部での減衰させる時間を変え
るように構成されている。入力信号が無音の場合、元の
音声レベルに戻るまでの時間が、入力信号が有音の場合
に比べて長くかかるため、入力信号が無音の場合は、P
CM減衰部での減衰させる時間が、入力信号が有音の場
合に比べて長くなるように構成されている。
【0021】請求項8記載の音声品質改善装置は、請求
項7記載の音声品質改善装置で、前記異音検出部により
異音が検出された場合に、フレーム単位でPCM減衰の
減衰量を変えるPCM減衰部とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0022】請求項8記載の音声品質改善装置は、請求
項7記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号からPCM符号へ変換した際に異音
が発生した場合に、異音発生検出部で異音を検出し、聴
覚上の不快感を低減させるために、異音が発生した場合
に異音を聴覚上耳障りのない程度に、PCM減衰部で、
異音が発生したフレームとそれ以後の数フレームの減衰
量を段階的に変えるように構成されている。
【0023】請求項9記載の音声品質改善装置は、請求
項7記載の音声品質改善装置で、前記異音検出部により
異音が検出された場合に、異音が発生したビット単位で
減衰処理を行なうPCM減衰部とを備えたことを特徴と
するものである。
【0024】請求項9記載の音声品質改善装置は、請求
項7記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコーダに
よりADPCM符号からPCM符号へと変換した際に異
音が発生した場合に、異音発生検出部で異音を検出し、
聴覚上の不快感を低減させるために、PCM減衰部で異
音が発生したビットに対してのみ減衰処理を行ない、不
必要な部分まで減衰することによって発生する、音声の
断続感を防止するように構成されている。
【0025】請求項10記載の音声品質改善装置は、A
DPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に
変換した際の、異音の発生を検出する異音検出部と、入
力信号がトーン信号か音声信号かを検出するトーン信号
検出部と、入力信号がトーン信号の場合に、異音が発生
したフレームを正常なトーン信号のフレームと置き換
え、音声信号の場合には、前記異音検出部により異音が
検出された場合に、PCM符号に対する減衰処理を行う
PCM減衰・置換部とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0026】請求項10記載の音声品質改善装置は、A
DPCMデコーダによりADPCM符号からPCM符号
へと変換した際に異音が発生した場合、トーン信号検出
部で、入力信号がトーン信号か音声信号かを判別し、異
音検出部で、異音が発生したことを検出し、入力信号が
トーン信号の場合は、信号の置き換えを行なっても問題
はないため、PCM減衰・置換部で、異音を発生したフ
レームを誤りのないときのフレームと置き換え、入力信
号が音声信号の場合は、PCM減衰・置換部でPCM減
衰処理を行なうように構成されている。
【0027】請求項11記載の音声品質改善装置は、請
求項10記載の音声品質改善装置で、前記異音検出部に
より異音が検出された場合に、フレーム単位でPCM減
衰の減衰量を変えるPCM減衰部を備えたことを特徴と
するものである。
【0028】請求項11記載の音声品質改善装置は、請
求項10記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコ一
ダによりADPCM符号からPCM符号へ変換した際に
異音が発生した場合、異音発生検出部で異音を検出し、
聴覚上の不快感を低減させるために、PCM減衰部で、
異音を聴覚上耳障りのない程度に、異音が発生したフレ
ームとそれ以後の数フレームの減衰量を段階的に変更す
るように構成されている。
【0029】請求項12記載の音声品質改善装置は、請
求項10記載の音声品質改善装置で、前記異音検出部に
より異音が検出された場合に、異音が発生したビット単
位で減衰処理を行なうPCM減衰部を備えたことを特徴
とするものである。
【0030】請求項12記載の音声品質改善装置は、請
求項10記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコー
ダによりADPCM符号からPCM符号へと変換した際
に異音が発生した場合、異音発生検出部で異音を検出
し、聴覚上の不快感を低減させるために、PCM減衰部
で、異音が発生したビットに対してのみ減衰処理を行な
い、不必要な部分まで減衰することによって発生する、
音声の欠落を防止するように構成されている。
【0031】請求項13記載の音声品質改善装置は、A
DPCMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に
変換した際の、異音の発生を検出する異音検出部と、そ
の異音検出部で異音が検出された際に、入力信号が無音
信号か有音信号かを検出する無音・有音検出部と、PC
M減衰の減衰量を変えるPCM減衰部とを備え、入力信
号が無音信号の場合には、入力信号が有音信号の場合に
比べて減衰量を大きくすることを特徴とするものであ
る。
【0032】請求項13記載の音声品質改善装置は、A
DPCMデコーダによりADPCM符号からPCM符号
へ変換した際に異音が発生した場合、異音検出部で異音
を検出し、無音・有音検出部で、入力信号が有音か無音
かを判断し、無音の場合は、PCM減衰部で、有音の場
合に比べて異音を減衰するレベルを大きくするように減
衰レベルを変えるように構成されている。
【0033】請求項14記載の音声品質改善装置は、請
求項13記載の音声品質改善装置で、入力信号レベルを
検出するレベル検出部を備え、異音発生を検出した場合
に、入力信号の異音部分を除去し、前記レベル検出部に
より得られる入力信号レベルと略同じレベルの白色雑音
を入力信号に加えることを特徴とするものである。
【0034】請求項14記載の音声品質改善装置は、請
求項13記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコー
ダによりADPCM符号からPCM符号へ変換した際に
異音が発生した場合、異音検出部で異音を検出し、PC
M減衰部で、異音を聴覚的に聞き取れない程度のレベル
まで減衰させるように構成されている。この場合、再生
音声に断続感を残してしまうと聴覚上不快感を与えるた
め、入力音声信号レベルを検知するレベル検出部を設
け、白色雑音送出部によって、レベル検出部により検出
したレベルの白色雑音を加えるように構成されている。
【0035】請求項15記載の音声品質改善装置は、請
求項14記載の音声品質改善装置で、入力信号レベルに
応じて異音を減衰する量を決めるAGA(Auto G
ain Attenation)部を備えたことを特徴
とするものである。
【0036】請求項15記載の音声品質改善装置は、請
求項14記載の音声品質改善装置で、ADPCMデコー
ダによりADPCM符号からPCM符号へ変換した際に
異音が発生した場合、異音検出部で異音を検出し、AG
A(Auto Gain Attenation)部
で、入力信号のレベルに応じて異音を減衰するように構
成されている。
【0037】請求項16記載の音声品質改善装置は、デ
ジタルフィルタを用いて、ADPCMデコーダによって
変換されたPCM符号の、所定帯域のスペクトルの有無
を調べ、その結果によって異音の発生を検知すると共
に、異音のスペクトルのパワーを求める、スペクトルパ
ワー・異音検出部と、異音が発生した場合に、前記スペ
クトルパワー・異音検出部で求めたパワーに応じて減衰
量を決定するPCM減衰部とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0038】請求項16記載の音声品質改善装置は、A
DPCMデコーダによりADPCM符号から変換された
PCM符号を、デジタルフィルタで処理して、デジタル
フィルタの出力により所定帯域のスペクトルを検知し、
PCM符号が異音であると判断された場合には、PCM
減衰部で、このスペクトルのパワーに応じて異音を減衰
させるように構成されている。
【0039】
【発明の実施の形態】図1に基づいて本発明の音声品質
改善装置の一実施形態について説明する。但し、図26
に示した構成と同等構成については詳細な説明を省略
し、以下、ADPCM符号置換部の構成について説明す
る。遅延器は入力した32kbpsADPCM符号を1
時刻遅延させるためのものであり、差分検出部1は、伝
送誤り(CRCエラー)が検出されたフレームのADP
CM符号と、遅延器により得られる1時刻前のADPC
M符号との差分の絶対値を計算するものである。閾値比
較部2は、差分検出部1により得られるADPCM符号
の差分の絶対値と、あらかじめ決めておいた閾値との大
小比較を行なう。符号置換部3では、閾値比較部2によ
り入力した、ADPCM符号と、1時刻前のADPCM
符号との差分の絶対値が、あらかじめ決めておいた閾値
より大きい場合、入力ADPCM符号を閾値比較部2の
閾値よりも小さくなるように置換して出力する。そうで
ない場合は、入力したADPCM符号の置換を行なわ
ず、そのまま出力する。
【0040】図2は、閾値を13とした場合の符号置換
処理の一実施形態を示す説明図である。図で、1時刻前
(時刻t−1)のADPCM符号が1000(−7)で
あり、現時刻(時刻t)のADPCM符号が0111
(7)であるため、その差分の絶対値は14となるた
め、現時刻(時刻t)のADPCM符号を0011
(3)に置換した例を示したものである。
【0041】図3及び図4に基づいて本発明の音声品質
改善装置の異なる実施形態について説明する。図3はブ
ロック図で、図4はPCM減衰部5の動作を示す説明図
である。PCM減衰部5では、異音検出部4により異音
(クリック雑音)の発生が検出された場合、異音が発生
した時点からそのフレーム(区間5ms)の最後まで−
18dB、その次の2フレームに対して−12dB、さ
らにその次の2フレームに対して−6dBのPCM減衰
を行ない、減衰を行なった後のPCM符号を出力する。
異音発生が検出されない場合には、入力したPCM符号
をそのまま出力する。
【0042】図5及び図6に基づいて本発明の音声品質
改善装置のさらに異なる実施形態について説明する。図
5はブロック図で、図6はPCM減衰部5の動作を示す
説明図である。PCM減衰部5では、異音検出部4によ
り異音が検出された場合、異音が発生したビットに対し
て、−18dBのPCM減衰を行ない、減衰を行なった
後のPCM符号を出力する。異音発生が検出されない場
合には、入力したPCM符号をそのまま出力する。
【0043】図7のブロック図に基づいて本発明の音声
品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。図で、符号置換部3では、CRCエラーが検出され
た場合で、かつ、ADPCMデコーダ6によりADPC
M符号からPCM符号への復号の際に異音が検出され異
音検出フラグが立っている場合、入力したADPCM符
号の絶対値があらかじめ設定した値より大きいADPC
M符号を、差分0を示すADPCM符号”1111”に
置換する。そうでないときは、入力したADPCM符号
をそのまま出力する。ADPCMデコーダ6では、入力
したADPCM符号をPCM符号へ復号するすると共
に、復号時の内部変数の値により異音発生が検出された
場合に異音検出フラグを立てるように構成されている。
【0044】図8及び図9に基づいて本発明の音声品質
改善装置のさらに異なる実施形態について説明する。図
8はブロック図で、図9はPCM減衰部5の動作を示す
説明図である。図で、PCM減衰部5では、異音検出部
4により異音発生が検出された場合、異音が発生した時
点からそのフレームの最後まで−18dB、その次の2
フレームに対して−12dB、さらにその次の2フレー
ムに対して−6dBのPCM減衰を行ない、減衰を行な
った後のPCM符号を出力する。異音発生が検出されな
い場合には、入力したPCM符号をそのまま出力する。
【0045】図10及び図11に基づいて本発明の音声
品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。図10はブロック図で、図11はPCM減衰部5の
動作を示す説明図である。図で、PCM減衰部5では、
異音検出部4により異音が検出された場合、異音が発生
したビットに対してのみ、−18dBのPCM減衰を行
ない、減衰を行なった後のPCM符号を出力する。異音
発生が検出されない場合には、入力したPCM符号をそ
のまま出力する。
【0046】図12のブロック図に基づいて本発明の音
声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。無音・有音検出部7では、ADPCMデコーダ6に
より得られるPCM符号が無音信号であるか有音信号で
あるかを検出する。PCM減衰部5では、異音検出部4
により異音が検出された場合、入力信号が無音信号か有
音信号かによりPCM符号を減衰する区間を、入力信号
が無音信号の場合は有音信号の時に比べて長時間減衰す
る。異音が検出されない場合は、入力したPCM符号を
そのまま出力する。
【0047】図13乃至図15に基づいて本発明の音声
品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。図13はブロック図で、図14は、フレーム単位で
PCM減衰を行う場合のPCM減衰部5の動作を示す説
明図、図15は、ビット単位でPCM減衰を行う場合の
PCM減衰部5の動作を示す説明図である。
【0048】図14の場合、PCM減衰部5では、異音
検出部4により異音発生が検出された場合、異音が発生
した時点からそのフレームの最後まで−18dB、その
次の2フレームに対して−12dB、さらにその次の2
フレームに対して−6dBのPCM減衰を行ない、減衰
を行なった後のPCM符号を出力する。異音発生が検出
されない場合には、入力したPCM符号をそのまま出力
する。
【0049】図15の場合、PCM減衰部5では、異音
検出部4により異音が検出された場合、異音が発生した
ビットに対して−18dBのPCM減衰を行ない、減衰
を行なった後のPCM符号を出力する。異音発生が検出
されない場合には、入力したPCM符号をそのまま出力
する。
【0050】図16及び図17に基づいて本発明の音声
品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。図16はブロック図で、図17は、フレーム単位で
PCM減衰を行う場合のPCM減衰・置換部9の動作を
示す説明図である。トーン信号検出部8では、トーン信
号検出部8に入力されたPCM符号がトーン信号か音声
信号かの検出を行なう。トーン信号検出部8は、400
Hz(話中信号)、2100Hz(データ入力開始信
号)を、ITU−TG.164,G.165に準拠した
方式によりトーン信号を検出する構成である。PCM減
衰・置換部9では、入力信号がトーン信号の場合で、か
つ、異音検出部4で異音が検出された場合、図17に示
すように、異音が検出されたフレームに対して、1フレ
ーム前の誤りの無いPCM符号に置換して出力する。入
力信号が音声信号の場合で、かつ、異音が検出された場
合、PCM減衰処理を行ない結果を出力する。異音が検
出されない場合は、そのまま出力する。
【0051】図18乃至図20に基づいて本発明の音声
品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。図18はブロック図で、図19は、フレーム単位で
PCM減衰を行う場合のPCM減衰部5の動作を示す説
明図、図20は、ビット単位でPCM減衰を行う場合の
PCM減衰部5の動作を示す説明図である。
【0052】図19の場合、PCM減衰・置換部9で
は、入力信号がトーン信号の場合に、異音が発生したフ
レームを他の正常なトーン信号のフレームと置き換え、
音声信号の場合には、減衰処理を行なうように構成され
ている。入力信号が音声信号の場合で、異音検出部4に
より異音発生が検出された場合には、例えば、異音が発
生した時点からそのフレームの最後まで−18dB、そ
の次の2フレームに対して−12dB、さらにその次の
2フレームに対して−6dBのPCM減衰を行ない、減
衰を行なった後のPCM符号を出力する。異音発生が検
出されない場合には、入力したPCM符号をそのまま出
力する。
【0053】図20の場合、PCM減衰・置換部9で
は、入力信号がトーン信号の場合に、異音が発生したフ
レームを他の正常なトーン信号のフレームと置き換え、
音声信号の場合には、減衰処理を行なうように構成され
ている。入力信号が音声信号の場合で、異音検出部4に
より異音発生が検出された場合には、例えば、PCM減
衰・置換部9では、異音検出部4により異音が検出され
た場合、異音が発生したビットに対して、−18dBの
PCM減衰を行ない、減衰を行なった後のPCM符号を
出力する。異音発生が検出されない場合には、入力した
PCM符号をそのまま出力する。
【0054】図21のブロック図に基づいて本発明の音
声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。無音・有音検出部7では、ADPCMデコーダ6に
より得られるPCM符号が無音信号か有音信号かを検出
する。PCM減衰部5では、異音検出部4により異音が
検出された場合、無音・有音信号検出部により入力信号
が無音信号か有音信号かを検出して、入力信号が無音の
ときには減衰量を大きくする。異音が検出されないとき
には、入力したPCM符号をそのまま出力する。
【0055】図22のブロック図に基づいて本発明の音
声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。レベル検出部10では、ADPCMデコーダ6によ
り出力されるPCM符号のレベルを検出する。PCM減
衰部5では、異音検出部4で異音が検出された場合、異
音が発生しているフレームのみを聴覚的に聞こえない程
度に減衰させ、レベル検出部10により検出したPCM
符号のレベルと同等のレベルを有する白色雑音をPCM
変換した信号を加えて出力する。異音が検出されなかっ
た場合には、入力したPCM符号をそのまま出力する。
【0056】図23のブロック図に基づいて本発明の音
声品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。図23に示す音声品質改善装置は、図22に示した
音声品質改善装置に対して、ADPCMデコーダ6から
出力されるPCM符号のレベルに応じて、異音を減衰す
るPCM減衰部5の減衰量を決定するAGA部11を付
加した回路である。異音検出部4により異音が検出され
た場合、AGA部11は、PCM減衰部5に、ADPC
Mデコーダ6から出力されるPCM符号のレベルに応じ
た、異音を減衰するレベルを決定する信号を送出する。
異音が検出されなかった場合には、入力したPCM符号
をそのまま出力する。
【0057】図24及び図25に基づいて本発明の音声
品質改善装置のさらに異なる実施形態について説明す
る。図24はブロック図で、図25は、音声信号と異音
のスペクトルを示す線図である。スペクトルパワー・異
音検出部13では、ADPCMデコーダ6により復号さ
れたPCM符号のスペクトルのパワーを求めている。異
音は、音声信号に比べて、より高周波帯域の成分が存在
するため、デジタルフィルタ12をHPFで構成し、音
声帯域の信号を通過させないで、かつ、異音の高周波帯
域の信号を通過させるように、デジタルフィルタ12
(遮断周波数fo)を構成すれば、デジタルフィルタ1
2の出力により異音を検出できる。また、この場合の異
音のスペクトルのパワー値を計算することにより異音の
減衰量も求めることができる。異音が検出された場合
は、スペクトルパワー・異音検出部13の出力に応じ
て、PCM減衰部5で、スペクトルパワー・異音検出部
13により求められた減衰量を用いてPCM減衰を行な
い、その結果を出力する。異音が検出されないときに
は、減衰処理は行なわない。
【0058】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
音声品質改善装置によれば、CRCエラーが検出された
時点で、ADPCM符号の特性を生かし、一時刻前のA
DPCM符号との差分を用いて符号置換をすることによ
り、異音発生に関係のある符号のみを符号置換するた
め、異音発生を未然に防ぐだけでなく、ADPCM符号
の置換による元音声が忠実に再生できるかという問題に
対しても最小限の符号置換を行なうため、ADPCMデ
コーダとADPCMエンコーダの適応フィルタの形状が
異なる区間の短縮が可能となり、伝送誤りがあっても元
音声を忠実に再生できる。その結果、伝送誤りが発生し
た場合の通話音声の劣化を防ぐことが可能になり、通話
品質の劣化を防ぐことが可能となる。
【0059】請求項2記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPC
M符号へ変換した際に異音が発生した場合PCM符号の
減衰量を段階的に変えることにより、異音発生フレーム
とその予防のために数フレームを一定量の減衰量でPC
M減衰をした場合では途切れ途切れの再生音声になって
いたが、それをフレーム単位で減衰量を変えることによ
り再生音声が途切れ途切れになることが少なくなり、そ
の結果、通話品質の劣化を防ぐことが可能となる。
【0060】請求項3記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM
符号に変換したときに異音が発生した場合、従来は、異
音発生のフレーム単位で減衰処理をしていたため再生音
声がとぎれとぎれになってしまうことあったが、異音発
生のビット単位で減衰処理を行なうことにより、再生音
声がとぎれとぎれになることを最小限にとどめることが
可能となる。その結果、通話品質の向上が実現できる。
【0061】請求項4記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCM符号をPCM符号に復号するときに、C
RCエラー検出と共に、CRCエラー検出の無いフレー
ムに対してADPCMデコーダで内部変数の値により異
音発生を検出し、異音発生したフレームに対して符号置
換処理を行なうことにより、異音の発生回数は、極めて
少なくなる。そのため、異音による聴覚への影響は異音
発生回数に比例して少なくなるため、音声品質の向上を
図ることが可能となる。この方式では、ADPCMデコ
ーダの内部変数により異音を検出しているので、確実に
異音発生を防止可能となる。
【0062】請求項5記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPC
M符号へ変換した際に異音が発生した場合、聴覚上の不
快感を低減させるために、異音が発生したことを検出す
る異音発生検出部と異音が発生した場合に異音を聴覚上
耳障りのない程度に異音が発生したフレームとそれ以後
の数フレームを段階的に減衰量を変更するPCM減衰部
から構成され、音声品質の向上を図ることが可能とな
る。
【0063】請求項6記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM
符号に置換したときに異音が発生した場合、従来は、異
音発生のフレーム単位で減衰処理をしていたため再生音
声がとぎれとぎれになってしまうことあったが、異音発
生のビット単位で減衰処理を行なうことにより、再生音
声がとぎれとぎれになることを最小限にとどめることが
可能となり、音声品質の向上が実現できる。
【0064】請求項7記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM
符号に変換したときに異音が発生した場合、異音発生か
ら元の信号レベルに戻るまでの時間が無音信号と有音信
号とで異なるため、より長い時間のかかる傾向にある無
音信号に対してPCM抑圧処理をする時間を長くするこ
とにより、異音の影響を低減することが可能となる。そ
の結果、異音が発生の影響により聴覚上の不快感を与え
ることが無くなり、通話品質は向上する。
【0065】請求項8記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPC
M符号へ変換した際に異音が発生した場合、PCM符号
の減衰量を段階的に変えることにより、異音発生フレー
ムとその予防のために数フレームを一定量の減衰量でP
CM減衰を行う場合では、途切れ途切れの再生音声にな
っていたが、それをフレーム単位で減衰量を変えること
により再生音声が途切れ途切れになることが少なくな
り、その結果、通話品質の劣化を防ぐことが可能とな
る。請求項9記載の音声品質改善装置によれば、ADP
CMデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変更
したときに異音が発生した場合、従来は、異音発生のフ
レーム単位で減衰処理をしていたため再生音声がとぎれ
とぎれになってしまうことあったが、異音発生のビット
単位で減衰処理を行なうことにより、再生音声がとぎれ
とぎれになることを最小限にとどめることが可能とな
り、音声品質の向上が実現できる。
【0066】請求項10記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM
符号に変換したときに異音が発生した場合、トーン信号
の一定周波数の信号であるという特徴を生かし、異音の
発生したフレームを異音の発生していないフレームに置
き換えることにより、異音発生による聴覚上の不快感が
なくなり、通話品質は向上する。
【0067】請求項11記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号からPC
M符号へ変換した際に異音が発生した場合、PCM符号
の減衰量を段階的に変えることにより、異音発生フレー
ムとその予防のために数フレームを一定量の減衰量でP
CM減衰をした場合では、途切れ途切れの再生音声にな
っていたが、それをフレーム単位で減衰量を変えること
により再生音声が途切れ途切れになることが少なくな
り、その結果、通話品質の劣化を防ぐことが可能とな
る。
【0068】請求項12記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM
符号に変換したときに異音が発生した場合、従来は、異
音発生のフレーム単位で減衰処理をしていたため再生音
声がとぎれとぎれになってしまうことあったが、異音発
生のビット単位で減衰処理を行なうことにより、再生音
声がとぎれとぎれになることを最小限にとどめることが
可能となる。その結果、通話品質の向上が実現できる。
【0069】請求項13記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダでADPCM符号をPCM符号
に変換したときに異音が発生した場合、異音は信号が無
音であろうが有音であろうが同じレベルをもっているた
め、入力信号が無音信号の場合は、有音信号の場合と比
較してより異音が我々の聴覚に与える影響は大きいとい
える。そのため、有音のときに聴覚上影響のないレベル
にまでPCM抑圧をしても、無音のときは、聴覚上影響
がある。したがって、入力信号が無音信号か有音信号か
を検出し、それぞれに対して異音を抑圧するレベルを変
えることにより、異音に対する聴覚的影響は低減でき、
その結果通話品質は向上する。
【0070】請求項14記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダでADPCM符号をPCM符号
に変換したときに異音が発生した場合、異音の影響を感
じなくする程度にまでPCM抑圧をすることにより、異
音の聴覚的な影響を除去できる。しかし、異音の聴覚的
な影響を除去すると、その部分の再生音声が欠如してし
まい、断続感のある再生音声となってしまう恐れがあ
る。そのため、入力信号のレベルと同程度のレベルの背
景雑音をPCM抑圧をした部分に加えることにより、再
生音声の断続感は、回避可能となる。その結果、異音発
生による聴覚的影響は低減でき、同時に通話品質は向上
する。
【0071】請求項15記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダでADPCM符号をPCM符号
に変換したときに異音が発生した場合、入力信号のレベ
ルにあわせてPCM抑圧の抑圧量を変更することによ
り、入力信号がどのような信号レベルであろうが聴覚上
不快感を与えないような異音の抑圧を行なうことが可能
となる。この方法を用いることにより、異音に対する聴
覚的影響は低減でき、その結果、通話品質は向上する。
【0072】請求項16記載の音声品質改善装置によれ
ば、ADPCMデコーダによりADPCM符号をPCM
符号に変換したときに異音が発生した場合、デジタルフ
ィルタの出力値により異音を検出することが可能であ
る。またこの時に、異音のパワー値も算出できるので、
この値を用いてPCM減衰を行なうことにより異音成分
を除去できるため、これまで問題となっている異音発生
による聴覚上の不快感を低減でき、その結果、通話品質
は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音声品質改善装置の一実施形態を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の音声品質改善装置の符号置換処理の一
実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明の音声品質改善装置の異なる実施形態を
示すブロック図である。
【図4】PCM減衰部の動作を示す説明図である。
【図5】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施
形態を示すブロック図である。
【図6】PCM減衰部の動作を示す説明図である。
【図7】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施
形態を示すブロック図である。
【図8】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実施
形態を示すブロック図である。
【図9】PCM減衰部の動作を示す説明図である。
【図10】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図11】PCM減衰部の動作を示す説明図である。
【図12】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図13】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図14】PCM減衰部の動作を示す説明図である。
【図15】PCM減衰部の動作を示す説明図である。
【図16】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図17】PCM減衰部の動作を示す説明図である。
【図18】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図19】PCM減衰・置換部の動作を示す説明図であ
る。
【図20】PCM減衰・置換部の動作を示す説明図であ
る。
【図21】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図22】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図23】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図24】本発明の音声品質改善装置のさらに異なる実
施形態を示すブロック図である。
【図25】音声信号と異音のスペクトルを示す線図であ
る。
【図26】従来の音声品質改善装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 差分検出部 2 閾値比較部 3 符号置換部 4 異音検出部 5 PCM減衰部 6 ADPCMデコーダ 7 無音・有音検出部 8 トーン信号検出部 9 PCM減衰・置換部 10 レベル検出部 11 AGA部 12 デジタルフィルタ 13 スペクトルパワー・異音検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 実 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送誤り(CRCエラー)が検出された
    フレームのADPCM符号と、一時刻前のADPCM符
    号との差分値を計算する差分検出部と、その差分検出部
    により計算された差分値と所定の閾値との比較を行なう
    閾値比較部と、その閾値比較部の結果より差分値が閾値
    よりも大きい場合、差分値が閾値よりも小さくなるよう
    にADPCM符号を置換する符号置換部とを備えたこと
    を特徴とする音声品質改善装置。
  2. 【請求項2】 ADPCMデコーダによりADPCM符
    号をPCM符号に変換した際の、異音の発生を検出する
    異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された
    場合に、フレーム単位でPCM減衰の減衰量を変えるP
    CM減衰部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の
    音声品質改善装置。
  3. 【請求項3】 ADPCMデコーダによりADPCM符
    号をPCM符号に変換した際の、異音の発生を検出する
    異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された
    場合に、異音が発生したビット単位で減衰処理を行なう
    PCM減衰部とを備えたことを特徴とする請求項1記載
    の音声品質改善装置。
  4. 【請求項4】 ADPCM符号をPCM符号に復号する
    と共に、異音発生を検出した場合に、異音発生検出フラ
    グを立てるADPCMデコーダと、伝送誤り(CRCエ
    ラー)が検出され、前記ADPCMデコーダにより異音
    検出フラグが立てられている場合に、入力したADPC
    M符号のうち、絶対値が所定の閾値よりも大きいADP
    CM符号を、ADPCM符号”1111”に置換する符
    号置換部とを備えたことを特徴とする音声品質改善装
    置。
  5. 【請求項5】 ADPCMデコーダによりADPCM符
    号をPCM符号に変換した際の、異音の発生を検出する
    異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された
    場合に、フレーム単位でPCM減衰の減衰量を変えるP
    CM減衰部とを備えたことを特徴とする請求項4記載の
    音声品質改善装置。
  6. 【請求項6】 ADPCMデコーダによりADPCM符
    号をPCM符号に変換した際の、異音の発生を検出する
    異音検出部と、その異音検出部により異音が検出された
    場合に、異音が発生したビット単位で減衰処理を行なう
    PCM減衰部とを備えたことを特徴とする請求項4記載
    の音声品質改善装置。
  7. 【請求項7】 伝送誤り(CRCエラー)が検出された
    フレームに対し符号置換を行う符号置換部と、ADPC
    MデコーダによりADPCM符号をPCM符号に変換し
    た際の、異音の発生を検出する異音検出部と、その異音
    検出部により異音が検出された場合に、入力信号が、無
    音信号か有音信号かを検出する無音・有音検出部と、入
    力信号が無音信号の場合には、入力信号が有音信号の場
    合に比べて減衰を行なう区間を長くするPCM減衰部と
    を備えたことを特徴とする音声品質改善装置。
  8. 【請求項8】 前記異音検出部により異音が検出された
    場合に、フレーム単位でPCM減衰の減衰量を変えるP
    CM減衰部とを備えたことを特徴とする請求項7記載の
    音声品質改善装置。
  9. 【請求項9】 前記異音検出部により異音が検出された
    場合に、異音が発生したビット単位で減衰処理を行なう
    PCM減衰部とを備えたことを特徴とする請求項7記載
    の音声品質改善装置。
  10. 【請求項10】 ADPCMデコーダによりADPCM
    符号をPCM符号に変換した際の、異音の発生を検出す
    る異音検出部と、入力信号がトーン信号か音声信号かを
    検出するトーン信号検出部と、入力信号がトーン信号の
    場合に、異音が発生したフレームを正常なトーン信号の
    フレームと置き換え、音声信号の場合には、前記異音検
    出部により異音が検出された場合に、PCM符号に対す
    る減衰処理を行うPCM減衰・置換部とを備えたことを
    特徴とする音声品質改善装置。
  11. 【請求項11】 前記異音検出部により異音が検出され
    た場合に、フレーム単位でPCM減衰の減衰量を変える
    PCM減衰部を備えたことを特徴とする請求項10記載
    の音声品質改善装置。
  12. 【請求項12】 前記異音検出部により異音が検出され
    た場合に、異音が発生したビット単位で減衰処理を行な
    うPCM減衰部を備えたことを特徴とする請求項10記
    載の音声品質改善装置。
  13. 【請求項13】 ADPCMデコーダによりADPCM
    符号をPCM符号に変換した際の、異音の発生を検出す
    る異音検出部と、その異音検出部で異音が検出された際
    に、入力信号が無音信号か有音信号かを検出する無音・
    有音検出部と、PCM減衰の減衰量を変えるPCM減衰
    部とを備え、入力信号が無音信号の場合には、入力信号
    が有音信号の場合に比べて減衰量を大きくすることを特
    徴とする音声品質改善装置。
  14. 【請求項14】 入力信号レベルを検出するレベル検出
    部を備え、異音発生を検出した場合に、入力信号の異音
    部分を除去し、前記レベル検出部により得られる入力信
    号レベルと略同じレベルの白色雑音を入力信号に加える
    ことを特徴とする請求項13記載の音声品質改善装置。
  15. 【請求項15】 入力信号レベルに応じて異音を減衰す
    る量を決めるAGA(Auto Gain Atten
    ation)部を備えたことを特徴とする請求項14記
    載の音声品質改善装置。
  16. 【請求項16】 デジタルフィルタを用いて、ADPC
    Mデコーダによって変換されたPCM符号の、所定帯域
    のスペクトルの有無を調べ、その結果によって異音の発
    生を検知すると共に、異音のスペクトルのパワーを求め
    る、スペクトルパワー・異音検出部と、異音が発生した
    場合に、前記スペクトルパワー・異音検出部で求めたパ
    ワーに応じて減衰量を決定するPCM減衰部とを備えた
    ことを特徴とする音声品質改善装置。
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