JPH1020554A - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH1020554A
JPH1020554A JP17808096A JP17808096A JPH1020554A JP H1020554 A JPH1020554 A JP H1020554A JP 17808096 A JP17808096 A JP 17808096A JP 17808096 A JP17808096 A JP 17808096A JP H1020554 A JPH1020554 A JP H1020554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
monomer
particles
dispersion medium
polymerized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17808096A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Fukuda
真 福田
Satoshi Takezawa
敏 竹澤
Atsunori Minagawa
厚紀 皆川
Tsuneo Watanuki
恒夫 綿貫
Norio Saruwatari
紀男 猿渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP17808096A priority Critical patent/JPH1020554A/ja
Publication of JPH1020554A publication Critical patent/JPH1020554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程が簡略であり、小粒径化および粒度
分布の制御が可能であり、低温定着性およびブロッキン
グ防止性を同時に制御できる静電荷像現像用トナーを提
供することを目的とする。 【解決手段】 2種類もしくはそれ以上の重合性単量体
成分を分散媒体中で懸濁重合することにより形成された
重合トナーの粒子からなる静電荷像現像用トナーであっ
て、前記単量体成分が、前記分散媒体に関して異なる親
和性を有しており、かつ、得られる重合トナーの粒子に
おいて、前記分散媒体に関して最も高い親和性を有して
いる単量体成分がそのトナーの粒子の半径方向に関して
異なる濃度分布で存在しており、そしてトナーの中心部
よりもその表面部においてより高濃度で存在しているよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電荷像現像用トナ
ーに関し、特に、製造工程が簡略であり、小粒径化およ
び粒度分布の制御が可能であり、定着性およびブロッキ
ング防止性を同時に制御することのできる静電荷像現像
用トナーに関する。本発明は、また、そのような静電荷
像現像用トナーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、米国特許第2,297,
691号明細書などに記載されるように、静電潜像の担
持手段として光導電性絶縁体を用いた方式が一般的であ
る。この方式では、コロナ放電、ローラ放電などによっ
て帯電させた光導電性絶縁体にレーザー光などを照射す
ることによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜
像にトナーと呼ばれる顔料により着色した樹脂粉末を静
電的に付着させてトナー像を形成している。さらに、こ
のトナー像を紙やフィルムなどの記録媒体へ転写後、
熱、圧力、光などによりその記録媒体に融着させて可視
画像を形成している。
【0003】従来、上記したような電子写真法に用いら
れるトナーは、一般的に、着色剤、帯電制御剤、ワック
ス成分といった各種添加物を熱可塑性のバインダ樹脂中
に分散させ、この樹脂の塊を粉砕、分級する粉砕法によ
って製造されている。しかしながら、この製造法を用い
た場合、バインダ樹脂として脆性の高い樹脂を用いたほ
うがトナーサイズへの粉砕が容易となるけれども、脆性
の高い樹脂は過粉砕されやすく生産効率が低下するうえ
に、現像機中での撹拌などのストレスによってさらに粉
砕されてスペントトナーとなり、耐久性の低下、画質の
低下を招くことが屡々である。そこで、懸濁重合法、乳
化重合法、分散重合法、膨潤重合法などの重合法を使用
して、重合性単量体から微粒子の状態の重合体を直接に
得ることを特徴とする重合トナーの製造が行われてい
る。これらの重合法によって得られる重合トナーは、粉
砕法によって得られるトナーと比較した場合、トナーの
小粒径化、粒度分布の制御の点で優れている。
【0004】例えば、懸濁重合法は、水不溶性の重合性
単量体を水系媒体中で激しく撹拌剪断してエマルジョン
を形成し、これを重合、固化してトナーを得る方法であ
る。乳化重合法は、水溶性の単量体を界面活性剤ととも
に水に溶解し、界面活性剤のミセル中へ単量体を徐々に
取り込ませて重合を行う方法である。懸濁重合法は最も
単純なプロセスであるが、粒径が比較的ブロードになる
という欠点がある。また、乳化重合法は、粒子の粒径分
布を狭くすることができるが、最大2μm 程度の粒子し
か生成させることができないため、それらの粒子をトナ
ーサイズまで凝集するなどの追加のプロセスが必要とな
ってくる。さらに、乳化重合法の場合には、得られるト
ナー粒子の表面に界面活性剤などの不純物が残存しやす
い。これらの欠点を補うために、溶媒中で重合性単量体
を重合させて、溶媒に不溶となった重合体を析出させる
分散重合法などによるトナーの製造が試みられている。
この方法では、比較的粒径の揃った粒子を得ることがで
きるが、有機溶媒を多量に使用するため、工業化するに
至っていないのが現状である。このような状況の下にお
いて、トナーの小粒径化および粒度分布の制御を同時に
可能とする改良された重合トナーを提供することが求め
られている。
【0005】ところで、近年、プリンタ装置の小型化、
現像プロセスの簡略化により、現像剤およびトナーによ
り多くの機能が求められるようになった。解像度の高い
画像を得るためには、トナーの小粒径化が必要となる。
また、プリンタ装置の省エネルギー化には、低エネルギ
ーで紙などの記録媒体上にトナー像を定着可能なトナー
が必要となる。
【0006】トナーの定着方法には、熱、光等により樹
脂を加熱溶融させて紙、フィルム等の記録媒体に結着さ
せる方式、液状もしくはゲル状の結着媒体を固体のシェ
ルで被覆したトナーを圧力により破裂させて定着を行う
方式、有機溶剤によりトナーの樹脂を軟化させて定着さ
せる方式などがある。なかでも、ヒートロール等の熱媒
体を紙等の記録媒体に接触させてトナーを溶融させる加
熱定着方式が、定着性に優れているので、この技術分野
における主流となっている。しかしながら、加熱定着方
式では、ヒータを内蔵するため、プリンタの消費電力が
大きくなる、電源投入時から使用できるまでのウォーム
アップ時間が長くなるなどの欠点があり、また、これら
の欠点を解消していくためには、使用するヒータの設定
温度までの到達時間を短縮するとともに、より低い温度
でトナーを定着させることが必須となる。このような低
温でも高い定着性が得られるトナーを調製するため、樹
脂の分子量を低くする、組成を調整するなどして、バイ
ンダとなる樹脂の溶融特性を制御するような検討が様々
になされてきている。しかしながら、このような低い温
度で溶融して定着可能なトナーは、現像機内での撹拌中
やトナーの保存時、搬送時にトナー粒子どうしの融着
(ブロッキング)が生じやすい、紙等の記録媒体上の安
定性に欠くという背反した面を本質的にもっており、定
着性とブロッキング防止性(保存安定性の向上)との両
立は限界に近いところにある。
【0007】この定着性とブロッキング防止性の両立の
問題点を解決するために、従来、例えば特開平2−30
0765号公報などに示されるように、高ガラス転移温
度のポリマー微粒子をトナー粒子の表面に付着させて保
存安定性を向上させたり、特開昭61−56352公報
などに示されるように、ポリエステル樹脂、着色剤など
の液状組成物にジイソシアネートを加え、水相のアミン
類、アミド類との界面重合により高融点のポリウレタ
ン、ポリウレアを形成して、トナー粒子をカプセル化す
ることが試みられている。また、単量体の状態では溶剤
に溶解するがその重合体は溶解しないような特定の物質
を選択して、その特定の物質の単量体を溶解した所定の
溶剤中にコア粒子を分散させ、その分散液中の単量体を
重合させることにより、得られた重合体をコア粒子の表
面に析出させてカプセル化する方法も試みられている
が、未だ実用化するには至っていない。
【0008】さらにまた、特開昭61−28956号公
報には、極性ポリマーを非極性ポリマーを与える単量体
と組み合わせて含む重合性混合物を水性分散媒中で懸濁
重合させて、極性ポリマーがトナー粒子表層部から中心
部に向けて減少しており、トナー粒子表層部により多く
存在しているトナーを調製する方法が示されている。こ
の調製方法で得られるトナーでは、表層部に優先的に存
在している比較的に硬い極性ポリマーのために耐ブロッ
キング性、現像性が良好に保たれ、また、定着に際して
は、トナーの内部に優先的に存在する非極性ポリマーに
より、定着性も良好に保たれる。しかしながら、このよ
うな、極性ポリマーを非極性ポリマーを与える単量体と
組み合わせて使用するトナーの調製方法では、予め極性
ポリマーを用意しておかなければならないという不都合
があり、したがって、トナーの製造工程が複雑化してく
る。また、重合トナーの出発物質として特定のポリマー
の使用が必須であるので、得られるトナーの特性等を制
御したい時に、その制御の自由度に制限がでてくる。製
造工程が簡単で、得られるトナーの特性等の制御が広い
範囲で可能であるようなトナーを提供することが望まし
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
工程が簡略であり、小粒径化および粒度分布の制御が可
能であり、カブリがなく、熱ロール定着時により低い定
着温度で定着が可能であり、そして使用時および保存時
における安定性、特にブロッキング防止性に優れた静電
荷像現像用トナーを提供することにある。
【0010】本発明のもう1つの目的は、上記したよう
な改良された静電荷像現像用トナーの製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、2種類
もしくはそれ以上の重合性単量体成分を分散媒体中で懸
濁重合することにより形成された重合トナーの粒子から
なる静電荷像現像用トナーであって、前記単量体成分
が、前記分散媒体に関して異なる親和性を有しており、
かつ、得られる重合トナーの粒子において、前記分散媒
体に関して最も高い親和性を有している単量体成分がそ
のトナーの粒子の半径方向に関して異なる濃度分布で存
在しており、そしてトナーの中心部よりもその表面部に
おいてより高濃度で存在していることを特徴とする静電
荷像現像用トナーが提供されるまた、本発明に従えば、
重合トナーの粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造
するに当たって、2種類もしくはそれ以上の重合性単量
体成分を分散媒体中で懸濁重合することによって重合ト
ナーを形成し、そして、その懸濁重合の際、前記単量体
成分として、前記分散媒体に関して異なる親和性を有し
ているものを組み合わせて使用しかつ、得られる重合ト
ナーの粒子において、前記分散媒体に関して最も高い親
和性を有している単量体成分が、そのトナーの粒子の半
径方向に関して、トナーの中心部よりもその表面部にお
いてより高濃度で存在していることを特徴とする静電荷
像現像用トナーの製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による静電荷像現像用トナ
ーは、第1に、2種類もしくはそれ以上の重合性単量体
成分を分散媒体中で懸濁重合することにより形成された
重合トナーの粒子からなること、そして前記単量体成分
が、前記分散媒体に関して異なる親和性、すなわち、異
なる極性を有しており、かつ、得られる重合トナーの粒
子において、前記分散媒体に関して最も高い親和性を有
している単量体成分がそのトナーの粒子の半径方向に関
して異なる濃度分布で存在しており、そしてトナーの中
心部よりもその表面部においてより高濃度で存在してい
ることを特徴とするものである。すなわち、本発明の重
合トナーは、共重合体粒子の形をとるとともに、共重合
体中に含まれる極性単量体成分の濃度がその共重合体粒
子の表面と中心部とで異なることを特徴としている。か
かる重合トナーは、その共重合体組成が粒子の表面から
変化しているという点で上記したカプセル化トナーや表
面処理トナーとは区別されるものであり、また、出発物
質を異にすることおよび極性単量体成分の濃度勾配が粒
子の表面から中心部にかけて、徐々にではなくて急峻に
変化していること、という点で上記した特開昭61−2
8956号公報に記載のトナーとも区別されるものであ
る。
【0013】個々のトナー粒子の内部において、その粒
子の表面から深さ方向で共重合体組成が異なることによ
り、粒子全体が均一な組成のものでは認めることのでき
ないいろいろな特性を得ることができる。例えば、重合
トナー形成のための単量体系混合物において、分散媒体
に関して最も高い親和性を有している単量体成分(最高
の極性を有する単量体成分)として、その最高極性単量
体成分およびその他の単量体成分を重合せしめた時、そ
の他の単量体成分より導かれる単独重合体のガラス転移
温度よりも高いガラス転移温度を呈するものを使用した
場合、注目すべき特性を得ることができる。すなわち、
極性単量体成分としてその単独重合体のガラス転移温度
が高い単量体を使用すると、得られる重合トナーにおい
て、その粒子の表面近傍において極性単量体成分が最も
多く存在するようになるので、粒子の表面近傍のガラス
転移温度が高くなり、したがって、トナーとしての保存
安定性が向上する。また、かかる極性単量体成分に併用
すべきその他の単量体成分の分子量、使用量、その他の
ファクタを調整することを通じて、例えば、低温で溶融
し易い共重合体が得られるようにファクタの選択を行う
ことによって、低温定着性に優れかつ保存安定性に優れ
たトナーを得ることができる。
【0014】本発明による静電荷像現像用トナーは、2
種類もしくはそれ以上の重合性単量体成分を含む重合性
単量体系混合物を分散媒体中、特に極性媒体中で懸濁重
合することによって調製することができ、また、その懸
濁重合の際、上記したような特定の極性単量体成分を使
用することを必須の要件とする。懸濁重合そのものは、
本発明の実施において特に制限されるものではなく、し
たがって、常用の重合装置を使用して一般的な重合条件
および手順に従って実施することができる。すなわち、
懸濁重合法は、広く知られているように、重合性単量体
および極性単量体に熱、光などにより分解してラジカル
を発生するような重合開始剤や、着色剤、電荷調整剤、
離型剤などのトナーに必要とされる機能を付与するため
の添加剤を混入して重合性単量体系混合物とし、ホモジ
ナイザ、アトライタなどの各種の攪拌機を用いて入念に
混合することによって実施することができる。次いで、
得られた重合性単量体系混合物を極性媒体中に投入し、
高速ミキサ、例えばホモミキサなどの攪拌機を用いて機
械的に剪断してトナーサイズの液滴となす。得られる液
滴において、重合性単量体系混合物中に含まれた極性単
量体は、極性媒体との親和性が比較的に高いため、極性
媒体との界面、すなわち、トナー粒子の表面に多く偏在
するようになり、また、粒子の中心部に近いほどその濃
度が減少し、極性の低い単量体が多くなる。この液滴を
加熱、光照射等によりラジカル重合させると、表面近傍
に極性単量体成分の多い共重合体からなる重合トナー粒
子が得られる。
【0015】本発明の実施において、重合性単量体系混
合物において使用する重合性単量体は、好ましくは、比
較的に極性の低いものでである。低極性の単量体の適当
な例としては、以下に列挙するものに限定されるわけで
はないけれども、スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチ
レン、2,4−ジメチルスチレンなどのスチレン系単量
体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プ
ロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル
類などを挙げることができる。これらの単量体は、単独
で使用してもよく、必要に応じて、2種類もしくはそれ
以上のものを混合して使用してもよい。また、加熱定着
を行うヒートローラなどへのトナーの付着(オフセッ
ト)を防止するために、バインダとなる重合体は、その
高分子鎖が適度に三次元架橋されていることが望まし
く、上記の単量体にジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン、ジビニルエーテルなどの炭素不飽和結合を2個以
上有する架橋性単量体を添加してもよい。
【0016】また、重合性単量体系混合物において上記
した重合性単量体と組み合わせた使用されるべき極性単
量体は、好ましくは、上記した重合性単量体と相溶性あ
るいは溶解性があり、かつ、そのような単量体と比較し
て極性溶媒との親和性の高い単量体である。適当な極性
単量体は、以下に列挙するものに限定されるというわけ
ではないけれども、例えば、メタクリル酸、アクリル酸
などのカルボン酸、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチ
レンスルホン酸、その他を包含する。これらの極性単量
体も、必要に応じて、2種類もしくはそれ以上を混合し
て使用してもよい。かかる極性単量体は、極性媒体との
親和性が高いため、粒子を形成した際に、上記した重合
性単量体に比較して、極性媒体との界面、すなわち、粒
子界面により高濃度で分布することが可能である。
【0017】さらに、上記したような極性単量体のなか
でも、重合性単量体から誘導される共重合体又は単独重
合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を呈示
する単独重合体を提供可能な極性単量体を使用すると、
得られるトナーの表面近傍において、使用した極性単量
体に起因して、ガラス転移温度の高い重合体を集中的に
分布させることができる。その結果、トナー粒子全体の
ガラス転移温度や分子量、軟化温度、粘弾性といった熱
的性質を大きく変動させることなく、ブロッキングを生
じないトナーを作製することができる。熱定着の典型で
あるヒートロール定着に用いられるトナーでは、保存安
定性、定着性を得るために、ガラス転移温度100℃の
スチレン単量体にアクリルエステルなどのガラス転移温
度の低い単量体を好ましい比率で配合して共重合させ、
得られる共重合体のガラス転移温度をバインダとして好
適な40〜80℃とすることが通常であることから、本
発明で用いる極性単量体としては、その単独重合体のガ
ラス転移温度が通常のトナーのガラス転移温度よりも高
い単量体を使用することが好ましい。このような高ガラ
ス転移温度の単量体としては、例えば、メタクリル酸
(単独重合体のガラス転移温度Tg=228℃;以下同
様)、アクリル酸(Tg=106℃)、アクリロニトリル
(Tg=100℃)、塩化ビニル(Tg=81℃)などが好
適である。
【0018】使用する重合性単量体系混合物において、
前記した重合性単量体と上記の極性単量体の比率は、所
望とするトナーの物性、それぞれの単量体の特性、その
他のファクタに応じて広く変更することができるという
ものの、一般的には、極性単量体を重合性単量体に関し
て20重量%以下の量で使用するのが好ましく、さらに
好ましくは10重量%以下である。極性単量体の量が上
記した量の上限を上回った場合、得られるトナーにおい
て所望とする単量体分布を得ることができないであろ
う。
【0019】トナー粒子内における極性単量体成分の存
在とその分布の確認は、好ましくは、光音響分光法(P
AS=Photoacoustic Spectros
copy)を用い、FT−IRスペクトルのカルボキシ
ル基、ニトリル基などの極性基の吸収ピークから行うこ
とができる。使用する光源の干渉計のスキャンスピード
を変えることにより、粒子表面からの深さが異なる部分
のIRスペクトルを得、そして粒子の深さ方向における
重合体の官能基分布の知見を得ることができる。
【0020】上記したような重合性単量体および極性単
量体を重合させるために、いろいろな重合開始剤を使用
することができ、しかし、好ましくは、使用する単量体
系混合物中に溶解させることができるので、油溶性の重
合開始剤を使用することができる。水溶性の重合開始剤
を使用すると、水中に溶出した極性単量体が水中で重合
し、微粉末を副生成したり、乾燥時にトナーがブロッキ
ングするなどの問題が発生し易い。適当な油溶性の重合
開始剤としては、例えば、この技術分野において広く用
いられている、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル) 、2,2−アゾビス(イソブチロニト
リル)などのアゾ系の開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸
化ラウロイルなどの過酸化物系開始剤、その他を挙げる
ことができる。また、このような重合開始剤の他に、必
要に応じて、例えばtert−ドデカンチオールなどの重合
調整剤を添加してもよい。
【0021】重合性単量体系混合物には、必要に応じて
種々の着色剤を添加してもよい。着色剤には、黒色顔料
の各種カーボンブラックをはじめ、ベンジジン系のイエ
ロー顔料、キナクドリン系、ローダミン系のマゼンタ顔
料、フタロシアニン系のシアン顔料などの公知の顔料を
使用することができる。また、鉄、マグネタイトなどの
磁性体粒子を添加してもよい。重合性単量体との親和性
の低い無機粒子を単量体系混合物中に含有せしめるため
には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、
レシチン、その他公知の界面活性剤を用いて表面を疎水
化処理するなどして、重合性単量体中に分散させること
が好ましい。
【0022】極性媒体としては、好ましくは、水、メタ
ノール、エタノール等のアルコール類あるいはその混合
物を使用することができる。また、かかる極性媒体に
は、通常、分散安定剤を添加することが好ましい。これ
は、かかる分散安定剤の添加により、重合性単量体系混
合物の液滴の表面を被覆して、液滴の合一を防止するこ
とができるからである。分散安定剤として用いることが
できるものとして、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウムなどの難水溶性塩類、ゼラチン、
ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子、その他を挙
げることができる。また、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシル
硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、臭化ドデシル
ビリドニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、
臭化デシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラドデシ
ルアンモニウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、
テトラデシル硫酸ナトリウムなどの水溶性界面活性剤が
安定助剤として含まれていてもよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明をその実施例および比較例を参
照してさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではないことを理解されたい。
また、記載の重量は、特に断りのある場合を除いて「重
量部」である。例1 下記の単量体成分の混合物: スチレン(和光純薬社製) 69.7重量部 アクリル酸n−ブチル(和光純薬社製) 29.8重量部 ジビニルベンゼン(和光純薬社製) 0.5重量部 に、以下に記載するように、メタクリル酸、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純
薬社製)及びマグネタイト粉(BL−200、チタン工
業社製、シランカップリング剤で疎水化処理済み)を記
載の量(重量部)で添加することによって、5種類の重
合性単量体系混合物を調製した。 成 分 混合物1 混合物2 混合物3 混合物4 混合物5 単量体混合物 100.0 99.0 98.0 97.0 95.0 メタクリル酸 0 1.0 2.0 3.0 5.0 ジメチルバレロ 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 ニトリル* マグネタイト粉 66.7 66.7 66.7 66.7 66.7 注記:混合物1は、メタクリル酸を含まない比較例である。 * …2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
【0024】得られた重合性単量体系混合物を、下記の
成分を混合して得た水系分散媒体: イオン交換水 720重量部 リン酸三カルシウム(TCP) 12重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.03重量部 に投入し、ロータステータ型ホモジナイザ(エスエムテ
ー社製)を用いて、10000rpmで15分間にわた
って高速撹拌した。得られた懸濁液を70℃で7時間保
持して重合を行った。重合の完了後、得られた重合体粒
子の表面に付着しているTCPを除去するために希塩酸
で酸洗浄し、水洗を行い、そして乾燥した。約8.5μ
m の平均粒径(コールターマルチサイザ、アパーチャー
径:100μm ;以下、同様にして測定)を有する磁性
トナーが得られた。
【0025】得られたトナーを下記の項目に関して評価
した。トナー粒子内の重合体組成 メタクリル酸(MAA)の添加量を5重量部および0重
量部(未添加)とした時に得られたトナーについて、光
音響分光法を用いたFT−IR測定により、トナー粒子
内の重合体組成を解析した。スキャンスピード(SS)
は、8mm/sおよび4mm/sとした。これは、スキャン
スピード8mm/sではトナー粒子のより表面に近い部分
の情報を得ることができ、4mm/sではトナー粒子の内
部の情報を得ることができるからである。得られた結果
を添付の図1(MAA=5重量部)および図2(MAA
=0重量部)に示す。
【0026】図1および図2のスペクトルから理解され
るように、1730cm-1、1600cm-1、1700cm-1
にピークが確認できる。1730cm-1の強いピークはC
=Oの伸縮振動に起因し、アクリル酸ブチル(BA)の
エステル基に対応する。1600cm-1付近のピークはC
=C伸縮振動に起因し、スチレン(St)芳香環に対応
する。さらに、1700cm-1付近にもC=O伸縮振動の
小さなピークが確認できるが、これは、MAAのカルボ
キシル基(−COOH)の存在を示すものである。この
ピークは、スキャンスピード8mm/sで大きく、トナー
表面に近いほどMAAリッチな組成になっていることを
示唆している。
【0027】次の第1表は、スチレン(St)芳香環中
のC=Cピーク強度に対するエステル基およびカルボキ
シル基のC=Oのピーク強度比を示したものである。 第1表 MAA スキャンスピード 強度比 (重量部) (mm/s) COOH/C=C COOR/C=C 5 8 0.9 7.1 5 4 0.2 5.2 0 8 − 5.2 0 4 − 4.0 上記した結果から、カルボキシル基のピーク強度比は、
スキャンスピード8mm/sでは4mm/sの約4倍であ
り、粒子内でのMAAの組成勾配が大きく、急峻である
ことが明らかである。一方、カルボキシル基ほど顕著で
はないが、エステル基のピークも8mm/sで強くなって
おり、BAも表面に近いほど高濃度になっていることが
判る。
【0028】上記したような組成勾配は、使用した単量
体の極性の違い、すなわち、分散媒体として使用した水
との親和性の違いによって生じたものであると考察でき
る。水に対する溶解性を比較すると、MAAは可溶、B
Aは100ml中に0.14g溶解し、Stはほとんど溶
解しない。MAAは親水性を有しているため、StやB
Aと比較して水との親和性が高く、高速攪拌により単量
体液滴を形成した際に、水との界面、すなわち、粒子の
表面近傍に偏在し易い。本例では、この状態を保持した
ままラジカル共重合を行ったので、表面に近いほどMA
Aリッチな樹脂粒子が形成されたものと理解される。同
様に、BAもわずかであるが水との親和性があるため、
粒子の深さ方向でゆるやかな濃度勾配を形成したものと
理解される。耐ブロッキング性 得られたトナーの耐ブロッキング性を次のようにして評
価した。未外添のトナー10.0gを45℃の環境下に
8時間放置した後、200メッシュの篩上で振動させ、
メッシュ上に残存するトナーを秤量し、次式に従いブロ
ッキング率(%)を求めた。
【0029】ブロッキング率(%)=(メッシュ上の残
存量/トナーの全体量)×100 得られた結果、MAA添加量によるトナーの熱的特性の
変化、を次の第2表に示すとともに、45℃環境下に8
時間放置した時のブロッキング率の変化を添付の図3に
プロットする。 第2表 St/BA/DVB MAA Tg Tm (重量部) (重量部) (℃) (℃) 100 0 54 131 99 1 52 123 98 2 53 121 97 3 53 119 95 5 55 124 DVB:ジビニルベンゼン これらの結果から理解されるように、MAA添加量が増
加しても、トナーのガラス転移温度(Tg)および軟化点
(Tm)はほとんど変化しないのに対して、ブロッキン
グ率は、MAA添加量の増加とともに減少し、5重量部
ではブロッキングを全く生じなくなる。
【0030】MAAの添加によりブロッキングが抑制さ
れるのは、FT−IR/PASスペクトルにも示される
ように、トナー粒子の表面部がMAAリッチな樹脂組成
となっていることに起因すると考察される。St、B
A、MAAの各単量体の単独重合体のTg値は、それぞ
れ、100℃、−54℃、228℃であり、MAAのTg
値はトナー粒子の大部分を構成するSt、BAのそれよ
りも高い値である。樹脂のTg値はその樹脂が構成される
単量体による加成性に関係することが知られており、M
AAリッチな組成になればなるほどTgが高くなり、ブロ
ッキングが抑制されることとなる。トナーの定着性 得られたトナーの定着性を次のようにして評価した。M
AA添加量が0重量部、3重量部および5重量部の3種
類のトナーを用意し、マグネタイトキャリア(KTC−
S1/4、日立金属社製)と撹拌、混合してトナー濃度
25重量%の現像剤とした。得られた現像剤の定着性を
LEDプリンタ(Print Partner 800
0、富士通社製)で評価した。ヒートロール定着の条件
は、線圧3.2kg/cm×2、ニップ幅3.0mm、プロセ
ス速度39mm/sであった。トナーの定着率は、定着後
のベタ画像を用い、0.6kg/cmの線圧でテープを粘
着、そして剥離して、次式より求めた。
【0031】定着率(%)=(剥離後の印字濃度/初期
の印字濃度)×100 得られた結果、MAA添加量によるトナーの定着率の変
化、を添付の図4にプロットする。図4にプロットした
結果から、MAAの添加量の変化によってもトナーの定
着率は変化せず、粒子表面に形成された高Tg樹脂がトナ
ーの定着性に与える影響は小さいことが判る。トナーの
定着性は、MAAの添加とは別に、同時に使用する単量
体であるSt/BAの樹脂組成や分子量によって制御す
ることができ、保存安定性と定着性をそれぞれ独立して
制御することができる。
【0032】以上の評価結果をまとめると、次のような
結論を導くことができる。 (1)水との親和性の高い極性単量体を添加することに
より、粒子の表面に近いほど極性単量体濃度が高い樹脂
組成となる。 (2)極性単量体としてメタクリル酸を添加することに
より、トナー表面の樹脂を高Tg化し、定着性を損なうこ
となく保存安定性を向上することができる。例2 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、重合性単量体系混合物中に含ませるメタクリル酸の
代わりに8重量部のアクリル酸を使用した。重合性単量
体系混合物の組成を以下に示す。
【0033】 成 分 組成 単量体混合物 92.0 アクリル酸 8.0 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 4.0 マグネタイト粉 66.7 得られた結果は、前記例1において得られた結果に比較
可能な満足し得るものであった。例えば、光音響分光法
を用いたFT−IR測定では、トナー粒子の内部よりも
表面にカルボキシル基が多く存在することが確認され
た。トナー全体の平均ガラス転移温度は50℃であっ
た。このトナーを45℃環境に8時間放置しても、ブロ
ッキングは生じなかった。トナーの定着性は、アクリル
酸未添加の場合と同程度であった。例3 前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、重合性単量体系混合物中に含ませるアクリル酸の量
を8重量部から5重量部に変更した。重合性単量体系混
合物の組成を以下に示す。
【0034】 成 分 組成 単量体混合物 95.0 アクリル酸 5.0 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 4.0 マグネタイト粉 66.7 得られた結果は、前記例2において得られた結果に比較
可能な満足し得るものであった。しかし、トナーを45
℃環境に8時間放置したところ、65%のブロッキング
を生じた。例4 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、重合性単量体系混合物中に含ませるメタクリル酸の
代わりに8重量部のアクリロニトリルを使用した。重合
性単量体系混合物の組成を以下に示す。
【0035】 成 分 組成 単量体混合物 92.0 アクリロニトリル 8.0 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 4.0 マグネタイト粉 66.7 得られた結果は、前記例1において得られた結果に比較
可能な満足し得るものであった。例えば、光音響分光法
を用いたFT−IR測定では、トナー粒子の内部よりも
表面にニトリル基が多く存在することが確認された。ト
ナー全体の平均ガラス転移温度は50℃であった。この
トナーを45℃環境に8時間放置しても、ブロッキング
は生じなかった。例5 前記例4に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、重合性単量体系混合物中に含ませるアクリロニトリ
ルの量を8重量部から5重量部に変更した。重合性単量
体系混合物の組成を以下に示す。
【0036】 成 分 組成 単量体混合物 95.0 アクリロニトリル 5.0 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 4.0 マグネタイト粉 66.7 得られた結果は、前記例4において得られた結果に比較
可能な満足し得るものであった。しかし、トナーを45
℃環境に8時間放置したところ、68%のブロッキング
を生じた。比較例 下記の成分をホモジナイザ(増田工業社製)で攪拌、混
合して重合性単量体系混合物を調製した。
【0037】 単量体混合物(例1で調製) 100.0重量部 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.0重量部 (和光純薬社製) 4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光純薬社製) 2.5重量部 マグネタイト粉(BL−200、チタン工業社製) 66.7重量部 得られた重合性単量体系混合物を、下記の成分を混合し
て得た水系媒体: イオン交換水 720重量部 リン酸三カルシウム(TCP) 12重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.07重量部 に投入し、ヒスコトロン型ホモジナイザ(エスエムテー
社製)を用いて、10000rpmで15分間撹拌し
た。さらに、得られたエマルジョンの沈降、合一を防止
するために、200rpmでゆっくり撹拌しながら、ジ
エチレングリコールの10%水溶液を130重量部添加
して1時間攪拌した。得られた混合物を70℃の湯浴中
で8時間加熱して重合を行った。重合の完了後、得られ
た重合体粒子を冷却し、水洗し、そして乾燥した。約
9.2μm の平均粒径を有する磁性トナーが得られた。
【0038】得られたトナーのトナー全体の平均ガラス
転移温度を示差走査熱量計(デュポン社製)で測定した
ところ、49℃であった。このトナーを45℃環境に8
時間放置しても、ブロッキングは生じなかった。次い
で、得られたトナーに1重量%の疎水性シリカH−20
00(ヘキスト社製)を乾式混合により外添し、マグネ
タイトキャリア(KTC−S1/4、日立金属社製)と
撹拌、混合してトナー濃度25重量%の現像剤とした。
得られた現像剤の定着性をLEDプリンタ(Print
Partner 8000、富士通社製)で評価した
ところ、180℃という高い定着温度においても用紙上
に定着しなかった。
【0039】
【発明の効果】以上の詳細な説明から理解されるよう
に、本発明によれば、製造工程が簡略であり、小粒径化
および粒度分布の制御が可能であり、カブリがなく、熱
ロール定着時により低い定着温度で定着が可能であり、
そして使用時および保存時における安定性、特にブロッ
キング防止性に優れた静電荷像現像用トナーを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタクリル酸添加量が5重量部の時の、FT−
IR/PAS測定の結果を示すスペクトル図である。
【図2】メタクリル酸添加量が0重量部の時の、FT−
IR/PAS測定の結果を示すスペクトル図である。
【図3】メタクリル酸添加量とブロッキング率の関係を
示したグラフである。
【図4】メタクリル酸添加量とトナーの定着率の関係を
示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 皆川 厚紀 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 綿貫 恒夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 猿渡 紀男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類もしくはそれ以上の重合性単量体
    成分を分散媒体中で懸濁重合することにより形成された
    重合トナーの粒子からなる静電荷像現像用トナーであっ
    て、前記単量体成分が、前記分散媒体に関して異なる親
    和性を有しており、かつ、得られる重合トナーの粒子に
    おいて、前記分散媒体に関して最も高い親和性を有して
    いる単量体成分がそのトナーの粒子の半径方向に関して
    異なる濃度分布で存在しており、そしてトナーの中心部
    よりもその表面部においてより高濃度で存在しているこ
    とを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 前記分散媒体に関して最も高い親和性を
    有している単量体成分は、それを重合せしめた時、それ
    以外の単量体成分の単独重合体又は共重合体のガラス転
    移温度よりも高いガラス転移温度を呈するものであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 重合トナーの粒子からなる静電荷像現像
    用トナーを製造するに当たって、2種類もしくはそれ以
    上の重合性単量体成分を分散媒体中で懸濁重合すること
    によって重合トナーを形成し、そして、その懸濁重合の
    際、前記単量体成分として、前記分散媒体に関して異な
    る親和性を有しているものを組み合わせて使用しかつ、
    得られる重合トナーの粒子において、前記分散媒体に関
    して最も高い親和性を有している単量体成分が、そのト
    ナーの粒子の半径方向に関して、トナーの中心部よりも
    その表面部においてより高濃度で存在していることを特
    徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記分散媒体に関して最も高い親和性を
    有している単量体成分は、それを重合せしめた時、それ
    以外の単量体成分の単独重合体又は共重合体のガラス転
    移温度よりも高いガラス転移温度を呈するものであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー
    の製造方法。
JP17808096A 1996-07-08 1996-07-08 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 Pending JPH1020554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17808096A JPH1020554A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17808096A JPH1020554A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1020554A true JPH1020554A (ja) 1998-01-23

Family

ID=16042280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17808096A Pending JPH1020554A (ja) 1996-07-08 1996-07-08 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1020554A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006003418A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Ricoh Co Ltd トナー、その製造方法、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、画像形成方法およびプロセスカートリッジ
JP2009288378A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Canon Inc 画像形成方法、定着方法及びトナー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006003418A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Ricoh Co Ltd トナー、その製造方法、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、画像形成方法およびプロセスカートリッジ
JP2009288378A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Canon Inc 画像形成方法、定着方法及びトナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2663016B2 (ja) 負帯電性重合法トナー
KR100728027B1 (ko) 토너의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 토너
KR100708169B1 (ko) 토너의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 토너
US7585608B2 (en) Method of preparing toner and toner prepared using the method
US7892716B2 (en) Method of preparing core-shell toner and toner prepared using the method
JP3195362B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
KR20090005847A (ko) 중공 토너 및 그의 제조방법
JPH09179341A (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
KR100728023B1 (ko) 토너의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 토너
KR100728015B1 (ko) 토너의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 토너
JPH03229268A (ja) 電子写真用トナー
WO1999040488A1 (fr) Toner a processus de polymerisation et son procede de production
KR100644711B1 (ko) 토너의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 토너
JPH1020554A (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JPH0534965A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
KR100717025B1 (ko) 토너의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 토너
US7749675B2 (en) Method of preparing toner and toner prepared using the method
KR100728013B1 (ko) 토너의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 토너
KR100774287B1 (ko) 토너 및 그 제조방법
JP3104233B2 (ja) 電子写真用トナー
KR100774279B1 (ko) 토너 및 그 제조방법
JPH0777833A (ja) トナー製造方法
JPH04184351A (ja) 負帯電性樹脂粒子、これを用いた電子写真用トナーおよび負帯電性樹脂粒子の製造方法
JPH03229267A (ja) 電子写真用トナー
JPH0486744A (ja) 電子写真用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050405