JPH10193783A - 水性インク用記録材 - Google Patents
水性インク用記録材Info
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- JPH10193783A JPH10193783A JP9017895A JP1789597A JPH10193783A JP H10193783 A JPH10193783 A JP H10193783A JP 9017895 A JP9017895 A JP 9017895A JP 1789597 A JP1789597 A JP 1789597A JP H10193783 A JPH10193783 A JP H10193783A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐久性が良好で、さらにベタ印字、二色印字
の際に良好な印字画像が得られ、オーバーヘッドプロジ
ェクターなどに用いて好適な水性インク用記録材を提供
する。 【解決手段】 支持体上に最外層が耐水性樹脂層、下側
層が水溶性樹脂層からなる少なくとも２層からなるイン
ク受溶層を設けた水性インク用記録材において、最外層
の表面をＵＶオゾンまたはプラズマ照射により親水化す
る。
の際に良好な印字画像が得られ、オーバーヘッドプロジ
ェクターなどに用いて好適な水性インク用記録材を提供
する。 【解決手段】 支持体上に最外層が耐水性樹脂層、下側
層が水溶性樹脂層からなる少なくとも２層からなるイン
ク受溶層を設けた水性インク用記録材において、最外層
の表面をＵＶオゾンまたはプラズマ照射により親水化す
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
方式に使用される水性インク用記録材、特にオーバーヘ
ッドプロジェクターなどに用いて好適な水性インク用記
録材に関する。
方式に使用される水性インク用記録材、特にオーバーヘ
ッドプロジェクターなどに用いて好適な水性インク用記
録材に関する。
【０００２】
【従来の技術】インクジェット記録方式による記録は騒
音が少なく、高速記録が可能で、またカラー化が容易で
あるなどの理由で近年急速に普及している。インクとし
ては、安全性や記録適性の面から水性インクが使用され
ている。また、記録材としては普通紙の他、インクの吸
収性を改良した記録材が使用されている。
音が少なく、高速記録が可能で、またカラー化が容易で
あるなどの理由で近年急速に普及している。インクとし
ては、安全性や記録適性の面から水性インクが使用され
ている。また、記録材としては普通紙の他、インクの吸
収性を改良した記録材が使用されている。
【０００３】インクの吸収性を改善したインクジェット
記録材として、紙、プラスチックフィルム、ガラス板な
どの支持体の上に、ポリビニルアルコールやポリビニル
ピロリドンなどの水溶性樹脂からなるインク受容層を設
けた記録材が知られている。また、ＯＨＰシートの多く
のものは支持体上に水溶性樹脂を塗布（被覆）し製造し
ている。そのため水性インクの吸収性は良好であるが、
耐水性に難があった。
記録材として、紙、プラスチックフィルム、ガラス板な
どの支持体の上に、ポリビニルアルコールやポリビニル
ピロリドンなどの水溶性樹脂からなるインク受容層を設
けた記録材が知られている。また、ＯＨＰシートの多く
のものは支持体上に水溶性樹脂を塗布（被覆）し製造し
ている。そのため水性インクの吸収性は良好であるが、
耐水性に難があった。
【０００４】そこで、インクジェット記録材（ＯＨＰシ
ート）の耐水性を改善するために、インクの受容層とし
て、ポリビニルピロリドンのような水溶性樹脂と、ボリ
ビニルブチラールのような耐水性の皮膜を形成する樹脂
との混合物を用いることが提案されている（特開昭５７
−１０２３９１号公報）。またＯＨＰシートの受容層を
２層にして最外層に耐水性の樹脂、その内部に吸収性の
良い樹脂を被覆することが提案されている（特開平５−
２６２０２８号公報）。
ート）の耐水性を改善するために、インクの受容層とし
て、ポリビニルピロリドンのような水溶性樹脂と、ボリ
ビニルブチラールのような耐水性の皮膜を形成する樹脂
との混合物を用いることが提案されている（特開昭５７
−１０２３９１号公報）。またＯＨＰシートの受容層を
２層にして最外層に耐水性の樹脂、その内部に吸収性の
良い樹脂を被覆することが提案されている（特開平５−
２６２０２８号公報）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水溶性樹脂と
耐水性樹脂の混合物を用いる場合は、両樹脂の相溶性が
良好でないため、インク受容層の透明性が劣ってしま
う。また、耐水性樹脂を最外層に被覆すると、ベタ印宇
や二色印字の際に濃度ムラを生じてしまう。本発明の目
的は、耐水性が良好で、かつ、べタ印字や二色印字の際
に良好な印字画像が得られる水性インク用記録材、特に
オーバーヘッドプロジェクターなどに用いて好適な水性
インク用記録材を提供することである。
耐水性樹脂の混合物を用いる場合は、両樹脂の相溶性が
良好でないため、インク受容層の透明性が劣ってしま
う。また、耐水性樹脂を最外層に被覆すると、ベタ印宇
や二色印字の際に濃度ムラを生じてしまう。本発明の目
的は、耐水性が良好で、かつ、べタ印字や二色印字の際
に良好な印字画像が得られる水性インク用記録材、特に
オーバーヘッドプロジェクターなどに用いて好適な水性
インク用記録材を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、支持体上に最外層が耐水性樹脂層、下側層が水溶性
樹脂層からなる少なくとも２層からなるインク受容層を
設けた水性インク用記録材において、上記最外層の表面
をＵＶオゾンまたはプラズマ照射により親水化すること
を特徴とする水性インク用記録材が提供される。第二
に、上記第一に記載した水性インク用記録材において、
上記最外層と純水との静的接触角を２５゜〜５５゜の範
囲に設定することを特徴とする水性インク用記録材が提
供される。第三に、上記第一または第二に記載した水性
インク用記録材において、上記最外層の樹脂がポリビニ
ルブチラールまたはその誘導体であることを特徴とする
水性インク用記録材が提供される。第四に、上記第一、
第二または第三に記載した水性インク用記録材におい
て、前記下側層の樹脂がポリビニルアルコールもしくは
ポリビニルピロリドンまたはそれらの誘導体であること
を特徴とする水性インク用記録材が提供される。第五
に、上記第一、第二、第三または第四に記載した水性イ
ンク用記録材をオーバーヘッドプロジェクター用とする
ことを特徴とする水性インク用記録材が提供される。
に、支持体上に最外層が耐水性樹脂層、下側層が水溶性
樹脂層からなる少なくとも２層からなるインク受容層を
設けた水性インク用記録材において、上記最外層の表面
をＵＶオゾンまたはプラズマ照射により親水化すること
を特徴とする水性インク用記録材が提供される。第二
に、上記第一に記載した水性インク用記録材において、
上記最外層と純水との静的接触角を２５゜〜５５゜の範
囲に設定することを特徴とする水性インク用記録材が提
供される。第三に、上記第一または第二に記載した水性
インク用記録材において、上記最外層の樹脂がポリビニ
ルブチラールまたはその誘導体であることを特徴とする
水性インク用記録材が提供される。第四に、上記第一、
第二または第三に記載した水性インク用記録材におい
て、前記下側層の樹脂がポリビニルアルコールもしくは
ポリビニルピロリドンまたはそれらの誘導体であること
を特徴とする水性インク用記録材が提供される。第五
に、上記第一、第二、第三または第四に記載した水性イ
ンク用記録材をオーバーヘッドプロジェクター用とする
ことを特徴とする水性インク用記録材が提供される。
【０００７】以下に本発明を詳細に説明する。上述のよ
うに本発明は、支持体上に最外層が耐水性樹脂層、下側
層が水溶性樹脂層からなる少なくとも２層からなるイン
ク受容層を設けた水性インク用記録材において、最外層
の表面にＵＶオゾンまたはプラズマを照射し該表面を親
水化することを特徴とする。すなわち、このような構成
とすることによって、インク受容層の耐水性を低下させ
ることなくベタ印字や２色印字の際に濃度むらを発生さ
せない良好な印字画像が得られ、特にオーバーヘッドプ
ロジェクターなどに用いて好適な水性インク用記録材が
得られることを見いだしたものである。
うに本発明は、支持体上に最外層が耐水性樹脂層、下側
層が水溶性樹脂層からなる少なくとも２層からなるイン
ク受容層を設けた水性インク用記録材において、最外層
の表面にＵＶオゾンまたはプラズマを照射し該表面を親
水化することを特徴とする。すなわち、このような構成
とすることによって、インク受容層の耐水性を低下させ
ることなくベタ印字や２色印字の際に濃度むらを発生さ
せない良好な印字画像が得られ、特にオーバーヘッドプ
ロジェクターなどに用いて好適な水性インク用記録材が
得られることを見いだしたものである。
【０００８】上述の構成において、さらに最外層と純水
との接触角を２５゜〜５５゜の範囲とすること、また、
最外層の樹脂をポリビニルブチラールまたはその誘導体
とすること、また、下側層の樹脂をポリビニルアルコー
ルとすることにより上述の効果を一層向上させることが
できる。
との接触角を２５゜〜５５゜の範囲とすること、また、
最外層の樹脂をポリビニルブチラールまたはその誘導体
とすること、また、下側層の樹脂をポリビニルアルコー
ルとすることにより上述の効果を一層向上させることが
できる。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明において、支持体としては
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ボリカーボネー
トなどのプラスチツクフィルムもしくはシート、紙、ガ
ラス板などが用いられる。これらの支持体の中から用途
により適当なものが選定される。
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ボリカーボネー
トなどのプラスチツクフィルムもしくはシート、紙、ガ
ラス板などが用いられる。これらの支持体の中から用途
により適当なものが選定される。
【００１０】本発明のインク受容層の最外層に被覆する
樹脂は耐水性の樹脂であり、ボリビニルアセタールまた
はその誘導体、特にポリビニルブチラールまたはその誘
導体が好適に用いられる。これはＵＶオゾンまたはプラ
ズマ照射処理により効率よく最外層表面にＯＨ基を導入
でき、インクとの濡れ性が向上するからである。
樹脂は耐水性の樹脂であり、ボリビニルアセタールまた
はその誘導体、特にポリビニルブチラールまたはその誘
導体が好適に用いられる。これはＵＶオゾンまたはプラ
ズマ照射処理により効率よく最外層表面にＯＨ基を導入
でき、インクとの濡れ性が向上するからである。
【００１１】水性インクとの濡れ性の尺度としては純水
との静的接触角を適用することができ、その接触角は２
５゜〜５５゜の範囲が適当である。接触角が５５゜より
大きいとインクとの濡れ性が不十分となりべタ印字や二
色印字時に濃度ムラが発生する。一方、２５゜より小さ
いと濡れ性は十分であるが、必要画素以上に大きくな
り、画像濃度が不十分となる。好ましくは、３５〜４５
゜の範囲である。
との静的接触角を適用することができ、その接触角は２
５゜〜５５゜の範囲が適当である。接触角が５５゜より
大きいとインクとの濡れ性が不十分となりべタ印字や二
色印字時に濃度ムラが発生する。一方、２５゜より小さ
いと濡れ性は十分であるが、必要画素以上に大きくな
り、画像濃度が不十分となる。好ましくは、３５〜４５
゜の範囲である。
【００１２】次にＵＶオゾンによる処理は、ＵＶの出
力、酸素の流量にもよるが、１１０Ｗの紫外線ランプ
（波長１８５ｎｍ）、５００ｍｌ／ｍｉｎ．の酸素を流
した場合、０．５〜１０分の処理時間が適当であり、好
ましくは２〜６分である。すなわち、０．５分より短く
てはその効果が望めず、１０分より長くては最外層の表
面改質だけでなく、支持体まで変形する恐れがある。ス
テージの温度は１０〜３０℃の範囲で処理するのが好ま
しい。
力、酸素の流量にもよるが、１１０Ｗの紫外線ランプ
（波長１８５ｎｍ）、５００ｍｌ／ｍｉｎ．の酸素を流
した場合、０．５〜１０分の処理時間が適当であり、好
ましくは２〜６分である。すなわち、０．５分より短く
てはその効果が望めず、１０分より長くては最外層の表
面改質だけでなく、支持体まで変形する恐れがある。ス
テージの温度は１０〜３０℃の範囲で処理するのが好ま
しい。
【００１３】プラズマによる処理は、ＥＣＲ、ＲＦ励起
によるプラズマおよび大気圧プラズマのどれでも適当で
あり、好ましくはＲＦプラズマ、大気圧プラズマであ
る。ＲＦプラズマ、大気圧プラズマの周波数は、１３．
５６ＭＨｚ、１ｋ〜３ｋＨｚである。ＲＦプラズマに導
入するガスは酸素、アンモニア、窒素、ヘリウム、ネオ
ン、アルゴンなどであり、水性インクの成分がカチオン
系の顔料または染料を用いる場合は酸素を導入し、水性
インクの成分がアニオン系の顔料または染料を用いる場
合はアンモニアガスを導入するのが好ましい。大気圧プ
ラズマではケトン、アルコール、アルデヒド等の官能基
を持つ低分子有機物とヘリウム、ネオン、アルゴン等の
不活性ガスまたは窒素を導入する。
によるプラズマおよび大気圧プラズマのどれでも適当で
あり、好ましくはＲＦプラズマ、大気圧プラズマであ
る。ＲＦプラズマ、大気圧プラズマの周波数は、１３．
５６ＭＨｚ、１ｋ〜３ｋＨｚである。ＲＦプラズマに導
入するガスは酸素、アンモニア、窒素、ヘリウム、ネオ
ン、アルゴンなどであり、水性インクの成分がカチオン
系の顔料または染料を用いる場合は酸素を導入し、水性
インクの成分がアニオン系の顔料または染料を用いる場
合はアンモニアガスを導入するのが好ましい。大気圧プ
ラズマではケトン、アルコール、アルデヒド等の官能基
を持つ低分子有機物とヘリウム、ネオン、アルゴン等の
不活性ガスまたは窒素を導入する。
【００１４】ＲＦプラズマの処理条件としては、例えば
放電出力２５０Ｗ、電極面積を２００×２００ｍｍ２と
した場合、ガスが酸素およびヘリウムのときは、その流
量はは５ｓｃｃｍ（酸素）、１０ｓｃｃｍ（ヘリウム）
である。処理時間は１〜１０分間で、好ましくは４〜６
分である。１分間より短い場合は、その効果が望めず、
１０分間より長い場合は基板まで劣化する恐れがある。
またガスがアンモニアおよびヘリウムのときは、その流
量は１０ｓｃｃｍ（アンモニア）、１０ｓｃｃｍ（ヘリ
ウム）である。処理時間は１〜１０分間で、好ましくは
４〜６分である。１分間より短い場合は、その効果が望
めず、１０分間より長い場合は基板まで劣化する恐れが
ある。またＲＦプラズマの真空度は０．１〜２Ｔｏｒｒ
が適当である。ＲＦプラズマ処理の条件はこれだけに限
定されるものではない。
放電出力２５０Ｗ、電極面積を２００×２００ｍｍ２と
した場合、ガスが酸素およびヘリウムのときは、その流
量はは５ｓｃｃｍ（酸素）、１０ｓｃｃｍ（ヘリウム）
である。処理時間は１〜１０分間で、好ましくは４〜６
分である。１分間より短い場合は、その効果が望めず、
１０分間より長い場合は基板まで劣化する恐れがある。
またガスがアンモニアおよびヘリウムのときは、その流
量は１０ｓｃｃｍ（アンモニア）、１０ｓｃｃｍ（ヘリ
ウム）である。処理時間は１〜１０分間で、好ましくは
４〜６分である。１分間より短い場合は、その効果が望
めず、１０分間より長い場合は基板まで劣化する恐れが
ある。またＲＦプラズマの真空度は０．１〜２Ｔｏｒｒ
が適当である。ＲＦプラズマ処理の条件はこれだけに限
定されるものではない。
【００１５】大気圧プラズマの処理条件では放電出力は
０．５〜ｌｋＷが適当であり、例えば７５０Ｗのとき、
電極面積を３００×３００ｍｍ２とした場合、導入ガス
は前述したケトン、アルコール、アルデヒド等の官能基
を持つ低分子有機物とヘリウム、ネオン、アルゴン等の
不活性ガスまたは窒素であり、その比は低分子有機物が
１０〜３０％、不活性ガスが７０〜９０％である。処理
時間はインラインて１〜２０分間が適当であり、好まし
くは８〜１２分間である。１分間より短い場合は、その
効果が望めず、１０分間より長い場合は基板まで劣化す
る恐れがある。大気圧プラズマ処理の条件はこれだけに
限定されるものではない。
０．５〜ｌｋＷが適当であり、例えば７５０Ｗのとき、
電極面積を３００×３００ｍｍ２とした場合、導入ガス
は前述したケトン、アルコール、アルデヒド等の官能基
を持つ低分子有機物とヘリウム、ネオン、アルゴン等の
不活性ガスまたは窒素であり、その比は低分子有機物が
１０〜３０％、不活性ガスが７０〜９０％である。処理
時間はインラインて１〜２０分間が適当であり、好まし
くは８〜１２分間である。１分間より短い場合は、その
効果が望めず、１０分間より長い場合は基板まで劣化す
る恐れがある。大気圧プラズマ処理の条件はこれだけに
限定されるものではない。
【００１６】次にインク受容層のインクを保持する下側
層を構成する水溶性樹脂としては、例えばポリビニルア
ルコールまたはその誘導体、でんぷん、カゼイン、アラ
ビアゴム、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセル
ロース、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドンが挙げ
られ、特にポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポ
リビニルピロリドンまたはその誘導体が望ましい。
層を構成する水溶性樹脂としては、例えばポリビニルア
ルコールまたはその誘導体、でんぷん、カゼイン、アラ
ビアゴム、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセル
ロース、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドンが挙げ
られ、特にポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポ
リビニルピロリドンまたはその誘導体が望ましい。
【００１７】ボリビニルアルコールの誘導体としては−
ＣＯＯＭ、−ＳＯ3Ｍ、−ＯＳＯ3Ｍ、−ＰＯ（ＯＭ）2
（ただし、Ｍは水素、リチウム、ナトリウム、カリウム
を示す。）、３級アミン、４級アンモニウム塩およびベ
タインからなる群より選ばれる少なくとも一つの親水基
用のユニットを有する変成ポリビニルアルコールなどが
挙げられる。
ＣＯＯＭ、−ＳＯ3Ｍ、−ＯＳＯ3Ｍ、−ＰＯ（ＯＭ）2
（ただし、Ｍは水素、リチウム、ナトリウム、カリウム
を示す。）、３級アミン、４級アンモニウム塩およびベ
タインからなる群より選ばれる少なくとも一つの親水基
用のユニットを有する変成ポリビニルアルコールなどが
挙げられる。
【００１８】これは水性インクの成分がカチオン系もし
くはアニオン系の顔料または染料を用いる場合が多く、
例えばカチオン系の顔料または染料を含む水性インク
は、アニオン系の変成ポリビニルアルコールと強く結び
つくため、インクの吸着性に優れるからである。同様に
アニオン系の顔料または染料を含む水性インクはカチオ
ン系の変成ポリビニルアルコールと強く結びつくため、
インクの吸着性に優れるからである。
くはアニオン系の顔料または染料を用いる場合が多く、
例えばカチオン系の顔料または染料を含む水性インク
は、アニオン系の変成ポリビニルアルコールと強く結び
つくため、インクの吸着性に優れるからである。同様に
アニオン系の顔料または染料を含む水性インクはカチオ
ン系の変成ポリビニルアルコールと強く結びつくため、
インクの吸着性に優れるからである。
【００１９】また、ポリビニルピロリドンまたはその誘
導体は一般の高分子材料としては実現できない高い吸収
性を有している。ポリビニルピロリドンは分子量が１０
０００〜４０００００のものが適当である。ボリビニル
ピロリドンの誘導体としてはボリビニルピロリドンと酢
酸ビニルの共重合体が適当である。このポリビニルピロ
リドンと酢酸ビニルの共重合体でのビニルピロリドン／
酢酸ビニル比は７／３〜３／７が適当である。
導体は一般の高分子材料としては実現できない高い吸収
性を有している。ポリビニルピロリドンは分子量が１０
０００〜４０００００のものが適当である。ボリビニル
ピロリドンの誘導体としてはボリビニルピロリドンと酢
酸ビニルの共重合体が適当である。このポリビニルピロ
リドンと酢酸ビニルの共重合体でのビニルピロリドン／
酢酸ビニル比は７／３〜３／７が適当である。
【００２０】前記支持体上に水溶性樹脂からなる下側層
と耐水性樹脂層（最外層）からなるインク受容層を設け
る方法としては、それぞれの樹脂溶液をロールコータ
法、ブレードコータ法などの公知の方法で、支持体上に
塗布後乾燥させ被覆する。
と耐水性樹脂層（最外層）からなるインク受容層を設け
る方法としては、それぞれの樹脂溶液をロールコータ
法、ブレードコータ法などの公知の方法で、支持体上に
塗布後乾燥させ被覆する。
【００２１】下側層は一般に乾燥重量で０．６〜１４ｇ
／ｍ2程度が塗工される。０．６ｇ／ｍ２未満ではイン
ク受容層としての効果が現れず、逆に１４ｇ／ｍ2より
多い場合は透明度が落ち、さらに単位面積当たりのイン
クの付着量が多いときと少ないときに濃度ムラが生じて
しまう。
／ｍ2程度が塗工される。０．６ｇ／ｍ２未満ではイン
ク受容層としての効果が現れず、逆に１４ｇ／ｍ2より
多い場合は透明度が落ち、さらに単位面積当たりのイン
クの付着量が多いときと少ないときに濃度ムラが生じて
しまう。
【００２２】最外層は一般に乾燥重量で０．６〜１４ｇ
／ｍ2程度が塗工される。０．６ｇ／ｍ2未満では耐水性
の効果が現れず、逆に１４ｇ／ｍ2より多い場合はイン
クが下側層にまで到達しない。なお、最外層および下側
層に用いられる樹脂には、この発明の目的を達成を妨げ
ない程度に公知の各種の添加剤を配合させることが出来
る。このような添加剤はインクの吸収性能を改善させる
ためのグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、界面活性剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、
消泡剤、防腐剤、ｐＨ調整剤、シリカ、タルク、クレ
ー、アルミナ等の充填剤が挙げられる。なお、本発明の
記録材に使用される水性インクは、慣用の水性インクで
あり、例えば水溶性染料、水、湿潤剤、界面活性剤その
ほかの水混和性有機溶剤、防腐剤等からなるものであ
る。
／ｍ2程度が塗工される。０．６ｇ／ｍ2未満では耐水性
の効果が現れず、逆に１４ｇ／ｍ2より多い場合はイン
クが下側層にまで到達しない。なお、最外層および下側
層に用いられる樹脂には、この発明の目的を達成を妨げ
ない程度に公知の各種の添加剤を配合させることが出来
る。このような添加剤はインクの吸収性能を改善させる
ためのグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、界面活性剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、
消泡剤、防腐剤、ｐＨ調整剤、シリカ、タルク、クレ
ー、アルミナ等の充填剤が挙げられる。なお、本発明の
記録材に使用される水性インクは、慣用の水性インクで
あり、例えば水溶性染料、水、湿潤剤、界面活性剤その
ほかの水混和性有機溶剤、防腐剤等からなるものであ
る。
【００２３】
〈試料の作成〉 《ポリビニルブチラール溶液の調製》ポリビニルブチラ
ール（積水化学社製エスレックＢ、グレードＢＭ−２）
をエチルアルコールに溶解させ、１０重量％のポリビニ
ルブチラール溶液を調製した。 《ポリビニルアルコール溶液の調製》ポリビニルアルコ
ール（クラレ社製ＰＶＡ２０５）を水に溶解させ、１０
重量％のポリビニルアルコール水溶液を調製した。 《ポリビニルピロリドン溶液の調製》ポリビニルピロリ
ドン（ＩＳＰ社製ＰＶＰ Ｋ−３０）を水に溶解させ、
１０重量％のポリビニルピロリドン水溶液を調製した。
ール（積水化学社製エスレックＢ、グレードＢＭ−２）
をエチルアルコールに溶解させ、１０重量％のポリビニ
ルブチラール溶液を調製した。 《ポリビニルアルコール溶液の調製》ポリビニルアルコ
ール（クラレ社製ＰＶＡ２０５）を水に溶解させ、１０
重量％のポリビニルアルコール水溶液を調製した。 《ポリビニルピロリドン溶液の調製》ポリビニルピロリ
ドン（ＩＳＰ社製ＰＶＰ Ｋ−３０）を水に溶解させ、
１０重量％のポリビニルピロリドン水溶液を調製した。
【００２４】〈水性インク記録材の作製〉厚さ５０μｍ
のポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルムの片
面に上記ポリビニルアルコール溶液もしくはポリビニル
ピロリドン溶液を塗布し、乾燥させた。次に上記ポリビ
ニルブチラール溶液を塗布、乾燥した後、このシートを
ＵＶオゾン処理装置（ＳＭＣＯ社製）にて表面処理する
か、またはプラズマチャンバー中にガスを導入して表面
処理し、本発明の水性インク用記録材を得た。
のポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルムの片
面に上記ポリビニルアルコール溶液もしくはポリビニル
ピロリドン溶液を塗布し、乾燥させた。次に上記ポリビ
ニルブチラール溶液を塗布、乾燥した後、このシートを
ＵＶオゾン処理装置（ＳＭＣＯ社製）にて表面処理する
か、またはプラズマチャンバー中にガスを導入して表面
処理し、本発明の水性インク用記録材を得た。
【００２５】〈記録材の評価〉 接触角の測定：上記のようにして得た記録材の上に純水
１μｌを滴下し、３０秒後の接触角を測定した。
１μｌを滴下し、３０秒後の接触角を測定した。
【００２６】印字方法：サ−マルインクジェツト方式、
ピエゾインクジェット方式のインクジェットプリン夕に
てマゼンタ、イエロー、シアンを記録材上に５×５ｍｍ
の範囲でべタ印字（二色印字）した。
ピエゾインクジェット方式のインクジェットプリン夕に
てマゼンタ、イエロー、シアンを記録材上に５×５ｍｍ
の範囲でべタ印字（二色印字）した。
【００２７】耐水性試験：印字３０分後に２０μｌの純
水を印字面に滴下し、３０秒後に濾紙を印字面に接触さ
せ、濾紙に転写される度合で評価し、ほとんど転写され
ない場合を○、それ以外を×とした。
水を印字面に滴下し、３０秒後に濾紙を印字面に接触さ
せ、濾紙に転写される度合で評価し、ほとんど転写され
ない場合を○、それ以外を×とした。
【００２８】濃度ムラ：実際にＯＨＰにて投影し、投影
時に濃度ムラがほとんどないものには○、それ以外を×
とした。
時に濃度ムラがほとんどないものには○、それ以外を×
とした。
【００２９】下記表１に挙げる構成成分により、上記の
ようにして作製した実施例１〜６および比較例１〜３の
水性インク記録材について評価し、表１に示す結果を得
た。
ようにして作製した実施例１〜６および比較例１〜３の
水性インク記録材について評価し、表１に示す結果を得
た。
【００３０】
【表１】
【００３１】表１からインク受容層の最外層をＵＶオゾ
ンまたはプラズマを照射して親水化した実施例の記録材
は、インク受容層の耐水性が阻害されず、かつ、ＯＨＰ
で投影しても濃度むらがほとんど発生していないことが
わかる。なお、比較例３の記録材はインクをあまり吸収
できなかった。
ンまたはプラズマを照射して親水化した実施例の記録材
は、インク受容層の耐水性が阻害されず、かつ、ＯＨＰ
で投影しても濃度むらがほとんど発生していないことが
わかる。なお、比較例３の記録材はインクをあまり吸収
できなかった。
【００３２】
【発明の効果】以上のように支持体上に最外層が耐水性
樹脂層、下側層が水溶性樹脂層からなる少なくとも２層
からなるインク受容層を設けた水性インク用記録材にお
いて、最外層の表面にＵＶオゾンまたはプラズマを照射
し該表面を親水化することによって、インク受容層の耐
水性を低下させることなく、ＯＨＰシートとしてベタ印
字や２色印字を行っても濃度むらをほとんど発生させな
い水性インク用記録材を得ることができる。
樹脂層、下側層が水溶性樹脂層からなる少なくとも２層
からなるインク受容層を設けた水性インク用記録材にお
いて、最外層の表面にＵＶオゾンまたはプラズマを照射
し該表面を親水化することによって、インク受容層の耐
水性を低下させることなく、ＯＨＰシートとしてベタ印
字や２色印字を行っても濃度むらをほとんど発生させな
い水性インク用記録材を得ることができる。
【図１】本発明の水性インク用記録材の一例を示す説明
図である。
図である。
１ 支持体 ２ 下側層 ３ 最外層 ４ 親水化処理した部分
フロントページの続き (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内 (72)発明者 五十嵐 正人 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内 (72)発明者 露木 孝範 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田中 郁子 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内
Claims (5)
- 【請求項１】 支持体上に最外層が耐水性樹脂層、下側
層が水溶性樹脂層からなる少なくとも２層からなるイン
ク受容層を設けた水性インク用記録材において、前記最
外層の表面をＵＶオゾンまたはプラズマ照射により親水
化することを特徴とする水性インク用記録材。 - 【請求項２】 請求項１の水性インク用記録材におい
て、前記最外層と純水との静的接触角を２５゜〜５５゜
の範囲に設定することを特徴とする水性インク用記録
材。 - 【請求項３】 請求項１または２の水性インク用記録材
において、前記最外層の樹脂がポリビニルブチラールま
たはその誘導体であることを特徴とする水性インク用記
録材。 - 【請求項４】 請求項１、２または３の水性インク用記
録材において、前記下側層の樹脂がポリビニルアルコー
ルもしくはポリビニルピロリドンまたはそれらの誘導体
であることを特徴とする水性インク用記録材。 - 【請求項５】 請求項１、２、３または４の水性インク
用記録材をオーバーヘッドプロジェクター用とすること
を特徴とする水性インク用記録材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9017895A JPH10193783A (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | 水性インク用記録材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9017895A JPH10193783A (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | 水性インク用記録材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10193783A true JPH10193783A (ja) | 1998-07-28 |
Family
ID=11956470
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9017895A Pending JPH10193783A (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | 水性インク用記録材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10193783A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6528129B1 (en) | 1999-02-15 | 2003-03-04 | Konica Corporation | Surface treatment method, production method for ink jet recording medium, and ink jet recording medium |
| JP2013199017A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Ricoh Co Ltd | 被記録媒体の表面改質装置、被記録媒体ならびにインクジェット式プリンタシステム |
| JP2013203066A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fujifilm Corp | 画像形成方法及び印画物 |
| JP2015186911A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-29 | 株式会社リコー | 印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 |
-
1997
- 1997-01-16 JP JP9017895A patent/JPH10193783A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6528129B1 (en) | 1999-02-15 | 2003-03-04 | Konica Corporation | Surface treatment method, production method for ink jet recording medium, and ink jet recording medium |
| JP2013199017A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Ricoh Co Ltd | 被記録媒体の表面改質装置、被記録媒体ならびにインクジェット式プリンタシステム |
| JP2013203066A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fujifilm Corp | 画像形成方法及び印画物 |
| JP2015186911A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-29 | 株式会社リコー | 印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 |
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