JPH1020028A - ドップラ式速度検出装置 - Google Patents

ドップラ式速度検出装置

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JPH1020028A
JPH1020028A JP8171506A JP17150696A JPH1020028A JP H1020028 A JPH1020028 A JP H1020028A JP 8171506 A JP8171506 A JP 8171506A JP 17150696 A JP17150696 A JP 17150696A JP H1020028 A JPH1020028 A JP H1020028A
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JP
Japan
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type phase
rectangular wave
phase
signal
doppler
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Application number
JP8171506A
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English (en)
Inventor
Shigeki Oshima
繁樹 大島
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドップラ式速度検出装置において、ドップラ
信号に基づく矩形波が欠落する期間の速度検出精度が劣
化する。 【解決手段】 ドップラ信号に基づく矩形波の周波数に
比例した速度信号をPLLによって取り出す。ここでP
LLは位相周波数型位相比較回路54と排他的OR型位
相比較回路56とを並列に備える。切換制御器70及び
スイッチ62、68により、ロックインの確立までは位
相周波数型位相比較回路54を用い、ロックイン後は排
他的OR型位相比較回路56を用いる。排他的OR型位
相比較回路56の出力の平均電圧が、矩形波欠落時とロ
ックイン状態とで共にほぼ0であることを利用して、欠
落時の速度信号を推定、補償し、速度精度の維持を図
る。この補間動作は一定時間に制限され、長時間の補間
動作による精度劣化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波や超音波な
どの探査波におけるドップラシフトに基づいて物体間の
相対速度を検出する装置に関し、特にその精度の向上に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より物体間の相対速度を測定するた
めに、波動のドップラ効果を利用することが行われてき
た。例えば自動車等の走行中の車両から路面に対して電
波や超音波などを放射したとき、その電波等の路面から
の反射波の周波数は車両の速度に比例した量だけ、放射
時の周波数と異なる。よって、この周波数の差異、すな
わちドップラシフトを測定することにより、自動車の速
度を決定することができる。
【0003】従来から提案されている代表的なドップラ
式の対地速度検出装置としては、例えば“Vehicular Ra
dar Speedometer ”, T.M.Hyltin, et al., Society of
Automotive Engineers Report No.730125,Jan.8-12,19
73. に示されているものがある。
【0004】図4、図5は、従来のドップラ式速度検出
装置のブロック構成図である。これらの装置はいずれも
探査波として電波を用いるものであり、ドップラ信号を
出力するドップラセンサは同一の構成である。つまり発
振器2で発生された高周波は電力分配器4により分配さ
れ、その一方が送信アンテナ6に供給され、送信アンテ
ナ6は電波を所定の相対速度で移動する計測対象に向け
て放射する。例えば自動車に搭載された車両速度検出装
置であれば、自動車から路面に電波が放射される。受信
アンテナ8は送信アンテナ6に近接して配置され、放射
された電波の移動体からの反射波を受信する。受信され
た反射波は高周波受信信号に変換され、混合検波器10
において電力分配器4のもう一方の出力を用いて検波さ
れ、ドップラ信号12がドップラセンサの出力として取
り出される。ドップラ信号12の周波数は、ドップラシ
フトにより移動体とドップラセンサとの相対速度に比例
して変動する。
【0005】ドップラ信号12はそれぞれ図4、図5の
装置において信号処理されて、上記相対速度に応じた速
度信号が得られる。図6は各装置における信号処理の過
程を説明するための模式的な信号波形図である。図6
(a)はドップラ信号12である。波形整形器14はコ
ンパレータを含み、ドップラ信号12を雑音レベルに応
じて定められるスレッショルドレベル16と比較する。
波形整形器14はこの比較により雑音を除去すると共
に、ドップラ信号12を同図(b)に示す矩形波18に
整形し、これを出力する。
【0006】図4に示す装置では、周波数電圧変換器2
0が矩形波18の周波数に応じた電圧信号を生成し、こ
れを相対速度に応じた速度信号22(図6(c))とし
て出力する。
【0007】一方、図5に示す装置では、位相周波数型
位相比較器30、ローパスフィルタ32及び電圧制御発
振器34で構成されるフェーズロックループ(PLL)
回路が用いられる。PLL回路では、電圧制御発振器3
4の入力電圧が矩形波18の周波数に比例するようにフ
ィードバック制御が行われる。この入力電圧が図6
(c)に示す速度信号22として出力される。図7は位
相周波数型位相比較器30の特性、すなわち2つの入力
の位相差と出力との関係を示すグラフであり、その出力
は位相比較器30の出力パルスがローパスフィルタ32
を通過した後の電圧を用いて表している。図7に示すよ
うに、位相周波数型位相比較器30は、その入力である
矩形波18と電圧制御発振器(VCO)34の出力との
位相差φが−2πから2πまでの範囲において、位相差
φに比例した出力電圧を生じるという特徴を有する。図
5の装置は、PLL回路の位相比較器に上述したような
キャプチャレンジの広い周波数位相型位相比較器30を
用いることによって、矩形波18と電圧制御発振器34
の出力との同期、すなわちロックインの迅速性を確保し
ている。つまり、これにより速度信号22のドップラ信
号12への追随性が向上する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ドップラ信号
12は混合検波器10の出力であって、送信波とその送
信周波数からドップラシフトした受信周波数を有する受
信波とを混合することにより生じる。そして、その振幅
は図6(a)に示すように大きく変動する。そのため、
振幅がスレッショルドレベル16より小さい期間が一般
に生じ得て、その期間においては図6(b)に示すよう
に矩形波18が発生しない。
【0009】よって、図4に示す装置では、周波数電圧
変換器20が入力信号の周波数が0Hzになったとみな
し、図6(c)に示すようにその出力である速度信号の
電圧は低下する。
【0010】一方、図5に示す装置では、入力周波数が
減少して0Hzとなると位相差φが−∞となり、図7に
示す特性に従って、やはりその出力である速度信号の電
圧が低下する。
【0011】このように、従来の装置では、ドップラ信
号12の振幅が小さくなる期間において矩形波が欠落
し、その周波数の計測が正しく行われなくなり、装置の
速度検出精度が劣化し、実用化の大きな障害となるとい
う問題点があった。
【0012】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、矩形波発生期間における迅速なロックイン
を確保しつつ、矩形波欠落期間においては速度信号電圧
を推定、補償して速度検出精度を向上させたドップラ式
速度検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るドップ
ラ式速度検出装置は、相対的に移動する移動物体へ探査
波を放射してその反射波を検知し当該反射波のドップラ
シフト情報を含んだドップラ信号を出力するドップラセ
ンサと、このドップラ信号の周波数に基づいて前記移動
物体と前記ドップラセンサとの相対速度に応じた速度信
号を出力する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、
前記ドップラ信号を矩形波信号に波形整形するコンパレ
ータと、入力電圧に応じた周波数の比較矩形波を出力す
る電圧制御発振器と、位相周波数型の位相比較に基づい
て前記矩形波信号と前記比較矩形波との位相差に応じた
電圧を出力する位相周波数型位相比較回路と、排他的論
理和型の位相比較に基づいて前記矩形波信号と前記比較
矩形波との位相差に応じた電圧を出力する排他的OR型
位相比較回路と、前記位相周波数型位相比較回路と前記
排他的OR型位相比較回路との出力電圧を入力とし該入
力を濾波して前記電圧制御発振器に前記入力電圧として
供給するループフィルタと、前記位相周波数型位相比較
回路と前記排他的OR型位相比較回路とのいずれかの出
力電圧を前記ループフィルタに入力させる切換器と、前
記矩形波信号と前記比較矩形波との位相の同期状態に基
づいて前記切換器を制御する切換制御器とを有し、前記
電圧制御発振器の前記入力電圧を前記速度信号とするこ
とを特徴とする。
【0014】本発明によれば、ドップラ信号の周波数を
計測することにより速度信号が得られる。そのためにま
ずコンパレータが所定のスレッショルドレベルに基づい
てドップラ信号を矩形波に整形する。このスレッショル
ドレベルは例えばドップラ信号の雑音レベルに応じて定
められる。矩形波は位相比較回路とループフィルタと電
圧制御発振器とを含んだフェーズロックループ(PL
L)に入力され、矩形波と電圧制御発振器から出力され
る比較矩形波とが同期するようにフィードバック制御が
行われる。同期時の電圧制御発振器への入力電圧は矩形
波の周波数に応じた電圧となり、これが速度信号として
出力される。ここで、PLLには位相比較回路として位
相周波数型位相比較回路と排他的OR型位相比較回路と
が並列に設けられる。位相周波数型位相比較回路は、広
いキャプチャレンジを有し、その入力である矩形波と比
較矩形波とが同期していないとき、すなわちロックオフ
時に用いることにより迅速なロックインを実現できると
いう特徴を有する。一方、排他的OR型位相比較回路
は、矩形波の欠落時とロックイン時とでその平均電圧出
力が零、すなわち、矩形波が欠落した場合でもループフ
ィルタに入力される電圧は変化しないという特徴を有す
る。切換器とそれを制御する切換制御器とが、これら位
相周波数型位相比較回路と排他的OR型位相比較回路と
の出力電圧のいずれかを選択してループフィルタに入力
することによって、迅速なロックイン動作と、矩形波欠
落時の速度信号の電圧値の保持動作とを実現する。
【0015】第2の発明に係るドップラ式速度検出装置
は第1の発明において、前記排他的OR型位相比較回路
が、前記比較矩形波の位相を90°遅らせて出力する9
0°移相器と、この90°移相器の出力と前記矩形波信
号とを入力される前記排他的OR型位相比較器とを含む
ことを特徴とする。本発明によれば、位相周波数型位相
比較回路は2つの入力の位相差0°においてロックイン
となるのに対し、基本的な排他的OR型位相比較回路は
2つの入力の位相差90°においてロックインとなると
いう両位相比較回路のロック点の位相差が、90°移相
器により補正され、両者のロック点が一致する。よっ
て、位相周波数型位相比較回路によるロックイン確立
後、排他的OR型位相比較回路に切り換えた際、排他的
OR型位相比較回路によるPLLのフィードバック制御
を繰り返すことなく、直ちにロックインが達成される。
つまり、切換が円滑に行われ、装置が検出する速度が切
換時に一時的にも精度が劣化することがない。
【0016】第3の発明に係るドップラ式速度検出装置
は第1の発明において、前記切換制御器が、前記位相周
波数型位相比較回路から前記同期状態の情報を含んだ信
号を得ることを特徴とする。本発明によれば、矩形波と
比較矩形波との同期を判定するために切換制御器に独自
に位相比較回路を設ける必要がない。位相周波数型位相
比較回路の出力パルスの平均電圧は、その2つの入力間
の位相差が−2π〜2πの範囲において線形に変化して
同期時の平均電圧は一意に決まるので、同期の判定が容
易である。
【0017】第4の発明に係るドップラ式速度検出装置
は第1の発明において、前記切換制御器が、前記同期状
態のロックインへの遷移時に、前記切換器を制御して、
前記排他的OR型位相比較回路の出力を前記ループフィ
ルタへの入力とし、前記同期状態のロックオフへの遷移
時に、前記排他的OR型位相比較回路から前記ループフ
ィルタへの入力を継続させること、を特徴とする。
【0018】本発明によれば、PLLのロックイン状態
到達後には排他的OR型位相比較回路がPLLの位相比
較回路として使用される。排他的OR型位相比較回路
は、矩形波が欠落しても、出力の平均値はロックイン時
とほぼ同じ0Vの電圧を保持する。矩形波の欠落は、基
本的にはドップラ信号の周波数成分が広がりを持つこと
に起因して発生し、一般にはその欠落期間は短期間で終
了し、その間のドップラ信号の周波数は矩形波欠落直前
での矩形波の周波数と大きくは異ならない。よって、矩
形波欠落の直前と同じ平均出力電圧を維持する排他的O
R型位相比較回路の出力パルスを用いてこの矩形波欠落
期間を補間することにより、適切な速度信号の推定が行
われる。つまり矩形波欠落による速度信号の低下が防止
され、装置の速度検出精度を良好に保つことができる。
速度信号が適切に推定されることにより、矩形波が再開
したときのロックインが円滑に行われる。ロックイン状
態への到達は、位相周波数型位相比較回路によってでも
排他的OR型位相比較回路によってでも構わない。
【0019】第5の発明に係るドップラ式速度検出装置
は第4の発明において、前記切換制御器が、前記同期状
態のロックオフへの遷移から所定時間経た後、前記切換
器を制御して、前記ループフィルタへの入力を前記排他
的OR型位相比較回路の出力電圧から前記位相周波数型
位相比較回路の出力電圧に切り換えることを特徴とす
る。本発明によれば、途絶した矩形波が、所定時間経過
後も何らかの原因で再開しない場合には、排他的OR型
位相比較回路に代えて位相周波数型位相比較回路をPL
Lの位相比較回路として用い、欠落した矩形波を補間す
る動作を停止する。つまり矩形波が再開しない場合に
は、速度信号の推定動作の妥当性が低下していると考え
られ、よってこの推定動作を一定時間に限定することに
より、誤った速度信号が出力されることを防止し、装置
の速度検出精度の維持を図る。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、車両速度検出装置に適用し
た本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本装置は車両に搭載され、路面との間で電波を送受信し
てドップラシフト情報を含んだドップラ信号を出力する
ドップラセンサと、このドップラ信号から車両の速度に
応じた速度信号を出力する信号処理部とを備えている。
【0021】本装置のドップラセンサは従来技術で示し
たものと同様である。つまり、図4、5に示すように、
発振器2の出力を送信アンテナ6から路面に送信し、そ
の路面からの反射波を受信アンテナ8で受信し、この受
信信号を混合検波器10にて発振器2の出力の一部と混
合して、ドップラ信号12が得られる。
【0022】送信時の周波数をft とし、受信信号の周
波数とft との差異、つまりドップラシフト量をΔfと
すると、速度vは次の式で表せる。
【0023】v=cΔf/(2・ft ・cos ψ) ここで、cは光速、ψは路面の電波が照射される領域の
移動方向と電波の放射方向とのなす角である。
【0024】図1は、本発明の特徴を有する信号処理部
の概略の回路図である。この信号処理部は、コンパレー
タ50の入力端子52にドップラセンサからのドップラ
信号12を入力される。コンパレータ50はオペレーシ
ョンアンプ(OPアンプ)を用いて構成され、入力端子
52に入力されるドップラ信号の電圧ともう一方の入力
端子に設定される基準電圧(スレッショルドレベル)と
の大小関係に基づいて、ドップラ信号を矩形波信号に波
形整形して出力する。このスレッショルドレベルを小さ
くすると、ドップラ信号の雑音の影響を受けやすくなっ
て余分な矩形波が発生しやすくなり、一方、スレッショ
ルドレベルを大きくすると、ドップラ信号の振幅がスレ
ッショルドレベルを下回って矩形波が欠落する期間が長
くなる。コンパレータ50のスレッショルドレベルは、
このような観点に基づいて、矩形波がドップラ信号の周
波数になるべく正確に対応して発生するように定められ
る。
【0025】コンパレータ50から出力された矩形波は
位相周波数型位相比較回路54と排他的OR型(以下、
XOR型と記す)位相比較回路56に含まれるXOR型
位相比較器58とにそれぞれ入力される。これら2つの
位相比較回路54、56はそれぞれフェーズロックルー
プ(PLL)の一部を構成する。つまり、本装置は、出
力矩形波のデューティ比が50%の電圧制御発振器(V
CO)60、位相周波数型位相比較回路54、スイッチ
62及びローパスフィルタとして働くループフィルタ6
4とがこの順にて接続された第1のPLLと、VCO6
0、90°移相器66、XOR型位相比較器54、スイ
ッチ68及びループフィルタ64とがこの順にて接続さ
れた第2のPLLとを有する。つまり2つのPLLはV
CO60及びループフィルタ64を共有し、90°移相
器66及びXOR型位相比較器58を含むXOR型位相
比較回路56と、位相周波数型位相比較器である位相周
波数型位相比較回路54とが並列に設けられている。ス
イッチ62、68はこれら位相比較回路54、56の出
力のいずれかを選択してループフィルタ64に入力する
切換器である。切換制御器70が位相周波数型位相比較
回路54の出力に基づいて、これらスイッチ62、68
を制御する。
【0026】VCO60はループフィルタ64の出力電
圧に比例した周波数のパルス(以下、比較矩形波と称す
る)を出力する。PLLにより、この比較矩形波とコン
パレータ50からの矩形波とが同期(ロックイン)する
ようにフィードバック制御が行われる。つまりロックイ
ン状態でのVCO60の入力電圧がドップラ信号12の
周波数fd に比例する。本装置は、この入力電圧を出力
端子72から速度信号として出力する。
【0027】上記各位相比較回路で用いる位相周波数型
位相比較器とXOR型位相比較器とはPLLにおいてよ
く用いられる公知のものである。図2は位相周波数型位
相比較器とXOR型位相比較器との特性、すなわちそれ
ぞれの位相比較器での2つの入力の位相差φと出力との
関係を示すグラフである。ここで、位相周波数型位相比
較器の特性は点線80、XOR型位相比較器の特性は実
線82であり、出力電圧は、各位相比較器の出力パルス
がローパスフィルタを通過し平滑化された後の平均電圧
を表している。図2に示すように、位相周波数型位相比
較器は位相差φ=0°にロック点を有し、XOR型位相
比較器は位相差φ=90°にロック点を有する。90°
移相器66は、このロック点の位相の差異を打ち消し、
同一の入力に対して両位相比較器のロックインを同時に
達成するために設けられている。
【0028】次にこの信号処理部の動作を説明する。切
換制御器70はOPアンプ90を用いたコンパレータを
備えている。切換制御器70には位相周波数型位相比較
回路54の出力パルスが入力される。このパルスはロー
パスフィルタ92によって平滑化された電圧信号に変換
され、OPアンプ90の負極入力端子にこの電圧信号が
印加される。
【0029】動作初期でのドップラ信号のない状態、す
なわち周波数0Hzの状態では位相周波数型位相比較回
路54は、位相差φ=−∞に対応した負の電圧信号をO
Pアンプ90の入力に発生する。これによりOPアンプ
90の出力は正となり、スイッチ62がオン状態とさ
れ、一方、インバータ94を介することによりスイッチ
68はオフ状態にされる。つまり、このとき位相周波数
型位相比較回路54を含むPLLが構成される。ドップ
ラ信号12が発生すると、位相周波数型位相比較回路5
4は図2に示すように、−2π〜2πの幅広いキャプチ
ャレンジを有するので迅速にロックイン状態に向かって
PLLによるフィードバック制御が行われる。この過程
において、XOR型位相比較回路56も、位相周波数型
位相比較回路54と同じ入力、つまりコンパレータ50
からの矩形波とVCO60からのパルスである比較矩形
波とを入力されて、ロックイン状態に誘導される。
【0030】ロックインが達成され、位相差φ=0°の
状態となると、ローパスフィルタ92の後ろでの位相周
波数型位相比較回路54の平均出力電圧はほぼ0とな
る。これを切換制御器70にて判定し、スイッチ68を
オン状態とすると共に、スイッチ62をオフ状態とす
る。この切り換えにより、XOR型位相比較回路56を
含むPLLが構成される。このとき、XOR型位相比較
器58もロックイン状態となっており、PLLの構成の
変更時に出力端子72での速度信号は滑らかに移行す
る。
【0031】図3は、本装置における信号処理の過程を
説明するための模式的な信号波形図である。この図は、
図6と同じドップラ信号12に対応するものであり、図
6にて用いたのと同じ符号は同一の信号等を表す。図3
(a)、(b)はそれぞれ図6(a)、(b)と同じも
のであり、それぞれドップラ信号12、矩形波18を示
す。図3(c)は出力端子72から出力される速度信号
100である。同図(c)において点線は従来の速度信
号22を表す。矩形波が入力される期間102におい
て、XOR型位相比較回路56はロックイン状態に保た
れ、矩形波の周波数に応じた出力104を行う。
【0032】さて、上述したように、コンパレータ50
のスレッショルドレベルは適切に調整されるのである
が、矩形波の欠落を皆無とすることは難しい。ドップラ
信号12の振幅がスレッショルドレベル16以下となり
矩形波が欠落すると、キャプチャレンジの狭いXOR型
位相比較回路56は、直ちに非同期状態(ロックオフ状
態)となる(期間106)。しかし、XOR型位相比較
回路56は矩形波が欠落した後もVCO60からのパル
スを継続して出力し、ループフィルタ64の入力におい
て、矩形波が欠落した状態とロックイン状態とで共にほ
ぼ0の入力電圧を与えるという特性を有している。すな
わち、本装置では、矩形波の欠落期間106において、
VCO60への入力電圧はほぼ一定に保たれる(実線1
12)、つまり欠落期間106の直前の値114が保持
され速度信号100として出力される。欠落期間106
におけるドップラ信号12の周波数は図3から理解され
るように欠落期間106に入る直前の周波数と大きくは
異ならないことが推定され、上述のような動作により速
度信号100の精度は、欠落期間106において良好に
維持される。
【0033】矩形波の欠落は、一般にドップラ信号12
の周波数成分が広がりを有していることに起因して生じ
る。原理的にはその強弱は周期性(周波数ft −Δf/
2)のものであり、通常、欠落期間106は短時間で終
了し、矩形波の発生が再開する(期間116)。この再
開した矩形波の周波数は、欠落期間106の直前の周波
数と大きくは異ならないであろうから、その場合には、
XOR型位相比較回路56を含んだPLLによってロッ
クイン状態が再現され、欠落期間106における本装置
に特有の上記補間動作が終了する。なお、補間動作にお
ける速度信号100を保持するコンデンサ120の働き
により、補間動作からロックインへの遷移における速度
信号100は滑らかに変化する。
【0034】上述したように欠落期間106は一般に短
時間であるが、何らかの原因でそれが長時間にわたるこ
とも考えられる。その場合、上記補間動作を継続する
と、速度信号100の誤差が増大する恐れがある。本装
置はそのような好ましくない状態を回避するため、補間
動作を一定時間に制限する機構を備えている。具体的に
は、切換制御器70内のコンパレータ入力に設けられた
ローパスフィルタ92がその機能を有する。補間動作と
なると、位相周波数型位相比較回路54は位相差φ=−
∞となりロックオフ状態となる。そして、その特性(図
2の点線80)に従って、上述した装置動作開始時のス
イッチの設定状態、つまりスイッチ62がオン状態、ス
イッチ68がオフ状態となるように切換制御器70は動
作するのであるが、この切換動作はローパスフィルタ9
2の時定数で定まる時間が経過しないと実行されない。
このローパスフィルタ92の時定数を調整することによ
って、本装置は補間動作期間を適切な時間に制限し、そ
の動作による速度検出精度の劣化を防止している。
【0035】また、矩形波再開時の周波数が欠落直前と
隔たっており、XOR型位相比較回路56ではロックイ
ンを達成できない場合には、位相周波数型位相比較回路
54もロックオフとなる。このときも、ローパスフィル
タ92の時定数で定まる時間の経過後、切換制御器70
がスイッチ62、68を切り換えて、位相周波数型位相
比較回路54を含むPLLによる制御が開始される。
【0036】出力端子72から出力される速度信号10
0の電圧値の変動量は車両速度の変化に比例する。よっ
て、この速度信号100は計器に供給されて速度表示に
用いることができる。または、一旦、演算器において、
ドップラセンサから路面に対して送受信される指向性ビ
ームの角度の補正などの演算を行った後、速度表示や、
車両制御等に利用することもできる。特にドップラセン
サを2つ用い、路面の異なる水平方位における相対速度
を計測し、これら2つの相対速度から車両のベクトル速
度を演算すれば、車両の移動速度の大きさだけでなく、
移動方向も知ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明のドップラ式速度検出装置によれ
ば、ロックオフ状態では位相周波数型位相比較回路によ
り迅速なロックインが実現され、一方、矩形波欠落期間
においては排他的OR型位相比較回路によって速度信号
を推定、補償する滑らかな補間動作により、速度検出精
度が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における信号処理部の概略
の回路図。
【図2】 位相周波数型位相比較器とXOR型位相比較
器との特性を示すグラフ。
【図3】 本発明の実施形態における信号処理の過程を
説明する模式的な信号波形図。
【図4】 従来のドップラ式速度検出装置のブロック構
成図。
【図5】 従来のドップラ式速度検出装置のブロック構
成図。
【図6】 従来の装置における信号処理の過程を説明す
る模式的な信号波形図。
【図7】 位相周波数型位相比較器の特性を示すグラ
フ。
【符号の説明】
2 発振器、4 電力分配器、6 送信アンテナ、8
受信アンテナ、10混合検波器、12 ドップラ信号、
16 スレッショルドレベル、50 コンパレータ、5
4 位相周波数型位相比較回路、56 排他的OR型位
相比較回路、58 排他的OR型位相比較器、60 電
圧制御発振器、62,68 スイッチ、64 ループフ
ィルタ、66 90°移相器、70 切換制御器、92
ローパスフィルタ、106 欠落期間。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に移動する移動物体へ探査波を放
    射してその反射波を検知し当該反射波のドップラシフト
    情報を含んだドップラ信号を出力するドップラセンサ
    と、 このドップラ信号の周波数に基づいて、前記移動物体と
    前記ドップラセンサとの相対速度に応じた速度信号を出
    力する信号処理部とを備え、 前記信号処理部は、 前記ドップラ信号を矩形波信号に波形整形するコンパレ
    ータと、 入力電圧に応じた周波数の比較矩形波を出力する電圧制
    御発振器と、 位相周波数型の位相比較に基づいて前記矩形波信号と前
    記比較矩形波との位相差に応じた電圧を出力する位相周
    波数型位相比較回路と、 排他的論理和型の位相比較に基づいて前記矩形波信号と
    前記比較矩形波との位相差に応じた電圧を出力する排他
    的OR型位相比較回路と、 前記位相周波数型位相比較回路と前記排他的OR型位相
    比較回路との出力電圧を入力とし該入力を濾波して前記
    電圧制御発振器に前記入力電圧として供給するループフ
    ィルタと、 前記位相周波数型位相比較回路と前記排他的OR型位相
    比較回路とのいずれかの出力電圧を前記ループフィルタ
    に入力させる切換器と、 前記矩形波信号と前記比較矩形波との位相の同期状態に
    基づいて前記切換器を制御する切換制御器と、 を有し、前記電圧制御発振器の前記入力電圧を前記速度
    信号とすることを特徴とするドップラ式速度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記排他的OR型位相比較回路は、 前記比較矩形波の位相を90°遅らせて出力する90°
    移相器と、 この90°移相器の出力と前記矩形波信号とを入力され
    る前記排他的OR型位相比較器と、 を含むことを特徴とする請求項1記載のドップラ式速度
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記切換制御器は、前記位相周波数型位
    相比較回路から前記同期状態の情報を含んだ信号を得る
    ことを特徴とする請求項1記載のドップラ式速度検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記切換制御器は、 前記同期状態がロックインに遷移したときは、前記切換
    器を制御して、前記排他的OR型位相比較回路の出力を
    前記ループフィルタへの入力とし、 前記同期状態がロックオフに遷移したときは、前記排他
    的OR型位相比較回路から前記ループフィルタへの入力
    を継続させること、 を特徴とする請求項1記載のドップラ式速度検出装置。
  5. 【請求項5】 前記切換制御器は、前記同期状態がロッ
    クオフに遷移して所定時間経た後、前記切換器を制御し
    て、前記ループフィルタへの入力を前記排他的OR型位
    相比較回路の出力電圧から前記位相周波数型位相比較回
    路の出力電圧に切り換えることを特徴とする請求項4記
    載のドップラ式速度検出装置。
JP8171506A 1996-07-01 1996-07-01 ドップラ式速度検出装置 Pending JPH1020028A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012047676A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Hioki Ee Corp 抵抗測定装置

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