JPH10202875A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
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- JPH10202875A JPH10202875A JP1291997A JP1291997A JPH10202875A JP H10202875 A JPH10202875 A JP H10202875A JP 1291997 A JP1291997 A JP 1291997A JP 1291997 A JP1291997 A JP 1291997A JP H10202875 A JPH10202875 A JP H10202875A
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Abstract
の安定吐出の確保およびインク滴の着点位置を一定に維
持すること。 【解決手段】 圧力発生室3を拡大させる第1のパルス
と、膨張状態にある圧力発生室3を収縮させてノズル開
口2からインク滴を吐出させる第2のパルスと、第2の
パルス後に圧力発生室3を再び拡大させる第3のパルス
を出力する駆動パルス発生手段120と、環境温度検出
手段140によって第3パルス開始の印加タイミングお
よび印加電位を環境温度により制御する駆動パルス制御
手段130とを備え、環境温度が高い場合は第3のパル
スの印加タイミングを長く、印加電位比を大きく、環境
温度が低いときは印加タイミングを短く、印加電位比を
小さくするように変化させる。
Description
電振動子を駆動源に使用したインクジェット記録ヘッド
の駆動技術に関する。
ドは圧電振動子や発熱素子によりインク圧力を発生させ
る複数の圧力発生室と、各圧力発生室にインクを供給す
る共通インク室と各圧力発生室に連通するノズル開口を
備えた流路を備えており、印字信号に対応する圧力発生
室に駆動信号を印加してインク滴をノズル開口から記録
媒体に飛翔させるように構成されている。
圧力発生手段として、圧力発生室内にジュール熱を発生
する抵抗線を設け、気泡の発生圧力を利用してインク滴
を吐出させるいわゆるバブルジェット式がある。
構成した、その軸方向の伸長、つまり縦振動モードを利
用した圧電振動子により、一部が弾性板により構成され
た圧力発生室を膨張、収縮させて、インクの吸引、イン
ク滴の吐出を行う圧電振動式も知られている。なお、圧
電振動子は、高速駆動が可能であり、圧力発生室と当接
させることで圧力発生室の膨張、収縮を高速で繰り返し
行うことが可能であるという特徴を備えている。
ヘッドには以下のような課題がある。
出した後には圧力発生室に圧力変動が残留し、ノズル内
のメニスカスが振動をしながら定常位置まで回復してい
く。
場合は、インク滴吐出のタイミング時にまだメニスカス
が定常位置まで回復していないため、インク滴の吐出量
や吐出速度がばらついたり、インク滴の吐出が不安定と
なり、飛翔方向が変化したり、インクミストが発生した
りし、印字品質の低下を招きやすく、結果インクジェッ
ト記録ヘッドの応答周波数向上の妨げとなるという課題
を抱えていた。
233258号公報に示されるような駆動方法が提案さ
れている。
印加後にメニスカスの引き込みが小さくなるように補助
信号を印加する技術である。
素子によって圧力発生室内に第1の気泡を発生させノズ
ルからインク滴を飛翔させた後、メニスカスの吸引が最
大となる時刻に第2の気泡を発生させることで、第1気
泡発生とインク滴飛翔による圧力変化を相殺するように
第2の気泡による圧力変化が生じ、互いに干渉しあっ
て、結果としてメニスカスに働く圧力変化が低減し、メ
ニスカスの吸引は低減され回復時間は短くなる。
ものである。
が、圧電振動式でも圧力発生室に圧力を発生させるとい
う意味で同様の効果があることは明らかである。
のメニスカスの回復時間が遅い場合、高周波数駆動をし
てもメニスカスの回復が伴わないため安定した吐出が行
われなくなるという課題があったが、上記の駆動方法に
より、回復時間を短くすることが可能となってきてい
る。
カスが回復していく過程では、圧力発生室に固有の共振
周波数(ヘルムホルツ共振周波数)を持つ残留振動が伴
う。
が十分おさまらないうちにインク滴の吐出を開始しよう
としても、メニスカスが安定していないため形成が不安
定となり、吐出したインク滴が不安定となる可能性があ
る。
の駆動方法では、メニスカスの回復時間をはやくして高
周波数駆動応答を達成できても、メニスカスの微少な残
留振動の制振には効果が期待できず、インク滴の安定吐
出にはつながらないという課題があった。
ラツキ、材料やインク物性によってその振動周期・振幅
がを変化する。
り、流路構成材料やインクの選択の幅が狭くなり、製造
コストが高くなったり、設計の自由度が低下してしまう
という課題もあった。
ると、インク物性の変化によりメニスカスの振動周期・
振幅がさらに変化をするため、固定した駆動方法では効
果的にメニスカスの残留振動を制振できない。
加えたり、環境温度毎に別々の駆動を行うべく、複数の
駆動装置を用意したりする必要が生じ、装置自体のコス
トが高くなってしまうという課題があった。
ものであって、その目的とするところは、高周波数駆動
でもインク滴の安定吐出を確保するとともに、インク流
路の寸法バラツキ、材料やインクの物性の変化、環境温
度の変化に対しても安定吐出を確保でき、さらに駆動周
波数に関わりなくインクの飛翔速度を一定に保持させて
インク滴の着点位置を一定に維持できる新規なインクジ
ェット記録装置を提供することにある。
記録装置は、ノズル開口、およびインク供給口を介して
共通インク室に連通し、周期Tcのヘルムホルツ共振周
波数を備えた圧力発生室と、前記圧力発生室に当接する
圧電振動子と、電位変化により前記圧電振動子の収縮・
膨張をおこない前記圧力発生室を膨張・収縮させるイン
クジェット記録ヘッドと、前記圧力発生室を膨張させる
第1のパルスと、膨張状態にある前記圧力発生室を収縮
させて前記ノズルからインク滴を吐出させる第2のパル
スと、前記第2のパルス後に前記圧力発生室を再び拡大
させる第3のパルスを出力する駆動パルス発生手段と、
環境温度検出手段によって検出した環境温度に基づき、
前記第3のパルスの印加電位を制御する駆動パルス制御
手段とを有することを特徴とする。
記環境温度が高いときは大きく、低いときは小さくなる
よう設定し、かつ前記第3のパルスの継続時間が環境温
度によらず一定であることを特徴とする。
記第1のパルスの印加電位より低いことを特徴とする。
を環境温度によって制御する駆動パルス制御手段を有す
ることを特徴とする。
第3のパルスの継続時間が同じに設定され、前記第2パ
ルス開始から前記第3パルス開始までの時間が、前記圧
力発生室の周期Tcとほぼ一致した時間となるよう設定
されていることを特徴とする。
のパルス開始までの時間が、前記環境温度が高いときは
長く、低いときは短くなるよう設定することを特徴とす
る。
環境温度によらず一定であることを特徴とする。
環境温度によらず一定であることを特徴とする。
位を環境温度により制御する駆動パルス制御手段とを備
え、環境温度が高い場合は第3のパルスの印加タイミン
グを長く、印加電位比を大きく、環境温度が低いときは
印加タイミングを短く、印加電位比を小さくするように
変化させる。
ニスカスの振動に最適なタイミング、かつ最適な印加量
で制振振動を加え、メニスカスを効果的に減衰させ、環
境温度に関わらずインク滴の安定吐出を確保する。
づいて説明する。
ット記録装置に使用するインクジェット記録ヘッドを示
す断面図である。
れたノズルプレート、符号7は圧力発生室3、共通イン
ク室4、インク供給口5が連通するよう形成した流路構
成板、8は弾性板である。流路構成板7をノズルプレー
ト1と弾性板8で挟み込む形で一体に構成しインク流路
ユニットを構成している。
に積層して構成され、充電状態では導電層の積層方向と
直角な方向に収縮し、また充電状態が解かれると導電層
との積層方向と直角な方向に伸長する、いわゆる縦振動
モードの振動子で、電極が存在しない先端の不活性部を
圧力発生室3の領域で弾性板8に当接させた状態で他端
が固定基板10に固定されている。また、各圧電振動子
9、9、9・・・は各圧力発生室3、3、3・・・およ
び各ノズル開口2、2、2・・・に1対1で対応してい
る。
録ヘッドは以下のような駆動によりインク滴の吐出が行
われる。
こなうと、圧電振動子9が収縮することで当接する弾性
板8が変形して圧力発生室3が膨張し、インク供給口5
を介して共通インク室4から圧力発生室3にインクが流
れ込む。
に伸長して弾性板8が押圧されることにより、圧力発生
室3内に圧力が発生して、ノズル開口2からインク滴が
吐出をする。
しない程度に圧力発生室3を再び膨張させる。
駆動パルス制御手段とその駆動方法について詳細に説明
する。
ット記録装置を示すブロック図である。
ンクジェット記録ヘッド100と、圧電振動子9、9、
9・・・の駆動を選択する駆動ノズル選択手段110
と、駆動パルスを発生する駆動パルス発生手段120
と、駆動パルスを制御する駆動パルス制御手段130
と、環境温度検出手段140から構成される。
を検出し、駆動パルス制御手段130にこの環境温度デ
ータを送出するものである。
設定されているパルス制御信号p1、p2、p3のパル
ス幅と環境温度、および印加電位と環境温度の関係テー
ブルにもとづき、環境温度に応じたパルス幅pw1、p
w2、pw3をもつパルス制御信号p1、p2、p3お
よび印加電位制御信号v1、v2、v3を駆動パルス発
生手段120に送る。また、外部からの印字信号にもと
づき印字データを駆動ノズル選択手段におくる。
御手段130から送られる複数のパルス幅制御信号p
1、p2、p3および印加電位制御信号v1、v2、v
3にもとづいて所望の山と谷からなる駆動パルスを発生
させる。
段110を介してドットを形成すべきノズル開口2に属
する圧電振動子9に選択的に送られる。これによって、
所望のノズル開口2からインク滴が吐出される。
00上に、駆動ノズル選択手段110と環境温度検出手
段140が搭載されている。環境温度検出手段140を
インクジェット記録ヘッド100上に搭載したのは、イ
ンクジェット記録ヘッド100周辺の環境温度をより正
確に検出するためである。
ット記録装置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動
パルス形成を説明する図である。
パルスは図3(a)のような山と谷からなる階段状の台
形パルスであり、充電を行う第1のパルスS1、放電を
行う第2のパルスS2、再充電を行う第3のパルスS3
から構成される。
内にはパルス幅制御信号p1、p2、p3と印加電位制
御信号v1、v2,v3の各3つが設定されている。そ
れぞれが駆動パルスの第1のパルスS1、第2のパルス
S2、第3のパルスS3に対応しており、各パルス制御
信号p1、p2,p3の印加タイミングとそのパルス幅
pw1、pw2,pw3によって各駆動パルスS1、S
2、S3の開始タイミングと継続時間が決定され、各印
加電位制御信号v1、v2,v3によって各駆動パルス
S1、S2、S3の印加電位が決定される。
スとなるよう印加電位制御信号v2は印加電位が零とな
るように設定されている。
て、以下に示すようなインクジェット記録ヘッドの駆動
が行われる。
と、そのパルス幅pw1分の時間を要して第1の印加電
位制御信号v1によって指示されたピーク電位(V1)
まで充電が行われ、圧電振動子9が一定速度で収縮す
る。これに伴って圧力発生室3が膨張し、インク供給口
5を介して共通インク室4のインクが圧力発生室3に流
れ込む。第1のパルス制御信号p1の終了以降、ピーク
電位のまま電位が保持され、圧電振動子9も変形を止め
て待機をする。
ンされると、そのパルス幅pw1分の時間を要して第2
の印加電位制御信号v2によって指示された電位零まで
放電が行われ、圧電振動子9が伸長する。これに伴って
圧力発生室3が収縮を開始し、圧力発生室3内に圧力が
発生することでノズル開口2からインク滴が吐出する。
インク滴吐出後、ノズル内でメニスカスが振動を開始す
る。
第3の印加電位制御信号v3がオンされると、そのパル
ス幅pw3分の時間を要して電位(V3)まで圧電振動
子9が充電され微少収縮し、圧力発生室3が膨張する。
この膨張によりノズル内で振動しているメニスカスの振
動挙動を制御し、メニスカスの振動を急速に減衰させ
る。なお、この膨張終了後、その電位(V3)のまま次
のインク吐出信号がくるまで電位が維持される。
ェット記録装置は駆動されるが、本発明では、特に第3
のパルスの印加タイミングおよび印加電位を環境温度検
出手段140によって検出した環境温度に基づき駆動パ
ルス制御手段130を用いて調整し可変出来るようにし
た。この駆動方法により任意の駆動パルスの形成が可能
となり、いかなる条件下でも効果的にインク吐出後のメ
ニスカスの振動を急速に減衰させることができる。
の詳細な調整、可変方法を説明する。
説明する。
ット記録装置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動
パルスとメニスカスの挙動を説明する図である。
ても十分なメニスカスの制振は行われない、効果的にメ
ニスカスの制振を行うには、インク吐出により発生した
メニスカスの振動が、もっとも圧力発生室3側に移動し
たタイミングで、第3のパルスを印加するのがよい。こ
れによりこの時点でノズルに向かおうとしているメニス
カスの運動エネルギーを効果的に減衰することができ、
メニスカスの振動を急速に減衰させ、図4の実線L1の
ように短時間で定常状態に戻すことが出来る。
くはノズル開口2側に移動中のタイミングで、充電を開
始し圧力発生室3を膨張させると、メニスカスの運動エ
ネルギが十分減じられず、図4の波線L2のようにメニ
スカスの振動が残るため、次に吐出すべきタイミングが
メニスカスがノズル内に引き込まれる途中過程(図の波
線L2に矢印で示した過程)に相当すると、インク滴の
吐出時のメニスカスの形成が不安定となり、結果、吐出
するインク滴にミストが生じたり、吐出曲がりや吐出ブ
レを引き起こし易い。
滴を吐出しようとする駆動周波数下においては、インク
滴の安定吐出が十分確保できず、インクの吐出曲がりや
ミストが発生し、印字品質の低下を招きやすいという問
題が生じる。
の設定には注意を要する。
スカスの代表的振動特性である周期Tcのヘルムホルツ
周波数を利用する手段により、容易に第3パルスの最適
な印加タイミングを判断し設定するようにした。
下に説明する。
録ヘッドは、圧力発生室3のインクの圧縮性に起因する
コンプライアンスをCi、また圧力発生室3を形成して
いる弾性板8、ノズルプレート1、流路構成板7等の材
料自体による剛性コンプライアンスをCv、ノズル開口
2のイナータンスをMn、インク供給口4のイナータン
スをMsとするとインク流路のヘルムホルツ共振周期T
cは Tc=2π×√((Mn+Ms)/((Ci+Cv)(Mn×Ms))) により表すことができる。
生室3の体積をV、インクの密度をρ、インク中での音
速をcとすると、 Ci=V/(ρc2) である。
スCvは、圧力発生室3に単位圧力を印加したときの圧
力発生室3の静的な変形率に一致する。
幅0.05〜0.2mm、深さ0.05〜0.3mmの
圧力発生室3を構成すると、ヘルムホルツ共振周期が5
〜20μs(共振周波数が50〜200kHz)程度の
インクジェット記録ヘッドを構成することができる。
ニスカスの残留振動の挙動特性に大きく関係する。
は微少な振動周期(T)の振動を持ちつつ大きな周期
(Tm)での振動が繰り返される。
ミングはメニスカスが圧力発生室3側に引き込まれた状
態が一番効果が高い。このためメニスカスの制振を効果
的に行える第3のパルスのタイミングは微少な周期Tの
周期で存在することになる。
に相当する時間の経過後に第3のパルスを加えること
(つまり図3の第2のパルス開始から第3のパルス開始
されるまでの時間pw4をTと概ね等しくすること)
で、メニスカスの制振を効果的に行えることを意味す
る。
は、ほかならぬ上述のヘルムホルツ共振周期(Tc)で
あり、つまり、微少な共振周期Tcが前述の計算式で確
認できれば最適な第3パルスの印加タイミングが容易に
設定できることになる。
持つ共振周期Tcと最適な第3パルスの印加タイミング
について調査した。
ット記録装置における共振周期Tcとインク滴の吐出が
安定する最適な第3のパルスの印加タイミングの関係を
示す図である。図において第3パルスの最適な印加タイ
ミングは第2のパルス開始から第3のパルスが開始され
るまでの時間pw4で示してある。
スの最適な印加タイミング(pw4)はほぼ一致してお
り、本発明では、メニスカスの振動特性の代表値である
ヘルムホルツ共振周期(Tc)を利用する手段により、
容易に第3パルスの最適な印加タイミングを判断し設定
できるようになることがわかる。
2のパルス継続時間pw2が同じでない場合は、共振周
期Tcとpw4は一致しないが、pw4は共振周期Tc
に対して若干シフトした値となるため、そのシフト量さ
え把握できれば共振周期Tcを代表値にすることは容易
である。
する。
も、任意の印加電位であってもよいという訳ではない。
インク吐出後のメニスカスの振動状態によって、それを
減衰させるに適切な印加電位がある(後述する図9・1
0参照)。
グで印加されていても、その印加電位(V3)が不適切
な場合、メニスカスが十分減衰しない場合が生じる。以
下に説明する。
ット記録装置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動
パルスとメニスカスの挙動の関係を説明する第2の図で
ある。
ようにメニスカスの振動が十分に減じられず、第3のパ
ルスの効果が半減してしまう(図8の一点鎖線)。
すぎる場合、第3のパルスはメニスカスの振動を減衰さ
せるというよりも、逆に激しい振動を発生させてしま
い、逆効果となってしまう(図8の点線)。
合と同様に、インク滴の吐出時のメニスカスの形成が不
安定となり、吐出するインク滴にミストが生じたり、吐
出曲がりや吐出ブレを引き起こし易い。
果的にメニスカスを減衰させるには、印加タイミングだ
けでなく印加電位(V3)も注意して設定する必要があ
る。
パルスの最適な印加電位を実験的に調査し、それに基づ
き設定することとした。
について調査した。
ット記録装置における第3パルスの印加電位とインク吐
出状態を示す図である。
(V1)との比の印加電位比(V3/V1)で示し、各
印加電位比における最大駆動周波数下でのインク滴の吐
出状況を示してある。
がTc=6.0μsであるインクジェット記録ヘッドを
用い、第2のパルスの継続時間(pw2)をpw2=3
μs、9μs、18μsと変え、インク吐出後のメニス
カスの振動エネルギー量を変化させ、それぞれの場合に
ついて印加電位比と吐出状態の関係を整理した。
定して吐出するには各pw2毎に最適な印加電位比で第
3のパルスを印加する必要があり、さらにpw2が短い
ほど、つまりインクの吐出エネルギーが強く、メニスカ
スの振動エネルギーが大きくなるほど、印加電位比を高
くする必要があることがわかった。
したようにメニスカスの振動を減衰させるというより
も、逆に激しい振動を発生させてしまい、逆効果となっ
てしまうことも確認した。
ルスの印加電位を確認した。
1から0.3の間で設定するのが良く、第2のパルスの
継続時間(pw2)が3μsの場合は印加電位比は約
0.2〜0.3が最適である。
で定義されているように、インクの圧縮性、圧力発生室
3の剛性に起因するコンプライアンスと、ノズル開口2
とインク供給口4等のインク流路の形状寸法に起因する
イナータンスの変化に伴いその振動周期および振動振幅
が変動する。
造上のインク流路の形状バラツキや、環境温度の変化で
あり、特にコンプライアンスは環境温度が変化するとイ
ンクの物性値はもちろんのこと、圧力発生室3を構成し
ている材料の剛性も変化するため、変動は比較的大き
い。
ーが変化しこれに伴い、第3パルスの最適な印加タイミ
ングおよび印加電位も変わってくることとなる。
イミングと印加電位の環境温度による変化について調査
した。
ット記録装置における共振周期Tcと環境温度の関係を
示す図である。また、図7は本発明の一実施例であるイ
ンクジェット記録装置における環境温度と吐出安定する
最適な第3のパルスの印加タイミングの関係を示す図で
ある。
い、共振周期Tcも長くなっていき、それに応じて最適
な第3のパルスの印加タイミングpw4も変化していく
ことがわかる。
加タイミングのままで駆動が行われると、環境温度の変
化により共振周期Tcが変化すると、最適なメニスカス
の制振が行なわれず、インク滴吐出が不安定となってし
まう可能性がある。
ルスの印加電位の関係についても調査した。
ェット記録装置における各温度環境下での第3パルスの
印加電位とインク吐出状態を示す第2の図である。図の
見方は図9に準じる。
℃)、低温下(15℃)での各環境温度下での調査結果
を示してある。
ってインクが安定して吐出する最適な印加電位比(V3
/V1)が異なり、温度が高いほど印加電位を高くする
ことが望ましいことがわかる。
し、メニスカスの振動の減衰状態が変化するためであ
る。
低下しインク吐出後のメニスカスの振動がより激しくな
るため、減衰させるには、より高い印加電位を加える必
要があり、一方、低温下の場合、インクの粘度が高くな
り、インク吐出後のメニスカスの振動が小さくなるた
め、少しの印加電位を加えればメニスカスが十分減衰で
きる。
保できない。
高温下まで通じて、第3のパルスの印加電位比がおよそ
0.5μs以上(つまり第3のパルスの印加電位が、第
1のパルスの印加電位よりも高くなる)となると、イン
クは安定して吐出しなくなる。 よって第3のパルスの
印加電位は、第1のパルスの印加電位よりも低い方が望
ましい。
は、環境温度検出手段140を設け、それにより環境温
度を検出して、駆動パルス制御手段130を介して、駆
動パルス発生手段130から出力される駆動パルスの第
3パルスの印加タイミングおよび印加電位を変化させる
ようにした。
イミングpw4を長く、印加電位比(V3/V1)を大
きく、環境温度が低いときは印加タイミングpw4を短
く、印加電位比を小さくするようにした。
ッドの場合、図11の様に低温(15℃)時→常温(2
5℃)時→高温(40℃)時において、 V3/V1=0.15→0.25→0.35 pw4=6.0μs→7.0μs→8.0μs と変化させるのがよい。
して直線的に変化させているが、ある温度範囲毎に階段
状に変化させても同様の効果が得られる。
3のパルスの継続時間は、第2のパルスの継続時間と同
じ時間とし、環境温度によらず一定時間とした。
したが、同じ継続時間でパルスを加えることで両方のパ
ルスにより引き起こされるメニスカスの振動がほぼ同周
期で発生するためであり、両者の振動が逆位相となった
場合、両パルスの継続時間が同じでない場合に比べ、効
果的にメニスカスの制振がおこなわれるためである。
継続時間により決定され、環境温度によりその印加電位
が変化しても、その継続時間は一定であることが望まし
い。
第2のパルスと同じ継続時間で印加し、かつ環境温度に
よってその印加タイミングと印加電位の双方を調整する
ことで、インク滴の吐出により発生したメニスカスの振
動が環境温度によって変化しても、最も圧力発生室3に
移動した段階で、第3のパルスにより圧力発生室3を最
適な膨張量で再び膨張させることができるため、メニス
カスの振動を効果的に減衰することができる。
いても、メニスカスの運動エネルギーの減衰不良による
インク滴の吐出不安定現象が抑制され、また、メニスカ
スの急速な静止により、繰り返し周波数に関わりなくメ
ニスカスを一定位置に静止させた状態でインク滴を吐出
させるため飛翔速度が安定する。このため、高駆動周波
数の駆動でも安定した吐出が確保できる。
の動作について説明する。
位(V3)まで充電し、圧電振動子9を微少収縮させて
印字信号が送られるまで、待機をする。電位(V3)ま
で充電する時間は、その駆動によってインク滴が吐出し
ない程度であればよく、第3パルスの継続時間程度の時
間で問題ない。
動パルスは電位(V3)から所定のパルスにより放電を
行い電位を零とする。この所要時間も、その駆動によっ
てインク滴が吐出しない程度であれば問題ない。
圧電振動子を使用したインクジェット記録ヘッドを例に
とって説明したが、充電により伸長する縦効果の圧電振
動子や、ユニモルフもしくはバイモルフ式にたわみ変形
する圧電振動板を使用しても同様の作用があることは明
らかである。
開口、およびインク供給口を介して共通インク室に連通
し、周期Tcのヘルムホルツ共振周波数を備えた圧力発
生室と、前記圧力発生室に当接する圧電振動子と、電位
変化により前記圧電振動子の収縮・膨張をおこない前記
圧力発生室を膨張・収縮させるインクジェット記録ヘッ
ドと、前記圧力発生室を膨張させる第1のパルスと、膨
張状態にある前記圧力発生室を収縮させて前記ノズルか
らインク滴を吐出させる第2のパルスと、前記第2のパ
ルス後に前記圧力発生室を再び拡大させる第3のパルス
を出力する駆動パルス発生手段と、環境温度検出手段に
よって検出した環境温度に基づき、前記第3のパルスの
印加電位を制御する駆動パルス制御手段とを備え、環境
温度が高い場合は第3のパルスの印加タイミングを長
く、印加電位比を大きく、環境温度が低いときは印加タ
イミングを短く、印加電位比を小さくするように変化さ
せるため、インク滴の吐出により発生したメニスカスの
振動挙動が環境温度によって変化しても、最も圧力発生
室に移動した段階で、第3のパルスを印加し圧力発生室
を再び膨張させることが可能となるため、この時点でノ
ズルに向かおうとしているメニスカスの運動エネルギー
を効果的に減衰させ、環境温度変化に対しても安定した
インク滴吐出を可能にできる。
駆動周波数が高くてもメニスカスを一定位置に静止させ
た状態でインク滴を吐出させるため、飛翔速度が安定
し、また、メニスカスの回復時間が早くなるため、応答
周波数が向上する。
置に使用するインクジェット記録ヘッドを示す断面図で
ある。
置を示すブロック図である。
置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動パルス形成
を説明する図である。
置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動パルスとメ
ニスカスの挙動の関係を説明する第2の図である。
置における共振周期Tcとインク滴の吐出が安定する最
適な第3のパルスの印加タイミングの関係を示す図であ
る。
置における共振周期Tcと環境温度の関係を示す図であ
る。
置における環境温度と吐出安定する最適な第3のパルス
の印加タイミングの関係を示す図である。
置におけるインクジェット記録ヘッドの駆動パルスとメ
ニスカスの挙動の関係を説明する第2の図である。
置における第3パルスの印加電位とインク吐出状態を示
す図である。
装置における第3パルスの印加電位とインク吐出状態を
示す第2の図である。
装置における環境温度と第3パルスの印加電位の設定テ
ーブルおよぶと環境温度と第3パルスの印加タイミング
の設定テーブルを示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ノズル開口、およびインク供給口を介し
て共通インク室に連通し、周期Tcのヘルムホルツ共振
周波数を備えた圧力発生室と、前記圧力発生室に当接す
る圧電振動子と、電位変化により前記圧電振動子の収縮
・膨張をおこない前記圧力発生室を膨張・収縮させるイ
ンクジェット記録ヘッドと、 前記圧力発生室を膨張させる第1のパルスと、膨張状態
にある前記圧力発生室を収縮させて前記ノズルからイン
ク滴を吐出させる第2のパルスと、前記第2のパルス後
に前記圧力発生室を再び拡大させる第3のパルスを出力
する駆動パルス発生手段と、 環境温度検出手段によって検出した環境温度に基づき、
前記第3のパルスの印加電位を制御する駆動パルス制御
手段とを有するインクジェット記録装置。 - 【請求項2】 前記第3のパルスの印加電位が、前記環
境温度が高いときは大きく、低いときは小さくなるよう
設定し、かつ前記第3のパルスの継続時間が環境温度に
よらず一定である請求項1記載のインクジェット記録装
置。 - 【請求項3】 前記第3のパルスの印加電位が、前記第
1のパルスの印加電位より低いことを特徴とする請求項
1記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項4】 前記第3のパルス開始のタイミングを環
境温度によって制御する駆動パルス制御手段を有する請
求項1記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項5】 前記第2のパルスの継続時間と前記第3
のパルスの継続時間が同じに設定され、前記第2パルス
開始から前記第3パルス開始までの時間が、前記圧力発
生室の周期Tcとほぼ一致した時間となるよう設定され
ている請求項1記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項6】 前記第2のパルス開始から前記第3のパ
ルス開始までの時間が、前記環境温度が高いときは長
く、低いときは短くなるよう設定されている請求項1記
載のインクジェット記録装置。 - 【請求項7】 前記第2のパルスの継続時間が前記環境
温度によらず一定である請求項1記載のインクジェット
記録装置。 - 【請求項8】 前記第3のパルスの継続時間が前記環境
温度によらず一定である請求項1記載のインクジェット
記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1291997A JP3580065B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1291997A JP3580065B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | インクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10202875A true JPH10202875A (ja) | 1998-08-04 |
JP3580065B2 JP3580065B2 (ja) | 2004-10-20 |
Family
ID=11818753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1291997A Expired - Lifetime JP3580065B2 (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3580065B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002200751A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-16 | Olympus Optical Co Ltd | インクジェット装置 |
JP2007076344A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2010023258A (ja) * | 2008-07-16 | 2010-02-04 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド |
US20110316915A1 (en) * | 2010-06-24 | 2011-12-29 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and method of controlling same |
-
1997
- 1997-01-27 JP JP1291997A patent/JP3580065B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002200751A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-16 | Olympus Optical Co Ltd | インクジェット装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3580065B2 (ja) | 2004-10-20 |
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