JPH10208925A - Mn−Znフェライトおよびその製造方法 - Google Patents

Mn−Znフェライトおよびその製造方法

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JPH10208925A
JPH10208925A JP9007283A JP728397A JPH10208925A JP H10208925 A JPH10208925 A JP H10208925A JP 9007283 A JP9007283 A JP 9007283A JP 728397 A JP728397 A JP 728397A JP H10208925 A JPH10208925 A JP H10208925A
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ferrite
compound
electric resistance
high electric
thickness
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JP9007283A
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Yasuyuki Aono
保之 青野
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
Shinji Harada
真二 原田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電子部品に使用されるMn−Znフェラ
イトにおいて、磁気特性の劣化がほとんどなく均一でピ
ンホールのない高電気抵抗表面層を有するMn−Znフ
ェライトおよびその製造方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 化合物Aのうち少なくとも一種類以上が
Mn−Znフェライトの全表面またはその一部に存在す
ることによって高電気抵抗表面層を形成することを特徴
とするMn−Znフェライトであり、化合物AとはB
i,V,B,Pb,P,Sn,Liを少なくとも一種類
以上含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング電源
に使用されるメイントランスやチョークコイルおよびブ
ラウン管の走査線制御に使用される偏向ヨークコアなど
のMn−Znフェライト磁芯やチップインダクタ等の導
電端子や導線誘導孔を有する各種電子部品のMn−Zn
フェライトおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化に伴って磁性部
品の小型化が強く要求されている。そのため、小型化に
貢献する電力損失低減などの磁気特性面での研究開発や
表面実装用偏平コアなどの形状面でのアプローチがなさ
れており、実際の電源に搭載されているトランスもかな
り小さくなってきている。
【0003】しかしながらこのようなコアの小型化がさ
らに進むと磁芯へ巻線を施すのに必要な窓面積や巻線の
占める空間の確保が困難になってくる。逆の観点から見
れば、巻線の占める空間を確保する必要のために小型化
が阻害されていることになる。この巻線の占める空間
は、一部を占有しているコアと巻線との電気的絶縁を保
証するために用いられている絶縁樹脂からなるボビンを
なくすことにより広くできるが、Mn−Znフェライト
は電気抵抗が数〜数十Ω・mと低いため、安全上コアに
直接巻線を施すことができない。例えば、国際規格であ
るIEC950に定めるコアと巻線の間の電気的絶縁の
規格をクリアすることが難しいなどの問題が生じる。
【0004】ところで、Mn−Znフェライトは他のフ
ェライト材料と比較して飽和磁束密度、透磁率ともに大
きく、電力損失が小さいなど磁気特性に優れている。こ
のため様々な電子機器における磁性部品として数多く使
用され、さらにその用途拡大が望まれている。例えばブ
ラウン管用偏向ヨークコアにおいてはテレビの高精度大
型化に伴って現在使用されているMg−Znフェライト
では磁気特性が不十分な点があり、Mn−Znフェライ
トの使用が検討されている。
【0005】しかしながら電気抵抗が低いため、高電圧
のかかる偏向ヨークコアでは使用困難である。またチッ
プコイル等の小型部品においてもその寸法のために従来
は電気的絶縁が不要なNi−Znフェライトコアが用い
られていたが、さらなる小型化、高性能化のためには磁
気特性に優れたMn−Znフェライトの使用が望まれて
いたが、実際には電気的絶縁のための樹脂ボビンが必要
であったり、導電端子をコアに直接形成したり、導線誘
導用の穴を設けることができないためMn−Znフェラ
イトを使用することができなかった。
【0006】これに対してMn−Znフェライトの表面
電気抵抗を高くするための様々な方法が試みられてき
た。例えば特開昭62−133704号公報、特開平2
−60073号公報、特開昭59−219981号公報
などには、Mn−Znフェライトに酸化処理を施して電
気的絶縁層を形成する手段が開示されている。しかしこ
れらの酸化による高電気抵抗表面層を形成する方法は、
酸化によって生じる高電気抵抗層、すなわちヘマタイト
からなる層が結晶粒内および結晶粒界に形成されること
によるものであるが、十分な電気抵抗を得るためにはM
n−Znフェライトの内部までヘマタイトを析出させな
ければならず磁気特性の劣化は避けられなかった。
【0007】一方で、Mn−Znフェライトの表面にM
n−Znフェライトとは異なる成分の電気的絶縁表面層
を形成する方法が考えられている。例えば、特開平3−
242907号公報、特開平3−71603号などがあ
る。しかしながら均一な絶縁層の形成が困難であった
り、ピンホールが発生しやすい等の問題から特性のばら
つきが大きいという問題が生じやすかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の技術
には、製造の安定面と磁気特性の劣化という課題が存在
した。本発明は、磁気特性の劣化がほとんどなく均一で
ピンホールのない高電気抵抗表面層を有するMn−Zn
フェライトおよびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、化合物Aのうち少なくとも一種類以上がM
n−Znフェライトの全表面またはその一部に存在する
ことによって高電気抵抗表面層を形成することを特徴と
するMn−Znフェライトであり、化合物AとはBi,
V,B,Pb,P,Sn,Liを少なくとも一種類以上
含むものである。さらに、化合物Aと化合物Bをそれぞ
れ少なくとも一種類以上がMn−Znフェライトの全表
面またはその一部に存在することによって高電気抵抗表
面層を形成するMn−Znフェライトであり、化合物B
とはTi,Cr,Co,Ni,Ca,Si,Ta,H
f,Sbを少なくとも一種類以上含むものである。ま
た、Mn−Znフェライトの主組成は、MnO 16〜
46mol%、ZnO 2〜30mol%、残部Fe2
3からなり、高電気抵抗層の厚さは5μm以上である
ことを特徴とするMn−Znフェライトである。その製
造方法は、Mn−Znフェライトの全表面またはその一
部に、化合物Aと化合物Bをそれぞれ少なくとも一種類
以上混合したものを塗布して1100℃以下で熱処理す
ることによって高電気抵抗表面層を形成することが可能
である。または化合物Aのうちの少なくとも一種類以上
が蒸発または昇華してMn−Znフェライトの全表面ま
たはその一部を覆う一方で化合物Bのうちの少なくとも
一種類以上がMn−Znフェライト表面に接触する状態
において1100℃以下で熱処理することによって高電
気抵抗表面層を形成するMn−Znフェライトの製造方
法により課題を解決するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
Bi,V,B,Pb,P,Sn,Liを少なくとも一種
類以上含む化合物Aが少なくとも一種類以上Mn−Zn
フェライトの全表面またはその一部に存在することによ
って高電気抵抗化するだけでなく、比較的低温で融解、
あるいはフェライトと共晶反応することによって濡れ性
の良い液相となり、均一な高電気抵抗表面層を形成して
ピンホールの発生を抑制する効果を有する。
【0011】請求項2記載の発明は、化合物Aのうち少
なくとも一種類以上とTi,Cr,Co,Ni,Ca,
Si,Ta,Hf,Sbを少なくとも一種類以上含む化
合物Bが少なくとも一種類以上Mn−Znフェライトの
全表面またはその一部に存在することによってより高い
電気抵抗表面層を形成することが可能となる。このと
き、化合物A、化合物BとMn−Znフェライトはそれ
ぞれ独立して単体で存在する場合と、共晶反応等によっ
て新たな化合物を生成する場合があるがどちらでも絶縁
層としては問題はない。化合物Aと化合物Bを同時に加
えた場合は、化合物Aは化合物Bを活性化する効果が主
となり、また化合物Bによって化合物A単独の場合に比
べて電気抵抗がより高くなる傾向がある。
【0012】請求項3に記載の発明は、Mn−Znフェ
ライトの主組成を、MnO 16〜46mol%、Zn
O 2〜30mol%、残部Fe23とすることでより
優れた磁気特性を有する高電気特性表面層を有するMn
−Znフェライトが得られるものである。
【0013】請求項4に記載の発明は、高電気抵抗層の
厚さを5μm以上に制御することにより十分な絶縁耐圧
を得ることが可能となるものである。絶縁耐圧は高電気
抵抗層厚みの平方根に対してほぼ比例するため、十分な
絶縁耐圧を確保するためには高電気抵抗層厚みを制御し
なければならない。一般的には500V以上の絶縁耐圧
が要求されることが多く、本発明によって形成される高
電気抵抗層の場合、500V以上の絶縁耐圧を得るため
には5μm以上形成しなければならない。また、ばらつ
きなどを考慮した場合には10μm以上の高電気抵抗層
を形成することが望ましい。フェライト内部に拡散させ
ることによってフェライト表面を高抵抗化させる技術で
はこのときに磁気特性の低下が生じるが、本発明は主と
してフェライト表面に高電気抵抗層を形成するため熱処
理条件によって高電気抵抗層厚みを制御でき、かつ磁気
特性の劣化が生じない。
【0014】請求項5に記載の発明は、Mn−Znフェ
ライトの全表面またはその一部に、化合物Aと化合物B
をそれぞれ少なくとも一種類以上混合したものを塗布し
て1100℃以下で熱処理することによって高電気抵抗
表面層を形成するMn−Znフェライトの製造方法であ
る。1100℃以上で熱処理した場合にはフェライト表
面に形成された高電気抵抗層のフェライト内部への拡散
が顕著になるため磁気特性の劣化が生じる。塗布の方法
はディップ、スプレー、はけ塗り等方法は特に問わな
い。熱処理する際の雰囲気はMn−Znフェライトの主
組成によって酸素分圧をコントロールする必要がある。
昇温、冷却速度はごく一般的なMn−Znフェライトの
焼成プロファイルで問題ないが、100℃/hr〜50
0℃/hr程度が好ましい。また保持時間、温度は高電
気抵抗層の厚さに影響し、各化合物の融点、共晶点、沸
点、昇華点および拡散係数と所望の層の厚みによって決
定される。
【0015】請求項6に記載の発明は、化合物Aのうち
の少なくとも一種類以上が蒸発または昇華してMn−Z
nフェライトの全表面またはその一部を覆う一方で化合
物Bのうちの少なくとも一種類以上がMn−Znフェラ
イト表面に接触する状態において1100℃以下で熱処
理することによって高電気抵抗表面層を形成する請求項
1および2記載のMn−Znフェライトの製造方法であ
り、複雑な形状を有するコアやサイズの小さいコアに対
して均一性の面で大きな効果がある。この場合の熱処理
温度は蒸発または昇華させる化合物Aの沸点または昇華
点以上であるのは言うまでもない。また、化合物BはM
n−Znフェライト表面に接触する状態であれば塗布、
マッフルなどどのような形態でも構わない。
【0016】次に、本発明の具体例を説明する。 (実施の形態1)Bi23,V25,B23,PbO,
25,SnO,LiCO3をそれぞれエタノール5cc
に溶いてスラリー状にしたものを、主組成がMnO 2
6mol%、ZnO 22mol%、Fe23 52m
ol%の組成を有する外径10mm、厚さ6mmの円柱状M
n−Znフェライト試料の片面に熱処理後の高電気抵抗
層厚みが5μmになるように塗布して乾燥した。この試
料を酸素分圧300ppmの窒素雰囲気中で900℃×
2hr熱処理した。この結果を(表1)、(表2)に示
す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】化合物を塗布した試料はいずれも比較例1
と比べて高電気抵抗化しているのがわかる。本実施の形
態で示さなかった化合物および組み合わせもあるが、そ
れらの場合でも効果があることは言うまでもない。
【0020】(実施の形態2)化合物AとしてBi23
とTiO2,Cr23,CoO,NiO,CaCO3,S
iO2,Ta25,HfO2,Sb23をそれぞれエタノ
ール5ccに溶いてスラリー状にしたものを、主組成がM
nO 30mol%、ZnO 18mol%、Fe23
52mol%の組成を有する外径10mm、厚さ6mmの
円柱状Mn−Znフェライト試料の片面に熱処理後の高
電気抵抗層厚みが5μmになるように塗布して乾燥し
た。この試料を酸素分圧1%の窒素雰囲気中で1000
℃×1hr熱処理した。この結果を(表3)に示す。
【0021】
【表3】
【0022】比較例のBi23のみの塗布に比べると抵
抗値が大きくなっており、化合物Bがさらなる高抵抗か
に寄与していることがわかる。またBi23を塗布しな
かった場合においてはフェライト表面との反応性が非常
に悪く、高電気抵抗層が均一に形成されずピンホールの
多い層となるため、抵抗値が安定せず特性の評価が不可
能であった。本実施の形態では化合物Bを一種類とした
場合のみであるが、化合物Bを複合添加した場合でも同
様の効果が得られるのは言うまでもなく、また化合物A
としてBi23以外、あるいは複合添加した場合につい
ても同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【0023】(実施の形態3)化合物AとしてV25
化合物BとしてCr23をそれぞれエタノール5ccに溶
いてスラリー状にしたものを、主組成が(表4)に示さ
れたMn−Znフェライト仮焼粉を外径25mm、内径1
2mm、厚さ5mmのトロイダル状に成形して焼成したMn
−Znフェライト試料の片面に熱処理後の高電気抵抗層
厚みが5μmになるように塗布して乾燥した。この試料
を各組成に適した酸素分圧の窒素雰囲気中で800℃×
2hr熱処理した。この結果を(表5)に示す。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】比較例と比較して本実施の形態のMn−Z
nフェライトの方が磁気特性に優れており、かつ高い電
気抵抗を有するものとなっていることがわかる。
【0027】(実施の形態4)化合物AとしてBi23
を化合物BとしてTiO2をそれぞれエタノール5ccに
溶いてスラリー状にしたものを、主組成がMnO 35
mol%、ZnO 12mol%、Fe23 53mo
l%の組成を有する外径10mm、厚さ6mmの円柱状Mn
−Znフェライト試料の片面に塗布して乾燥した。この
試料を酸素分圧300ppmの窒素雰囲気中にて900
℃で0.5,1,4,8,12時間熱処理した。この結
果を(表6)に示す。
【0028】
【表6】
【0029】高電気抵抗層の厚さが5μm以下の場合に
おいては抵抗値は未処理の場合に比べて十分高くなって
いるが、絶縁耐圧については5μm以上高電気抵抗層を
形成された場合に500V以上の十分な値となる。さら
に絶縁特性を安定させるためには高電気抵抗層の厚みを
10μm以上にすることが望ましい。
【0030】(実施の形態5) (表7)に示す化合物Aと化合物Bをそれぞれエタノー
ル5ccに溶いてから混合してスラリー状にしたものを、
主組成がMnO 24mol%、ZnO 24mol
%、Fe23 52mol%の組成を有する外径15m
m、内径10mm、厚さ5mmのトロイダル状Mn−Znフ
ェライト試料の片面に熱処理後の高電気抵抗層厚みが5
μmになるようにはけ塗りによって塗布し、室温で2時
間放置して乾燥した。この試料をそれぞれの熱処理温度
に適した酸素分圧の窒素雰囲気中で1100℃および1
120℃で0.5時間熱処理した。この結果を(表7)
に示す。
【0031】
【表7】
【0032】すべての条件において高電気抵抗層が形成
されることによって抵抗値が向上していることがわかる
が、熱処理温度を1120℃にした場合には磁気特性の
劣化が認められる。これは化合物Aおよび化合物BがM
n−Znフェライト試料内部に拡散するために生じるも
のである。熱処理温度が高温になった場合、熱処理時間
による拡散速度の制御が非常に困難となるため1100
℃を超える温度では内部拡散による磁気特性の劣化は避
けられないものと考えられる。
【0033】さらに抵抗値についても同等もしくは低下
傾向にあるのは一部の化合物が昇華してMn−Znフェ
ライト試料表面の濃度が低下したためであると考えられ
る。したがって実際の熱処理温度は高電気抵抗層が均一
に形成できる最低限の温度で処理するのが最もよく、化
合物の種類によって異なるが900℃以下で熱処理する
のが好ましい。
【0034】(実施の形態6)化合物AとしてBi23
/ZnO=5/95mol%の比率で混合し、外径10
mm、厚さ1mmの円盤状に成形し、900℃×3hr、大
気中で焼成したセラミックスを作製した。そして、これ
を開口径が500μmのNiメッシュで包み込んだ。ま
た化合物Bとして平均粒径が1μmのTiO2粉末を選
択し、これと主組成がMnO 25mol%、ZnO
22mol%、Fe23 52mol%の組成を有する
外径15mm、内径10mm、厚さ5mmのトロイダル状Mn
−Znフェライト試料を円筒状のZrO2磁器の中に粉
末とフェライト試料が接触する程度に充填した。
【0035】ただし、円筒の蓋に0.5mmの穴を設けて
外部からの雰囲気が取り込めるようにした。Niメッシ
ュと円筒容器を雰囲気制御が可能なロータリーキルンに
いれて、回転数5rpm、酸素分圧2%の窒素雰囲気中
で1100℃で0.5時間熱処理した。この結果を(表
8)に示す。
【0036】
【表8】
【0037】この場合においても磁気特性を損なうこと
なく高電気抵抗層を形成できていることがわかる。化合
物Bに粉体を用いているが、得られる高電気抵抗層は膜
厚は均一であり、ピンホールも存在せず、さらにMn−
Znフェライト試料を回転させながら熱処理できるので
一回の処理で試料全面に均一な高電気抵抗層が形成され
ている。熱処理条件は化合物Aの沸点あるいは昇華点以
上で行うことが必要なのは言うまでもなく、この条件を
満たす熱処理温度で処理することにより他の化合物でも
同様の結果が得られる。
【0038】
【発明の効果】本発明の高電気抵抗表面層を有するMn
−Znフェライトを使用することによって、直巻線が可
能となってボビンが不要となりトランス、コイル等の小
型化に貢献する。またNi−ZnフェライトなどをMn
−Znフェライトへ置き換えることが可能となるため、
高性能化、小型化に寄与する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物Aのうち少なくとも一種類以上が
    Mn−Znフェライトの全表面またはその一部に存在す
    ることによって高電気抵抗表面層を形成することを特徴
    とするMn−Znフェライト。(ただし化合物AとはB
    i,V,B,Pb,P,Sn,Liを少なくとも一種類
    以上含むものである。)
  2. 【請求項2】 化合物Aと化合物Bをそれぞれ少なくと
    も一種類以上がMn−Znフェライトの全表面またはそ
    の一部に存在することによって高電気抵抗表面層を形成
    することを特徴とする請求項1記載のMn−Znフェラ
    イト。(ただし化合物AとはBi,V,B,Pb,P,
    Sn,Liを少なくとも一種類以上含むものであり、化
    合物BとはTi,Cr,Co,Ni,Ca,Si,T
    a,Hf,Sbを少なくとも一種類以上含むものであ
    る。)
  3. 【請求項3】 Mn−Znフェライトの主組成が、Mn
    O 16〜46mol%、ZnO 2〜30mol%、
    残部Fe23からなる請求項1または2記載のMn−Z
    nフェライト。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の高電気抵抗層の
    厚さが5μm以上であることを特徴とするMn−Znフ
    ェライト。
  5. 【請求項5】 Mn−Znフェライトの全表面またはそ
    の一部に、化合物Aと化合物Bをそれぞれ少なくとも一
    種類以上混合したものを塗布して1100℃以下で熱処
    理することによって高電気抵抗表面層を形成するMn−
    Znフェライトの製造方法。(ただし化合物AとはB
    i,V,B,Pb,P,Sn,Liを少なくとも一種類
    以上含むものであり、化合物BとはTi,Cr,Co,
    Ni,Ca,Si,Ta,Hf,Sbを少なくとも一種
    類以上含むものである。)
  6. 【請求項6】 化合物Aのうちの少なくとも一種類以上
    が蒸発または昇華してMn−Znフェライトの全表面ま
    たはその一部を覆う一方で、化合物Bのうちの少なくと
    も一種類以上がMn−Znフェライト表面に接触する状
    態において1100℃以下で熱処理することによって高
    電気抵抗表面層を形成するMn−Znフェライトの製造
    方法。(ただし化合物AとはBi,V,B,Pb,P,
    Sn,Liを少なくとも一種類以上含むものであり、化
    合物BとはTi,Cr,Co,Ni,Ca,Si,T
    a,Hf,Sbを少なくとも一種類以上含むものであ
    る。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273643A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Kyocera Corp 焼結体および配線基板ならびにその製造方法
JP2022122983A (ja) * 2016-03-25 2022-08-23 日立金属株式会社 インダクタ

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JP2006273643A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Kyocera Corp 焼結体および配線基板ならびにその製造方法
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