JPH10202690A - インサートフィルム、インサート成形品およびその製造方法 - Google Patents

インサートフィルム、インサート成形品およびその製造方法

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JPH10202690A
JPH10202690A JP9028455A JP2845597A JPH10202690A JP H10202690 A JPH10202690 A JP H10202690A JP 9028455 A JP9028455 A JP 9028455A JP 2845597 A JP2845597 A JP 2845597A JP H10202690 A JPH10202690 A JP H10202690A
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insert
film
resin
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insert film
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Fujio Mori
富士男 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形樹脂の形状に沿ってインサートフィルムが
密着することができるインサートフィルム、インサート
成形品およびその製造方法を提供する。 【解決手段】基体シート2上に少なくとも図柄層3が形
成されたインサートフィルム1において、基体シート2
が厚さ200μm以下の無延伸分解性プラスチックフィル
ムからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インサート成形
品を廃棄しても公害問題を起こすことがないインサート
フィルム、インサート成形品およびその製造方法に関す
る。とくに、化粧品容器、電気製品、生活用品などの加
飾に利用できるインサートフィルムとして好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】物品の表面を装飾する方法として、イン
サート成形法がある。インサート成形法とは、基体シー
ト上に図柄層を形成したインサートフィルムを射出成形
用金型内に供給し、成形品の成形と同時にインサートフ
ィルムを成形品に一体的に貼り付ける方法である。イン
サート成形法は、金型内で成形と同時にインサートフィ
ルムの貼り付けができるため、製造工程を非常に簡略化
できる。また、溶融樹脂の射出圧力によりインサートフ
ィルムが伸ばされ、金型に追随するため、3次元形状の
成形品を容易に得ることができるといった利点がある。
【0003】インサート成形法で得たインサート成形品
は、成形品自身もインサートフィルムもプラスチック製
である。インサート成形品を廃棄する方法としては、燃
やすか、土中に埋めるか、海中に投棄するなどの方法が
ある。しかし、インサート成形品であるプラスチックを
燃やすと、燃焼熱を発するものが多く、大気の温暖化を
促進したり、大気を汚染したりする公害問題が生じる。
また土中に埋めたり、海中に投棄したりする場合も、プ
ラスチックは分解しないため、やはり公害問題が生じ
る。
【0004】そこで、成形品自身およびインサートフィ
ルムを分解性プラスチックで構成することが考えられ
る。分解性プラスチックとしては、微生物により分解す
る生分解プラスチックと、紫外線などの光により分解す
る光分解性プラスチックとがある。いずれの分解性プラ
スチックも分解されて低分子化合物となり、最終的には
炭酸ガスと水になるため、公害問題を生じない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】分解性プラスチックフ
ィルムで印刷が施されたものとしては、一般包装用フィ
ルム、食品包装用フィルムなどがあるが、これらは引っ
張り強度や寸法安定性を高めるために2軸延伸された分
解性プラスチックフィルムを使用している。しかし、2
軸延伸分解性プラスチックフィルムをインサートフィル
ムの基体シートとして使用した場合は、立ち上がりのあ
る成形品では、その形状にフィルムを追随させることが
困難である。
【0006】したがって、この発明は、上記のような問
題点を解消し、成形樹脂の形状に沿ってインサートフィ
ルムが密着することができるインサートフィルム、イン
サート成形品およびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のインサートフ
ィルム、インサート成形品およびその製造方法は、以上
の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0008】つまり、この発明のインサートフィルム
は、基体シート上に少なくとも図柄層が形成されたイン
サートフィルムにおいて、基体シートが厚さ200μm以
下の無延伸分解性プラスチックフィルムからなるように
構成した。
【0009】上記の発明において、基体シートの厚みが
30〜125μmであるように構成してもよい。
【0010】また、この発明のインサート成形品は、請
求項1〜2に記載のインサートフィルムがプラスチック
成形品表面に積層され、インサートフィルムの立ち上が
りが3mm以上であるように構成した。
【0011】上記の発明において、プラスチック成形品
が分解性プラスチックからなるように構成してもよい。
【0012】また、この発明のインサート成形品の製造
方法は、請求項1〜2に記載のインサートフィルムを金
型内に配置し、成形樹脂を射出することにより、インサ
ートフィルムがプラスチック成形品表面に積層され、イ
ンサートフィルムの立ち上がりが3mm以上であるプラ
スチック成形品を得るように構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0014】図1は、この発明のインサートフィルムの
一実施例を示す断面図である。図2は、この発明のイン
サート成形品の製造工程の一実施例を示す断面図であ
る。図3は、この発明のインサート成形品の一実施例を
示す断面図である。図中、1はインサートフィルム、2
は基体シート、3は図柄層、4は接着層、5は金型、6
は成形樹脂、7は射出孔、8はインサート成形品、9は
熱源、10は吸引孔である。
【0015】この発明のインサートフィルム1は、基体
シート2上に少なくとも図柄層3が形成されたインサー
トフィルム1において、基体シート2が厚さ200μm以
下の無延伸分解性プラスチックフィルムからなるもので
ある(図1参照)。
【0016】基体シート2として厚さ200μm以下の分
解性プラスチックからなる無延伸フィルムを用いる。無
延伸フィルムは、2軸延伸フィルムに比べて、成形加工
性が高いものである。プラスチックフィルムは、通常、
溶融押出法、キャスティング法、カレンダー法などの成
膜法により成膜したフィルムを、融点以下二次転移点以
上の温度で一方向または縦横二方向に延伸して配向させ
改質している。無延伸フィルムとは、延伸をせず、成膜
したままの状態のフィルムのことであり、配向・結晶化
した部分がほとんどなく、無定形状態になっている。基
本物性として、ポリ乳酸系樹脂フィルムの場合、JIS
K−7127の測定法で、フィルムの流れ方向および幅
方向とも、引張強度1300kgf/cm2以下、引張伸度1000%
未満の特性を有する。
【0017】基体シート2の材質としては、分解性プラ
スチックを用いる。分解性プラスチックとしては、微生
物により分解する生分解プラスチックと、紫外線などの
光により分解する光分解性プラスチックとがある。いず
れも分解されて低分子化合物となり最終的には炭酸ガス
と水になると考えられている。
【0018】生分解性プラスチックはその全部または一
部が、土中または水中のバクテリア、菌類、藻類などの
微生物の働きで、二酸化炭素、水、メタンなどの低分子
化合物に分解される高分子物または配合物を含むもので
ある。生分解性プラスチックとしては、次のようなもの
がある。
【0019】(1)化学合成脂肪族ポリエステル系樹脂
(ポリエステルオレフィン系樹脂、ポリエステルアミド
系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂など) (2)天然高分子ポリビニルアルコール系樹脂(澱粉変
性ポリビニルアルコール共重合体系樹脂、エチレンポリ
ビニルアルコール共重合体系樹脂など) (3)天然高分子澱粉ポリカプロラクトン系樹脂 (4)天然高分子セルロース系樹脂 (5)化学合成ポリ乳酸系樹脂 (6)微生物生産ポリエステル系樹脂(ポリヒドロキシ
アルカノエート系樹脂など)
【0020】光分解性プラスチックは、太陽光線中の紫
外線などの光で高分子鎖が切れて低分子化合物に分解さ
れるポリマーである。光分解性プラスチックとしては、
次のようなものがある。 (1)一酸化炭素とポリエチレンの共重合体系樹脂 (2)二酸化炭素とポリエチレンの共重合体系樹脂
【0021】また、上記した各材料どうしのポリマーア
ロイや、ポリエチレンに澱粉や植物性油などの生分解誘
引剤を混ぜて生分解するようにした分解性プラスチック
を用いてもよい。分解性プラスチックを基体シート2と
して用いるためにフィルム化する方法としては、インフ
レーションフィルム成形法、押出成形法などによる方法
が一般的である。
【0022】基体シート2の厚みは200μm以下にす
る。基体シート2の厚みが200μmを越えると、輪転印
刷機にフィルムを通すことが難しくなり、印刷生産性が
大幅に低下する。また、真空成形法などで予備成形する
際に多大な熱を加える必要があり、成形効率が大きく低
下する。とくに、基体シート2の厚みは、30〜125μm
であるのが好ましい。基体シート2の厚みが125μmを
越えると、肉厚が薄い成形品の場合、成形樹脂6の射出
圧力や熱によって図柄層3などが損なわれることがあ
る。また、基体シート2の厚みが30μmに満たないと、
印刷工程の乾燥時に加わる熱でインサートフィルム1が
伸縮して印刷精度が低くなったり、予備成形する際に局
所的に熱が加わって図柄層3が歪んだり、インサート成
形時にインサートフィルム1にしわが生じたりするとい
う不具合がある。
【0023】図柄層3は、通常は印刷層として形成す
る。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
エステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、
アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の
顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用
いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印
刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の
印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現
を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適し
ている。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロ
ールコート法、コンマコート法などのコート法を採用す
ることもできる。印刷層は、表現したい図柄に応じて、
全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。
【0024】また、図柄層3は、金属薄膜層からなるも
の、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからな
るものでもよい。金属薄膜層は、図柄層3として金属光
沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタ
ーリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形
成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、イン
ジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これら
の合金または化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を
形成する場合の一例としては、金属薄膜層を必要としな
い部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面
的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹
脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この
場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。ま
た、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次
に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成
し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層
を除去する方法がある。なお、金属薄膜層を設ける際
に、他の転写層と金属薄膜層との密着性を向上させるた
めに、前アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。前
アンカー層および後アンカー層の材質としては、2液性
硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹
脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、
塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹
脂、ビニル系共重合体樹脂樹脂などを使用するとよい。
前アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、
グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法な
どのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など
の印刷法がある。
【0025】また、図柄層3は、分解性プラスチックを
含むように形成してもよい。分解性プラスチックを含む
図柄層3を形成するには、分解性プラスチックを各印刷
法または各コート法に適したインキにする必要がある。
分解性プラスチックは常温では固体であり、インキ化す
るには細かく粉砕し適当な溶媒に溶かすことが必要であ
る。分解性プラスチックは一般の有機溶媒には溶解しに
くいので、少量のアンモニアなどのアルカリ性水溶化剤
や、クロロフェノール、ヘキサフロロイソプロパノール
などのハロゲン化炭化水素で樹脂をいったん溶解した
後、これと混合できる溶媒を添加するのが好ましい。分
散剤としては、溶媒が油性の場合は、脂肪酸エステル、
アミン脂肪酸などが、溶媒が水性の場合は、スチレンマ
レイン酸、ポリアクリル酸誘導体などが好ましい。顔料
としては、インジゴ、アリザリン、カーサミン、アント
シアニン、フラボノイド、シコニンなどの植物色素やア
ゾ、キサンテン、トリフェニルメタンなどの食用色素、
黄土、緑土などの天然無機顔料のほか、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、アルミニウムレーキ、マダーレーキ、
コチニールレーキなどが好ましい。
【0026】また、図柄層3は、ポリビニルアルコール
やアクリルなどの水溶性樹脂により構成してもよい。
【0027】また、図柄層3の耐磨擦性向上のために、
図柄層3中にワックスなどを含有させてもよい。ワック
スとしては脂肪酸エステル、パルミチン酸グリセリド、
パルミチン酸エステル、ステイン、パラフィンなどの天
然ワックス系が好ましい。
【0028】接着層4は、成形樹脂6にインサートフィ
ルム1を接着するものであり、必要に応じて形成すると
よい。接着層4としては、成形樹脂6の素材に適した感
熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、
成形樹脂6の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系
樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂6の材質がポリフ
ェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系
ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるア
クリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂
などを使用すればよい。さらに、成形樹脂6の材質がポ
リプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹
脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴ
ム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層4
の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート
法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、
スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0029】なお、上記のインサートフィルム1の層構
成は、インサートフィルム1の一例であり、このほかの
層構成であってもよい。たとえば、図柄層3が接着層4
の機能を兼ね備えている場合には、接着層4を省略する
ことができる。
【0030】インサートフィルム1を利用してインサー
ト成形品8を得るには、次のようにするとよい。
【0031】まず、可動型と固定型とからなる成形用金
型5内にインサートフィルム1を送り込む。その際、枚
葉のインサートフィルム1を1枚づつ送り込んでもよい
し、長尺のインサートフィルム1の必要部分を間欠的に
送り込んでもよい。長尺のインサートフィルム1を使用
する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、
インサートフィルム1の図柄層3と成形用金型5との見
当が一致するようにするとよい。また、インサートフィ
ルム1を間欠的に送り込む際に、インサートフィルム1
の位置をセンサーで検出した後にインサートフィルム1
を可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ
位置でインサートフィルム1を固定することができ、図
柄層3の位置ずれが生じないので便利である。成形用金
型5を閉じた後、固定型に設けたゲートより溶融樹脂を
金型5内に射出充満させ、成形品を形成するのと同時に
その面にインサートフィルム1を接着させる。
【0032】成形樹脂6としては、分解性プラスチック
を用いるのが好ましい。また、成形樹脂6は、着色され
ていても、着色されていなくてもよい。生分解性プラス
チック以外で成形樹脂6として用いることができる樹脂
としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を
挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・
ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリア
セタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変
性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分
子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂
やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹
脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポ
リエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパー
エンジニアリング樹脂を使用することもできる。さら
に、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した
複合樹脂も使用できる。
【0033】成形品を冷却した後、成形用金型5を開い
てインサートフィルム1成形品を取り出してインサート
成形が完了する(図3参照)。
【0034】また、次のようにしてインサート成形品8
を得ることができる(図2参照)。インサートフィルム
1を、インサートフィルム1送り装置などを使用して、
射出孔7を有するコア型と、凹部を有するキャビティ型
との間に配置し、クランプなどの手段でキャビティ型の
周囲に固定する。次に、熱源9によりインサートフィル
ム1を加熱軟化させるとともにキャビティ型側から真空
吸引してキャビティ型の表面に密着させる。キャビティ
型とコア型を型締めし、インサートフィルム1とコア型
との間に密閉空間を形成する。この空間に溶融した成形
樹脂6を射出する。キャビティ型とコア型を型開きすれ
ば、インサートフィルム1と成形樹脂6とが一体化した
インサート成形品8を得ることができる(図3参照)。
【0035】また、次のようにしてインサート成形品8
を得ることができる。まず、インサートフィルム1を、
凹部を有する予備成形型にクランプなどの手段で固定
し、次に、熱源9によりインサートフィルム1を加熱軟
化させるとともに予備成形型側から真空吸引して予備成
形型の表面に密着させる。次いで真空吸引を解除し、予
備成形型からインサートフィルム1を取り出す。このよ
うにして、予備成形したインサートフィルム1を得るこ
とができる。次いで、予備成形したインサートフィルム
1を、射出孔7を有するコア型と、凹部を有するキャビ
ティ型との間に配置し、クランプなどの手段でキャビテ
ィ型の周囲に固定する。次に、キャビティ型とコア型を
型締めし、インサートフィルム1とコア型との間に密閉
空間を形成する。この空間に溶融した成形樹脂6を射出
し、キャビティ型とコア型を型開きすれば、インサート
フィルム1と成形樹脂6とが一体化したインサート成形
品8を得ることができる(図3参照)。
【0036】
【実施例】厚さ100μmの無延伸ポリ乳酸フィルム(三
井東圧化学製レイシア)を基体シートとし、その上に、
図柄層として下記のインキ組成物を用いて、インサート
フィルムを得た。
【0037】図柄層用インキ組成物 バインダー 水溶性アクリル樹脂 60重量% 顔料 酸化鉄 38重量% ワックス パルミチン酸グリセリド 2重量%
【0038】このようにして得たインサートフィルムを
用い、インサート成形法でポリ乳酸(島津製作所製ラク
ティ)を成形樹脂温度130〜150℃、金型温度25〜40℃の
条件で成形加工を行ってインサート成形品を得た。
【0039】このようにして得たインサート成形品は、
角部Rが0.5mm以上であれば、立ち上がりが3mm以上の
深絞り成形品に対しても、何の問題もなくインサート成
形可能であった。
【0040】比較例として、厚さ100μmの2軸延伸ポ
リ乳酸フィルム(三井東圧化学製レイシア)を基体シー
トとし、その上に、実施例1と同様のインキ組成物を用
いて図柄層を形成し、インサートフィルムを得た。次い
で、実施例1と同様にしてインサート成形品を製造し
た。
【0041】このようにして得たインサート成形品は、
角部R2.5mmで立ち上がりが3mmのテスト平板状成形品
では何の問題もなく成形可能であった。しかし、立ち上
がりが3mm以上の成形品では、平板の中央部でインサー
トフィルムが破断し、また、角部Rが2.5mm以下の成形
品では角部でインサートフィルムが破断した。
【0042】
【発明の効果】この発明は、前記した構成からなるの
で、次のような効果を有する。
【0043】この発明のインサートフィルムは、金型の
形状に追随するので、インサート成形品の表面に破断す
ることなく密着する。また、型内または型外で真空成形
により、様々な形状にプレフォームすることができ、角
のRが小さく立ち上がりが大きい深絞り成形品にも適用
できる。
【0044】また、この発明のインサート成形品および
その製造方法は、金型の形状に追随するインサートフィ
ルムを用いるので、角のRが小さく立ち上がりが大きい
深絞り成形品にも適用でき、従来は絵付できなかった形
状のインサート成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインサートフィルムの一実施例を示
す断面図である。
【図2】この発明のインサート成形品の製造工程の一実
施例を示す断面図である。
【図3】この発明のインサート成形品の一実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 インサートフィルム 2 基体シート 3 図柄層 4 接着層 5 金型 6 成形樹脂 7 射出孔 8 インサート成形品 9 熱源 10 吸引孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シート上に少なくとも図柄層が形成
    されたインサートフィルムにおいて、基体シートが厚さ
    200μm以下の無延伸分解性プラスチックフィルムから
    なることを特徴とするインサートフィルム。
  2. 【請求項2】 基体シートの厚みが30〜125μmである
    請求項1記載のインサートフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2に記載のインサートフィル
    ムがプラスチック成形品表面に積層され、インサートフ
    ィルムの立ち上がりが3mm以上であることを特徴とす
    るインサート成形品。
  4. 【請求項4】 プラスチック成形品が分解性プラスチッ
    クからなる請求項3に記載のインサート成形品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜2に記載のインサートフィル
    ムを金型内に配置し、成形樹脂を射出することにより、
    インサートフィルムがプラスチック成形品表面に積層さ
    れ、インサートフィルムの立ち上がりが3mm以上であ
    るプラスチック成形品を得ることを特徴とするインサー
    ト成形品の製造方法。
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