JPH10197489A - 漏洩磁束ピグを用いた管の検査におけるデータの補正方法 - Google Patents

漏洩磁束ピグを用いた管の検査におけるデータの補正方法

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JPH10197489A
JPH10197489A JP8359176A JP35917696A JPH10197489A JP H10197489 A JPH10197489 A JP H10197489A JP 8359176 A JP8359176 A JP 8359176A JP 35917696 A JP35917696 A JP 35917696A JP H10197489 A JPH10197489 A JP H10197489A
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徳茂 増子
Kiichi Suyama
毅一 陶山
Hisao Hotta
久雄 堀田
Yasushi Yonemura
康 米村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】漏洩磁束ピグを用いたパイプラインの健全性
(減肉部の有無)の検査において、収集したデータを移
動平均法を用いて補正処理する従来の方法では、溶接線
に大きく影響を受けてしまうと共に、減肉部の絶対量を
知ることができない。 【解決手段】そこで本発明では、多数の磁石と磁気セン
サを検査対象の管の内周に対応して配設した漏洩磁束ピ
グを管の軸方向に移動させながら所定間隔毎に夫々の磁
気センサが出力するデータを収集して検査を行う方法に
おいて、収集したデータは管の溶接線毎に区切って処理
を行うものとし、溶接線近傍のデータを除いた、隣接す
る溶接線間の区間のデータにつき、各磁気センサ毎の平
均を求めると共に、これにより全磁気センサの平均を求
め、各磁気センサの収集データから磁気センサ毎の平均
を減じると共に全磁気センサの平均を加えた値を各磁気
センサの補正データとすることを提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漏洩磁束ピグを用
いた管の検査におけるデータの補正方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】パイプラインの健全性(例えば減肉部の
有無等)を検査する方法の一つとして漏洩磁束法があ
る。この方法は、多数の磁石と磁気センサを検査対象の
管の内周に対応して配設した漏洩磁束ピグを管の軸方向
に移動させながら所定間隔毎に夫々の磁気センサで漏洩
磁束に対応するデータを収集し、これらの収集したデー
タから上記減肉部の有無等を検出するものである。
【0003】磁気センサの特性は非線形であり、個々の
磁気センサ間でのばらつきも存在しているため、収集し
たデータには、これらに起因するばらつきが生じる。し
かしながら、漏洩磁束ピグには多数の磁気センサが搭載
されているため、これらの全てを同様の特性に調整する
ことは非常に手間がかかり、事実上不可能に近い。また
ハードウエア的な制約から調整ができないことも多い。
【0004】このような問題を解決するために、従来
は、図3に示すように、各センサの出力から、センサ毎
に過去のデータから計算する移動平均を減じて、これを
そのセンサの補正データとして出力している。尚、図3
の(a)は収集したデータの管における位置の対応関係を
模式的に示すもので、Nは管の周方向の磁気センサの数
である。また(b)は移動平均を用いた補正処理の流れ図
であり、Mは平均するデータの個数である。また(c)
は、移動平均を用いた補正処理を示す式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の補正処理では、
以下のような課題がある。 a.管の特性は溶接線の前後で変わり、また溶接線自体
でデータが著しく変化するため、データの収集を溶接線
にかかわらず連続的に行う従来の方法では、漏洩磁束ピ
グが溶接線を通過後、暫く、即ち移動平均をとる数Mを
経過するまではデータが安定しない。従って、この区間
に減肉部があった場合には、それを検出しにくく、大き
さ、深さの推定は精度が悪い。 b.各データから移動平均を減じて出力するため、減肉
の程度等に対応する漏洩磁束またはその対応量の絶対値
が分からなくなってしまう。 本発明はこのような課題を解決することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明では、多数の磁石と磁気センサを検査対象
の管の内周に対応して配設した漏洩磁束ピグを管の軸方
向に移動させながら所定間隔毎に夫々の磁気センサが出
力するデータを収集して検査を行う方法において、収集
したデータは管の溶接線毎に区切って処理を行うものと
し、溶接線近傍のデータを除いた、隣接する溶接線間の
区間のデータにつき、各磁気センサ毎の平均を求め、各
磁気センサの収集データから磁気センサ毎の平均を減じ
た値を補正データとするデータの補正方法を提案する。
【0007】また本発明では、多数の磁石と磁気センサ
を検査対象の管の内周に対応して配設した漏洩磁束ピグ
を管の軸方向に移動させながら所定間隔毎に夫々の磁気
センサが出力するデータを収集して検査を行う方法にお
いて、収集したデータは管の溶接線毎に区切って処理を
行うものとし、溶接線近傍のデータを除いた、隣接する
溶接線間の区間のデータにつき、各磁気センサ毎の平均
を求めると共に、これにより全磁気センサの平均を求
め、各磁気センサの収集データから磁気センサ毎の平均
を減じると共に全磁気センサの平均を加えた値を各磁気
センサの補正データとするデータの補正方法を提案す
る。
【0008】また本発明では、上記構成において、平均
値の演算においては、他と著しく異なる部分のデータを
除去することを提案する。
【0009】以上の本発明において、出力するデータは
磁気センサ出力電圧としたり、磁気センサ出力電圧から
換算した磁束密度とすることができる。
【0010】以上の本発明によれば、まず収集データか
ら磁気センサ毎の平均を減じて出力される補正データで
は、溶接線に影響を受けないで、各センサ毎のデータの
ばらつきを除去することができる。
【0011】また収集データから磁気センサ毎の平均を
減じると共に、全磁気センサの平均を加えて出力される
補正データでは、個々の磁気センサの個体差によるばら
つきを除去することができることに加えて、減肉の程度
等に対応する漏洩磁束またはその対応量の絶対値を知る
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施の形態と共に図
を参照して説明する。図1は本発明を適用して健全性
(減肉部の有無)を検査する対象の管の一部を示すもの
で、この管1には適宜間隔毎に溶接線2a,2b,…が
形成されている。上述したとおり、このような管1につ
き漏洩磁束ピグを用いてデータを収集する際、管1の特
性は溶接線2a,2bの前後で変わり、また溶接線2
a,2b自体でデータが著しく変化するため、データの
収集を溶接線にかかわらず連続的に行って、各磁気セン
サ毎に収集したデータから、それらの移動平均を減じて
補正データとする従来の方法では、漏洩磁束ピグが溶接
線を通過後、暫くはデータが安定しない。
【0013】そこで本発明では、データの収集は溶接線
にかかわらず連続的に行うものの、収集したデータの補
正処理においては、収集したデータを溶接線2a,2b
毎に区切って処理を行うものとする。即ち、溶接線2
a,2b間の区間における収集データの補正処理は、こ
の区間内のデータのみを用いる。尚、収集したデータの
管における位置の対応関係は図3の場合と同様であり、
Nは管1の周方向の磁気センサの数である。
【0014】図2は本発明を適用したデータの補正処理
の流れの一例を示す流れ図であり、まず、この流れを説
明する。まずステップS1においては、溶接線の番号を
初期化(k=1)する。次いで、ステップS2において
は、それまでに収集しているデータのうち、k本目の溶
接線からk+1本目の溶接線までの区間のデータを読み
込む。この処理においては、データ中における溶接線の
位置を検出する必要となるが、この検出処理は、データ
の著しい変化を検出する等の手法により、人により、ま
たは自動で行うことができる。次いでステップS3にお
いては、読み込んだデータから区間の両端の適数のデー
タを除き、各磁気センサ毎に平均を求める。この処理は
(1)式で示すことができる。次いでステップS4にお
いては、ステップS3において求めた各磁気センサ毎の
平均を用い、全磁気センサの平均を求める。この処理は
(2)式で示すことができる。次いでステップS5にお
いては、各磁気センサの個々の出力から、ステップS3
で求めた各センサ毎の平均を減じると共に、ステップS
4で求めた全磁気センサの平均を加え、この値を、各磁
気センサについての個々の補正値として出力する。この
処理は(3)式で示すことができる。次いでステップS
6では、所定の溶接線まで上記の処理が行われたか否か
を判定し、処理が残っていると判定した場合には、ステ
ップS7において溶接線の番号を1つ繰り上げた後、ス
テップS2に移行し、次の溶接線間の区間において、上
述と同様な処理が行われる。
【0015】以上の処理の流れでは、収集データから磁
気センサ毎の平均を減じると共に、全磁気センサの平均
を加えて補正データとして出力するため、個々の磁気セ
ンサの個体差によるばらつきを除去することができるこ
とに加えて、減肉の程度等に対応する漏洩磁束またはそ
の対応量の絶対値を知ることができる。この場合、出力
は補正したセンサ出力電圧等とする他、センサ出力電圧
から磁束密度に換算して、磁束密度を出力することもで
き、いずれにしても、減肉部等の絶対量を知ることがで
きる。
【0016】しかしながら本発明では、収集データから
磁気センサ毎の平均を減じた値を補正出力として補正す
ることができ、この場合には、減肉部等の絶対量は知る
ことができないが、溶接線に影響を受けないで、各セン
サ毎のデータのばらつきを除去して、減肉部等の相対量
を知ることができる。
【0017】平均を求める処理においては、溶接線の近
傍のデータを除去する他、他と著しく異なる部分があっ
た場合には、そのデータも除去すれば、さらに精度を高
めることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上のとおりであるので、次の
ような効果がある。 a.漏洩磁束ピグによる管の検査において、減肉部の検
知精度が向上する。 b.溶接線近傍の減肉部でも検知が可能となる。 c.減肉部の絶対量を検知することも可能となり、その
深さの推定等も精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用して健全性を検査する対象の管
の一部を示す斜視図である。
【図2】 本発明を適用したデータの補正処理の流れの
一例を示す流れ図である。
【図3】 移動平均法を用いた従来のデータの補正処理
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 管 2a,2b 溶接線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の磁石と磁気センサを検査対象の管
    の内周に対応して配設した漏洩磁束ピグを管の軸方向に
    移動させながら所定間隔毎に夫々の磁気センサが出力す
    るデータを収集して検査を行う方法において、収集した
    データは管の溶接線毎に区切って処理を行うものとし、
    溶接線近傍のデータを除いた、隣接する溶接線間の区間
    のデータにつき、各磁気センサ毎の平均を求め、各磁気
    センサの収集データから磁気センサ毎の平均を減じた値
    を補正データとすることを特徴とする漏洩磁束ピグを用
    いた管の検査におけるデータの補正方法
  2. 【請求項2】 多数の磁石と磁気センサを検査対象の管
    の内周に対応して配設した漏洩磁束ピグを管の軸方向に
    移動させながら所定間隔毎に夫々の磁気センサが出力す
    るデータを収集して検査を行う方法において、収集した
    データは管の溶接線毎に区切って処理を行うものとし、
    溶接線近傍のデータを除いた、隣接する溶接線間の区間
    のデータにつき、各磁気センサ毎の平均を求めると共
    に、これにより全磁気センサの平均を求め、各磁気セン
    サの収集データから磁気センサ毎の平均を減じると共に
    全磁気センサの平均を加えた値を各磁気センサの補正デ
    ータとすることを特徴とする漏洩磁束ピグを用いた管の
    検査におけるデータの補正方法
  3. 【請求項3】 平均値の演算においては、他と著しく異
    なる部分のデータを除去することを特徴とする請求項1
    記載の漏洩磁束ピグを用いた管の検査におけるデータの
    補正方法
  4. 【請求項4】 出力するデータは磁気センサ出力電圧で
    あることを特徴とする請求項1〜3までのいずれか1項
    に記載の漏洩磁束ピグを用いた管の検査におけるデータ
    の補正方法
  5. 【請求項5】 出力するデータは磁気センサ出力電圧か
    ら換算した磁束密度であることを特徴とする請求項1〜
    3までのいずれか1項に記載の漏洩磁束ピグを用いた管
    の検査におけるデータの補正方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001296277A (ja) * 2000-04-13 2001-10-26 Nkk Corp 磁気探傷方法

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