JPH10204108A - アクリル酸系重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル酸系重合体の製造方法

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JPH10204108A
JPH10204108A JP928397A JP928397A JPH10204108A JP H10204108 A JPH10204108 A JP H10204108A JP 928397 A JP928397 A JP 928397A JP 928397 A JP928397 A JP 928397A JP H10204108 A JPH10204108 A JP H10204108A
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acrylic acid
acid
aqueous solution
polymerization
polymerization system
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JP928397A
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Yoshikatsu Kiyono
美勝 清野
Yasunari Okada
保也 岡田
Shigeru Matsuo
松尾  茂
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率が良く、重合系に残留する未反応アクリ
ル酸系モノマーを低減できるアクリル酸系重合体の製造
方法を提供する。 【解決手段】X1 OOC−CH=CH−COO−OH
(X1 は水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム
基を示す。)を重合開始剤として、アクリル酸系モノマ
ーを重合系のpHを3〜6の範囲に保ちながら重合する
ことを特徴とするアクリル酸系重合体の製造方法を提供
する。重合系の水溶液量に対して、供給されるアクリル
酸系モノマー量を30〜80重量%の範囲とするのが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル酸系重合体
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、重合
系に残留する未反応アクリル酸系モノマーを低減するア
クリル酸系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりマレイン酸と他の重合性単量体
との共重合はビルダー、分散剤等として使用されてい
る。これらの重合体は主にトルエン、ベンゼン等の有機
溶媒中でベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物触媒を
用いて製造されているが、マレイン酸と(メタ)アクリ
ル酸との共重合体では水溶液中で製造されている例もみ
られる。製造工程の簡易化、コストの低減及び火災防止
の観点から、水溶液中で製造する方が望ましいと言え
る。
【0003】しかしながら、マレイン酸、無水マレイン
酸は単独重合性に乏しく、また水溶液中のアクリル酸と
の共重合性も乏しい。そのため、未反応のマレイン酸や
無水マレイン酸が重合系の残留することとなる。ところ
で、無水マレイン酸やマレイン酸はそれ自体が人体に対
して生理活性を有するため、未反応の無水マレイン酸や
マレイン酸が多量に残留しているアクリル酸系重合体を
用いた洗浄剤ビルダーは衣類用洗剤等に配合することが
できない。また、未反応のアクリル酸系モノマーやオリ
ゴマーは、洗浄剤ビルダーの要求性能であるキレート能
力に有効に働かない。
【0004】そこで、水溶液中でのマレイン酸・(メ
タ)アクリル酸等の共重合反応において、より効率が良
く、重合系に残留する未反応アクリル酸系モノマーを低
減できる製造方法が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、効率が良く、重合系に残留する未反応アクリ
ル酸系モノマーを低減できるアクリル酸系重合体の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の過カルボ
ン酸を重合開始剤としてアクリル酸系モノマーを特定の
条件下で重合することにより、効率よく製造することが
でき、重合系に残留する未反応アクリル酸系モノマーを
低減できることを見出した。本発明はかかる知見に基づ
いて完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1)X1 OOC−CH=CH−COO−OH(X1
水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を示
す。)を重合開始剤として、アクリル酸系モノマーを重
合系のpHを3〜6の範囲に保ちながら重合することを
特徴とするアクリル酸系重合体の製造方法。 (2)重合系の水溶液量に対して、供給されるアクリル
酸系モノマー量を30〜80重量%の範囲とする上記
(1)に記載のアクリル酸系重合体の製造方法。 (3)アルカリ金属水酸化物もしくはアンモニア又はこ
れらの水溶液を用いて、pHを調整する上記(1)又は
(2)に記載のアクリル酸系重合体の製造方法。 (4)アクリル酸系モノマーがアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、又は無水マレイン酸である上記(1)
〜(3)のいずれかに記載のアクリル酸系重合体の製造
方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル酸系重合体の製
造方法は、X1 OOC−CH=CH−COO−OHを重
合開始剤として、アクリル酸系モノマーを重合系のpH
を3〜6の範囲に保ちながら水溶液重合することを特徴
とするものである。重合開始剤としてのX1 OOC−C
H=CH−COO−OHのX1 は、水素原子、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属原子又はアンモニウム基
を示す。この過カルボン酸は、特に無水マレイン酸と過
酸化水素との反応で効率よく生成することができる。無
水マレイン酸と過酸化水素とは等モルで反応させるのが
好ましい。また、過酸化水素は、30〜70重量%の過
酸化水素水を好ましく用いることができる。
【0009】アクリル酸系モノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、マレ
イン酸アミド、マレイン酸イミド、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル等が挙げ
られる。これらの中では、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0010】本発明の重合は、重合系のpHを3〜6の
範囲、好ましくは、4〜6の範囲に保ちながら水溶液重
合を行うことを特徴とするものである。このpHが3未
満又は6を超えると、重合系に残留する未反応アクリル
酸系モノマーが多くなる。重合系のpHを3〜6の範囲
に保つために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物、アンモニア、又はこれらの水溶
液を好ましく用いることができる。これらの添加量は、
アクリル酸系モノマーの種類、量等から適宜調整すれば
よい。
【0011】また、水溶液重合を行う際、水溶液量に対
して、供給されるアクリル酸系モノマーを30〜80重
量%の範囲とするのが好ましく、40〜60重量%の範
囲とするのがより好ましい。30重量%未満又は80重
量%を超えると、重合系に残留する未反応アクリル酸系
モノマーが多くなる傾向があり好ましくない。例えば、
回分式重合の場合、上記の供給されるアクリル酸系モノ
マー量の適正範囲は、最終的なアクリル酸系モノマー量
がこの範囲にあればよく、順次供給していく中途段階で
は多少この範囲を逸脱してもかまわない。
【0012】本発明の製造方法は、無水マレイン酸を金
属塩、水酸化ナトリウム水溶液等と共に水に溶かし、次
いで過酸化水素水を加えて反応させる等の無水マレイン
酸を使用しても過カルボン酸がほとんど生成しない従来
例とは異なり、例えば、(1)無水マレイン酸と過酸化水
素とを反応させ、過マレイン酸を生成させた溶液、アク
リル酸系モノマー及び水酸化ナトリウム水溶液等の中和
液をそれぞれ同時に接触され、重合する方法、(2) 無水
マレイン酸と過酸化水素とを反応させ、過マレイン酸を
生成させ、さらにアクリル酸系モノマーを混合したもの
と水酸化ナトリウム水溶液等の中和液とを別々に、加熱
装置と攪拌機を有する重合槽に水を入れ、加熱・攪拌し
ているところに供給し、重合する方法等を採用するもの
である。
【0013】本発明のアクリル酸系重合体の製造方法
は、X1 OOC−CH=CH−COO−OHを重合開始
剤として、アクリル酸系モノマーを水溶液重合するもの
であることから、通常、末端にX1 OOC−CH=CH
−COO−(X1 は水素原子、アルカリ金属原子又はア
ンモニウム基を示す。)を有する重合体が得られ、また
分岐状の重合体となる。この分岐状とは、分子鎖にエス
テル結合を有するものであり、生分解性を良好とするも
のと考えている。また、この製造方法は、数平均分子量
が好ましくは300〜100,000、より好ましく
は、1,000〜10,000の重合体の製造に用いる
とよく、重合系に残留する未反応アクリル酸系モノマー
を低減する効果が高い。
【0014】特に、本発明のアクリル酸系重合体の製造
方法は、従来残留する未反応マレイン酸が多かった水溶
液中でのマレイン酸・(メタ)アクリル酸等の共重合反
応、その中でも無水マレイン酸とアクリル酸との共重合
反応において、重合系に残留する未反応マレイン酸を低
減する効果が高い。以上のように本発明により製造した
アクリル酸系重合体は、残留する未反応アクリル酸系モ
ノマーが低いため、そのまま、あるいはアルカリ金属の
水酸化物やアンモニアを用いて部分もしくは完全にアル
カリ金属塩やアンミニウム塩に導いたのち、洗浄剤ビル
ダーとして衣類用洗剤等に配合することができるように
なる。また、無機顔料等の分散剤、スケール防止剤等に
も用いることができる。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、重合体の平均分子量、低分子量
成分、及びCaキレート能は、以下の方法により測定し
た。 (1)平均分子量の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により、ポリアクリル酸を標準物質として測定した。測
定条件としては、ウォーターズ社製ALC/GPC 1
50C装置(検出器:内蔵示差屈折計、カラム:ASA
HIPAK(GSM−700+GS310)を用いて、
移動相はアセトニトリル/50mM酢酸ナトリウム=3
/7、カラム温度は40℃、流速は0.7ml/mi
n、注入量は200μlとした。 (2)低分子量成分(%)の測定 GPC法により測定したチャートにおいて、全ピーク面
積に対するアクリル酸三量体(1,3,5−ペンタント
リカルボン酸)より低分子量領域のピーク面積の割合を
低分子量成分量とした。 (3)Caキレート能の測定 塩化アンモニウムとアンモニア水より調整した緩衝液に
Caイオン濃度が40ppmとなるように塩化カルシウ
ムを加え、基準溶液とした。その溶液100mlと重合
体20mgを100mlビーカーに採り、室温で混合
し、この水溶液中二価のCaイオン濃度をイオンメータ
ーにより測定した。これを重合体1gによって捕捉され
るCaCO3 に換算し、Caイオンキレート能(mg・
CaCO3/g)として表した。
【0016】〔実施例1〕無水マレイン酸:3.92g
と60%過酸化水素水:2.27gを室温で30分間攪
拌し、過マレイン酸の水溶液とした後、これにアクリル
酸:2.88gを加え、混合溶液とした。攪拌装置、還
流冷却管、ケミカルポンプを備えた容量100ミリリッ
トルのセパラブルフラスコに、滴下する過マレイン酸と
アクリル酸との全量が55重量%となるような量の水:
1.35gを入れ、100℃に保持した。これに上記の
過マレイン酸及びアクリル酸の混合溶液と混合溶液中の
アクリル酸に対してナトリウムが2当量となるように5
0%水酸化ナトリウム水溶液とをそれぞれ1時間かけて
滴下した。その後、1時間熟成させ、反応を終了させ
た。反応終了後、凍結乾燥を行い重合体を得た。
【0017】〔実施例2〕実施例1における60%過酸
化水素を1.70gとした以外は同様に反応を行った。 〔実施例3〕実施例1における60%過酸化水素を1.
13gとした以外は同様に反応を行った。 〔実施例4〕実施例1における50%水酸化ナトリウム
水溶液をアクリル酸に対して1当量とした以外は同様に
反応を行った。 〔実施例5〕実施例4における熟成時間を2時間とした
以外は同様に反応を行った。
【0018】〔比較例1〕実施例1における50%水酸
化ナトリウム水溶液を加えなかった以外は同様に反応を
行った。 〔比較例2〕実施例1における50%水酸化ナトリウム
水溶液をアクリル酸に対して3当量とした以外は同様に
反応を行った。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明により製造したアクリル酸系重合
体は、反応の効率がよく、残留する未反応アクリル酸系
モノマーが低い。特に、従来残留する未反応マレイン酸
が多かった水溶液中でのマレイン酸・(メタ)アクリル
酸等の共重合反応においても、重合系に残留する未反応
マレイン酸を低くできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 3/37 C11D 3/37

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X1 OOC−CH=CH−COO−OH
    (X1 は水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム
    基を示す。)を重合開始剤として、アクリル酸系モノマ
    ーを重合系のpHを3〜6の範囲に保ちながら水溶液重
    合することを特徴とするアクリル酸系重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】重合系の水溶液量に対して、供給されるア
    クリル酸系モノマー量を30〜80重量%の範囲とする
    請求項1に記載のアクリル酸系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】アルカリ金属水酸化物もしくはアンモニア
    又はこれらの水溶液を用いて、pHを調整する請求項1
    又は2に記載のアクリル酸系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】アクリル酸系モノマーがアクリル酸、メタ
    クリル酸、マレイン酸、又は無水マレイン酸である請求
    項1〜3のいずれかに記載のアクリル酸系重合体の製造
    方法。
JP928397A 1997-01-22 1997-01-22 アクリル酸系重合体の製造方法 Pending JPH10204108A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015108113A1 (ja) * 2014-01-16 2015-07-23 日立化成株式会社 研磨液の製造方法及び研磨方法
US10745500B2 (en) 2016-02-24 2020-08-18 Lg Chem, Ltd. Preparation method for acrylic acid-based polymer

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015108113A1 (ja) * 2014-01-16 2015-07-23 日立化成株式会社 研磨液の製造方法及び研磨方法
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