JPH10195631A - 耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法 - Google Patents

耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法

Info

Publication number
JPH10195631A
JPH10195631A JP216797A JP216797A JPH10195631A JP H10195631 A JPH10195631 A JP H10195631A JP 216797 A JP216797 A JP 216797A JP 216797 A JP216797 A JP 216797A JP H10195631 A JPH10195631 A JP H10195631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
aluminum
mechanical member
jig
inner diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP216797A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Masuda
田 淳 増
Masayuki Shimada
田 真 幸 島
Sakae Takahashi
橋 栄 高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Machine Co Ltd filed Critical Toshiba Machine Co Ltd
Priority to JP216797A priority Critical patent/JPH10195631A/ja
Publication of JPH10195631A publication Critical patent/JPH10195631A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレッチング摩耗の低減に十分な効果を発揮
する厚さのFe−Al合金層を、工作機械の主軸テーパ
部のような機械部材の内径部の内周面にも形成する。 【解決手段】 機械部材1の内径部2に密着して嵌合す
る治具4の嵌合部5の表面にアルミニウムを溶射するこ
とによりアルミニウム層8をあらかじめ形成し、内径部
2に治具4を挿着した当該機械部材1を真空炉中に入れ
て、アルミニウムの融点以上の温度で所定時間加熱し、
母材中にアルミニウムを拡散させ前記内径部2の接触面
にFe−Al合金被覆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐フレッチング性
に優れた機械部材の製造方法に係り、特に、主軸のテー
パ部内周面のようにフレッチング摩耗の生じ易い機械部
材の耐フレッチング性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】機械部品の摩擦面の摩耗には、アブレシ
ブ摩耗や、凝着摩耗などの一般的に見られる摩耗のほ
か、特殊な条件下で発生するものとして、フレッチング
がある。このフレッチングは、機械のはめ合い部のよう
に微少振幅の振動や変動応力を受ける部分に接触面があ
る場合に、二面間に何がしかの相対運動が生じるとほぼ
間違いなく起こる摩耗である。例えば、玉軸受のレース
の部分、軸継手と軸、スプライン軸、工作機械の主軸と
工具脱着部、焼バメ部やプレスバメ部、キー溝部など、
多くの部材にフレッチング摩耗が発生している。
【0003】機械部材の中でフレッチングが特に大きな
問題となっているのは、工作機械の主軸に工具を装着す
る部分である。工作機械、とりわけマシニングセンタで
ラフィングカッタ、エンドミルカッタを使って重切削の
荒削り加工を行うと、工具ホルダと主軸の接触面で凝着
が発生して赤錆を伴うフレッチング現象が発生する。こ
のフレッチングが発生した部分では、疲労強度が著しく
低下するため、その防止対策を講じることが重要とな
る。
【0004】従来から行われてきた主な対策としては、
設計による改善、潤滑剤を塗布する方法、摩擦面を表面
処理する方法が知られている。このうち、設計による改
善では、焼バメ部やプレスバメ部でのフレッチング防止
にフィレットをつけ、フレッチング発生部の振動を減少
させる方法などが比較的有効とされているが、機械部材
の用途、性能などに応じて個別的に対処するためにこれ
といった決め手はなく自ずと限界がある。また、潤滑剤
を塗布する方法では、一般に、フレッチング発生部には
潤滑剤の供給が困難な部分が多く、その利用は少ない。
このため、一般的には、Mo溶射、鋼材の表面にバナジ
ウム(V)を拡散させて鋼材中の炭素(C)との化合物
であるVCを形成させるVC処理などの表面処理法がフ
レッチング防止に採用されている。
【0005】Mo溶射法により接触面に被覆層を形成す
ることによってフレッチングを防止する従来技術の場
合、接触面の凝着を低減する効果はあるものの、被覆層
自体の強度が小さいという根本的な問題があり、被覆層
の剥離、割れといった損傷が短時間で発生することが多
いという問題がある。とりわけ、工作機械の主軸の工具
脱着部のように、強度的に負荷が苛酷でありかつ微小振
動に不断にさらされてフレッチングの発生しやすい条件
におかれる機械部材での有効なフレッチング防止が課題
とされている。
【0006】本出願人は、先に、フレッチング摩耗の防
止には、相対運動の生じる接触面にFe−Al合金層を
形成しておくことが有効であることを見い出し、これを
提案している(特願平8−55434号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】機械部材の接触面にF
e−Al合金層を形成する方法には、機械部材を溶融ア
ルミニウム中に数時間浸漬する浸漬法や、溶射法により
アルミニウムを機械部材の表面に蒸着してから、加熱す
ることによってアルミニウムを母材に拡散させる方法な
どがある。
【0008】浸漬法によってFe−Al合金層を形成す
る場合には、機械部材の特定部分にFe−Al合金層を
形成するのが難しく、また、機械部材の基材を700℃
ものAl浴に浸漬する過程で基材に変形が生じるという
問題がある。さらに、その層厚も30μm程度のごく薄
いFe−Al合金層を形成するのがせいぜいであるた
め、仕上加工の加工代を確保できない場合もあり、とり
わけ工作機械の主軸のような長物の機械部品では、実用
上十分な厚さのFe−Al合金層を確保できないという
問題があった。
【0009】一方、溶射法によってFe−Al合金層を
形成する場合には、本来的に溶射法は内径部の施工には
適さないため、機械部材の内径部の内周面にフレッチン
グ摩耗に対して十分な厚さのFe−Al合金層を形成す
るのが困難であった。
【0010】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、フレッチング摩耗の低減に十分
な効果を発揮する厚さのFe−Al合金層を、工作機械
の主軸テーパ部のような機械部材の内径部の内周面にも
形成することのできる耐フレッチング性に優れた機械部
材の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、他の機械部材が密着嵌合的に接触する
接触面を内径部に有し鋼を母材とする機械部材を製造す
る方法であって、前記機械部材の内径部に密着して嵌合
する治具の嵌合部の表面にアルミニウムを溶射すること
によりアルミニウム層をあらかじめ形成し、前記内径部
に前記治具を挿着した当該機械部材を真空炉中に入れ
て、アルミニウムの融点以上の温度で所定時間加熱し、
母材中にアルミニウムを拡散させ前記内径部の接触面に
Fe−Al合金被覆層を形成することを特徴とするもの
である。
【0012】機械部材のテーパ部のような内径部に密着
嵌合する部分にあらかじめアルミニウム層が形成されて
いる治具を用いて加熱することにより、機械部材の母材
中に拡散させるアルミニウムを、従来の浸漬法による場
合に較べて十分な量で確保することができ、しかも、溶
射法の適さない内径部に厚いFe−Al合金層を形成す
ることができる。
【0013】こうして機械部材の内径部の接触面表層に
形成されるFe−Al合金は、強度的に強固な被覆層を
形成し、剥離、割れなどの機械的損傷が発生しにくい。
そして、接触面に他の機械部材との相対運動が生じてフ
レッチングの発生し易い状況下では、摩擦熱によりFe
−Al合金層の表面にフレッチング摩耗に対して耐性の
ある酸化アルミニウムが生成されて、この酸化アルミニ
ウムがフレッチング摩耗の防止効果を発揮する。
【0014】本発明では、前記治具の嵌合部の表面にア
ルミニウムに対して不活性な離型剤層を形成し、前記離
型剤層の上に前記アルミニウム層を形成することが好ま
しい。このように離型剤層を介在させることにより、ア
ルミニウムを拡散させた後での治具の取り外しを容易に
行なうことができる。
【0015】また、本発明では、前記治具に形成したア
ルミニウム層の層厚を少なくとも200μm確保する手
段を介して前記治具を前記機械部材の内径部に挿着する
ことを特徴とする。
【0016】これによれば、真空炉での加熱の間、治具
は自重によって溶け出したアルミニウムを押し出そうと
するが、治具と内径部の接触面との間に適当な間隔を保
つことを可能とし、アルミニウム層の厚さが薄くなり拡
散が不十分となることを未然に防止できる。
【0017】本発明の好適な実施形態によれば、前記ア
ルミニウム層の層厚を確保する手段は、前記機械部材の
内径部に配置され、前記治具を下から支持し、かつ、そ
の支持位置を調整可能な支持棒から構成される。また、
確保するアルミニウム層の層厚に対応した厚さを有し、
アルミニウムよりも高い融点のニッケルのような金属材
料の中間層を前記離型剤層の上層または当該治具の嵌合
部の表面に部分的に形成し、この中間層により、治具を
支えるようにしてもよい。
【0018】本発明を適用可能な機械部材には、フレッ
チング防止対策が重要な部材、例えば、工具ホルダが脱
着される工作機械の主軸のテーパスリーブが代表的なも
のであるが、その他、種々の内径部のフレッチングが問
題となる機械構成要素に適用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明による耐フレッチン
グ性に優れた機械部材の製造方法の一実施形態について
添付の図面を参照して説明する。この図1に示す実施の
形態は、本発明を工作機械の主軸の製造に適用した例で
ある。
【0020】1は主軸であり、窒化鋼を材質としてい
る。この主軸1の内径部には、テーパ部2と軸孔3が加
工されている。テーパ部2には、工具ホルダのシャンク
部が高精度のはめ合い精度で嵌合するようになってい
る。切削加工中は、振動や応力の変動に不断にさらされ
る結果、主軸1のテーパ部2と工具ホルダのシャンク部
の互いに接触し合うテーパ面同士の間で微小な相対運動
が生じ、これがフレッチング摩耗の原因となる。そこ
で、主軸1のテーパ部2に治具を挿着し、テーパ部2の
内周面をFe−Al合金層で被覆する。
【0021】図2は、主軸1のテーパ部2に嵌合させる
治具4を示す。この治具4は、炭素鋼、例えばS48C
を材料にちょうど主軸1のテーパ部2と凹凸が逆になっ
た形状の嵌合部5が精密に加工されている治具で、嵌合
部5のテーパ面6は、主軸1のテーパ部2の内周面に密
着するようになっている。
【0022】治具4のテーパ面6には、離型剤としてジ
ルコニアが溶射されて、薄い離型剤層7が全面に形成さ
れている。この離型剤としては、アルミニウムと反応し
ないセラミックスからなる離型剤が用いられ、好適なも
のとしては、例えば、ジルコニアを挙げることができ
る。離型剤層7の上には、さらに、アルミニウムが溶射
されてアルミニウム層8が形成されている。このアルミ
ニウム層8は、溶射した後に、約200μm程度の均一
の厚さに仕上げ加工される。
【0023】こうして、あらかじめ離型剤層7とアルミ
ニウム層8が重畳して形成されている治具4を、図2に
示すように、主軸1のテーパ部2に挿着する。
【0024】この実施の形態は、アルミニウム層8が溶
融したときに、治具4の自重によりアルミニウムが押し
出されて薄くならないように、層厚を確保する手段とし
て支持棒10を用いる例である。この支持棒10は、主
軸1の軸孔3に挿入され、末端部に取り付けてある雄ね
じ11が軸孔3に切られている雌めじに螺合するように
なっている。また、雄ねじ部11の頭には、レンチが嵌
合する六角穴12が形成されており、レンチを用いて支
持棒10全体を回すことで、支持棒10の先端の高さを
微調整することができる。
【0025】真空炉に入れる前に、治具4を主軸1のテ
ーパ部2に挿着し、その時、支持棒10の高さを適宜調
整して、アルミニウム層8の表面とテーパ部2の内周面
との間に隙間が生じないようにして下から支持してお
く。
【0026】次に、治具4を取り付けたままの主軸1を
真空炉に入れ、アルミニウムの融点以上の温度を保って
数時間加熱する。この真空中での加熱により溶融したア
ルミニウムが主軸1の母材中に拡散し、テーパ部2の内
周面全面がFe−Al合金層で被覆される。
【0027】この加熱の間、治具4は支持棒10によっ
て支持されているので、溶け出したアルミニウムが押出
されてアルミニウム層8の厚さが薄くなり拡散が不十分
となることを未然に防止できる。
【0028】こうして、Fe−Al合金層を形成した
後、冷却してから主軸1を電気炉から取り出す。主軸1
から治具4を外す場合、離型剤層7があるため円滑な取
り外しが可能である。
【0029】最後に、主軸1のテーパ部2を仕上げ加工
し、内周面に形成されたFe−Al合金層を一定の厚さ
に研削して、耐フレッチング性に優れた主軸1を得るこ
とができる。
【0030】次に、本発明の他の実施形態について、図
3を参照して説明する。 この図3の実施の形態は、治
具4におけるアルミニウム層8の層厚を確保する手段と
して、第1実施形態の支持棒10の代りに、離型剤層7
の上層にアルミニウム層8とほぼ同じ厚さのニッケルか
らなる中間層20を部分的に形成しておき、このニッケ
ル中間層20に治具4を支持する機能を担わせたもので
ある。その他の工程は、第1実施形態と同様である。
【0031】図3(a)に示すように、治具4のテーパ
面6にジルコニアを溶射して形成した離型剤層7の上端
縁および下端縁にそれぞれニッケルを溶射して周回する
ニッケル中間層20を形成する。そのあとで、アルミニ
ウムを離型剤層7およびニッケル中間層20を覆うよう
に溶射してアルミニウム層8を形成する。
【0032】次に、図3(b)に示すように、アルミニ
ウム層8、ニッケル中間層20の表面を研削し、アルミ
ニウム層8、ニッケル中間層20がともに厚さがほぼ均
等に200μmになるように仕上げる。
【0033】真空炉に入れる前に、図3(c)に示すよ
うに、治具4を主軸1のテーパ部2に挿着しておき、そ
の後の真空炉での加熱工程、および真空炉から取り出し
た後の仕上げ加工工程は、前述した第1実施形態と同様
である。
【0034】真空炉で加熱する間、治具4は、ニッケル
中間層20、20によって支持されており、溶融したア
ルミニウムは、上下のニッケル中間層20、20の間で
治具4の自重で押し出されないように保持されるので、
主軸1の母材中への拡散が十分に行なわれる。
【0035】なお、図3の実施の形態では、治具4を支
持する中間層20をニッケルの溶射により形成したが、
材料はニッケル以外でも、アルミニウムよりも融点が高
い金属で、真空炉での加熱の間変形せずに治具を支持で
きる材料であればよい。また、中間層20を形成する方
法としては、離型剤層7の上に溶射する以外にも、治具
4のテーパ面6の上端縁と下端縁に基材自体を機械加工
することにより、あらかじめ中間層20に相当する厚さ
分だけ高くしておくようにしてもよい。
【0036】
【実施例】次に、実施例を挙げて前記実施形態をより詳
細に説明する。図1の実施形態に基づき、まず、治具4
について離型剤としてジルコニアを約0.1mmの厚さに
溶射し、さらに、その上にアルミニウムを0.3mmの厚
さに溶射した後で、アルミニウム層8を厚さ約200μ
mに仕上げ加工をした。他方、主軸1は、窒化鋼(SA
CM645)を材質とする主軸で、治具4を挿着してか
ら、真空炉では660℃の温度で2時間加熱した。
【0037】冷却後、主軸1から治具4を取り外してか
ら、テーパ部2の断面を観察したところ、母材の表層に
約200μmの厚さでFe−Al合金層が形成されてい
た。このFe−Al合金層には、Fe2 Al5 、FeA
2 、FeAl3 などのFe−Al化合物が生成されて
いた。このように形成されたFe−Al合金層の厚さ
は、仕上げ加工を経ても100μmは十分に確保できる
厚さである。
【0038】このようして得られた主軸1のテーパ部2
に、窒化鋼を窒化処理した工具ホルダを嵌め込み、マシ
ニングセンタに取り付け、20時間連続運転したとこ
ろ、主軸1のテーパ部2には、ほとんどフレッチング摩
耗が生じなかった。
【0039】図4は、前記の連続運転したときの各種主
軸におけるテーパ部の摩耗量をグラフに示したものであ
る。この図4で、(c)が前記実施例での摩耗量であ
る。
【0040】この図4で、(a)(b)は比較例であ
り、(a)は、テーパ部を浸炭焼入れ処理をした主軸に
窒化処理した工具ホルダを組み合わせた結果を示し、
(b)は、テーパ部を窒化処理した主軸に浸炭焼入れ処
理をした工具ホルダを組み合わせた結果である。(d)
は、前記実施例での工具ホルダ側の摩耗量を示す。
(e)は、前記実施例の主軸に対し、同様に表面にアル
ミニウムを拡散させてFe−Al合金層を形成した工具
ホルダを組み合わせたものである。
【0041】この試験結果にはっきりと示めされている
ように、本発明の実施例では、主軸のテーパ部の耐フレ
ッチング性を著しく強化できることがわかった。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、強度的に強固で剥離、割れなどの機械的損傷
が発生しにくい十分な厚さのあるFe−Al合金被覆層
を機械部材の内径部の接触面に形成することができる。
このため、他の機械部材との間の相対運動の際に生じる
熱により接触面の表面にフレッチング摩耗に対して耐性
のある酸化アルミニウムが十分に生成するので、従来加
工上の困難性からフレッチング摩耗に弱かった機械部材
の耐フレッチング性を著しく強化できる。
【0043】また、請求項3に記載の本発明によれば、
自重によって溶け出したアルミニウムを押し出そうとす
る治具と内径部の接触面との間に適当な間隔を保つこと
を可能とし、アルミニウム層の厚さが薄くなり拡散が不
十分となることを未然に防止できるので、仕上げ加工で
の加工代をも確保した十分な厚さのFe−Al合金層を
形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して製造する工作機械の主軸と、
使用する治具を示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態を説明する図で、主軸に治
具を挿着した状態を示す図。
【図3】本発明の他の実施形態の説明図。
【図4】本発明により製造した主軸および比較例の摩耗
試験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 主軸 2 テーパ部 3 軸孔 4 治具 5 嵌合部 6 テーパ面 7 離型剤層 8 アルミニウム層 10 支持棒 11 雄ねじ部 20 中間層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】他の機械部材が密着嵌合的に接触する接触
    面を内径部に有し鋼を母材とする機械部材を製造する方
    法であって、 前記機械部材の内径部に密着して嵌合する治具の嵌合部
    の表面にアルミニウムを溶射することによりアルミニウ
    ム層をあらかじめ形成し、 前記内径部に前記治具を挿着した当該機械部材を真空炉
    中に入れて、アルミニウムの融点以上の温度で所定時間
    加熱し、母材中にアルミニウムを拡散させ前記内径部の
    接触面にFe−Al合金被覆層を形成することを特徴と
    する耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記治具の嵌合部の表面にアルミニウムに
    対して不活性な離型剤層を形成し、前記離型剤層の上に
    前記アルミニウム層を形成することを特徴とする請求項
    1に記載の耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記治具に形成したアルミニウム層の層厚
    を少なくとも200μm確保する手段を介して前記治具
    を前記機械部材の内径部に挿着することを特徴とする請
    求項1または2に記載の耐フレッチング性に優れた機械
    部材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記アルミニウム層の層厚を確保する手段
    は、前記機械部材の内径部に配置され、前記治具を下か
    ら支持し、かつ、その支持位置を調整可能な支持棒から
    なることを特徴とする請求項3に記載の耐フレッチング
    性に優れた機械部材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記アルミニウム層の層厚を確保する手段
    は、確保するアルミニウム層の層厚に対応した厚さを有
    し、アルミニウムよりも高い融点の金属材料からなる中
    間層を前記離型剤層の上層または当該治具の嵌合部の表
    面に部分的に形成してなることを特徴とする請求項3に
    記載の耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法。
  6. 【請求項6】前記機械部材は、先端にテーパ部を有する
    工作機械の主軸であることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかの項に記載の耐フレッチング性に優れた機械
    部材の製造方法。
JP216797A 1997-01-09 1997-01-09 耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法 Pending JPH10195631A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP216797A JPH10195631A (ja) 1997-01-09 1997-01-09 耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP216797A JPH10195631A (ja) 1997-01-09 1997-01-09 耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10195631A true JPH10195631A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11521817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP216797A Pending JPH10195631A (ja) 1997-01-09 1997-01-09 耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10195631A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6732435B2 (en) * 2001-05-22 2004-05-11 Harmonic Drive Systems Inc. Method of manufacturing a lightweight bearing

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6732435B2 (en) * 2001-05-22 2004-05-11 Harmonic Drive Systems Inc. Method of manufacturing a lightweight bearing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3070757B2 (ja) 連続溶融金属メツキ装置、連続溶融金属メツキ装置の製造方法、連続溶融金属メツキ装置用軸受、及び、連続溶融金属メツキ装置用ロール
JP4575899B2 (ja) ディンプル形成バニシング工具および加工方法
JP3134134B2 (ja) 軸受部品の製造方法
US5365664A (en) Method of making aluminum alloy bearing
KR20060009927A (ko) 롤러베어링용 보존기
US2376779A (en) Process for making antifriction bearings
JPH0796406A (ja) 加工品旋削装置及び部品形成方法
US20120060977A1 (en) Method of manufacturing carburized parts
JPH10195631A (ja) 耐フレッチング性に優れた機械部材の製造方法
JPS626940B2 (ja)
JP2021025598A (ja) 転がり軸受及び軌道輪の修復方法
KR100636712B1 (ko) 고착된 미끄럼 베어링 층을 구비한 커넥팅 로드 제조 방법
JPH0124587B2 (ja)
JP2011038600A (ja) 自在継手部品の製造方法
JP4487530B2 (ja) 転がり軸受用保持器及びその製造方法
US5339513A (en) Method of manufacturing thick-walled small diameter pipe
JP3123488B2 (ja) 圧延用スリーブロールのシャフトの製造方法
US5195244A (en) Bearings
US11231079B2 (en) Ferrous workpiece and method of manufacture
KR102412141B1 (ko) 초경 센터 및 그 제조방법
JPH09228025A (ja) フレッチング防止構造
JPS6240133B2 (ja)
JP2776484B2 (ja) ドリルねじの製造方法
JP2007321806A (ja) 転がり摺動部品及び該転がり摺動部品を備えた転動装置
JPH11210756A (ja) 耐フレッチング被覆の形成方法および同被覆を有する機械部材