JPH10193421A - 成形用移動装置、射出圧縮成形機および射出圧縮成形方法 - Google Patents

成形用移動装置、射出圧縮成形機および射出圧縮成形方法

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JPH10193421A
JPH10193421A JP31205097A JP31205097A JPH10193421A JP H10193421 A JPH10193421 A JP H10193421A JP 31205097 A JP31205097 A JP 31205097A JP 31205097 A JP31205097 A JP 31205097A JP H10193421 A JPH10193421 A JP H10193421A
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molten resin
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知和 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融樹脂への圧縮力の均一性が確保されるう
え、成形機への装着が容易となる成形用移動装置、射出
圧縮成形機および射出圧縮成形方法の提供。 【解決手段】金型の固定型に向かって移動型を前進させ
て、内部に充填された溶融樹脂に圧縮力を均一に加える
ために、互いに面接触する傾斜面31A, 32Aを備えた傾斜
部材31, 32を設けるとともに、傾斜部材31を傾斜部材32
に向かって前進させる。ここで、傾斜部材31には、移動
方向の異なるものがそれぞれ複数設けられ、移動方向が
同一のものを、同調プレート36を介して相互に係合さ
せ、移動方向が互いに異なるものを、リンク41を介して
互いに係合させる。これにより、全傾斜部材31の動きを
同期させる機構が軽量化され、その小型化および大型化
の両方が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融樹脂が充填さ
れるキャビティの容積を変化させるための成形用移動装
置、射出圧縮成形やプレス成形等を行う際に、前記成形
用移動装置により金型内の樹脂に圧縮力を加えるように
した射出圧縮成形機、および、この射出圧縮成形機を用
いた射出圧縮成形方法に関する。
【0002】
【背景技術】射出圧縮成形は、閉じた金型の内部に溶融
樹脂を充填した後、さらに金型を型締めする等により、
金型内に充填された溶融樹脂に圧縮力を加えて成形を行
うものである。このような射出圧縮成形によれば、低い
樹脂射出圧力により成形が行われることから、成形品に
反りや歪が発生せず、薄肉であっても形状の良好な成形
品を製造することができるという利点がある。射出圧縮
成形を行うための成形機としては、金型のうち成形機に
移動可能に設けられた移動型を、当該成形機に固定され
た固定型に向かって前進させる型締装置と、金型内部に
充填された溶融樹脂を圧縮するための圧縮装置とを備え
たものが一般的である。
【0003】従来の圧縮装置としては、特開昭57−9
5429号および特開昭60−122128号に示され
るように、金型のキャビティの容積を増減する可動部を
金型の内部に設け、この可動部に当接するピンを介して
当該可動部を前進させ、キャビティの容積を減じること
により、金型内部に充填された溶融樹脂を圧縮するもの
が知られている。また、可動部を前進駆動させるための
機構としては、可動部の前進方向に対して傾斜した傾斜
面を互いに面接触させた一対の傾斜部材を、その前進方
向に沿って配列するとともに、これらの傾斜部材の一方
を、可動部の前進方向とは直交する方向へ移動すること
で、圧縮力を発生する機構が採用されている。このよう
な圧縮装置では、内部に可動部がない通常の金型につい
ては、射出圧縮成形を行うことができないので、汎用性
に欠けるという問題がある。
【0004】この問題を解決するために、本願出願人
は、図12に示されるように、移動型71を固定型72へ向
かって押圧する機構をまとめてユニット化し、移動型71
および固定型72が構成する金型73および型締装置74の間
に着脱可能とした圧縮装置75を提案している(特開平7
−164500号)。この圧縮装置75は、図13にも示
されるように、圧縮方向に対して傾斜した傾斜面76を有
する一対の傾斜部材77, 78を圧縮方向に沿って配列する
とともに、これらの傾斜部材77,78のうち、型締装置74
側の傾斜部材78を圧縮方向とは直交する方向へ移動する
ことで、圧縮力を発生するものである。これらの傾斜部
材77, 78は、複数組設けられ、このうち、移動可能な傾
斜部材78は、図14に示されるように、巴状に配置され
るとともに、その動きが同期するように、その側面にラ
ック79が設けられている。これらの傾斜部材78の内側に
は、ラック79に噛み合う歯車80が設けられている。これ
らのラック79および歯車80を含んで同期機構81が構成さ
れている。このような圧縮装置75によれば、移動型71全
体を押圧して圧縮力を加える構造を採用していることか
ら、可動部が内蔵されていない通常の金型で射出圧縮成
形が可能となり、成形の汎用性を向上できるというメリ
ットが得られる。また、同期機構81で傾斜部材78の動き
を同期させることから、各傾斜部材78による押圧力に偏
りがなくなり、溶融樹脂に圧縮力を均一に加えることが
でき、寸法精度や外観の良好な成型品を確実に成形でき
るというメリットが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような圧縮装置75では、同期機構81の歯車80の周囲に傾
斜部材78を配置し、これら傾斜部材78の各々と歯車80と
を相互に係合させる複雑な構造であるうえ、傾斜部材78
に大きな駆動力を加えるため、同期機構81の歯車80には
大きなトルクが加わり、歯車80としては、直径がある程
度大きなものを採用せざるをえず、小型・軽量化が困難
な場合があるという問題がある。特に、大型成型品を成
形する場合等、成型品の形状によっては、圧縮装置が著
しく大きく重くなるため、成形機に装着することができ
ないことがあるという問題がある。
【0006】本発明の目的は、溶融樹脂への圧縮力の均
一性が確保されるうえ、成形機への装着が容易となる成
形用移動装置、射出圧縮成形機および該射出圧縮成形機
を用いた射出圧縮成形方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、溶
融樹脂が充填されるキャビティを備えた金型の固定型に
対して移動型を移動させることにより、前記キャビティ
の容積を変化させながら、前記溶融樹脂の成形を行う成
形機の前記移動型の後方に配置され、前記移動型の移動
方向に対して傾斜した傾斜面を有する第1および第2の
傾斜部を複数組備え、前記第1および第2の傾斜部が前
記移動方向に沿って配列されるとともに、該第1および
第2の傾斜部の傾斜面が互いに面接触され、該第1およ
び第2の傾斜部を前記移動方向とは直交する方向へ相対
的に移動することにより、前記移動型を前記固定型に対
して移動させる成形用移動装置であって、前記移動方向
とは直交する方向へ前記第1および第2の傾斜部の一方
を駆動するための駆動手段と、前記複数組の第1および
第2の傾斜部の一方同士を相互に係合させる同調プレー
トとが設けられ、前記複数組のうちの少なくとも一組の
第1および第2の傾斜部の一方が前記駆動手段に直接係
合していることを特徴とする。
【0008】以上において、前記第1および第2の傾斜
部は、前記移動方向とは直交する水平面内で相対移動方
向の異なるものがそれぞれ複数設けられ、前記第1およ
び第2の傾斜部の少なくとも一方は、移動方向が同一の
ものが同調プレートを介して相互に係合し、移動方向が
互いに異なるものが同期機構を介して互いに係合してい
ることが望ましい。また、前記同調プレートは、前記傾
斜部の移動方向に沿って延びる長孔が形成された平板状
の剛体であり、前記長孔の内側には、前記傾斜部を駆動
する駆動手段が配置されていることが望ましい。さら
に、前記同期機構は、中央部が軸支されるとともに、端
部が前記傾斜部と係合するリンクを備えていることが好
ましい。また、前記同調プレートには、前記傾斜部と同
一傾斜角度の傾斜面を有する補助傾斜部を設けることが
できる。さらに、前記第1および第2の傾斜部の一方に
は、その傾斜面の対向する一対の辺に沿って、立ち上が
り部が設けられ、この立ち上がり部の各々の対向する側
面には、前記傾斜面に沿った溝が設けられ、前記第1お
よび第2の傾斜部の他方には、前記溝に嵌合する一対の
突起が設けられていることが望ましい。
【0009】本発明の第2発明は、前記第1発明の成形
用移動装置を備え、この成形用移動装置で前記移動型を
前記固定型へ向かって移動することにより、前記金型内
に充填された溶融樹脂が圧縮可能となっていることを特
徴とする。以上において、前記射出圧縮成形機は、前記
移動型の移動距離を残して前記金型が閉鎖された状態
で、当該金型の内部に溶融樹脂が充填され、この充填さ
れた溶融樹脂に圧縮力を加えるために、前記成形用移動
装置が前記移動型を前記固定型へ向かって押圧するよう
に構成されていることが望ましい。
【0010】本発明の第3発明は、前述の第2発明に係
る射出圧縮成形機を用いた射出圧縮成形方法であって、
前記金型内に溶融樹脂を充填した後、前記成形用移動装
置を作動させて、前記移動型を前記固定型へ向かって移
動することにより、前記金型内に充填された溶融樹脂を
圧縮することを特徴とする。以上において、前記移動型
の移動距離を残して前記金型が閉鎖された状態で、当該
金型の内部に溶融樹脂を充填した後、この充填された溶
融樹脂に圧縮力を加えるために、前記成形用移動装置が
前記移動型を前記固定型へ向かって押圧し、前記金型を
完全に閉鎖することが望ましい。
【0011】このような本発明では、複数組の第1およ
び第2の傾斜部を適宜分散させて配置することが可能と
なるうえ、第1および第2の傾斜部のうち、駆動手段で
駆動されるものが、他の傾斜部と同調プレートで相互に
係合しあうので、金型内に充填された溶融樹脂を圧縮す
るにあたり、圧縮力の均一性が確保されるうえ、歯車等
を介して傾斜部を係合させる複雑な同期機構を採用する
必要がなく、薄い形状の簡単な構造が可能となるので、
これにより、成形機への装着を容易にすることが図れる
ようになる。また、移動方向が同一の傾斜部同士が同調
プレートを介して係合しあうので、移動方向が互いに異
なる傾斜部がある場合には、移動方向の異なる傾斜部同
士を同期機構で連動させるにあたり、すべての傾斜部を
同期機構に係合させる必要がなく、代表となる傾斜部同
士を係合させるだけですみ、同期機構全体の構造が簡略
化される。
【0012】さらに、同期機構としては、歯車を用いた
ものの他、中央部が軸支されるとともに、端部が前記傾
斜部と係合するリンクを備えたものや、ベルトで動きを
同調させる機構等の様々な形式のものが採用可能とな
り、採用できる同期機構の選択の幅が広がり、最適な形
式の同期機構を選択することで、移動装置の軽量・小型
化および大面積化の両方が実現でき、これにより前記目
的が達成される。また、同調プレートとリンクとを組み
合わせれば、同期機構の構造がさらに簡略化され、同期
機構が確実に軽量・小型化されるようになる。しかも、
複数設けられる傾斜部の配置が自由に行えるようにな
り、成型品に応じた最適な圧縮力を発生する圧縮可能な
移動装置を得ることが可能となり、軽量コンパクト化に
より成形機への装着を容易にしても、十分な圧縮力が確
保される。
【0013】特に、大型成型品を成形する場合であって
も、成型品の大きさに応じた数量の傾斜部を、当該成型
品の形状に応じた最適な位置に配置することが容易に行
えるようになるので、傾斜部の数量を最低限とでき、移
動装置が著しく大きく重くなることがなく、成形機への
装着が容易に行える。また、第1および第2の傾斜部の
一方に、その傾斜面の対向する一対の辺に沿って、立ち
上がり部を設け、この立ち上がり部の各々の対向する側
面に前記傾斜面に沿った溝を設け、かつ、第1および第
2の傾斜部の他方に、前記溝に嵌合する一対の突起を設
ければ、第1および第2の傾斜部は、常に密着した状態
で相対移動するので、第1および第2の傾斜部を前進・
後退させることにより、固定型に対して移動型を任意の
位置まで前進・後退させることが可能となる。さらに、
上述のような射出圧縮成形機を用いる第3発明では、金
型の内部に充填された溶融樹脂を、前述のような成形用
移動装置で圧縮するので、成形品の大きさに制限される
ことがなく、射出圧縮成形の長所を生かしつつ、大型で
あっても、圧縮力の均一性が確保され、形状や寸法精度
に優れた成形品の製造が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の各形態を図
面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説
明した部材と同じ部材には同一符号を付し、その説明を
省略若しくは簡略にする。図1には、第1実施形態に係
る射出成形機1が示されている。この射出成形機1は、
固定型10A に対する移動型10B の移動距離が寸法aだけ
残されて閉鎖された金型10の内部に、射出装置1Aから射
出された溶融樹脂2を充填し、移動型10Bの後方に配置
された移動装置20で移動型10B を押圧することにより、
充填された溶融樹脂2を圧縮しながら成形を行うもので
ある。射出成形機1には、固定型10A が固定された固定
ダイプレート3と、移動型10B が設けられた移動ダイプ
レート4と、この移動ダイプレート4を固定ダイプレー
ト3へ向かって前進させるための型締装置5とが備えら
れている。移動ダイプレート4は、型締め用の油圧シリ
ンダ装置6が固定された固定プレート7と、固定ダイプ
レート3との間に架け渡されたタイバー8に沿って摺動
自在に設けられたものである。型締装置5は、油圧シリ
ンダ装置6のピストンロッド6Aが連結されたトグル機構
9を有し、油圧シリンダ装置6の押圧力をトグル機構9
で増力して移動ダイプレート4を前進させ、これによ
り、金型10の型締めを行うものである。ここで、移動ダ
イプレート4と固定ダイプレート3との間には、型締め
圧受けブロック3Aが設けられている。型締め圧受けブロ
ック3Aは、移動ダイプレート4を前進させた際、当該移
動ダイプレート4に当接し、トグル機構9の高圧型締め
力を受けるものとなっている。この型締め圧受けブロッ
ク3Aにより、ダイプレート3,4間の平行度が確保され
るようになっている。なお、油圧シリンダ装置6は、ピ
ストンロッド6Aの前進および後退の両方が可能となった
複動式のものである。ピストンロッド6Aの前進により金
型10 が閉鎖され、ピストンロッド6Aの後退により金型1
0が開放されるようになっている。以上において、樹脂
の射出前、樹脂の充填中、または、樹脂の充填後におけ
る、一時的な金型10のキャビティの特定位置での閉鎖・
拡張・開放、この閉鎖・拡張・開放に次いで行われる圧
縮等、射出圧縮成形の条件および手順の自由な設定が可
能となっている。
【0015】移動装置20は、移動ダイプレート4に取付
けられた固定基板21と、この固定基板21に対して進退す
る移動基板22とを有するものである。このうち、移動基
板22は、前面に移動型10B が取付けられたものであり、
固定基板21に植設されたガイドバー23に沿って摺動自在
に設けられるとともに、移動基板22との間に架け渡され
たテンションスプリング24により、移動基板22側へ向か
って常に付勢されている。これらの固定基板21および移
動基板22の間には、第1および第2の傾斜部としての傾
斜部材31および傾斜部材32が設けられている。図2に示
されるように、これらの傾斜部材31および傾斜部材32
は、移動型10B の前進方向に対して傾斜した傾斜面31A,
32Aを有するものであり、互いに凹凸嵌合する凹状部材
33A および凸状部材33B の内部に配置されている。これ
らの部材33A, 33Bの内部おいて、互いの傾斜面31A, 32A
を面接触させた状態で、傾斜部材31, 32が移動型10B の
前進方向に沿って配列されている。
【0016】傾斜部材31は、略箱状の凹状部材33A の内
部を、移動型10B の前進方向とは直交する方向へ移動自
在に設けられ、凹状部材33A に固定された油圧シリンダ
装置34のピストンロッド34A の先端に連結されている。
油圧シリンダ装置34により、傾斜部材31が傾斜部材32へ
向かって移動されるようになっている。一方、傾斜部材
32は、略板状の凸状部材33B に固定されている。ここに
おいて、傾斜部材31が移動可能となっていることから、
傾斜部材31および傾斜部材32は、一方が他方に対して相
対的に移動可能となっている。このような移動装置20
は、傾斜部材31および傾斜部材32の各々の傾斜面31A, 3
2Aを互いに面接触させた状態で、傾斜部材31を図中矢印
Aが示す方向へ前進させることにより、移動型10B を固
定型10A へ向かって押圧する押圧力を発生するようにな
っている。
【0017】ここで、凹状部材33A は、移動型10B の前
進方向とは直交する平面35を有している。凹状部材33A
に設けられた傾斜部材31は、凹状部材33A の平面35に沿
って移動自在とされている。この凹状部材33A には、図
3に示されるように、複数の傾斜部材31B〜31Eが設けら
れている。これらのうち、傾斜部材31B, 31Cおよび傾斜
部材31D, 31Eは、互いに移動方向が異なる、すなわち、
互いに逆向きに移動するようにされ、傾斜部材31B およ
び傾斜部材31C の移動方向、並びに、傾斜部材31D およ
び傾斜部材31E の移動方向は、それぞれ同一方向とされ
ている。また、移動方向が同一の傾斜部材31B, 31Cおよ
び傾斜部材31D, 31Eは、それぞれ同調プレート36を介し
て相互に係合している。同調プレート36は、傾斜部材31
の移動方向に沿って延びる長孔37が形成された平板状の
剛体である。この同調プレート36を収納するために、凹
状部材33A には、前述の平面35を底面とする凹部38が設
けられており、この凹部38の内部において、同調プレー
ト36が平面35に沿って移動自在となっている。同調プレ
ート36の長孔37の内側には、傾斜部材31と、この傾斜部
材31を駆動する駆動手段である油圧シリンダ装置34とが
配置されている。長孔37の内側に配置されたもののう
ち、傾斜部材31は、突起部39により同調プレート36に固
定されている。一方、凹状部材33A に固定された油圧シ
リンダ装置34は、同調プレート36の長孔37の内側面との
間に隙間が設けられ、同調プレート36の移動に干渉しな
いようになっている。なお、凹部38の周縁には、同調プ
レート36と係合し、当該同調プレート36を前述の移動方
向に沿って案内する案内部材40が複数設けられている。
【0018】移動方向が互いに逆方向となる傾斜部材31
C および傾斜部材31E は、図4(図3の裏側の部分切り
欠き図である。)に示されるように、同期機構であるリ
ンク部材41を介して互いに係合している。すなわち、凹
状部材33A の底部42には、傾斜部材31C および傾斜部材
31E の移動方向に沿って延びる長孔43と、リンク部材41
を収納するための凹部44とが設けられている。リンク部
材41は、中央部が凹状部材33A に軸支されたもので、凹
部44の内部において所定の角度範囲で回動自在となって
いる。リンク部材41の両端のそれぞれには、回動中心軸
の径方向へ延びる長孔からなる係合部45が設けられてい
る。傾斜部材31C および傾斜部材31E の各々には、凹状
部材33A の底部42側に延びる棒状の係合突起部46C, 46E
が設けられている。係合突起部46C, 46Eは、凹状部材33
A の長孔43を通ってリンク部材41の係合部45に達して、
当該係合部45と係合している。このリンク部材41によ
り、傾斜部材31C および傾斜部材31E は、互いに動作が
同期し、移動のタイミングおよび移動距離が同一となる
ようになっている。
【0019】次に、本実施形態の成形動作(成形手順)
について説明する。まず、金型10および移動装置20を、
図1の如く、射出成形機1に装着する。この際、移動装
置20の油圧シリンダ装置34は、そのピストンロッド34A
を後退させておく。ここで、射出成形機1を起動する
と、最初に、型締装置5が作動し、移動ダイプレート4
を固定ダイプレート3に向かって移動させ、移動型10B
の移動距離を、寸法aだけ残して金型10を閉鎖する。こ
の際、寸法aは、例えば、0.1mm〜100mmの範囲で
設定することができる。この後、射出装置1Aの射出ノズ
ルから溶融樹脂を金型10の内部に充填する。充填される
溶融樹脂は、熱可塑性のものであり、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ABS等のような汎用樹
脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール等
のエンジニアプラスチック、その他全ての射出成形可能
な高分子材料が採用できる。
【0020】射出装置1Aの射出開始から所定時間経過
後、あるいは、射出装置1Aの内部に備えられた射出スク
リュが所定位置に達してから所定時間経過後、移動装置
20が起動される。ここで、移動装置20の起動は、樹脂の
射出充填後、あるいは、射出充填中に行ってもよく、ま
た、金型10への樹脂の充填量は、任意に設定することが
できる。すると、油圧シリンダ装置34に駆動された傾斜
部材31が、図5に示されるように、傾斜部材32に向かっ
て前進し、凹状部材33A および凸状部材33B の内部間隔
Gが拡大される。これにより、移動型10B が固定型10A
に向かって押圧され、金型10の内部に充填された溶融樹
脂に、所定の圧縮力が加えられる。ここで、傾斜部材31
を駆動する油圧シリンダ装置34は、複数設けられ、その
各々が個別に動作するようになっているが、同調プレー
ト36およびリンク部材41により、全傾斜部材31B 〜31E
の動きは、互いに同期し、移動のタイミングおよび移動
距離が同一となる。このため、移動型10B は、固定型10
A に対して常に正確な平行精度を維持しながら前進する
ことになり、この結果、金型10内の溶融樹脂に加えられ
る圧縮力が偏ることなく均一となり、得られる成型品
は、反りや歪みのない、形状および寸法精度が良好なも
のとなるうえ、固定型10A と移動型10B とが、摺動嵌合
するインロー構造であっても、互いの摺動部分が摩耗損
傷することはない。
【0021】移動装置20で溶融樹脂に圧力を加えた状態
で、当該溶融樹脂の冷却・固化を所定時間だけ行う。所
定時間が経過し、溶融樹脂が十分固化すると、型締装置
5が作動して移動ダイプレート4が後退するとともに、
圧縮装置10の油圧シリンダ装置34が作動し、傾斜部材31
が後退し、テンションスプリング24の付勢力により、移
動基板22が後退する。これにより、移動型10B が固定型
10A から離れ、金型10が型開きする。次いで、型締装置
5が作動し、金型10が開き、そして、金型10の内部から
成形品を取出し、成形を完了する。以降、必要に応じ
て、以上のような射出圧縮成形作業を繰り返す。
【0022】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果が得られる。すなわち、移動方向が同一の傾斜
部材31同士を同調プレート36で連結するとともに、移動
方向が互いに異なる傾斜部材31C, 31Eを同期機構である
リンク部材41に係合して連動させたので、移動型10B
は、固定型10A に対して常に正確な平行精度を維持しな
がら前進し、金型10内の溶融樹脂に加えられる圧縮力が
偏ることなく均一となる。このため、反りや歪みがな
く、形状、寸法精度が良好な成形品を得ることができる
うえ、固定型10A と移動型10B とが、摺動嵌合するイン
ロー構造であっても、互いの摺動部分の摩耗損傷を抑制
できる。
【0023】また、移動方向が同一の傾斜部材31B〜31E
同士を同調プレート36で連結したので、移動方向が互い
に異なる傾斜部材31D, 31Eを同期機構で連動させるにあ
たり、すべての傾斜部材31, 32を同期機構に係合させる
必要がなく、代表となる傾斜部材同士31, 32を一組係合
させるだけですみ、きわめて構造の簡単なリンク部材41
を同期機構として採用することができる。
【0024】さらに、リンク部材41と同調プレート36と
を組み合わせるとともに、同調プレート41に設けた長孔
37の内部に傾斜部材31と、この傾斜部材31を駆動する油
圧シリンダ装置34とを収納するようにしたので、成形に
必要な圧縮力を確保しても、移動装置20を著しくコンパ
クト化でき、移動装置20を射出成形機1に容易に装着す
ることができる。
【0025】この結果、大型成型品を成形するために、
多数の傾斜部材31, 32を設ける必要が生じても、傾斜部
材31, 32の位置の自由な設定が可能となるうえ、同期機
構の構造が簡略化可能となるので、同期機構が確実に軽
量・小型化されるようになり、移動装置20が著しく大き
く重くなることがなく、射出成形機1への装着を容易に
行うことができる。
【0026】図6には、本発明の第2実施形態が示され
ている。本実施形態は、前記第1実施形態における平坦
な同調プレート36を、表面から突出する補助補助傾斜部
50が設けられた同調プレート51としたものである。すな
わち、補助傾斜部50は、傾斜部材31と同様に傾斜した傾
斜面50A を有する突起であり、同調プレート51の各長孔
37の周囲の表から突出するとともに、油圧シリンダ装置
34の後方となる位置に固定されている。また、係合部材
31C, 31Eからは、係合突起部46C, 46Eが省略されている
一方、同調プレート51には、凹状部材33A の長孔43を通
ってリンク部材41の係合部45と係合する係合突起部47が
設けられている。これにより、互いに前進する方向が異
なる傾斜部材31B, 31Cと、傾斜部材31D, 31Eとが、同調
プレート51およびリンク部材41を介して相互に係合し、
その動きが同期するようになっている。
【0027】一方、凹状部材33A と嵌合する凸状部材33
B には、補助傾斜部50の傾斜面50Aと面接触する傾斜面5
2A を有する補助傾斜部52が増設されている。ここで、
傾斜部材31には、図7に示されるように、傾斜面31A の
対向する一対の辺に沿って、立ち上がり部53が設けられ
ている。この立ち上がり部53の対向する側面のそれぞれ
には、傾斜面31Aに沿った溝54が設けられている。傾斜
部材32には、傾斜部材31の溝54に嵌合する一対の突起54
A が設けられている。これにより、傾斜部材31および傾
斜部材32が常に面接触した状態を維持するようになって
いる。このため、本実施形態では、傾斜部材31の前進に
より、移動基板22が前進するだけでなく、傾斜部材31の
後退により、移動基板22も後退するようになるので、前
述の第1実施形態におけるテンションスプリング24が省
略されている。
【0028】このような本実施形態においても、前記第
1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる他、
補助傾斜部50, 52を増設したので、接触面積が増大され
移動装置20の動作をさらに円滑とできるうえ、金型10内
に充填した溶融樹脂に加わる圧縮力の均一性を向上でき
るという効果を付加できる。また、傾斜部材31に、その
傾斜面31A に沿った溝54を有する立ち上がり部53を設
け、傾斜部材32に、傾斜部材31の溝54と嵌合する突起54
A を設け、傾斜部材31,32が常に密着した状態で相対移
動するようにしたので、傾斜部材31が油圧シリンダ装置
34の駆動により前後両方向に強制的に移動されるように
なり、圧縮成形の途中、すなわち、固定型10A に対して
移動型10B をある程度前進させてから後退させる等、移
動型10B の移動方向を任意に設定することができるとい
う効果も付加できる。
【0029】図8には、本発明の第3実施形態が示され
ている。本実施形態は、前記第1実施形態における四個
の油圧シリンダ装置34を、二個の油圧シリンダ装置34に
減らしたものである。すなわち、移動方向が互いに逆方
向となっている一対の同調プレート36の各々には、移動
方向に対して前後(直列)に、二つの傾斜部材31が固定
されている。このうち、前方の傾斜部材31は、直接油圧
シリンダ装置34と係合し、後方の傾斜部材31は、同調プ
レート36を介して油圧シリンダ装置34と係合している。
なお、一対の同調プレート36は、前記第1実施形態で示
したリンク部材41(図示略)を介して互いに係合してい
る。このような本実施形態においても、前記第1実施形
態と同様の作用、効果を得ることができる他、油圧シリ
ンダ装置34の数を減じたので、重量および部品点数の軽
減が達成され、その組立作業および成形機への取付作業
をさらに容易に行うことができるという効果を付加でき
る。
【0030】図9には、本発明の第4実施形態が示され
ている。本実施形態は、前記第2実施形態における二個
の油圧シリンダ装置34を、一個の油圧シリンダ装置34に
減らしたものである。すなわち、移動方向が互いに逆方
向となっている一対の同調プレート36は、前記第1実施
形態で示したリンク部材41(図示略)を介して互いに係
合し、その一方には、油圧シリンダ装置34が設けられ、
他方からは、油圧シリンダ装置34が省略されている。こ
れらの同調プレート36のうち、油圧シリンダ装置34を備
えたものには、移動方向に対して前後(直列)に、二つ
の傾斜部材31が固定され、このうち、前方の傾斜部材31
が直接油圧シリンダ装置34と係合し、後方の傾斜部材31
は、同調プレート36を介して油圧シリンダ装置34と係合
している。油圧シリンダ装置34が省略された同調プレー
ト36には、移動方向に対して前後(直列)に、二つの傾
斜部材31が固定されている。このような本実施形態にお
いても、前記第1実施形態と同様の作用、効果を得るこ
とができる他、油圧シリンダ装置34の数をさらに減じた
ので、その組立作業および成形機への取付作業をさらに
向上できるという効果を付加できる。
【0031】図10には、本発明の第5実施形態が示さ
れている。本実施形態は、前記第1実施形態における二
枚の同調プレート36を、一枚の同調プレート36A に減じ
たものである。すなわち、同調プレート36A は、凹状部
材33A に応じた大きさの板状剛体であり、移動方向の前
後に二つの傾斜部材31が固定されている。これらの傾斜
部材31は、同調プレート36A に応じた幅寸法を有する幅
広のものである。前方の傾斜部材31は、油圧シリンダ装
置34と直接係合し、後方の傾斜部材31は、同調プレート
36を介して油圧シリンダ装置34と係合している。このよ
うな本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の
作用、効果を得ることができる他、油圧シリンダ装置34
の数を減じ、リンク部材41等の同期機構も省略したの
で、その組立作業および成形機への取付作業を一層向上
できるという効果を付加できる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 [実施例]本実施例は、前記第2実施形態に基づいた射
出圧縮成形機および成形手順を用いて成形を行う実験で
ある。 [比較例]本比較例は、前記実施例の射出成形機の移動
装置からリンク部材41を省略したものを用いて、前記実
施例と同様の手順で成形を行う実験である。 [共通成形条件]前述の実施例および比較例では、以下
の共通した材料、金型、装置および成形条件で成形を行
う。 (1)材料:ポリプロピレン(MI=42g/10分; 230℃,2.16
kgf、出光石油化学株式会社製 IDEMITSU PP J-3050H
P) (2)金型:コンパネテスト型;縦1800mm×横 900mm×高
さ60mm、平均肉厚4mm (3)射出成形機:日本製鋼所製 J2200(タイバー間隔横1
800mm×縦1600mm)に、圧縮装置を組み込んだものを用
いる。 (4)成形条件 成形温度 :230℃(射出シリンダ温度) 金型温度 : 40℃ 射出圧力 : 80kg/平方cm (ゲ−ジ油圧) 射出速度 : 60%(最大速度に対する設定値) 樹脂充填時間 : 7.5秒 圧縮開始タイミング : 7秒後(射出開始から) 圧縮代(図1の寸法a): 2mm 冷却時間 : 60秒 圧縮力 :150t(冷却完了まで一定に保持)
【0033】〔実験結果〕実施例では、反りや変形が少
なく、略均一な肉厚(±0.05mm以内)を有する成型品を
得ることができた。比較例では、圧縮装置の作動時に、
移動方向が互いに異なる傾斜部材31が連動されていない
ため、これらの傾斜部材31の動作に時間的ずれが生じ、
移動型の固定型に対する平行精度が維持されず、金型内
の溶融樹脂に加える圧縮力に偏りが生じた。これによ
り、肉厚が不均一(± 0.4mm程度)となり、均一な肉厚
の成型品を得ることはできなかった。なお、特開平7−
164500号に示される圧縮装置で、上述の実験を試
みようとしたが、設計段階で当該圧縮装置が前述の射出
成形機に装着できない大きさとなることが判明したの
で、特開平7−164500号の圧縮装置との比較実験
は行えなかった。
【0034】以上、本発明について好適な実施形態およ
び実施例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施
形態および実施例に限られるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変
更が可能である。例えば、金型に充填した樹脂に加えら
れる圧縮力は、金型の移動型全体を移動することにより
生じるものに限らず、移動型の成形キャビティに対応す
る部分を移動可能とし、この部分のみの部分的な移動に
より圧縮力を生じさせる、あるいは、金型の移動型以外
の部位、例えば、固定型の成形キャビティに対応する部
分を移動可能とし、この部分の移動により圧縮力を生じ
させてもよい。さらに、前記各実施形態では、第1の傾
斜部のみを移動可能に設けた移動装置を採用していた
が、これに限らず、第2の傾斜部のみを移動可能に設け
た移動装置や、第1および第2の傾斜部の両方を移動可
能に設けた移動装置でもよく、要するに、移動装置は、
第1および第2の傾斜部を相対移動することにより、移
動型を固定型へ向かって押圧する押圧力を発生するもの
であればよい。
【0035】また、同調プレートとしては、複数の傾斜
部を直列に配列したものに限らず、並列に配列したもの
や、縦横に配列したものでもよい。さらに、同調プレー
トの配置としては、傾斜部の移動方向に対して並列とな
る配置に限らず、図11(A), (B)に示されるように、
複数の同調プレート51を直列に配置する直列配置や、同
調プレート51を放射状に配置する放射状配置等も採用で
きる。ここで、同調プレート51の配置を直列配置または
放射状配置とする場合には、回動するリンク部材55, 56
に、その回動軸57の径方向に対して傾斜した方向に延び
る長孔58を設け、リンク部材55, 56の長孔58に同調プレ
ート51側に設けた係合突起部46を係合し、これにより、
各同調プレート51を連動させ、その動作を同期させるよ
うにしてもよい。
【0036】また、同期機構としては、リンクに限ら
ず、タイミングベルト、チェーンおよび歯車を含んで構
成されたものでもよいが、前記実施形態のようにリンク
を採用すれば、移動装置を著しく簡略化できるという効
果を得ることができる。さらに、移動装置を取り付ける
成形機は、射出成形機に限らず、プレス成形機でもよ
く、固定型に向かって移動型を前進させることにより、
溶融樹脂に圧縮力を加えながら成形を行う成形機であれ
ばよい。また、成形方法としては、通常の射出圧縮成形
方法の他、予め内部に表皮材を配置しておいた金型に、
溶融樹脂を射出して積層成形品を得る成形方法、射出充
填する溶融樹脂に発泡剤を添加しておくことにより、発
泡した成形品を得る成形方法、あるいは、金型に充填し
た溶融樹脂にガスを注入し、中空部を有する成形品を得
る成形方法等にも、樹脂に圧縮力を加える工程を有して
いれば、本発明を適用することができる。さらに、移動
装置は、射出圧縮成形方法等、金型内に溶融樹脂を射出
した後、移動型を前進し、射出した溶融樹脂を圧縮する
成形方法だけでなく、ガラス繊維等の繊維を含んだ溶融
樹脂を金型内に射出し、射出した樹脂をスプリングバッ
ク現象で膨張させるために、キャビティを拡張する成形
方法や、金型に充填した溶融樹脂にガスを注入し、キャ
ビティを拡張する中空成形品の成形方法等にも利用する
ことができる。
【0037】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、溶融樹脂
への圧縮力の均一性を確保できるうえ、成形機に圧縮装
置としての移動装置を容易に装着することができる。ま
た、本発明の射出圧縮成形機を用いる本発明の方法発明
によれば、金型の内部に充填された溶融樹脂を、前述の
成形用移動装置で圧縮するので、成形品の大きさに制限
されることがなく、大型であっても、圧縮力の均一性が
確保され、形状や寸法精度に優れた成形品を製造するこ
とができる。さらに、発泡体表皮材を用いる射出圧縮成
形において、成形途中の成形圧力を移動装置の前進・後
退により自由に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る射出成形機の全体
を示した側面図である。
【図2】前記実施形態の移動装置の動作前を示す拡大断
面図である。
【図3】前記実施形態の移動装置の要部を示す斜視図で
ある。
【図4】図3で示した移動装置の裏側を示す一部破断の
斜視図である。
【図5】前記実施形態の移動装置の動作後を示す図2と
同様の図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図2と同様の図で
ある。
【図7】前記実施形態の要部を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示す図3と同様の図で
ある。
【図9】本発明の第4実施形態を示す図3と同様の図で
ある。
【図10】本発明の第5実施形態を示す図3と同様の図
である。
【図11】本発明の変形例を示す模式図である。
【図12】従来例を示す図1と同様の図である。
【図13】前記従来例の圧縮装置を示す側面図である。
【図14】前記従来例の圧縮装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 射出成形機 2 溶融樹脂 10 金型 10A 固定型 10B 移動型 20 成形用移動装置 31 第1の傾斜部としての傾斜部材 31A, 32A 傾斜面 32 第2の傾斜部としての傾斜部材 34 駆動手段としての油圧シリンダ装置 36, 51 同調プレート 41,55,56 同期機構としてのリンク部材 43 同調プレートの長孔 50 補助傾斜部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融樹脂が充填されるキャビティを備えた
    金型の固定型に対して移動型を移動させることにより、
    前記キャビティの容積を変化させながら、前記溶融樹脂
    の成形を行う成形機の前記移動型の後方に配置され、 前記移動型の移動方向に対して傾斜した傾斜面を有する
    第1および第2の傾斜部を複数組備え、前記第1および
    第2の傾斜部が前記移動方向に沿って配列されるととも
    に、該第1および第2の傾斜部の傾斜面が互いに面接触
    され、該第1および第2の傾斜部を前記移動方向とは直
    交する方向へ相対的に移動することにより、前記移動型
    を前記固定型に対して移動させる成形用移動装置であっ
    て、 前記移動方向とは直交する方向へ前記第1および第2の
    傾斜部の一方を駆動するための駆動手段と、 前記複数組の第1および第2の傾斜部の一方同士を相互
    に係合させる同調プレートとが設けられ、 前記複数組のうちの少なくとも一組の第1および第2の
    傾斜部の一方が前記駆動手段に直接係合していることを
    特徴とする成形用移動装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成形用移動装置におい
    て、前記第1および第2の傾斜部は、前記移動方向とは
    直交する水平面内で相対移動方向の異なるものがそれぞ
    れ複数設けられ、前記第1および第2の傾斜部の少なく
    とも一方は、移動方向が同一のものが同調プレートを介
    して相互に係合し、移動方向が互いに異なるものが同期
    機構を介して互いに係合していることを特徴とする成形
    用移動装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の成形用移動装置におい
    て、前記同調プレートは、前記傾斜部の移動方向に沿っ
    て延びる長孔が形成された平板状の剛体であり、前記長
    孔の内側には、前記駆動手段が配置されていることを特
    徴とする成形用移動装置。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載の成形用移
    動装置において、前記同期機構は、中央部が軸支される
    とともに、端部が前記傾斜部と係合するリンクを備えて
    いることを特徴とする成形用移動装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の成形用移動装置において、前記同調プレートには、前
    記傾斜部と同一傾斜角度の傾斜面を有する補助傾斜部が
    設けられていることを特徴とする成形用移動装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の成形用移動装置において、前記第1および第2の傾斜
    部の一方には、その傾斜面の対向する一対の辺に沿っ
    て、立ち上がり部が設けられ、この立ち上がり部の各々
    の対向する側面には、前記傾斜面に沿った溝が設けら
    れ、 前記第1および第2の傾斜部の他方には、前記溝に嵌合
    する一対の突起が設けられていることを特徴とする成形
    用移動装置。
  7. 【請求項7】溶融樹脂が充填される金型の固定型に対し
    て移動型を移動させることにより、前記溶融樹脂に圧縮
    力を加えながら当該溶融樹脂の成形を行う射出圧縮成形
    機であって、 前記移動型の移動方向に対して傾斜した傾斜面を有する
    第1および第2の傾斜部を複数組備え、前記第1および
    第2の傾斜部が前記移動方向に沿って配列されるととも
    に、該第1および第2の傾斜部の傾斜面が互いに面接触
    され、該第1および第2の傾斜部を前記移動方向とは直
    交する方向へ相対的に移動することにより、前記移動型
    を前記固定型に対して移動させる成形用移動装置を備
    え、 この成形用移動装置は、前記移動方向とは直交する方向
    へ前記第1および第2の傾斜部の一方を駆動するための
    駆動手段と、前記複数組の第1および第2の傾斜部の一
    方同士を相互に係合させる同調プレートとを有するとと
    もに、前記複数組のうちの少なくとも一組の第1および
    第2の傾斜部の一方が前記駆動手段に直接係合したもの
    であり、 かつ、この成形用移動装置で前記移動型を前記固定型へ
    向かって移動することにより、前記金型内に充填された
    溶融樹脂が圧縮可能となっていることを特徴とする射出
    圧縮成形機。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の射出圧縮成形機におい
    て、前記移動型の移動距離を残して前記金型が閉鎖され
    た状態で、当該金型の内部に溶融樹脂が充填され、この
    充填された溶融樹脂に圧縮力を加えるために、前記成形
    用移動装置が前記移動型を前記固定型へ向かって押圧す
    るように構成されていることを特徴とする射出圧縮成形
    機。
  9. 【請求項9】溶融樹脂が充填される金型の固定型に対し
    て移動可能となった移動型の移動方向に対して傾斜した
    傾斜面を有する第1および第2の傾斜部を複数組備え、
    前記第1および第2の傾斜部が前記移動方向に沿って配
    列されるとともに、該第1および第2の傾斜部の傾斜面
    が互いに面接触され、該第1および第2の傾斜部を前記
    移動方向とは直交する方向へ相対的に移動することによ
    り、前記移動型を前記固定型に対して移動させる成形用
    移動装置を備え、この成形用移動装置は、前記移動方向
    とは直交する方向へ前記第1および第2の傾斜部の一方
    を駆動するための駆動手段と、前記複数組の第1および
    第2の傾斜部の一方同士を相互に係合させる同調プレー
    トとを有するとともに、前記複数組のうちの少なくとも
    一組の第1および第2の傾斜部の一方が前記駆動手段に
    直接係合しているものとされた射出圧縮成形機を用いた
    射出圧縮成形方法であって、 前記金型内に溶融樹脂を充填した後、前記成形用移動装
    置を作動させて、前記移動型を前記固定型へ向かって移
    動することにより、前記金型内に充填された溶融樹脂を
    圧縮することを特徴とする射出圧縮成形方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の射出圧縮成形方法にお
    いて、前記移動型の移動距離を残して前記金型が閉鎖さ
    れた状態で、当該金型の内部に溶融樹脂を充填した後、
    この充填された溶融樹脂に圧縮力を加えるために、前記
    成形用移動装置が前記移動型を前記固定型へ向かって押
    圧し、前記金型を完全に閉鎖することを特徴とする射出
    圧縮成形方法。
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