JPH10192302A - 自己結合式歯列矯正ブラケット - Google Patents

自己結合式歯列矯正ブラケット

Info

Publication number
JPH10192302A
JPH10192302A JP28933797A JP28933797A JPH10192302A JP H10192302 A JPH10192302 A JP H10192302A JP 28933797 A JP28933797 A JP 28933797A JP 28933797 A JP28933797 A JP 28933797A JP H10192302 A JPH10192302 A JP H10192302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bracket
spring member
groove
archwire
latch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28933797A
Other languages
English (en)
Inventor
G Herbert Hanson
ハーバート ハンソン ジー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JPH10192302A publication Critical patent/JPH10192302A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C7/00Orthodontics, i.e. obtaining or maintaining the desired position of teeth, e.g. by straightening, evening, regulating, separating, or by correcting malocclusions
    • A61C7/12Brackets; Arch wires; Combinations thereof; Accessories therefor
    • A61C7/14Brackets; Fixing brackets to teeth
    • A61C7/145Lingual brackets
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C7/00Orthodontics, i.e. obtaining or maintaining the desired position of teeth, e.g. by straightening, evening, regulating, separating, or by correcting malocclusions
    • A61C7/12Brackets; Arch wires; Combinations thereof; Accessories therefor
    • A61C7/28Securing arch wire to bracket
    • A61C7/30Securing arch wire to bracket by resilient means; Dispensers therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C2201/00Material properties
    • A61C2201/007Material properties using shape memory effect

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ滑らかな形状をなす歯列矯正ブラケ
ットを提供する。 【解決手段】 歯列矯正ブラケットは、近心末梢方向に
形成されたアーチワイヤー溝(28)と、薄い帯状に形成
された結合用ラッチスプリング部材とを備えるブラケッ
ト本体(10〜20)を含む。前記スプリング部材は、その
全長に渡り、前記ブラケット本体に係止されるアンカー
部(38)、ほぼ全域にわたり湾曲が生ずる湾曲部、前記
アーチワイヤ溝の開口部を覆いかつその内側にアーチワ
イヤーを係合させる結合部(48)、ブラケット本体に対
して該スプリング部材を係止するラッチ部(52)の順番
で、各部が形成されている。このスプリング部材は、形
状記憶性を有するニッケルチタニウム合金で構成される
ことが好ましい。前記ブラケット本体は、外部結合部材
を受けるための二対の連結腕(26)を備え、これらの間
に前記スプリング部材を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】発明の背景 この発明は、自己結合式歯列矯正ブラケットの改良に関
するものである。換言すれば、結合スプリングを一体的
に備える歯列矯正ブラケットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の概説 一般的な歯列矯正方法として、各歯に取付けるための複
数のブラケットを用いるものがある。また、歯に対する
歯列矯正ブラケットの取付方法として、セメント止めに
よるものが増えている。各ブラケットは近心末梢方向に
延設された溝(mesial distal extending slot)を備
え、アーチワイヤーを用いることによって各ブラケット
が連結される。アーチワイヤの名前の由来は、この治療
方法の結果として、均整の取れた歯列を得ることができ
るように理想のアーチ形状を形成することにある。この
アーチワイヤは、結合手段によって保持される。当初、
この結合手段としては、ブラケットおよびアーチワイヤ
に対して巻きつけて用いる金属ワイヤが一般的であった
が、現在は、ゴム製のリングやループ等を用いることが
一般的である。
【0003】また、他の改良部分として、各ブラケット
は自己結合式スプリング部材を一体的に備えるようにな
っている。具体例としては、本発明者による、米国特許
第3,772,787 号、第4,248,588 号、第4,492,573 号、第
5,586,882 号等にその詳細が開示され、かつクレームア
ップされている。上記参考文献に記載されたブラケット
は、現在、「ハンソンスピードシステム」(登録商標)
として使用されている。
【0004】歯列矯正治療の分野では、患者の外見上の
不満を満足させるために、また、ブラケット、舌、近傍
の口内組織との密着が不十分なことに起因すると見られ
る不快感を可能な限り減少させるため、さらに、衛生的
な理由から、食べかすや歯垢を蓄積するような場所を少
なくする必要があり、前記ブラケットの小型化、形状的
美観(滑らかさ)の向上が、常に課題となっている。歯
列矯正を施す者(orthodontists :本説明では「歯科医
等」という)は、早く、正確にかつ効果的に歯の移動と
姿勢制御とを可能とする機能をブラケットに付加するこ
とに関心を持っている。
【0005】また、いわゆる舌側面矯正法(lingual te
chnique )についても、関心が高まっている。この場合
には、ブラケットは、歯の舌に面する側面(舌側面)に
取付けられる。したがって、ブラケットおよびワイヤは
歯の表側からは隠されて見えなくなる。しかしながら、
舌側面矯正法の実施は困難であり、妥協点として、他の
方法ではブラケットおよびワイヤが良く見えてしまう上
部アーチのみに、舌側面矯正法を用いている。そして、
ブラケットとワイヤとが下唇によって大部分隠される下
部アーチには、唇側面矯正法(a labial technique)が
用いられる。舌側面矯正法、および舌側面矯正法と唇側
面矯正法との併用法は、一般的な手順として2〜3年の
間の治療期間を伴う子供に比べ、より容態に不安のある
成人患者に、特に有効である。また、特に舌側面での使
用に際しては、小さく滑らかなブラケットが望まれる。
何故ならば、舌側面へブラケットを配置した場合には、
該ブラケットに舌が干渉し易く、かつ、自然な傾向とし
て、舌で口中の異物を捜すことになるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現存の
ブラケットでは、単なる小型化はそれが部分的であって
も概して成功していない。その理由は、寸法の変更は、
異なる比率の寸法パラメータに影響を与える(例えば、
面積の減少は面積比を変え、一方、体積の減少は体積比
を変える)。その結果として、小型化が困難となる。特
に、自己結合式ブラケットでは極小さなスプリング部材
が必要となり、これに適した特性を有する材料を見つけ
出す必要が生じる。本発明者は、このような舌側面矯正
法に適した小さく滑らかな外観を有するブラケットとし
て、米国特許第4,698,0171号および1995年12月6日付け
出願の米国特許出願第08/568,219号にその詳細を開示
し、かつクレームアップしている。
【0007】歯列矯正器具の製造は熟練を要する仕事で
あり、また、能率的、経済的かつ使い勝手を向上させる
器具を提供するために必要な条件は、さらに、でき得る
限り安価となるようにすることである。特に、歯科医等
が歯列矯正方法の変更を余儀なくされる場合には、新し
いブラケットを使用することが必要不可欠となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明の第1の目的は、小さく滑らかな外観を有する新
しい自己結合式歯列矯正ブラケットを提供することにあ
る。
【0009】また、本発明の目的は、構成部品の数が少
なく、製造コストを可能な限り低く抑えることが可能
な、新しい自己結合式歯列矯正ブラケットを提供するこ
とにある。
【0010】本発明は、歯列矯正ブラケットに関するも
のであり、近心末梢方向に形成された溝を備えるブラケ
ット本体と、薄い平坦な帯状に形成された、金属製の結
合用ラッチスプリング部材(以下「スプリング部材」と
いう)とを備え、該スプリング部材はその全長にわたっ
て、アンカー部、湾曲部、結合部およびラッチ部がこの
順番で形成されていることを特徴とする。
【0011】前記スプリング部材の前記湾曲部及び前記
結合部の間には、前記溝の咬合側面に位置する偏向部を
有する。または、前記結合部及び前記ラッチ部との間
に、溝歯茎側面(slot gingival surface )に位置する
偏向部を備える。この偏向部は、前記溝の舌側面に対す
る凸面をなし、該溝内部に突出するものである。
【0012】また、前記スプリング部材は、好ましくは
アンカー部を備える。そして、該スプリング部材をブラ
ケット本体に保持するために、該アンカー部がブラケッ
ト本体に形成された溝に嵌合し、該アンカー部の不用意
な移動を防止する。したがって、柔軟性を有する前記ス
プリング部材の前記溝の開放状態(図1)、閉鎖状態
(図2)の間での変形(movement)は、該スプリング部
材のその他の部位でのみ生ずる。
【0013】さらに、前記スプリング部材に張力が加わ
っておらず、かつ、前記溝が開放された状態において、
前記ブラケット本体に保持された前記スプリング部材の
形状は、台(platform)のごとく唇方向に延び、アーチ
ワイヤは治療の過程において常にその上に載置される。
【0014】前記スプリング部材は、形状記憶合金で形
成され、望ましくは、形状記憶性を有するニッケルチタ
ニウム合金からなる。
【0015】
【発明の実施の形態】図面の説明 本発明の特に望ましい実施の形態が示されている。例え
ば、添付図を参照すると、図1および図2には、本発明
の第1の実施の形態に係る、2つの連結腕を備える「シ
ャム人」(siamese )型ブラケットの斜視図が示されて
いる。このブラケットは唇側面矯正法に用いられる。そ
して、補助的に連結具を用いることができる。また、結
合用ラッチスプリング部材による溝の開放状態(図1)
と閉鎖状態(図2)とが示されている。そして、該スプ
リング部材の偏向部が溝の咬合側面に位置する様子を示
している。
【0016】図3ないし図5は、いずれも図1および図
2に示すブラケットの溝の歯茎側−咬合側面(gingival
occlusal plane )における断面を示すものであり、各
図には、溝内のアーチワイヤの断面形状を、円形、長方
形、D字状とした例を示している。図6は、図1および
図2に示すブラケットの分解斜視図であり、ブラケット
本体が対称形をなす2つの部材からなる例を示してい
る。図7は、前記スプリング部材のみを示す横立面図で
あり、溝の開放状態における形状を実線で、溝の閉鎖状
態における形状を一転鎖線で示している。図8および図
9は、前記スプリング部材のみを示す横立面図であり、
溝の開放状態と閉鎖状態とで、各部分の半径および角度
が異なる様子を示している。図10は、平坦な状態におけ
るスプリング部材の平面図であり、このスプリング部材
を変形させたものが、図7ないし図9に示されている。
【0017】図11および図12には、本発明の実施の形態
に係る、腕無しブラケットの斜視図が示されている。こ
のブラケットは特に舌側面矯正法に適し、上側の臼歯に
取付けられる。また、前記スプリング部材が溝の開放状
態にあり、円形断面を有するアーチワイヤが、該スプリ
ング部材上で溝内部へ嵌め込まれる以前の準備状態にあ
る様子と、溝が閉鎖状態で、アーチワイヤが溝内部に保
持された様子とを、夫々示すものである。図13および図
14には、本発明の実施の形態に係る、腕無しブラケット
の斜視図が示されている。このブラケットは特に舌側面
矯正法に適し、上部の犬歯、門歯に取付けられる。ま
た、スプリング部材の溝開放状態と、溝閉鎖状態とを夫
々示している。
【0018】図15は、形状記憶合金、特に形状記憶ニッ
ケルチタニウム合金に関する応力−歪み(stress-strai
n )関係図である。図16は、図3ないし図5と同様に連
結腕を備え、前記スプリング部材はアーチワイヤ溝の歯
茎面に係合する偏向面を有するブラケットの断面を示す
ものである。図17は、図15と同様に連結腕を備え、前記
スプリング部材が係合可能なブラケットの断面を示すも
のである。図18は、成人の中央の門歯の外観と、その舌
側面にセメント止めされた本発明の実施の形態に係るブ
ラケットとを示している。さらに、該門歯の唇側面にセ
メント止めされたハンソンスピードシステムのブラケッ
トとの大きさを比較したものである。
【0019】好ましい実施の形態 明細書と添付の請求項とには、会話に支障を来すことの
ないブラケットとその構成部品とについて言及してい
る。本説明では、このブラケットは患者の口中で上部歯
列アーチに取付けられる、いわゆる唇側面矯正法(labi
al procedure)による例が開示されているのみである。
しかしながら、当然のごとく本発明の実施の形態に係る
ブラケットは、唇側面矯正法にも舌側面矯正法(ligual
procedure)にも用いることができるものである。そし
て、このブラケットは特に舌側面での使用を推奨するも
のである。ブラケットには唇側および下側方向の適用方
向が指定されていても、その方向を裏返すことにより、
例えば、ブラケット表面に唇側面矯正法による唇側での
使用が明示されているものを、舌側面矯正法による舌側
で使用することが可能であり、その逆も然りである。
【0020】また、アーチワイヤ溝は、舌側にのみ開放
し、唇側には開放しない。加えて、使用方向を簡単に把
握するために、ブラケットには、特に使用方向を明示す
る表示面が設けられている。また、鋭角の端部形状や、
該鋭角端部の交差を可能な限り避けることによっての
み、滑らかな外観形状を形成することが可能となる。そ
のような理由から、各構成面が、他の面と交差すること
なく滑らかにつなげられている様子が開示されている。
また、各図面の同一部分若しくは相当する部分には同一
の符号が適切に付されている。
【0021】本発明の実施の形態において解説され開示
されるブラケットは、いわゆるストレートワイヤ技法
(straight wire technique )の利用を図るものであ
る。この手法は、各々のブラケットを各歯に傾きを一致
させて夫々取付け、アーチワイヤが本来のアーチ形状へ
と復帰し、唇側−舌側面上で直線に見える状態とするこ
とにより、各歯を理想の位置および向きに移動させると
いうものである。アーチワイヤが適切な直線状態となる
と、本技法の結果として、異なる歯に取付けられたブラ
ケットは、各ブラケットが取付けられた各歯の、大きく
異なる傾きを整列させることができる。ここでは主に2
つの手法が用いられている。その1つは、ブラケットの
土台部分とその表面とを、歯の表面に当接させるに適し
た形状に形成するものである。2つ目は、アーチワイヤ
溝の傾きを変えるものである。
【0022】本説明で開示された各ブラケットの、要求
トルク(近心末梢方向軸に関する回転)、要求角度(唇
方向−舌方向軸に関する回転)および当初の事前設定は
全て、前記ブラケットの土台形状、特に歯の表面との当
接面、および該土台の厚さの変化等を適正化することに
より得ることができる。したがって、歯が最適の姿勢お
よび回転方向位置にあるとき、アーチワイヤが直線状と
なることによって、全ての溝面がアーチワイヤと結合す
る。図1〜6、図11、図12、図16および図17に示される
ブラケットの土台形状は、上部中央の門歯への取付けに
適したものである。また、図13、図14および図18に示さ
れるブラケットの土台形状は、上部中央の第1門歯への
取付けに適したものである。他の歯に関するブラケット
の土台形状は、従来技術から明らかであり、ここでの詳
細な開示を省略する。
【0023】溝の傾きに関する前記第2の手法において
も、本発明に係るブラケットを用いることが可能であ
る。また、第2の手法単独でも、第1、第2の手法の組
み合わせでも用いることができる。ところで、幾つかの
ブラケットはその溝の傾きが極端になる。例えば、ブラ
ケットが中央の門歯の舌側面に固定された状態では、図
13,図14および図18に示すように、溝は唇側−舌側軸と
の平行を維持することはなく、代わりに、溝は(近心末
梢方向から見て)歯茎−咬合軸(gingival occlusal ax
is)において咬合面と平行に開放される。それでもやは
り、上記のごときブラケットは、請求項の用語の範ちゅ
うに含まれる。
【0024】図1ないし図6、図16および図17には、本
発明の実施の形態に係る外部結合形状をなすブラケット
が示されている。これらは、ブラケットが本質的に自己
結合式であるにもかかわらず、多くの歯科医等らに好ま
れることであろう。したがって、矯正治療を行う際に次
のような状況が生ずる。外部結合手段の補助的な使用が
必要な場合や、外部結合手段で全く代用する場合に、前
記結合手段は前記スプリング部材によって与えられる。
例えば、当初の歯の配列がかなり乱雑であった場合に
は、アーチワイヤは前記溝に係合することが不可能とな
る。また、もし係合することができても、スプリング部
材およびアーチワイヤの一方もしくは双方に過大な応力
をかけずに、スプリング部材をブラケットに係止するこ
とは不可能となる。
【0025】他に考慮すべきは、次の通りである。前も
って外部結合手段のみを用いる治療段階を施している歯
科医等にとっては、全く新しい治療方法を必要とするブ
ラケットを初めて用いることは、余り気乗りのするもの
ではない。しかも、このことは、彼らがそれまでに確立
してきた治療技術を用いる機会がなくなることを意味す
る。よって、この外部結合手段を備える自己結合式ブラ
ケットを用いるならば、彼らはこの新たなブラケットの
使用に踏み切るであろう。このようなブラケットは、通
例2つの連結腕を備えるいわゆる双子型の腕ブラケット
に関連するものであり、これらは腕が突出していること
から、唇側面矯正法のみに用いられる。
【0026】ブラケット本体は、唇側(labial)面10、
舌側(lingual )面12、歯茎側(gingival)面14、咬合
側(occlusal)面16、近心側(mesial)面18および末梢
側(distal)面20を備え、図18に示すように歯22にセメ
ント止めされている。また、舌側面12には、2つの連続
平行線による交差溝24が形成されている。この2つの連
続線は直交し、格子模様(図3ないし図5、図11,図12
および図17参照)を形成している。そして、この交差溝
24によってセメントを受け止める。
【0027】ブラケット本体には、例えば環状ゴムから
なる連結具等の外部連結手段に係合し、その荷重を受け
止める二対の連結腕26を備える。また、連結腕の凹面状
をなす舌側面とこれに面するブラケット本体の唇側面と
の間には、溝27が形成されている。各対の2つの腕は、
互いに歯茎方向および咬合方向に延びている。また、二
対の腕は互いに近心末梢方向に離間配置されている。こ
のような構成をなす二対の連結腕は、外部ワイヤ等(環
状ゴムからなる連結具等)の、張力および圧力部材であ
る外部連結手段を受け止め、係止する。上記構成をなす
歯列矯正具は、当業者には周知のものであり、詳細な説
明および図示は不要であることから、ここでの詳細な説
明は省略する。
【0028】ブラケット本体には、近心−末梢方向に延
設されかつ唇側に開放するアーチワイヤ溝28が設けられ
ている。本実施の形態では、歯茎側−咬合側面において
長方形断面をなしている。また、アーチワイヤ溝は唇側
面10に開口し、舌側面30、歯茎側面32および咬合側面34
を夫々備える。このアーチワイヤ溝は、アーチワイヤ36
(図3ないし図5、図11、図12、および図16ないし図1
8)を受け止める。このアーチワイヤは、治療の初期段
階では円形断面をなすもの(図3、図11、図12および図
18)を用いる。この円形断面をなすアーチワイヤは、一
度溝内に全体が入り込み、その中で全体が整列した後
に、ブラケット本体のアーチワイヤ溝に対して摺動自在
となる直径を有する。
【0029】その後の治療段階では、円形断面をなすア
ーチワイヤから、長方形断面形状(図4)またはD字状
断面形状(図5)をなすアーチワイヤに交換する。これ
らのアーチワイヤは前記スプリング部材によって(ブラ
ケット本体と)係合し、近心末梢軸方向の歯の傾きを調
節するための最終段階において、大角度の調節を行う。
しかしながら、この時点での係合は摺動摩擦抵抗の増加
を防ぐことはできない。アーチワイヤをアーチワイヤ溝
内に保持するための手段と、少なくともアーチワイヤ溝
の舌側面30に対して、好ましくはアーチワイヤ溝の歯茎
側面32または咬合側面34に対しても弾性的にアーチワイ
ヤを圧接させる手段とは、後述する自己連結式ラッチス
プリング部材を備える。このラッチスプリング部材は、
薄い平坦な弾性部材であり、ブラケット本体から突出す
る二対の連結腕26の間に形成された凹部に取付けられ
る。
【0030】説明の都合上、スプリング部材は複数の異
なる部分からなるものとする。そしてこれらの部分は、
スプリング部材全体としての働きを発生させるために各
々が独自の機能を有する。そして図示された本発明の実
施の形態では、スプリング部材の全長にわたり、近心末
梢方向に延びる肩面39を有するアンカー部(anchor por
tion)38、該アンカー部と共に近心抹消方向に延びる連
結部(junction)42(図10)を形成する湾曲部(flexin
g portion )40、該湾曲部と共に近心抹消方向に延びる
連結部46(図10)を形成する偏向部(biasing portion
)44、該偏向部と共に近心抹消方向に延びる連結部50
(図10)を形成する結合部(ligating portion)48、該
偏向部と共に近心抹消方向に延びる連結部54を形成する
ラッチ部(latching portion)52の順番で、各部が形成
されている。
【0031】アンカー部38は、図示(図10参照)のごと
く前記湾曲部よりも幅広に形成され、いわゆるT字形が
与えられている。また、近心抹消方向に延び唇側に面す
る肩部39を有する。そして、ブラケット本体には、スプ
リング部材の脱落を防止するために、この幅広端部に対
応する形状をなす肩部(近心抹消方向に延び唇側に面す
る肩部:図示省略)が設けられている。したがって、ア
ンカー部はブラケット本体の圧入嵌合溝(アンカー部受
け止め溝)56に嵌め込まれる。このときの密着状態は、
スプリング部材がアーチワイヤ溝の開放状態(図1、図
11および図13)から、スプリング部材が係止されたアー
チワイヤ溝の閉鎖状態(図2ないし図5、図12、図14お
よび図16ないし図18)の間、アンカー部38に湾曲が生ず
ることのない程度に、また、アンカー部と湾曲部との連
結部42を始点とするスプリング部材のその他の部分での
み、何らかの湾曲動作が生ずるように、アンカー部受け
止め溝に対して密着する。
【0032】アンカー部は平坦であり、アンカー部受け
止め溝56およびその入口も平坦である。そして、スプリ
ング部材に何らかの湾曲動作が始まると、それはスプリ
ング部材の全幅に及ぶ。本実施の形態では、湾曲部40の
位置決めと、スプリング部材によりアーチワイヤ溝を閉
鎖する際に必要となる力の決定とを行うために、アンカ
ー部受け止め溝56は、咬合側(occlusal)面16、およ
び、湾曲部40の唇側−舌側参照軸(the labial lingual
reference axis )に対し略45°の傾斜をもって形成さ
れる。そして、当該角度を変更することによって、予め
設定された前記力(スプリング部材によりアーチワイヤ
溝を閉鎖する際に必要となる力)を変更することができ
る。
【0033】図8および図9に示すように、湾曲部40は
ブラケット本体の唇側面の近傍で、該唇側面に向けて半
径58かつ中心角60の凹面状をなす。そして、この湾曲部
において、スプリング部材の2つの状態(閉鎖、開放状
態)間の湾曲動作の大部分が生ずる。このことについて
は後述する。当然ながら、幾らかの湾曲動作は、偏向部
44、結合部48およびラッチ部52にも生ずるが、その動作
は、偏向部44および結合部48の大きさ、アーチワイヤ溝
28内でのアーチワイヤの断面および向きに影響されるも
のであり、かつ、ラッチ部52の係合、非係合の動作に必
要なものである。この湾曲部における湾曲動作の集中
は、図10に示すように、湾曲部の近心末梢方向幅を、ア
ンカー部および結合部と比較して狭くすることによっ
て、より促進させることができる。湾曲部40のなす半径
58が減少し、湾曲部の湾曲形状の中心角60が増加する
と、スプリング部材はアーチワイヤ溝を閉鎖する状態へ
と変形(move)し、かつ、該湾曲部はブラケット本体の
滑らかに湾曲した唇側面10を押圧する。このアーチワイ
ヤ溝を閉鎖する状態では、湾曲部40はブラケット本体の
舌側面に形成されたくぼみ62に落ち込み、湾曲部の端面
はくぼみ62の溝にカバーされ、患者の舌や、口内壁に引
っかかることはない。
【0034】偏向部44は、舌側面に形成されたアーチワ
イヤ溝に向けて半径64かつ中心角66の凸面形状をなすよ
うに形成されている。本実施の形態においては、スプリ
ング部材の全体における偏向部44の位置は、アーチワイ
ヤ溝の閉鎖状態において、偏向部44の凸面の頂点がアー
チワイヤ溝の咬合側面34とほぼ同一位置となる。また偏
向部44は、アーチワイヤがアーチワイヤ溝内に無い時、
スプリング部材の凸面の頂点から歯茎側へと突出し、あ
る程度アーチワイヤ溝内へと入り込む部分に、アーチワ
イヤ溝の、近心末梢方向へと延びる舌側面と歯茎側面と
の連結部に対面する、いわゆるアーチワイヤとの係合面
として機能する。この機能については後述する。
【0035】偏向部44と結合部48との連結部50から延び
る結合部の一部の範囲は、半径68かつ中心角70に形成さ
れている。一方、結合部48の残りの部分およびラッチ部
52は、同一半径72かつ中心角74に形成されている。この
結合部はアーチワイヤ溝の舌側面30に向けて凹面状をな
し、その一方で、ラッチ部52はアーチワイヤ溝の歯茎側
面32に向けて凹面状をなしている。また、ラッチ部52は
結合部48に比べて近心末梢方向幅が狭く形成されてい
る。このことが、ラッチ部の係合離脱のための変形を促
進する。また、ラッチ部もくぼみ62の対応部分に入り込
み、その端面はくぼみ62の壁面によって保護される。
【0036】本実施の形態においては、ラッチ部52とブ
ラケット本体との所望の係止状態を得るための手段とし
て、長方形で対称形をなす2つのラッチ切込部76を有す
る。このラッチ切込部の各々は、ラッチ部の自由端部の
近傍に近心末梢方向の端部を有する。そして、ラッチ切
込部76は、咬合方向に突設された複数の歯止め(sears
)78と整合する。なお、歯止め78は互いに近心末梢方
向に突出している。
【0037】さて、図1、図11および図13に示すよう
に、スプリング部材が無負荷の(張力がかかっていな
い)アーチワイヤ溝開放状態にあるとき、ブラケット本
体に対する前記アンカー部38の挿入角度は、前記湾曲部
40の湾曲動作を決定付けるだけでなく、スプリング部材
の他の部分が唇側に延び、前記結合部が、図11のごとく
アーチワイヤ36を載置するたな又は台として機能する。
また、アーチワイヤが最初の数個のブラケットに係止さ
れる間、前記アンカー部のアンカー部受け止め溝に対す
る係合状態を、仮止め状態とする。もし、連結腕26にト
ラニオン状の突起(trunnion-like projections :図示
省略)が設けられるならば、その突起は、互いに対して
伸張し、前記たな又は台を形成している時に、スプリン
グ部材がこれと係合する。したがって、スプリング部材
の過度の開放と、スプリング部材に対する過度の荷重付
与とを防ぐ。この部材を与えることにより、スプリング
部材の厚さを減少させる(例えば、0.125mm(0.005in)か
ら0.112mm(0.0045in) への減少)ことができる。
【0038】さて、スプリング部材が湾曲し、前記ラッ
チ部がアーチワイヤを移動させる。続いて、ラッチ部の
自由端部が、舌側および咬合側の各々に対して傾斜する
前記複数の歯止め78の、傾斜面80と係合する。傾斜面80
は、複数の歯止め78がラッチ切込部76に係合するまでの
間、前記ラッチ部の自由端部に咬合方向の移動を起こさ
せるための傾斜面である。その結果、スプリング部材の
他の部分、特に湾曲部40を完全係合状態へと導く力が働
く状態下で、前記自由端部は歯茎方向に移動する。この
歯止め(laches)の係合は、スプリング部材に対し単純
に指で圧力を加えることによって行われる。
【0039】一方、歯止めの係合解除は、専用工具(a
suitabulepointed tool )82(図3参照)を、くぼみ62
に形成された歯茎方向の開口から咬合方向へと挿入し、
該専用工具をラッチ部52の自由端部に係合させてから、
スプリング部材を咬合方向へと押し付けることによって
行われる。この下方(咬合方向)への移動により、スプ
リング部材の(ラッチ部の)自由端部は、唇側および咬
合側に延びる傾斜面(ラッチ傾斜面)84に当接する。こ
の、該傾斜面84に沿った下方移動がラッチ部52の唇側へ
の動作を確実に発生させ、歯止めによる係合を解除する
ことを可能とする。そして、係合を解除すると同時に、
スプリング部材の弾性復帰力によって、スプリング部材
はアーチワイヤ溝の開放状態となる。なお、スプリング
部材を受け止めるくぼみ62は、専用工具82を用いること
なしに係合解除することが困難であるか又は不可能な程
度に、特に、患者が自らの爪を使って取り外すことが不
可能な程度に、狭く(例えば、0.75mm(0.030in) )形成
されていることが望ましい。
【0040】また、他のラッチ手段、例えば、本発明者
による米国特許第5,224,858 号(1993年7月6日発行)
に開示されかつ記載されたブラケットに使用されている
ものを用いることも可能である。このブラケットは、複
数の歯止めが、咬合方向に突出する代わりに互いに近心
末梢方向に突出している。また、ラッチ部52の端部の、
ラッチ切込部76の間に位置する部分には中央切込部が形
成されている。そして、該ラッチ部の端部が移動するに
伴い、該中央切込部と歯止めとの係合を行う。また、小
型のプライヤー等を用いラッチ部の端部をひねることに
より、該中央切込部に対する歯止めの係合を解除するこ
とができる。
【0041】治療の初期段階においては、図3に示すよ
うに、小さな弾性力を発生させる小径の円形断面をなす
アーチワイヤや、本発明者により米国特許第5,334,315
号(1994年9月6日発行)に開示されクレームアップさ
れた編み紐状のワイヤ等が一般的に用いられる。これら
のワイヤは、アーチワイヤ溝に対して緩く係合すること
により、アーチワイヤ溝に摩擦拘束されることを防止す
る。よって、不整列状態の歯(crowded teeth )をアー
チワイヤに沿わせて所望の状態に整列させる「ほどき段
階」(unravelling )での移動を、抑制することができ
る。このような治療の初期段階においては、アーチワイ
ヤ36の全体がアーチワイヤ溝28内に入り込むことは期待
できない。むしろ、少なくともアーチワイヤ溝からはみ
出し、もしくは溝内で回転するような状態となる。よっ
て、スプリング部材をアーチワイヤ溝の閉鎖状態へと移
動させると、スプリング部材の係合部48はアーチワイヤ
と係合し、これを溝内に押し込む。この、ワイヤのスプ
リング部材に接する部分を回転させかつ湾曲させる働き
を、スプリング部材が溝内に完全に係止される状態とな
るまで続ける。この、スプリング部材を溝の閉鎖状態と
する動作は、アーチワイヤおよびスプリング部材の係合
部に応力を発生させる。そして、スプリング部材は歯を
最終的な理想の位置へと付勢する修復力を、常時正確に
付与することができる。
【0042】図3を用いてさらに詳細に説明する。偏向
部44の、結合部48との連結部から該偏向部の湾曲形状の
頂点にかけての部分は、事実上結合部48の延長部分とし
て形成され、アーチワイヤ溝の咬合側面34へ向けて突出
している。該溝内に円形断面をなすアーチワイヤがある
場合には、該アーチワイヤはアーチワイヤ溝の舌側面30
に向けて付勢されるのみならず、舌側面30と歯茎側面32
との接合部へ向けて付勢される。この、傾斜面に沿って
アーチワイヤが移動するように付勢される機能を備える
ことにより、単に結合部48で前記アーチワイヤ溝をふさ
ぐ場合に比べ、アーチワイヤはより正確な角度で、アー
チワイヤ溝内に位置決めされることになる。よって、ブ
ラケットはアーチワイヤに対し理想の位置となり、該ブ
ラケットは、アーチワイヤ上で近心方向および末梢方向
にごく僅かな摩擦抵抗を受けるのみでスライドし、前記
スプリング部材の位置を補正することなく、唇側舌側軸
と、近心末梢方向軸とに関する微妙な回転を許容する。
【0043】これにより、例えば、抜歯された後の閉じ
られた空間へと歯が移動される際の、歯の根本位置およ
び姿勢全体の挙動に、極めて正確な調整を行うことがで
きる。このときの制御能力は、市販のアーチワイヤの断
面形状から得られるものの方が、直径から得られるより
も高い。例えば、呼び径0.5mm (0.020in )から0.013m
m (0.0005in)までのワイヤが使え、それ以上の径のも
のは通常使えない。本発明の実施の形態に係るアーチワ
イヤは、広い範囲にわたって直径の変化を許容するもの
であり、いかなる径のワイヤであっても、常に、アーチ
ワイヤ溝28の側面30と歯茎側面32との接合部に対し確実
に押し付けられることになる。よって、治療段階の進行
に合わせて、より正確かつ予測性の高い処置をおこなう
ことができる。
【0044】図4および図5には、本発明の実施の形態
に係る高精度の角度調節を可能とするブラケットを示し
ている。これらは、各々長方形またはD字状の断面形状
をなすアーチワイヤ36がアーチワイヤ溝28内に用いられ
ている。この実施例では、例えば、アーチワイヤ溝の一
般的な歯茎側−咬合側寸法は、0.55mm交差−0.0mm +0.
013mm (0.022in −0.0in +0.0005in)である。一方、
これに組み合わされる最大のワイヤの、歯茎側−咬合側
呼び寸法は0.53mm(0.021in )であるが、一般的には呼
び寸法0.52mm(0.0205in)のものが用いられる。また、
最小のワイヤとして、呼び寸法0.50mm(0.0200in)のも
のも一般的に用いられている。円形断面をなすアーチワ
イヤは、その形状を調節する方が、その寸法を調節する
よりも遥かに有益である。
【0045】また、アーチワイヤが回転方向にごく僅か
に移動(変形)しても、アーチワイヤの平坦な舌側面を
アーチワイヤ溝の舌側面30に対して押圧するように、結
合部48によってアーチワイヤをアーチワイヤ溝内へ押圧
することにより、近心末梢方向軸に所望の回転を生み出
し、その回転を修正させるトルクモーメントが発生す
る。一方、偏向部44はワイヤの歯茎側面をアーチワイヤ
溝の歯茎側面32に対して確実に押圧することができる。
もし、歯茎側−咬合側軸に関する歯の回転方向の位置ず
れにより、アーチワイヤ溝からアーチワイヤが突出して
も、同様に正確な修正効果を生み出す。前記スプリング
部材の結合部(litigating portion?)における、アー
チワイヤ溝の舌側面30に対する凹面形状は、図5に示す
ように、D字状断面をなすアーチワイヤを用いる場合に
特に効果的である。すなわち、長方形断面の部分が長方
形断面をなす溝の壁面と十分に係合し、また、円弧状断
面をなす唇側面が、結合部の凹面部分に十分に係合す
る。
【0046】図6には、本発明の実施の形態に係る、3
つの部品のみからなるシンプルかつ高い効果を得ること
が可能なブラケットを示している。本実施の形態では、
ブラケット本体は2つの対称形をなす部品からなる。こ
のうちの一方は、近心末梢方向に延び正方形断面をなす
連結柱86を備える。この連結柱は、ブラケット本体を形
成するもう一方の部品に形成された、近心末梢方向に延
び正方形断面をなす連結穴87に挿入可能となっている。
この2つの部品を共に移動させることにより、前記スプ
リング部材のアンカー部38は該2つの部品のアンカー部
受け止め溝56に嵌り込む。また、連結柱86が連結穴87に
挿入され、その時に例えばレーザー溶着等によって、そ
の挿入方向の接合面に沿って互いに固定されることによ
り、ブラケット本体の2つの部品は互いに正確な位置に
固定される。そして、ブラケット本体が完成し、同時
に、スプリング部材がアンカー部受け止め溝56に半永久
的に保持される。この、保持状態は前述の肩面(スプリ
ング部材アンカー部の唇側に面する肩面)39によって維
持される。
【0047】図示のブラケット本体は皆、唇側又は舌側
から見ると長方形をなしている。しかしながら、近心抹
消側面が、歯茎−咬合方向に延びる中立面に対し僅かに
傾く偏菱形とすることも可能である。このようなブラケ
ット形状の場合には、スプリング部材もまた偏菱形に対
応した形状であることが望ましい。この角度は、ブラケ
ットが歯に固定されたときに、歯の所望の傾斜角度に一
致するようになっている。また、このブラケットは治療
開始の段階において、歯科医等による歯に対するブラケ
ットの取付位置の設定を容易にする。したがって、この
傾斜角度は、歯が所望の傾斜角度にある状態で、口内で
アーチワイヤ溝28が近心抹消方向にかつ水平方向に延
び、歪みを生じていないアーチワイヤに完全に整列する
ような値である。この偏菱形をなすブラケットを用いる
治療方法は、現在すでに確立されており、本発明の技術
分野における当業者には周知のことである。よって、こ
こでの詳しい説明は省略する。
【0048】単体からなるブラケットに対するスプリン
グの付勢力は、プリロード(preloading)と共に、スプ
リング部材の形状(例えば、中心角60,66,70,74等)
によって調節することが可能である。また、ブラケット
が歯に取付けられる以前の各湾曲部の半径によっても調
節することができる。
【0049】さて、金属製の結合スプリング部材を備え
る自己結合式ブラケットにおいて未解決となっている問
題は、ブラケットが極端に小さいことに起因する。結合
スプリング部材は、高分子金属(high modulus metals
)であることが望ましく、かつ、口中の高い腐食性の
環境に適応させるため、従来はステンレススチールが普
遍的に用いられてきた。しかしながら、最も実用性に富
む係数のステンレススチールを用いた小型スプリング
は、アーチワイヤ溝の開放状態および閉鎖状態の間で変
形(move)する金属としては、応力を受けた際にその弾
性限度が大幅に不足しており、弾性限度を越えた所望の
移動量を許容する能力は比較的低い。
【0050】そして、一度この限度を越えると、例え
ば、不注意にスプリング部材を動かしたり、固いアーチ
ワイヤがアーチワイヤ溝から大きくはみ出した状態で無
理にアーチワイヤ溝を閉鎖しようとすると、二度とスプ
リングとしての機能をなさなくなる。したがって、ブラ
ケットを全く交換することが必要となる。このように、
歯科医等にとってはスプリング部材を「本来の位置に」
置き換えることは通常良くないことであり、特に、ブラ
ケット本体に備えつけられたスプリングが弾性限界に近
づいたことによる交換は、患者および歯科医等の双方に
とって不便であり、好ましくない。
【0051】そこで、新しい金属であるニッケルチタニ
ウム合金が開発され、アーチワイヤ、結合スプリングお
よび摩擦スプリングの製造に、急速に用いられるように
なった。このニッケルチタニウム合金の最も重要な性質
は、ステンレススチールに比べ、過度の負荷と恒久的な
変形に対し、極めて高い弾性を備えることである。図15
には、ニッケルチタニウム合金に関する典型的な応力−
歪み関係図を示している。図から明らかなように、当
初、応力−歪みの関係はほぼ線形をなしている。
【0052】最高の性質を有する金属(most metals )
は、比較的早く応力−歪み線を上昇させ、しかしある地
点で、一般的には略1%の歪みで超弾性領域に突入し、
応力−歪み線はほぼ一定となる。そして、応力を過度に
増加させることなく、また、応力が作用しない状態に戻
ることなく、歪みを略6〜8%まで増加させる。そし
て、超弾性領域の最終段階で、応力−歪み線を急激に上
昇させる性質を再び示す。この超弾性領域においては、
アーチワイヤおよびスプリング部材には、過大な応力を
受けていないにも係らず、比較的大きな変形を生ずるよ
うな弾力性を示す。そして、ステンレススチールに約0.
5 %の最大歪みが生じているときと比較して、より大き
な歪みを生じている状態でも、元の形状に回復すること
ができる。このような理由から、当該合金は一般的に超
弾性合金と呼ばれている。
【0053】また、他の性質として、スプリング部材を
このニッケルチタニウム合金で組み立てることにより、
より広い歪みの範囲で比較的一定の修復力を供給するこ
とが可能である。また、前記超弾力性を生み出す原子構
造から、この合金はいわゆる「記憶現象」を示す。した
がって、この合金によって作られた製品は、所望の原
「記憶」形状から、新たな全く異なる形状へと湾曲させ
ることが可能であり、また、熱処理を適切に施すことに
より、新たな形状に固定することができる。その後に、
所定温度(以下、変態点という)以上に加熱した場合に
は、記憶された原形状に戻る。この合金を用いて多索ケ
ーブルの製品化に成功した例として、本発明者は米国特
許第5,344,315 号にその詳細を開示し、クレームアップ
している。このケーブルのアーチワイヤへの適用例が増
加している。この合金によるアーチワイヤは、ステンレ
ススチールによるアーチワイヤでは係合することが不可
能か、もしくは、係合したとしても、歯および歯茎に悪
影響を与える程の力を加えてしまう程度に偏倚したブラ
ケットに対しても、そのアーチワイヤ溝に十分に係合す
ることができる。
【0054】この合金の特性は、本発明の実施の形態に
係るブラケットへの使用に特に適したものとなる。スプ
リング部材の一端部であるアンカー部38は、ブラケット
本体のアンカー部受け止め溝56の、近心末梢方向の全幅
を横切って、確実に保持される。このことにより、スプ
リング部材の初期の湾曲動作をより確実とすることがで
きる。例えば、アーチワイヤ溝の開放状態から閉鎖状態
への移動に際し、アンカー部38と湾曲部40との連結部42
がフックの法則に従う弾性変形(Hookian elastic disp
lacement)をする。湾曲部40と該湾曲部の連結部42に隣
接する部分は、直ちに超弾性領域に入り、その他の部分
は弾性領域に留まる。したがって、図7に示すように、
偏向部44、結合部48、ラッチ部52は、アーチワイヤ溝の
開放状態や、少なくともその移動の初期段階において
は、比較的その形状を維持する傾向にあることがわかる
であろう。
【0055】前記連結部42に隣接する部分が超弾性領域
の最終段階に到達すると、前述のごとく応力−歪み線の
急激な上昇を再開する性質をもつ。さらに、湾曲部40が
代わりに超弾性領域に入り、弾性領域から超弾性領域へ
の移行を湾曲部に沿って波のごとく進行させる。スプリ
ング部材の変形は、湾曲部40における弾性領域から超弾
性領域への移行が進行することに反比例して、より大き
くなる。そして、少なくとも結合部48が、溝に対し所望
の状態で納まっていないアーチワイヤ(a misplaced ar
ch wire )に対し係合し、ラッチ部が前記歯止め(latc
hes )と係合するために湾曲し、このことによって著し
く大きな応力がアーチワイヤのこれらの部分に付与され
ている間は、前記湾曲部の反比例量(変形量)を除いて
は、スプリング部材に望まれる弾性変形を制限する効果
をもたらす。以上の理由から、偏向部44、結合部48、ラ
ッチ部52は、その大部分において現在のプリセットされ
た形状を可能な限り長時間にわたり維持し、急激な傾斜
をなすフックの法則に従う弾性領域(the steeper slop
e Hookian elastic range )に留まり、各部の機能を発
揮する。
【0056】特に、スプリング部材が一度完全に係止さ
れると、アーチワイヤによって著しい応力を負わされる
ことが無く、偏向部44、結合部48、ラッチ部52は、スプ
リング部材が非係止状態にあるときの状態(conformati
on)を維持し、湾曲部40において主な唇方向の変形が生
ずる。このことは、例えばアーチワイヤ溝内にD字状断
面をなすアーチワイヤが配置された例を示す図5に、最
も明らかに示されている。したがって、溝の閉鎖状態に
おいて、スプリング部材の湾曲部40が開放状態にあるア
ーチワイヤ溝を、高弾性の唇側壁を持った近心末梢方向
に延びる管へと、効果的に変化させる。この管は、適当
な形状および大きさのアーチワイヤが摺動自在となるよ
うな断面形状をなす。この管の舌側面では、偏向部44が
該偏向部の近傍部分に先行して、アーチワイヤ溝からは
み出すアーチワイヤに係合する。そして、アーチワイヤ
から受ける力は、偏向部44を唇側へと延ばしかつ突出さ
せ、該偏向部の近傍部分に先行して超弾性領域へと移行
させる。そして、アーチワイヤの小さな力が安定してこ
の部分にかかることにより、当該変形の回復の程度は増
すことになる。
【0057】好ましい超弾性形状記憶合金の種類(fami
ly)は、ニッケルチタニウムであり、原子構成のノミナ
ル比は、ニッケルおよびチタニウムが50%:50%のもの
である。しかし、銅、鉄、コバルト、クロムを僅かに混
入させたものでもよい。この合金に熱処理を施すことに
より、所望の性質をもたせることができる。同時に、こ
のニッケルチタニウム合金は、高い延性と、更なる回復
動作(recoverable motiom)と、 300番台のステンレス
スチールに比較して優れた耐腐食性と、形状回復のため
の変態点(transformation temparatures )の安定性
と、高い生体適合性と、形状回復のための電気的昇温性
とを備えることが望ましい。その他の合金については、
本発明者による米国特許第5,344,315 号および第5,586,
882 号にその詳細が開示されている。
【0058】前記超弾性形状記憶合金を用いたスプリン
グ部材の、結合部およびラッチ部双方における変形の際
に、上記性質の寛容性から得られる効果は、上記のごと
く好ましいものである。しかしながら、この合金は本実
施の形態に適したステンレススチールに比べ、高価格か
つ耐久力に劣ることから、スプリング部材をいくらか厚
くする必要がある。当然ながら、ステンレススチールに
よるスプリング部材も、本発明の新規なブラケットに用
いることが可能である。
【0059】図11ないし図14には、本発明の実施の形態
に係る舌側面矯正法に適したブラケットの、好ましい実
施の形態が示されている。この矯正法においては、連結
腕は役に立たずかつ必要としない。したがって、このブ
ラケットは唇側面矯正法に用いられるブラケットに比べ
小さなものとなる。
【0060】図11および図12に示されるブラケットは、
上部小臼歯および臼歯の舌側面に適用するものである。
一方、図13および図14には、上部門歯および犬歯に用い
られるブラケットが示されている。これらブラケットに
は、可能な限り滑らかな輪郭をなすように形成されるこ
とが望まれるので、フックや腕等の他の矯正具(環状ゴ
ム、弾性索状体等)のための固定手段を設けることは、
現実的に難しい。ブラケット本体の形状にこの固定手段
を設ける場合には、図14に示すように、ブラケット本体
の、アーチワイヤ溝28と歯茎側面14との間に、第2の近
心末梢方向溝88(以下「第2溝」と称す)を形成する。
この第2溝88は、近心末梢方向開口部90を備える。そし
て、該開口部90の舌側面の歯茎−咬合方向寸法は、図示
しない弾性矯正具を第2溝内に導き入れ、かつ、その中
に保持することが可能な値とする。この弾性矯正具とし
ては、第2溝内を近心末梢方向に通過することが可能
な、より糸(thread)を用いることが可能である。
【0061】このより糸は、前記開口部90を通過するこ
とが可能な程度に、十分にその歯茎−咬合方向寸法を減
少させることができる。また、より糸に加えた張力を開
放すると、第2溝88を満たす程度に膨張し、その中に保
持される。本発明の実施の形態によると、この第2溝88
は凸状をなす舌側面を備えるD字状断面形状を有する。
加えて、前記弾性矯正具を受け止めることが可能であ
り、D字状断面および円形断面をなすアーチワイヤや、
弾性フック等の補助的にD字状が形成されるものを用い
ることができる。
【0062】図16には、2つの連結腕を備えるブラケッ
トの別の形態を示している。スプリング部材の偏向部44
は、結合部48およびラッチ部52の間に設けられ、アーチ
ワイヤ溝28の歯茎側面32に位置している。この偏向部44
はアーチワイヤ溝28の舌側面30に向けて凸面をなし、ア
ーチワイヤ36を溝の舌側面30と咬合側面34との接続部に
向けて押し付けるように、アーチワイヤ溝内へと突出し
ている。アーチワイヤによるブラケットの位置調整をよ
り正確に行うという視点から考えると、偏向部44がアー
チワイヤ溝28の咬合側面34に位置しているか、もしくは
歯茎側面32に対して位置しているかということはあまり
重要ではない。しかしながら、溝の咬合側面34に偏向部
が位置した方が、スプリング形状とその働きとが幾分単
純となるという点で好ましい。この発明の実施形態は、
連結腕を備えるブラケットにも、また、備えないブラケ
ットにも用いることができる。
【0063】図16の例では、舌側面には固定用セメント
を受け止めるために必要不可欠な交差溝24を持たない。
この代わりとして、ステンレススチールのワイヤメッシ
ュ92を舌側面12に溶着している。そして、セメントはメ
ッシュ内に入り込み、歯に対する固着力を高める。
【0064】図17には、ブラケット本体に二対の第2の
歯止め(sears )94を、第1の歯止め78に対し唇方向に
離間配置した例が示されている。例えば、寸法0.525mm
×0.625mm の長方形断面を有する(角部を備える)ワイ
ヤ等、若干断面積の大きなアーチワイヤをアーチワイヤ
溝に挿入したときや、アーチワイヤが若干ずれて配置さ
れた場合、その他スプリング部材との間に何らかの原因
で摩擦係合を生ずるときに、前記唇方向に離間配置した
第2の歯止め94が、締付状態の調整(緩め方向の調整)
や、締付を行わない状態とすることを可能とする。また
何時でも、スプリング部材を指で押し込むことにより、
スプリング部材は第1の歯止め78に係合させることがで
きる。
【0065】図18には、本発明の実施の形態において作
り出すことが可能なブラケットが、如何に小さなもので
あるかを明らかにした図である。本図には、成人の一般
的な大きさの歯が示されており、この歯にブラケットが
取付けられている。また、図中には、歯の唇側面にセメ
ント止めされたハンソンスピードシステムのブラケット
96が示されている。
【0066】この、従来技術に係るブラケット96におい
て、一般的に用いられるタイプのブラケット本体の寸法
は、歯茎−咬合側高さが2.7mm 〜3.0mm (0.108in 〜0.
130in )、本体の唇側面近傍における近心末梢方向の最
大幅が2.7mm 〜3.0mm (0.108in 〜0.130in )、唇側−
舌側の奥行きが2.1mm 〜2.7mm (0.094in 〜0.108in)
となっている。スプリング部材はステンレススチールか
らなり、その弾性係数(剛性の尺度)は、約1.9 〜2.0
×1011Pa(約28〜29×106 psi )、厚さは0.125mm (0.
005in )、近心末梢方向寸法は1.57mm〜1.83mm(0.062i
n 〜0.072in )である。
【0067】本発明の実施の形態に係る連結腕を備える
形式のブラケットは、歯茎−咬合側高さおよび近心末梢
方向幅は、従来のブラケットとほぼ同じであるが、唇側
−舌側の奥行き0.16mm(0.064in )以下である。また、
本発明の実施の形態に係る連結腕を備えない形式のブラ
ケットに至っては、更なる小型化が可能であり、その一
例としては、歯茎−咬合側高さが、1.5mm (0.060in
)、唇側−舌側の厚さは1.05mm(0.042in )以下、近
心末梢方向幅は2.0mm (0.08in)となっている。スプリ
ング部材は、ニッケルチタニウム超弾性形状記憶合金か
らなり、その弾性係数は、温度38.5C°のとき6.9 ×10
10Pa(約10×106 psi )である。
【0068】この合金は温度に若干敏感であり、例え
ば、温度が21.3C°のときの弾性係数は、4.8 ×1010Pa
(約7×106 psi )に低下する。図10の平面図に示すス
プリング部材の寸法は、厚さが0.127mm 〜0.178mm (0.
005in 〜0.007in )、アンカー部38における近心末梢方
向幅が1.4mm (0.056in )、湾曲部40およびラッチ部52
の近心末梢方向幅が1.125mm (0.045in )、結合部48の
近心末梢方向幅が1.8mm(0.072in )である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る2つの連結腕を備え
るブラケットにおいて、スプリング部材によるアーチワ
イヤ溝の解放状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すブラケットにおいて、スプリング部
材によるアーチワイヤ溝の閉鎖状態を示す斜視図であ
る。
【図3】図1に示すブラケットのアーチワイヤ溝の歯茎
側−咬合側面における断面を示すものであり、該溝内に
円形断面をなすアーチワイヤが配置された様子を示す図
である。
【図4】図1に示すブラケットのアーチワイヤ溝の歯茎
側−咬合側面における断面を示すものであり、該溝内に
長方形断面をなすアーチワイヤが配置された様子を示す
図である。
【図5】図1に示すブラケットのアーチワイヤ溝の歯茎
側−咬合側面における断面を示すものであり、該溝内に
D字状断面をなすアーチワイヤが配置された様子を示す
図である。
【図6】図1および図2に示すブラケットの分解斜視図
である。
【図7】図1に示すスプリング部材の横立面図であり、
溝の開放状態における形状を実線で、溝の閉鎖状態にお
ける形状を一転鎖線で示したものである。
【図8】図7に示すスプリング部材の、溝の閉鎖状態に
おける各部の特徴を示す説明図である。
【図9】図7に示すスプリング部材の、溝の解放状態に
おける各部の特徴を示す説明図である。
【図10】図7に示すスプリング部材の、平坦な状態に
おける平面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る、腕無しブラケッ
トの斜視図であり、円形断面を有するアーチワイヤが、
該スプリング部材上で溝内部へ嵌め込まれる以前の準備
状態にある様子を示したものである。
【図12】図11に示す腕無しブラケットの斜視図であ
り、溝が閉鎖状態で、円形断面をなすアーチワイヤが、
溝内部に保持された様子を示したものである。
【図13】本発明の実施の形態に係る、特に舌側面矯正
法に適し、上部の犬歯、門歯に取付けられる腕無しブラ
ケットの、アーチワイヤ溝の解放状態を示す斜視図であ
る。
【図14】図13に示す腕無しブラケットの、アーチワ
イヤ溝の閉鎖状態を示す斜視図である。
【図15】形状記憶合金、特に形状記憶ニッケルチタニ
ウム合金に関する応力−歪み関係図である。
【図16】図3ないし図5と同様に連結腕を備え、前記
スプリング部材はアーチワイヤ溝の歯茎面に係合する偏
向面を有するブラケットの断面図である。
【図17】図15と同様に連結腕を備え、前記スプリング
部材が係合可能なブラケットの断面図である。
【図18】成人の中央の門歯の外観と、その舌側面にセ
メント止めされた本発明の実施の形態に係るブラケット
とを示している。さらに、該門歯の唇側面にセメント止
めされたハンソンスピードシステムのブラケットとの大
きさを比較したものである。
【符号の説明】
10 ブラケット本体の唇側面 12 ブラケット本体の舌側面 14 ブラケット本体の歯茎側面 16 ブラケット本体の咬合側面 18 ブラケット本体の近心側面 20 ブラケット本体の末梢側面 22 歯 24 ブラケット本体舌側面の交差溝 26 ブラケット本体の連結腕 27 連結腕と舌側面との間の溝 28 アーチワイヤ溝 30 アーチワイヤ溝の舌側面 32 アーチワイヤ溝の歯茎側面 34 アーチワイヤ溝の咬合側面 36 アーチワイヤ 38 スプリング部材のアンカー部 39 スプリング部材アンカー部の唇側に面する肩面 40 スプリング部材の湾曲部 42 アンカー部と湾曲部との連結部 44 スプリング部材の偏向部 46 湾曲部と偏向部との連結部 48 スプリング部材の結合部 50 偏向部と結合部との連結部 52 スプリング部材のラッチ部 54 結合部とラッチ部との連結部 56 圧入嵌合溝 58 湾曲部のなす半径 60 湾曲部の湾曲形状の中心角 62 くぼみ 64 偏向部のなす半径 66 偏向部の凸形状の中心角 68 結合部の一部の範囲のなす半径 70 結合部の一部の範囲の中心角 72 結合部の残りの部分およびラッチ部のなす半径 74 結合部の残りの部分およびラッチ部の中心角 76 ラッチ切込部 78 歯止め 80 歯止めの傾斜面 82 専用工具 84 ラッチ傾斜面 86 ブラケット本体の連結柱 88 第2の近心末梢方向溝 90 第2溝の近心末梢方向開口部 92 セメント受け止め用ワイヤメッシュ 94 第2の歯止め 96 従来のハンソンスピードシステムのブラケット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近心末梢方向に形成されたアーチワイヤ
    溝(28)を備えるブラケット本体(10〜20)と、 薄い平坦な帯状に形成された金属製の結合用ラッチスプ
    リング部材(38〜54)とを含む歯列矯正ブラケットであ
    って、 前記結合用ラッチスプリング部材(38〜54)はその全長
    にわたって、アンカー部(38)、湾曲部(40)、結合部
    (48)およびラッチ部(52)がこの順番で形成されてお
    り、 前記スプリング部材(38〜54)を前記ブラケット本体上
    に保持するために、前記アンカー部(38)は、その挿入
    部を前記ブラケット本体の圧入嵌合溝(56)に挿入する
    等により、前記ブラケット本体に保持され、 前記結合部(48)および前記ラッチ部(52)は、前記湾
    曲部(40)の湾曲動作により、前記アーチワイヤ溝の開
    放状態と係止された閉鎖状態との間を移動し、 前記スプリング部材(38〜54)は、前記ラッチ部(52)
    と前記ブラケット本体(10〜20)とを係止させてなるア
    ーチワイヤ溝の閉鎖状態に係止されてなることを特徴と
    する自己結合式歯列矯正ブラケット。
  2. 【請求項2】 前記スプリング部材(38〜54)の、張力
    が与えられていない前記アーチワイヤ溝の開放状態にお
    ける形状と、該スプリング部材が前記ブラケット本体に
    より保持される力とは、前記アーチワイヤ溝の開放状態
    で、治療の過程において常にアーチワイヤをその上に載
    置可能な、唇方向に延びる台となるものであることを特
    徴とする請求項1記載の自己結合式歯列矯正ブラケッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記ブラケット本体(10〜20)には、ア
    ーチワイヤ溝(28)と該本体の歯茎側面(14)との間に
    第2の近心末梢方向溝(88)が形成され、該第2の近心
    末梢方向溝(88)は、該溝(88)内に弾性矯正具を導き
    入れ、かつ、その中に保持するために歯茎咬合方向寸法
    を減少させた、近心末梢方向に延びる開口部を、該本体
    の舌側面(12)に有することを特徴とする請求項1また
    は2記載の自己結合式歯列矯正ブラケット。
  4. 【請求項4】 前記スプリング部材の結合部(48)は、
    アーチワイヤ溝の舌側面(30)に対して凹面をなすこと
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の自
    己結合式歯列矯正ブラケット。
  5. 【請求項5】 前記スプリング部材(38〜54)は、ニッ
    ケルチタニウム形状記憶合金等の形状記憶合金からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載
    の自己結合式歯列矯正ブラケット。
  6. 【請求項6】 前記スプリング部材(38〜54)は、湾曲
    部(40)および結合部(48)の間、もしくは、結合部
    (48)およびラッチ部(52)の間に、アーチワイヤ溝の
    舌側面(30)に対して凸面をなす偏向部(44)を含むこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    自己結合式歯列矯正ブラケット。
  7. 【請求項7】 前記ブラケット本体(10〜20)は、外部
    連結手段に係合しその荷重を受け止める二対の連結腕
    (26)を備え、該二対の連結腕(26)は互いに近心末梢
    方向に離間配置され、各対の2つの腕は互いに歯茎側お
    よび咬合側に延設されてなり、 前記スプリング部材(38〜54)は、ブラケット本体上
    で、前記二対の連結腕(26)の間に配置されることを特
    徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の自己結
    合式歯列矯正ブラケット。
  8. 【請求項8】 前記ブラケット本体(10〜20)は、2つ
    の対称形をなす部材からなり、これらは互いに他方に対
    し突出する連結部を有し、これらの間に結合用ラッチス
    プリング部材(38〜54)が取付けられ、前記本体をなす
    2つの部材は互いに固定されて、その連結部に前記スプ
    リング部材(38〜54)を保持してなることを特徴とする
    請求項1ないし7のいずれか1項記載の自己結合式歯列
    矯正ブラケット。
  9. 【請求項9】 前記湾曲部(40)は、前記アンカー部
    (38)および結合部(48)に比して近心末梢方向幅が小
    さく、該湾曲部(40)の湾曲度は前記アンカー部(38)
    および結合部(48)に比して大きいことを特徴とする請
    求項1ないし8のいずれか1項記載の自己結合式歯列矯
    正ブラケット。
  10. 【請求項10】 前記スプリング部材のラッチ部(52)
    とブラケット本体(10〜20)とのラッチ手段として、ラ
    ッチ部の自由端部近傍に、近心末梢方向の端部として設
    けられた一対のラッチ切込部(76)と、ブラケット本体
    において咬合方向へと設けられ、対応する前記ラッチ切
    込部(76)と係合する歯止め(78)とを備え、 該ラッチ手段には、二対の互いに唇方向に離間配置され
    た歯止め(78,94)が設けられ、各対の歯止めが前記ラ
    ッチ切込部(76)に交互に係合可能である請求項1ない
    し9のいずれか1項記載の自己結合式歯列矯正ブラケッ
    ト。
JP28933797A 1996-10-22 1997-10-22 自己結合式歯列矯正ブラケット Pending JPH10192302A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US734833 1996-10-22
US08/734,833 US5711666A (en) 1996-10-22 1996-10-22 Self-ligating orthodontic brackets

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10192302A true JPH10192302A (ja) 1998-07-28

Family

ID=24953260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28933797A Pending JPH10192302A (ja) 1996-10-22 1997-10-22 自己結合式歯列矯正ブラケット

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5711666A (ja)
JP (1) JPH10192302A (ja)
DE (1) DE19746487A1 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100367328B1 (ko) * 2000-08-25 2003-01-10 주식회사 인비지테크 자가결찰식 치열교정용 설측 결찰형 브라켓
KR100767443B1 (ko) 2006-10-19 2007-10-17 최정수 자가결찰식 치열교정용 브라켓
JP2008061805A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Tetsuya Shimoda 歯列矯正用金具
JP2009072625A (ja) * 2001-02-14 2009-04-09 Wolfgang Heiser 舌側ブラケット
JP2010017599A (ja) * 2009-10-29 2010-01-28 Tomii Kk 歯列矯正ブラケット
JP2010522016A (ja) * 2007-03-22 2010-07-01 レオーネ エッセ ピ ア 歯列矯正用ブラケット
JP2013063299A (ja) * 2010-09-17 2013-04-11 Tomii Kk 歯列矯正ブラケット
US10321978B2 (en) 2010-09-17 2019-06-18 Tomy Incorporated Orthodontic bracket

Families Citing this family (157)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6257883B1 (en) * 1994-03-07 2001-07-10 John C. Voudouris Orthodontic bracket
JPH11226033A (ja) 1998-02-19 1999-08-24 Kiyoujin Takemoto 歯科矯正装置
US5890893A (en) * 1998-02-26 1999-04-06 Heiser; Wolfgang Orthodontic bracket
DE19812184A1 (de) 1998-03-19 1999-09-23 Norbert Abels Orthodontisches Befestigungselement
US11026768B2 (en) * 1998-10-08 2021-06-08 Align Technology, Inc. Dental appliance reinforcement
US6071119A (en) * 1998-12-22 2000-06-06 3M Innovative Properties Company Dual mode self-ligating orthodontic bracket
US6193508B1 (en) 1999-03-25 2001-02-27 3M Innovative Properties Company Self-ligating orthodontic bracket with enhanced rotation control
US6325622B1 (en) 1999-06-11 2001-12-04 3M Innovative Properties Company Orthodontic bracket and latch assembly
US6302688B1 (en) 1999-09-27 2001-10-16 3M Innovative Properties Company Orthodontic appliance with self-releasing latch
US6582226B2 (en) 1999-09-27 2003-06-24 3M Innovative Properties Company Orthodontic appliance with self-releasing latch
US6371760B1 (en) 1999-12-22 2002-04-16 Tony Zavilenski Method and apparatus for welding orthodontic article and an orthodontic article
DE10011596B4 (de) 2000-03-10 2007-12-27 Norbert Dr. Abels Orthodontisches Bracket
US6247923B1 (en) 2000-05-24 2001-06-19 Nikhil Shankarlal Vashi Self-locking orthodontic bracket
US6506049B2 (en) 2000-09-20 2003-01-14 Augusta Developments Inc. Orthodontic brackets and convertible buccal tubes
BR0116897A (pt) 2001-02-15 2004-06-15 Norbert Abels Suportes ortodÈnticos autoligantes incluindo uma cobertura de ligação propensa em direção a uma posição aberta ou fechada
JP2005502388A (ja) 2001-02-15 2005-01-27 ノルベルト アベルズ 安全ロック機構を備えた結紮カバーを含む自己結紮歯列矯正ブラケット
US6554612B2 (en) 2001-06-25 2003-04-29 3M Innovative Properties Company Orthodontic bracket with recessed attachment and method for making the same
US6932597B2 (en) * 2001-09-12 2005-08-23 Norbert Abels Self-ligating orthodontic brackets including a metal ligation cover hingedly connected to a bracket base
US20070020513A1 (en) * 2001-10-04 2007-01-25 Ise Corporation Energy Storage Cell Support Separator and Cooling System for a Multiple Cell Module
US20040072119A1 (en) * 2002-06-21 2004-04-15 Orthoarm, Inc. Self-ligating orthodontic bracket
US6726474B2 (en) 2002-07-19 2004-04-27 William A. Spencer Removable self-ligating module for orthodontic brackets
US7419375B2 (en) 2002-08-19 2008-09-02 Ormco Corporation Aesthetic self-ligating orthodontic bracket
ES2232243B1 (es) * 2002-09-02 2006-10-16 Jose Enrique Solano Reina Bracket de torque y angulacion variable.
US7014460B2 (en) * 2002-11-04 2006-03-21 3M Innovative Properties Company Orthodontic appliance with fatigue-resistant archwire retaining latch
US6957957B2 (en) * 2002-11-04 2005-10-25 3M Innovative Properties Company Molar appliance for orthodontic therapy
EP1452148B1 (de) * 2003-02-27 2009-04-15 Heiser, Wolfgang, Dr. med. Bracket
US6960080B2 (en) * 2003-03-04 2005-11-01 Norbert Abels Orthodontic brackets with elongate film hinge
US6960081B2 (en) * 2003-03-04 2005-11-01 Norbert Abels Orthodontic brackets with elongate film hinge
US6984127B2 (en) * 2003-03-20 2006-01-10 3M Innovative Properties Company Orthodontic brace with self-releasing appliances
EP1468657A3 (en) 2003-04-18 2005-12-21 Dentsply-Sankin K.K. Orthodontic bracket and manufacturing method thereof
JP4110030B2 (ja) * 2003-04-18 2008-07-02 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 液状食品の膜生成抑制方法
US7025591B1 (en) 2003-10-09 2006-04-11 Tp Orthodontics, Inc. Self-ligating orthodontic appliance
US7140876B2 (en) * 2003-10-31 2006-11-28 3M Innovative Properties Company Orthodontic appliance with latch for retaining an archwire
US6964565B2 (en) * 2004-02-19 2005-11-15 Norbert Abels Two-part orthodontic bracket
US9492245B2 (en) 2004-02-27 2016-11-15 Align Technology, Inc. Method and system for providing dynamic orthodontic assessment and treatment profiles
WO2005104982A1 (de) * 2004-04-28 2005-11-10 Christoph Von Mandach Orthodontisches bracket
US7396230B2 (en) * 2004-04-30 2008-07-08 Norbert Abels Molar orthodontic brackets having a hinged bracket cover
US7033170B2 (en) * 2004-05-11 2006-04-25 Mark Andrew Cordato Orthodontic bracket and clip
US7252506B2 (en) 2004-06-10 2007-08-07 3M Innovative Properties Company Arch member for an orthodontic brace
US7063531B2 (en) 2004-07-16 2006-06-20 Rolf Maijer Orthodontic bracket system
US20060024634A1 (en) * 2004-07-28 2006-02-02 3M Innovative Properties Company Self-ligating orthodontic appliance with clip
US7252505B2 (en) * 2004-07-28 2007-08-07 3M Innovative Properties Company Self-ligating orthodontic appliance with post for connection to a latch
US20060063123A1 (en) * 2004-09-23 2006-03-23 3M Innovative Properties Company Hand instrument for self-ligating orthodontic appliances
US7234936B2 (en) * 2004-11-08 2007-06-26 3M Innovative Properties Company Orthodontic systems with resilient appliances
US20060099545A1 (en) * 2004-11-08 2006-05-11 3M Innovative Properties Company Methods of orthodontic treatment
US7267545B2 (en) 2005-01-11 2007-09-11 Ormco Corporation Self-ligating orthodontic bracket
US7367800B2 (en) * 2005-02-02 2008-05-06 3M Innovative Properties Company Pre-torqued orthodontic appliance with archwire retaining latch
US20060199137A1 (en) * 2005-03-04 2006-09-07 Norbert Abels Orthodontic retainer system with removable retaining wire
US7214057B2 (en) 2005-03-10 2007-05-08 Ceramic Sciences Incorporated Self-ligating orthodontic bracket
US20060228662A1 (en) * 2005-04-08 2006-10-12 Lokar Robert R Low profile self-ligating bracket assembly and method of use
US20070009849A1 (en) * 2005-07-11 2007-01-11 Wool Arthur L Self-locking orthodontic bracket
WO2007038737A2 (en) * 2005-09-28 2007-04-05 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket system
US7819660B2 (en) 2005-10-26 2010-10-26 Cosse Christopher C Reusable multi-piece orthodontic appliances
MXPA05014181A (es) * 2005-12-21 2007-06-20 Roberto Ruiz Diaz Sistema de brackets totalmente ajustables.
MXPA05014182A (es) * 2005-12-21 2007-06-20 Rodriguez Francisco Javier Marichi Aparato de medicion de programacion y soldado de brackets ajustables.
US7377777B2 (en) * 2005-12-23 2008-05-27 3M Innovative Properties Company Orthodontic appliance with archwire-engaging clip
DE102006003107A1 (de) * 2006-01-18 2007-07-19 Dentaurum J.P. Winkelstroeter Kg Orthodontische Befestigungsvorrichtung
DE102006004122A1 (de) * 2006-01-25 2007-08-02 Dentaurum J.P. Winkelstroeter Kg Orthodontische Befestigungsvorrichtung
US7771640B2 (en) 2006-02-17 2010-08-10 Cosse Christopher C Orthodontic treatment methods, systems and apparatus for use therewith
ITNA20060037A1 (it) * 2006-03-24 2007-09-25 Aniello Bianco Apparecchio ortodontico in grado di risolvere le problematiche legate agli affollamenti dentali
US7704072B2 (en) 2006-04-19 2010-04-27 Ormco Corporation Orthodontic bracket
US7611352B2 (en) * 2006-08-31 2009-11-03 Ultradent Products, Inc. Lifestyle bracket system having interchangeable ligation covers
US20080241782A1 (en) * 2007-03-30 2008-10-02 Norbert Abels Two-part self-ligating orthodontic bracket having lateral guiding mechanism
US7878805B2 (en) 2007-05-25 2011-02-01 Align Technology, Inc. Tabbed dental appliance
US7845940B2 (en) * 2007-11-02 2010-12-07 Mark Minium Orthodontic apparatus with self-ligating bracket and locking device
US7845939B2 (en) * 2007-11-02 2010-12-07 Mark Minium Orthodontic apparatus with self-ligating bracket
US7845941B2 (en) * 2007-11-02 2010-12-07 Mark Minium Orthodontic instrument for use with adjustable orthodontic apparatus
US8738394B2 (en) 2007-11-08 2014-05-27 Eric E. Kuo Clinical data file
US7857618B2 (en) * 2007-11-27 2010-12-28 Ultradent Products, Inc. Orthodontic bracket including mechanism for reducing slot width for early torque control
US8108189B2 (en) 2008-03-25 2012-01-31 Align Technologies, Inc. Reconstruction of non-visible part of tooth
WO2009141825A2 (en) * 2008-05-22 2009-11-26 Rgb Orthodontics Ltd. Orthodontic bracket and method
US8092215B2 (en) 2008-05-23 2012-01-10 Align Technology, Inc. Smile designer
US9492243B2 (en) 2008-05-23 2016-11-15 Align Technology, Inc. Dental implant positioning
US8172569B2 (en) 2008-06-12 2012-05-08 Align Technology, Inc. Dental appliance
WO2010014518A2 (en) 2008-07-30 2010-02-04 3M Innovative Properties Company Low profile self-ligating orthodontic appliance with clip
MX367577B (es) 2008-08-13 2019-08-27 Ormco Corp Soporte de ortodoncia estetico y metodo para elaborar el mismo.
US8152518B2 (en) 2008-10-08 2012-04-10 Align Technology, Inc. Dental positioning appliance having metallic portion
US8292617B2 (en) 2009-03-19 2012-10-23 Align Technology, Inc. Dental wire attachment
WO2010114692A1 (en) * 2009-04-03 2010-10-07 Ultradent Products, Inc. Orthodontic brackets with pointed tie wings for improved ligation
US8029275B2 (en) * 2009-04-30 2011-10-04 Tp Orthodontics, Inc. Self-ligating orthodontic bracket
US8636507B2 (en) * 2009-06-03 2014-01-28 John C. Voudouris Self-ligating orthodontic bracket
DE102009025555A1 (de) * 2009-06-12 2010-12-16 Bernhard Förster Gmbh Drahtbögen für die Orthodontie
US8765031B2 (en) 2009-08-13 2014-07-01 Align Technology, Inc. Method of forming a dental appliance
US9211166B2 (en) 2010-04-30 2015-12-15 Align Technology, Inc. Individualized orthodontic treatment index
US9241774B2 (en) 2010-04-30 2016-01-26 Align Technology, Inc. Patterned dental positioning appliance
FR2959929B1 (fr) 2010-05-17 2012-07-20 H 32 Gabarit individualise pour appareillage orthodontique, ensemble forme par ce gabarit, une base et une attache, et ses procedes de conception.
US9345558B2 (en) * 2010-09-03 2016-05-24 Ormco Corporation Self-ligating orthodontic bracket and method of making same
US9615897B2 (en) 2010-09-10 2017-04-11 Ormco Corporation Self-ligating orthodontic bracket
FR2969481B1 (fr) 2010-12-28 2013-11-29 H 32 Ensemble attache-clip-base avec base pour appareillage orthodontique et appareil orthodontique le comportant.
FR2969482B1 (fr) 2010-12-28 2013-11-29 H 32 Ensemble forme par une attache, un clip et une base pour appareil orthodontique, et appareil orthodontique le comportant
FR2969483B1 (fr) * 2010-12-28 2015-07-31 H 32 Ensemble forme par une attache auto-ligaturante et un clip elastique, ensemble forme par cette attache, ce clip et une base, et appareil orthodontique le comportant.
EP2672923B1 (en) * 2011-02-11 2022-11-02 Orthoarm, Inc. Orthodontic bracket
CH704456A2 (de) * 2011-02-11 2012-08-15 Christoph Von Mandach Dr Med Dent Selbstligierendes kieferorthopädisches Bracket.
USD660435S1 (en) * 2011-05-13 2012-05-22 Rmo, Inc. Orthodontic bracket
USD660436S1 (en) * 2011-05-13 2012-05-22 Rmo, Inc. Orthodontic bracket
USD660968S1 (en) * 2011-05-13 2012-05-29 Rmo, Inc. Orthodontic bracket
US9403238B2 (en) 2011-09-21 2016-08-02 Align Technology, Inc. Laser cutting
US9375300B2 (en) 2012-02-02 2016-06-28 Align Technology, Inc. Identifying forces on a tooth
US9220580B2 (en) 2012-03-01 2015-12-29 Align Technology, Inc. Determining a dental treatment difficulty
US9414897B2 (en) 2012-05-22 2016-08-16 Align Technology, Inc. Adjustment of tooth position in a virtual dental model
CN103027755A (zh) * 2012-12-13 2013-04-10 广州瑞通生物科技有限公司 一种个性化舌侧自锁矫治器
USD726318S1 (en) 2013-01-17 2015-04-07 Rmo, Inc. Dental instrument for a self-ligating orthodontic clip
US9949806B2 (en) 2013-03-15 2018-04-24 Christopher C. Cosse Orthodontic bracket assemblies with torque-adjusting drums
US9468505B2 (en) 2013-03-15 2016-10-18 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
USD721811S1 (en) 2013-10-29 2015-01-27 Rmo, Inc. Orthodontic bracket
US9999481B2 (en) 2013-12-06 2018-06-19 Christopher C. Cosse Adjustable-prescription orthodontic bracket assemblies
US9655694B2 (en) 2013-12-06 2017-05-23 Christopher C. Cosse Adjustable-prescription orthodontic bracket assemblies
US10653504B2 (en) 2014-04-25 2020-05-19 Christopher C. Cosse Electromechanical systems, methods, orthodontic brackets, and tools for adjusting orthodontic prescriptions of orthodontic brackets with adjustable archwire passages
US9918807B2 (en) 2014-04-25 2018-03-20 Christopher C. Cosse Devices, systems, and methods for adjusting a prescription of a plurality of orthodontic brackets
US9610141B2 (en) 2014-09-19 2017-04-04 Align Technology, Inc. Arch expanding appliance
US10449016B2 (en) 2014-09-19 2019-10-22 Align Technology, Inc. Arch adjustment appliance
US9744001B2 (en) 2014-11-13 2017-08-29 Align Technology, Inc. Dental appliance with cavity for an unerupted or erupting tooth
US10111731B2 (en) 2014-11-18 2018-10-30 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
US10504386B2 (en) 2015-01-27 2019-12-10 Align Technology, Inc. Training method and system for oral-cavity-imaging-and-modeling equipment
WO2016200944A1 (en) 2015-06-08 2016-12-15 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
US10085824B2 (en) 2015-10-30 2018-10-02 Ortho Organizers, Inc. Self ligating orthodontic bracket
US11554000B2 (en) 2015-11-12 2023-01-17 Align Technology, Inc. Dental attachment formation structure
US11931222B2 (en) 2015-11-12 2024-03-19 Align Technology, Inc. Dental attachment formation structures
USD797294S1 (en) 2015-11-12 2017-09-12 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
US11103330B2 (en) 2015-12-09 2021-08-31 Align Technology, Inc. Dental attachment placement structure
US11596502B2 (en) 2015-12-09 2023-03-07 Align Technology, Inc. Dental attachment placement structure
WO2017218947A1 (en) 2016-06-17 2017-12-21 Align Technology, Inc. Intraoral appliances with sensing
WO2017218951A1 (en) 2016-06-17 2017-12-21 Align Technology, Inc. Orthodontic appliance performance monitor
KR102595753B1 (ko) 2016-07-27 2023-10-30 얼라인 테크널러지, 인크. 치아 진단 기능이 있는 구강 내 스캐너
CN117257492A (zh) 2016-11-04 2023-12-22 阿莱恩技术有限公司 用于牙齿图像的方法和装置
WO2018102770A1 (en) 2016-12-02 2018-06-07 Align Technology, Inc. Force control, stop mechanism, regulating structure of removable arch adjustment appliance
WO2018102702A1 (en) 2016-12-02 2018-06-07 Align Technology, Inc. Dental appliance features for speech enhancement
AU2017366755B2 (en) 2016-12-02 2022-07-28 Align Technology, Inc. Methods and apparatuses for customizing rapid palatal expanders using digital models
CN114224534A (zh) 2016-12-02 2022-03-25 阿莱恩技术有限公司 腭扩张器和扩张腭的方法
US10548700B2 (en) 2016-12-16 2020-02-04 Align Technology, Inc. Dental appliance etch template
EP3573567B1 (en) * 2017-01-27 2024-03-06 The University of North Carolina at Chapel Hill Orthodontic bracket
US10779718B2 (en) 2017-02-13 2020-09-22 Align Technology, Inc. Cheek retractor and mobile device holder
US10613515B2 (en) 2017-03-31 2020-04-07 Align Technology, Inc. Orthodontic appliances including at least partially un-erupted teeth and method of forming them
CN110582248B (zh) 2017-05-02 2021-09-03 Tp 正牙公司 具有固定的绑定突片的正畸托槽
US11045283B2 (en) 2017-06-09 2021-06-29 Align Technology, Inc. Palatal expander with skeletal anchorage devices
US11246681B2 (en) 2017-06-22 2022-02-15 Christopher C. Cosse Adjustable-prescription orthodontic brackets
WO2019005808A1 (en) 2017-06-26 2019-01-03 Align Technology, Inc. BIOCAPTOR PERFORMANCE INDICATOR FOR INTRABUCCAL DEVICES
US10885521B2 (en) 2017-07-17 2021-01-05 Align Technology, Inc. Method and apparatuses for interactive ordering of dental aligners
CN114903623A (zh) 2017-07-21 2022-08-16 阿莱恩技术有限公司 颚轮廓锚固
CN110996842B (zh) 2017-07-27 2022-10-14 阿莱恩技术有限公司 牙齿着色、透明度和上釉
WO2019035979A1 (en) 2017-08-15 2019-02-21 Align Technology, Inc. EVALUATION AND CALCULATION OF BUCCAL CORRIDOR
US11123156B2 (en) 2017-08-17 2021-09-21 Align Technology, Inc. Dental appliance compliance monitoring
US10813720B2 (en) 2017-10-05 2020-10-27 Align Technology, Inc. Interproximal reduction templates
CN114939001A (zh) 2017-10-27 2022-08-26 阿莱恩技术有限公司 替代咬合调整结构
US11576752B2 (en) 2017-10-31 2023-02-14 Align Technology, Inc. Dental appliance having selective occlusal loading and controlled intercuspation
EP3703607A2 (en) 2017-11-01 2020-09-09 Align Technology, Inc. Automatic treatment planning
CN107714205B (zh) * 2017-11-10 2019-08-30 广州欧欧医疗科技有限责任公司 托槽及托槽的自锁方法
WO2019100022A1 (en) 2017-11-17 2019-05-23 Align Technology, Inc. Orthodontic retainers
EP3716885B1 (en) 2017-11-30 2023-08-30 Align Technology, Inc. Orthodontic intraoral appliances comprising sensors
WO2019118876A1 (en) 2017-12-15 2019-06-20 Align Technology, Inc. Closed loop adaptive orthodontic treatment methods and apparatuses
US10980613B2 (en) 2017-12-29 2021-04-20 Align Technology, Inc. Augmented reality enhancements for dental practitioners
JP7427595B2 (ja) 2018-01-26 2024-02-05 アライン テクノロジー, インコーポレイテッド 診断の為の口腔内のスキャン及び追跡
US11937991B2 (en) 2018-03-27 2024-03-26 Align Technology, Inc. Dental attachment placement structure
WO2019200008A1 (en) 2018-04-11 2019-10-17 Align Technology, Inc. Releasable palatal expanders
US11166789B2 (en) 2018-09-26 2021-11-09 Christopher C. Cosse Adjustable-prescription orthodontic bracket assemblies
US11147653B2 (en) 2020-02-11 2021-10-19 Tp Orthodontics Inc. Orthodontic bracket having a movable ligating door
GR1010292B (el) * 2021-06-08 2022-08-30 Λεωνιδας Ηλια Αθανασιαδης Ορθοδοντικο εργαλειο προσδεσης χαμηλης τριβης

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3076265A (en) * 1958-03-17 1963-02-05 Harry N Moore Orthodontic keeper bracket
US3043006A (en) * 1959-06-02 1962-07-10 Wallshein Melvin Orthodontic brackets
US3218713A (en) * 1961-10-13 1965-11-23 Wallshein Melvin Orthodontic brackets for arch wires
US3772787A (en) * 1972-03-17 1973-11-20 G Hanson Orthodontic bracket
US4248588A (en) * 1979-04-27 1981-02-03 Hanson Gustaf H Orthodontic bracket and arch wire
US4492573A (en) * 1984-03-27 1985-01-08 Augusta Developments Inc. Orthodontic bracket
US4698017A (en) * 1986-12-10 1987-10-06 Hanson Gustaf H Orthodontic brackets
US5224858A (en) * 1992-01-28 1993-07-06 Hamilton Ortho Inc. Orthodontic brackets and arch wires for use in combination therewith
US5288229A (en) * 1993-01-06 1994-02-22 Johnson & Johnson Consumer Products, Inc. Convertible orthodontic buccal tube
US5344315A (en) * 1993-12-02 1994-09-06 Hamilton Ortho Inc. Multi-strand orthodontic arch wires and methods for use thereof

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100367328B1 (ko) * 2000-08-25 2003-01-10 주식회사 인비지테크 자가결찰식 치열교정용 설측 결찰형 브라켓
JP2009072625A (ja) * 2001-02-14 2009-04-09 Wolfgang Heiser 舌側ブラケット
JP4555375B2 (ja) * 2001-02-14 2010-09-29 ヴォルフガング ハイザー 舌側ブラケット
JP2008061805A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Tetsuya Shimoda 歯列矯正用金具
KR100767443B1 (ko) 2006-10-19 2007-10-17 최정수 자가결찰식 치열교정용 브라켓
JP2010522016A (ja) * 2007-03-22 2010-07-01 レオーネ エッセ ピ ア 歯列矯正用ブラケット
JP2010017599A (ja) * 2009-10-29 2010-01-28 Tomii Kk 歯列矯正ブラケット
JP2013063299A (ja) * 2010-09-17 2013-04-11 Tomii Kk 歯列矯正ブラケット
US9901423B2 (en) 2010-09-17 2018-02-27 Tomy Incorporated Orthodontic bracket
US10321978B2 (en) 2010-09-17 2019-06-18 Tomy Incorporated Orthodontic bracket

Also Published As

Publication number Publication date
DE19746487A1 (de) 1998-04-30
US5711666A (en) 1998-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10192302A (ja) 自己結合式歯列矯正ブラケット
EP1458303B1 (en) Method and instrument for releasing an orthodontic archwire from an orthodontic appliance
US5302117A (en) Coil-less uprighting spring
JP6403707B2 (ja) 自己結紮式歯科矯正用ブラケットおよび該ブラケットの設置装置
US5685711A (en) Self-ligating orthodontic brackets
US6506049B2 (en) Orthodontic brackets and convertible buccal tubes
US5630716A (en) Self-ligating orthodontic brackets
US7204690B2 (en) Orthodontic devices for use with arch wires
US6709268B2 (en) Orthodontic appliance with contoured retaining guide
JP4559525B2 (ja) 舌側保持溝を備えた歯列矯正器具
JP4903502B2 (ja) 改良型矯正用ブラケット
JP2003510128A (ja) 自己解放式ラッチを備えた歯列矯正器具
JP6643234B2 (ja) 歯科矯正補助装置及び舌側器具システムと共に使用するための唇側取付けデバイス
JP2006505328A (ja) 歯科矯正治療用大臼歯器具