JPH10208712A

JPH10208712A - 自動車用鉛蓄電池とその製造法

Info

Publication number: JPH10208712A
Application number: JP9009098A
Authority: JP
Inventors: Susumu Tanaka; 進田中
Original assignee: Yuasa Corp; Yuasa Battery Corp
Current assignee: Yuasa Corp
Priority date: 1997-01-22
Filing date: 1997-01-22
Publication date: 1998-08-07

Abstract

(57)【要約】【課題】電池形式の増加に伴う蓋や電池製品の在庫増
をなくし、蓋や電池の生産性の低下あるいは製造中の作
業の煩雑さをなくすことにある。【解決手段】本発明の自動車用鉛蓄電池は、電池形式
を表示した耐酸、耐酸化性物質からなる銘板１を蓋３上
面に取り付けたことを特徴とする。また、本発明の製造
法は、電池要素を収納した電槽４上部に蓋３を取付け、
次いで、該蓋３上面に電池形式を表示した、耐酸、耐酸
化性物質からなる銘板を取り付けることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
る鉛蓄電池とその製造法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に鉛蓄電池は、機種毎に電池形式が
表示されている。そして、自動車用鉛蓄電池にあって
は、自動車のボンネットを開けて電池状態を点検する
が、点検項目によっては、電池形式を確認しなければな
らないので、図２のように蓋７上面に電池形式８が表示
されている。このような電池は、一般に次のようにして
作製される。すなわち、電池形式８が形成された金型に
よって蓋７を作製し、この蓋７を電池要素が収納された
電槽９上部に取り付けて電池を完成する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の自動
車用鉛蓄電池は形式が異なればその外形寸法も異なるの
が一般であった。しかしながら、最近、消費者の要求が
多様化し、同一寸法の電池であっても電池容量の異なる
通常品と高級品等に差別化した電池が必要になってき
た。また、同一寸法の電池であってもブランドの違いや
販売先の指定によって電池形式が異なるものが増加して
きた。

【０００４】このような対応として、電池形式を電池の
蓋上面にモールドする時、電池形式部のみ金型を入れ換
える、いわゆる入れ子方式を採用して蓋の金型増に対処
している。しかし、蓋の種類が増加し、電池組立て時に
おける煩雑さが増し、更に、電池製品の在庫が増えると
いう問題点が生じた。

【０００５】このように、電池形式が増加することは、
蓋を形式毎に保管しなければならず、蓋の在庫増につな
がり、また、蓋の生産時に形式金型の入替えを頻繁に行
わねばならないため、生産性が低下するという問題点が
あった。また、電池の組立て時に他の形式との混同を避
ける対策が必要であった。さらに、電池の製品在庫とし
て形式数と同数のロットを確保しなければならず、形式
数の乗数倍の在庫数が必要になるという問題点を有して
いた。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは電池形式の増加に伴
う蓋や電池製品の在庫増をなくし、蓋や電池の生産性の
低下、あるいは製造中の作業の煩雑さをなくすことにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の自動車用鉛蓄電池は、電池形式を表示した
耐酸、耐酸化性物質からなる銘板を蓋上面に取り付けた
ことを特徴とするものである。そして、前記銘板は、蓋
上面に形成された凹部にはめ込まれていること、また
は、蓋上面に機械的に取り付けられていること、あるい
は、蓋上面に溶着されていることが好ましい。

【０００８】また、本発明の製造方法は、電池要素を収
納した電槽上部に蓋を取り付け、次いで、前記蓋上面に
電池形式を表示した、耐酸、耐酸化性物質からなる銘板
を取り付けることを特徴とするものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。（実施形態）図１は銘板を取り付ける直前の本発明の一
実施形態を示す外観斜視図であり、１はアクリル樹脂等
の耐酸、耐酸化性物質からなる銘板であって、上面に電
池形式１ａが表示されている。２は蓋３の上面に形成さ
れた凹部であり、銘板の大きさと略同じ大きさに形成さ
れている。４は電池要素（図示せず）を収納した電槽、
５は排気栓を兼ねる液口栓、６は端子である。銘板１
は、凹部２内にはめ込まれて接着剤等によって強固に固
定され、電池の使用中に蓋３から外れないようにしてい
る。また、電池形式の表示は使用中に消えないように刻
印によるか、表示した上にさらに透明なプラスティック
等を覆った銘板とすることが好ましい。

【００１０】本実施形態のように、蓋３上面に銘板１を
取り付けるようにすると、電槽４上部に蓋３を取り付け
た後に電池形式を決定できるので、同じ外形寸法を有す
る電池を形式の異なる電池とすることができる。従っ
て、蓋や電池を電池形式毎に作製する必要がない。

【００１１】なお、本実施形態では、蓋３の凹部２に銘
板１をはめ込んでいるが、蓋３に凹部２を形成せずに、
超音波溶着で蓋３と銘板１を一体にしてもよく、蓋３上
面に直接耐酸性のビス等で取り付けてもよい。ただし、
ビス等で取り付ける場合は凹部２にはめ込む場合に比べ
生産性が低下する。また、銘板１の取り付ける位置は、
蓋３上面であれば何れでもよく、蓋３の上面に取っ手等
が取り付けられていれば、その取っ手上面に取り付けて
もよい。従来、電池上面に粘着テープに類する表示を貼
付することがあったが、このような表示は、酸や油類に
より汚れたり、取付け時に損傷したりする欠点がある
が、本発明の銘板によればこのような欠点を解消でき
る。

【００１２】（実施例）次に、本発明の製造方法につい
て図１に基づいて説明する。先ず、正極と負極とセパレ
ータ等からなる電池要素（図示せず）を収納した電槽４
を用意する。次に、電槽４の上部に蓋３を熱溶着によっ
て取り付ける。そして、蓋３と端子６の間を溶接等によ
り密封して、液口に液口栓５を取り付ける。その後、凹
部２に接着剤を充填して銘板１をはめ込んで、本発明の
鉛蓄電池を完成する。

【００１３】なお、蓋３上面に銘板１を取り付ける時期
は、電池を組み立てた直後でもよいが、そうすると、電
池形式の種類が増え、製品在庫の増加につながるので、
出来るだけ出荷時期に近い時点が好ましい。

【００１４】

【発明の効果】以上に説明した如く、本発明は次に記載
する効果を奏する。（１）請求項１によると、電槽に蓋を取り付けた後に電
池形式を表示できるので、同じ外形寸法の電池を出荷直
前まで異なる形式のものとする必要がなくなり、蓋や電
池の在庫が増えることがなく、安価な自動車用鉛蓄電池
が提供できる。（２）請求項２によると、電池の使用中に銘板が電池か
ら外れたり、剥がれたりすることのなく、また、蓋に銘
板を簡単に取り付けることができる。

【００１５】（３）請求項３によると、電池の使用中に
銘板が電池から外れたり、剥がれたりすることのなく、
また、自動的に銘板を蓋に取り付けることができる。（４）請求項４によると、銘板を蓋に強固に取り付ける
ことができるので、電池の使用中に銘板が電池から外れ
たり、剥がれたりすることのない。（５）請求項５によると、同じ外形寸法の蓋や電池を異
なる形式のものとして作製したり、製造途中で管理する
必要がないので、生産コストが安価な鉛蓄電池を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】銘板を取り付ける直前の本発明の自動車用鉛蓄
電池の一実施形態を示す外観斜視図である。

【図２】従来の自動車用鉛蓄電池の一実施形態を示す外
観斜視図である。

【符号の説明】

１銘板２凹部３蓋４電槽

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電池形式を表示した耐酸、耐酸化性物質
からなる銘板を蓋上面に取り付けたことを特徴とする自
動車用鉛蓄電池。
【請求項２】請求項１記載の銘板が蓋上面に形成され
た凹部にはめ込まれていることを特徴とする自動車用鉛
蓄電池。
【請求項３】請求項１記載の銘板が蓋上面に溶着され
ていることを特徴とする自動車用鉛蓄電池。
【請求項４】請求項１記載の銘板が蓋上面に機械的に
取り付けられていることを特徴とする自動車用鉛蓄電
池。
【請求項５】電池要素を収納した電槽上部に蓋を取り
付け、次いで、前記蓋上面に電池形式を表示した、耐酸、耐酸
化性物質からなる銘板を取り付けることを特徴とする、自動車用鉛蓄電池の製造法。