JPH10205471A - スクリュ・ロータ - Google Patents

スクリュ・ロータ

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JPH10205471A
JPH10205471A JP2577397A JP2577397A JPH10205471A JP H10205471 A JPH10205471 A JP H10205471A JP 2577397 A JP2577397 A JP 2577397A JP 2577397 A JP2577397 A JP 2577397A JP H10205471 A JPH10205471 A JP H10205471A
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male rotor
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pitch circle
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Katsu Kaneko
克 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一対のスクリュ・ロータにおける公知のおすロ
ータ歯形の追従側曲線は、そのピッチ円付近の圧力角が
0°であるため、歯形を切削創成する工具のプロフィー
ル中、当該個所に対応する切り刃の向きが被加工ロータ
の軸に垂直な直線に対し平行になり、切削加工中、他の
切り刃に比べてその部分の摩耗が早く、加工精度を低下
させたり、工具の寿命を短くする。そこで、前記歯形の
追従側曲線の当該部分の形状を、スクリュ・ロータの圧
縮効率に格段の影響を与えない範囲で補正し、これによ
りロータ歯形の切削性を向上させ、経済的なスクリュ・
ロータを得る。 【解決手段】デデンダムを備えたおすロータ歯形の追従
側曲線の大部分を、これに噛み合うめすロータ歯形の追
従側歯先曲線による包絡線より形成すると共に、前記包
絡線上で、おすロータのピッチ円の僅か外側に一点を定
め、その一点におて前記包絡線に接する直線を、ピッチ
円を横切って歯底側に延長し歯元曲線に接続することに
より歯形を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリュ圧縮機ま
たはスクリュ真空ポンプ、スクリュ膨張機などのスクリ
ュ流体機械のスクリュ・ロータ、特に、その歯形曲線に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スクリュ流体機械(以下、説明の
便宜上、スクリュ圧縮機を例にして説明する。)に組み
付けたスクリュ・ロータの歯形曲線は、例えば、本出願
人が開示した平成3年特許出願公告第21759号公報
記載のスクリュ・ロータ歯形曲線にみられるように、お
す・めすロータの噛み合わせによって生じるバキューム
造成空間を小さくすると共に、歯形の滑動面を広くとる
ようにして滑動面の耐摩耗性とシール効果を向上させる
一方、吐出側ケーシング内壁面における吐出行程終了直
前の吐出ポート閉止時に、おすロータ歯形の前進側に形
成される空間を小さくし、また、めすロータにアデンダ
ム、おすロータにはデデンダムを設けるなどして空間容
積の増加を図った歯形が採用されていた。
【0003】前記公知の歯形曲線は、めすロータ歯形の
ピッチ円近傍における圧力角を比較的に大きくすること
ができたから、成形工具による加工性が良好であるばか
りでなく、加工精度を向上させることができ、カッター
のプロフィールに極端な角部を形成することを要しない
ため、工具の形成が容易で、耐用年数の延長も可能であ
った。
【0004】詳しくは、前記平成3年特許出願公告第2
1759号公報の記載を参照するとして、概略、その歯
形曲線を説明すると、図5は、ロータを、その各回転軸
に直角な平面で切断したときの前記歯形曲線の一例を示
すもので、図中、おすロータは4枚の歯を備えて回転
軸3の回りに、前記おすロータに噛み合う、めすロー
は6枚の歯を備えて回転軸4の回りに、それぞれ矢
印方向に回転する。その際、回転軸3、4は相互に平行
であって、おすロータのピッチ円5と、めすロータ
のピッチ円6とは、ピッチ点7において接する。すなわ
ち、線分3−7:線分4−7=2:3の関係を有する。
なお、ピッチ点7と、両ロータの回転軸3,4の中心と
は、直線上にある。
【0005】おすロータとめすロータとの回転は、
外接するピッチ円5とピッチ円6とがピッチ点7におい
て滑り作用を生ぜず、相互に転がり回転をするのと同等
の運動をする。図中、各ロータの歯形曲線上に点在する
符号A〜Gは、それぞれ、歯形曲線上の位置を示すもの
で、おすロータ歯形には、前記アルファベット大文字の
後に「1 」を、めすロータの歯形にはアルファベット大
文字の後に「2 」を、それぞれ付して表示し、以後、こ
れをもって、おす、めすロータ歯形の別を示すものとす
る。なお、Af は、めすロータのアデンダム、D mは、
おすロータのデデンダムを示す。前記歯形曲線は、一例
を示すと、それぞれ下記の条件により規定されている。
【0006】(1) めすロータ歯形 (イ)追従側曲線;歯先から歯底側に向かって、 (a)H2 −A2 ;おすロータ歯形曲線と同ロータのピ
ッチ円5との交点A1 による創成曲線。めすロータのピ
ッチ円6上の点A2 において、曲線A2 −B2 に接す
る。 (b)A2 −B2 ;点A2 において、ピツチ円6に接す
る直線の延長線上で、点A2 に対し、ロータの回転と反
対方向の歯溝側に中心O5 を有する半径R5 の円弧。な
お、半径R5 =線分A2 −O5 (以下、同様)
【0007】(c)B2 −C2 ;おすロータの追従側歯
形曲線の円弧B1 −C1 による包絡線で、点B2 におい
て曲線A2 −B2 と滑らかに接続する。 (d)C2'−D2';おすロータの追従側歯形曲線の円弧
1 −C1 による包絡線B2 −C2 と、直線3−4上で
あってピッチ円6の外側に中心O1 を有する半径R1
円弧D2 −E2 との共通接線。なお、前記C2'−D2'間
は、軸3を中心にする半径R4 の円弧と同程度の緩やか
な曲線によって滑らかにつないでもよい。
【0008】(ロ)前進側曲線;直線3−4の交点から
歯先側を見て、 (e)D2'−E2 ;直線3−4上に中心O1 を有する半
径R1 の円弧で、点E2において曲線E2 −F2 に接す
る。前記半径R1 の円弧の他方は、直線3−4と点D2
において交わる。 (f)E2 −F2 ;直線3−4上の点O1 において前記
直線と角θ1 で交わる直線O1 −E2 の延長線上で、点
2 に対し点O1 と反対側に中心O2 を有する半径R2
の円弧。
【0009】(g)F2 −G2 ;直線O2 −F2 上であ
って、略、歯先外形の内側に中心O6を有する半径R6
の円弧。前記円弧は、点F2 において円弧E2 −F2
接し、点G2 において、めすロータの歯先円に接する。 (h)G2 −H2 ;めすロータの歯先円。
【0010】(2) おすロータ歯形 (イ)追従側曲線;歯元から歯先側に沿って、 (j)H1 −A1 ;めすロータ歯形曲線上の点H2 によ
る創成曲線。点H1 において、おすロータの歯底円に接
する。 (k)A1 −B1 ;めすロータ歯形の円弧A2 −B2
よる包絡線。点B1 において曲線B1 −C1 と接する。
【0011】(m)B1 −C1 ;点3において直線3−
4と角θ4 を成して伸びる、おすロータの半径線上に中
心O3 を有する短い長さの半径R3 の円弧で、中心O3
は、直線3−4から遠く離れた位置にある。点C1 で、
曲線C1 −D1 と接する。 (n)C1 −D1 ;軸3を中心しとた半径R4 の円弧。
点D1 で曲線D1 −E1に接する。
【0012】(ロ)前進側曲線;歯先から歯元側に向か
って、 (o)D1 −E1 ;めすロータ歯形の曲線D2 −E2
よる包絡線。点E1 において曲線E1 −F1 に接する。 (p)E1 −F1 ;めすロータ歯形の円弧E2 −F2
よる包絡線。点F1 で曲線F1 −G1 に接する。 (q)F1 −G1 ;めすロータ歯形曲線の円弧F2 −G
2 による包絡線。点G1において、おすロータの歯底円
に接する。 (r)G1 −H1 ;おすロータの歯底円。 により、それぞれ形成されている。
【0013】いま、点A1 を、おすロータ歯形の追従側
曲線とピッチ円5との交点とし、同点に対応する点A2
を、めすロータ歯形の追従側曲線と、そのピッチ円6と
の交点としたとき、対応して互いに噛み合う両歯形曲線
上において、例えば、おすロータ歯形の追従側曲線A1
−B1 は、めすロータ歯形の追従側曲線A2 −B2 と相
関関係にある。この場合、各歯形曲線上の点A1 ,A2
が、両ロータの回転軸3,4を結ぶ直線上に移動したと
き、相互に噛み合うことになる。
【0014】従来、スクリュ・ロータの歯形は、歯車の
創成加工と同様にホブ盤類似の加工機械に素材を取り付
け、これを、ホブまたはシングル・カッター等の歯切り
工具の送りに同期して回転させると共に、前記工具を用
いてスクリュ溝を切削し、その間、工具のプロフィール
により、ロータ回転軸直角断面において、上述した条件
を具備する歯形曲線を成形するのが一般である。そこで
は切削加工中、スクリュ・ロータ歯形のピッチ円と工具
の歯切りピッチ線とが転がり接触をしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】いま、上記歯形曲線を
有する、おすロータを成形しようとすると、その歯形
の切削工具のプロフィールは、図2に、従来歯形と表示
した山形曲線(一枚だけを示す)になるが、おすロータ
歯形(図5参照)の前記追従側曲線と、そのピッチ円5
の交点A1 に対応する工具の歯切りピッチ線上の点a付
近は、拡大図sに見られるように切り刃の向きが、被加
工ロータ軸に対する垂線に対して0°となってしまう。
これは、おすロータ歯形(図5参照)曲線上の点A1
おいては、圧力角が0°であることに起因している。こ
の種プロフィールを備えた切削工具により、おすロータ
の歯形を成形するプロセスで、工具の切り刃上のa点
(ピッチ線上)が被加工ロータのピッチ円に接したとき
は、当該切り刃部分を中心にして相対的に素材が回動
し、点aは素材と摩擦接触するだけで切削をしないの
で、局部の負担が大きく、切り刃形状のうちの当該点a
個所のみが他の切り刃部分に比べて摩耗が早くなり、ロ
ータ歯形の形状精度や加工効率を低下させるために、a
点の寿命が工具の使用限度を左右していた。
【0016】すなわち、工具のプロフィールの前記a点
以外の部分は、充分、使用可能の状態にあるのに、前記
a点にウィークポイントが存在するために、プロフィー
ル全体を更新する必要に迫られる。そのため、切り刃の
研磨の間隔を短くするとか、工具の耐用期限を繰り上げ
る等の不経済を招いている。公知の歯形は、切削工具に
よる加工性を良好にはしているが、おすロータ歯形の追
従側曲線の点A1 付近については、前記のような問題点
が残存している。
【0017】
【目的】そこで本発明の目的は、噛み合い時における、
おすロータ歯形の点A1 付近の圧力角を増加するように
し、加工時に工具の切り刃に掛かる負担を軽減して、歯
形の切削加工を容易にし加工精度、経済性を向上させる
こと、あわせて工具の寿命を延ばすことができる、新規
なスクリュ・ロータ歯形を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次に記載のような、各構成要件を具備し
て成る。 (1) めすロータ歯形にはアデンダムを、おすロータ
歯形には前記アデンダムに対応するデデンダムを設けて
噛み合う一対のスクリュ・ロータで、前記おすロータ歯
形の追従側曲線の大部分が、めすロータ歯形の追従側曲
線のうちの前記めすロータのピッチ円との交点付近を含
む曲線部分の包絡線よりなる、おすロータ歯形におい
て、おすロータの追従側歯形を形成する前記包絡線の歯
元側に延びる一端を、おすロータのピッチ円に近接した
外側で終了させ、前記一端において前記包絡線に接する
と共に前記ピッチ円を横切って伸びる直線と、前記おす
ロータ歯形の歯底円とのそれぞれに接し、前記歯形の歯
溝に対して凹な円弧または曲線によって連結、成形した
歯元側曲線よりなる歯形を備えた、おすロータを含むス
クリュ・ロータ。
【0019】(2) おすロータの追従側歯形を形成す
る包絡線の歯元側に延びる一端と前記おすロータ回転中
心との距離Lを、前記おすロータのピッチ円半径をRと
したとき、R<L≦1.02×Rとしたことを特徴とす
る上記(1)項記載のスクリュロータ。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を説明
するが、本発明歯形の構成要件の一部には、本出願当時
の当業界の技術水準の範囲内で、任意に変形可能な構成
を含むから、格別の理由を開示しない限り、本実施形態
のみに基づいて本発明の要旨を限定して理解してはなら
ない。
【0021】図1は、本発明の実施形態の一つを示すも
ので、その歯形曲線は、スクリュ圧縮機を構成する一対
のおす、めすスクリュ・ロータを、その各回転軸に直交
する平面で切断したときの切り口にみられる歯形曲線の
要部の拡大図を示す。図中、図5と同一記号を付した部
材は、さきに図5について説明した符号の部分と形状、
構造において同一であるから、詳細な説明は省略する。
【0022】本実施形態において、従来歯形と異なる要
部を列挙すると、図1,5を参照して、 (1) めすロータ歯形 (イ)追従側曲線;歯先から歯底側に向かって、 (a)G2 −H2 ;めすロータの歯先円。 (b)H2 −H2';点H2 において、めすロータの歯先
円に、点H2'において曲線H2'−A2'と接する半径Rf
の円弧。 (c)H2'−A2';おすロータ歯形曲線H1'−A1'によ
る包絡線。 (d)A2'−B2 ;めすロータの従来形の追従側歯形と
前記めすロータのピッチ円6との交点A2 において、ピ
ッチ円6と直交する歯先側円弧の一部。この部分は、従
来歯形と同一形状である。なお、A2';曲線A2 −B2
上において、おすロータ歯形の点A1'により創成される
点。
【0023】(2)おすロータ歯形 (イ)追従側曲線;歯底から歯先側に沿って、 (e)G1 −H1 ;おすロータ歯形の歯底円。 (f)H1 −H1';点H1 において、おすロータの歯底
円に接し、点H1'において直線H1'−A1'と接する半径
Rm の円弧。 (g)H1'−A1';曲線A1 −B1 上の一点A1'におい
て曲線A1 −B1 に接する接線の延長直線〔点A1'の位
置については、下記(h)において説明する〕。 (h)A1'−B1 ;従来形のめすロータ歯形の歯先円弧
2 −B2 による包絡線A1 −B1 の一部であって、前
記包絡線A1 −B1 上で、おすロータ歯形のピッチ円5
に近接した一点をA1'としたときのA1'−B1 間をつな
ぐ曲線。包絡線A1 −B1 上の点A1'の配置の範囲につ
いては、以下のとおり。線分A1'−3=L、R;おすロ
ータのピッチ円半径としたとき、 R<L≦1.02×R
【0024】おすロータ歯形の追従側曲線上におけるA
1'点を、同ロータのピッチ円5の外側に配置し、A1'点
において曲線A1 −B1 に接する直線を同ロータのピッ
チ円5と交叉して延長したことにより、前記歯形とピッ
チ円5との交点Aにおける圧力角θを0<とすることが
できる。図2は、さきに述べたとおり、おすロータ歯形
の切削工具のプロフィールを示しているが、本発明歯形
と表示した工具のプロフィールが上記歯形のH1'−A1'
付近に対応し、歯切りピッチ線付近の切り刃の角度を、
拡大図sに示すように、たとえばθ=8.5°に形成す
ることができるので、当該個所の切削加工性が向上し工
具全体の寿命を大幅に延長してロータの生産効率を上げ
ることができる。工具のプロフィールの歯切りピッチ線
付近、点aの切り刃の角度は、大きい程、切削性が良好
である。また、前記歯形のA1'点が、おすロータのピッ
チ円5の外側に離れれば、離れる程、工具のプロフィー
ルの歯切りピッチ線付近a点の切り刃の角度を大きくす
ることができる。
【0025】ところで、おすロータ歯形曲線上のA1'点
を、同ロータのピッチ円5の外側に移動することに伴
い、おすロータ歯形の追従側歯底形状が変化し、めすロ
ータ歯形の追従側歯先円弧の形状も若干変化して、具体
的には図1に示すように、おすロータの歯底の幅が狭
く、めすロータの歯先が細まる結果、めすロータ追従側
歯先曲線とその歯先円及びおすロータの追従側歯形曲線
で囲まれたハッチングを施した空間が広くなり、それに
伴い両ロータ歯形の噛み合い時におけるブローホールも
大きくなる。スクリュ圧縮機において前記ブローホール
が大きくなることは、圧縮中の空気の逆流量が多くなる
ことを意味するから圧縮効率の低下につながり、ロータ
歯形形状の改良には前述の歯形の切削性のみ考慮するだ
けでは済まない事情がある。
【0026】図3を参照して、いま、線分A1'−3=L
とし、ピッチ円5の半径をRとして、L/R、つまり、
ピッチ円5から外側に離して配置した点A1'の位置の比
をx軸に、ブローホールの面積比率をy軸に採って試算
すると、両者は、一次の比例関係を有する。なお、ブロ
ーホールの面積比率とは、歯形とピッチ円5との交点A
1 における圧力角θが0°である従来歯形におけるブロ
ーホール面積を1としたときの面積の比率を指すものと
する。
【0027】図4は、x軸にA点(歯形曲線とピッチ円
との交点)における圧力角θの大きさを、y軸にブロー
ホールの面積変化率を採ったときの関係曲線を示す図表
であって、圧力角θが増加するのに伴ってブローホール
面積比率が二次級数的に増大し、逆流する空気量が増加
する結果、圧縮効率に影響が生じることを示す。そし
て、歯形成形を効率的、経済的にするあまり、スクリュ
圧縮機の圧縮効率を大幅に低下させることは好ましくな
い。図4の曲線からみて、ブローホール面積比率の増加
曲線の傾斜が緩やかな領域の範囲内で曲線A1 −B1
の点A1'の配置を考慮するようにすれば、圧縮効率に格
段の影響を及ぼさない範囲で点A1'を移動する目安が得
られ、本発明の目的を達成することができることが理解
される。
【0028】前記、スクリュ圧縮機の圧縮効率低下に対
する制約から、ブローホール面積比率増加の上限を1.
1とすれば、R<L≦1.02×R、すなわち、点A1'
は最大限、ピッチ円5の半径に対して2%程度離してピ
ッチ円5の外側に配置することができる。そのときの、
おすロータ歯形のA点における圧力角θは12°程度と
なり、工具のプロフィールも先端部の傾き(または勾
配)が大きくなって、効率的な歯形切削が可能となる。
たとえば、さきに例示した、工具のプロフィールのa点
の圧力角8.5°の場合には、ブローホール面積が、
約、6%程度増加するとみられる。
【0029】本実施形態は、これによって、殆ど圧縮効
率を低下させることなく、R<L≦1.02×Rの範囲
内でA1'点を配置する選択の幅を与え、精度の高い歯形
形状を効率的、経済的に成形、加工することができるス
クリュ・ロータの歯形形状を提供することができた。こ
こでは、説明を複雑にすることを恐れ、従来公知の歯形
として、実施形態に例示した歯形曲線を上記記載のとお
り特定して記載したが、要するに、従来形おすロータ歯
形の追従側曲線のピッチ円上の点A1を、圧縮効率を低
下させない範囲内において前記ピッチ円の外に配置し、
追従側曲線に対する点A1'における接線をピッチ円と交
叉して延長し、点Aの圧力角θを0<とすることによっ
て、カッターのプロフィールを成形し、これにより歯形
成形を高精度で、効率的、経済的にしたものである。
【0030】したがって本発明は、ロータ歯形の他の部
分の形状の如何に係わらず、おすロータ歯形の追従側曲
線がさきに示した条件を満たすような歯形形状に対して
全て適用可能であって、作用、効果においても同一の効
用を期待することができる。なお、おすロータ歯形の歯
元(歯底)形状の前記変化に伴い、相関関係にあるめす
ロータ歯形の歯先の形状も併せて変形するが、説明は、
省略する。ただし、おすロータ歯形の追従側曲線とピッ
チ円との交点の圧力角θを0<とした歯形に対応するめ
すロータ歯形の当該形状についても、本発明の技術的範
囲に属するものと理解する。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上述べたとおりの構成、作
用を備えるから、噛み合い時における、おすロータの歯
形の追従側曲線のピッチ円上の点Aにおける圧力角を増
加するようにして、加工時に、切削工具に掛かる特定個
所の負担を軽減し、ロータの切削加工を容易にして、加
工精度、経済性を向上させることができ、あわせて工具
の寿命を延ばすことができる、新規なスクリュ・ロータ
歯形を提供することができる。すなわち、工具の切り刃
の他の部分は充分に機能しているのに、その歯切りピッ
チ線上の切り刃にウィークポイントが存在するために、
それが工具の寿命を左右するので、切り刃全体を更新す
る必要に迫られる。そのため、工具の研磨の間隔を短く
するとか、耐用期限を繰り上げる等の不経済を招いてい
る。本発明は、上記課題を解決する、新規なスクリュ・
ロータ歯形を提供することができる。
【0032】本発明は、噛み合い時における、おすロー
タ歯形の追従側曲線上の点A1'を、圧縮効率を低下させ
ない範囲内において、そのピッチ円の外側に配置し、も
って、おすロータ歯形のピッチ円上の点A付近の圧力角
が増加するようにした、新規なスクリュ・ロータ歯形を
提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スクリュ・ロータの歯形の要部を、その
回転軸に直交する平面で切断して示す、一実施例図面。
【図2】本発明スクリュ・ロータ及び従来形ロータ歯形
成形用工具のプロフィールを示す。
【図3】おすロータのピッチ円半径に対する同歯形上の
点A1'の配置と、ブローホール面積比率との関係図であ
る。
【図4】おすロータ歯形追従側曲線のピッチ円上の点の
圧力角と、ブローホール面積比率との関係図である。
【図5】従来公知のスクリュ・ロータの一部歯形を、そ
の回転軸に直交する平面で切断して示す図である。
【符号の説明】 おすロータ めすロータ 3 おすロータの回転軸中心 4 めすロータの回転軸中心 5 おすロータのピツチ円 6 めすロータのピツチ円 7 ピツチ点 Af めすロータのアデンダム Dm おすロータのデデンダム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めすロータ歯形にはアデンダムを、おす
    ロータ歯形には前記アデンダムに対応するデデンダムを
    設けて噛み合う一対のスクリュ・ロータで、前記おすロ
    ータ歯形の追従側曲線の大部分が、めすロータ歯形の追
    従側曲線のうちの前記めすロータのピッチ円との交点付
    近を含む曲線部分の包絡線よりなる、おすロータ歯形に
    おいて、 おすロータの追従側歯形を形成する前記包絡線の歯元側
    に延びる一端を、おすロータのピッチ円に近接した外側
    で終了させ、前記一端において前記包絡線に接すると共
    に前記ピッチ円を横切って伸びる直線と、前記おすロー
    タ歯形の歯底円とのそれぞれに接し、前記歯形の歯溝に
    対して凹な円弧または曲線によって連結、成形した歯元
    側曲線よりなる歯形を備えた、おすロータを含むスクリ
    ュ・ロータ。
  2. 【請求項2】 おすロータの追従側歯形を形成する包絡
    線の歯元側に延びる一端と前記おすロータ回転中心との
    距離Lを、前記おすロータのピッチ円半径をRとしたと
    き、R<L≦1.02×Rとしたことを特徴とする請求
    項1記載のスクリュロータ。 【0001】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110439811A (zh) * 2019-08-01 2019-11-12 上海艾群机械有限公司 一种双螺杆压缩机转子型线

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