JPH10191603A

JPH10191603A - 扁平誘導モータ

Info

Publication number: JPH10191603A
Application number: JP35609696A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Sekiya; 哲夫関谷; Kazuo Nozawa; 和雄野沢; Kazuo Arai; 一男新井
Original assignee: Namiki Precision Jewel Co Ltd
Current assignee: Namiki Precision Jewel Co Ltd
Priority date: 1996-12-25
Filing date: 1996-12-25
Publication date: 1998-07-21

Abstract

(57)【要約】【目的】低コストで製造容易な実用化し得る扁平誘導
モータを提供する。【構成】軸方向に空隙を介して円板状のロータ部及び
円板状のステータ部を配置してなる軸方向空隙型誘導電
動機であって、該ステータ部は、珪素鋼板のリボンを渦
巻き状に積層巻回し或いは高抵抗のフェライト磁性材か
らドーナツ形に形成した磁気台座を備え、低抵抗の巻線
から巻回形成された有芯平面形の回転駆動用コイルを該
磁気台座の円周面上に複数個定間隔毎に設け、該各回転
駆動用コイルの磁芯には、珪素鋼鈑を渦巻き状に積層巻
回した芯材又はNiZn等のフェライト材の芯材を使用して
構成し、この磁芯を該磁気台座の円周面に底面で密接さ
せて回転駆動用コイルを磁気台座に組み付けて構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、軸方向に空隙を介
して円板状のロータ部及び円板状のステータ部を配置し
てなる軸方向空隙型誘導電動機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術および課題】従来、軸方向空隙型誘導電動
機のステータ部材は、高周波特性が高い、即ち透磁率
μ，磁束密度Ｂの高い鉄系材料（例えばケイ素鋼鈑，パ
ーメンジュール，パーマロイ等）を機械加工法にて必要
とされる全周扇状の形状に加工積層し、ステータ巻線の
ヨーク部を絶縁処理後積層してステータを製作してい
る。また、従来の軸方向空隙型誘導電動機の回転子は、
良導体と軟磁性体の両方を兼ね備える鉄系材による合成
系の円板で構成されている。

【０００３】このような従来の軸方向空隙型誘導電動機
においては、以下のような問題点が、あった。まず、励
磁コイルを有するステータの製法には、切断，積層，研
磨に時間が掛かり、自動化しにくくコスト高の要因にな
っている。次に、モータとして小型化したとき、固定
子，回転子間には円筒型のように軸対称のバランスがと
りにくく、強い磁気吸引力が現れて損失を増大させる。
さらに、各珪素鋼鈑板の積層で構成されるスロット鉄芯
部組には、加工による種々の磁歪除去を行う必要があっ
た。以上のような点より、コスト高な製法の割に良好な
特性が得られない点で、実用化された扁平誘導モータは
なかった。

【０００４】本発明の目的は、上記のような欠点を解決
し得るものであって、低コストで製造容易な実用化し得
る扁平誘導モータを提供するものである。

【０００５】また、本発明は回転磁界を材質的に良好に
作用可能な回転板を備えて回転機構部を高性能に駆動で
きるよう構成する扁平誘導モータを提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
扁平誘導モータにおいては、軸方向に空隙を介して円板
状のロータ部及び円板状のステータ部を配置してなる軸
方向空隙型誘導電動機であって、該ステータ部は、珪素
鋼板のリボンを渦巻き状に積層巻回し或いは高抵抗のフ
ェライト磁性材からドーナツ形に形成した磁気台座を備
え、低抵抗の巻線から巻回形成された有芯平面形の回転
駆動用コイルを該磁気台座の円周面上に複数個定間隔毎
に設け、該各回転駆動用コイルの磁芯には、珪素鋼鈑を
渦巻き状に積層巻回した芯材又はNiZn等のフェライト材
の芯材を使用して構成し、この磁芯を該磁気台座の円周
面に底面で密接させて回転駆動用コイルを磁気台座に組
み付けて構成されている。

【０００７】本発明の請求項２に係る扁平誘導モータに
おいては、軸方向に空隙を介して円板状のロータ部及び
円板状のステータ部を配置してなる軸方向空隙型誘導電
動機であって、該ステータ部は、断面コの字型の複数の
珪素鋼板を貼り合わせて形成した磁気台座を備え、低抵
抗の巻線から巻回形成された回転駆動用コイルを該磁気
台座の複数個定間隔毎に設けられた突起部に装着して構
成されている。

【０００８】本発明の請求項３に係る扁平誘導モータに
おいては、上記ステータ部の回転駆動用コイルには、商
用電源の周波数以上の周波数の電流を供給する２相又は
３相インバータ回路で回路構成されている。

【０００９】本発明の請求項４に係る扁平誘導モータに
おいては、上記ロータ部は、上記回転駆動用コイルと対
向した面に穴明けされているアルミ又は銅製又は半硬質
アルミコ材又はアルミと半硬質アルミコの複合材又は銅
と半硬質アルミコの複合材の円板に、閉磁路構成用の珪
素鋼鈑又は鉄材の円板を電気的絶縁を経て貼り合わせて
形成した回転円板を備えて構成されている。

【００１０】

【実施例】以下、添付図面を参照して説明すると、図１
は本発明に係る扁平誘導モータの基本構造を示す。この
扁平誘導モータは、回転磁界を発生する磁気発生機構部
（以下、同様に「ステータ側」という。）１と、回転板
２０を支軸２１で回転自在に軸支し且つステータ側１と
分離独立の別体に構成する回転機構部（以下、同様に
「ロータ側」という。）２とを備えて構成されている。

【００１１】そのロータ側２は、磁気的空隙Ｇを隔てス
テータ側１と相対配置することによりステータ側１から
発生する回転磁界で駆動するよう装備されている。ま
た、ステータ側１に装備するコイル群の熱容量を増し、
且つ、鉄損，銅損を極力実用可能なレベルまで低減する
と共に、ロータ側に装備する回転板の材質，形状の組み
合わせから電磁誘導による渦電流を低抵抗で発熱を抑え
ながら誘起させて二次磁極を発生することにより閉磁路
を効率よく形成できるよう構成されている。

【００１２】ステータ側１は、渦電流損を抑えて磁束を
多く発生ししかもロータ側２に効果的に作用できるよう
構成されている。その構成を具体化するべく、ステータ
側１は図２で示すように扁平なドーナッ形の磁気台座１
０を備えて組み立てられている。この磁気台座１０とし
てはケイ素鋼板のリボンを渦巻き状に積層巻回したもの
を組み付けるとよく、その磁気台座１０では内部歪みを
生ずることなく簡単な構造で安価なものに構成すること
ができる。このケイ素鋼板の積層体に代えて、高抵抗の
フェライト磁性材を成形焼成したものでも用いることが
できる。

【００１３】その磁気台座１０の円周面上には、有芯平
面形の回転駆動用コイル１１が複数個定間隔毎に設けら
れている。この回転駆動用コイル１１は、４極，６極，
８極等の如く必要に応じて極数を適宜選択することがで
きる。その回転駆動用コイル１１は、巻線１１ａを、珪
素鋼鈑を渦巻き状に積層巻回した芯材又はNiZn等のフェ
ライト材の芯材を使用して構成した磁芯１１ｂに巻回さ
せて磁気台座１０と別体に形成し、この磁芯１１ｂを磁
気台座１０の円周面に密接させて組み付けることにより
磁気台座１０と一体に設けることができる。

【００１４】それに代えて、磁気台座１０をフェライト
磁性材から形成する場合は磁芯用ボビンを突起状に磁気
台座１０と一体に形成し、予め巻回成形された渦巻き状
芯材を該磁芯用ボビンに嵌め合わせ、その磁芯に予め巻
回成形された巻線を嵌め合わせ回転駆動用コイル１１と
して設けることができる。この突起を有するフェライト
磁性材の磁気台座は円周方向で３等分程度に分割形成
し、その端部間を段継ぎ手等で組み合わせて一体に形成
することもできる。

【００１５】その回転駆動用コイル１１は１相分の全コ
イル直流抵抗を２Ω以下、好ましくは１Ω以下に抑えら
れる径の太い線や細い線を数１０本以上束ねて撚ること
により径の太いものと少なくとも同等の径に形成した１
本の線を用いて構成する。これと共に、磁芯１１ｂとし
てはコイル表面積の２０〜６０％程度に相当する表面積
を有するものを組み付けるとよい。そのコイル構成では
コイル自体の発熱を抑えると共に、磁気吸引力の発生も
抑えられるよう回転駆動用コイル１１を構成することが
できる。

【００１６】その回転駆動用コイル１１には商用電力を
そのまま供給することができないため、回転駆動用コイ
ル１１は大電流制御用のトランジスタを有する２相イン
バータ回路１２を備えることにより回路構成されてい
る。その２相インバータ回路１２では電力伝送機構と駆
動回路とを一体化できるところからシンプルで安価な回
路を構成することができる。また、２相インバータ回路
１２では回転駆動用コイル１１を負荷要求に応じてＳｉ
ｎ，Ｃｏｓの各相毎に直列に接続し或いは並列に接続す
る電子スイッチ機能を備えるよう回路構成することがで
きる。

【００１７】その２相インバータ回路１２を備えては、
１００Ｗ前後の同モータにおいては１００Ｖ，５０Ｈ_Z
／６０Ｈ_Z の商用電力を１００Ｖ以下で１０Ａ程度且つ
周波数を１５０〜８００Ｈ_Z に変換するＳｉｎ／Ｃｏｓ
の２相インバータ回路１２を経て回転駆動用コイル１１
に導通するよう構成されている。勿論、回路効率を上げ
るためにＰＷＭ化されている。なお、周波数としては商
用電源の周波数以上の１５０〜８００Ｈ_Z 程度、実用的
には２５０Ｈ_Z 乃至は５００Ｈ_Z 程度の周波数電流を作
り出すよう回路設定するとよい。

【００１８】そのインバータ回路１２においてはロータ
側２の後述する回転板を始動時には過電力で駆動し、数
１０秒程度一定の時間経過後にタイマー作動等で定常連
続回転させるキックスタート機能を備えるよう回路構成
することができる。このキックスタート機能を付加する
と、ロータ側２を短時間に所定回転数まで立ち上げて連
続回転に転換でき、ロータ側２の各種の負荷に対しても
ロータ側２を円滑に回転駆動させることができる。な
お、インバータ回路１２はロータ側２の用途に応じて３
相のインバータ回路を備えることができる。

【００１９】また、そのステータ側１の構成に基づいて
ステータ側１とロータ側２との磁気的空隙Ｇを３〜６ｍ
ｍ程度隔てても回転磁界をステータ側１からロータ側２
に十分作用でき、ロータ側２では大きな起動トルクを得
ることができる。なお、このステータ側１ではロータ側
２を一方向のみならず、正逆交互に回転駆動するよう回
路構成することができる。

【００２０】そのステータ側１は、図１で示すように各
構成部を収容ケース（以下、「ステータケース」とい
う。）３の内部に組み付けて扁平型のコンパクトなもの
に構成されている。このステータケース３は、全体が非
磁性のプラスチック材料やカルム材（商品名：ＮＤＣ株
式会社製）等の消音材で形成するようにできる。

【００２１】そのステータケース３は図２で示すように
磁気台座１０を嵌込み保持する凹部３０ａを有する基台
３０と、各回転駆動用コイル１１を嵌込み保持する複数
個の開孔部３１ａ，３１ｂ…を有する枠板３１と、耐
熱，絶縁性の天板３２とから形成されている。このステ
ータケース３は、各部を天板３２より螺入するタッピン
グスクリュ等でねじ止めすることにより一体に固定する
ことができる。

【００２２】そのステータケース３において、回転駆動
用コイル１１は耐熱，絶縁性を有するエポキシ系の接着
剤を用いて各開孔部３１ａ，３１ｂ…の孔内に接着固定
することにより回転駆動用コイル１１の駆動に伴う振動
の発生を防止するよう枠板３１に強固に取付け固定する
とよい。また、基台３０としてはシールドを内部に施し
たものを組み付けるとよい。天板３２としては、フッ素
系の合成樹脂または耐熱性ガラスから形成したものを備
え付けるとよい。なお、基台３０の底部，天板３２の板
面には放熱用の通気孔を設けるようにできる。

【００２３】そのステータ側１に対し、ロータ側２は複
数個の軸受け２２，２２’を介して回転板２０を板面中
央の支軸２１で収容ケース（以下、「ロータケース」と
いう。）４の内部に回転自在に装備することにより構成
されている。この回転板２０は、図１で示すように支軸
２１をロータケース４の底部内面に植立固定し、軸受け
２２，２２’を回転板２０と支軸２１との間に介装する
ことにより回転板２０のみが回転するよう組み付けるこ
とができる。

【００２４】また、図６で示すように回転板２０を支軸
２１と一体に装着し、スラスト軸受け兼用の下部軸受け
２２を軸２１とケース基盤４０との間に介装すると共
に、上部軸受け２２’を支軸２１とケース蓋部４１との
間に介装させて軸受け押え板４２で止めることにより回
転板２０と支軸２１とを共に回転するよう組み付けるこ
ともできる。

【００２５】回転板２０には、軟磁性で良導体の金属材
料から形成したものが備え付けられている。その回転板
２０によると、ステータ側１の回転磁界によって誘起さ
れるロータ側２の回転磁界がステータ側１の回転磁界に
対して滑りを呈する特性を効果的に発揮させる材質的，
形状的構成の回転板２０によりステータ側１から発生す
る回転磁界で円滑に回転駆動することができる。

【００２６】材質的には、純鉄または鋳物等の鉄系，磁
性ステンレス，半硬質アルニコ材のいずれかで形成した
ものを用いるとよい。特に、鉄系のものを用いると成形
性が極めて容易であるところから好ましい。また、この
回転板２０は一枚板によるものの他に、鉄とアルミ，鉄
と銅，鉄と半硬質アルミコ材，鉄とアルミと半硬質アル
ミコ材，鉄と銅と半硬質アルミコ材との複合材のいずれ
かから形成することができる。

【００２７】構造的には、図３で示すような穴無し円板
２０ａ、図４で示すような穴明き円板２０ｂで構成する
ことができる。穴明き円板の場合には、螺旋状に切り抜
いたアルミ円板等の開孔縁を折り曲げて羽根部を設ける
ことにより換気用，攪拌用等のフイン構造に形成するこ
とができる。また、穴無し円板２０ａと穴明き円板２０
ｂとの複合材から回転板２０を形成することができる。

【００２８】特に、回転板２０は単なるアンゴラ円盤か
ら、その目的を積極的に担う材質，形状を有するものを
組み合わせるとよい。例えば、図６で示すような電磁誘
導による渦電流を低抵抗で発熱を抑えながら誘起させて
二次磁極を発生する扁平なアルミ製かご２０ａと、この
誘起されたアルミ円板内磁極と励磁側磁極とを共に効率
よく磁気的に閉磁路化する珪素鋼板または鉄系のリング
円板２０ｂとの複合板から形成するとよい。そのうち、
アルミ製かご２０ａは起動トルクのムラを抑えるようス
キューさせて構成され、鉄系のリング円板２０ｂはアル
ミ製かご２０ａの上部側（空隙と反対側）に電気的に絶
縁処理されて貼り付けられる。

【００２９】また、珪素鋼板と銅との複合板，所謂、珪
素鋼板銅貼り板から形成することもできる。それは０．
３５ｍｍ程度の板厚を有するリング形の珪素鋼板２０ａ
と同程度の板厚で扁平な銅板２０ｂとの複合材におい
て、銅板２０ｂをエッチング処理でかご状に形成し且つ
スキュー状等の所定形状に形成することにより構成され
ている。

【００３０】以上本実施例においては、ロータ側とステ
ータ側が分離独立の構成について述べたが、ロータ側の
回転軸をステータ側で軸支するタイプの軸方向空隙型誘
導電動機についても同様の構成と効果が期待できる。

【００３１】以下、第２の実施例を添付図面を参照して
説明すると、図７は本発明に係る第２の実施例の扁平誘
導モータの基本構造を示し、図７(a)はステータ部の平
面図、図７(b)はステータ部の略断面図を示す。この扁
平誘導モータは、回転磁界を発生する磁気発生機構部
と、回転板２０を支軸２１で回転自在に軸支し構成され
ている。

【００３２】そのロータ側は、磁気的空隙を隔てステー
タ側と相対配置することによりステータ側から発生する
回転磁界で駆動するよう装備されている。また、ステー
タ側に装備するコイル群の熱容量を増し、且つ、鉄損，
銅損を極力実用可能なレベルまで低減すると共に、ロー
タ側に装備する回転板の材質，形状の組み合わせから電
磁誘導による渦電流を低抵抗で発熱を抑えながら誘起さ
せて二次磁極を発生することにより閉磁路を効率よく形
成できるよう構成されている。

【００３３】ステータ側は、渦電流損を抑えて磁束を多
く発生ししかもロータ側に効果的に作用できるよう構成
されている。その構成を具体化するべく、ステータ側は
図７で示すように、ＰＣＢ又はＦＰＣに配線パターンを
形成した端子基台３０と、コイル磁芯１１ｂと磁気台座
を兼ねた断面コの字型の２枚の珪素鋼板ヨークＡ，Ｂを
貼り合わせて形成した磁気台座を端子基台３０上に配置
し、巻線１１ａが施された非磁性の絶縁材料で構成され
たボビン11cを磁気台座を兼ねた磁芯１１ｂに嵌挿し、
円周上等間隔に配置し、巻線コイルは端子基台30の端子
部に半田処理されている。また、ヨークＡの中央上部に
は軸受２２が備えられ、この軸受２２に回転板２０を備
えた支軸２１が挿入され、扁平誘導モータが構成されて
いる。

【００３４】ヨークＡ，Ｂの形成材料としては、珪素鋼
鈑の積層板を使用するとよく、その磁気台座では内部歪
みを生ずることなく簡単な構造で安価なものに構成する
ことができる。このケイ素鋼板の積層体に代えて、高抵
抗のフェライト磁性材を成形焼成したものでも用いるこ
とができる。又、回転板２０は珪素鋼鈑板に銅、又はア
ルミ板をカゴ形状にしたものと積層して構成するとよ
い。図７では回転駆動用コイルを４個使用した例を示し
ているが、６個，８個と用途に応じて変更しても同様の
効果が得られる。可能である。

【００３５】

【発明の効果】以上の如く、本発明による請求項１に係
る扁平誘導モータによれば、磁気発生機構部は扁平なド
ーナッ形の磁気台座を備え、低抵抗の巻線から巻回形成
された有芯平面形の回転駆動用コイルを該磁気台座の円
周面上に複数個定間隔毎に設け、該各回転駆動用コイル
の磁芯には、珪素鋼鈑を渦巻き状に積層巻回した芯材又
はNiZn等のフェライト材を渦巻き状に積層巻回した芯材
を使用して構成し、この磁芯を該磁気台座の円周面に底
面で密接させて回転駆動用コイルを磁気台座に組み付け
て構成し、更に、商用電源の周波数以上の周波数の電流
を該回転駆動用コイルに供給するインバータ回路で回路
構成するから、回転駆動用コイルを含めて全体を簡単な
構造で安価なものに構成するようにできる。また、コイ
ル群の熱容量を増せ且つ鉄損，銅損を低減化できると共
に、電磁誘導による渦電流を低抵抗で発熱を抑えながら
誘起させて二次磁極をロータ側に発生できることにより
円板内磁極と励磁側磁極とを共に効率よく磁気的に閉磁
路化することができる。

【００３６】本発明の請求項２に係る扁平誘導モータに
依れば、軸方向に空隙を介して円板状のロータ部及び円
板状のステータ部を配置してなる軸方向空隙型誘導電動
機であって、該ステータ部は、断面コの字型の複数の珪
素鋼板を貼り合わせて形成した磁気台座を備え、低抵抗
の巻線から巻回形成された回転駆動用コイルを該磁気台
座の複数個定間隔毎に設けられた突起部に装着して構成
されているので、磁気台座と磁芯を兼用した部品点数の
少ない量産性に向いた低コストでステータ部を構成で
き、小型化にも適している。

【００３７】本発明の請求項３に係る扁平誘導モータに
依れば、磁気発生機構部は２相インバータ回路で回路構
成することにより電力伝送機構と駆動回路とを簡単な構
成で一体化できて安価に回路構成することができる。

【００３８】本発明の請求項４に係る扁平誘導モータに
おいては、上記ロータ部は、上記回転駆動用コイルと対
向した穴が明いているアルミ又は銅製又は半硬質アルミ
コ材又はアルミと半硬質アルミコの複合材又は銅と半硬
質アルミコの複合材の円板に、閉磁路構成用の珪素鋼鈑
又は鉄材の円板を電気的絶縁を経て貼り合わせて形成し
た回転円板を備えることから、回転磁界を効率よく作用
できて安価で高性能なものに構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る扁平誘導モータの基本構造を概略
的に示す断面図である。

【図２】同扁平誘導モータの磁気発生機構部を個々に展
開させて示す俯角斜視図である。

【図３】同ロータ部に組付け可能な穴無し回転板を示す
俯角斜視図である。

【図４】同ロータ部に組付け可能な穴明き回転板の一例
を示す平面図である。

【図５】同ロータ部の複合板による回転板を示す側面図
である。

【図６】図１と異なる回転板，支軸の一体回転構造を有
する交流エネルギー変換器を示す断面図である。

【図７】本発明の第２の実施例に係る扁平誘導モータの
基本構造を概略的に示す図である。

【符号の説明】

１磁気発生機構部１０磁気台座１１回転駆動用コイル１１ａ回転駆動用コイルの巻線１１ｂ回転駆動用コイルの磁芯１１ｃコイルボビン１２（１２ａ，１２ｂ）インバータ回路１３誘導加熱用コイル１４過昇温防止センサー１５電源切換え用スイッチ２回転機構部２０回転板２０ａ穴無し回転板２０ｂ，２０ｃ穴明き回転板２１回転板の支軸２２，２２’ 軸受け２３スリーブ管３磁気発生機構部の収容ケース３０収容ケースの基台３０ａ回転板の凹部３１収容ケースの枠板３１ａ，３１ｂ… 枠板の開孔部３２収容ケースの天板４回転機構部の収容ケースＧ磁気発生機構部と回転機構部
との磁気的空隙

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】軸方向に空隙を介して円板状のロータ部
及び円板状のステータ部を配置してなる軸方向空隙型誘
導電動機であって、該ステータ部は、珪素鋼板のリボン
を渦巻き状に積層巻回し或いは高抵抗のフェライト磁性
材からドーナツ形に形成した磁気台座を備え、低抵抗の
巻線から巻回形成された有芯平面形の回転駆動用コイル
を該磁気台座の円周面上に複数個定間隔毎に設け、該各
回転駆動用コイルの磁芯には、珪素鋼鈑を渦巻き状に積
層巻回した芯材又はNiZn等のフェライト材を使用して構
成し、この磁芯を該磁気台座の円周面に底面で密接させ
て回転駆動用コイルを磁気台座に組み付けてなることを
特徴とする扁平誘導モータ。
【請求項２】軸方向に空隙を介して円板状のロータ部
及び円板状のステータ部を配置してなる軸方向空隙型誘
導電動機であって、該ステータ部は、断面コの字型の複
数の珪素鋼板を貼り合わせて形成した磁気台座を備え、
低抵抗の巻線から巻回形成された回転駆動用コイルを該
磁気台座の複数個定間隔毎に設けられた突起部に装着し
てなることを特徴とする扁平誘導モータ。
【請求項３】上記ステータ部の回転駆動用コイルに
は、商用電源の周波数以上の周波数の電流を供給する２
相又は３相インバータ回路で回路構成してなることを特
徴とする請求項１又は２に記載の扁平誘導モータ。
【請求項４】上記ロータ部は、上記回転駆動用コイル
と対向した面に穴明けされているアルミ又は銅製又は半
硬質アルミコ材又はアルミと半硬質アルミコの複合材又
は銅と半硬質アルミコの複合材の円板に、閉磁路構成用
の珪素鋼鈑又は鉄材の円板を電気的絶縁を経て貼り合わ
せて形成した回転円板を備えてなることを特徴とする請
求項１又は２に記載の扁平誘導モータ。