JPH10194831A - ジルコニア−黒鉛質耐火物 - Google Patents
ジルコニア−黒鉛質耐火物Info
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- JPH10194831A JPH10194831A JP9011958A JP1195897A JPH10194831A JP H10194831 A JPH10194831 A JP H10194831A JP 9011958 A JP9011958 A JP 9011958A JP 1195897 A JP1195897 A JP 1195897A JP H10194831 A JPH10194831 A JP H10194831A
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Abstract
上させたジルコニア−黒鉛質耐火物を提供する。 【解決手段】 安定化剤としてイットリア(酸化イット
リウム、Y2 O3 )単味を3〜5重量%含み、安定化率
が20〜50%であり、粒度範囲が80ミクロン以下の
部分安定化ジルコニアを、出発ジルコニア原料に含むこ
とを特徴とするジルコニア−黒鉛質耐火物。
Description
で使用される耐食性や耐熱衝撃性に優れたジルコニア−
黒鉛質耐火物に関し、特に鋳造用ノズルとして好適なジ
ルコニア−黒鉛質耐火物に関するものである。
るジルコニア−黒鉛材質の出発ジルコニア原料は、安定
化剤としてカルシア(CaO)を含み、安定化率は50
〜80重量%のものが主である。安定化剤としては、マ
グネシア(MgO)やイットリア(Y2 O3 )も知られ
ている。
1200℃で単斜晶系←→正方晶系の転位を起す。この
転移に伴って体積変化が生じ耐熱衝撃性に悪影響を与え
るため、未安定ジルコニアをジルコニア−黒鉛質耐火物
の主要な原料として使用することはできない。
安定化剤を固溶させ、高温域の立方晶系が常温でも安定
となるようにした部分安定化ジルコニアを用いている。
部分安定化ジルコニアは、安定化剤の含有量により安定
化率が変化し、粒子の特性はこの安定化率に依存する。
は、特に連続鋳造用ノズルの溶融スラグに接する部位に
用いられる。溶融スラグは、湯面でモールドパウダー等
が溶けて形成されるもので、浸食性の大きなアルカリ成
分やフッ素成分等を含んでいる。それゆえ、当該部位に
は、高耐食性の材質を用いねばならないのである。
孔部の閉塞の問題と共に、連続鋳造用ノズルの寿命を決
定する上での重要な課題の1つである。今日、ユーザー
の多岐に及ぶ使用条件に対応し、尚且つ耐火物の使用コ
ストを低減させるために、耐食性の向上は極めて重要な
課題である。
いては、高耐食性を追及しすぎると、耐熱衝撃性が低下
する傾向があった。実際、前述の安定化剤を用いた部分
安定化ジルコニアにおいては、長時間の連続鋳造を行う
場合に脱安定化現象が生じる。脱安定化現象は、安定化
剤が離溶する現象であって、マグネシア、カルシア、イ
ットリアの順で脱安定化し易いことが知られている。
最も安定しており、脱安定化傾向は小さい。しかし、イ
ットリアを用いた場合でも、脱安定化が全く生じないわ
けではない。イットリアを用いるとコスト高になるが、
それに見合うだけの高性能のジルコニア−黒鉛材質はま
だ存在しないのである。
明は、耐熱衝撃性と耐食性の両方をバランス良く向上さ
せたジルコニア−黒鉛質耐火物を提供することを目的と
している。
てイットリア(酸化イットリウム、Y2 O3 )単味を3
〜5重量%含み、安定化率が20〜50%であり、粒度
範囲が80ミクロン以下の部分安定化ジルコニアを、出
発原料に含むことを特徴とするジルコニア−黒鉛質耐火
物を要旨としている。
すべく鋭意研究の結果、安定化剤としてイットリアを用
いた場合に、安定化剤の含有量、それによって決定され
る安定化率、及びジルコニア原料として用いる部分安定
化ジルコニアの粒度範囲を限定することによって、耐食
性と耐熱衝撃性をバランス良く最大限に向上できること
を見出した。
火物は、安定化剤としてイットリア(酸化イットリウ
ム、Y2 O3 )単味を3〜5重量%含み、安定化率が2
0〜50%であり、粒度範囲が80ミクロン以下の部分
安定化ジルコニアを、出発原料に含むことを特徴として
いる。
として好適であり、特に鋳造用ノズルの溶融スラグに接
する部位に用いるのに最適である。
ルコニア原料を安定化する必要がある。しかし、安定化
率を高くすると、それだけ安定化剤の脱安定化現象が生
じ易くなり、耐食性が低下してしまう。本発明は、前述
したように、このような相反する課題を実用レベルで解
決し、耐熱衝撃性と耐食性の両方をバランス良く向上さ
せたことを特徴としている。
部分安定化ジルコニアの粒度範囲を80ミクロン以下、
安定化率を20〜50%に限定した理由を述べる。
ニア出発原料の粒度が大きい場合には、安定化率をある
程度大きくしないと耐熱衝撃性を向上できない。なぜな
ら、粒度が大きいと、未安定部分の相転移の影響が大き
く作用するからである。
の全体的な比表面積が大きくなるため脱安定化現象が起
り易くなる。なぜなら、脱安定化現象は粒子の表面で生
じ易いからである。
した部分安定化ジルコニア出発原料の粒度範囲は80ミ
クロン以下、安定化率は20〜50%が適正である。
化率が50%を超える場合には、脱安定化現象が大きく
なり耐食性が低下してしまうのである。
性の改善効果が十分でなくなるのである。
と比較的小さくし、安定化率を20〜50%と低〜中安
定化率とすることによって、耐熱衝撃性と耐食性の両方
をバランス良く向上できる。
5〜40重量%を占めることが好ましい。さらに好まし
い割合は10〜30重量%である。
%未満では、耐熱衝撃性と耐食性の両方をバランス良く
向上できない。また、その割合が40重量%を超える
と、相転移の影響が大きくなって逆に耐熱衝撃性が低下
してしまう。
例1〜9及び比較例1〜13を説明する。
ニア−黒鉛質耐火物は、表1〜表3に示す原料を混練後
に、成形圧1.5トン/cm2 の静水圧プレスにて成形
し、還元雰囲気下1000℃で焼成し供試体としたもの
である。
指数を調べた。
×25×130mmのテストピースを1400℃で10
分間保持した後、水中投下し、目視により認められた亀
裂によって評価した。
した鋼中にテストピースを浸漬し、比較例1の非溶損量
(溶損せずに残った量)を基準とし、それに基づく非溶
損量比で評価した。それゆえ、耐食性指数が大きいほ
ど、耐食性に優れていることになる。
7、比較例6では、部分安定化ジルコニアの各粒度での
使用ジルコニア原料を変化させ、安定化剤としてイット
リアを4重量%含む部分安定化ジルコニアの適正な使用
粒度範囲を評価した。
耐熱衝撃性及び耐食性が比較例1に比べて優れていた。
また、比較例7及び6では、耐熱衝撃性及び耐食性が比
較例1、実施例2、1に比べて劣っていた。
重量%含む部分安定化ジルコニアの好適な使用粒度範囲
が80ミクロン以下であることが確認された。
8、比較例6においても、同様に部分安定化ジルコニア
の各粒度での使用ジルコニア原料を変化させ、安定化剤
としてイットリアを4重量%含む部分安定化ジルコニア
の適正な使用粒度範囲を評価した。最初に述べた群と異
なる点は、最初の群ではジルコニア原料の残部がCaO
安定化ジルコニアであったのに対して、後の群では残部
もイットリア安定化ジルコニアとした点である。残部の
安定化ジルコニアの安定化率は80wt%とした。 後
の群においても、部分安定化ジルコニアの粒度範囲が8
0ミクロン以下の系で耐熱衝撃性及び耐食性が優れてい
た。
%)のイットリア安定化ジルコニア原料の残部として、
イットリアで高率に安定化した原料を用いたほうがカル
シアの場合により耐食性に優れることが確認できた。た
だし、比較例2のように、高安定率(80wt%)のイ
ットリア安定化ジルコニアは、粒度が小さいと、粒子の
全体的な比表面積が大きくなるため脱安定化現象が起り
易くなる。なぜなら、脱安定化現象は粒子の表面で生じ
易いからである。
カルシアで安定化した高安定化率(80%)の原料と併
用する原料として、イットリア(実施例)で安定化した
低安定化率(40%)の部分安定化ジルコニア(80ミ
クロン以下)とカルシア(比較例)を用いる場合の優劣
を比較できる。
0%と低く、80ミクロン以下の部分安定化ジルコニア
の安定化剤としては、カルシアよりイットリアの方が優
れていることが確認できた。
化剤とし安定化率が40%であり粒度範囲が80ミクロ
ン以下の部分安定化ジルコニアの配合量について述べ
る。
7、比較例10では、前述の部分安定化ジルコニアの使
用量を順に増加させた。
ジルコニアの使用量が5重量%、20重量%、40重量
%の配合例では特性が向上した。しかし、その使用量が
45重量%の比較例10では基本材質である比較例9よ
りも、耐熱衝撃性が劣っていた。これは、相転移に伴う
体積変化の影響が大きく出たものと考えられる。
安定化率について述べる。
13では、比較例11の50ミクロン以下のCaO安定
化ジルコニアを、粒度が同じで安定化率が10、20、
50、60%のY2 O3 安定化ジルコニアで置換した。
例8、9では特性が向上したが、安定化率が10の比較
例12では比較例11と耐熱衝撃性に大差がなかった。
これは、安定化率が10%の部分安定化ジルコニアで
は、相転移に伴う体積変化の影響が出たもの考えられ
る。一方、安定化率が60%のジルコニアを使用した比
較例13では、脱安定化現象のためジルコニア粒子の損
傷が生じ、耐食性の向上効果は少なかったものと考えら
れる。
ジルコニアの安定化率は20〜50%が効果的であるこ
とが確認された。
化したジルコニアと、カルシアで部分安定化したジルコ
ニアを両方用いることと、イットリアとカルシアの両方
で安定化した部分安定化ジルコニアを用いることは等価
ではない。例えば、前者の本発明の手法では、イットリ
ア安定化ジルコニアとカルシア安定化ジルコニアの粒度
配合を別個に調整することによって、より望ましい耐火
物特性を得ることができるが、後者はそれができない。
高コストのイットリアを安定化剤として用いることに見
合うだけの高耐食性と高耐熱衝撃性を具備し、鋳造用ノ
ズルの材料として好適であり、特に溶融スラグに接する
部位に用いるのに最適である。
い。実施例では、本発明で規定した粒度が小さい部分安
定化ジルコニア原料以外の出発ジルコニア原料として粒
度が大きくカルシア又はイットリアで部分安定化したジ
ルコニアを使用したが、他の安定化剤で安定化した部分
安定化ジルコニアを使用することもできる。また、鱗状
黒鉛以外の黒鉛原料を使用することもできる。
Claims (2)
- 【請求項1】 安定化剤としてイットリア(酸化イット
リウム、Y2 O3 )単味を3〜5重量%含み、安定化率
が20〜50%であり、粒度範囲が80ミクロン以下の
部分安定化ジルコニアを、出発原料に含むことを特徴と
するジルコニア−黒鉛質耐火物。 - 【請求項2】 前記部分安定化ジルコニアが、出発原料
の5〜40重量%を占めることを特徴とする請求項1に
記載のジルコニア−黒鉛質耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9011958A JPH10194831A (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | ジルコニア−黒鉛質耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9011958A JPH10194831A (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | ジルコニア−黒鉛質耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10194831A true JPH10194831A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11792137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9011958A Pending JPH10194831A (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | ジルコニア−黒鉛質耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10194831A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023190119A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 第一稀元素化学工業株式会社 | ジルコニア粉末、ジルコニア焼結体、及び、ジルコニア焼結体の製造方法 |
-
1997
- 1997-01-07 JP JP9011958A patent/JPH10194831A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023190119A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 第一稀元素化学工業株式会社 | ジルコニア粉末、ジルコニア焼結体、及び、ジルコニア焼結体の製造方法 |
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