JP2007076344A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温時と高温時とではリフィル量が変化して、低周波駆動時と高周波駆動時とで吐出滴量の差が大きくなって、高周波駆動による安定して滴吐出を行なうことができない。
【解決手段】 最後の滴吐出駆動信号P5の引きを小さくし、押しを大きくするために、液滴を吐出させる滴吐出駆動信号P5の前に、液滴を吐出しない又は滴速度が相対的に遅い1又は複数の予備駆動信号P4を含む駆動波形を生成する駆動波形生成手段を備え、滴吐出駆動信号P5単独で液滴を吐出させたときの滴速度よりも予備駆動信号P4に続けた滴吐出駆動信号P5で液滴を吐出させたときの滴速度の方が相対的に速くなるようにする。
【選択図】 図7

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファックス/複写機複合機等の各種画像形成装置としては、記録液(例えばインク)の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド(印字ヘッド)をキャリッジに搭載して、このキャリッジを被記録媒体(以下「用紙」というが、材質を紙に限定するものではなく、また、記録媒体、記録紙、転写材などとも称される。)の搬送方向に対して直交する方向にシリアルスキャンさせるとともに、被記録媒体を記録幅に応じて間歇的に搬送し、搬送と記録を交互に繰り返すことによって被記録媒体に画像を形成(記録、印刷、印字、印写も同義で使用する。)するシリアル型画像形成装置、あるいはライン型ヘッドを備えたライン型画像形成装置がある。
このような画像形成装置において階調印刷を行なうために、例えば1印字周期内(1駆動周期内)で複数の駆動信号(駆動パルス)からなる共通駆動波形を生成し、この共通駆動波形の内から1又は複数の駆動信号を選択して、記録ヘッドの液滴を吐出させるエネルギーを発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)に対して印加することで、記録ヘッドから滴サイズが同じ又は異なる液滴を吐出させて、飛翔中に合体させることで、あるいは同じ着弾位置に複数滴を打ち込むことによって、大きさの異なるドットを形成するようにしたものがある。
ところで、このような画像形成装置における駆動波形に関して、例えば特許文献1には、1印刷周期内に、液滴を吐出させるために時系列的に出力する複数の吐出駆動パルスと、液滴を吐出させない程度にメニスカスに微振動を与える非吐出駆動パルスとして、圧力発生室を膨張させる第1の信号と、第1の信号の後、圧力発生室の膨張状態を保持する第2の信号と、第2の信号の後、圧力発生室を収縮させる第3の信号とを含む駆動パルスを発生することが記載されている。
特開2005−041039号公報
特許文献2には、圧力室の容積を増加させる第1の電位VLと、圧力室の容積を減少させる第2の電位VHと、第1電位VLと第2電位VHとの間の中間電位VMとを含む駆動信号をアクチュエータに供給する信号供給手段と、環境温度またはインクの温度を検出する温度検出手段とを備え、信号供給手段は、中間電位VM、第1電位VL、第2電位VH、中間電位VMの順に電位が変化する主駆動信号を少なくとも供給し、第2電位VHと第1電位VLとの差に対する中間電位VMと第1電位VLとの差の割合H=(VM−VL)/(VH−VL)を、温度検出手段の検出温度が低いほど1に近づけるように、検出温度に応じて0.5〜1の間で変化させることが記載されている。
特開2003−127369号公報
特許文献3には、1つのドットの直前および直後の噴射パルス信号の有無および該噴射パルス信号の駆動波形の形状にもとづいて、当該1ドットを形成する駆動波形を変更することが記載されている。
特開2001−301206号公報
ところで、上述したように、印字速度の高速化と高画質化を両立するために、同一のノズルから滴量の異なる複数の種類の液滴を吐出させ、一駆動周期内で複数の駆動信号を含む駆動波形を生成し、選択的に駆動信号を印加することで、小ドットから大ドットまでを形成することが行なわれている。
また、シリアル型画像形成装置では記録ヘッド及び被記録媒体が、ライン型画像形成装置では被記録媒体が、それぞれ移動することから、滴吐出タイミングと滴速度を調整することで、狙った画素位置に液滴を着弾させなければならない。
一方で、印字駆動周波数を上げることで更なる印字速度の高速化を図るために、大ドットを高周波で連続して吐出できるだけのリフィル量(圧力発生室への記録液の充填量)が必要となってくる。ここで、リフィル量は記録液の粘度が高くなる低温環境下において少なくなるため、温度環境によらず高速・高画質を得るためには、低温環境下でリフィル量が足りるような流体抵抗部の形状にする必要がある。圧力発生室を膨張させた場合、メニスカスを引き込むのと同時に流体抵抗部を通じて共通液室から圧力発生室へのリフィルによって記録液が流入する。
しかしながら、記録液温度が上がるにつれてリフィル量も多くなり、吐出滴量以上に記録液が圧力発生室に流入してくる。その結果、液滴吐出後のメニスカスは盛り上がった状態となってしまい、その状態で次の滴を吐出させた場合には、吐出が不安定になったり、吐出滴量が多くなったりしてしまう。また、そのリフィル量も記録液粘度によって異なるため、高周波駆動を行なった場合には、温度環境によって吐出滴量が異なってしまうという課題を生じている。
前述した特許文献2に記載のヘッドにあっては、温度を考慮しているものの、リフィル量の変化については何ら考慮されていないために、上述したように複数のパルス(駆動信号)によって大ドットを形成する場合、高周波で液滴を吐出させるときに温度環境によらず安定して液滴を吐出させることが難しいという課題がある。
また、特許文献3に記載の液滴吐出方法にあっては、大、中、小の各ドットと非噴射に対して、直前および直後のドットの有無及び駆動波形の種類に応じて駆動波形を変更するために、駆動波形の数が多くなり、設計コストの増加につながる。さらに、吐出チャンネルごとに駆動波形を選択するための構成が複雑になり、コストの増加につながり、しかも、印写パターンによって駆動波形を選択することは印刷処理時間の増加につながるという課題も有している。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、低周波駆動時と高周波駆動時の吐出滴量の差を小さくし、高周波駆動時の安定した滴吐出を行なうことができて、高速で高画質画像を形成できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、液滴を吐出させる滴吐出駆動信号の前に、液滴を吐出しない又は滴速度が相対的に遅い1又は複数の予備駆動信号を含む駆動波形を生成する手段を備え、滴吐出駆動信号単独で液滴を吐出させたときの滴速度よりも予備駆動信号に続けた滴吐出駆動信号で液滴を吐出させたときの滴速度の方が相対的に速い構成とした。
ここで、滴吐出駆動信号は予備駆動信号による圧力変動の共振タイミングで液滴を吐出させることが好ましい。また、予備駆動信号と滴吐出駆動信号とを順次印加したときに吐出される滴速度が目的とする滴速度であることが好ましい。
また、予備駆動信号は圧力発生室を膨張させる膨張波形要素を含み、滴吐出駆動信号は圧力発生室を膨張させる膨張波形要素及び膨張後収縮させる収縮波形要素を含み、予備駆動信号の膨張波形要素の電位差よりも滴吐出駆動信号の膨張波形要素の電位差が小さいことが好ましい。
さらに、滴吐出駆動信号は、滴吐出後の収縮状態にある圧力発生室を膨張させる波形要素を含み、この波形要素はそれ以前の波形要素による圧力発生室の圧力変動と逆位相で収縮させる構成、あるいは、滴吐出駆動信号は、滴吐出後の収縮状態にある圧力発生室を更に収縮させる波形要素及び収縮後膨張させる波形要素を含み、それぞれの波形要素は液滴を吐出させる波形要素までの波形要素による圧力発生室の圧力変動と逆位相で収縮、膨張させる構成とすることが好ましい。
また、滴吐出駆動信号は圧力発生室を膨張させる膨張波形要素及び膨張後収縮させる収縮波形要素を含み、膨張波形要素の電位差に対する収縮波形要素の電位差の比率が異なる複数の駆動波形を生成する手段を備えていることが好ましい。
この場合、膨張波形要素の電位差が収縮波形要素の電位差の2倍以上である構成、あるいは、3倍以上である構成とすることができる。また、環境温度に基づいて低温時は収縮波形要素の電位差に対する膨張波形要素の電位差の比率が小さい駆動波形を、高温時は収縮波形要素の電位差に対する膨張波形要素の電位差の比率が大きい駆動波形をそれぞれ出力することが好ましい。
さらに、滴吐出駆動信号は予備駆動信号を印加した状態から圧力発生室を収縮させる収縮波形要素と、収縮後圧力発生室を膨張させる膨張波形要素とからなる構成とすることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、液滴を吐出させる滴吐出駆動信号の前に、液滴を吐出しない又は滴速度が相対的に遅い1又は複数の予備駆動信号を含む駆動波形を生成する手段を備え、滴吐出駆動信号単独で液滴を吐出させたときの滴速度よりも予備駆動信号に続けた滴吐出駆動信号で液滴を吐出させたときの滴速度の方が相対的に速い構成としたので、大ドットを吐出させるための駆動信号によるリフィル量を少なくしてメニスカスの盛り上がりを小さくすることができ、高周波駆動時の吐出滴量の変化を抑えることができ、低周波駆動時と高周波駆動時の吐出滴量の差を小さくし、高周波駆動時の安定した滴吐出を行なうことができて、高速で高画質画像を形成できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。先ず、本発明に係る画像形成装置の機構部の一例について図1及び図2を参照して説明する。図1は同機構部の全体構成を説明する側面説明図、図2は同機構部の平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド1とガイドレール2とでキャリッジ3を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ4で駆動プーリ6Aと従動プーリ6Bとの間に張架したタイミングベルト5を介して図2で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ3には、例えば、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる4個の記録ヘッド7y、7c、7m、7k(色を区別しないときは「記録ヘッド7」という。)を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
キャリッジ3には、記録ヘッド7に各色のインクを供給するための各色のサブタンク8を搭載している。このサブタンク8にはインク供給チューブ9を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット10などの用紙積載部(圧板)11上に積載した用紙12を給紙するための給紙部として、用紙積載部11から用紙12を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)13及び給紙ローラ13に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド14を備え、この分離パッド14は給紙ローラ13側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙12を記録ヘッド7の下方側で搬送するため、用紙12を静電吸着して搬送するための搬送ベルト21と、給紙部からガイド15を介して送られる用紙12を搬送ベルト21との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ22と、略鉛直上方に送られる用紙12を略90°方向転換させて搬送ベルト21上に倣わせるための搬送ガイド23と、押さえ部材24で搬送ベルト21側に付勢された押さえコロ25とを備えている。また、搬送ベルト21表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ26を備えている。
ここで、搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ27とテンションローラ28との間に掛け渡されて、副走査モータ31からタイミングベルト32及びタイミングローラ33を介して搬送ローラ27が回転されることで、図2のベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト21の裏面側には記録ヘッド7による画像形成領域に対応してガイド部材29を配置している。また、帯電ローラ26は、搬送ベルト21の表層に接触し、搬送ベルト21の回動に従動して回転するように配置されている。
また、図2に示すように、搬送ローラ27の軸には、スリット円板34を取り付け、このスリット円板34のスリットを検知するセンサ35を設けて、これらのスリット円板34及びセンサ35によってロータリエンコーダ36を構成している。
さらに、記録ヘッド7で記録された用紙12を排紙するための排紙部として、搬送ベルト21から用紙12を分離するための分離爪51と、排紙ローラ52及び排紙コロ53と、排紙される用紙12をストックする排紙トレイ54とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット55が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット55は搬送ベルト21の逆方向回転で戻される用紙12を取り込んで反転させて再度カウンタローラ22と搬送ベルト21との間に給紙する。
さらに、図2に示すように、キャリッジ3の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド7のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構56を配置している。
この維持回復機56は、記録ヘッド7の各ノズル面をキャピングするための各キャップ57と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード58と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け59などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙12が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙12はガイド15で案内され、搬送ベルト21とカウンタローラ22との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド23で案内されて押さえコロ25で搬送ベルト21に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御部によってACバイアス供給部から帯電ローラ26に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト21が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト21上に用紙12が給送されると、用紙12が搬送ベルト21に静電力で吸着され、搬送ベルト21の周回移動によって用紙12が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド7を駆動することにより、停止している用紙12にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙12を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙12の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙12を排紙トレイ54に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト21を逆回転させることで、記録済みの用紙12を両面給紙ユニット61内に送り込み、用紙12を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ22と搬送ベルト21との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル21上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ54に排紙する
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ3は維持回復機構55側に移動されて、キャップ57で記録ヘッド7のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ57で記録ヘッド7をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド7のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード58でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行なう。これによって、記録ヘッド7の安定した吐出性能を維持する。
次に、記録ヘッド7を構成している液体吐出ヘッドの一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
この液滴吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び圧力発生室である液室106、液室106に流体抵抗部(供給路)107を通じてインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などを形成している。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図6では1列のみ図示)の積層型圧電素子121と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
また、圧電素子121には図示しない駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル12を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、このフレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。このフレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、更にフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。なお、このノズル板103の表面が前述したノズル面34aとなる。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。なお、この実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッドヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5のブロック図を参照して説明する。
この制御部200は、この装置全体の制御を司るCPU211と、CPU211が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC205とを備えている。
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行なうためのI/F206と、記録ヘッド7を駆動制御するためのデータ転送手段、本発明に係る駆動波形を生成する駆動波形生成手段を含む印刷制御部207、キャリッジ3側に設けた記録ヘッド107を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)208と、主走査モータ4及び副走査モータ31を駆動するためのモータ駆動部210と、帯電ローラ34にACバイアスを供給するACバイアス供給部212と、エンコーダセンサ43、35からの各検出信号、環境温度を検出する温度センサ215などの各種センサからの検出信号を入力するためのI/O213などを備えている。また、この制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作パネル214が接続されている。
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F206で受信する。
そして、制御部200のCPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ない、この画像データをヘッド駆動制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト側のプリンタドライバで行なっている。
印刷制御部207は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッドドライバ208に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成する駆動波形生成手段を含み、駆動波形をヘッドドライバ208に対して出力する。
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド7の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
また、CPU201は、リニアエンコーダを構成するエンコーダセンサ43からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ4に対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介して主走査モータ4を駆動する。同様に、ロータリエンコーダを構成するエンコーダセンサ35からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて副走査モータ31対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介しモータドライバを介して副走査モータ31を駆動する。
次に、この印刷制御部207及びヘッドドライバ208の一例について図6をも参照して説明する。
印刷制御部207は、上述したように、1印刷周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部301と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部302とを備えている。
なお、滴制御信号は、ヘッドドライバ208の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ317の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ208は、データ転送部302からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/CH)を入力するシフトレジスタ311と、シフトレジスタ311の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路312と、階調データと制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ313と、デコーダ313のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ315が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ314と、レベルシフタ314を介して与えられるデコーダ313の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ316とを備えている。
このアナログスイッチ316は、各圧電素子121の選択電極(個別電極)154に接続され、駆動波形生成部301からの共通駆動波形が入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と制御信号MN0〜MN3をデコーダ313でデコードした結果に応じてアナログスイッチ316がオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子121に印加される。
次に、この画像形成装置における駆動波形生成部で生成出力する本発明の第1実施形態に係る駆動波形について図7以降をも参照して説明する。
ここでは、駆動波形生成部301は、例えば図7(a)に示すように、時系列的に複数の駆動信号P1〜P5を生成出力する。したがって、データ転送部302から同図(b)に示すような滴制御信号M0〜M3を出力することによって、複数の駆動信号P1〜P5を選択して圧電素子121に印加することができる。なお、駆動信号P4は本発明における予備駆動信号、駆動信号P5は同じく滴吐出駆動信号である。
つまり、滴制御信号M1では駆動信号P2が選択されて記録ヘッド7からは小ドットを形成する液滴(小滴)が吐出され、滴制御信号M2では駆動信号P1、P2が選択されて記録ヘッド7からは2つの液滴が吐出されて飛翔中に合体することで中ドットを形成する液滴(中滴)が吐出され、滴制御信号M3では駆動信号P1〜P5が選択されて記録ヘッド7からは駆動信号P1、P2、P3、P5に対応して4つの液滴が吐出されて飛翔中に合体することで大ドットを形成する液滴(大滴)が吐出されることになる。
そこで、本発明における予備駆動信号P4及び滴吐出駆動信号P5の詳細について図8を参照して説明する。
ここでの駆動信号P5による液滴吐出は、圧電素子121に予め中間電位VMを印加した状態から電位を立ち下げて液室106を膨張させた後、中間電位VMよりも高い電位VHにして液室106を収縮させることで液滴を吐出させる引き−押し打ちで行なうものとする。
予備駆動信号P4は、中間電位VMから立ち下がることで液室106を膨張させる膨張波形要素aと、この波形要素aに続いて電位を保持する波形要素bと、波形要素bに続いて中間電位VMまで立ち上がる波形要素cとで構成している。ここでは、予備駆動信号P4を印加しても滴吐出が行われない波形要素にしているが、予備駆動信号P4に続けて滴吐出駆動信号P5を印加したときよりも滴速度が遅い滴吐出が行われる波形要素とすることもできる。
滴吐出駆動信号P5は、中間電位VMから立ち下がることで液室106を膨張させる膨張波形要素dと、この波形要素dに続いて電位を保持する波形要素eと、波形要素eに続いて中間電位VMを越えて電位VHまで立ち上がることで液室106を収縮させる波形要素fと、この波形要素fに続いて電位を保持する波形要素gと、波形要素gに続いて中間電位VMまで立ち下がることで液室106を膨張させる波形要素hとで構成している。
ここで、滴吐出駆動信号P5単独で液滴を吐出させたときの滴速度よりも予備駆動信号P4に続けた滴吐出駆動信号P5で液滴を吐出させたときの滴速度の方が相対的に速くなる波形要素としている。
そして、滴吐出駆動信号P5は、予備駆動信号P4によって発生する液室106内の圧力変動と同位相になるタイミングで波形要素fが出力される波形としている。つまり、滴吐出駆動信号P5は予備駆動信号P4による圧力変動の共振タイミングで液滴を吐出させるようにしている(図9参照)。また、滴吐出駆動信号P5の膨張波形要素dの電位差は予備駆動信号P4の膨張波形要素aの電位差よりも小さくしている。
したがって、予備駆動信号P4を印加することで、液室106が膨張して圧力振動が発生すると同時に、流体抵抗部107を通じて液室106内にインクが流入する。液室106内にインクが流入し、ノズル104のインクメニスカスが盛り上がった状態になる。このタイミングで、滴吐出駆動信号P5を印加することにより、メニスカスに溜まったインク滴を吐出させることができる(図9参照)。
このように、滴吐出駆動信号P5は予備駆動信号P4による圧力波を利用することにより、中間電位VMから液室106を膨張させる膨張波形用紙dの立ち下がり電位VLが小さくしても、所要の滴速度で液滴を吐出させることができる。
また、液室106を膨張させる波形要素dが小さいため、滴吐出駆動信号P5による液室106内へのインクの流入は少なくなり、液滴吐出後のメニスカスの盛り上がりは小さくなり、高周波駆動時にも吐出滴量を一定に保つことができる。
なお、滴吐出駆動信号P5の滴吐出後の電位を電位VHから中間電位VMへと戻して液室106を膨張させる膨張波形要素hのタイミングを、滴吐出後の液室106内の残留圧力が正圧となるときする。すなわち、圧力の逆位相になるタイミングとすることにより、制振効果を生み出し、メニスカス状態を安定にすることができる。つまり、滴吐出後の圧力の残留振動と逆位相になるように圧力発生室を膨張させることで、圧力の残留振動をすばやく抑制し、高周波駆動時の滴吐出の安定性がより向上する。
このように、液滴を吐出させる滴吐出駆動信号の前に、液滴を吐出しない又は滴速度が相対的に遅い1又は複数の予備駆動信号を含む駆動波形を生成し、滴吐出駆動信号単独で液滴を吐出させたときの滴速度よりも予備駆動信号に続けた滴吐出駆動信号で液滴を吐出させたときの滴速度の方が相対的に速いので、液滴吐出に伴うリフィル量を少なくすることができ、低周波駆動時と高周波駆動時で吐出滴量を略一定に保つことができる。つまり、最後の液滴を吐出させる滴吐出駆動信号の引きをなるべく小さくしてリフィル量を少なくし、押しをなるべく大きくすることで、吐出滴量を略一定に保つために、最後の滴吐出駆動信号の前の予備振動を利用することによって、滴吐出駆動信号単独で液滴を吐出させたときの滴速度よりも予備駆動信号に続けた滴吐出駆動信号で液滴を吐出させたときの滴速度の方が相対的に速くなるようにする。
また、滴吐出駆動信号は予備駆動信号による圧力変動の共振タイミングで液滴を吐出させることにより、圧力の共振を利用することで効率よく吐出させることができるため、特に、最後の駆動信号により圧力発生室を膨張させたときに共通液室から流入するインク量を少なくし、低周波駆動時と高周波駆動時の吐出滴量の差を小さくし、高周波駆動時の安定した吐出を行なうことができる。
さらに、予備駆動信号と滴吐出駆動信号とを順次印加したときに吐出される滴速度が目的とする滴速度であることで、低周波駆動時と高周波駆動時の吐出滴量の差を小さくし、高周波駆動時の安定した吐出を行なうことができる。
また、予備駆動信号は圧力発生室を膨張させる膨張波形要素を含み、滴吐出駆動信号は圧力発生室を膨張させる膨張波形要素及び膨張後収縮させる収縮波形要素を含み、予備駆動信号の膨張波形要素の電位差よりも滴吐出駆動信号の膨張波形要素の電位差が小さいことで、上述したように最後の駆動信号により圧力発生室を膨張させたときに共通液室から流入するインク量を少なくし、低周波駆動時と高周波駆動時の吐出滴量の差を小さくし、高周波駆動時の安定した吐出を行なうことができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る駆動波形について図10を参照して説明する。
ここでの滴駆動信号P5は、液室106を収縮させて滴を吐出させる波形要素fに続いて保持する波形要素gの後、電位VHから更に電位VH2まで立ち上がって収縮した液室106を更に収縮させる波形要素iと、この波形要素iに続いて電位VH2から中間電位VMまで立ち下がる波形要素h2とを含んでいる。
つまり、上記第1実施形態では、滴吐出後の圧力が正圧の時に液室106を膨張させて(波形要素hで)制振させていたが、この第2実施形態では、滴吐出後の電位VHの後、残留圧力が負となるタイミングで、さらに液室106を収縮させる電位VH2とし(波形要素iで)、残留圧力が正となるタイミングで液室106を膨張させるように中間電位VMまで戻している(波形要素h2で)。
これにより、第1実施形態よりも強い制振効果を得ることができる。つまり、滴吐出後の圧力の残留振動と逆位相になるように圧力発生室を更に収縮させ、膨張させることで、圧力の残留振動をより強く抑制し、高周波駆動時のより安定した吐出を行なうことができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る駆動波形について図11を参照して説明する。
ここでは、滴吐出駆動信号P5の前に、複数(ここでは3個)の予備駆動信号P41、P42、P43を与える波形としている。なお、各予備駆動信号P41、P42、P43の波形要素a、b、cにはそれぞれ「1」、「2」、「3」のサブ符号を付している。これらの予備駆動信号P41、P42、P43は同じ波形であっても異なる波形であっても良い。
このように、複数の予備駆動波形を印加することで、第1及び第2実施形態よりも大きな滴量を、任意に吐出させることができる。
次に、本発明の第4実施形態に係る駆動波形について図12を参照して説明する。
この実施形態では、同図(a)に示す予備駆動信号P401と滴吐出駆動信号P501とからなる低温用駆動波形PLと、同図(b)に示し予備駆動信号P402と滴吐出駆動信号P502とからなる常温用駆動波形PMと、同図(c)に示す予備駆動信号P403と滴吐出駆動信号P503とからなる高温用駆動波形PHとを生成出力する手段を備えている。
ここで、滴吐出駆動信号P501、P502、P503は、中間電位VMから液室106を膨張させる波形要素dの電位VLの電位差に対する電位VLから液室106を収縮させる波形要素fの電位VHまでの電位差の比率を異ならせ、高温用駆動波形PHではその比率を2倍以上、好ましくは3倍以上にする。
具体的には、低温用駆動波形PLの予備駆動信号P401の波形要素a及び滴吐出駆動信号P501の波形要素dの電位差は常温用駆動波形PMの予備駆動信号P402の波形要素a及び滴吐出駆動信号502の波形要素dの電位差よりも大きく、高温用駆動波形PHの予備駆動信号P403の波形要素a及び滴吐出駆動信号P503の波形要素dの電位差は常温用駆動波形PMの予備駆動信号P402の波形要素a及び滴吐出駆動信号502の波形要素dの電位差よりも小さい。
前述したように、記録液(インク)の粘度は環境温度が低くなるほど高くなる、つまり、流動性が低下することから、リフィル量は、記録液の粘度が高くなる低温環境下において少なくなり、記録液の低くなる高温環境下において多くなる。そこで、低温環境下で用いる低温用駆動波形PLでは液室106を膨張させる電位差を高くして(より膨張させて)リフィル量を確保し、高温環境下で用いる高温用駆動波形PHでは液室106を膨張させる電位差を低くして(より膨張させないで)リフィル量を制限することにより、吐出後のメニスカス状態を温度環境によらず一定にすることができ、温度によらず均一な滴を吐出を行なうことができる。
ここで、駆動波形の切り替えは、図13に示すように、温度センサ215からの検知信号に基づいて環境温度を検出し、検出温度を予め定めた低温、常温、高温の温度区域(区分)と比較して、低温、常温、高温のいずれであるかを判別し、判別した結果に応じて、低温の場合には低温用駆動波形PLを生成する駆動波形データを選択し、常温の場合には常温用駆動波形PMを生成する駆動波形データを選択し、高温の場合には高温用駆動波形PHを生成する駆動波形データを選択して、それぞれ駆動波形を生成出力するようにする。
次に、本発明の第5実施形態に係る駆動波形について図14を参照して説明する。
この駆動波形は、予備駆動信号P4と滴吐出駆動信号P5の液室106を収縮させて滴を吐出させる波形要素fの前に、液室106を膨張させる波形要素eを持たない波形としている。
前述したように、温度によって、リフィル量が異なることから使用する記録液によっては、このように波形要素fの前に、液室106を膨張させる波形要素eを持たない波形とすることで、液室106に記録液を流入しないようにし、低周波駆動時と高周波駆動時の吐出滴量の差を小さくし、高周波駆動時の安定吐出を行なう。
なお、上記実施形態においては、本発明をプリンタ構成のシリアル型画像形成装置で説明したがこれに限るものではなく、プリンタ/ファクシミリ/コピアの複合機(MFP)構成のシリアル型画像形成装置、その他、ライン型画像形成装置などにも適用することができる。
本発明に係る画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面説明図である。 同機構部の平面説明図である。 同画像形成装置における記録ヘッドを構成する液体吐出ヘッドの一例を示す液室長手方向に沿う断面説明図である。 同じく液室短手方向に沿う断面説明図である。 同画像形成装置における制御部の概要を説明するブロック説明図である。 印刷制御部及びヘッドドライバの一例を示すブロック説明図である。 本発明の第1実施形態に係る駆動波形を説明する説明図である。 同じく同駆動波形の予備駆動信号及び滴吐出駆動信号の部分の拡大説明図である。 同予備駆動信号及び滴吐出駆動信号と液室圧力変化との関係の説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態に係る駆動波形の予備駆動信号及び滴吐出駆動信号の部分の拡大説明図である。 本発明の第3実施形態に係る駆動波形の予備駆動信号及び滴吐出駆動信号の部分の拡大説明図である。 本発明の第4実施形態に係る温度に対応する駆動波形の予備駆動信号及び滴吐出駆動信号の部分の拡大説明図である。 同実施形態に駆動波形選択処理の説明に供するフロー図である。 本発明の第5実施形態に係る駆動波形の予備駆動信号及び滴吐出駆動信号の部分の拡大説明図である
符号の説明
3…キャリッジ
7…記録ヘッド
7k、7c、7m、7y…記録ヘッド
104…ノズル
106…液室(圧力発生室)
121…圧電素子(圧力発生手段)
207…印刷制御部
208…ヘッドドライバ
301…駆動波形生成部
302…データ転送部

Claims (11)

  1. 記録液の液滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する圧力発生室と、この圧力発生室の記録液を加圧する圧力を発生させる圧力発生手段とを有する記録ヘッドと、この記録ヘッドの前記圧力発生手段に対して印加する、時系列的な複数の駆動信号からなる駆動波形を生成する駆動波形生成手段とを備える画像形成装置において、
    液滴を吐出させる滴吐出駆動信号の前に、液滴を吐出しない又は滴速度が相対的に遅い1又は複数の予備駆動信号を含む駆動波形を生成する手段を備え、前記滴吐出駆動信号単独で液滴を吐出させたときの滴速度よりも前記予備駆動信号に続けた前記滴吐出駆動信号で液滴を吐出させたときの滴速度の方が相対的に速いことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記滴吐出駆動信号は前記予備駆動信号による圧力変動の共振タイミングで液滴を吐出させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記予備駆動信号と滴吐出駆動信号とを順次印加したときに吐出される滴速度が目的とする滴速度であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記予備駆動信号は前記圧力発生室を膨張させる膨張波形要素を含み、前記滴吐出駆動信号は前記圧力発生室を膨張させる膨張波形要素及び膨張後収縮させる収縮波形要素を含み、前記予備駆動信号の膨張波形要素の電位差よりも前記滴吐出駆動信号の膨張波形要素の電位差が小さいことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記滴吐出駆動信号は、滴吐出後の収縮状態にある前記圧力発生室を膨張させる波形要素を含み、この波形要素はそれ以前の波形要素による前記圧力発生室の圧力変動と逆位相で収縮させることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記滴吐出駆動信号は、滴吐出後の収縮状態にある前記圧力発生室を更に収縮させる波形要素及び収縮後膨張させる波形要素を含み、それぞれの波形要素は前記液滴を吐出させる波形要素までの波形要素による前記圧力発生室の圧力変動と逆位相で収縮、膨張させることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記滴吐出駆動信号は前記圧力発生室を膨張させる膨張波形要素及び膨張後収縮させる収縮波形要素を含み、前記膨張波形要素の電位差に対する前記収縮波形要素の電位差の比率が異なる複数の駆動波形を生成する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7に記載の画像形成装置において、前記膨張波形要素の電位差が前記収縮波形要素の電位差の2倍以上であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7に記載の画像形成装置において、前記収縮波形要素の電位差が前記膨張波形要素の電位差の3倍以上であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、環境温度に基づいて低温時は前記収縮波形要素の電位差に対する前記膨張波形要素の電位差の比率が小さい駆動波形を、高温時は前記収縮波形要素の電位差に対する前記膨張波形要素の電位差の比率が大きい駆動波形をそれぞれ出力することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記滴吐出駆動信号は前記予備駆動信号を印加した状態から前記圧力発生室を収縮させる収縮波形要素と、収縮後前記圧力発生室を膨張させる膨張波形要素とからなることを特徴とする画像形成装置。
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