JPH10203820A - シリカ粒子の製造方法 - Google Patents

シリカ粒子の製造方法

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JPH10203820A
JPH10203820A JP702097A JP702097A JPH10203820A JP H10203820 A JPH10203820 A JP H10203820A JP 702097 A JP702097 A JP 702097A JP 702097 A JP702097 A JP 702097A JP H10203820 A JPH10203820 A JP H10203820A
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silica
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silica particles
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JP702097A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Sakai
和彦 阪井
Makoto Shiyoji
真 所司
Junji Kawashima
淳二 川島
Masayuki Matsubara
政幸 松原
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Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒径精度に優れ、かつ粒径分布が単分散状で
あって、特に平均粒子径が2μm以上のシリカ粒子を、
比較的短時間に効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 シリカ種粒子をアルコールとアンモニア
水との混合溶媒に分散させた分散液に、シリコンアルコ
キシドを添加してこれを加水分解させ、シリカ種粒子の
粒径を成長させるに当たり、(1)最初に副生する微小
シリカ粒子の平均粒子径をシリカ種粒子の平均粒子径の
90%以下とする、あるいは(2)シリカ種粒子とし
て、平均粒径2μm以上のものを用いる、シリカ粒子の
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリカ粒子の製造方
法の改良に関し、さらに詳しくは、粒径精度に優れ、か
つ粒径分布が単分散状であって、特に平均粒子径が2μ
m以上のシリカ粒子を比較的短時間に効率よく製造する
工業的に有利な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粒径分布が単分散状のシリカ粒子
(以下、単に単分散シリカ粒子ということがある)は、
各種充填材やセラミックス原料などとして有用であるこ
とが知られているが、特に最近では、液晶表示装置のス
ペーサとしての用途が注目され、使用され始めている。
【0003】液晶表示装置のスペーサには、従来ガラス
ファイバーチップあるいは合成樹脂の微粒子が用いられ
てきた。しかしながらガラスファイバーチップはファイ
バー径精度には優れているものの、その長さにばらつき
が大きく、余りに長いものは目視され画質を低下するお
それがあり、またその端部が鋭利であるため、基板上に
形成された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいは
電気素子などを傷つけてしまうおそれがある。また、合
成樹脂の微粒子は粒径精度が劣るため、液晶表示装置用
スペーサとして要求される性能を満たし得ないことがあ
る。したがって、より高度のギャップ精度を要求される
場合には、粒径精度が良く、かつ球形で、基板上に形成
された配向膜や保護膜、カラーフィルターあるいはIT
O導電膜等の電気素子を傷つけるおそれのないものが要
求される。
【0004】これらの要求を満たすものとして、シリコ
ンアルコキシドを加水分解・重縮合することによって得
られたシリカ粒子が提案されている。このシリカ粒子
は、(1)純度が高く、溶出成分による液晶への影響が
少ない、(2)粒径精度が良く、下式 CV(%)=[微粒子径の標準偏差(μm)]/[平均
粒子径(μm)]×100 で得られるCV値(変動係数)を10%とすることがで
きる、(3)ほとんど完全な真球にすることができるた
め、基板上に形成された配向膜や保護膜、カラーフィル
ターあるいはITO導電膜等の電気素子などを傷つける
おそれがないなどの利点を有している。
【0005】シリコンアルコキシドの加水分解・重縮合
により得られたシリカ粒子は上記のような利点を有する
ため、これまで数多くの製造方法が提案されている。
【0006】シリカ粒子を液晶表示装置のスペーサとし
て用いる場合、通常平均粒子径2μm以上の単分散シリ
カ粒子が要求される。このような平均粒子径2μm以上
の単分散シリカ粒子の製造方法としては、例えばビルト
アップ法が知られている。このビルトアップ法は、シリ
カ種粒子表面に、シリコンアルコキシド加水分解物を複
数回付着成長させて、粒子径を徐々に大きくしていく方
法である。しかしながら、この方法は、各成長操作(例
えば、平均粒子径0.1→0.2→0.8→1.5→
2.5→3.9→4.9→5.9→6.5μm)の終了
後に、その都度副生するシリカ微粒子を分級除去したの
ち、再成長を繰り返すというもので、平均粒子径2μm
以上のシリカ粒子を得ようとする場合、数週間程度の時
間が必要であり、工業的に必ずしも有利な方法とはいえ
ない。
【0007】このように、所望の単分散シリカ粒子を得
るのに長時間を要する理由は、各成長操作終了後に行う
副生シリカ微粒子の分級除去処理に時間がかかるためで
ある。したがって、1回の成長操作で粒径を大きく成長
できれば、目的粒子径に到達するステップ数を減らすこ
とができて、製造日数を大幅に短縮することができる。
また、各成長操作終了後、その都度分級処理を行わず
に、適当な回数の成長操作施したのち、分級処理を行え
ば、分級処理回数が少なくなり、製造日数を大幅に減少
することができる。この場合、目的の単分散シリカ粒子
と副生シリカ微粒子の粒径は、それらの粒子が湿式分級
により容易に分離しうるような差を有することが必要で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のシリカ粒子の製造方法がもつ欠点を克服し、粒径
精度に優れ、かつ粒径分布が単分散状であって、特に平
均粒子径が2μm以上のシリカ粒子を、簡単な操作で比
較的短時間に効率よく製造する工業的に有利な方法を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、シリカ種粒子
を特定の溶媒に分散させてなる分散液にシリコンアルコ
キシドを添加して加水分解させ、シリカ種粒子を成長さ
せるに際し、最初に副生する微小シリカ粒子の平均粒子
径がシリカ種粒子の平均粒子径の90%以下の時点で新
たな成長操作を行なうことにより、各成長操作終了後、
その都度分級処理を行う必要はなく、適当な回数の成長
操作を施したのち、分級処理を行っても、所望の単分散
シリカ粒子が容易に得られること、また、シリカ種粒子
として平均粒子径2μm以上のものを用いることによ
り、目的粒子径に到達する成長操作の回数を大幅に減ら
すことができ、しかも、最初に副生する微小シリカ粒子
の平均粒子径が、シリカ種粒子の平均粒子径の90%以
下となりやすく、上記と同様に、適当な回数の成長操作
を施したのち、分級処理を行っても、所望の単分散シリ
カ粒子が容易に得られることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、シリカ種粒子をアル
コールとアンモニア水との混合溶媒に分散させてなる分
散液にシリコンアルコキシドを添加してこれを加水分解
させ、シリカ種粒子の粒径を成長させるシリカ粒子の製
造方法において、(1)最初に副生する微小シリカ粒子
の平均粒子径がシリカ種粒子の平均粒子径の90%以下
の時点で新たな成長操作を行なうことを特徴とするシリ
カ粒子の製造方法(第1の発明)、および(2)シリカ
種粒子として、平均粒子径2μm以上のものを用いるこ
とを特徴とするシリカ粒子の製造方法(第2の発明)を
提供するものである。
【0011】なお、ここでいう最初に副生する微小シリ
カ粒子とは、シリカ種粒子の分散液に最初に添加したシ
リコンアルコキシドの一部から新たにシリカの種粒子が
生成し、さらに粒子径が成長したもので、CV値が10
〜20%程度の比較的単分散な小粒子のことである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のシリカ粒子の製造方法に
おいては、シリカ種粒子をアルコールとアンモニア水と
の混合溶媒に分散させてなる分散液(以下、シリカ種粒
子分散液ということがある)を出発材料として用いる。
【0013】このシリカ種粒子としては、第1の発明に
おいては、その粒径は特に制限はないが、平均粒子径が
1〜11μm、好ましくは2〜9μmの単分散(CV値
1%以下)のシリカ粒子を用いるのが有利である。この
平均粒子径が1μm未満のものでは、所望の粒子径を有
する単分散シリカ粒子を得るのに多くの成長操作を繰り
返さねばならず、実用的でないし、また11μmを超え
る種粒子から得られるような大きな粒子径を有する単分
散シリカ粒子は、通常必要ではない。一方、第2の発明
においては、後述するように、平均粒子径2μm以上の
粒子、好ましくは2〜11μm、より好ましくは2〜9
μmの単分散(CV値1%以下)の粒子が用いられる。
【0014】また、このシリカ種粒子を分散させる分散
媒としては、アルコールとアンモニア水との混合溶媒が
用いられるが、アルコールとしては、1価アルコールが
好ましく、その具体例として、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、アミルアルコールなど
が挙げられ、特に水と混合しやすいメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、iso−プロパノール、te
rt−ブタノール、tert−アミルアルコールが好ま
しく用いられる。またアンモニア水は、シリコンアルコ
キシドの加水分解を促進するために、アンモニアが水に
対して5〜50重量%となるように添加するのが好まし
い。
【0015】本発明の方法においては、まず、前記のよ
うにしてシリカ種粒子の分散液を調製したのち、これに
シリコンアルコキシドを添加し、加水分解させて、該シ
リカ種粒子の粒径を成長させる。このシリコンアルコキ
シドとしては、例えばシリコンテトラメトキシド、シリ
コンテトラエトキシド、シリコンテトラプロポキシド、
シリコンテトラブトキシドなどのシリコンテトラアルコ
キシド[Si−(OR)4]およびその部分加水分解物
であるモノヒドロキシシリコンアルコキシド[HO−S
i−(OR)3]、ジヒドロキシシリコンアルコキシド
[(HO)2−Si−(OR)2]、トリヒドロキシシリ
コンモノアルコキシド[(HO)3−Si−(OR)]
を用いることができるが、入手の容易性などからシリコ
ンテトラアルコキシドを用いるのが好ましくは、特に加
水分解反応の制御性の点からシリコンテトラメトキシ
ド、シリコンテトラエトキシドおよびこれらの混合物を
用いるのが好ましい。
【0016】このシリコンアルコキシドは単独で添加し
てもよいし、シリコンアルコキシド以外に、アルコー
ル、水、アンモニア水それぞれ単独若しくはそれらの混
合物を、同時に、あるいは別々に添加してもよい。シリ
コンアルコキシドの添加速度については特に制限はな
く、状況に応じて適宜選ばれるが、通常は0.1〜70
g/分の範囲である。また、シリコンアルコキシドの添
加量は、シリカ粒子分散液に含まれる水の量によって制
限される。すなわち、シリコンアルコキシドに対する水
のモル数は5倍以上が好ましく、特に10〜50倍の範
囲が好ましい。ただし、シリコンアルコキシド添加終了
後、新たに水のみを添加する場合、もしくはアルコー
ル、アンモニアおよび水のうち少なくとも水を含む混合
液を、アルコキシドと同時あるいは逐次添加する場合、
加水分解に必要な水が供給されるので、前記アルコキシ
ドおよび水の添加方法の組み合わせ方により成長反応を
さらに続行させることができ、粒径を著しく増大させる
ことが可能となる。したがって添加されるアルコキシド
の量は、それに対する水の量のモル比によって制限され
るのではなく、常に5倍以上の水が分散液中にあるよう
に添加を工夫すればよい。
【0017】本発明のシリカ粒子の製造方法において
は、シリカ種粒子を所望の粒径に成長させるために、通
常多段階成長法が採用される。そして、第1の発明にお
いては、最初に副生する微小シリカ粒子、すなわち第1
段目の成長操作において、シリコンアルコキシドの加水
分解により副生する微小シリカ粒子の平均粒子径が、シ
リカ種粒子の平均粒子径の90%以下であることが必要
であり、特に70%以下が好ましい。このようにして、
最初に副生する微小粒子の平均粒子径が種粒子の平均粒
子径の90%以下である場合、各段階の成長操作終了毎
に、副生する微小粒子を分級除去する必要はなく、適当
な回数の成長操作を施したのち、分級操作を行っても、
目的の粒径を有する単分散シリカ粒子を得ることがで
き、製造日数を短縮することができる。例えば2段階成
長法を採用する場合、一段目の成長操作終了後に分級処
理は行わずに、そのまま二段目の成長操作を行い、その
後に分級処理することにより、目的の単分散シリカ粒子
が得られる。
【0018】一方、第2の発明においては、シリカ種粒
子として平均粒子径2μm以上、好ましくは2〜11μ
m、より好ましくは2〜9μmのものが用いられる。こ
のように、種粒子として、平均粒子径2μm以上のもの
を用いることにより、所望の粒径にまで成長させる操作
の回数を減らすことができ、しかも最初に副生する微小
シリカ粒子の平均粒子径がシリカ種粒子の平均粒子径の
90%以下となりやすく、前述のような利点が得られ
る。
【0019】本発明における分級処理は、湿式および乾
式のいずれも用いることができるが、特に湿式分級処理
が好ましい。この湿式分級処理方法としては、例えば
(1)被処理液から揮発成分を取り除いて乾燥した粉体
を有機溶媒などに分散させ、フルイ、遠心沈降方式の分
級装置や遠心機により、あるいは自然沈降などにより小
さな粒子を取り除く方法、(2)被処理液を直接、フル
イ、分級装置、遠心機により、あるいは自然沈降などに
より小さな粒子を取り除く方法、(3)ロータリーエバ
ポレータ、分留器などを使用して、被処理液から沸点の
低いアンモニアやアルコールを除去して水分散液とした
のち、フルイ、分級装置、遠心機により、あるいは自然
沈降などにより、小さな粒子を取り除く方法などを用い
ることができるが、これらの中で、特に(3)の方法が
好ましい。
【0020】本発明の方法においては、成長操作の回数
は特に制限はなく、使用するシリカ種粒子の平均粒子径
および目的とする単分散シリカ粒子の粒径などによって
適宜選べばよい。
【0021】本発明の方法で得られた単分散シリカ粒子
の平均粒子径は、使用するシリカ種粒子の平均粒子径お
よび成長操作の回数などにより異なるが、第1の発明に
おいては、通常2〜12μm、第2の発明においては、
通常3〜12μmである。また、これらの単分散シリカ
粒子のCV値は、通常0.1〜5%程度である。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0023】(実施例1)50リットルの円筒型反応容
器に、メタノール12,874g、25重量%アンモニ
ア水8,207g、純水1,836gおよび平均粒子径
2.49μmの単分散シリカ微粒子からなる種粒子35
0gを入れ、十分に混合してシリカ種粒子の分散液を調
製した。次いで、この分散液を30℃の恒温槽にセット
したのち、テトラエトキシシラン5,366gを50g
/分の速度で分散液中に滴下し、さらに滴下終了後10
時間撹拌しながら熟成を行った。熟成後の液中には、目
的の単分散シリカ粒子(A−1)の他に、比較的単分散
なシリカ小粒子(B−1)が生成していた。
【0024】十分に熟成したのち、テトラエトキシシラ
ンの加水分解により消費された水1,836gを補充
し、次いでテトラエトキシシラン5,349gを50g
/分の速度で液中に滴下した。滴下終了後、さらに10
時間撹拌しながら熟成を行った。熟成後の液中には、粒
子(A−1)が成長した目的の単分散シリカ粒子(A−
2)の他に、微小粒子(B−1)が成長した比較的単分
散なシリカ小粒子(B−2)および新たに発生したシリ
カ微小粒子(C)が生成していた。
【0025】各シリカ粒子の粒子径を走査電子顕微鏡に
より測定した結果、粒子(A−1)、(A−2)、(B
−1)、(B−2)および(C)の夫々の平均粒子径X
A-1、XA-2、XB-1、XB-2およびXCは、以下のとおり
であった。
【0026】 XA-1=4.11μm、 XA-2=4.68μm、 XB-1=1.62μm、 XB-2=2.18μm、 XC=0.57μm なお、シリカ種粒子の平均粒子径XSは2.49μmで
あるので、XB-1/XS=0.65であった。
【0027】この方法により、最終的に得られる粒子は
(A−2)、(B−2)および(C)の3種類であり、
目的粒子(A−2)を得るために、沈降速度の差を利用
した湿式分級を行ったところ、実質上目的の単分散シリ
カ粒子(A−2)のみを得ることができた。得られたシ
リカ粒子のCV値は0.85%であった。
【0028】(実施例2)シリカ種粒子として、平均粒
子径3.90μmのものを用い、実施例1の方法準拠し
て実施した。その結果 XA-1=4.90μm、 XA-2=5.90μm、 XB-1=0.93μm、 XB-2=2.00μm、 XC=1.00μm であった。なお、シリカ種粒子の平均粒子径XSは3.
90μmであるので、XB-1/XS=0.24であった。
【0029】この方法により、最終的に得られる粒子は
(A−2)、(B−2)および(C)の3種類であり、
目的粒子(A−2)を得るために、沈降速度の差を利用
した湿式分級を行ったところ、実質上目的の単分散シリ
カ粒子(A−2)のみを得ることができた。得られたシ
リカ粒子のCV値は0.78%であった。
【0030】(比較例1)50リットルの円筒型反応容
器に、メタノール11,251g、25重量%アンモニ
ア水8,546g、純水2343gおよび平均粒子径
1.53μmの単分散シリカ微粒子からなる種粒子22
2gを入れ、十分に混合してシリカ種粒子の分散液を調
製した。次いで、この分散液を30℃の恒温槽にセット
したのち、テトラエトキシシラン6,778gを50g
/分の速度で分散液中に滴下し、さらに滴下終了後10
時間撹拌しながら熟成を行った。熟成後の液中には、目
的の単分散シリカ粒子(A−1)の他に、比較的単分散
なシリカ小粒子(B−1)が生成していた。
【0031】十分に熟成したのち、テトラエトキシシラ
ンの加水分解により消費された水2,343gを補充
し、次いでテトラエトキシシラン6,722gを50g
/分の速度で液中に滴下した。滴下終了後、さらに10
時間撹拌しながら熟成を行った。熟成後の液中には、粒
子(A−1)が成長した目的の単分散シリカ粒子(A−
2)の他に、微小粒子(B−1)が成長した比較的単分
散なシリカ小粒子(B−2)および新たに発生したシリ
カ微小粒子(C)が生成していた。
【0032】各シリカ粒子の粒子径を走査電子顕微鏡に
より測定した結果、粒子(A−1)、(A−2)、(B
−1)、(B−2)および(C)のそれぞれの平均粒子
径XA-1、XA-2、XB-1、XB-2およびXCは、以下のと
おりであった。
【0033】 XA-1=3.21μm、 XA-2=3.85μm、 XB-1=1.68μm、 XB-2=2.32μm、 XC=0.64μm なお、シリカ種粒子の平均粒子径XSは1.53μmで
あるので、XB-1/XS=1.10であった。
【0034】この方法により、最終的に得られる粒子は
(A−2)、(B−2)および(C)の3種類であり、
目的粒子(A−2)を得るために、沈降速度の差を利用
した湿式分級を行ったところ、粒子(A−2)と粒子
(B−2)は分級できず、単分散シリカ粒子は得られな
かった。得られたシリカ粒子のCV値は9.35%であ
った。
【0035】(比較例2)シリカ種粒子として、平均粒
子径0.83μmのものを用い、実施例1の方法に準拠
して実施した。その結果 XA-1=1.84μm、 XA-2=2.23μm、 XB-1=0.96μm、 XB-2=1.38μm、 XC=0.42μm であった。なお、シリカ種粒子の平均粒子径XSは0.
83μmであるので、XB -1/XS=1.16であった。
【0036】この方法により、最終的に得られる粒子は
(A−2)、(B−2)および(C)の3種類であり、
目的粒子(A−2)を得るために、沈降速度の差を利用
した湿式分級を行ったところ、粒子(A−2)と粒子
(B−2)は分級できず、単分散シリカ粒子は得られな
かった。得られたシリカ粒子のCV値は14.82%で
あった。
【0037】(比較例3)シリカ種粒子として、平均粒
子径1.53μmのものを用い、実施例1の方法に準拠
して実施した。その結果 XA-1=2.82μm、 XA-2=3.86μm、 XB-1=1.39μm、 XB-2=2.34μm、 XC=1.01μm であった。なお、シリカ種粒子の平均粒子径XSは1.
53μmであるので、XB -1/XS=0.91であった。
【0038】この方法により、最終的に得られる粒子は
(A−2)、(B−2)および(C)の3種類であり、
目的粒子(A−2)を得るために、沈降速度の差を利用
した湿式分級を行ったところ、粒子(A−2)と粒子
(B−2)は分級できず、単分散シリカ粒子は得られな
かった。得られたシリカ粒子のCV値は11.56%で
あった。
【0039】以上の結果を表1にまとめて示す。
【0040】
【表1】
【0041】(比較例4)実施例1において、シリカ小
粒子(B−1)が副生した時点(第一段目の成長操作)
で、まず湿式分級を行った。この分級操作に要した日数
は14日間であり、また得られたシリカ粒子のCV値は
0.86%であった。
【0042】次に、この分級処理後のシリカ粒子を種粒
子として、実施例1と同様に二段目の成長操作を行った
ところ、平均粒子径が5.0μmの粒子と新たに平均粒
子径が0.85μmの副生微小粒子が生成しており、こ
の分級操作に5日間を要した。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、粒径精度に優れ、かつ
粒径分布が単分散状であって、特に平均粒子径が2μm
以上のシリカ粒子を、簡単な操作で比較的短時間に、効
率よく製造することができる。
【0044】従来法(成長操作終了毎に分級操作を行
う)で大粒径(平均粒子系3μm以上)のシリカ粒子を
得ようとした場合、通常20〜30日間を要するが、本
発明の方法によれば、6〜10日間ですみ、製造に要す
る日数を約1/3に短縮することができる。
【0045】また、本発明のように、最初に副生する微
小シリカ粒子の平均粒子径をシリカ種粒子の平均粒子径
の90%以下とすることにより、湿式分級で目的のシリ
カ粒子はCV値1%程度までの単分散性のものが得られ
るが、最初に副生する微小シリカ粒子の平均粒子径がシ
リカ種粒子の平均粒子径の90%を超える条件では、湿
式分級処理を長時間行ったとしても、CV値10〜20
%程度の分散性を有する粒子しか得ることができない。
【0046】本発明の方法により得られた単分散シリカ
粒子は、特に液晶表示装置のスペーサとして好適に用い
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 政幸 岐阜県岐阜市薮田西2−1−1 宇部日東 化成株式会社岐阜工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ種粒子をアルコールとアンモニア
    水との混合溶媒に分散させてなる分散液にシリコンアル
    コキシドを添加してこれを加水分解させ、シリカ種粒子
    の粒径を成長させるシリカ粒子の製造方法において、最
    初に副生する微小シリカ粒子の平均粒子径がシリカ種粒
    子の平均粒子径の90%以下の時点で新たな成長操作を
    行なうことを特徴とするシリカ粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 シリカ種粒子をアルコールとアンモニア
    水との混合溶媒に分散させてなる分散液にシリコンアル
    コキシドを添加してこれを加水分解させ、シリカ種粒子
    の粒径を成長させるシリカ粒子の製造方法において、シ
    リカ種粒子として、平均粒子径2μm以上のものを用い
    ることを特徴とするシリカ粒子の製造方法。
JP702097A 1997-01-17 1997-01-17 シリカ粒子の製造方法 Pending JPH10203820A (ja)

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JP702097A JPH10203820A (ja) 1997-01-17 1997-01-17 シリカ粒子の製造方法

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