JP2008182863A - モータ及び電動送風機 - Google Patents

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Tsukasa Taniguchi
谷口  司
Yuji Enomoto
裕治 榎本
Kunihiko Norizuki
邦彦 法月
Fumio Joraku
文夫 常楽
Masahiro Mita
正裕 三田
Makoto Ushijima
誠 牛嶋
Hiromitsu Itabashi
弘光 板橋
Shigeo Tanigawa
茂穂 谷川
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Abstract

【課題】モータ体格を維持しつつ、電機子鉄心で発生する鉄損を低減する。
【解決手段】電磁鋼板を積層した固定子鉄心2と、この固定子鉄心に形成された複数の磁極部2aに巻装された界磁巻線4と、前記固定子鉄心の内側で回転し、複数のスロット22を備えた電機子鉄心1と、前記電機子鉄心のスロットに巻装した電機子巻線3とを備えたモータにおいて、前記電機子鉄心の歯部1aとコアバック部1bとは、互いに磁気特性が異なる。例えば、歯部1aを電磁鋼板で構成し、コアバック部1bをアモルファス金属で構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電機子鉄心と電機子巻線とを備えたモータ及びこれを用いた電動送風機に関する。
従来、電動送風機に用いられるモータでは、磁極数が2極の整流子モータが多用されている。この整流子モータは、負荷が軽いと回転速度が増加し、負荷が重いと回転速度が下がって高トルクを発生するという直巻特性を持たせることができ、送風機駆動に適した特性を備えているためである。
整流子モータは、電磁鋼板を積層して固定子鉄心材と電機子鉄心材とを構成している。また、固定子鉄心の磁極部に界磁巻線を巻装し、電機子鉄心のスロット部に電機子巻線を巻装する構成になっている。
また、電気掃除機は、整流子モータを駆動源として多用している製品の一つであり、電気掃除機本体を小形軽量として操作性を向上させるため、本体に搭載される整流子モータも小形軽量なものが求められている。小形軽量化する手段として、例えば、非特許文献1には、高い回転速度を設定することと、電機子鉄心あるいは固定子鉄心の磁束密度を比較的高く設定する方法、とが開示されている。
モータ効率向上のアプローチとしては、風損、カーボンブラシの摺動摩擦損失や軸受摩擦損失の機械損失の低減、鉄心部から発生する鉄損の低減、巻線部から発生する銅損の低減などが挙げられる。しかしながら、モータ体格を極限まで小さく軽くしたモータでは、一般に磁束流路の断面積が減少することから必要出力を得るために必要な磁束は電流増加によって補うことになり、銅損低減は困難である。このため、低摩擦の軸受やカーボンブラシなどのモータ構成部品の開発を待たなければ、もはや大幅な効率向上が望めなかった。
電気学会回転機研究会資料RM−96−28「クリーナ用ユニバーサルモータの電力密度の向上について」、田倉敏靖,田中素之,秦野康則
ところで、アモルファス金属は電磁鋼板よりも鉄損が少ないため、モータ効率の向上のために電機子鉄心にアモルファス金属を使用することが提案される。
しかしながら、アモルファス金属は、高周波鉄損特性は良好であるが、飽和磁束密度が低いという特徴を備えている。つまり、アモルファス金属の初期透磁率は電磁鋼板より優れているものの、飽和磁束密度は高々1.5T程度であり、電磁鋼板の2.1Tに対して極端に低い。このため、磁束飽和を回避するために、電機子鉄心の歯部の磁路断面積を大きくする必要があり結果としてモータ体格が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、モータ体格を維持しつつ、電機子鉄心で発生する鉄損を低減することができるモータ、及びこれを用いた電動送風機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明のモータは、電磁鋼板を積層した固定子鉄心と、この固定子鉄心に形成された複数の磁極部に巻装された界磁巻線と、前記固定子鉄心の内側で回転し、複数のスロットを備えた電機子鉄心と、前記電機子鉄心のスロットに巻装した電機子巻線とを備えたモータにおいて、前記電機子鉄心の歯部とコアバック部とは、互いに磁気特性が異なることを特徴とする。
これによれば、飽和磁束密度が高いが高周波での鉄損が大きい電磁鋼板と、飽和磁束密度が小さいが鉄損が少ないアモルファス金属との双方を歯部とコアバック部とに用いることができる。すなわち、歯部とコアバック部との双方を電磁鋼板とするよりも、鉄損が少なくなる。この場合、歯部の方がコアバック部よりも磁束密度が大きいので、歯部に電磁鋼板を用い、コアバック部にアモルファス金属を用いることが好ましい。また、コアバック部は磁束密度が小さいので、アモルファス金属を用いても体積を大きくする必要がない。
本発明によれば、モータ体格を維持しつつ、電機子鉄心で発生する鉄損を低減することができるモータ、及びこれを用いた電動送風機を提供することができる。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である電動送風機を図面を用いて説明する。
図1の構成図において、電動送風機50は、整流子モータと送風機とを備え、これらはシャフト20で連結されている。送風機は、ファン30とディフューザ31とを備え、ファンケーシング32に格納されている。回転電機である整流子モータは、固定子6とその内側で回転する電機子5と整流子12とカーボンブラシ10とカーボンブラシ10を収納するブラシホルダ11とエンドブラケット34とを備え、これらはハウジング33に格納されている。なお、固定子鉄心2の端面と電機子鉄心1の歯部1aの外周面とはギャップ15を介している。
また、固定子6は、固定子鉄心2と固定子鉄心2に巻回された界磁巻線4とを備え、電機子5は、電機子鉄心1と電機子巻線3とを備え、電機子鉄心1は、歯部1aとコアバック部1bとを形成している。なお、電機子5と整流子12とファン30とを接続しているシャフト20は、出力側軸受21aと反出力側軸受21bとで支承されている。また、電機子5と固定子6とシャフト20とを備えてモータ(電動機)を構成している。
また、電機子鉄心1のスロット22(図2参照)には電機子巻線3が巻装され、各コイルの両端は整流子12を構成する各整流子片に接続されている。また、界磁巻線4と電機子巻線3とはカーボンブラシ10及び整流子12を介して互いに接続され、モータは直巻式電動機を構成している。すなわち、モータの端子間に商用交流電圧を印加するとモータ電流は一方の界磁巻線4を介してカーボンブラシ10に流れる。また、電機子5への電力の授受は一方のカーボンブラシ10と整流子12との機械的な摺動接触による通電で電機子巻線3に電流が流れる。また、他のカーボンブラシ10を介して、他の界磁巻線4に接続することにより界磁起磁力により主磁束が発生する。
モータトルクは、固定子鉄心2に巻装された界磁巻線4からの主磁束と、電機子鉄心1に巻装された電機子巻線3からの電機子反作用磁束との磁気的な相互作用により発生する。ここで、モータトルクは、主磁束量と電機子巻線3の導体数との積に比例するため、電機子鉄心1のスロットに電機子巻線3を占積率(導体断面積をスロット有効面積で除した値)が許す限り大きく設定し、巻装している。モータが高速回転すると、歯部1aは高速で主磁束を切るので、固定子1は商用周波数で磁束が変化する一方、電機子5は高周波で磁束が変化する。
図2に本実施形態のモータのA−A断面図を示す。固定子6は固定子鉄心2と界磁巻線4とを備え、固定子鉄心2はヨーク部2bと互いに対向する2つの磁極部2aとが形成されている。ヨーク部2bは、内側が四角に切り抜かれた四角形状であり、対向する2辺の内側に磁極部2aが形成されている。磁極部2aは、電機子5の外周に沿った円弧が形成され、この円弧の中心近傍でヨーク部2bに結合されている。なお、磁束は、円弧の中心近傍が最も多く、円弧の両端ほど少なくなるので、磁束密度を一定にするために円弧の両端ほど厚さが薄く形成されている。固定子鉄心2は、このような形状の電磁鋼板を金型で所定の形状に打ち抜いてから積層されて形成され、固定子鉄心2の磁極部2aに界磁巻線4が巻回され、固定子6が構成される。このように電磁鋼板を積層することによって、渦電流損が低減する。
一方、電機子鉄心1は、外周部に歯部1aが形成され、内周部にコアバック部1bが形成されている。歯部1aは、円環状のものの外周に複数のT字状の突起物(ティース)が放射状に形成されたものであり、この突起物の間にスロット22が形成される。また、コアバック部1bは、外径が歯部1aの内周に等しく、内径がシャフト20の外周に等しいドーナツ形状である。
次に、図3に基づいて、電機子鉄心1の組立工程について説明する。予め、電磁鋼板を積層した歯部1aと、アモルファス金属を積層したコアバック部1bとを作製し、歯部1aにコアバック部1bを圧入することにより各々を固定して電機子鉄心1を形成する。これにより、電機子鉄心1は、アモルファス金属が内包される。ここで、モータトルクをより一層確実に伝達させるため、圧入面に熱硬化性のエポキシ樹脂等により接着固定してもよい。
アモルファス金属は、電磁鋼板に対して高周波鉄損が小さく、1kHz前後から数10kHz程度までの周波数領域で駆動される比較的出力容量の大きなインバータ、UPS(無停電電源装置)やDC−DCコンバータなどのパワーエレクトロニクス機器、電力用トランスなどの磁性部品の低損失化を図ることができる磁性材料である。このため、およそ1kHzの駆動周波数を有する整流子モータの電機子鉄心1への適用により、鉄損低減による効率向上が期待される。
また、電機子鉄心1は、コアバック部1bのシャフト20と接する内周面にミゾ部8を形成し、シャフト20の外周面にはミゾ部8に嵌合するようにシャフト凸条7を設け、それぞれを圧入固定する(図4参照)。そして、電機子巻線3を歯部1aに巻装することにより電機子5が完成する。なお、シャフト20の一端には、回転軸方向の位置決めのために段差が設けられている。
なお、歯部1aとコアバック部1bとの固定方法は、圧入のほかに、歯部1aに予熱を加える焼嵌処理を施すこともできる。焼嵌処理とは、歯部1aとコアバック部1bとを高温にして、環状の歯部1aを熱膨張させることにより径を増加させ、歯部1aにコアバック部1bを挿入する。そして、歯部1aとコアバック部1bとを常温に戻すことにより、歯部1aの径が減少し、コアバック部1bと歯部1aとが嵌合する。すなわち、焼嵌処理では、圧入のように歯部1aとコアバック部1bを加圧する必要がなく精度よい組立が可能となる。また、歯部1a内周面とコアバック部1b外周面との間の隙間ギャップを極小にすることができるので、隙間による磁気抵抗増加の影響を抑えることができ、モータ効率を向上することができる。
さらに、図5に示したように電機子鉄心1の両側から端板9を用いて固定することもできる。端板9は、外径が歯部1aの外径に等しく、内径がシャフト20の外径よりも若干大きな環状である。端板9は非磁性部材、例えばアルミニウムやステンレス鋼などを用いてもよいが、電気絶縁性プラスチックを用いれば、電機子巻線3との絶縁性確保をすることもできる。これにより、部品点数が低減できるため低コスト化に有益である。
また、端板9を電気絶縁性プラスチックで構成した場合、電機子巻線3が巻装されるスロットの内部表面に沿うように延在させることで(図示せず)、スロット絶縁の役割も兼ねることができる。これにより、電機子鉄心1の組立工数を低減できモータ生産に好適な組立固定方法となる。
前記した数種類の組立固定法を用途に応じ組み合わせることにより、電機子鉄心1の外周で発生したモータトルクは、歯部1aからコアバック部1bを介してシャフト20に伝達され、最終的にはモータの負荷であるファン30の回転トルクとして伝達される。
図6は整流子モータの磁束密度分布の計算例であり、各部の平均磁束密度を0.5T毎に濃淡で表している、
歯部1aの最も高い平均磁束密度は、固定子鉄心1の磁極部中心近傍で対向している歯部1aaの磁束密度1.8Tである。これに対し、コアバック部1bは最大でも1.4Tに制限され、歯部1aに対して低い平均磁束密度である。この理由は、電機子鉄心1には複数のスロットが存在し、このスペースに電機子巻線3が巻装されるので、歯部1aではコアバック部1bと比較して磁路断面積が減少し、磁束密度が高くなるためである。また、固定子鉄心2の最も高い平均磁束密度はヨーク部の1.7Tであり、磁極部の平均磁束密度は1.2Tである。なお、図6においては、歯部1aaは、完全には磁極部中心に対向した位置ではなく、若干回転した位置であるので、歯部1aaに隣接する歯部に対向する磁極部2baと、反対側に隣接する歯部に対向する磁極部2bcとの磁束密度は大きく異なる。
また、図7は、電磁鋼板及びアモルファス金属の磁化曲線の代表例であり、実線が電磁鋼板の特性であり、破線がアモルファス金属の特性である。この磁化曲線は、横軸に磁化力H[A/m]を示し、縦軸に磁束密度B[T]を示している。飽和磁束密度は、電磁鋼板が2.1Tに対し、アモルファス金属の場合で1.5Tと両者に大きな違いがある。
また、図8では、比較例1,2ならびに本実施形態の設計仕様をまとめて示している。ここで、比較例1は電機子鉄心1の全体を電磁鋼板で構成した例であり、比較例2は電機子鉄心1の全体をアモルファス金属で構成した例である。本実施形態の整流子モータは、前記した通り、歯部1aに電磁鋼板を積層したものを用い、コアバック部1bにアモルファス金属を用いた構成となっている。モータ体格は、比較例1及び本実施形態の電機子の外径が39φであり、固定子の外径が82.5φであり、比較例2の電機子の外径が44φであり、固定子の外径が84.5φである。なお、比較例1,2及び本実施形態の積厚は、何れも20mmである。なお、回転速度45,000r/min 周波数750Hzのときのモータ効率(p.u.(per unit))は、比較例1が1.00であり、比較例2及び本実施形態が1.01である。
まず、本実施形態と比較例1との特性比較を行う。比較例1では歯部1aと、コアバック部1bとの何れも電磁鋼板で構成されているため、電機子鉄心1の最大磁束密度は1.8Tであり、電磁鋼板の飽和磁束密度2.1T以下で動作させている。このため、磁気飽和現象による漏れ磁束が少なくモータトルクに直接影響する主磁束の減少も少ない。なお、電機子鉄心1を構成する歯部1aはコアバック部1bと比較して磁路断面積が小さくなるので、磁束密度はコアバック部1bに対し高くなっている。
一方、本実施形態では、歯部1aの磁束密度が1.8Tであるので(図6参照)、電磁鋼板の飽和磁束密度2.1Tを下回っており、磁気飽和現象の影響は少ない。また、コアバック部1bの磁束密度は1.4Tであり(図6参照)、これもアモルファス金属の飽和磁束密度1.5T以下である。このため、局所的な磁気飽和現象があるものの、主磁束には大きな影響はない。よって、電機子鉄心1の比較例1と比較してもトルクに作用する主磁束は同等であり、かつ電機子鉄損を低減でき、整流子モータの効率を向上できる。
次に、比較例2との特性比較を行う。アモルファス金属は飽和磁束密度は高々1.5Tであるので(図7参照)、歯部1aにアモルファス金属を適用した場合、動作する磁束密度は1.8Tとなり、飽和磁束密度を大きく上回る。この上回った分はモータトルクとして作用しない漏れ磁束になる。つまり、主磁束が減少し所望のモータトルクを得ることができない。そこで、磁気飽和現象を抑制し、漏れ磁束を低減させて主磁束量を確保する手段として、磁路断面積を大きく設定することが挙げられるが、これは、モータ体格を大きくすることに繋がる。
このため、電機子外径を変更して磁路断面積を確保することを考える。具体的には、比較例1の電機子外径はφ39mmであったが、比較例2ではφ44mmまで増加させ(図8参照)、漏れ磁束発現による主磁束の減少を抑制する。電機子鉄心1へのアモルファス金属の適用により鉄損が低減し、モータ効率が向上したが、電機子外径を大きくしたので、小形軽量化を達成することができていない。
また、アモルファス金属は、磁性を確保するために熱処理されることが一般的であるが、熱処理により磁性と同時に機械的特性にも影響を及ぼすことになる。具体的には硬く脆くなり、高速で回転する電機子鉄心1にそのまま適用したのでは回転遠心力により電機子鉄心1が破壊して飛散する恐れもある。ところが本実施形態の構成では、歯部1aに電磁鋼板を配置してあるので、この回転遠心力からコアバック部1bの飛散を防止する作用が得られ、高速回転時において安定した性能を確保できる。
すなわち、比較例1では小形軽量化の利点はあるが、もはや電機子鉄心から発生する鉄損低減幅にかぎりがあること、また、比較例2においては、モータ効率向上の利点を有するが、小形軽量化と機械強度面で懸案となり、比較例1,2ともに一長一短がある。これに対し、本実施形態によれば、モータ体格を維持しながら、電機子鉄心1の鉄損を低減できモータの高効率化を行うことができる。
また、図9は、電機子鉄損の周波数特性を示したものであり、モータ体格を同じとした場合の比較例1と本実施形態との整流子モータ電機子鉄損の周波数に対する影響を示したものである。これによれば、本実施形態の整流子モータでは、アモルファス金属の鉄損特性が高周波になればなるほど、鉄損低減効果が顕著に現れる。本実施形態の整流子モータの電機子鉄損が比較例1を下回るのは、周波数500Hzを超える範囲、すなわち回転速度として約30,000rpm(r/min)以上の場合である。
以上説明したように、本実施形態によれば、歯部1aには電磁鋼板を用い、コアバック部1bにはアモルファス金属を適用することにより、モータ体格を小型に維持しながら、電機子鉄心1全体で発生する鉄損を低減させ整流子モータの効率を向上することができる。さらに、コアバック部1bを歯部1aに内包することにより、電磁鋼板で構成された歯部1aが強度部材となり、アモルファス金属で構成されたコアバック部1bの遠心力による飛散を防止できる効果が供与される。これは、アモルファス金属は磁性の性質を確保し、磁気特性の向上を図る目的で、熱処理を施すのが一般的であるが、この熱処理はアモルファス金属の内部微細組織を変化させ、機械的に硬く脆くなるので有用である。
言い換えれば、歯部1aで磁気飽和現象が発生することなく、また、漏れ磁束が増大して主磁束量が減少することがなく、所望のモータトルクを得ることができる。これに対して比較例においては、磁気飽和現象を緩和するには、歯部1aの磁路断面積を大きく設定する必要があり、電機子鉄心1の外径又は積厚長さを大きくして対応しなければならず、結果としてモータ体格が大きくなる。
また、電気掃除機は、小形軽量化とともに求められる性能として吸込み力がある。吸込み力は電動送風機の出力に強く依存するが、家庭用の電気掃除機ではモータに供給できる電力に限度がある。このため、整流子モータの効率向上によるモータ出力増加は、吸込み力を向上させる鍵である。
(第2実施形態)
図10に、第2実施形態のモータの構成図を示す。これは、第1実施形態に対し、コアバック部1bの外周形状をスロット位置に合わせて多角形状としたものであり、他の部分は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態では12スロット形状を採り上げたので、コアバック部1bの外周形状を12角形とした。このように多角形状とすることで、トルク伝達を角部でも受け持つことになり、周方向のトルク伝達性能を向上することができる。これにより、起動トルクが大きい場合など、歯部1aの内周面とコアバック部1bの外周面への接着工程を省くことができ、製作コストを低減化することができる。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が可能である。
(1)前記各実施形態は、固定子鉄心2の磁極部を2つ設けて2極としたが、4極以上にすることができる。
本発明の一実施形態である電動送風機の半断面図である。 本発明の一実施形態であるモータのA−A断面図である。 電機子鉄心組立の説明図である。 電機子鉄心組立の完成図である。 本発明の一実施形態である整流子モータのその他の電機子鉄心組立説明図である。 モータの磁束密度分布の説明図である。 鉄心材の磁化曲線の代表例である。 第1実施形態と比較例1,2との整流子モータ設計仕様の比較図である。 本実施形態と比較例1との鉄損の周波数特性を示す図である。 本発明の他の実施形態であるモータのA−A断面図である。
符号の説明
1 電機子鉄心
1a 歯部
1b コアバック部
2 固定子鉄心
2a 磁極部
2b ヨーク部
3 電機子巻線
4 界磁巻線
5 電機子
6 固定子
7 シャフト凸条
8 ミゾ部
9 端板
10 カーボンブラシ
11 ブラシホルダ
12 整流子
15 ギャップ
20 シャフト
21a 出力側軸受
21b 反出力側軸受
22 スロット
30 ファン
31 ディフューザ
32 ファンケーシング
33 ハウジング
34 エンドブラケット
50 電動送風機

Claims (9)

  1. 電磁鋼板を積層した固定子鉄心と、この固定子鉄心に形成された複数の磁極部に巻装された界磁巻線と、前記固定子鉄心の内側で回転し、複数のスロットを備えた電機子鉄心と、前記電機子鉄心のスロットに巻装した電機子巻線とを備えたモータにおいて、
    前記電機子鉄心の歯部とコアバック部とは、互いに磁気特性が異なることを特徴とするモータ。
  2. 前記歯部は、断面がT字状の複数のティースが放射状に備えられ、
    前記コアバック部は、前記歯部の内側に同心円状に形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記歯部は、電磁鋼板で構成され、
    前記コアバック部は、アモルファス金属で構成された
    ことを特徴とする請求項2に記載のモータ。
  4. 前記歯部は、断面がT字状の複数のティースが放射状に備えられ、
    前記コアバック部は、前記歯部の内側に多角形状に形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  5. 前記電機子鉄心は、アモルファス金属を内包したことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  6. 前記電機子巻線の両端を接続した整流子と、前記電機子鉄心及び前記整流子を固定するシャフトとを備えたことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  7. 前記界磁巻線と前記電機子巻線とは、前記整流子を介して直巻接続されたことを特徴とする請求項6に記載のモータ。
  8. 回転速度が30,000rpm以上で運転され、かつ前記電機子鉄心に作用する磁束密度が前記歯部では1.6T以上で動作し、前記コアバック部では1.5T以下で動作することを特徴とする請求項3に記載のモータ。
  9. 請求項1に記載のモータを用いた電動送風機。
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