JPH1019160A - 自動車エンジン冷媒循環回路制御用熱応動弁 - Google Patents

自動車エンジン冷媒循環回路制御用熱応動弁

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JPH1019160A
JPH1019160A JP19167396A JP19167396A JPH1019160A JP H1019160 A JPH1019160 A JP H1019160A JP 19167396 A JP19167396 A JP 19167396A JP 19167396 A JP19167396 A JP 19167396A JP H1019160 A JPH1019160 A JP H1019160A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車エンジン冷媒循環回路において、ラジ
エータとエンジンとの間に設けられるバイパス管路から
の冷媒を効率的に感温部に当てることにより、冷媒の流
通制御を正確に行なう。 【解決手段】 冷却水のラジエータ戻り管路4と、ラジ
エータバイパス管路5とを制御する主弁体12と弁体3
7が、熱応動伸縮素子10に同軸的に設けられ、この熱
応動伸縮素子10によって駆動する。熱応動伸縮素子1
0は、バイパス管路5からの冷却水の温度を感知して動
作する。前記バイパス管路5からエンジン側管路9への
流出口を制御する弁体37は、バイパス管路5側が拡径
しており、伸縮によりコイル部が密着・離間すること
で、コイル部間に形成される冷媒流通間隙45が開閉さ
れるコイル状スプリング37Aで構成され、一端が前記
バイパス管路5に係止され、他端が前記熱応動伸縮素子
10に係止されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
冷媒(冷却水)をラジエータ回路およびバイパス回路に
循環させる冷媒循環回路を制御するための熱応動弁の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジエータ回路およびバイパス回路を開
閉制御する熱応動弁を備えている自動車エンジン冷却水
循環回路においては、バイパス回路を経てエンジン側に
流通する冷却水の温度を熱応動伸縮素子が感知すること
で、前記ラジエータ回路およびバイパス回路を開閉する
弁を駆動している。このため、エンジン側へ通じる管路
の入口制御の熱応動弁においては、バイパス管路からの
冷却水を弁駆動のための感温部、つまり熱応動伸縮素子
に積極的に当てないと、前記ラジエータ回路およびバイ
パス回路の開閉制御が正確に行なわれないことがあり、
この不具合を解消するため、従来、種々の工夫がなされ
ている。
【0003】図11〜図14によって従来例を説明す
る。図14は自動車用エンジン冷却水循環系統を示すも
のであって、自動車用エンジン1における冷却室の入口
およびラジエータ2の被冷却水出口を接続する管路(以
下エンジン側管路という)9の一端部との分岐接続部
に、冷却水循環路制御用熱応動弁3が設けられている。
ラジエータ2の冷却水出口に一端部が接続されているラ
ジエータ戻り管路4(図11参照)の他端部と、前記バ
イパス管路5の他端部とは、循環用ポンプ(図示省略す
る)を介して自動車用エンジン1の冷却室の温水出口と
接続されている。
【0004】冷却水循環路制御用熱応動弁3は図11〜
図13に示される構造であって、ラジエータ戻り管路4
にパッキン14を介して設けられた通水窓孔19を有す
るフレーム6の周縁部に環状弁座7が設けられ、かつフ
レーム6の中央部にプランジャ8の上端がねじ結合部1
1を介して固着されている。このプランジャ8に対し、
軸状のワックス式熱応動伸縮素子10の中心部がスライ
ド伸縮自在に保持されている。
【0005】熱応動伸縮素子10の上部には、ゴムパッ
キング12Aが加硫接着された主弁体12が昇降可能に
嵌合しており、かつ弁閉塞用スプリング13の上端で押
上げられ、テーパ部30で上動が制限された状態で支持
されている。弁閉塞用スプリング13の下端は、熱応動
伸縮素子10の下部外周に設けられた環状ばね受け座1
5に係止されている。このばね受け座15の対称位置か
ら起立片16が立上っており、起立片16の上部に円弧
状にかつ水平に伸びる腕部17が設けられ、腕部17の
上縁から突出する突起18を、環状弁座7の周縁の係合
孔20に差込み、その嵌合部を溶接することで、起立片
16が固定されている。
【0006】熱応動伸縮素子10の下端の径小軸部21
には、略皿状断面の弁体22の中心部に開設された円孔
部23がスライド自在に嵌合しており、弁付勢用スプリ
ング24で下向きに付勢され、スナップリング25に係
止することで下方向の移動が制限されている。
【0007】前記の熱応動弁において、ハウジング26
内で熱応動伸縮素子10の周囲におけるバイパス管路5
から流出する冷却水の水温が一定以下、例えば60℃以
下であるときは、熱応動伸縮素子10が短縮しているの
で、主弁体12が環状弁座7と接触しており、それによ
りラジエータ戻り管路4からエンジン側管路9へ通じる
流路が閉じられ、かつ弁体22は、弁付勢用スプリング
24が最大限伸長した状態で、バイパス管路5の内端面
の弁座28から離間してバイパス管路5は全開になって
おり、そのため自動車用エンジン1の冷却水は、ラジエ
ータ2を通ることなく図11の矢印のように流れてバイ
パス回路を循環する。
【0008】次に、熱応動伸縮素子10の周囲の水温が
例えば60℃〜80℃になると、この熱応動伸縮素子1
0が伸長することにより弁体22が下り、バイパス管路
5の内端面の弁座28に接近または接触し、バイパス管
路5の開口部27が絞られ又は閉じられてバイパス管路
5からエンジン側管路9に通じる流路が制御される。
【0009】次に、熱応動伸縮素子10の周囲の水温が
例えば82℃を越えて上昇すると、この熱応動伸縮素子
10のさらなる伸長により、熱応動伸縮素子10のテー
パ部30での接触により、この位置から上方への移動を
制限されている主弁体12が熱応動伸縮素子10と一体
に下降して、図13に示されるように環状弁座7と離間
し、ラジエータ戻り管路4からエンジン側管路9に通じ
る流路が開放される。このようにして、自動車エンジン
の温水は、ラジエータ回路を循環し、さらにバイパス回
路をも少量の温水が循環する。
【0010】図11に示すように、バイパス管路5が全
開した状態において、バイパス管路5から流出する冷却
水が、同図矢印のように流れ、その一部が熱応動伸縮素
子10の周囲を流れてエンジン側管路9へと流れると
き、バイパス管路5から流出する冷却水が直進して、出
来るだけ多くの冷却水がバイパス管路の直上位置にある
熱応動伸縮素子10に回り込んでからエンジン側管路9
に流れるのが、熱応動伸縮素子10をより正確に駆動さ
せるうえで望ましい。
【0011】しかるに、バイパス管路5の直上方向には
熱応動伸縮素子10の下端部に設けられた断面皿状の弁
体22が存在するため、バイパス管路5から流出する冷
却水は、前記弁体22にぶつかって直接エンジン側管路
9に流れ、熱応動伸縮素子10の部分に十分な量の冷却
水が当らず、そのため熱応動伸縮素子10が正確に駆動
しないことがある。
【0012】このような不具合に対処するために、図
7,図8に示すようにバイパス管路5とエンジン側管路
9との間におけるハウジング内側に平面からみて略半円
筒形のガイド壁(堰)31を設けることで、熱応動伸縮
素子10に向う冷却水の流れを強くすることがある。ま
た図9,図10に示されるように、弁体32に円弧状の
流通口33を設け、この流通口33をバイパス管路5に
設けられた弁座28に接触させると共に、弁体32の平
板面で、前記流通口33の外周縁側に先端が熱応動伸縮
素子10を向いた傾斜ガイド壁34を切り起して設ける
ことで流通口33を流れる冷却水を熱応動伸縮素子10
に向わせることがある。さらに、弁閉塞用スプリング1
3の下端を係止する環状ばね受座15の内側傾斜壁35
に流出口36を開設して、熱応動伸縮素子10に向う冷
媒の流れを促進させることもある。
【0013】しかし、前述の各構造ではハウジング26
内での冷却水の抵抗増加や熱応動弁の製作コストの増加
を伴なう場合があり、特にウォータポンプに近い現象が
生じる時は、抵抗増加でキャビティションの問題が発生
する場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱応動弁では、
熱応動伸縮素子にバイパス管路から流出する冷却水を積
極的に、かつ最も効率よく当てることができない構造で
あり、さらに、冷却水の抵抗増加や製作コストの増加を
伴なうという欠点があり、その結果、熱応動伸縮素子の
作動が不正確になりがちで、ラジエータ戻り管路とバイ
パス管路の切換え制御がうまく効かないという不具合が
あった。
【0015】本発明は前記の欠点を解決した自動車エン
ジン冷媒循環回路制御用熱応動弁を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、熱応動伸縮素子に同軸的に設けられ、か
つ前記熱応動伸縮素子で駆動されて、冷媒のラジエータ
戻り管路と、ラジエータバイパス管路とを制御する2つ
の弁を持ち、前記バイパス管路からの冷媒が前記熱応動
伸縮素子の周りを流れる部分流により前記熱応動伸縮素
子が駆動することで前記バイパス管路からエンジン側へ
の流出口を制御する機構を有した、エンジンの冷媒循環
回路における熱応動弁であって、前記バイパス管路から
エンジン側への流出口を制御する弁は、一端が前記バイ
パス管路に係止され、他端が前記熱応動伸縮素子に係止
され、かつバイパス管路側が拡径しており、前記熱応動
伸縮素子で駆動されて伸縮し、コイル部間が密着・離間
することで、コイル部間に形成される冷媒流通間隙が開
閉されるコイル状スプリングで構成することを特徴とす
る。前記コイル状スプリングの他端は、このコイル状ス
プリングよりも高荷重の支承スプリングにより下向きに
付勢されて、熱応動伸縮素子に可動的に係止させるとよ
い。また、前記バイパス管路の開口端部に前記コイル状
スプリングの一端が係止される拡径段差部を設け、その
ガイド周壁によりバイパス管路から流出する冷媒の流れ
の方向を制御するようにした構成とするとよい。前記バ
イパス管路の開口端部に前記コイル状スプリングの一端
が係止される断面カップ状のばね受座が設けられ、この
ばね受座は前記バイパス管路を流れる冷媒の流通口及
び、冷媒の流れる方向を制御する環状ガイド壁を有する
構成とするのがよい。また、前記ラジエータ戻り管路か
らエンジン側管路への流路を制御する弁を付勢する弁閉
塞用スプリングの下端を環状ばね受座に係止し、この環
状ばね受座から立上る起立片の上端部を前記ラジエータ
戻り管路に設けたフレームに固着し、さらに、前記環状
ばね受座には、バイパス管路から熱応動伸縮素子に向う
冷媒の流通促進用の流通口を開設した構成とすることが
できる。
【0017】本発明によると、バイパス管路の冷媒流出
口を開閉する弁がコイル状スプリングにより構成されて
いるので、部品点数が少なく、簡潔な構成でバイパス管
路を開閉でき、しかもバイパス管路から流出する冷媒
は、コイル状スプリングが伸長した際の環状部間の流出
間隙を通って少ない抵抗で、障害物に当たることなくス
ムーズに熱応動伸縮素子に向けて流れることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図を参
照して説明する。図1〜図3は本発明の第1の実施の形
態を示す図で、図1は、バイパス管路5の弁体37が開
き、このバイパス管路5とエンジン側管路9とが通じ、
ラジエータ戻り管路4の主弁体12が閉じ、このラジエ
ータ戻り管路4とエンジン側管路9が遮断された状態を
示し、図2はその側面図である。図3は、図1と逆の状
態、つまり、バイパス管路5の弁体37が閉じ、ラジエ
ータ戻り管路4の主弁体12が開いた状態が示されてい
る。
【0019】第1実施の形態の熱応動弁において、バイ
パス管路5の流出口を開閉する弁体37の弁構造と、主
弁体12を支持する弁閉塞用スプリング13の下端を係
止する環状ばね受座15の構造が、図11に示した熱応
動弁の構造と相違し、他の構造は、この図11に示す熱
応動弁の構造と同じであるので、同一要素には同一符号
を付して説明する。
【0020】図1〜図3において、ラジエータ戻り管路
4にパッキン14を介して設けられた通水窓孔19を有
するフレーム6の周縁部に、環状弁座7が一体設けら
れ、かつフレーム6の中央部にプランジャ8の上端がね
じ結合部11を介して固着されている。このプランジャ
8に、軸状のワックス式熱応動伸縮素子10の中心部が
スライドして昇降移動自在に保持されている。ワックス
式の熱応動伸縮素子10の構造は、例えば特公昭61−
20697号に開示されたごとき構造である。すなわ
ち、熱応動伸縮素子10は、プランジャ8に嵌挿された
ゴムスリーブと有底筒状の容器との間の密閉室内にワッ
クスを充填して構成されている。そして、プランジャ8
の下端が先細のテーパ状に構成されておりワックスの熱
膨張することで、前記テーパ部を介してゴムスリーブが
プランジャ8を押上げる方向に力が作用し、プランジャ
8の上端がフレーム6に固定されているので、相対的に
熱応動伸縮素子10がプランジャ8に沿って下降するも
ので、ワックスが収縮することで熱応動伸縮素子10は
前記と逆動作し、このように熱変化で熱応動伸縮素子1
0が伸縮することで、この熱応動伸縮素子10に支持さ
れた主弁体12と弁体37とが動作するものである。
【0021】熱応動伸縮素子10の上部には、前記の主
弁体12が昇降可能に嵌合しており、かつ弁閉塞用スプ
リング13の上端で押上げられ、テーパ部30で上動が
制限された状態で支持されている。弁閉塞用スプリング
13の下端は熱応動伸縮素子10の下部外周を取囲んで
設けられた環状ばね受け座15に係止されている。この
環状ばね受け座15の対称位置から起立片16が立上っ
ており、起立片16の上部に円弧状にかつ水平に伸びる
腕部17が設けられ、腕部17の上縁から突出する突起
18を、環状弁座7の周縁の係合孔20に差込み、その
嵌合部を溶接することで、起立片16が固定されてい
る。
【0022】前記フレーム6の下端に設けられる環状ば
ね受け座15は、その底面15Aから、熱応動伸縮素子
10に向う傾斜壁35を有し、この傾斜壁35には、冷
媒が流通できる複数の流通口36が開設されている。
【0023】前記熱応動伸縮素子10の下端の径小軸部
21には、バイパス管路5の開口部を開閉する弁体37
の上端部と、この弁体37の上端を下向きに付勢する支
承スプリング38がスライド自在に嵌合している。
【0024】前記弁体37は、下端側つまりバイパス管
路5側が拡径している略円錐形状のコイル状スプリング
37Aで構成されており、このコイル状スプリング37
Aの拡径側の端部は、バイパス管路5の開口端部を段状
に切削してなる拡径段差部39に係合させている。コイ
ル状スプリング37Aの上端部は、熱応動伸縮素子10
の下端部の径小軸部21にスライド自在に嵌合された断
面コ字状のスライドリング40の凹溝41に係合してい
る。このスライドリング40の上側において、径小軸部
21にはコイル状の支承スプリング38が嵌合されてお
り、この支承スプリング38の上端は、径小軸部21の
上段の係合段部42に係止されており、支承スプリング
38の下端は、前記コイル状スプリング37Aの上端を
前記スライドリング40を介して下向きに付勢してい
る。スライドリング40は、径小軸部21の下端部の環
状溝43に係合されたスナップリング44と係合するこ
とで、その下動が制限される。
【0025】第1実施形態の熱応動弁において、ハウジ
ング26内で熱応動伸縮素子10の周囲におけるバイパ
ス管路5から流出する冷却水の水温が一定以下、例えば
60℃以下であるときは、熱応動伸縮素子10が短縮し
ているので、主弁体12が環状弁座7と接触しており、
それによりラジエータ戻り管路4からエンジン側管路9
へ通じる流路が閉じられ、他方、弁体37にあっては、
コイル状スプリング37Aが最大限伸長しており、その
コイル部間に形成される冷媒流通間隙45を通って、バ
イパス管路5から流出する冷媒は円滑に矢印で示すよう
に上方に流れ、熱応動伸縮素子10に十分に回り込んで
からエンジン側管路9へと流通する。このとき、弁閉塞
用スプリング13の下端を係止する環状ばね受け座15
の内側の傾斜壁35に複数の流通口36が開設されてい
ることで、冷媒の熱応動伸縮素子10部への流通は一層
スムーズになる。さらにコイル状スプリング37Aの拡
径の下端を係止するために、バイパス管路5の開口端に
切削形成された拡径段差部39のガイド周壁46によっ
て、バイパス管路5から流出する冷媒の流出方向が熱応
動伸縮素子10に向かうように制御することができる。
前述のようにして、図1においては、自動車用エンジン
1の冷却水は、ラジエータ2を通ることなく図1の矢印
のように流れてバイパス回路を循環する。
【0026】次に、熱応動伸縮素子10の周囲の水温が
例えば60℃〜80℃になると、熱応動伸縮素子10が
伸長することにより弁体37を構成するコイル状スプリ
ング37Aの上端が押下げられ、コイル部間の冷媒流通
間隙45が絞られ、最終的には間隙が閉じられてバイパ
ス管路5からエンジン側管路9に通じる流路が制御され
る。
【0027】次に、熱応動伸縮素子10の周囲の水温が
例えば82℃を越えて上昇すると、この熱応動伸縮素子
10の伸長により、熱応動伸縮素子10のテーパ部30
での接触位置より上方への移動を制限されている主弁体
12が下降して、図3に示されるように環状弁座7から
離間し、ラジエータ戻り管路4からエンジン側管路9に
通じる流路が開放される。このようにして、自動車エン
ジンの温水は、ラジエータ回路を循環し、さらにバイパ
ス回路をも少量の温水が循環する。
【0028】図4〜図6には、本発明の第2の実施形態
に係る熱応動弁が示されている。この第2の実施の形態
では、弁体37を構成するコイル状スプリング37Aの
下端と上端の係止構造及び、熱応動伸縮素子10の下端
の径小軸部21をガイドする構造が第1の実施の形態と
少し相異している。
【0029】第2の実施の形態では、バイパス管路5の
内端は熱応動弁のハウジング26内にストレートに伸長
しており、かつこのバイパス管路5の内端面47に、中
心部にガイド孔48を有する略カップ状断面のばね受座
49の底面周縁50が固着されている。このばね受座4
9は、底面にバイパス管路5と連通する冷媒の流通口5
1を有し、かつ周縁に環状ガイド壁52を有している。
【0030】一方、熱応動伸縮素子10の下端の径小軸
部21の上部に鍔状ばね受け座53がスライド自在に嵌
合され、かつ径小軸部21に形成された環状溝54に嵌
合したスナップリング55により下動が制限されるよう
に設けられており、この鍔状ばね受け座53の上面で、
径小軸部21に嵌合された支承スプリング38の下端が
係止されており、鍔状ばね受け座53の下面で弁体37
を構成する略円錐形のコイル状スプリング37Aの上端
を係止している。コイル状スプリング37Aの下端は、
断面カップ状のばね受座49の内底面周縁部に係止され
ている。
【0031】また、径小軸部21の下部は、前記ばね受
座49の底部中心のガイド孔48にスライド自在に嵌合
しており、径小軸部21の下端の環状溝56に係合した
スナップリング57が前記ガイド孔48の下部周縁と係
合することで、径小軸部21のガイド孔48からの脱嵌
が制止される構造となっている。
【0032】本発明の第2の実施の形態によると、第1
実施形態のようにバイパス管路5の内端拡径段差部39
のガイド周壁46を有していないが、ばね受座49は環
状ガイド壁52を有しているので、図4に示すように、
弁体37が開いたときは、バイパス管路5から流出する
冷媒は、ばね受座49の底面の流通口51を通り、さら
に略円錐状のコイル状スプリング37Aのコイル間の冷
媒流通間隙45を通り、前記環状ガイド壁52でその流
通方向が制御されて、環状ばね受け座15の傾斜壁35
の流通口36を流れ、熱応動伸縮素子10の方向に円滑
に回り込んだ後エンジン側管路9へ流通する。
【0033】また、本発明の第2の実施の形態では、径
小軸部21がばね受座49の底部中心のガイド孔48に
スライド自在に嵌合していることで、熱応動伸縮素子1
0が安定して上下動できる構造とされている。その他の
構成と作用は、発明の第1の実施の形態と同じであるの
で、同一要素には同一符号を付して重複説明を省略す
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、自動
車エンジン冷媒循環回路制御用熱応動弁において、バイ
パス管路の流出口を制御する弁体を、バイパス管路側が
拡径しており、熱応動伸縮素子で駆動されて伸縮し、コ
イル部間が密着・離間することで、コイル部間に形成さ
れる冷媒流通間隙が開閉されるコイル状スプリングで構
成しているので、バイパス管路から流出する冷媒は、前
記冷媒流通間隙を通って熱応動伸縮素子に円滑に流れ、
従来構造のようにばね受座等がないので、熱応動伸縮素
子に向う冷媒の流れが阻害されず、アイドリング時のよ
うなバイパス管路から流出する冷媒の流れが低流量の条
件下でも、前記熱応動伸縮素子の感温部に向う冷媒の積
極的な流れを作ることができ、しかも構成が簡潔で、製
作も容易である。
【0035】さらに、バイパス管路部の内端に前記コイ
ル状スプリングを係止する拡径段差部を設けた場合にお
ける、その拡径段差部のガイド周壁や、バイパス管路部
の開口端に前記コイル状スプリングを係止する有底カッ
プ状のガイド部材を設けた場合におけるそのガイド部材
の環状ガイド壁がガイドとなって、バイパス管路から流
出する冷媒の熱応動伸縮素子に向う流れを一層促進し、
さらにその流れは、主弁体を持上げ支持する弁閉塞用ス
プリングの下端を係止する環状ばね受座の傾斜壁に流通
口を設けることでなお一層促進されるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、バイパス管
路が開き、ラジエータ戻り管路が閉じた状態の断面図で
ある。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1において、バイパス管路が閉じ、ラジエー
タ戻り管路が開いた状態の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示し、バイパス管
路が開き、ラジエータ戻り管路が閉じた状態の断面図で
ある。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図4において、バイパス管路が開き、ラジエー
タ戻り管路が開いた状態の断面図である。
【図7】第1比較例として示す熱応動弁において、バイ
パス管路が開き、ラジエータ戻り管路が閉じた状態の断
面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】第2比較例として示す熱応動弁において、バイ
パス管路が開き、ラジエータ戻り管路が閉じた状態の断
面図である。
【図10】図9における弁体の平面図である。
【図11】従来の熱応動弁において、バイパス管路が開
き、ラジエータ戻り管路が閉じた状態の断面図である。
【図12】図9の側面図である。
【図13】図11において、バイパス管路が閉じ、ラジ
エータ戻り管路が開いた状態の断面図である。
【図14】自動車エンジン冷却水循環系統図である。
【符号の説明】
1 自動車用エンジン 2 ラジエータ 3 冷却水循環路の制御用熱応動弁 4 ラジエータ戻り管路 5 バイパス管路 6 フレーム 7 環状弁座 8 プランジャ 9 エンジン側管路 10 熱応動伸縮素子 11 ねじ結合部 12 主弁体 13 弁閉塞用スプリング 14 パッキン 15 環状ばね受座 15A 底面 16 起立片 17 腕部 18 突起 19 通水窓孔 20 係合孔 21 径小軸部 22 弁体 23 円孔部 24 弁付勢用スプリング 25 スナップリング 26 ハウジング 27 開口部 28 弁座 30 テーパ部 31 ガイド壁(堰) 32 弁体 33 流通口 34 傾斜ガイド壁 35 傾斜壁 36 流通口 37 弁体 37A コイル状スプリング 38 支承スプリング 39 拡径段差部 40 スライドリング 41 凹溝 42 係合段部 43 環状溝 44 スナップリング 45 冷媒流通間隙 46 ガイド周壁 47 内端面 48 ガイド孔 49 ばね受座 50 底面周縁 51 流通口 52 環状ガイド壁 53 鍔状ばね受座 54 環状溝 55 スナップリング 56 環状溝 57 スナップリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱応動伸縮素子に同軸的に設けられ、か
    つ前記熱応動伸縮素子で駆動されて、冷媒のラジエータ
    戻り管路と、ラジエータバイパス管路とを制御する2つ
    の弁を持ち、前記バイパス管路からの冷媒が前記熱応動
    伸縮素子の周りを流れる部分流により前記熱応動伸縮素
    子が駆動することで前記バイパス管路からエンジン側へ
    の流出口を制御する機構を有した、エンジンの冷媒循環
    回路における熱応動弁であって、前記バイパス管路から
    エンジン側への流出口を制御する弁は、一端が前記バイ
    パス管路に係止され、他端が前記熱応動伸縮素子に係止
    され、かつバイパス管路側が拡径しており、前記熱応動
    伸縮素子で駆動されて伸縮し、コイル部間が密着・離間
    することで、コイル部間に形成される冷媒流通間隙が開
    閉されるコイル状スプリングで構成されてなる自動車エ
    ンジン冷媒循環回路制御用熱応動弁。
  2. 【請求項2】 前記コイル状スプリングの他端は、この
    コイル状スプリングよりも高荷重の支承スプリングによ
    り下向きに付勢されて、熱応動伸縮素子に可動的に係止
    されている請求項1に記載の自動車エンジン冷媒循環回
    路制御用熱応動弁。
  3. 【請求項3】 前記バイパス管路の開口端部に前記コイ
    ル状スプリングの一端が係止される拡径段差部を設け、
    そのガイド周壁によりバイパス管路から流出する冷媒の
    流れの方向を制御するようにした構成を特徴とする請求
    項1または2に記載の自動車エンジン冷媒循環回路制御
    用熱応動弁。
  4. 【請求項4】 前記バイパス管路の開口端部に前記コイ
    ル状スプリングの一端が係止される断面カップ状のばね
    受座が設けられ、このばね受座は前記バイパス管路を流
    れる冷媒の流通口及び、冷媒の流れの方向を制御する環
    状ガイド壁を有している請求項1または2に記載の自動
    車エンジン冷媒循環回路制御用熱応動弁。
  5. 【請求項5】 前記ラジエータ戻り管路からエンジン側
    管路への流路を制御する弁を付勢する弁閉塞用スプリン
    グの下端を環状ばね受座に係止し、この環状ばね受座か
    ら立上る起立片の上端部を前記ラジエータ戻り管路に設
    けたフレームに固着し、さらに、前記環状ばね受座に
    は、バイパス管路から熱応動伸縮素子に向う冷媒の流通
    促進用の流通口を開設した構成を特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の自動車エンジン冷媒循環回路制
    御用熱応動弁。
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