JPH10194287A - 運搬用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】下方の浅い運搬用容器Ｂｓに形成されたポ
ケットｐ１〜ｐ４に、上方の深い運搬用容器Ｂｄに形成
されたスタックリブｓが延設された支柱ｃ５〜ｃ８を挿
入することにより、深い運搬用容器を浅い運搬用容器に
ネスティング可能な運搬用容器であって、該運搬用容器
の側壁に停止支柱ｃ９を形成するとともに、該停止支柱
の下端ｃ９’と底部３の下端３ａとの距離が、浅い容器
のポケットの深さと略同じとした運搬用容器に関するも
のである。 【効果】スタックリブが、下方の浅い容器の内面に押し
付けられるようなことがなく、上方の深い容器を持ち上
げて、下方の浅い容器から引き抜く場合に、下方の浅い
容器が一緒に持ち上げられるようなトラブルの発生が防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、平面形状が略方形
状の運搬用容器（以下、単に、「容器」ともいう。）を
上下に積み重ねた際に、上方の容器の略下半分が、下方
の容器に嵌合される状態（以下、このような状態を、
「ネスティング状態」或いは、単に、「ネスティング」
という。）と、上方の容器の下部が、下方の容器の開口
部に沿って形成されたフランジに載置される状態（以
下、このような状態を、「スタッキング状態」或いは、
単に、「スタッキング」という。）とに選択可能な運搬
用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、容器の側壁の略上半分を、所定の
幅に亘って外側に膨出させて、ポケットを形成するとと
もに、容器の側壁の少なくとも下半分に、側壁の外面か
ら突出した支柱を形成し、ネスティングの際には、上方
の容器の支柱が、下方の容器のポケットに挿入され、ま
た、スタッキングの際には、上方の容器の支柱が、下方
の容器のフランジに載置されるようにした運搬用容器が
知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の容器の
スタッキング状態の垂直断面図である図４に示されてい
るように、容器Ｂ’の側壁１’は、外側に向かって、若
干、傾斜して形成されており、該側壁１’の外面に支脚
ｃ１’が突設されている。支脚ｃ１’の下端ｃ１”は、
容器Ｂ’の底部２’の下端２”より、若干、上方に位置
しており、スタッキング状態において、上方の容器Ｂ’
の底部２’が、若干、下方の容器Ｂ’に入り込み、上方
の容器Ｂ’が水平方向に移動しても、下方の容器Ｂ’か
ら抜け出ないように構成されている。また、支脚ｃ１’
には、支脚ｃ１’の下端ｃ１”を越えて下方に延在する
とともに、下方の容器Ｂ’に入り込むスタックリブｃ
２’が形成されている。

【０００４】上述したように、容器Ｂ’の側壁１’は、
外側に向かって、若干、傾斜して形成されているので、
スタッキング状態においては、上方の容器Ｂ’の底部
２’付近の側壁１’の外面と下方の容器Ｂ’のフランジ
３’付近の側壁１’の内面との間に間隙ｗが形成される
ために、上方の容器Ｂ’の水平方向の移動が大きくな
り、従って、多数の容器Ｂ’を積み重ねた際のスタッキ
ング状態が不安定になる。このようなスタッキング状態
の不安定さを解消するために、上述したように、支脚ｃ
１’には、下方の容器Ｂ’に入り込むスタックリブｃ
２’が形成されている。このようなスタックリブｃ２’
を形成することにより、上方の容器Ｂ’の水平方向の移
動が少なくなり、安定したスタッキング状態を得ること
ができる。

【０００５】しかしながら、図５及び図６に示されてい
るように、下方の浅い容器Ｂｓ’に、深い容器Ｂｄ’を
ネスティングさせた際に、深い容器Ｂｄ’の支脚ｃ１’
に延設されたスタックリブｃ２’が、下方の浅い容器Ｂ
ｓ’に形成されたポケットｐ１’の底面ｐ１”を越え
て、ポケットｐ１’の下方に位置する側壁１’の内面に
押し付けられる場合がある。このように、深い容器Ｂ
ｄ’の支脚ｃ１’のスタックリブｃ２’が、下方の浅い
容器Ｂｓ’の側壁１’の内面に押し付けられた状態か
ら、上方の深い容器Ｂｄ’を持ち上げて、下方の浅い容
器Ｂｓ’から引き抜こうとすると、下方の浅い容器Ｂ
ｓ’も一緒に持ち上げられるというトラブルが発生す
る。このように、下方の浅い容器Ｂｓ’が、上方の深い
容器Ｂｄ’と一緒に持ち上げられた場合には、下方の浅
い容器Ｂｓ’を押さえながら、上方の深い容器Ｂｄ’を
持ち上げなければならず、従って、ネスティング状態か
らの深い容器Ｂｄ’の引き抜き作業性が悪いという問題
があった。

【０００６】本発明の目的は、上述した従来の運搬用容
器が有する課題を解決した運搬用容器を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するために、下方の浅い運搬用容器に形成された
ポケットに、上方の深い運搬用容器に形成されたスタッ
クリブが延設された支柱を挿入することにより、深い運
搬用容器を浅い運搬用容器にネスティング可能な運搬用
容器であって、該運搬用容器の側壁に停止支柱を形成す
るとともに、該停止支柱の下端と底部の下端との距離
が、浅い容器のポケットの深さと略同じとしたものであ
る。

【０００８】

【実施例】図１において、Ｂｓは、公知の浅い容器であ
り、浅い容器Ｂｓの相対する長辺側壁１ａの一方の相対
する端部付近には、細幅の支柱ｃ１が形成されており、
そして、該細幅の支柱ｃ１の容器中央寄りには、浅い容
器Ｂｓの略半分の深さを有する幅広のポケットｐ１が形
成されている。また、浅い容器Ｂｓの相対する長辺側壁
１ａのもう一方の相対する端部付近には、浅い容器Ｂｓ
の略半分の深さを有する幅狭のポケットｐ２が形成され
ており、そして、該幅狭のポケットｐ２の容器中央寄り
には、幅広の支柱ｃ２が形成されている。

【０００９】浅い容器Ｂｓの相対する短辺側壁１ｂの一
方の短辺側壁１ｂの両端部付近には、浅い容器Ｂｓの略
半分の深さを有する所定の幅のポケットｐ３が形成され
ており、そして、該ポケットｐ３の容器中央寄りには、
ポケットｐ３の幅より狭い幅を有する一対の支柱ｃ３が
形成されている。また、もう一方の短辺側壁１ｂの両端
部付近には、上記ポケットｐ３と相対するように、上記
支柱ｃ３と同じ支柱（もう一方の短辺側壁１ｂの外面に
形成されているために、図１には示されていない。）が
形成されており、そして、該もう一方の短辺側壁１ｂの
両端部付近に形成された支柱の容器中央寄りには、上記
の支柱ｃ３と相対するように、上記ポケットｐ３と同じ
ポケットｐ４が形成されている。なお、短辺側壁１ｂに
は、上記のようなポケットや支柱の形成を省略すること
もできる。

【００１０】上述したように、浅い容器Ｂｓの長辺側壁
１ａ及び短辺側壁１ｂは、外側に向かって、若干、傾斜
して形成されており、また、浅い容器Ｂｓの開口部に沿
って、長辺側壁１ａ及び短辺側壁１ｂの上端縁からは、
外方に水平に延在するフランジ１ｃが形成されている。
１ｄは、浅い容器Ｂｓの略半分の高さに形成された水平
に延在する水平リブであり、１ｅは、フランジ１ｃと水
平リブ１ｄの間に形成された、水平リブ１ｄと同様の水
平リブである。１ｆは、フランジ１ｃ、両水平リブ１
ｄ、１ｅの間の適当な位置に形成された垂直リブであ
る。このような両水平リブ１ｄ、１ｅや垂直リブ１ｆ
は、適宜、省略することもできる。

【００１１】Ｂｄは、上述した浅い容器Ｂｓより深い容
器であり、深い容器Ｂｄの相対する長辺側壁２ａの一方
の相対する端部付近には、深い容器Ｂｄの略半分の深さ
を有する幅狭ポケットｐ５が形成されており、そして、
該幅狭ポケットｐ５の容器中央寄りには、幅広支柱ｃ５
が形成されている。また、深い容器Ｂｄの相対する長辺
側壁２ａのもう一方の相対する端部付近には、幅狭支柱
ｃ６が形成されており、そして、該幅狭支柱ｃ６の容器
中央寄りには、深い容器Ｂｄの略半分の深さを有する幅
広ポケットｐ６が形成されている。

【００１２】深い容器Ｂｄの相対する短辺側壁２ｂの一
方の短辺側壁２ｂの両端部付近には、所定の幅の支柱ｃ
７が形成されており、そして、該支柱ｃ７の容器中央寄
りには、支柱ｃ７の幅より広い幅の一対のポケットｐ７
が形成されている。また、もう一方の短辺側壁２ｂの両
端部付近には、上記支柱ｃ７と相対するように、上記ポ
ケットｐ７と同じポケットｐ８が形成されており、該ポ
ケットｐ８の容器中央寄りには、上記のポケットｐ７と
相対するように、上記支柱ｃ７と同じ支柱ｃ８が形成さ
れている。なお、短辺側壁２ｂには、上記のようなポケ
ットや支柱の形成を省略することもできる。

【００１３】上述した各支柱ｃ５、ｃ６、ｃ７、ｃ８の
下端からは、スタッキング状態において下方の容器に入
り込む公知のスタックリブｓが延設されている。

【００１４】深い容器Ｂｄの開口部に沿って、長辺側壁
２ａ及び短辺側壁２ｂの上端縁からは、外方に水平に延
在するフランジ２ｃが形成されている。２ｄは、深い容
器Ｂｄの略半分の高さに形成された水平に延在する水平
リブであり、２ｅは、フランジ２ｃと水平リブ２ｄの間
に形成された、水平リブ２ｄと同様の水平リブである。
図１に示されているように、本実施例においては、２つ
の水平リブ２ｅが形成されている。２ｆは、フランジ２
ｃ、両水平リブ２ｄ、２ｅの間の適当な位置に形成され
た垂直リブである。このような両水平リブ２ｄ、２ｅや
垂直リブ２ｆは、適宜、省略することもできる。

【００１５】ｃ９は、深い容器Ｂｄの相対する長辺側壁
２ａの外面に、所定の間隔を置いて垂直に突設された停
止支柱である。停止支柱ｃ９は、長辺側壁２ａの中程の
高さから下方に延びており、停止支柱ｃ９の下端ｃ９’
と底部３の下端３ａとの距離は、上方から深い容器Ｂｄ
の下部が嵌合される、即ち、ネスティングされる、浅い
容器Ｂｓのポケットｐ１〜ｐ４の深さに相当するように
構成されている。また、停止支柱ｃ９の側方に位置する
長辺側壁２ａの内面には、停止支柱ｃ９が挿入可能な幅
を有する停止支柱用ポケットｐ９が形成されている。相
対する長辺側壁２ａに形成された停止支柱ｃ９と停止支
柱用ポケットｐ９とのペアは、長辺側壁２ａに沿った中
心線に対して線対称となるように構成されている。

【００１６】ｃ１０は、深い容器Ｂｄの相対する短辺側
壁２ｂの外面に垂直に突設された、上述した停止支柱ｃ
９と同様の停止支柱である。停止支柱ｃ１０は、短辺側
壁２ｂの中程の高さから下方に延びており、停止支柱ｃ
１０の下端ｃ１０’と底部３の下端３ａとの間隔は、上
方から深い容器Ｂｄの下部が嵌合される、即ち、ネステ
ィングされる、浅い容器Ｂｓのポケットｐ１〜ｐ４の深
さに相当するように構成されている。停止支柱ｃ１０の
側方に位置する短辺側壁２ｂの内面には、停止支柱ｃ１
０が挿入可能な幅を有する停止支柱用ポケットｐ１０が
形成されている。相対する短辺側壁２ｂに形成された停
止支柱ｃ１０と停止支柱用ポケットｐ１０とのペアは、
短辺側壁２ｂに沿った中心線に対して線対称となるよう
に構成されている。短辺側壁２ｂに形成される停止支柱
ｃ１０及び停止支柱用ポケットｐ１０は、省略すること
ができる。

【００１７】次に、上述した構成を有する深い容器Ｂｄ
を、下方の浅い容器Ｂｓにネスティングする場合につい
て説明する。

【００１８】図１に示されているように、深い容器Ｂｄ
の長辺側壁２ａに形成された広幅支柱ｃ５が、下方の浅
い容器Ｂｓの長辺側壁１ａに形成された幅広ポケットｐ
１に、また、深い容器Ｂｄの長辺側壁２ａに形成された
幅狭支柱ｃ６が、下方の浅い容器Ｂｓの長辺側壁１ａに
形成された幅狭ポケットｐ２に、更に、深い容器Ｂｄの
短辺側壁２ｂに支柱ｃ７が形成されている場合には、該
支柱ｃ７が、下方の浅い容器Ｂｓの短辺側壁１ｂに形成
されたポケットｐ３、ｐ４に挿入されるように、深い容
器Ｂｄを、下方の浅い容器Ｂｓにネスティングする。

【００１９】深い容器Ｂｄを、下方の浅い容器Ｂｓにネ
スティングする過程において、深い容器Ｂｄの長辺側壁
２ａ及び短辺側壁２ｂに形成された各支柱ｃ５〜ｃ８の
下端から下方に延設されたスタックリブｓが、浅い容器
Ｂｓの長辺側壁１ａ及び短辺側壁１ｂに形成された各ポ
ケットｐ１〜ｐ４の底面に略達すると、深い容器Ｂｄの
長辺側壁２ａ及び短辺側壁２ｂに形成された停止支柱ｃ
９、ｃ１０が、下方の浅い容器Ｂｓのフランジ１ｃに載
置されて、深い容器Ｂｄの長辺側壁２ａ及び短辺側壁２
ｂに形成された各支柱ｃ５〜ｃ８の下端から下方に延設
されたスタックリブｓが、浅い容器Ｂｓの長辺側壁１ａ
及び短辺側壁１ｂに形成された各ポケットｐ１〜ｐ４の
底面を越えて下方に行かないように構成されている。

【００２０】例えば、図３に示されているように、深い
容器Ｂｄの広幅支柱ｃ５が、下方の浅い容器Ｂｓの長辺
側壁１ａに形成された幅広ポケットｐ１に挿入され、深
い容器Ｂｄの広幅支柱ｃ５の下端から下方に延設された
スタックリブｓが、浅い容器Ｂｓの長辺側壁１ａに形成
された幅広ポケットｐ１の底面ｐ１ａに略達すると、上
記の深い容器Ｂｄの長辺側壁２ａに形成された停止支柱
ｃ９が、下方の浅い容器Ｂｓのフランジ１ｃに載置され
て、深い容器Ｂｄの広幅支柱ｃ５の下端から下方に延設
されたスタックリブｓが、浅い容器Ｂｓの長辺側壁１ａ
に形成された幅広ポケットｐ１の底面ｐ１ａを越えて下
方に行かないように構成されている。

【００２１】従って、深い容器Ｂｄの長辺側壁２ａ及び
短辺側壁２ｂに形成された各支柱ｃ５〜ｃ８の下端から
下方に延設されたスタックリブｓが、浅い容器Ｂｓの長
辺側壁１ａ及び短辺側壁１ｂの内面に押し付けられるよ
うなことがなく、上方の深い容器Ｂｄを持ち上げて、下
方の浅い容器Ｂｓから引き抜く際に、下方の浅い容器Ｂ
ｓも一緒に持ち上げられるようなトラブルの発生が防止
できる。

【００２２】上述した実施例には、深い容器Ｂｄの各長
辺側壁２ａに、停止支柱ｃ９と停止支柱用ポケットｐ９
からなるペアを、２組み配設した例を示したが、１組、
或いは、３組以上配設することもできる。また、深い容
器Ｂｄの各短辺側壁２ｂには、停止支柱ｃ１０と停止支
柱用ポケットｐ１０からなるペアを設けないことも、或
いは、２組以上配設することもできる。

【００２３】広幅ポケットや幅狭ポケット及び広幅支柱
や幅狭支柱の配置は、ネスティング及びスタッキングが
可能な公知の種々の運搬用容器に使用されている配置と
することができる。また、上述した実施例においては、
停止支柱が板状に形成されている例が示されているが、
支柱と同様に、正面形状がＵ字状のリブにより形成する
こともできる。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏することができ
る。

【００２５】深い容器を、浅い容器にネスティングする
際に、浅い容器のフランジに載置される停止支柱を、深
い容器の側壁に形成したので、深い容器に形成された支
柱の下端から下方に延設されたスタックリブが、下方の
浅い容器のポケットの下面を越えて下方に下降しないの
で、従って、上記のスタックリブが、下方の浅い容器の
内面に押し付けられるようなことがなく、上方の深い容
器を持ち上げて、下方の浅い容器から引き抜く場合に、
下方の浅い容器が一緒に持ち上げられるようなトラブル
の発生が防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、浅い容器に本発明の深い容器をネステ
ィングする前の浅い容器と本発明の深い容器の斜視図で
ある。

【図２】図２は本発明の深い容器の平面図である。

【図３】図３は浅い容器に本発明の深い容器をネスティ
ングした状態の浅い容器のポケットに沿った部分拡大垂
直断面図である。

【図４】図４は従来の容器のスタッキング状態を示す下
方の容器のポケットに沿った部分拡大垂直断面図であ
る。

【図５】図５は浅い容器に従来の深い容器をネスティン
グした状態の浅い容器のポケットに沿った垂直断面図で
ある。

【図６】図６は浅い容器に従来の深い容器をネスティン
グした状態の浅い容器のポケットに沿った部分拡大垂直
断面図である。

【符号の説明】

Ｂｓ・・・・・・・浅い容器 Ｂｄ・・・・・・・深い容器 ｃ５〜ｃ８・・・・支柱 ｐ５〜ｐ８・・・・ポケット ｃ９、ｃ１０・・・停止支柱 ｐ９、ｐ１０・・・停止支柱用ポケット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下方の浅い運搬用容器に形成されたポケッ
   トに、上方の深い運搬用容器に形成されたスタックリブ
   が延設された支柱を挿入することにより、深い運搬用容
   器を浅い運搬用容器にネスティング可能な運搬用容器で
   あって、該運搬用容器の側壁に停止支柱を形成するとと
   もに、該停止支柱の下端と底部の下端との距離が、浅い
   容器のポケットの深さと略同じとしたことを特徴とする
   運搬用容器。