JPH10203027A - 染料熱転写受容シート - Google Patents

染料熱転写受容シート

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JPH10203027A
JPH10203027A JP9010344A JP1034497A JPH10203027A JP H10203027 A JPH10203027 A JP H10203027A JP 9010344 A JP9010344 A JP 9010344A JP 1034497 A JP1034497 A JP 1034497A JP H10203027 A JPH10203027 A JP H10203027A
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正裕 冨金原
Ikuhide Tanaka
育英 田中
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茂 長嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリンターでプリントする工程において2枚以
上の受容シートが重なって同時に給紙走行する等のトラ
ブルの発生がなく、しかも裏面に各種ペンによる筆記
性、さらにインクジェット方式のプリント適性を有する
染料熱転写受容シートを提供する。 【解決手段】シート状支持体と、前記支持体の一表面上
に形成された染料を受容する画像受容層と、前記シート
状支持体の他方の面上に形成された帯電防止剤を含む裏
面塗工層を有する染料熱転写受容シートにおいて、該裏
面塗工層が板状硫酸バリウムを主成分として含み、且つ
平均粒子径が8〜15μmの非晶質シリカを裏面塗工層
の全顔料中の30〜50重量%含み、更に帯電防止剤と
してカチオン系帯電防止剤を用いたことを特徴とする染
料熱転写受容シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料熱転写受容シ
ート(以下、受容シートと略す)に関するものである。
さらに詳しく述べるならば、本発明は、プリンターでプ
リントする工程において2枚以上の受容シートが重なっ
て同時に給紙走行する等のトラブルの発生がなく、しか
も裏面に各種ペンによる筆記性、さらにインクジェット
方式のプリント適性を有する受容シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、熱転写方式のカラーハードコピ
ー、特に昇華型熱転写プリンターの開発が進んでいる。
昇華型熱転写プリンターでは、3色(イエロー、マゼン
タ、シアン)、あるいは4色(イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラック)の昇華性染料層を含むインクシート
を、順番にサーマルヘッドにより加熱し、それぞれの色
の染料の転写量を制御することにより、濃度階調性に優
れたフルカラー画像の形成が可能になっている。このよ
うな熱転写プリンターは最近、テレビ画像やビデオカメ
ラで撮影した画像を、例えば、はがきタイプの受容シー
トや、ステッカータイプの受容シートにプリントする等
の用途で一般家庭でも急速に普及している。
【0003】一般に、このようなプリンターは、複数枚
の定型サイズにカットされた枚葉タイプの受容シートを
トレー内に装着し、トレーからプリンター内に給紙する
機構となっている。受容シートの裏面には、受容シート
同士がプリンター給紙時に擦れたり、プリンター内のロ
ール等の機械部品と擦れることで静電気帯電し、受容シ
ート同士が貼り付いたり、また静電気帯電によるゴミや
ほこりの吸引のため部分的に印画されない(印画抜け)
といった電気的問題を解決するために、帯電防止効果を
有する塗工層を形成することが提案されている。また、
一般に裏面塗工層中には、これもプリンター給紙性、走
行性に大きな影響を与える受容シート表裏間の摩擦係数
を低下させるために、ワックスやシリコーン樹脂のごと
き滑剤が併用される。
【0004】このような裏面塗工層では、確かにプリン
ター給紙、走行性は満足できるものの、塗工層自体の吸
油性、吸水性が低く、且つ滑剤を含有するため、裏面へ
各種ペンにより筆記した場合、書き味(ペン先が滑り、
書きづらい)、乾燥性が劣るという問題が生じた。特に
インク乾燥性に関しては、近年の低価格化で爆発的に一
般家庭にも普及しつつあるインクジェット方式のプリン
ターで印字した場合、長時間後であってもインクが乾か
ず、プリントしたシート同士を重ね合わせたり、プリン
ト面に触れたりといったようなハンドリング性が極めて
劣る。さらに、裏面に郵便切手等を貼り付けた場合、付
き具合が弱く簡単に剥がれてしまうという問題も生じ
た。これらの問題は、特にはがきタイプの受容シートの
裏面塗工層としては致命的な欠点である。
【0005】これらの問題を解決するためには、裏面塗
工層中に顔料を配合しインク吸収保持性を持たせること
が好ましい。しかしながら、炭酸マグネシウム、微粉シ
リカ、焼成カオリン、炭酸カルシウムのごときインクジ
ェット記録用紙に使用されているインク吸収性に富む顔
料は一般に粒子形状が角状、柱状、紡錘状、球状、ウニ
状等であるため塗工層表面が粗面化し易く、受容シート
表裏間の摩擦係数が高くなり給紙走行性に不都合を生じ
がちであった。また、特に微粉シリカ、焼成カオリン等
を使用すると、塗工層自体の層間強度が弱くなり、多数
枚の受容シートをプリントした場合、紙粉の発生等の問
題も生じ易くなる。
【0006】一方、粒子形状が板状である顔料を配合し
た場合、比較的平滑な塗工層が形成されるため、摩擦係
数が高くなることによる走行性不良の問題は少ないが、
これらの顔料は一般にインク吸収性が少ないため、例え
ばインクジェットプリントのようにインク量が多い場合
は、インク吸収保持性、乾燥性が依然として不十分であ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、染料熱転写
受容シートに関し、さらに詳しく述べるならば、本発明
は、プリンターでプリントする工程において2枚以上の
受容シートが重なって同時に給紙走行する等のトラブル
の発生がなく、しかも裏面に各種ペンによる筆記性、さ
らにインクジェット方式のプリント適性をも有する受容
シートに関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
達成すべく、裏面塗工層中の顔料の種類とインク吸収
性、紙間摩擦係数、塗工層層間強度、さらにプリンター
走行性等について鋭意研究した結果、裏面塗工層中に板
状硫酸バリウム、及び特定粒子径の非晶質シリカを特定
の比率で配合し、且つカチオン系の帯電防止剤を配合せ
しめることにより、受容シート表裏間の摩擦係数を低く
抑え、且つ受容シート表裏、あるいは受容シート表面と
プリンター部品との擦れに起因する静電気帯電トラブル
を抑制することでプリンター走行性を確保し、さらに各
種筆記具による筆記性、またインクジェット方式のプリ
ント適性を満足しうる塗工層を得ることができることを
見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち本発明は、シート状支持体と、前記支
持体の一表面上に形成された染料を受容する画像受容層
と、前記シート状支持体の他方の面上に形成された帯電
防止剤を含む裏面塗工層を有する染料熱転写受容シート
において、該裏面塗工層が板状硫酸バリウムを主成分と
して含み、且つ平均粒子径が8〜15μmの非晶質シリ
カを裏面塗工層の全顔料中の30〜50重量%含み、更
に帯電防止剤としてカチオン系帯電防止剤を用いたこと
を特徴とする染料熱転写受容シートである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における裏面塗工層は、顔
料として板状硫酸バリウムを主成分とし、平均粒子径が
8〜15μmの非晶質シリカを全顔料中の30〜50重
量%含み、更にカチオン系帯電防止剤を含むことを特徴
とするものである。
【0011】硫酸バリウムの製法は、一般に重晶石を粉
砕しコークスと混合還元焼成して硫化バリウムを生成
し、さらに硫酸ナトリウムと反応させて硫酸バリウムを
生成させるというものである。これらの反応条件を適宜
調節することにより、板状、粒状等、形状の異なる各種
の硫酸バリウムを得ることができるが、本発明において
は前述した通り、塗工面の粗面化による紙間摩擦係数の
増大することを抑制するために、板状の硫酸バリウムを
使用する。本発明に使用する板状硫酸バリウムの平均粒
子径は1〜30μmで、好ましくは1〜15μmであ
る。また、平均厚さは0.1〜10μm、好ましくは
0.1〜3μmであり、平均厚さ/平均粒子径の比は
0.3以下、好ましくは0.01〜0.2である。な
お、板状顔料としては、カオリン、クレー等が一般に広
く使用されており、その塗工面は比較的平滑となるが、
これらの顔料を裏面塗工層の主顔料として使用すると、
いかに表面電気抵抗を低く抑えても、受容シート表面と
擦り合わせた場合、静電気帯電が著しく、シート同士が
相互に貼り付いてしまうため好ましくない。
【0012】板状硫酸バリウムの具体例としては、例え
ば堺化学工業社製の「板状硫酸バリウム−A(平均粒子
径8μm,平均厚さ1μm)」、「板状硫酸バリウム−
H(平均粒子径8μm,平均厚さ1μm)」、「板状硫
酸バリウム−BPL(平均粒子径13μm,平均厚さ
1.5μm)」等が挙げられる。これらは単独、あるい
は任意に混合して使用することができる。
【0013】上記板状硫酸バリウムを裏面塗工層に適用
することによって、摩擦係数を低く抑え、且つ鉛筆、ボ
ールペン、水性ペン、油性ペン等の筆記具による筆記性
は付与することができるが、さらにインクジェットプリ
ント適性を付与するために、本発明では平均粒径が8〜
15μmの非晶質シリカを全顔料中の30〜50重量%
併用する。
【0014】一般に、非晶質シリカは多孔性でインクの
吸収性が高くインクジェット記録用シートのインク受容
層に用いられる顔料である。通常、インクジェット記録
用シート受容層には鮮明な発色、高画質を得るために、
高吸油量で、且つ高比表面積を有する粒子径が8μmよ
り細かい微粉シリカが使用される。また、その配合部数
も全塗工層固形分の50〜90重量%であるのが通常で
ある。しかしこのような微粉シリカを高部数配合すると
塗工層強度が極端に低下し、プリンター走行時に塗工層
顔料の脱落に起因する紙粉発生の問題がある。一方、粒
子径が15μmよりも大きなシリカを使用すると塗料分
散性、塗工性に問題があり、また塗工層表面が極端に粗
面化するため、紙間摩擦係数が増大しプリンター走行性
に支障をきたしてしまう。さらに、包装保管時に受容シ
ート表裏が擦れて受容層表面に擦れ傷がつき易くなって
しまう。そのため本発明においては、上記の粒径、配合
部数に限定するものである。
【0015】平均粒子径が8〜15μの非晶質シリカの
具体例としては、例えばシオノギ製薬社製の「カープレ
ックスBS−304(平均粒子径14μm)」、「カー
プレックスBS−304N(平均粒子径9μm)」、ト
クヤマ社製の「ファインシールX−15(平均粒子径1
2μm)」、「ファインシールX−12(平均粒子径1
3μm)」、「ファインシールF−65(平均粒子径1
0μm)」、「ファインシールF−68(平均粒子径
8.5μm)」、富士シリシア化学社製の「サイリシア
470(平均粒子径12μm)」、日本シリカ工業社製
の「ニップシールNS(平均粒子径9μm)」等が挙げ
られる。これらは単独、あるいは任意に混合して使用す
ることができる。
【0016】なお、本発明の効果を損なわない範囲であ
れば、板状硫酸バリウム、非晶質シリカ以外の顔料、例
えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリ
ン、タルク、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、
炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン等
も必要に応じて併用しても良い。
【0017】さらに本発明の裏面塗工層中には、静電気
帯電に起因する給紙走行トラブルを抑制するために帯電
防止剤を配合するが、カチオン性帯電防止剤の使用が必
須である。帯電防止剤は、塩化ナトリウムのごとき無機
電解質をはじめ、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン
酸エステル塩のごときアニオン性帯電防止剤、脂肪族第
4級アンモニウム塩のごときカチオン性帯電防止剤、ベ
タイン型構造を有する両性帯電防止剤、さらにポリジメ
チルシロキサンのごときシロキサン系帯電防止剤等を挙
げることができる。これらの中でも、カチオン性帯電防
止剤は、特に優れた帯電防止効果を有する。さらに、カ
チオン性帯電防止剤の使用は、帯電防止効果のみなら
ず、塗工層にインクジェットプリントを行った場合、イ
ンクがアニオン性であるためプリント直後にインクとイ
オン結合し、インクの滲みを抑制すると同時に、乾燥性
向上にも効果的に寄与するものである。
【0018】カチオン性帯電防止剤は、前述の通り、脂
肪族第4級アンモニウム塩が一般的であるが、対陰イオ
ンとして塩素イオンが最も帯電防止効果がある。長鎖ア
ルキル基にはモノとジがあり、それぞれアルキルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアン
モニウムクロライドがある。また、アルキル基をベンゼ
ン環で置換したアルキルベンジルジメチルアンモニウム
クロライド等の芳香族第4級アンモニウム塩がある。
【0019】カチオン系帯電防止剤の具体例としては、
三洋化成社製の「ケミスタット5500」、「ケミスタ
ット6300」、「ケミスタット9800」、第一工業
製薬社製の「シャロールDM−283P」、「シャロー
ルDM−663P」、日本合成化学工業社製の「ゴーセ
ファイマーC−670」、「ゴーセファイマーC−82
0」、日華化学社製の「ナイスポールC−250」等を
挙げることができる。本発明には、これらの中から任意
に単独、または混合して使用することができる。
【0020】本発明の裏面塗工層に使用されるバインダ
ー樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリビニルアルコール、デンプン、カル
ボキシメチルセルロース、カゼイン等、公知のものを任
意に使用することができる。また、必要に応じて、消泡
剤、分散剤、滑剤、樹脂の架橋剤、有色染料等を適宜選
択して使用しても良い。
【0021】裏面塗工層の塗工量は特に制限されない
が、1〜20g/m2、好ましくは3〜15g/m2の範
囲で調節される。ちなみに、塗工量が少なすぎると塗工
層の効果が発揮されず、また多すぎてもそれ以上の効果
を期待できないばかりか、コストを上昇させ実用的でな
い。
【0022】本発明に用いられるシート状支持体として
は、コート紙、アート紙、上質紙等の紙基材、ポリエチ
レン等の熱可塑性樹脂を紙基材にラミネートしたラミネ
ート紙、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(例
えばポリプロピレン)等のプラスチックフィルムや、あ
るいはポリオレフィン樹脂と無機顔料を主成分とし2軸
延伸した空隙を有する多層構造のフィルム等が例示され
る。さらに、前記の材料を単体で使用するだけでなく、
ドライラミネート法、ウエットラミネート法、溶融ラミ
ネート法等の公知の方法により、これら材料の2種以上
を貼り合わて多層構造にしたものも使用でき、その組み
合わせは限定されない。
【0023】なお、シート状支持体の厚さは100〜3
00μmが好ましい。ちなみに、厚さが100μmに満
たないと、その機械的強度が不十分となり、且つそれか
ら得られる受容シートの剛度、及び変形に対する反発力
が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカール
を十分に防止できない。また、厚さが300μmを越え
ると、得られる受容シートの紙厚が過大になるため、プ
リンターにおける受容シート収容枚数の低下をまねいた
り、あるいは逆にプリンターの容積増大を招き、プリン
ターのコンパクト化を困難にする等の問題を生じる。
【0024】本発明の受容シートにおいて、シート状支
持体の一表面上に設けられる染料受容層は、インクシー
トから転写される昇華性染料を染着し得る染着性樹脂を
主成分として形成される。このような染着性樹脂として
は、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体等が
例示される。受容層の塗工量は、1〜12g/m2、好
ましくは3〜10g/m2の範囲で調節される。ちなみ
に、受容層の塗工量が1g/m2未満では、受容層が基
材表面を完全に覆うことができず、画質の低化をまねい
たり、受容シートとインクシートの融着が発生すること
がある。一方、受容層の塗工量が12g/m2以上だ
と、効果が飽和し不経済であるばかりでなく、受容層の
強度が不足したり、受容層の厚みが増し基材の断熱効果
が十分に発揮されず、画像濃度が低下することがある。
【0025】本発明の受容シートの受容層には、サーマ
ルヘッドの加熱によるインクシートとの融着を防ぐ目的
で、樹脂の架橋剤、滑剤、剥離剤等を添加することが好
ましい。また、必要に応じ他の添加剤、例えば有色顔
料、有色染料、蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、
紫外線吸収剤等も添加してもよい。これらの添加剤は、
受容層の主成分と混合し塗工されてもよいし、別の塗工
層として受容層の上、及び/又は下に塗工されていても
よい。
【0026】また、プリンター内を受容シートが走行す
るとき、静電気による走行トラブルの発生を防ぐため、
受容シートの受容層面上、あるいは受容層とシート状支
持体の間に、裏面塗工層とは別の帯電防止剤層を塗布し
てもよい。本発明の受容シートの受容層や裏面塗工層、
及びその他の塗工層は、バーコーター、グラビアコータ
ー、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフ
コーター、ゲートロールコーター等の公知のコーターで
塗工、乾燥して形成することができる。
【0027】
【実施例】下記実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において、特に断らない限り「%」、及び
「部」は全て「重量%」、及び「重量部」を示す。
【0028】実施例1 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムの表裏に、無機顔料を含むポリオレフィンを主
成分とし2軸延伸した厚さ60μmの多層構造フィルム
(商標:ユポFPU60、王子油化合成紙製)を、ポリ
エステル系接着剤を用い、ドライラミネート法で貼り合
わせてシート状支持体とした。その一方の面上に、染料
画像受容層形成のため、下記組成の塗料を塗工量が8g
/m2となるようにグラビアコーターにより塗工、乾燥
した。 「画像受容層用塗料」 成 分 重量% ・飽和ポリエステル樹脂(商標:バイロン200,東洋紡製) 90 ・シリコーン樹脂(商標:KF101,信越化学製) 5 ・架橋剤(商標:コロネートL,日本ポリウレタン工業製) 5
【0029】さらにもう一方の面上に、裏面塗工層とし
て下記組成の塗料を塗工量が8g/m2となるようにバ
ーコーターにより塗工、乾燥し、受容シートを得た。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 40 ・非晶質シリカ(商標:カープレックスBS−304N, 平均粒子径9μm,シオノギ製薬製) 20 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 10 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 10 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0030】実施例2 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 30 ・非晶質シリカ(商標:カープレックスBS−304N, 平均粒子径9μm,シオノギ製薬製) 30 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 20 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0031】実施例3 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 40 ・非晶質シリカ(商標:サイリシア470,平均粒子径12μm, 富士シリシア化学製) 20 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 10 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 10 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ゴーセファイマーC−820, 日本合成化学工業製) 20
【0032】実施例4 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムH,堺化学工業製) 40 ・非晶質シリカ(商標:ファインシールX−15, 平均粒子径12μm,トクヤマ製) 20 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 20 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0033】実施例5 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 40 ・非晶質シリカ(商標:ファインシールX−15, 平均粒子径12μm,トクヤマ製) 20 ・ポリビニルアルコール(商標:PVA110,クラレ製) 10 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 10 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ナイスポールC−250, 日華化学製) 20
【0034】比較例1 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 20 ・非晶質シリカ(商標:カープレックスBS−304N, 平均粒子径9μm,シオノギ製薬製) 40 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 10 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 10 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0035】比較例2 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 50 ・非晶質シリカ(商標:カープレックスBS−304N, 平均粒子径9μm,シオノギ製薬製) 10 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 10 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 10 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0036】比較例3 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 40 ・非晶質シリカ(商標:カープレックスBS−304N, 平均粒子径9μm,シオノギ製薬製) 20 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 20 ・アニオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット6120, 三洋化成製) 20
【0037】比較例4 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 40 ・非晶質微粉シリカ(商標:ファインシールX−45, 平均粒子径5μm,トクヤマ製) 20 ・アクリルスチレン共重合体樹脂(商標:KE252, 日本カーバイド工業製) 20 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0038】比較例5 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・粒状硫酸バリウム(商標:硫酸バリウムB−54, 堺化学工業製) 40 ・非晶質シリカ(商標:カープレックスBS−304N, 平均粒子径9μm,シオノギ製薬製) 20 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 20 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0039】比較例6 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・カオリン(商標:UW−90,エンゲルハード製) 40 ・非晶質シリカ(商標:カープレックスBS−304N, 平均粒子径9μm,シオノギ製薬製) 20 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 20 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 20
【0040】比較例7 実施例1と同様にして受容シートを得た。ただし、下記
塗料を用いて裏面塗工層を形成した。 「裏面塗工層用塗料」 成 分 重量% ・板状硫酸バリウム(商標:板状硫酸バリウムA,堺化学工業製) 50 ・酸化デンプン(商標:王子エースA,王子コーンスターチ製) 20 ・カチオン性帯電防止剤(商標:ケミスタット9800, 三洋化成製) 15 ・ ステアリン酸亜鉛系ワックス(商標:ハイドリンZ−7−30, 中京油脂製) 15
【0041】上記で得られた12種類の受容シートサン
プルについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に
示す。
【0042】(1)裏面塗工層の筆記性 受容シートの裏面塗工層に各種ペン(鉛筆、水性サイン
ペン、油性サインペン)で文字を手書きし、書き具合と
10秒後にティッシュペーパーで拭き取った後の字の滲
み具合を目視で観察した。 [書き具合] ○:書き易い。 ×:ペン先が引っかかったり、塗膜が削れて書きづら
い。 [はじき具合と滲み具合] ○:はじきや滲みは見られない。 △:はじきや滲みが見られる。 ×:はじきや滲みが著しく、文字の判別に支障がある。
【0043】(2)インクジェットプリント適性 受容シートの裏面塗工層にバブルジェット方式インクジ
ェットプリンター(商標:BJC−610,キャノン
製)を用い720dpiで文字パターンを印字した。イ
ンクの滲み具合と10秒後にティッシュペーパーで拭き
取った後の字の乾き具合を目視で観察した。 [滲み具合] ○:滲みは見られない。 ×:滲みが著しく、文字の判別に支障がある。 [乾き具合] ○:文字は乾いており擦れ汚れはない。 ×:擦れ汚れが著しく、文字の判別に支障がある。
【0044】(3)裏面塗工層の層間強度 受容シートの裏面塗工層に市販のセロハンテープを貼り
付け、10秒後にすばやく剥し、塗膜の脱落具合を目視
で観察した。 ○:塗膜の脱落は見られない。 △:やや塗膜の脱落が見られるが実用上支障はない。 ×:塗膜が完全に脱落する。
【0045】(4)摩擦係数 受容シートの受容層と裏面塗工層との動摩擦係数をテン
シロン試験機(商標:テンシロン/UTM−III−10
0,東洋ボールドウィン製)を使用して、荷重1000
g、移動速度200mm/minで測定した。
【0046】(5)プリンター給紙走行性 受容シートをA6サイズに断裁し、その25枚を昇華型
熱転写プリンター(商標:CVP−M3,ソニー製)に
装着し、黒ベタパターンを25枚連続プリントし、給紙
走行性を評価した。 ○:25枚が正常にプリント、排紙された。 △:1回ないし2回の重送が生じた。 ×:3回以上の重送が発生した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の染料熱転写受容シートは、実施
例に示した通り、プリント時に重送トラブルがなく、ま
た裏面には優れた筆記性、インクジェットプリント適性
を有し、極めて実用的価値の高いものである。13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、前記支持体の一表面
    上に形成された染料を受容する画像受容層と、前記シー
    ト状支持体の他方の面上に形成された帯電防止剤を含む
    裏面塗工層を有する染料熱転写受容シートにおいて、該
    裏面塗工層が板状硫酸バリウムを主成分として含み、且
    つ平均粒子径が8〜15μmの非晶質シリカを裏面塗工
    層の全顔料中の30〜50重量%含み、更に帯電防止剤
    としてカチオン系帯電防止剤を用いたことを特徴とする
    染料熱転写受容シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003080820A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Kimoto & Co Ltd インクジェット記録材料
WO2015190447A1 (ja) * 2014-06-09 2015-12-17 株式会社巴川製紙所 熱転写受像シート

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