JPH10203150A - 熱交換器用密封装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器に堅実に且つ正確に位置決めされ、
熱交換器及びシールをハウジングに装着することにより
その熱交換器に保持され得る熱交換器のための密封装置
を提供すること。 【解決手段】自動車両に用いられる熱交換器のための密
封装置が開示されている。その密封装置は剛体の材料２
９でなる閉ループ構造を含んでおり、この閉ループ構造
は、熱交換器１２のそれぞれの側部に接触するよう形状
決めされた４つの実質的に直角の縁部２８、３０、３
２、３４を画成している。柔軟な材料でなる密封用部材
２７は閉ループ構造の外面２１に取り付けられていると
ともに、熱交換器を含むハウジングの壁に密封状態で係
合するようにされている。ループ構造は複数個の配置決
めピン３８を含んでおり、これら複数個の配置決めピン
３８は閉ループ構造に一体に形成されていて、密封装置
を熱交換器に対して所定の関係に配置決めするとともに
保持している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、概ね、熱交換器に
関し、より具体的には、暖かい空気が熱交換器のまわり
を通過するのを阻止するその熱交換器を囲繞しているシ
ールに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、蒸発器のごとき自動車工業界に
おける熱交換器は、モーター車両の乗員空間即ちキャビ
ン内のケーシングに装架されている。典型例では、シー
ルが熱交換器のコアを囲繞して暖かい空気が、熱交換器
のまわりを通過するのを阻止してケーシング内に結露が
生じたり、漏れていく空気によりノイズが発生するのを
阻止している。空気調和システムを作動させることによ
り、凝縮（結露）は車両の乗員空間で強制的に生じせし
められる。明らかに、このことは望ましからざる結果で
あり、熱交換器のコアのまわりに優れた密封を与えてそ
の熱交換器のコアのまわりに結露が発生即ち形成される
のを阻止する多くの方法が提案された。例えば、本発明
と同じ譲受人であるフォードモーター株式会社（Ford M
otor Company）に譲渡された米国特許第５，３７２，１
８４号は自動車両のラジエータを囲繞するためのシール
を開示している。このシールは、熱交換器がケーシング
に装着される前に、その熱交換器に紐で結び付けられた
独立気泡フォーム材料でできた閉じたループを有してい
る。この形式のものを装着する場合、次のような困難性
が見られた。即ち、シールを交換器の周部のまわりに確
実適切に整合させるためには余分な作業が必要とされる
のである。かような問題に対する１つの解決策は、接着
剤を用いて、装着時、シールの熱交換器への保持力を与
えることであるが、かような解決策は、コスト及び処理
両方の見地から望ましからざるものである。接着剤の使
用には、不正確な量の接着剤を適用してしまう等の様々
な問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、熱交換器に堅
実に且つ正確に位置決めされ、また、熱交換器及びシー
ルをハウジングに装着することにより熱交換器に保持さ
れ得る密封装置を提供することは有利なことである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、後述の自動車
両に用いられる熱交換器のための密封装置により従来技
術の欠点を克服するものである。その熱交換器は、複数
個の重ね合わされた（ｉｎｔｅｒｌｅａｖｅｄ）流体導
通チューブ及びフィンを有していて概ね矩形のコアを形
成しており、コアは一対の直角な対向せしめられた側部
を画成している。熱交換器はケーシングに装架されてお
り、このケーシングは、開口端を有していてそれを通し
て熱交換器を受容するためのハウジングと、熱交換器を
受容するための容積を画成している複数個の壁とを有し
ている。密封装置は、剛体材料でなる閉ループを有して
おり、このループは４つの実質的に直角な縁部を画成し
ており、各縁部は熱交換器のコアのそれぞれの側部と接
触するよう形状が決められている。密封装置は、また、
熱交換器に接触しない閉ループの少なくとも１つの縁部
の外面に取り付けられた柔軟な材料でなる密封用部材を
含んでおり、この密封用部材はハウジングの壁に接触す
るようにされている。密封装置は、更に、熱交換器に接
触している閉ループの少なくとも１つの縁部の内面と一
体に形成されているとともにその内面から延在している
複数個の配置決めピンを含んでおり、これら配置決めピ
ンは閉ループ上の所定の場所に配備されているととも
に、コア内のフィンに係合して熱交換器に対する正確な
位置にこの閉ループを積極的に位置させるようになって
いる。

【０００５】本発明は、自動車両における空気調和シス
テムの蒸発器を囲繞するのに特に有用である。シールを
熱交換器コアに固着させるのに接着剤の使用が除かれ、
また、暖かい空気が蒸発器コアのまわりを通過するのが
防止され、更に、ハウジング内のコアが機械的に隔離さ
れ、もって、システム内のノイズ、振動及び荒々しさが
低減される熱交換器コアのまわりにシールを提供するこ
とが本発明の１つの利点である。

【０００６】本発明のこれら及び他の目的、特徴及び利
点は、以下に続く図面、詳細な説明及び特許請求の範囲
から明きらかとなろう。

【０００７】

【発明の実施の形態】さて、図面を参照すると、図１及
び図２はモーター車両の乗員空間即ちキャビンのための
加熱器あるいは空気調和組立体のケーシング１０の一部
分を示している。ケーシング１０は車両のエンジンコン
パートメント区域に置かれていてもよい。ケーシング１
０は成形されたプラスチックで作られているとともに、
それの中に熱交換器１２を収容している。当業界では知
られているごとく、ケーシングは複数個の壁１４を含ん
でおり、また、熱交換器１２を収容するための開口端１
６を、それの一端のところに画成している。

【０００８】図１に示される通り、熱交換器１２は、複
数個の重ね合わされた流体導通チューブ又は板１８とフ
ィン２０とを有する既知の態様で構成された蒸発器を有
している。複数個のチューブ１８及びフィン２０は概ね
矩形のコアを形成するよう作られており、そのコアは一
対の概ね垂直の対向された側部２２、２４を画成してい
る。当業界では更に周知のごとく、蒸発器１２は、流体
を供給し、また、流体を取り除くための入り口ポート２
３と出口ポート２５とを含んでいる。以下に更に詳細に
述べるごとく、本発明によるシール２６は熱交換器即ち
蒸発器１２を囲繞しているとともに、側部２２、２４と
ケーシング１０の壁１４との間に挿置されている。

【０００９】次に、図３及び図４を参照すると、本発明
によるシール２６は密封用部材２７を含んでおり、この
密封用部材２７のための基体として作用する剛体材料２
９でなる閉ループの外面２１に取り付けられた柔軟な材
料で密封用部材２７は作られている。閉ループは４つの
実質的に直角な縁部２８、３０、３２及び３４を画成し
ている。これら縁部２８、３０、３２、３４の各々は、
図１及び図２に示されているごとく、蒸発器１２のそれ
ぞれの側部２２、２４と、頂部及び底部に接触してい
る。閉ループは、既知の製造方法により、剛体の射出成
形されたプラスチックあるいは当業界では知られた同様
の材料から形成されている。また、閉ループはアルミニ
ュームあるいは同様の剛体特性を有している様々な他の
材料で鋳造することができる。

【００１０】閉ループ構造２９の縁部２８、３０、３２
及び３４の各々は半径方向に延在する部分５３と軸線方
向に延在する部分５５とを含んでいる。また、蒸発器が
ハウジング１４に装着される際、その半径方向に延在す
る部分はハウジングと係合し、軸線方向に延在する部分
は密封用部材２７を支持し、もって蒸発器の側部の各々
に対する、また、ハウジングの壁に対する緊密した許容
嵌合を確実にしている。

【００１１】密封用部材２７は柔軟な縁部３１、３３、
３５、３７を含んでおり、これら柔軟な縁部３１、３
３、３５、３７はダイで切断され、モールディングのご
とき既知の製作方法により、当業界では知られたＥＰＤ
Ｍゴムあるいは同様の材料のような独立気泡フォームゴ
ムから成形され、次いで、閉ループ構造２９に接合され
ていてもよい。あるいは、閉ループ２９及び密封用部材
２７は、これも鋳型技術分野では知られている２ショッ
ト射出成形製造方法で一緒に成形することができる。密
封用部材２７の縁部は、各縁部の外面に配備された密封
用ビード３６を含んでいる。その密封用ビード３６は、
蒸発器１２がケーシング１０に挿入される際、ケーシン
グ壁１４の内部に接触するとともに、圧縮して確実に蒸
発器１２の周部のまわり及びケーシング１０の壁１４の
内面を液密に密封している。密封用ビード３６は、暖か
い空気が蒸発器１２のまわりを通過するのを阻止してケ
ーシング１０内でのいかなる結露の形成を阻止してい
る。

【００１２】図３、図５及び図６に更に示されているご
とく、シール２６は、閉ループ上の所定の場所に配備さ
れている複数個の配置決めピン３８を含んでいる。ピン
３８は蒸発器のフィン２０に係合してシール２６が蒸発
器１２のまわりに正しく位置決めされるようになって
る。更に、配置決めピンは、フィン２０内でのそれらの
締りばめによって熱交換器即ち蒸発器にシール２６を固
着している。ピン３８は様々な形状をしていて様々な形
態のフィンとの積極的な係合を提供するようになってい
てもよい。しかし、現在好ましいとされている実施例で
は、ピン３８は閉ループ２９の内面４０に一体成形され
ている。ピン３８は平面的な部材４２を含んでおり、こ
の平面的な部材４２は第１及び第２の縁部４４、４６を
有しており、第１及び第２の縁部４４、４６は閉ループ
の内面４０から平面的な部材の末端部分４８まで延在し
ている。第１及び第２の縁部４４、４６はその末端部分
へ向かってテーパが付されていて挿入の努力を少なくす
るようになっていてもよい。第１及び第２の縁部は、ま
た、ぎざぎざが付けられていてもよく、あるいは、滑ら
かになっていなくてフィン２０内での保持作用を高める
ようになっていてもよい。剛体の閉ループに、配置決め
ピン３８を備えそれに取り付けられた密封用部材２７を
有することにより、シール２６は熱交換器上に正しく位
置決めされ、また、作業者が熱交換器上のシールを更に
位置決めし、あるいは、調節することを必要としない。

【００１３】本発明の様々な他の変形及び配置換えは、
疑いもなく、当業者にはなされる。例えば、本発明のシ
ールを作るのに用いられている材料は、既知の可撓性独
立気泡フォーム材料の多くのグループから選定すること
ができる。それ故、本発明の範囲を画成するのは、全て
の等価物を含む上記の請求の範囲である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の密封装置を備えた熱交換器コアと自動
車空気調和システムのケーシングとの斜視図である。

【図２】本発明の密封装置を備えた熱交換器コアの斜視
図である。

【図３】本発明の密封装置の分解斜視図である。

【図４】図３の線４−４に沿って載断された本発明の断
面図である。

【図５】図３の線５−５に沿って載断された本発明の断
面図である。

【図６】図３の線６−６に沿って載断された本発明の断
面図である。

【符号の説明】

１０ ケーシング １２ 蒸発器 １４ ケーシングの壁 １６ 開口端 １８ チューブ ２０ フィン ２１ 外面 ２２ 側部 ２３ 入り口ポート ２４ 側部 ２５ 出口ポート ２６ シール ２７ 密封用部材 ２８ 閉ループの縁部 ２９ 閉ループ ３０ 閉ループの縁部 ３１ 柔軟な縁部 ３２ 閉ループの縁部 ３３ 柔軟な縁部 ３４ 閉ループの縁部 ３５ 柔軟な縁部 ３６ 密封用ビード ３７ 柔軟な縁部 ３８ 配置決めピン ４０ 閉ループの内面 ４２ 平面的な部材 ４４ 第１の縁部 ４６ 第２の縁部 ４８ 末端部分 ５３ 半径方向に延在する部分 ５５ 軸線方向に延在する部分

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車両に用いられる熱交換器のための
   密封装置であって、前記熱交換器は複数個の重ね合わさ
   れた流体導通チューブ及びフィンを有していて、それら
   により、概ね矩形のコアを形成しており、該コアは一対
   の概ね直角な対向せしめられた側部を画成しており、前
   記熱交換器はケーシングに装架されており、該ケーシン
   グは、開口端を有していてそれを通して前記熱交換器を
   受容するためのハウジングと、前記熱交換器を受容する
   ための容積を画成している複数個の壁とを有しており、
   前記密封装置は、 剛体材料でなる閉ループ構造であって、４つの実質的に
   直角な縁部を画成しており、各縁部は、前記熱交換器の
   前記コアのそれぞれの側部と接触するよう形状決めされ
   ている閉ループ構造と、 前記熱交換器に接触しない前記閉ループ構造の少なくと
   も１つの縁部の外面に取り付けられた柔軟な材料でなる
   密封用部材であって、前記ハウジングの壁に接触するよ
   うになっている密封用部材と、 前記熱交換器に接触している前記閉ループ構造の少なく
   とも１つの縁部の内面と一体に形成されているとともに
   その内面から延在している複数個の配置決めピンであっ
   て、前記閉ループ構造の所定の場所に配備されていると
   ともに、前記コア内の前記フィンに係合して前記熱交換
   器に対する正確な位置に前記閉ループ構造を積極的に位
   置させるようになっている複数個の配置決めピンと、 を有している密封装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の密封装置において、前
   記縁部は、前記ハウジングに接触するようにされた半径
   方向に延在する部分を含んでいる密封装置。