JPH10193314A - プラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法 - Google Patents

プラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH10193314A
JPH10193314A JP1790197A JP1790197A JPH10193314A JP H10193314 A JPH10193314 A JP H10193314A JP 1790197 A JP1790197 A JP 1790197A JP 1790197 A JP1790197 A JP 1790197A JP H10193314 A JPH10193314 A JP H10193314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
plastic plate
plate
adhesive layer
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1790197A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimata Matsui
利又 松井
Hiromasa Hashimoto
弘昌 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP1790197A priority Critical patent/JPH10193314A/ja
Publication of JPH10193314A publication Critical patent/JPH10193314A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック板をコンクリートに後貼りする
ことなく(セラミックタイルや石材、陶板等と同様
に)、コンクリートに直接打ち込み可能な、簡便な工法
を提供すること。 【解決手段】 プラスチック板8の裏面にエポキシ樹脂
系接着剤10を塗布して硬化せしめた後、型枠4a,4
b内の壁面にプラスチック板8の表面側を仮固定し、コ
ンクリートを型枠4a,4b内に流し込んで固化させ、
次いで型枠4a,4bを取外す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック板表
面を有するコンクリート成形体の製造方法に係り、さら
に詳しくは、たとえば建設物のコンクリート躯体、ある
いはパネル等の二次製品のコンクリート打設後、脱型と
同時に壁面に化粧板による仕上げ面が得られる工法に関
する。
【0002】
【従来の技術】建築物のコンクリート躯体壁面にコンク
リートと接着性の良い無機系のセラミックタイルや石材
による化粧面を設置する場合には、躯体のプレハブ化
や、施工の合理化への対応、特に従来の左官モルタルに
よる施工の場合には左官職人の技量差、左官モルタルの
養生期間中に気象の影響を受け易い事、また、多くの人
手と長い工期を必要とし、施工コストも高くなるという
問題に対し、次のような化粧材先付け工法による、直接
打ち込みの方法が採用されている。すなわち、コンクリ
ート型枠内に、セラミックタイルや石材を任意の位置に
仮固定した後、コンクリートを流し込み、コンクリート
が固化した後、脱型する(たとえば特開平1−148,
507号)。これにより、コンクリートと化粧材が一体
化した壁面が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンク
リートと接着性の悪いメラミン板などのプラスチック製
化粧板の場合には、手間とコストがかかるが、コンクリ
ート壁面の脱型後にコンクリート下地面の清掃と不陸調
整処理をしてから接着剤を用いて後貼りする方法が一般
的である。コンクリートに直接打ち込む方法は、メラミ
ン板の特性などから困難なため、行われていない。
【0004】たとえば、メラミン化粧板は、コンクリー
トとの接着が悪いため、フレキシブルボード等の板状の
バックアップ材を設置してバックアップ材とコンクリー
トとの接着を図る工法が提案されている。しかしなが
ら、この工法では、化粧板全体の重量が重くなり、型枠
への仮固定及び脱型が不具合となる。なぜなら、化粧板
を型枠に仮固定する方法としては、重量に耐える接着力
を必要とするので、より強い接着力の両面テープを使用
したり、あるいはより広い接着面積を持たせて両面テー
プを使用するので、コンクリート打設後の型枠脱型時
に、両面テープを剥すことが困難となり、メラミン化粧
板を損傷することもしばしば起こる。
【0005】なお、特開平3−8783号公報に示すよ
うに、コンクリート面などに用いる接着剤も開発されて
いるが、その施工作業が繁雑であるという課題を有して
いる。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、プラスチック板をコンクリートに後貼りすることな
く(セラミックタイルや石材、陶板等と同様に)、コン
クリートに直接打ち込み可能な、簡便な工法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、プラスチ
ック板をコンクリートに後貼りすることなく(セラミッ
クタイルや石材、陶板等と同様に)、コンクリートに直
接打ち込み可能な、簡便な工法について鋭意検討した結
果、特定の接着剤を予めプラスチック板の裏面に塗布し
て硬化させておくことにより、コンクリート固化時にプ
ラスチック板がコンクリートの表面に良好に固着するこ
とを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明に係るプラスチック板表
面を有するコンクリート成形体の製造方法は、プラスチ
ック板の裏面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布して硬化せ
しめた後、型枠内の壁面にプラスチック板の表面側を仮
固定し、コンクリートを型枠内に流し込んで固化させ、
次いで型枠を取外すことを特徴とする。
【0009】なお、本発明において、コンクリート成形
体とは、コンクリート躯体、コンクリートパネル、その
他のコンクリート製品を含む意味で用いる。
【0010】対象となるプラスチック板としては、特に
限定れさないが、フェノール樹脂で裏打ちされたメラミ
ン樹脂の積層板(メラミン樹脂/フェノール樹脂)、ポ
リアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、特に、メラ
ミン樹脂/フェノール樹脂が硬くて好ましい。すなわ
ち、前記プラスチック板が、メラミン樹脂板から成る表
面板と、フェノール樹脂板から成る裏面板との積層板
(メラミン化粧板)であることが好ましい。メラミン化
粧板が好ましいのは、化粧特性に優れているからであ
る。ただし、メラミン化粧板を用いる場合には、メラミ
ン化粧板の裏面には、前もって炭化水素系処理剤などで
親油化処理をすることが好ましい。なぜなら、メラミン
化粧板は、吸湿により変形しやすいからであり、メラミ
ン化粧板が吸湿により膨張、収縮変形しないように配慮
することが好ましい。
【0011】本発明において用いることができるエポキ
シ樹脂系接着剤を、プラスチック板の裏面に予め塗布し
ておき硬化させておくことで、コンクリート打設時にプ
ラスチック板とコンクリートとの一体化が初めて可能に
なった。
【0012】エポキシ樹脂系接着剤としては、使用直前
に混合する二液型接着剤が好ましく、(a)常温で液状
のエポキシ樹脂と、(b)常温硬化型硬化剤とで構成さ
れる。
【0013】(a)の例としては、常温で液状またはペ
ースト状のエポキシ樹脂であり、ビスフェノール縮合
物、ヒダントイン系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキ
シ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ
樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ
樹脂などの広い種類のエポキシ樹脂が含まれる。特に好
ましいエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAま
たはビスフェノールFにエピクロルヒドリンなどのエポ
キシ基含有化合物を反応させて得られる初期縮合物など
が挙げられる。また、ビスフェノールAにエチレンオキ
シドまたはプロピレンオキシドを2〜20モル付加した
化合物から誘導されるエポキシ樹脂も使用することがで
きる。
【0014】(b)の例としては、たとえば、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミ
ノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.
5)ウンデカン、m−キシレンジアミン、各種ダイマー
酸とジアミンの添加物よりなるポリアミドアミンなどの
脂肪族アミン化合物などを挙げることができる。これら
の硬化剤は1種を用いることができ、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。これらの硬化剤
は、通常、常温(15〜40℃)においてエポキシ樹脂
の硬化反応に使用されるものである。
【0015】本発明において、接着剤の塗布に際して
は、上記のエポキシ樹脂と、上記のエポキシ樹脂用常温
硬化型硬化剤を接着剤の塗布直前に混合する。大量の該
エポキシ樹脂と硬化剤とを混合する場合には、ディスパ
ー、ニーダー、三本ロール、パドルミキサー、プラネタ
リーミキサーなどの混練機を使用することもできるが、
接着剤塗布面積が比較的小さい場合には、少量の該エポ
キシ樹脂と硬化剤とを手作業で混合することができる。
【0016】なお、接着剤には、作業性改良のために、
無機フィラーなどが配合されていても良い。無機フィラ
ーとしては、砂、珪砂、炭酸カルシウム、などが例示さ
れる。
【0017】接着剤の塗布前には、プラスチックの裏面
にエポキシ接着剤系プライマー処理を行うことが好まし
い。
【0018】プラスチック板の裏面に接着剤を塗布し、
接着剤層を形成した後、その硬化前には、コンクリート
とのアンカー効果を付与する目的で次のような処理を行
っても良い。
【0019】粒形の大きい無機系骨材(砂、石、金
属、セメント系硬化物)を、接着剤層の表面に散布、あ
るいは添加する。 金属あるいは合成樹脂製のネットを、接着剤層の表面
に付着させる。 合成樹脂製不織布を、接着剤層の表面に積層(セメン
トスラリーが内部に浸透しアンカー効果発揮)する。 接着剤層の表面に沿って、金属あるいは合成樹脂製の
棒を設置する。 接着剤層の表面に沿って、金属あるいは合成樹脂製の
繊維を散布する。
【0020】接着剤層の表面に沿って、クシ目鏝など
を用いて、凸凹面を付ける。
【0021】本発明において、硬化後の接着剤層の厚み
は、特に限定されないが、好ましくは0.05〜5.0
μm、さらに好ましくは0.5〜2.5μm程度であ
る。この厚みがあまりに薄いと、コンクリートとプラス
チック板との一体化が不完全になる傾向にあり、あまり
に厚いと、不経済である。
【0022】型枠内の壁面に、接着剤層が形成されたプ
ラスチック板の表面側(接着剤層と反対側)を仮固定す
るための手段としては、特に限定されないが、たとえば
両面テープなどが用いられる。すなわち、プラスチック
板の裏面において接着剤が硬化した後、コンクリート型
枠内の所定位置にプラスチック板の表面側を両面テープ
などで仮固定する。
【0023】型枠の相互に向き合う内面の一方のみに、
接着剤層が形成されたプラスチック板の表面側(接着剤
層と反対側)を仮固定しても良いが、型枠の向き合う両
内面に、接着剤層が形成されたプラスチック板の表面側
(接着剤層と反対側)を仮固定しても良い。型枠の両内
面に仮固定した場合には、得られるコンクリート成型品
の両面に、プラスチック板面が一体化される。なお、型
枠の相互に向き合う内面の一方のみに、接着剤層が形成
されたプラスチック板の表面側(接着剤層と反対側)を
仮固定する場合には、型枠の他の内面には、セラミック
タイルや石材を同時に固定しても良い。
【0024】コンクリートの打設(型枠内へのコンクリ
ートスラリーの打ち込み)は、現場にて行い、コンクリ
ート躯体の表面にプラスチック板面を一体化しても良い
が、工場内で行い、コンクリートパネルの表面に、プラ
スチック板面を一体化しても良い。コンクリートの打設
時には、鉄筋等の補強材を型枠内へ取り付けておいても
良い。
【0025】コンクリートの打設に際して、片面打ち込
みの場合には、型枠を水平に設置しても良い。また、両
面に化粧板を設置する場合や、形状により、水平打設が
困難な場合には、型枠を立てて縦打ち込みを行っても良
い。
【0026】さらにまた、プレキャストコンクリートパ
ネルなどの成形体を製造する場合には、蒸気養生を行っ
ても良い。蒸気養生の条件としては、特に限定されない
が、60〜70℃の水蒸気を3時間吹き付けて加温を行
い、コンクリートの硬化を促進させる。その後、室温に
て1日間養生後、脱型して製品を得る。また、蒸気養生
を行わない場合には、常温にて養生を行った後、脱型す
る。プラスチック板は、前記接着剤層の作用によりコン
クリートに対して良好に一体化される。
【0027】なお、本発明において、コンクリートとし
ては、特に限定されず、モルタルも含む意味で用いる。
コンクリート原料は、一般に、セメントと、細骨材と、
粗骨材と、混和剤とを含む。これらの配合割合は、特に
限定されない。細骨材としては、砂などが用いられ、粗
骨材としては、砂利などが用いられる。混和剤として
は、たとえばAE減水剤などが用いられる。
【0028】
【作用】本発明に係るコンクリート躯体の製造方法で
は、プラスチック板の裏面に形成してある特定種類の接
着剤層の作用により、プラスチック基板がメラミン化粧
板(その他プラスチック化粧板も含む)などのコンクリ
ート難接着被着体でも、フレキシブルボードなどのバッ
クアップ材を用いることなく、コンクリート硬化時にコ
ンクリートの表面(裏面も含む)に一体化することが可
能となる。なお、本発明の方法は、特開平3−8783
号公報に示す方法に比較して、接着剤層を形成する工程
のみを必要とし、簡便な方法であり、施工がきわめて容
易である。
【0029】また、本発明では、プラスチック板の裏面
に接着剤層を設けることで、プラスチック板の補強効果
も得られる。その結果、型枠の内面に仮固定されたプラ
スチック板が、コンクリート打設時のコンクリート落下
衝撃にも耐えることになる。
【0030】さらに、プラスチック板の加工(任意形状
にカット)時にも割れないと共に、プラスチック板の搬
送時の取り扱いでも割れ難くなる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0032】図1(A)は本発明の1実施形態に係るプ
ラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方
法を示す概略断面図、同図(B)はプラスチック板の断
面図、図2は本発明の実施例で用いる型枠の斜視図であ
る。
【0033】図1(A)に示すように、本実施形態で
は、コンクリート床2の上に、プラスチック板が一体化
されたコンクリート壁を製造する例について説明する。
【0034】本実施形態では、まず、プラスチック板8
として、図1(B)に示すように、表面板14と裏面板
16とから成るメラミン化粧板を準備する。メラミン化
粧板は、特殊な紙にメラミン樹脂またはメラミン−ユリ
ア共縮合樹脂を含浸させて乾燥して表面板14を形成
し、これを、別に製造したフェノール樹脂から成る裏面
板16と重ね合わせ、加熱加圧によって結合し、一枚の
板にした積層板である。
【0035】メラミン化粧板は、各種構成材料の特徴を
組み合わせ優れた性能を有する。すなわち、化粧板の表
面板14がメラミン樹脂であるため、耐水性、耐熱性、
耐薬品性が良好であり、その上表面硬度が高く、耐磨耗
性に優れ、化粧面を保護し耐久性を与える。また、化粧
板の裏面板16は、フェノール樹脂で構成してあるの
で、機械的強度、寸法安定性、耐水性に優れている。な
お、表面板14と裏面板16との間には、フェノール樹
脂移行の遮蔽となる遮蔽層を介在させても良い。遮蔽層
は、裏面板の外観や暗い色相を遮蔽する効果もある。
【0036】本実施形態では、プラスチック板の裏面
に、エポキシ樹脂系接着剤を塗布して、接着剤層10を
形成する。接着剤層10の厚みは、特に限定されない
が、好ましくは0.05〜5.0mm、さらに好ましく
は0.5〜2.5mm程度である。接着剤の塗布方法
は、たとえば刷毛塗り、鏝塗りなどが採用される。
【0037】エポキシ樹脂系接着剤としては、使用直前
に混合する二液型接着剤が用いられ、(a)常温で液状
のエポキシ樹脂と、(b)常温硬化型硬化剤とで構成さ
れる。
【0038】プラスチック板8の裏面に接着剤層10を
形成した後、好ましくは、8時間以上、さらに好ましく
は24時間以上放置し、養成後、この接着剤層10が形
成されたプラスチック板8を、適当な大きさに切断加工
した後、図1(A)に示す一方の型枠4aの内面に仮固
定する。仮固定に際しては、両面粘着テープを用い、プ
ラスチック基板8の表面側を型枠4aの内壁面に剥離可
能に仮固定する。
【0039】その後、コンクリート床2の上に、型枠4
a,4bを組み立てる。なお、型枠4a,4bを組み立
てた後で、一方の型枠4aの内面に接着剤層10が形成
されたプラスチック板8を仮固定しても良い。
【0040】その後に、型枠4a,4bで囲まれた空間
12にコンクリートスラリーを打ち込む(打設)。コン
クリート打ち込みの前には、型枠間の空間12内に鉄筋
などを配設しても良い。コンクリートの打ち込み後、常
温にて養生を行った後、脱型する。プラスチック板8
は、接着剤層10の作用によりコンクリート壁の表面に
対して良好に一体化される。
【0041】本実施形態では、プラスチック板8の裏面
に接着剤層10を設けることで、プラスチック板8の補
強効果も得られる。その結果、型枠4aの内面に仮固定
されたプラスチック板8が、コンクリート打設時のコン
クリート落下衝撃にも耐えることになる。
【0042】さらに、プラスチック板8の加工(任意形
状にカット)時にも割れないと共に、プラスチック板8
の搬送時の取り扱いでも割れ難くなる。
【0043】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0044】たとえば、上述した実施形態では、型枠4
aの内面にのみプラスチック板8を仮固定したが、型枠
4aに向き合う他方の型枠4bの内面にもプラスチック
板8の表面側を仮固定しても良い。その場合には、コン
クリート壁の両面に、プラスチック板8が一体成形され
ることになる。
【0045】さらに、上述した実施形態では、型枠を垂
直に配置したが、型枠は、水平に配置しても良い。型枠
を水平に配置して、コンクリートパネルを製造しても良
い。さらにまた、プラスチック板8の裏面に接着剤を塗
布し、接着剤層10を形成した後、その硬化前には、コ
ンクリートとのアンカー効果を付与する目的で次のよう
な処理を行っても良い。
【0046】粒形の大きい無機系骨材(砂、石、金
属、セメント系硬化物)を、接着剤層10の表面に散
布、あるいは添加する。 金属あるいは合成樹脂製のネットを、接着剤層10の
表面に付着させる。 合成樹脂製不織布を、接着剤層10の表面に積層(セ
メントスラリーが内部に浸透しアンカー効果を発揮)す
る。 接着剤層10の表面に沿って、金属あるいは合成樹脂
製の棒を設置する。 接着剤層10の表面に沿って、金属あるいは合成樹脂
製の繊維を散布する。
【0047】接着剤層10の表面に沿って、クシ目鏝
などを用いて、凸凹面を付ける。
【0048】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0049】実施例1 本実施例では、図1(B)に示すプラスチック板8とし
て、表面がメラミン樹脂で裏面がフェノール樹脂である
メラミン化粧板(メラニット N−12G:日東紡績株
式会社製)を用いた。その比重は1.7であり、その厚
みは1.2mmであり、その大きさは90cm×180c
mであった。
【0050】このプラスチック板8の裏面に、二液エポ
キシ系接着剤として、石材・タイル接着用の石材用バン
ノー(ユニーク株式会社製)を用い、これを、2.2k
g/m3の塗布量で塗布し、接着剤層10を形成した。
【0051】この接着剤層10が硬化する前に、クシ目
鏝にて接着剤層10の表面をなぞり、凹凸面を形成し
た。その凹凸の高低差の平均は、約2mmであった。その
後、常温で24時間養生した。
【0052】次に、図2に示すように、厚み15cm、
高さ90cm、長さ180cmのコンクリートパネルが
できる形状に、金属製のコンクリート型枠4を設置し、
片側内面に両面テープにて、接着剤層10が形成された
メラミン化粧板から成るプラスチック板8を仮固定し
た。
【0053】次に、型枠4内に、下記の表1に示す配合
のコンクリートを流し込んだ。
【0054】
【表1】 スランプ、空気量(Air)、水セメント比(w/c)
及び細骨材率(s/a)は日本建築学会建築工事標準仕
様書「JASS5 鉄筋コンクリート工事」によって測
定した。
【0055】コンクリートの流し込み後、3時間の前処
理養生後、部屋内で昇温速度=20°C/hr、最高温
度65°C×4時間の蒸気養生処理を行った。その後、
放冷して24hr後に脱型し、化粧板の接着状況を確認
した。
【0056】脱型から6日後にヒートサイクルによる熱
衝撃を与えた後、研建式引っ張り強度試験機にて接着強
度を測定した。
【0057】ヒートサイクル条件を次に示す。 [(60°C×5hr)→(20°C×1hr)→(−
30°C×5hr)→(20°C×1hr)]×5サイ
クル 接着強度試験は、研建式引張り試験機を用いて、メラミ
ン化粧板とコンクリートとの間の接着強度を測定した。
結果を下記の表2に示す。
【0058】
【表2】 表2に示すように、60°C〜−30°Cという過酷な
熱衝撃サイクル試験後でも7kg/cm2 以上の接着強
度を示した。
【0059】実施例2 図1(B)に示す接着剤層10を構成する接着剤とし
て、日米レジン株式会社製のアルプストンエース(二液
エポキシ系接着剤)を用いた以外は、実施例1と同様に
して、メラミン化粧板が表面に一体化されたコンクリー
ト成形体を得て、熱衝撃サイクル試験後に接着強度を測
定した。
【0060】結果を表2に示す。
【0061】表2に示すように、60°C〜−30°C
という過酷な熱衝撃サイクル試験後でも7kg/cm2
以上の接着強度を示した。
【0062】比較例1 接着剤層を形成しない以外は実施例1と同様な化粧板
を、型枠の内壁に仮止めし、実施例1と同様にして、コ
ンクリート成形体を得たが、型枠の脱型時に、化粧板が
コンクリート表面から剥がれた。すなわち、表2に示す
ように、接着強度は0であった。
【0063】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、メラミン化粧板(その他プラスチック化粧板も含
む)などのコンクリート難接着被着体を、フレキシブル
ボードなどのバックアップ材を用いることなく、コンク
リート硬化時にコンクリートの表面(裏面も含む)に一
体化することが可能となる。
【0064】また、本発明では、プラスチック板の裏面
に接着剤層を設けることで、プラスチック板の補強効果
も得られる。その結果、型枠の内面に仮固定されたプラ
スチック板が、コンクリート打設時のコンクリート落下
衝撃にも耐えることになる。
【0065】さらに、プラスチック板の加工(任意形状
にカット)時にも割れないと共に、プラスチック板の搬
送時の取り扱いでも割れ難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の1実施形態に係るプラス
チック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法を
示す概略断面図、同図(B)はプラスチック板の断面図
である。
【図2】図2は本発明の実施例で用いる型枠の斜視図で
ある。
【符号の説明】
4,4a,4b… 型枠 8… プラスチック板 10… 接着剤層 12… 空間 14… 表面板 16… 裏面板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック板の裏面にエポキシ樹脂系
    接着剤を塗布して硬化せしめた後、型枠内の壁面にプラ
    スチック板の表面側を仮固定し、コンクリートを型枠内
    に流し込んで固化させ、次いで型枠を取外すことを特徴
    とするプラスチック板表面を有するコンクリート成形体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記プラスチック板が、メラミン樹脂板
    から成る表面板と、フェノール樹脂板から成る裏面板と
    の積層板である請求項1に記載のプラスチック板表面を
    有するコンクリート成形体の製造方法。
JP1790197A 1997-01-16 1997-01-16 プラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法 Pending JPH10193314A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1790197A JPH10193314A (ja) 1997-01-16 1997-01-16 プラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1790197A JPH10193314A (ja) 1997-01-16 1997-01-16 プラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10193314A true JPH10193314A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11956654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1790197A Pending JPH10193314A (ja) 1997-01-16 1997-01-16 プラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10193314A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101646527B1 (ko) * 2016-03-14 2016-08-08 에스와이시 주식회사 석재가 일체로 형성된 건축 및 토목 구조물과 그 시공방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101646527B1 (ko) * 2016-03-14 2016-08-08 에스와이시 주식회사 석재가 일체로 형성된 건축 및 토목 구조물과 그 시공방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10193314A (ja) プラスチック板表面を有するコンクリート成形体の製造方法
KR20070065980A (ko) 건축물의 외벽면 단열 마감 시공 방법
JP2582283B2 (ja) リン酸硬化体からなる建材
JPH08216126A (ja) 凹凸模様を有するコンクリート板の製法
JP3189091B2 (ja) コンクリート用化粧型枠、及びそれを使用した コンクリート表面の化粧施工方法
KR100315659B1 (ko) 폴리머 몰탈과 시멘트 몰탈을 부착시킨 복합체의 제조방법
JP2003246662A (ja) コンクリート接着強化剤およびモルタル接着強化壁施工方法
JPH09112028A (ja) 細骨材による補強層を備えた耐久性コンクリート構造体の製造法
JP2556806B2 (ja) 建築用板材
EP0327957A2 (en) A method for manufacturing marble-like products with combined cross section of synthetic resin and cement or gypsum based layers
JPH10121695A (ja) 細粒無機骨材添着シート及びそれを用いたコンクリート表面の仕上げ工法並びに化粧板
JPH02194905A (ja) 軽量気泡セメント板の製造法
JP2524403B2 (ja) コンクリ―トパネル及びその製造方法
JPH0615620A (ja) プレキャスト・コンクリート板の製造方法
JPS59388B2 (ja) 建築用壁パネルの製造法
KR100472955B1 (ko) 폴리머 콘크리트와 시멘트 콘크리트의 동시 타설에 의한부착방법
JP2638645B2 (ja) コンクリート等用粒状接着剤、これを利用した被接着材料等、被接着材料の製造方法及びコンクリート等の接着方法
JPH04163105A (ja) 化粧仕上げブロックの製造方法
JPS6212024B2 (ja)
JP2000328761A (ja) 人造石板
JP3919924B2 (ja) 防火性構造用ボード
EA040495B1 (ru) Фасадная декоративная теплоизоляционная панель из полистиролбетона и способ ее изготовления (варианты)
JPH04108651A (ja) 積層複合材とその製造法
JPS6054163B2 (ja) 化粧石板の製造法
JPH07299813A (ja) 複合建設用材の製造方法