JPH1019841A - ガスセンサ及びガス濃度制御器 - Google Patents

ガスセンサ及びガス濃度制御器

Info

Publication number
JPH1019841A
JPH1019841A JP8170246A JP17024696A JPH1019841A JP H1019841 A JPH1019841 A JP H1019841A JP 8170246 A JP8170246 A JP 8170246A JP 17024696 A JP17024696 A JP 17024696A JP H1019841 A JPH1019841 A JP H1019841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
voltage
pump
space
control voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8170246A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3692183B2 (ja
Inventor
Nobuhide Kato
伸秀 加藤
Noriyuki Ina
紀之 伊奈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP17024696A priority Critical patent/JP3692183B2/ja
Priority to US08/882,071 priority patent/US6093294A/en
Priority to DE69736091T priority patent/DE69736091T2/de
Priority to EP97304664A priority patent/EP0816835B1/en
Publication of JPH1019841A publication Critical patent/JPH1019841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3692183B2 publication Critical patent/JP3692183B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/407Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases

Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素ポンプへの制御電圧のフィードバック制御
系の発振現象を有効に解消し、しかも酸素ポンプのイン
ピーダンスによる電圧降下分の誤差を吸収して、酸素濃
度を精度よく検出する。 【解決手段】基準電極26と内側ポンプ電極24aとの
間の両端電圧を基準電圧Vbと比較してその差分を所定
のゲインにて増幅して出力する比較増幅器32を設け、
該比較増幅器32からの出力電圧を酸素ポンプ22への
ポンプ電圧Vpとして内側ポンプ電極24aと外側ポン
プ電極24b間に印加するように配線接続し、ポンプ電
流検出用の抵抗Riを比較増幅器32の出力端と酸素ポ
ンプ22の外側ポンプ電極24bとの間に挿入接続し、
抵抗Riの両端をコンデンサCで短絡し、更に該コンデ
ンサCの一方の電極を差動増幅器44の非反転端子に接
続し、他方の電極を差動増幅器44の反転端子に接続す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の排
気ガスや大気中に含まれるNO,NO2 ,SO2、CO
2 、H2 O等の酸化物や、CO,CnHm等の可燃ガス
を測定するガスセンサ及びガス濃度制御器に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、ガソリン車やディーゼルエンジン
車等の車両から排出される排気ガス中には、一酸化窒素
(NO)、二酸化窒素(NO2 )等の窒素酸化物(NO
x)や、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2 )、
水(H2 O)、炭化水素(HC)、水素(H2 )、酸素
(O2 )等が含まれている。この場合、NOはNOx全
体の約80%を占め、また、NOとNO2 とでNOx全
体の約95%を占めている。
【0003】このような排気ガス中に含まれるHC、C
O、NOxを浄化する三元触媒は、理論空燃比(A/F
=14.6)近傍で最大の浄化効率を示し、A/Fを1
6以上に制御した場合には、NOxの発生量は減るが、
触媒の浄化効率が低下し、結果的に、NOxの排出量が
増える傾向がある。
【0004】ところで、最近では、化石燃料の有効利
用、地球温暖化防止のためにCO2 の排出量の抑制等の
市場要求が増大しており、これに対応するために燃費を
向上させる必要性が高まりつつある。このような要求に
対して、例えば、リーン・バーン・エンジンの研究や、
NOx浄化触媒の研究等が行われており、その中でもN
Oxセンサのニーズが高まっている。
【0005】従来、このようなNOxを検出する装置と
して、NOx分析計がある。このNOx分析計は、化学
発光分析法を用いてNOx固有の特性を測定するもので
あるが、装置自体が極めて大がかりであり、高価である
という不都合がある。
【0006】また、NOxを検出するために光学系部品
を用いているため、煩雑なメンテナンスが必要である。
更に、このNOx分析計は、NOxをサンプリングして
測定するものであり、検出素子自体を流体内に直接挿入
することができず、自動車の排気ガスのように、状況が
頻繁に変動する過渡現象の分析には不向きである。
【0007】そこで、これらの不都合を解消するものと
して、酸素イオン伝導性固体電解質からなる基体を用い
て排気ガス中の所望のガス成分を測定するようにしたセ
ンサが提案されている。
【0008】その提案例に係るガスセンサとしては、図
17に示すような酸素ポンプを用いた限界電流式酸素セ
ンサがある。この酸素センサは、3枚の固体電解質層1
00a〜100cが積層されて構成され、2層目の固体
電解質層100bはスペース層とされて、該スペース層
100bの側面と最下層の固体電解質層100aの上面
及び最上層の固体電解質層100cの下面にて形成され
る基準ガス導入空間102を有する。そして、この基準
ガス導入空間102には例えば大気が導入され、その内
壁面には内側ポンプ電極104aが形成されている。ま
た、最上層の固体電解質層100cの上面には外側ポン
プ電極104bが形成され、該電極104bを被覆する
ように拡散律速層106が形成されている。酸素ポンプ
108は、外側ポンプ電極104b、内側ポンプ電極1
04a及びその間に存する固体電解質層100cにて構
成される。
【0009】この酸素センサにおいては、内側ポンプ電
極104aと外側ポンプ電極104b間に一定のポンプ
電圧Vpが印加され、これら両電極104a及び104
b間に流れる電流を電流計110にて測定することによ
り、排気ガスの酸素濃度を計測するものである。
【0010】このセンサは一定のポンプ電圧Vpを印加
しているため、例えば、図18に示すように、酸素濃度
が大きくなると、酸素ポンプ108のインピーダンス分
だけ起電力分が小さくなり、実質的に制御する酸素濃度
が高くなり、精度よく酸素濃度を測定することができな
い(図中のB点はA点より酸素濃度が高い)。
【0011】一方、実公平7−45004号公報には、
オペアンプを用いてポンプ電流に応じた電圧を作り、そ
の電圧を帰還抵抗を介してオペアンプに帰還すると共
に、電源に直列接続された抵抗に接続し、ポンプ電流が
増加すると抵抗での電圧が重畳されてポンプに印加され
るものが示されている。
【0012】これは、図19に示すような回路を構成
し、オペアンプOPの出力を帰還抵抗R1を介して大気
極(内側ポンプ電極104a)側の入力端子に帰還する
ことにより、出力点Aにポンプ電流に対応する電圧を発
生させ、一方、抵抗R2を介して外側ポンプ電極104
b側の入力端子に帰還させると共に、抵抗rを介して電
流を流すことにより、抵抗rに発生した電圧分を電源電
圧VE に重畳するものである。
【0013】電源に直列接続される抵抗を適当に設定す
ることにより、(実際のポンプインピーダンス×ポンプ
電流)に相当する電圧を、ポンプ電圧Vpに重畳し、動
作点を図20に示すように、限流特性の一定の平坦部に
設定し、精度よく酸素濃度を測定するというものであ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガスセンサにおいては、測定ガス中の酸素濃度が大きく
なると、電圧降下分が大きくなり、起電力分よりはるか
に大きくなるため、正確に一定の起電力に相当する動作
点で作動させることが困難である。
【0015】自動車のように排気ガスの温度が大きく変
化する場合にあっては、ガスセンサにヒータを設け、ヒ
ータに供給する電力を制御する機構が具備される場合が
あるが、この場合でも、酸素ポンプ108のインピーダ
ンスは僅かに変化し、ポンプ電流が大きくなると電圧降
下分の補正に大きな誤差が生じ、正確に高酸素濃度を測
定することが困難となる。
【0016】特に、酸素ポンプ108を酸素濃度制御器
として利用する場合は、この問題は最も深刻である。酸
素ポンプ108として利用する場合、測定ガス中の酸素
濃度が大きくなって、ポンプ電流が大きくなり、測定空
間の酸素濃度が10-10 atmから10-3atmに大き
くなっても、その変化に基づく電流変化は、大きくなっ
たポンプ電流に比較すると数%程度にとどまるが、酸素
濃度制御器として利用する場合は、10-10 atmから
10-3atmへの変化という大きなものになってしまう
からである。
【0017】また、実際には、(ポンプインピーダンス
×ポンプ電流)に相当する電圧をポンプ電圧に重畳させ
ることができず、精度がさらに低下するという問題があ
る。
【0018】図21はその様子を示したものである。本
比較試験では、酸素ポンプ108のインピーダンスはい
ずれも100Ωになるようにガスセンサの温度が調整さ
れている。
【0019】従来法(実公平7−45004号)では、
酸素ポンプ108のインピーダンスが100Ωであるこ
とから、補正電圧はこの(100Ω×ポンプ電流)が理
想であるが、実際はその1/2の(50Ω×ポンプ電
流)しか補正できなかった。
【0020】これは、発振によるものであり、(50Ω
×ポンプ電流)以上では、制御に発振現象が生じ、制御
不能であった。
【0021】実公平7−45004号では、酸素ポンプ
のインピーダンス測定のために、電源に交流分(500
〜100kHz)を重畳させ、この交流電圧で酸素ポン
プのインピーダンスを測定するが、交流分が正帰還され
るため、発振が起こり易いのを、オペアンプOPの出力
をローパスフィルタを介して正帰還することにより、交
流分をカットし、直流分(電圧降下補正用)のみを正帰
還し、電圧降下分をポンプ電圧Vpに重畳している。実
験では交流分の周波数を10kHz、ローパスフィルタ
のカットオフ周波数を1kHzとした。交流分の信号に
基づくヒータの制御は行っていない。
【0022】直流成分による発振現象は、実験によれ
ば、50Hz以下の非常に低い周波数で起こっており、
数100Hz以上の周波数をカットするローパスフィル
タでは直流分の発振の起こり易さの問題は依然として残
る。
【0023】また、この方式では、ローパスフィルタあ
るいはローパスフィルタ+CRフィルタという電気回路
が必要であり、簡素で十分な効果をもつ方式が望まれて
いた。
【0024】一方、精度のよい酸素ポンプを利用した全
領域型の酸素センサとしては、図22に示すように、ポ
ンプセル120とセンサセル122により内部空間12
4を作り、内部空間124と測定ガス雰囲気を拡散律速
部126を介して連通するものが広く知られている。
【0025】また、結合酸素をもつガス(例えばNO
x)を測定するにあたり、ガス中の酸素濃度を酸素ポン
プにより一定の低いレベルに下げた後、次いで、酸素濃
度を更に低下させNOxを分解し、分解時に発生した酸
素を酸素ポンプにて測定することにより、NOxを測定
するセンサが知られている。
【0026】このセンサは、酸素ポンプによる酸素濃度
制御器を備え、酸素濃度制御器で一定の低い酸素濃度に
制御するところから、この酸素濃度制御器には酸素セン
サ以上の精度が要求される。
【0027】全領域センサでは、酸素濃度が低い領域で
は、ポンプ電流が小さく、ポンプインピーダンスによる
電圧降下分による精度の低下が少ない。一方、酸素濃度
が高い領域で(例えば数%)、電圧降下分の影響が大き
くなり精度が低下するものの、測定する酸素濃度が数%
(数万ppm)で、誤差が数百ppmあったとしても、
大きな問題とはならない。
【0028】しかし、例えば、NOxセンサのように、
せいぜい数千ppmの濃度を測定する場合にあっては、
数百ppmの酸素濃度の変化は大きな誤差要因となり、
この種のガスセンサの酸素濃度制御器には高い制御精度
が要求される。
【0029】図22に示すように、測定電極128と基
準電極130間の起電力に基づいて酸素濃度を制御する
ものは、測定電極128と基準電極130間に発生した
両端電圧を一定に保つように、酸素ポンプ132に印加
するポンプ電圧(直流電圧)Vpをフィードバック制御
するようにしており、精度は高いものの、制御系に発振
現象が発生するという欠点がある。
【0030】即ち、上記フィードバック制御は、一般
に、測定電極128と基準電極130間に発生する起電
力と目標とする比較電圧を比較器により比較し、比較器
によって生じた差を増幅し、目標値との差の増幅電圧を
作り、その増幅電圧が酸素ポンプ132に印加されるよ
うになっている。
【0031】しかしながら、増幅器のゲインを大きく設
定しすぎると、フィードバック制御に発振が起こるとい
う欠点がある。
【0032】これは、測定電極128と内部空間124
に接するポンプ電極134に幾何学的寸法があるためで
あり、例えば、測定電極128部分の酸素濃度が目標値
より低い場合、ポンプ電圧Vpが高まるようにフィード
バック制御される。ポンプ電圧Vpが高くなり、内部空
間124の酸素が汲み出され、内部空間124の酸素濃
度は徐々に低下するが、測定空間にその低下が伝わるの
が前記幾何学的寸法の存在により遅れ、内部空間124
の酸素濃度は目標値より下がってしまう。そして、低い
酸素濃度を少し遅れて測定電極128が検知し、今度は
ポンプ電圧Vpが下がるようにフィードバックされる。
【0033】この場合も、内部空間124の酸素分圧は
徐々に高くなるが、幾何学的寸法により測定電極128
が検知したときには既に内部空間124の酸素濃度が下
がりすぎるという現象が起こり、結果としてフィードバ
ック制御回路は発振する。
【0034】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、例えば酸素ポンプを用いた場合におい
て、酸素ポンプへの制御電圧のフィードバック制御系の
発振現象を有効に解消することができ、しかも、酸素ポ
ンプのインピーダンスによる電圧降下分の誤差を吸収で
き、酸素濃度を精度よく検出することができるガスセン
サ及びガス濃度制御器を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係るガスセンサは、固体電解質からなる基体にて囲ま
れ、かつ被測定ガスが導入される第1の空間と、前記基
体における前記第1の空間の内外に形成された内側電極
及び外側電極と、これら両電極にて挟まれた前記基体
と、前記両電極間に所定のガス成分を汲み出すための制
御電圧を印加するポンプ電源とを有するガスポンプ手段
と、固体電解質からなる基体にて囲まれ、かつ基準ガス
が導入される第2の空間と、前記基体における前記第2
の空間側に形成された基準電極と前記ガスポンプ手段に
おける前記内側電極との間の両端電圧を測定する測定手
段と、前記両端電圧に基づいて前記制御電圧のレベルを
調整する第1の制御電圧調整手段と、前記ガスポンプ手
段による前記ガス成分の汲み出しの際に、該ガスポンプ
手段に流れる電流を検出し、その電流値を前記第1の制
御電圧調整手段での前記制御電圧のレベル調整に反映さ
せる第2の制御電圧調整手段と、前記第2の制御電圧調
整手段に発生するスパイク信号を抑制するスパイク抑制
手段とを設けて構成する。
【0036】これにより、まず、被測定ガスが第1の空
間に導入され、そのときのガスポンプ手段における内側
電極と第2の空間側に形成された基準電極との間の両端
電圧が測定手段によって測定される。この測定電圧は、
第1の制御電圧調整手段に供給される。第1の制御電圧
調整手段は、上記測定電圧に基づいて上記ガスポンプ手
段に供給すべき制御電圧のレベルを調整する。ガスポン
プ手段は、第1の空間に導入された被測定ガスのうち、
所定のガス成分を上記制御電圧のレベルに応じた量ほど
汲み出す。上記レベル調整された制御電圧のガスポンプ
手段への供給によって、第1の空間における上記所定の
ガス成分の濃度は、所定レベルにフィードバック制御さ
れることとなる。
【0037】この場合、制御電圧のレベル調整に利用さ
れる測定手段での測定電圧は、ガスポンプ手段における
内側電極と第2の空間における基準電極との間の両端電
圧としている。そのため、ガスポンプ手段による上記所
定のガス成分の汲み出し量が変化して、第1の空間内に
おける上記ガス成分の濃度が変化すると、ガスポンプ手
段における内側電極と基準電極間の両端電圧が時間遅れ
なく変化するため、上記フィードバック制御での発振現
象は抑制される。
【0038】上記ガスポンプ手段による所定のガス成分
の汲み出しの際に、該ガスポンプに電流が流れることか
ら、ガスポンプのインピーダンスによる電圧降下分が制
御電圧のレベル調整における誤差として現れることとな
るが、この発明においては、第2の制御電圧調整手段に
おいて、ガスポンプ手段に流れる電流を検出して、その
電流値を第1の制御電圧調整手段でのレベル調整に反映
させるようにしているため、上記誤差が有効に吸収さ
れ、ガスポンプ手段に対するフィードバック制御を精度
よく行わせることが可能となり、第1の空間に導入され
た被測定ガスのうち、上記所定のガス成分の濃度を高精
度に検出することができる。
【0039】ところで、第1の制御電圧調整手段による
調整動作によって、制御電圧が例えばステップ状に変化
した場合、ガスポンプ手段に瞬間的に大電流が流れ、こ
れにより、第2の制御電圧調整手段においてスパイク状
のノイズが発生する場合がある。この第2の制御電圧調
整手段を正帰還形の調整回路として構成した場合、上記
スパイク状のノイズによって発振が生じるおそれがあ
る。
【0040】しかし、本発明においては、第2の制御電
圧調整手段に発生するスパイク信号を抑制するスパイク
抑制手段を設けていることから、上記スパイク状のノイ
ズを有効に抑制することができ、第2の制御電圧調整手
段での発振を防止することができる。これは、第1の制
御電圧調整手段での制御電圧に対する調整の高精度化に
つながり、第1の空間に導入された被測定ガスにおける
上記所定のガス成分の濃度を精度よく測定することが可
能となる。
【0041】そして、上記構成において、前記第1の制
御電圧調整手段に、前記両端電圧と比較電圧との偏差を
とる比較手段を設け、該比較手段にて得られた偏差に基
づいて前記制御電圧のレベルを調整するようにしてもよ
い(請求項2記載の発明)。この場合、上記両端電圧が
上記比較電圧に収束されるように上記制御電圧がフィー
ドバック制御されることとなる。
【0042】また、上記構成において、前記第2の制御
電圧調整手段として、前記ガスポンプ手段による前記ガ
ス成分の汲み出しの際に、該ガスポンプ手段に流れる電
流を検出して電圧に変換する抵抗と、該抵抗の両端電圧
を所定のゲインにて増幅して前記比較電圧に重畳させる
増幅器を設けるようにしてもよい(請求項3記載の発
明)。これにより、前記ガスポンプ手段による前記所定
のガス成分の汲み出しの際に発生する電流が抵抗に流れ
ることによって、該抵抗に電圧降下が生じ、この電圧降
下分の電圧が増幅器において所定のゲインにて増幅され
て前記第1の制御電圧調整手段における比較電圧に重畳
されることとなる。即ち、ガスポンプ手段のインピーダ
ンスによる電圧降下分が第1の制御電圧調整手段での制
御電圧に対する調整に反映されることとなり、ガスポン
プ手段のインピーダンスに基づく誤差が有効に吸収さ
れ、精度よくフィードバック制御を行わせることが可能
となる。
【0043】一方、前記スパイク抑制手段としては、前
記抵抗の両端に接続される容量を設けるようにしてもよ
い(請求項4記載の発明)。この場合、前記抵抗と容量
との時定数によって、フィードバック制御系に比例積分
動作の位相補償回路が挿入接続されたかたちとなり、前
記第2の制御電圧調整手段に発生するスパイク状のノイ
ズは有効に抑制されることとなる。
【0044】前記スパイク抑制手段としては、前記構成
のほかに、前記抵抗と前記増幅器間に接続される容量を
設けるようにしてもよいし(請求項5記載の発明)、前
記増幅器と前記比較電圧の発生源との間に接続される容
量を設けるようにしてもよい(請求項6記載の発明)。
【0045】なお、上記請求項1〜6記載の発明におい
て、前記被測定ガスの前記第1の空間への導入経路に、
前記被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与するガス
拡散律速部を設けるようにしてもよい(請求項7記載の
発明)。また、前記第1の空間内の被測定ガスが導入さ
れる第3の空間と、前記被測定ガスの前記第3の空間へ
の導入経路に設けられ、かつ前記被測定ガスに対して所
定の拡散抵抗を付与する第2のガス拡散律速部と、前記
第3の空間内に配置され、前記被測定ガスから前記所定
のガス成分を分解発生させる被測定ガス分解手段と、前
記被測定ガス分解手段により分解発生した前記所定のガ
ス成分を検出するガス成分検出手段を設けるようにして
もよく(請求項8記載の発明)、前記第3の空間内に前
記所定のガス成分を送り込むガス成分供給手段と、該ガ
ス成分供給手段により送り込まれる前記ガス成分を検出
するガス成分検出手段を設けるようにしてもよい(請求
項9記載の発明)。この場合、被測定ガスに含まれる所
定のガス成分の量を効果的に制御することができ、被測
定ガス中の例えば酸化物や可燃ガスの量を高精度に測定
することができる。
【0046】次に、請求項10記載の本発明に係るガス
濃度制御器は、固体電解質からなる基体にて囲まれ、か
つ被測定ガスが導入される第1の空間と、前記被測定ガ
スの前記第1の空間への導入経路に設けられ、前記被測
定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与するガス拡散律速
部と、前記基体における前記第1の空間の内外に形成さ
れた内側電極及び外側電極と、これら両電極にて挟まれ
た前記基体と、前記両電極間に所定のガス成分を汲み出
すための制御電圧を印加するポンプ電源とを有するガス
ポンプ手段と、固体電解質からなる基体にて囲まれ、か
つ基準ガスが導入される第2の空間と、前記基体におけ
る前記第2の空間側に形成された基準電極と前記ガスポ
ンプ手段における前記内側電極との間の両端電圧を測定
する測定手段と、前記両端電圧に基づいて前記制御電圧
のレベルを調整する第1の制御電圧調整手段と、前記ガ
スポンプ手段による前記ガス成分の汲み出しの際に、該
ガスポンプ手段に流れる電流を検出し、その電流値を前
記第1の制御電圧調整手段での前記制御電圧のレベル調
整に反映させる第2の制御電圧調整手段と、前記第2の
制御電圧調整手段に発生するスパイク信号を抑制するス
パイク抑制手段とを設けて構成する。
【0047】これにより、まず、被測定ガスがガス拡散
律速部を通じて第1の空間に導入され、そのときのガス
ポンプ手段における内側電極と第2の空間側に形成され
た基準電極との間の両端電圧が測定手段によって測定さ
れる。この測定電圧は、第1の制御電圧調整手段に供給
される。第1の制御電圧調整手段は、上記測定電圧に基
づいて上記ガスポンプ手段に供給すべき制御電圧のレベ
ルを調整する。ガスポンプ手段は、第1の空間に導入さ
れた被測定ガスのうち、所定のガス成分を上記制御電圧
のレベルに応じた量ほど汲み出す。上記レベル調整され
た制御電圧のガスポンプ手段への供給によって、第1の
空間における上記所定のガス成分の濃度は、所定レベル
にフィードバック制御されることとなる。
【0048】この場合、制御電圧のレベル調整に利用さ
れる測定手段での測定電圧を、ガスポンプ手段における
内側電極と第2の空間における基準電極との間の両端電
圧としている。そのため、ガスポンプ手段による上記所
定のガス成分の汲み出し量が変化して、第1の空間内に
おける上記ガス成分の濃度が変化すると、ガスポンプ手
段における内側電極と基準電極間の両端電圧が時間遅れ
なく変化するため、上記フィードバック制御での発振現
象は抑制される。
【0049】上記ガスポンプ手段による所定のガス成分
の汲み出しの際に、該ガスポンプに電流が流れることか
ら、ガスポンプのインピーダンスによる電圧降下分が制
御電圧のレベル調整における誤差として現れることとな
るが、この発明においては、第2の制御電圧調整手段に
おいて、ガスポンプ手段に流れる電流を検出して、その
電流値を第1の制御電圧調整手段でのレベル調整に反映
させるようにしているため、上記誤差が有効に吸収さ
れ、ガスポンプ手段に対するフィードバック制御を精度
よく行わせることが可能となり、第1の空間に導入され
た被測定ガスのうち、上記所定のガス成分の濃度を高精
度に検出することができる。
【0050】ところで、第1の制御電圧調整手段による
調整動作によって、制御電圧が例えばステップ状に変化
した場合、ガスポンプ手段に瞬間的に大電流が流れ、こ
れにより、第2の制御電圧調整手段においてスパイク状
のノイズが発生する場合がある。この第2の制御電圧調
整手段を正帰還形の調整回路として構成した場合、上記
スパイク状のノイズによって発振が生じるおそれがあ
る。
【0051】しかし、本発明においては、第2の制御電
圧調整手段に発生するスパイク信号を抑制するスパイク
抑制手段を設けていることから、上記スパイク状のノイ
ズを有効に抑制することができ、第2の制御電圧調整手
段での発振を防止することができる。これは、第1の制
御電圧調整手段での制御電圧に対する調整の高精度化に
つながり、第1の空間に導入された被測定ガスにおける
上記所定のガス成分の濃度を精度よく測定することが可
能となる。
【0052】そして、上記構成において、前記第1の制
御電圧調整手段に、前記両端電圧と比較電圧との偏差を
とる比較手段を設け、該比較手段にて得られた偏差に基
づいて前記制御電圧のレベルを調整するようにしてもよ
い(請求項11記載の発明)。この場合、上記両端電圧
が上記比較電圧に収束されるように上記制御電圧がフィ
ードバック制御されることとなる。
【0053】また、上記構成において、前記第2の制御
電圧調整手段として、前記ガスポンプ手段による前記ガ
ス成分の汲み出しの際に、該ガスポンプ手段に流れる電
流を検出して電圧に変換する抵抗と、該抵抗の両端電圧
を所定のゲインにて増幅して前記比較電圧に重畳させる
増幅器を設けるようにしてもよい(請求項12記載の発
明)。これにより、前記ガスポンプ手段による前記所定
のガス成分の汲み出しの際に発生する電流が抵抗に流れ
ることによって、該抵抗に電圧降下が生じ、この電圧降
下分の電圧が増幅器において所定のゲインにて増幅され
て前記第1の制御電圧調整手段における比較電圧に重畳
されることとなる。即ち、ガスポンプ手段のインピーダ
ンスによる電圧降下分が第1の制御電圧調整手段での制
御電圧に対する調整に反映されることとなり、ガスポン
プ手段のインピーダンスに基づく誤差が有効に吸収さ
れ、精度よくフィードバック制御を行わせることが可能
となる。
【0054】一方、前記スパイク抑制手段としては、前
記抵抗の両端に接続される容量を設けるようにしてもよ
い(請求項13記載の発明)。この場合、前記抵抗と容
量との時定数によって、フィードバック制御系に比例積
分動作の位相補償回路が挿入接続されたかたちとなり、
前記第2の制御電圧調整手段に発生するスパイク状のノ
イズは有効に抑制されることとなる。
【0055】前記スパイク抑制手段としては、前記構成
のほかに、前記抵抗と前記増幅器間に接続される容量を
設けるようにしてもよいし(請求項14記載の発明)、
前記増幅器と前記比較電圧の発生源との間に接続される
容量を設けるようにしてもよい(請求項15記載の発
明)。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガスセンサを
例えば車両の排気ガスや大気中に含まれるNO,N
2 ,SO2 、CO2 、H2 O等の酸化物や、CO,C
nHm等の可燃ガスを測定するガスセンサに適用した2
つの実施の形態例(以下、単に第1の実施の形態に係る
ガスセンサ及び第2の実施の形態に係るガスセンサと記
す)を図1〜図16を参照しながら説明する。
【0057】まず、本実施の形態に係るガスセンサを説
明する前に、本発明に係るガスセンサを着想するに至る
までに作製された一つのガスセンサ(以下、便宜的に比
較例に係るガスセンサと記す)の構成について説明す
る。
【0058】この比較例に係るガスセンサは、図1に示
すように、ZrO2 等の酸素イオン伝導性固体電解質を
用いたセラミックからなる例えば6枚の固体電解質層1
0a〜10fが積層されて構成され、下から1層目及び
2層目が第1及び第2の基板層10a及び10bとさ
れ、下から3層目及び5層目が第1及び第2のスペース
層10c及び10eとされ、下から4層目及び6層目が
第1及び第2の固体電解質層10d及び10fとされて
いる。
【0059】具体的には、第2の基板層10b上に第1
のスペース層10cが積層され、更に、この第1のスペ
ース層10c上に第1の固体電解質層10d、第2のス
ペース層10e及び第2の固体電解質層10fが順次積
層されている。第1及び第2の基板層10a及び10b
間には、酸素イオンの伝導性を高めるためのヒータ12
が絶縁膜14を介して埋め込まれている。
【0060】第2の基板層10bと第1の固体電解質層
10dとの間には、酸化物測定の基準となる基準ガス、
例えば大気が導入される空間(基準ガス導入空間)16
が、第1の固体電解質層10dの下面、第2の基板層1
0bの上面及び第1のスペース層10cの側面によって
区画、形成されている。
【0061】第1及び第2の固体電解質層10d及び1
0f間には、被測定ガスが導入される空間(ガス導入空
間)18が、第2の固体電解質層10fの下面、第1の
固体電解質層10dの上面及び第2のスペース層10e
の側面によって区画、形成され、最上層の第2の固体電
解質層10fには、上記ガス導入空間18に連通する拡
散律速部20が形成されている。この拡散律速部20
は、ガス導入空間18に導入される被測定ガスに対して
所定の拡散抵抗を付与するものであり、例えば、被測定
ガスを導入することができる多孔質材料又は所定の断面
積を有した小孔からなる通路として形成することができ
る。
【0062】上記第2の固体電解質層10fの下面のう
ち、上記ガス導入空間18を形づくる下面には、後述す
る酸素ポンプ22を構成するための一方の電極(内側ポ
ンプ電極24a)が形成され、上記第2の固体電解質層
10fの上面には、酸素ポンプ22を構成するための他
方の電極(外側ポンプ電極24b)が形成されている。
【0063】また、第1の固体電解質層10dの下面の
うち、上記基準ガス導入空間16を形づくる下面には、
被測定ガスの酸素分圧を測定するための基準電極26が
形成されている。
【0064】この場合、基準ガス導入空間16に導入さ
れる大気の酸素分圧と、ガス導入空間18に導入される
被測定ガスの酸素分圧との差に基づいて酸素濃淡電池電
力が生じる。この電力は、基準ガス導入空間16とガス
導入空間の電位差Vによって表される。この電位差Vは
以下のネルンストの式により求めることができる。
【0065】 V=RT/4F・ln(P1(O2 )/P0(O2 )) R:気体定数 T:絶対温度 F:ファラデー数 P1(O2 ):ガス導入空間内の酸素分圧 P0(O2 ):基準ガスの酸素分圧 従って、上記ネルンストの式に基づく電位差Vを電位差
計28によって測定することで、ガス導入空間18内の
酸素分圧を測定することができる。
【0066】また、第2の固体電解質層10fの内外に
形成された内側ポンプ電極24a及び外側ポンプ電極2
4bは、ガス導入空間18内に導入された被測定ガス中
の酸素分圧を所定値に設定する酸素ポンプ22を構成す
る。つまり、ZrO2 等の酸素イオン伝導性を備えた固
体電解質層は、電圧をかけると酸素を汲み出すポンプと
して働くからであり、上記両ポンプ電極24a及び24
bは、固体電解質層にてポンプ動作を行わせるための電
圧印加手段を構成する。
【0067】一般には、上記内側ポンプ電極24a及び
外側ポンプ電極24b間に、上記電位差計28によって
検出された電位差Vに基づいて設定されたポンプ電圧V
pが可変電源30により印加されるようになっており、
上記酸素ポンプ22は、上記ポンプ電圧Vpの印加によ
って、ガス導入空間18に対して酸素の汲み出し又は汲
み入れを行い、これによって、上記ガス導入空間18内
の酸素分圧が所定値に設定されるようになっている。
【0068】そして、上記比較例に係るガスセンサは、
内側ポンプ電極24aと基準電極26間の電圧を測定
し、この測定電圧と基準電圧との差分をとって、その差
分電圧によって上記ポンプ電圧Vpを制御するように構
成している。
【0069】具体的には、上記比較例に係るガスセンサ
は、図2に示すように、上記基準電極26と内側ポンプ
電極24aとの間の両端電圧を基準電圧Vbと比較して
その差分を所定のゲインにて増幅して出力する比較増幅
器32を設け、該比較増幅器32からの出力電圧(差分
電圧)を酸素ポンプ22へのポンプ電圧Vpとして内側
ポンプ電極24aと外側ポンプ電極24b間に印加する
ように配線接続されている。
【0070】この場合、酸素ポンプ22による酸素の汲
み出し量が変化して、ガス導入空間18内における酸素
の濃度が変化すると、酸素ポンプ22おける内側ポンプ
電極24aと基準電極26間の両端電圧が時間遅れなく
変化する(リアルタイムで変化する)ため、上記フィー
ドバック制御での発振現象を有効に抑えることができ
る。
【0071】なお、上記フィードバック制御系において
は、内側ポンプ電極24aと基準電極26間の両端電圧
が上記基準電圧Vbと同じレベルに収束されるように上
記ポンプ電圧Vp(出力電圧)がフィードバック制御さ
れることとなる。
【0072】また、上記比較例に係るガスセンサにおい
ては、上記構成に加えて、内側ポンプ電極24aとGN
D間に抵抗Rが接続され、抵抗Rの一端と基準電圧Vb
の発生源(電源40)との間に増幅器42(オペアン
プ)が挿入接続されて構成されている。具体的には、増
幅器42の非反転端子に抵抗Rの上記一端が接続され、
増幅器42の反転端子は接地とされ、増幅器42の出力
端子は、電源40の負極に接続されて構成されている。
【0073】つまり、この比較例に係るガスセンサにお
いては、酸素ポンプ22による酸素の汲み出しによって
内側ポンプ電極24a及び外側ポンプ電極24b間に流
れる電流が抵抗Rでの電圧降下によってその電流値に応
じた電圧に変換されて、増幅器42の非反転端子に印加
されるように配線接続されるものである。
【0074】通常、酸素ポンプ22による酸素の汲み出
しの際に、該酸素ポンプ22に電流(ポンプ電流)が流
れることから、酸素ポンプ22のインピーダンスによる
電圧降下分がポンプ電圧Vpのレベル調整における誤差
として現れることとなる。しかし、この比較例に係るガ
スセンサにおいては、酸素ポンプ22に流れるポンプ電
流を抵抗Rにて電圧に変換し、該電圧を増幅器42にて
所定のゲインで増幅して補正電圧として電源40に重畳
させるようにしている。つまり、内側ポンプ電極24a
と基準電極26間の電圧は、内側ポンプ電極24aの界
面抵抗(インピーダンス)の電圧降下分が重畳されるの
みであり、その電圧降下分はかなり下がる。従って、電
圧降下分の補正は僅かで済み、その分、精度が向上す
る。換言すれば、酸素ポンプ22のインピーダンスによ
る電圧降下分が補正電圧として基準電圧に反映(重畳)
することとなり、これによって、ポンプ電圧Vpに対す
る酸素ポンプ22のインピーダンスによる誤差が有効に
吸収され、ポンプ電圧Vpに対するフィードバック制御
を精度よく行わせることが可能となる。これは、ガス導
入空間18での酸素濃度を高精度に検出することができ
ることにつながる。
【0075】ところで、上記比較例に係るガスセンサに
おいて、酸素ポンプ22における外側ポンプ電極24b
と内側ポンプ電極24a間に流れるポンプ電流が大きく
なって、(基準電圧+補正電圧)が高くなると、比較増
幅器32の出力電圧が高くなり、結果的にポンプ電流が
増大するという正帰還となって、発振しやすいという状
態となる。実際には、(酸素ポンプ22のインピーダン
ス×ポンプ電流)に相当する電圧を補正をすることがで
きないことが判明した。
【0076】図3の特性図はその様子を示したものであ
り、本実験では、酸素ポンプ22のインピーダンスが、
100Ωになるように、酸素ポンプ22の温度が調整さ
れている。このときの内側ポンプ電極24aと基準電極
26間のインピーダンスは35Ωであり、補正電圧の理
想値は(35Ω×ポンプ電流)であるが、発振により、
実際はその1/2の(17.5Ω×ポンプ電流)しか補
正できなかった。
【0077】従って、酸素ポンプ22のインピーダンス
が使用過程において増加すると、動作点が限流特性の平
坦部から外れてしまう可能性がある。
【0078】本発明は、上記のような課題を解消するた
めになされたものであり、簡素な電子部品で、インピー
ダンスの測定手段、更にそれに基づくヒータ制御、ある
いは補正電圧の制御手段等を用いなくても、(酸素ポン
プ22のインピーダンス×ポンプ電流)に見合った分、
あるいはそれ以上の補正をも可能にし、使用過程におい
て酸素ポンプ22のインピーダンスに増加があっても、
限流特性の平坦部で動作ができるものである。
【0079】発振現象は、単に正帰還によることのみな
らず、酸素ポンプ22のインピーダンスは図4のように
構成され、容量成分を多く含んでいることによる。即
ち、酸素ポンプ22のインピーダンスは、抵抗R1と容
量C1との並列接続による外側ポンプ電極24bと第2
の固体電解質層10fとの界面抵抗Z1と、抵抗R2と
容量C2との並列接続による第2の固体電解質層10f
におけるZrO2 粒子間の粒界抵抗Z2と、抵抗Rによ
る第2の固体電解質層10fにおけるZrO2 粒子抵抗
Z3と、抵抗R4と容量C4との並列接続による内側ポ
ンプ電極24aと第2の固体電解質層10fとの界面抵
抗Z4とが直列に接続された回路と等価であり、容量成
分を多く含んでいる。
【0080】従って、図5に示すように、例えばポンプ
電圧がステップ状に急激に上昇すると、ポンプ電流は、
瞬時的に容量C1及び容量C2を通じて抵抗R3及び容
量C4を流れて、抵抗R1、抵抗R2及び抵抗R4が無
視されるため、大きな電流が流れ、ポンプ電圧が維持さ
れていれば、時間経過と共に、容量C1、容量C2及び
容量C4が充電され、結局、抵抗R1+抵抗R2+抵抗
R3+抵抗R4で定まる電流値に落ち着く。
【0081】つまり、基準電圧Vbに重畳される補正電
圧は、瞬時的に大きな電圧となり、電流の落ち着きと共
に、ある一定値に落ち着く。このポンプ電流のスパイ
ク、ひいては補正電圧のスパイクにより、増幅器42で
の正帰還電圧が急激に増大し、その結果、発振に至るお
それがある。
【0082】本発明では、上記ポンプ電流のスパイクを
抑えることによって、発振現象の発生を抑制し、補正可
能領域(補正可能なダイナミックレンジ)を拡大し、併
せて使用過程における酸素ポンプ22のインピーダンス
の増大による精度の低下をも改善するものである。
【0083】次に、第1の実施の形態に係るガスセンサ
について図6〜図11を参照しながら説明する。なお、
図1と対応するものについては同符号を記す。
【0084】この第1の実施の形態に係るガスセンサ
は、上記比較例に係るガスセンサとほぼ同じ構成を有す
るが、以下の点で異なる。即ち、ポンプ電流検出用の抵
抗Riが比較増幅器32の出力端と酸素ポンプ22の外
側ポンプ電極24bとの間に挿入接続され、抵抗Riの
両端がコンデンサCで短絡され、更に該コンデンサCの
一方の電極が差動増幅器44の非反転端子に接続され、
他方の電極が差動増幅器44の反転端子に接続されてい
るという点で上記比較例に係るガスセンサと異なる。
【0085】この実施の形態に係るガスセンサにおいて
は、上記抵抗RiとコンデンサCとの時定数によって、
ポンプ電圧Vpに対するフィードバック制御系に比例積
分動作の位相補償回路が挿入接続されたかたちとなり、
上記差動増幅器44の出力電圧、即ち補正電圧に発生す
るスパイク状のノイズは有効に抑制されることとなる。
【0086】例えば、ポンプ電流が高レベルに立ち上が
った場合、その立ち上がり部分の電流によってコンデン
サCへの充電が行われるが、本例の場合においては、ま
ず、ポンプ電流のスパイク状の部分によってコンデンサ
Cの充電が行われるため、後段の差動増幅器44に印加
される電圧波形は、ほぼ矩形状の信号波形となる。つま
り、上記コンデンサCによって、ポンプ電流のスパイク
状のノイズが抑圧され、結果として基準電圧に重畳され
る補正電圧へのスパイク状のノイズも抑圧されることと
なる。これは、比較増幅器32によるポンプ電圧Vpに
対する調整の高精度化につながり、ガス導入空間18に
導入された被測定ガスの酸素濃度を精度よく測定するこ
とが可能となる。
【0087】ここで、本実施の形態に係るガスセンサ
(実施例)と上記比較例に係るガスセンサ(比較例)の
限流特性に関する一つの実験について説明する。この実
験による比較例の限流特性を図7に、実施例の限流特性
を図8に示す。この実験においては、酸素ポンプ22の
インピーダンスが100Ωになるように加熱して行っ
た。このとき、内側ポンプ電極24aと基準電極26間
のインピーダンスは35Ωであり、補正電圧の理想値は
(35Ω×ポンプ電流)である。実験を分かり易くする
ため、差動増幅器44の増幅度を1とした。
【0088】比較例の場合は、抵抗Rの抵抗値を18Ω
以上とすると発振するため、理想値35Ωの1/2の1
7.5Ωとした。従って、補正量は理想値の1/2にな
るが、これでも、従来例に係るガスセンサ(図21の特
性図参照)と比較すると大きく改善されていることが理
解できる。これは、従来例に係るガスセンサでは、酸素
ポンプ22のインピーダンスZpの全てを補正する必要
があるのに対し、比較例及び実施例では、内側ポンプ電
極24aと基準電極26間の電圧に基づくポンプ電圧V
pの制御のため、次式のZ1,Z2,Z3が無視できる
こととなり、補正すべき電圧降下分が大きく低減された
効果によるからである。
【0089】Zp=Z1+Z2+Z3+Z4 Z1:外側ポンプ電極24bと第2の固体電解質層10
fとの界面抵抗 Z2:第2の固体電解質層10fにおけるZrO2 粒子
間の界面抵抗 Z3:第2の固体電解質層10fにおけるZrO2 粒子
抵抗 Z4:内側ポンプ電極24aと第2の固体電解質層10
fとの界面抵抗 コンデンサCを付けた場合(コンデンサCの容量は30
0μF)、ポンプ電流検出用抵抗Riの抵抗値を35Ω
に設定しても、発振は起こらなかったため、35Ωと設
定したが、理想値35Ωに対して、約50%増の50Ω
近くが発振発生の限界点であることを確認した。
【0090】図8から明らかなように、コンデンサCを
付けた場合は理想の補正ができ、酸素濃度が大きく変化
しても、動作点を同じ起電力分の点で、動作させること
ができる。
【0091】図9〜図11の特性図は、2.0Lの直列
4気筒エンジンの実車にて30,000kmの実車走行
をした後の補正の様子を示したものであり、図9は従来
例に係るガスセンサの場合を示し、図10は比較例に係
るガスセンサ(比較例)の場合を示し、図11は本実施
の形態に係るガスセンサ(実施例)の場合を示す。ま
た、図9において、二点鎖線は走行開始段階(初期段
階)の特性を示し、実線は30,000km走行した後
の特性を示す。図10及び図11において、細い実線は
走行開始段階(初期段階)の特性を示し、太い実線は3
0,000km走行した後の特性を示す。
【0092】図9〜図11の特性図から、従来例に係る
ガスセンサでは20%の酸素では全く補正が効かず、5
%でようやく平坦部の動作点になるのに対し、実施例で
は、内側ポンプ電極24aと基準電極26間の電圧に基
づくポンプ電圧Vpの制御と、コンデンサCによる発振
防止に基づく補正電圧の理想値化の相乗効果により、被
測定ガス中の酸素濃度がほぼ大気の20%でも、依然と
して平坦部の起電力分320mV近傍での動作が可能で
あり、本実施の形態に係るガスセンサの補正の有用性が
理解できる。
【0093】また、一般に、使用過程における酸素ポン
プ22のインピーダンスの増加は、外側ポンプ電極24
bの界面抵抗の増加が主原因である。本実施の形態に係
るガスセンサによれば、外側ポンプ電極24bを無視し
た補正であるのに加え、理想値に近い補正ができるた
め、その相乗効果により、使用過程における酸素ポンプ
22のインピーダンスの増大があっても、簡素な構成
で、高い精度を維持できる。
【0094】次に、第1の実施の形態に係るガスセンサ
のいくつかの変形例について図12〜図14を参照しな
がら説明する。なお、図6と対応するものについては同
符号を記して、その重複説明を省略する。
【0095】まず、第1の変形例に係るガスセンサは、
図12に示すように、図6に示す本実施の形態に係るガ
スセンサとほぼ同じ構成を有するが、コンデンサCが、
差動増幅器44の出力端と接地間に接続されている点で
異なる。この第1の変形例に係るガスセンサにおいて
も、上記実施の形態に係るガスセンサと同様の効果が得
られる。この場合、差動増幅器44の出力インピーダン
スは一般的に非常に低いため、十分なスパイク除去効果
を出すためには、コンデンサCの容量を大きく設定する
必要があり、以下に示すように第2の変形例及び第3の
変形例の構成を採用することが望ましい。
【0096】即ち、第2の変形例に係るガスセンサにお
いては、図13に示すように、差動増幅器44の出力端
と基準電圧Vbの発生源(電源40)との間に抵抗Rを
挿入接続し、該抵抗Rの電源40側端と接地間にコンデ
ンサCを接続する。
【0097】この場合、CRで構成される時定数は、コ
ンデンサCなしで発振したときの発振周期の1/5以上
にすると効果的である。上記実験と同じサンプルで確認
したところ、発振周期50msecに対して、抵抗Rを
10kΩ、コンデンサCを1μFにしたとき、即ち、時
定数10msecで発振が停止した。
【0098】また、第3の変形例に係るガスセンサにお
いては、図14に示すように、差動増幅器44の非反転
入力端に直列抵抗Rを接続し、その後段における上記差
動増幅器44の非反転入力端子と反転入力端子間にコン
デンサCを接続する。この場合のCRで構成される時定
数は、上記第2の変形例に係るガスセンサの場合とほぼ
同じである。
【0099】次に、第2の実施の形態に係るガスセンサ
について図15を参照しながら説明する。
【0100】この第2の実施の形態に係るガスセンサ
は、ZrO2 等の酸素イオン伝導性固体電解質を用いた
セラミックからなる例えば6枚の固体電解質層10a〜
10fが積層されて構成されている点と、これら6枚の
固体電解質層10a〜10fが長尺の板状体形状に形成
されている点で上記第1の実施の形態に係るガスセンサ
とほぼ同じであるが、第1及び第2の固体電解質層10
d及び10f間に第2のスペース層10eが挟設される
と共に、第1及び第2の拡散律速部50及び52が挟設
されている点で異なる。
【0101】そして、第2の固体電解質層10fの下
面、第1及び第2の拡散律速部50及び52の側面並び
に第1の固体電解質層10dの上面にて被測定ガス中の
酸素分圧を調整するための第1室54が区画、形成さ
れ、第2の固体電解質層10fの下面、第2の拡散律速
部52の側面及び第2のスペース層10eの側面並びに
第1の固体電解質層10dの上面にて被測定ガス中の酸
化物、例えば窒素酸化物(NOx)を測定するための第
2室56が区画、形成される。上記第1室54及び第2
室56は、上記第2の拡散律速部52を介して連通され
ている。
【0102】また、上記第1の固体電解質層10dの上
面のうち、上記第2室56を形づくる上面には、後述す
る第2の酸素ポンプ58を構成するための一方の電極
(上側ポンプ電極60a)が形成され、上記第1の固体
電解質層10dの下面のうち、基準ガス導入空間16を
形づくる下面であって、かつ上記基準電極26とは別の
箇所に第2の酸素ポンプ58を構成するための他方の電
極(下側ポンプ電極60b)が形成されている。
【0103】ここで、上記第1及び第2の拡散律速部5
0及び52は、第1室54及び第2室56に導入される
被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与するものであ
り、例えば、被測定ガスを導入することができる多孔質
材料又は所定の断面積を有した小孔からなる通路として
形成することができる。
【0104】このガスセンサにおいても、第1室54に
おける内側ポンプ電極24a及び外側ポンプ電極24b
間に、上記電位差計28によって検出された電位差Vに
基づいて設定されたポンプ電圧Vpが可変電源30によ
り印加されるようになっており、上記酸素ポンプ22
は、上記ポンプ電圧Vpの印加によって、第1室54に
対して酸素の汲み出し又は汲み入れを行い、これによっ
て、上記第1室54内の酸素分圧が所定値に設定される
ようになっている。即ち、このガスセンサは、第1室5
4、酸素ポンプ22、基準電極26及び基準ガス導入空
間16にて構成される酸素濃度制御器62を具備した構
成となっており、実質的な窒素酸化物の測定は、第2室
56において行われることになる。
【0105】この第2の実施の形態に係るガスセンサの
測定原理を簡単に説明すると、酸素濃度制御器62にお
ける酸素ポンプ22によって第1室54内の酸素濃度
が、NOxが分解されない程度に、例えば10-7atm
になるように、ポンプ電圧Vpが印加される。この10
-7atmでNOxが分解されないようにするには、内側
ポンプ電極24aにNOx還元性の低い材料、例えばA
uとPtの合金を用いることで達成される。
【0106】第1室54における酸素濃度の検出は、上
記第1の実施の形態に係るガスセンサと同様に、酸素ポ
ンプ22における内側ポンプ電極24aと基準電極26
間の両端電圧を基準としており、この両端電圧が基準電
圧Vbに近づくように、即ち、第1室の酸素濃度がほぼ
0となるように上記ポンプ電圧Vpが制御されて酸素ポ
ンプ22に印加されることになる。
【0107】これによって、第1室54には一酸化窒素
(NO)が残る。第1室54に残ったNOは第2の拡散
律速部52を通って次の第2室56に流れ込む。この第
2室56では、導入されたNOをNとOに分解し、その
うち、酸素Oの濃度を計測して、間接的にNOの濃度を
求めるようにしている。NOの分解を起こさせるには、
上側ポンプ電極60aに例えばRh,Pt等のNOx還
元性を有する材料を用いることにより達成される。
【0108】この酸素Oの測定は、上側ポンプ電極60
aと下側ポンプ電極60bとの間に流れる電流を計測す
ることにより行われる。具体的には、下側ポンプ電極6
0bと上側ポンプ電極60a間にポンプ電源64を第2
室56から酸素O2 を汲み出す方向に接続する。このと
き、第2室56に酸素がなければ、上記両電極60a及
び60b間での酸素の移動(酸素の汲み出し)は行われ
ないため、該両電極60a及び60b間に電流は流れ
ず、第2室56に酸素があれば、酸素の汲み出し動作に
よって上記両電極60a及び60b間に電流が流れるこ
とになる。従って、ポンプ電源64に直列に電流計66
を挿入接続してその電流値を計測することにより、第2
室56の酸素濃度を測定することができる。そして、こ
の電流値は、汲み出される酸素の量に比例することか
ら、この電流値からNOの量を定めることが可能とな
り、これは、同時にNO2 を測定でき得ることと同じで
ある。
【0109】つまり、この第2の実施の形態に係るガス
センサは、第1室54で被測定ガス中の酸素濃度を低い
値で一定にし、第2室56で触媒、又は電気分解で結合
酸素を分解し、分解時に発生した酸素を第2の酸素ポン
プ58で汲み出し、その汲み出しの際に流れる電流を測
定することにより、結合酸素を有するガス成分の濃度を
測定するものである。
【0110】結合酸素を有するガス成分としてNOxを
測定するときは、第2室56内の触媒でNOxを分解す
るのがよい。H2 O,CO2 を測定するときは電気分解
によるのがよい。
【0111】なお、HC等の可燃ガス成分を測定する場
合にあっては、以下のように行われる。まず、第1室5
4の酸素濃度を可燃ガス成分が燃焼しないレベル、例え
ば10-15 atmとなるようにポンプ電圧を印加し、第
2室56では酸素が汲み入れられる方向にポンプ電源を
接続して、可燃ガス成分を燃焼させる。このとき、可燃
ガス成分が燃焼するのに要した酸素量、即ちポンプ電流
を測定することにより、可燃ガス成分の量を求めること
ができる。
【0112】そして、この第2の実施の形態に係るガス
センサにおいても、上記第1の実施の形態に係るガスセ
ンサと同様に、酸素濃度制御器62における内側ポンプ
電極24aと基準電極26間の電圧を測定し、この測定
電圧と基準電圧との差分をとって、その差分電圧によっ
て上記ポンプ電圧Vpを制御するように構成している。
【0113】具体的には、この第2の実施の形態に係る
ガスセンサは、図16に示すように、上記基準電極26
と内側ポンプ電極24aとの間の両端電圧を基準電圧V
bと比較してその差分を所定のゲインにて増幅して出力
する比較増幅器32を有し、該比較増幅器32からの出
力電圧(差分電圧)を酸素ポンプ22へのポンプ電圧V
pとして内側ポンプ電極24aと外側ポンプ電極24b
間に印加するように配線接続され、ポンプ電流検出用の
抵抗Riが比較増幅器32の出力端と酸素ポンプ22の
外側ポンプ電極24bとの間に挿入接続され、上記ポン
プ電流検出用抵抗Riの両端がコンデンサCで短絡さ
れ、更に該コンデンサCの一方の電極が差動増幅器44
の非反転端子に、他方の電極が差動増幅器44の反転端
子に接続されて構成されている。
【0114】この第2の実施の形態に係るガスセンサに
おいても、比較増幅器32の反転端子に印加される両端
電圧(測定電圧)を、酸素ポンプ22における内側ポン
プ電極24aと基準ガス導入空間16における基準電極
26との間の両端電圧としているため、第1室54内に
おける酸素濃度の変化が時間遅れなく、酸素ポンプ22
の内側ポンプ電極24aと基準電極26間の両端電圧の
変化として現れ、これにより、上記フィードバック制御
での発振現象を有効に抑えることができる。
【0115】また、上記ポンプ電流検出用の抵抗Riと
コンデンサCとの時定数によって、ポンプ電圧Vpに対
するフィードバック制御系に比例積分動作の位相補償回
路が挿入接続されたかたちとなり、上記差動増幅器44
の出力電圧、即ち補正電圧に発生するスパイク状のノイ
ズは有効に抑制されることとなる。これは、比較増幅器
32によるポンプ電圧Vpに対する調整の高精度化につ
ながり、第1室54に導入された被測定ガスの酸素濃度
を精度よく測定することが可能となる。
【0116】この第2の実施の形態に係るガスセンサに
おいては、上記第1の実施の形態に係るガスセンサの第
1の変形例、第2の変形例又は第3の変形例の構成を採
用することができる。
【0117】なお、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガス
センサによれば、固体電解質からなる基体にて囲まれ、
かつ被測定ガスが導入される第1の空間と、前記基体に
おける前記第1の空間の内外に形成された内側電極及び
外側電極と、これら両電極にて挟まれた前記基体と、前
記両電極間に所定のガス成分を汲み出すための制御電圧
を印加するポンプ電源とを有するガスポンプ手段と、固
体電解質からなる基体にて囲まれ、かつ基準ガスが導入
される第2の空間と、前記基体における前記第2の空間
側に形成された基準電極と前記ガスポンプ手段における
前記内側電極との間の両端電圧を測定する測定手段と、
前記両端電圧に基づいて前記制御電圧のレベルを調整す
る第1の制御電圧調整手段と、前記ガスポンプ手段によ
る前記ガス成分の汲み出しの際に、該ガスポンプ手段に
流れる電流を検出し、その電流値を前記第1の制御電圧
調整手段での前記制御電圧のレベル調整に反映させる第
2の制御電圧調整手段と、前記第2の制御電圧調整手段
に発生するスパイク信号を抑制するスパイク抑制手段と
を設けるようにしている。
【0119】このため、ガスポンプ手段への制御電圧の
フィードバック制御系の発振現象を有効に解消すること
ができ、しかも、ガスポンプ手段のインピーダンスによ
る電圧降下分の誤差を吸収でき、酸素濃度を精度よく検
出することができるという効果が達成される。
【0120】次に、本発明に係るガス濃度制御器によれ
ば、固体電解質からなる基体にて囲まれ、かつ被測定ガ
スが導入される第1の空間と、前記被測定ガスの前記第
1の空間への導入経路に設けられ、前記被測定ガスに対
して所定の拡散抵抗を付与するガス拡散律速部と、前記
基体における前記第1の空間の内外に形成された内側電
極及び外側電極と、これら両電極にて挟まれた前記基体
と、前記両電極間に所定のガス成分を汲み出すための制
御電圧を印加するポンプ電源とを有するガスポンプ手段
と、固体電解質からなる基体にて囲まれ、かつ基準ガス
が導入される第2の空間と、前記基体における前記第2
の空間側に形成された基準電極と前記ガスポンプ手段に
おける前記内側電極との間の両端電圧を測定する測定手
段と、前記両端電圧に基づいて前記制御電圧のレベルを
調整する第1の制御電圧調整手段と、前記ガスポンプ手
段による前記ガス成分の汲み出しの際に、該ガスポンプ
手段に流れる電流を検出し、その電流値を前記第1の制
御電圧調整手段での前記制御電圧のレベル調整に反映さ
せる第2の制御電圧調整手段と、前記第2の制御電圧調
整手段に発生するスパイク信号を抑制するスパイク抑制
手段とを設けるようにしている。
【0121】このため、ガスポンプ手段への制御電圧の
フィードバック制御系の発振現象を有効に解消すること
ができ、しかも、ガスポンプ手段のインピーダンスによ
る電圧降下分の誤差を吸収でき、酸素濃度を精度よく検
出することができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスセンサを着想するに至るまで
に作製された1つのガスセンサ(以下、単に比較例に係
るガスセンサと記す)の概略構成を示す構成図である。
【図2】比較例に係るガスセンサの具体的構成を示す構
成図である。
【図3】比較例に係るガスセンサの限流特性を示す特性
図である。
【図4】酸素ポンプのインピーダンスを示す等価回路図
である。
【図5】補正電圧にスパイク状のノイズが発生する要因
を示す波形図である。
【図6】本発明に係るガスセンサを例えば車両の排気ガ
スや大気中に含まれるNO,NO2 ,SO2 、CO2
2 O等の酸化物や、CO,CnHm等の可燃ガスを測
定するガスセンサに適用した第1の実施の形態例(以
下、単に第1の実施の形態に係るガスセンサと記す)の
概略構成を示す構成図である。
【図7】比較例に係るガスセンサの限流特性を示す特性
図である。
【図8】実施例に係るガスセンサの限流特性を示す特性
図である。
【図9】2.0L直列4気筒エンジンの実車にて30,
000kmの実車走行をした後の補正の様子を示すもの
で、従来例に係るガスセンサの限流特性を示す特性図で
ある。
【図10】2.0L直列4気筒エンジンの実車にて3
0,000kmの実車走行をした後の補正の様子を示す
もので、比較例に係るガスセンサの限流特性を示す特性
図である。
【図11】2.0L直列4気筒エンジンの実車にて3
0,000kmの実車走行をした後の補正の様子を示す
もので、実施例に係るガスセンサの限流特性を示す特性
図である。
【図12】第1の実施の形態に係るガスセンサの第1の
変形例を示す構成図である。
【図13】第1の実施の形態に係るガスセンサの第2の
変形例を示す構成図である。
【図14】第1の実施の形態に係るガスセンサの第3の
変形例を示す構成図である。
【図15】本発明に係るガスセンサを例えば車両の排気
ガスや大気中に含まれるNO,NO2 ,SO2 、C
2 、H2 O等の酸化物や、CO,CnHm等の可燃ガ
スを測定するガスセンサに適用した第2の実施の形態例
(以下、単に第2の実施の形態に係るガスセンサと記
す)の概略構成を示す構成図である。
【図16】第2の実施の形態に係るガスセンサの具体的
構成を示す構成図である。
【図17】従来例に係る酸素ポンプを用いた限界電流式
酸素センサを示す構成図である。
【図18】従来例に係る酸素ポンプを用いた限界電流式
酸素センサの限流特性を示す特性図である。
【図19】他の従来例に係るガスセンサを示す構成図で
ある。
【図20】他の従来例に係るガスセンサの限流特性を示
す特性図である。
【図21】酸素ポンプを酸素濃度制御器として利用する
場合における限流特性を示す特性図である。
【図22】酸素ポンプを利用した従来の全領域型の酸素
センサを示す構成図である。
【符号の説明】
16…基準ガス導入空間 18…ガス導入空間 20…拡散律速部 22…酸素ポンプ 24a…内側ポンプ電極 24b…外側ポンプ
電極 26…基準電極 32…比較増幅器 44…差動増幅器 Ri…ポンプ電流検
出用の抵抗 C…コンデンサ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質からなる基体にて囲まれ、かつ
    被測定ガスが導入される第1の空間と、 前記基体における前記第1の空間の内外に形成された内
    側電極及び外側電極と、これら両電極にて挟まれた前記
    基体と、前記両電極間に所定のガス成分を汲み出すため
    の制御電圧を印加するポンプ電源とを有するガスポンプ
    手段と、 固体電解質からなる基体にて囲まれ、かつ基準ガスが導
    入される第2の空間と、 前記基体における前記第2の空間側に形成された基準電
    極と前記ガスポンプ手段における前記内側電極との間の
    両端電圧を測定する測定手段と、 前記両端電圧に基づいて前記制御電圧のレベルを調整す
    る第1の制御電圧調整手段と、 前記ガスポンプ手段による前記ガス成分の汲み出しの際
    に、該ガスポンプ手段に流れる電流を検出し、その電流
    値を前記第1の制御電圧調整手段での前記制御電圧のレ
    ベル調整に反映させる第2の制御電圧調整手段と、 前記第2の制御電圧調整手段に発生するスパイク信号を
    抑制するスパイク抑制手段を有することを特徴とするガ
    スセンサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のガスセンサにおいて、 前記第1の制御電圧調整手段は、前記両端電圧と比較電
    圧との偏差をとる比較手段を有し、該比較手段にて得ら
    れた偏差に基づいて前記制御電圧のレベルを調整するこ
    とを特徴とするガスセンサ。
  3. 【請求項3】請求項2記載のガスセンサにおいて、 前記第2の制御電圧調整手段は、ガスポンプ手段による
    前記ガス成分の汲み出しの際に、該ガスポンプ手段に流
    れる電流を検出して電圧に変換する抵抗と、該抵抗の両
    端電圧を所定のゲインにて増幅して前記比較電圧に重畳
    させる増幅器を有することを特徴とするガスセンサ。
  4. 【請求項4】請求項3記載のガスセンサにおいて、 前記スパイク抑制手段は、前記抵抗の両端に接続される
    容量を有することを特徴とするガスセンサ。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載のガスセンサにおい
    て、 前記スパイク抑制手段は、前記抵抗と前記増幅器間に接
    続される容量を有することを特徴とするガスセンサ。
  6. 【請求項6】請求項3記載のガスセンサにおいて、 前記スパイク抑制手段は、前記増幅器と前記比較電圧の
    発生源との間に接続される容量を有することを特徴とす
    るガスセンサ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のうち、いずれか1項記載の
    ガスセンサにおいて、 前記被測定ガスの前記第1の空間への導入経路に、前記
    被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与するガス拡散
    律速部が設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のうち、いずれか1項記載の
    ガスセンサにおいて、 前記第1の空間内の被測定ガスが導入される第3の空間
    と、 前記被測定ガスの前記第3の空間への導入経路に設けら
    れ、前記被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する
    第2のガス拡散律速部と、 前記第3の空間内に配置され、前記被測定ガスから前記
    所定のガス成分を分解発生させる被測定ガス分解手段
    と、 前記被測定ガス分解手段により分解発生した前記所定の
    ガス成分を検出するガス成分検出手段を有することを特
    徴とするガスセンサ。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のうち、いずれか1項記載の
    ガスセンサにおいて、 前記第1の空間内の被測定ガスが導入される第3の空間
    と、 前記被測定ガスの前記第3の空間への導入経路に設けら
    れ、前記被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する
    第2のガス拡散律速部と、 前記第3の空間内に前記所定のガス成分を送り込むガス
    成分供給手段と、 前記ガス成分供給手段により送り込まれる前記ガス成分
    を検出するガス成分検出手段を有することを特徴とする
    ガスセンサ。
  10. 【請求項10】固体電解質からなる基体にて囲まれ、か
    つ被測定ガスが導入される第1の空間と、 前記被測定ガスの前記第1の空間への導入経路に設けら
    れ、前記被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する
    ガス拡散律速部と、 前記基体における前記第1の空間の内外に形成された内
    側電極及び外側電極と、これら両電極にて挟まれた前記
    基体と、前記両電極間に所定のガス成分を汲み出すため
    の制御電圧を印加するポンプ電源とを有するガスポンプ
    手段と、 固体電解質からなる基体にて囲まれ、かつ基準ガスが導
    入される第2の空間と、 前記基体における前記第2の空間側に形成された基準電
    極と前記ガスポンプ手段における前記内側電極との間の
    両端電圧を測定する測定手段と、 前記両端電圧に基づいて前記制御電圧のレベルを調整す
    る第1の制御電圧調整手段と、 前記ガスポンプ手段による前記ガス成分の汲み出しの際
    に、該ガスポンプ手段に流れる電流を検出し、その電流
    値を前記第1の制御電圧調整手段での前記制御電圧のレ
    ベル調整に反映させる第2の制御電圧調整手段と、 前記第2の制御電圧調整手段に発生するスパイク信号を
    抑制するスパイク抑制手段を有することを特徴とするガ
    ス濃度制御器。
  11. 【請求項11】請求項10記載のガス濃度制御器におい
    て、 前記第1の制御電圧調整手段は、前記両端電圧と比較電
    圧との偏差をとる比較手段を有し、該比較手段にて得ら
    れた偏差に基づいて前記制御電圧のレベルを調整するこ
    とを特徴とするガス濃度制御器。
  12. 【請求項12】請求項11記載のガス濃度制御器におい
    て、 前記第2の制御電圧調整手段は、ガスポンプ手段による
    前記ガス成分の汲み出しの際に、該ガスポンプ手段に流
    れる電流を検出して電圧に変換する抵抗と、該抵抗の両
    端電圧を所定のゲインにて増幅して前記比較電圧に重畳
    させる増幅器を有することを特徴とするガス濃度制御
    器。
  13. 【請求項13】請求項12記載のガス濃度制御器におい
    て、 前記スパイク抑制手段は、前記抵抗の両端に接続される
    容量を有することを特徴とするガス濃度制御器。
  14. 【請求項14】請求項12又は13記載のガス濃度制御
    器において、 前記スパイク抑制手段は、前記抵抗と前記増幅器間に接
    続される容量を有することを特徴とするガス濃度制御
    器。
  15. 【請求項15】請求項12記載のガス濃度制御器におい
    て、 前記スパイク抑制手段は、前記増幅器と前記比較電圧の
    発生源との間に接続される容量を有することを特徴とす
    るガス濃度制御器。
JP17024696A 1996-06-28 1996-06-28 ガスセンサ及びガス濃度制御器 Expired - Fee Related JP3692183B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17024696A JP3692183B2 (ja) 1996-06-28 1996-06-28 ガスセンサ及びガス濃度制御器
US08/882,071 US6093294A (en) 1996-06-28 1997-06-25 Gas sensor and gas concentration controller
DE69736091T DE69736091T2 (de) 1996-06-28 1997-06-27 Gassensor und Gaskonzentrationsüberwachungsvorrichtung
EP97304664A EP0816835B1 (en) 1996-06-28 1997-06-27 Gas sensor and gas concentration controller

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17024696A JP3692183B2 (ja) 1996-06-28 1996-06-28 ガスセンサ及びガス濃度制御器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1019841A true JPH1019841A (ja) 1998-01-23
JP3692183B2 JP3692183B2 (ja) 2005-09-07

Family

ID=15901389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17024696A Expired - Fee Related JP3692183B2 (ja) 1996-06-28 1996-06-28 ガスセンサ及びガス濃度制御器

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6093294A (ja)
EP (1) EP0816835B1 (ja)
JP (1) JP3692183B2 (ja)
DE (1) DE69736091T2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4005273B2 (ja) 1998-09-16 2007-11-07 株式会社デンソー ガス濃度検出装置
US6389803B1 (en) * 2000-08-02 2002-05-21 Ford Global Technologies, Inc. Emission control for improved vehicle performance
US7114325B2 (en) * 2004-07-23 2006-10-03 Ford Global Technologies, Llc Control system with a sensor
US7611612B2 (en) * 2005-07-14 2009-11-03 Ceramatec, Inc. Multilayer ceramic NOx gas sensor device
JP4704957B2 (ja) * 2006-05-26 2011-06-22 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサシステムの異常診断方法、及び、ガスセンサシステム
WO2008103311A2 (en) * 2007-02-16 2008-08-28 Ceramatec, Inc. Nox sensor with improved selectivity and sensitivity
EP2300812B1 (de) * 2008-07-10 2016-11-02 Robert Bosch GmbH Sensorelement und verfahren zur bestimmung von gaskomponenten in gasgemischen sowie deren verwendung
DE102009037706A1 (de) 2009-08-17 2011-02-24 Opsolution Nanophotonics Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung der Konzentration von NO2 in Gasgemischen
DE102009050224B4 (de) * 2009-10-22 2016-03-31 Continental Automotive Gmbh Vorrichtung und Verfahren zur Ansteuerung eines Abgassensors
DE102013103003A1 (de) * 2012-04-05 2013-10-10 Sensore Electronic GmbH Verfahren sowie Vorrichtung zur Messung des Sauerstoffgehaltes oder des Sauerstoffpartialdruckes in einem Messgas
US9164080B2 (en) 2012-06-11 2015-10-20 Ohio State Innovation Foundation System and method for sensing NO

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57192855A (en) * 1981-05-25 1982-11-27 Ngk Insulators Ltd Oxygen concentration detector
ZA818011B (en) * 1981-11-18 1982-11-24 D Cronje A method of operating,and apparatus for use in the operatiion of an inernal combustion engine
JPS6363962A (ja) * 1986-09-04 1988-03-22 Ngk Insulators Ltd 工業用酸素濃度測定装置
JPH07119739B2 (ja) * 1986-12-27 1995-12-20 日本碍子株式会社 空燃比測定装置における出力補正方法
JP2636883B2 (ja) * 1988-04-30 1997-07-30 日本碍子株式会社 NOx濃度測定装置
US5034112A (en) * 1988-05-19 1991-07-23 Nissan Motor Company, Ltd. Device for measuring concentration of nitrogen oxide in combustion gas
US4990235A (en) * 1989-02-23 1991-02-05 Toyota Jidosha Kabushiki Oxygen sensor
DE69118739T2 (de) * 1990-02-28 1996-08-29 Mitsubishi Motors Corp Detektionsvorrichtung für das Luft-Kraftstoff-Verhältnis
US5672811A (en) * 1994-04-21 1997-09-30 Ngk Insulators, Ltd. Method of measuring a gas component and sensing device for measuring the gas component
JP2885336B2 (ja) * 1994-04-21 1999-04-19 日本碍子株式会社 被測定ガス中のNOx濃度の測定方法及び測定装置
GB2288873A (en) * 1994-04-28 1995-11-01 Univ Middlesex Serv Ltd Multi-component gas analysis apparatus
US5558752A (en) * 1995-04-28 1996-09-24 General Motors Corporation Exhaust gas sensor diagnostic
JP3050781B2 (ja) * 1995-10-20 2000-06-12 日本碍子株式会社 被測定ガス中の所定ガス成分の測定方法及び測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP0816835A2 (en) 1998-01-07
EP0816835A3 (en) 2000-01-19
EP0816835B1 (en) 2006-06-14
JP3692183B2 (ja) 2005-09-07
DE69736091T2 (de) 2007-01-11
US6093294A (en) 2000-07-25
DE69736091D1 (de) 2006-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0999442B1 (en) Gas concentration measuring apparatus compensating for error component of output signal
JP3488591B2 (ja) 酸化物センサ
US6527929B2 (en) Gas sensor and nitrogen oxide sensor
JP3692182B2 (ja) ガスセンサ、ガスセンサの制御方法及びガス濃度制御器
EP1995588B1 (en) Output correcting method of nox sensor
JP4005273B2 (ja) ガス濃度検出装置
US6344134B1 (en) Method for measuring NOx concentration and NOx concentration sensor
EP2442099B1 (en) Gas concentration measuring apparatus designed to compensate for output error
EP0849591A1 (en) Gas sensor
JPH09288085A (ja) 酸化物センサ
US8257565B2 (en) Sensor control apparatus
JP3623065B2 (ja) 窒素酸化物センサ
US9518954B2 (en) Gas sensor control device
JP3692183B2 (ja) ガスセンサ及びガス濃度制御器
JP3623066B2 (ja) ガスセンサ
CN110672698A (zh) 气体传感器及传感器元件
US5976335A (en) Gas sensor having a function for minimizing heater leak current
EP0743431A2 (en) Method and system for detecting deterioration of exhaust gas catalyst
US20090236223A1 (en) Gas sensor control system ensuring increased measurement accuracy
CN110672697A (zh) 气体传感器
JP2001133429A (ja) 車載用noxセンサのオフセット再校正方法
US20070215470A1 (en) Gas concentration measuring apparatus designed to enhance response of sensor
JP2003177111A (ja) ガスセンサ素子
JPH11108887A (ja) 窒素酸化物濃度測定装置及び窒素酸化物濃度測定器の制御方法
JP4077229B2 (ja) NOx測定装置及びガス濃度測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080624

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130624

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees