JPH10204407A - ルテノセン化合物 - Google Patents

ルテノセン化合物

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JPH10204407A
JPH10204407A JP4281297A JP4281297A JPH10204407A JP H10204407 A JPH10204407 A JP H10204407A JP 4281297 A JP4281297 A JP 4281297A JP 4281297 A JP4281297 A JP 4281297A JP H10204407 A JPH10204407 A JP H10204407A
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JP
Japan
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ruthenocene
group
compound
chemical formula
photopolymerization
Prior art date
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Pending
Application number
JP4281297A
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English (en)
Inventor
Masaru Kimura
勝 木村
Hirofumi Mitekura
裕文 見手倉
Shigeo Yasui
茂男 安井
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Nippon Kanko Shikiso Kenkyusho KK
Original Assignee
Nippon Kanko Shikiso Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電子供与性を有する、新規なルテノ
セン化合物とその用途を提供することを課題とする。 【解決手段】第一に、優れた電子供与性を有し、光重合
開始系において、電子授受を効率よく行うことにより高
感度を達成し、実用に供しうるルテノセン化合物を提供
すること、第二に、斯かる化合物を含んでなる光重合促
進剤としての用途を提供すること、第三に、斯かる化合
物を含んでなる光重合用組成物を提供することにより解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なルテノセン
化合物に関するものであり、詳細には、酸化電位の低い
ルテノセン化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、光重合を促進する、電子
供与性の大きいメタロセン化合物について長年研究を続
けてきた。そして、日本化学会、光化学協会他が主催し
て1995年10月に九州大学で開催された『1995
年光化学討論会』においては、その一成果として、パラ
置換スチリル基を有するルテノセン化合物を発表した
(講演要旨集288頁)。しかしながら、このルテノセ
ン化合物はルテノセンより有意に大きい電子供与性を示
すものの、その程度はフェロセン程度であった。しか
も、このルテノセン化合物につき、通常の重合開始剤及
び増感剤をそれぞれ用いる可視光重合系における重合促
進作用を試験したところ、その重合促進作用は不充分で
あり、実用に供し得るものではなかった。
【0003】また、上記記載化合物を、光ラジカル発生
剤もしくは光カチオン発生剤と増感色素からなる可視光
重合開始系において検討したところ、高感度化の傾向は
認められたが、大幅な感度向上には至らず、実用上問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】斯かる状況に鑑み、本
発明の第一の課題は、光重合系に用いて、実用に供し得
る程度に光重合を促進するルテノセン化合物を提供する
ことにある。
【0005】この発明の第二の課題は、斯かるルテノセ
ン化合物の光重合促進剤としての用途を提供することに
ある。
【0006】この発明の第三の課題は、斯かるルテノセ
ン化合物を配合した、光重合容易な組成物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決すべ
く、本発明者が置換基を有する種々のルテノセン化合物
を合成する一方、酸化電位を指標にその合成したルテノ
セン化合物をスクリーニングしたところ、銀−塩化銀電
極を参照電極に用いて測定したときの酸化電位が0.5
ボルト以下であるルテノセン化合物は、光重合系に用い
ると、光重合を顕著に促進し、実用性の大きいことが判
明した。
【0008】すなわち、本発明は前記第一の課題を、銀
−塩化銀電極を参照電極に用いて測定したときの酸化電
位が0.5ボルト以下であるルテノセン化合物により解
決するものである。
【0009】本発明は前記第二の課題を、斯かるルテノ
セン化合物を含んでなる光重合促進剤により解決するも
のである。
【0010】本発明は前記第三の課題を、斯かるルテノ
セン化合物を含んでなる光重合用組成物により解決する
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
すると、本発明のルテノセン化合物は、電子受容性を有
する化合物に対して顕著な電子供与性を発揮する。その
程度は酸化電位を指標に数値化することができる。本発
明は、銀−塩化銀電極を参照電極に用いて測定した場合
の酸化電位が0.5V以下である、優れた電子供与性を
示す新規なルテノセン化合物の発見に基づくものであ
る。本発明でいうルテノセン化合物とは、それが斯かる
電子供与性を示す限り、その出所、由来、調製方法は問
わない。
【0012】好ましいルテノセン化合物としては、例え
ば、ルテノセニル基に共役二重結合を介して2−ユロリ
ジル基またはテトラヒドロキノリル基が結合した一群の
化合物を挙げることができ、それらは共通して化4に示
す構造を有している。化4において、R乃至Rの少
なくとも一つは化5に示す構造、または共役二重結合の
末端炭素原子にテトラヒドロキノリル基が結合した構造
が望ましく、その余はそれぞれ独立に水素原子又は、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、
ペンチル基、ヘキシル基などの直鎖状若しくは分枝を有
するアルキル基を表すものとする。なお、化5におい
て、nは1又は2の整数を表し、R乃至R10はそれ
ぞれ独立に水素原子又はメチル基を、また、R11は水
素原子、メチル基又は水酸基をそれぞれ表す。
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】さらに化4において、R6は置換基を有し
ても良いシクロペンタジエニル▲−▼またはπ−アレー
ンを表し、シクロペンタジエニル▲−▼は、直鎖状又は
分枝を有するアルキル基、又は化5に示す構造を有する
置換基により一置換または多置換されていても良い。直
鎖状又は分枝を有するアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基などのアルキル基が挙げられる。また、
π−アレーンは特に炭素原子数6個ないし24個を有す
る芳香族基を表すか、または、炭素原子数3個ないし3
0個及びヘテロ原子1個または2個を有するヘテロ芳香
族基を表し、これらの基は、同一または異なる一価の
基、例えば、ハロゲン原子、または、炭素原子数1ない
し8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ
基により一置換または多置換されていても良い。前記π
−アレーンは単環状、縮合環状であってよい。π−アレ
ーンとしては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、クメン、メトキシベンゼン、エト
キシベンゼン、ジメトキシベンゼン、p−クロロトルエ
ン、m−クロロトルエン、クロロベンゼン、ブロモベン
ゼン、ジクロロベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ト
リメチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ス
チルベン、インデン、フルオレン、フェナントレン、ア
ントラセン、ピレン、ペリレンなどが挙げられる。
【0016】本発明のルテノセン化合物は、例えばルテ
ノセン誘導体とユロリジルアルデヒドとのWittig
反応により製造することができる。
【0017】斯くして得られる本発明のルテノセン化合
物は、優れた電子供与性を有している。電子供与性は、
当該化合物の酸化電位を、例えば、銀−塩化銀電極を参
照電極として測定することにより決定することができ
る。この様にして決定される、本発明のルテノセン化合
物の酸化電位は、0.5V以下である。
【0018】上記のごとく優れた電子供与性を有する、
本発明のルテノセン化合物は、例えば、光重合開始系、
半導体及び超伝導体に用いた場合、極めて有用である。
本発明のルテノセン化合物を光重合促進剤に用いた場
合、効率よく電子の授受を行い、高感度化が達成しう
る。
【0019】光重合用組成物は、通常、光重合性化合
物、バインダー樹脂、光重合開始剤、光増感剤などから
なる。本発明においては、これらに有効成分としてルテ
ノセン化合物を加えたものである。本発明のルテノセン
化合物は必要に応じて2種以上を混合して用いても良
い。
【0020】光重合性化合物としては光重合性を有する
通常のモノマー、オリゴマー、プレポリマー及びそれら
の混合物が用いられ、これらは、通常、分子内にエチレ
ン性二重結合を少なくとも1個有している。個々の光重
合性化合物としては、例えば、エチルアクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、エチレングリコールジメ
タアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ポリ
エステルメタアクリレート、ポリウレタンメタアクリレ
ート、エポキシメタアクリレートなどが挙げられる。
【0021】光重合開始剤としては、例えば、有機過酸
化物、2,4,6−トリクロロメチル−s−トリアジ
ン、ベンゾインアルキルエーテル、ビスイミダゾール、
鉄−アレン錯体、チタノセン化合物、N−フェニルグリ
シン、ジフェニルヨードニウム塩などがある。有機過酸
化物の例としては、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフ
タレート及び3,3´,4,4´−テトラキス(t−ブ
チルジオキシカルボニル)ベンゾフェノンを含むパーオ
キシエステル、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルジオキシ)−3−ヘキサン及びジ−t−ブチルパ
ーオキサイドを含むジアルキルパーオキサイド、2,5
−ビス(ヒドロパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサ
ン及びt−ブチルヒドロパーオキサイドを含むヒドロパ
ーオキサイド、ブチル−4,4−ビス(t−ブチルジオ
キシ)バリレート及び1,1−ビス(t−ブチルジオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを含むパ
ーオキシアセタール、そして、エチルメチルケトンを含
むケトンパーオキサイドが挙げられる。これらは、必要
に応じて、適宜組合せて用いられる。
【0022】バインダー樹脂も通常一般のものを用いれ
ばよく、個々のバインダー樹脂としては、例えば、ポリ
−N−ビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリスチ
レン、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンオキ
サイド、ポリブチルメタアクリレート、スチレン−マレ
イン酸エステル、ポリメチルメタアクリレート−メタア
クリル酸系、ポリ−N−ビニルピロリドン−グリシジル
メタアクリレレート系樹脂などが挙げられる。
【0023】公知の光増感剤としては、例えば、メロシ
アニン色素、シアニン色素、スチルベン誘導体、クマリ
ン化合物及びメチレンブルー誘導体などが挙げられる。
これらは、必要に応じて、適宜組合せて用いることがで
き、その配合割合は適宜変更が可能である。
【0024】以下、本発明の実施の形態につき、実施例
に基づき説明する。
【0025】
【実施例1】 <化6で示されるルテノセン化合物の合成>
【0026】N、N、N’、N’−テトラメチルジアミ
ノメタン4.95g、リン酸5.1gと氷酢酸45ml
の混合物に、ルテノセン6.75gを加え、100℃で
14時間加熱して反応させた後、反応物を室温まで冷却
し、反応物を氷水225mlに加え、エーテルで洗浄し
た。水層を苛性カリ水溶液を加えアルカリ性にした後
に、エーテルで抽出し、硫酸マグネシウムで水分除去
後、溶媒を減圧留去した。得られた(ルテノセニルメチ
ル)ジメチルアミンをベンゼン中、ヨウ化メチル5.4
gを加え、析出物を濾取することで、化7に示す無色結
晶を4.05g得た。
【0027】
【化7】
【0028】化7に示される化合物の融点は195℃で
あり、重クロロホルム中でのHNMRスペクトルは以
下の通りである。δ(TMS、ppm)3.30(9
H、s)、4.57(2H、s)、6.68(5H、
s)、4.76−5.10(4H、m)。
【0029】この結晶3.0gと、トリフェニルホスフ
ィン5.3gを、エチルアルコール100ml中で21
時間加熱還流した後、室温まで冷却し、反応物をエーテ
ル1.21に加え、析出する結晶を濾取することで、化
8に示す淡黄色結晶を4.2g得た。
【0030】
【化8】
【0031】化8に示される化合物の融点は209−2
10℃であり、重クロロホルム中でのHNMRスペク
トルは以下の通りである。δ(TMS、ppm)4.3
5(4H、m)、4.67(6H、s)、4.86(1
H、s)、7.32−7.99(15H、m)。
【0032】この結晶0.7gをエーテル10mlで分
散下、1.6Mフェニルリチウム−シクロヘキサン溶液
2.9mlを加え、室温で3時間撹拌した後、0℃まで
冷却し、ユロリジルアルデヒド0.29gのエーテル溶
液を加えた。その後、10℃で23時間反応し、反応溶
液を濾過、ついで溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製することで、化6に示
す淡黄色結晶を0.14g得た。
【0033】
【化6】
【0034】化6に示される化合物の融点は136−1
37℃であり、塩化メチレン中で波長328nmに吸収
極大を示した。重クロロホルム中でのHNMRスペク
トルは以下の通りである。δ(500MHz、ppm)
1.94(4H、qa、J=5.5Hz、6.5H
z)、2.74(4H、t、J=5.5Hz)、3.1
3(4H、t、J=6.5Hz)、4.50(5H、
s)、4.56(2H、m)、4.82(2H、m)、
6.44(1H、d、J=16.5Hz)、6.49
(1H、J=16.5Hz)、6.82(2H、s)。
重クロロホルム中での13CNMRは以下の通りであ
る。δ(50MHz、ppm)22.11、27.6
8、50.03、68.76、70.18、70.9
2、88.97、120.31、121.50、12
4.66、125.42、126.49、142.2
0。IRスペクトルは以下の通りである。νmax(K
Br、cm−1)1605(ν:C=C)、1313
(ν:C−N)、1100(δ:Cp)、957(δ:
トランスオレフィン)、806(δ:パラ置換ベンゼ
ン)
【0035】本発明における他の化合物についても、同
様の合成法、もしくは、ノリアキオシマ,ヒロハル ス
ズキ,ヨシヒコ モロオカ著、『Chemistry
Letters』(1984年)の1161〜1164
頁に記載の既知の合成法等に準じて得ることが出来る。
【0036】本発明のルテノセン化合物は、電子供与性
に優れているとともに、光重合開始系においても極めて
有用である。
【0037】
【実施例2】 <光重合用組成物>
【0038】エチルセロソルブ900重量部に光重合性
モノマーとしてペンタエリスリトールアクリレートを1
00重量部、バインダー樹脂としてアクリル酸−メタア
クリル酸共重合体を100重量部、光重合開始剤として
2,4,6−トリクロロメチル−s−トリアジンを8重
量部、そして光増感剤として化9、化10、化11で示
すシアニン色素のいずれかを1重量部それぞれ加え、さ
らに、化6で示されるルテノセン化合物を1重量部加え
て光重合用組成物を調製した。
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】次に、常法にしたがって、この組成物を表
面処理した砂目立てアルミ板に均一に塗布して感光層を
形成せしめた後、酸素による重合阻害を防止すべく、感
光層の表面にポリビニルアルコール層を形成した。そし
て、この感光層にグレースケールを密着させて150W
キセノンランプからの光を、シャープカットフィルター
及び干渉フィルターにより所望の波長光を取り出し照射
した。その後、アルカリ系現像液により現像した。感度
は光硬化したステップの段数から次式を用いて求めた。
これらの結果を表1に示す。
【0043】E(mJ/cm)=Io(mJ/cm
・s)×Tn×t(s) Tn:ステップタブレットn段目の透過率 t:露光時間 Io:露光強度
【0044】同時に、本発明のルテノセン化合物に代え
て、化12に示す公知のルテノセン化合物を用いる系、
そしてルテノセン化合物を用いない系を設け、上記と同
様に処理して対照とした。表1にこれらの結果を比較例
として示す。
【0045】
【化12】
【0046】
【表1】 (なお、表中の測定波長の略号は、各増感色素に対応し
た波長光を取り出す際の各種フィルターの組み合わせを
表しており、具体的には以下の通りである。 a:Y52,KL54,HA30(YAG 第2高調波
532nmに対応) b:R61,KL63,HA30(He−Neレーザー
633nmに対応) c:R68,HA30 (680nm以上) d:R68,KL78,HA30(半導体レーザー78
0nmに対応) 使用したシャープカットフィルター及び干渉フィルター
は東芝硝子製、熱線カットフィルター(HA−30)は
HOYA製を用いた。)
【0047】表1に示されるように、化6で表される新
規なルテノセン化合物と、化9、化10、化11で表さ
れる極大吸収波長の異なるシアニン色素を組み合わせる
ことにより、対応する比較例に対し、顕著な高感度化が
達成された。特に半導体レーザー(780nm)対応の
増感色素である化11との組み合わせでは11mJ/c
となり高感度化が顕著だった。
【0048】
【実施例3】 <酸化電位の測定>
【0049】試料の調製は、支持電解質にテトラブチル
アンモニウムテトラフルオロボレートを用い、0.1M
のジクロロメタン溶液とした。この溶液を用い、測定試
料の10−3〜10−4M程度の溶液を調製し、窒素ガ
スで、脱気後、数分間窒素気流下で静置しサイクリック
ボルタンメトリーを用い酸化電位の測定を行った。作用
電極にはヤナコ製のGC−P2グラッシーカーボン電極
を用い、参照電極としては、ヤナコ製のMR−P3銀−
塩化銀(Ag/AgCl)電極を使用した。
【0050】表2に化6で示されたルテノセン化合物の
酸化電位を比較例として化12で示されたルテノセン化
合物、並びにルテノセン、フェロセンの酸化電位ととも
に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2に示されるように、化6で表される新
規なルテノセン化合物は、化12で表される公知のルテ
ノセン化合物、更にルテノセン、フェロセンと比べ、酸
化電位が小さく、優れた電子供与性を有することが分か
った。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は優れた電
子供与性を有する、新規なルテノセン化合物の発見に基
づくものである。本発明のルテノセン化合物はルテノセ
ニル基に共役二重結合を介してユロリジル基、またはテ
トラヒドロキノリル基を有する特定の構造において、優
れた電子供与性を示すとともに、光重合組成物に利用す
ることで、光重合開始系において効率よく電子の授受を
行い、高感度化が達成されるなど極めて有用な化合物で
ある。
【0054】本発明は斯くも顕著な作用効果を奏する発
明であり、斯界に貢献すること誠に多大な、意義のある
発明である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀−塩化銀電極を参照電極に用いて測定
    したときの酸化電位が0.5V以下であるルテノセン化
    合物
  2. 【請求項2】 共役二重結合を介してユロリジル基また
    はテトラヒドロキノリル基を有する請求項1に記載のル
    テノセン化合物
  3. 【請求項3】 化1に示す構造を有する請求項1又は2
    に記載のルテノセン化合物 【化1】 【化2】 (ただし、化1において、R、R、R、R、R
    はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分枝を有す
    るアルキル基又は化2に示される置換基を表し、R
    、R、R、Rのうち少なくとも一つは化2に
    示される置換基を表す。Rは置換基を有しても良いシ
    クロペンタジエニル▲−▼、またはπ−アレーンを表
    し、nは1又は2の整数を表し、R、R、R、R
    10はそれぞれ独立に、水素原子、またはメチル基を表
    し、R11は、水素原子、メチル基、または水酸基を表
    す。)
  4. 【請求項4】化3に示す構造を有する請求項1、2、ま
    たは3に記載のルテノセン化合物。 【化3】 (ただし、化3においてR12乃至R16は水素原子又
    はメチル基を表すものとする。)
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4に記載のルテノセ
    ン化合物を含んでなる光重合促進剤。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3又は4に記載のルテノセ
    ン化合物を含んでなる光重合用組成物
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009114451A (ja) * 2001-12-21 2009-05-28 Three M Innovative Properties Co アクリルベース接着剤を製造するための多段照射方法

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JP2009114451A (ja) * 2001-12-21 2009-05-28 Three M Innovative Properties Co アクリルベース接着剤を製造するための多段照射方法

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