JP2011250585A - アキシャルギャップ型モータとその固定子、及び、その製造方法、並びに、それを用いた空気調和機 - Google Patents

アキシャルギャップ型モータとその固定子、及び、その製造方法、並びに、それを用いた空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】低鉄損や低コギングトルクが実現可能な高効率なアキシャルギャップ型モータに適したアモルファス薄帯を用いた固定子の構造や方法を提供する。
【解決手段】非磁性かつ非金属の材料からなる芯部材の外周面上に、少なくとも一方の表面に絶縁皮膜を有する薄帯状のアモルファス電磁鋼板を、複数層にわたって巻き付けて小固定子鉄心を形成し、更に、得られた前記小固定子鉄心の外周に巻線を巻き回して小固定を形成し、当該得られた小固定子を、複数、円環状に配置して固定することによりアキシャルギャップ型モータの固定子を得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、アキシャルギャップ型モータに関し、特に、かかるアキシャルギャップ型モータモータにおいて、その鉄心にアモルファス材料を採用するに好適な固定子の構造とその製造方法、更には、それを用いた空気調和機に関するものである。
従来のアキシャルギャップ型モータの固定子の製造方法としては、例えば、以下の特許文献1にも記載されているように、テープ状の電磁鋼板を用いて渦巻状に巻き積層して形成した鉄心上に巻線を施して小固定子を形成した後、これらを、複数、等間隔に配置し、そして、樹脂で一体化してモールド成形することは、既に、知られている。なお、かかる従来の固定子の製造方法によれば、電磁鋼板の利用率が高くなり、電磁鋼板をプレスする機器や金型などの投資が不要であり、簡単な設備でも製造ができるなどの利点があった。また、現在、モータの固定子鉄心は、電磁鋼板で積層したものが一般的である。
ところで、一般に、モータの運転時には、発生する回転磁界によって、固定子鉄心の電磁鋼板に渦電流が生じて損失が発生する。この損失は電磁鋼板厚みの二乗に比例する。そのため、一般的には、固定子鉄心を形成する電磁鋼板は、薄帯であることが好ましい。例えば、薄帯のアモルファス材料をモータの鉄心に使用すれば、モータの鉄損(渦電流損)を低減し、効率の向上が図れると考えられる。しかし、アモルファス材料の材質は硬く、脆いため、打ち抜く、切断などの加工が困難であるため、モータ鉄心への適用の実現が大きな問題となっている。
そこで、例えば、以下の特許文献2によれば、アキシャルギャップ型モータの固定子鉄心を、アモルファス金属のリボンをそれ自体で巻き取ることにより形成することが既に提案されている。
特開2007−104795号公報 特開2009−284578号公報
即ち、上記特許文献2に記載のように、アキシャルギャップ型モータの固定子鉄心として、アモルファス金属のリボンをそれ自体で巻き取ることにより形成することによれば、モータの鉄損(渦電流損)を低減し、効率の向上が図れるが、しかしながら、なお、以下のような問題点がある。
アモルファス材料の材質は硬く、脆いため、アモルファス金属のリボンをそれ自体で巻き取る際、特に、その中心部において、その折り曲げ角部の半径が所定の限界値(例えば、1mm)を超えてしまい、その一部が破損する恐れがある。即ち、その製造上、更に改良の余地があった。また、アモルファス金属のリボンを巻き取ることによって形成された鉄心では、特に、その中心部において、周囲に巻回されたリボンからの応力により、その鉄損(渦電流損)が大きくなり、そのため、固定子としてモータに組み込んだ後に界磁電流を通流した際、当該中心部において発熱が生じてしまう。更に、アキシャルギャップ構造のモータでは、一般的に、固定子の両端部側に異極の磁石を配置していることから、コギングトルクは大きく、そのため、コギングトルクの発生を抑制することが求められており、そのために好適な鉄心の構造が強く要請されている。
そこで、本発明は上述した従来技術における問題点に鑑みて達成されたものであり、より具体的には、リボン(薄帯)状のアモルファス金属によっても、その一部に破損などを生じることなく、かつ、コギングトルクの抑制に好適な構造の固定子とその製造方法、更には、かかる固定子を用いたアキシャルギャップ型モータ、更には、それを用いた空気調和機を提供することをその目的とするものである。
本発明によれば、上述した目的を達成するため、まず、非磁性かつ非金属の材料からなる芯部材の外周面上に、少なくとも一方の表面に絶縁皮膜を有する薄帯状のアモルファス電磁鋼板を、複数層にわたって巻き付けてなる小固定子鉄心と、当該小固定子鉄心の外周に巻き回した巻線と、からなる小固定子を、複数、円環状に配置して固定して構成したアキシャルギャップ型モータの固定子が提供される。
なお、本発明では、前記に記載したアキシャルギャップ型モータの固定子において、前記薄帯状のアモルファス電磁鋼板は、0.01〜0.04mmの厚さを有し、かつ、前記棒状部材は、その断面角部には、前記薄帯状アモルファス電磁鋼板の厚さの10倍以上の半径を有する湾曲部を形成していることが好ましく、更には、前記薄帯状のアモルファス電磁鋼板は、0.025mmの厚さであることが好ましい。
また、本発明によれば、上述した目的を達成するため、非磁性かつ非金属の材料からなる芯部材を用意し、前記芯部材の外周面上に、少なくとも一方の表面に絶縁皮膜を有する薄帯状のアモルファス電磁鋼板を、複数層にわたって巻き付けて小固定子鉄心を形成し、更に、得られた前記小固定子鉄心の外周に巻線を巻き回して小固定を形成し、当該得られた小固定子を、複数、円環状に配置して固定するアキシャルギャップ型モータの固定子の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、やはり上述した目的を達成するため、複数の小固定を円環状に配置してなる固定子と、前記固定子の少なくとも一端面に対し、所定のギャップを保持して対向して配置され、当該固定子に対向する面に複数の永久磁石を円環状に配置してなる回転子とを備えたアキシャルギャップ型モータにおいて、前記小固定は、非磁性かつ非金属の材料からなる芯部材の外周面上に、少なくとも一方の表面に絶縁皮膜を有する薄帯状のアモルファス電磁鋼板を複数層にわたって巻き付けて形成した小固定子鉄心の外周に、巻線を巻き回して形成されているアキシャルギャップ型モータが提供される。
なお、本発明では、前記に記載したアキシャルギャップ型モータにおいて、前記小固定子鉄心の両端面には、当該モータの半径方向に沿って、複数のスリット(溝)が形成されていることが、又は、前記小固定子鉄心の両端面は、当該鉄心の厚みが中央部に対して両側で薄くなる曲面となっていることが、或いは、前記回転子を構成する永久磁石は、周辺部における厚さが中央部よりも薄くなっていることが好ましい。更には、前記に記載したアキシャルギャップ型モータにおいて、一対の前記回転子が、前記回転子の両端面に対向して設けられていることが好ましい。
更に、本発明によれば、蒸発器を含む室外機と、圧縮機、凝縮器、膨張弁を含む室外機とを備え、前記圧縮機内に封入された冷媒を、配管を介して、当該室外機の前記凝縮器、前記膨張弁、更に、前記室外機の前記蒸発器に、順次循環する冷凍サイクルを構成する空気調和機において、前記室外機の前記蒸発器、又は、前記室外機の前記凝縮器において、前記冷媒の熱を外部の空気と熱交換するためのファンを回転駆動するための手段として、前記に記載したアキシャルギャップ型モータを用いる空気調和機が提供される。
上述した本発明によれば、リボン(薄帯)状のアモルファス金属によっても、その一部に破損などを生じることなく、かつ、コギングトルクの抑制に好適な構造の、アキシャルギャップ型モータのための固定子とその製造方法が提供され、これにより、低鉄損で低コギングトルクの高効率なアキシャルギャップ型モータが得られ、更には、かかる固定子を用いたアキシャルギャップ型モータが提供され、更には、それを用いることにより、電力の入力を低減してCOの排出を削減できるという効果を発揮し、かつ、運転時における振動や騒音の発生を低減して静音に優れた空気調和機が達成すると言う実用的にも優れた効果が達成される。
本発明の一実施の形態になるアキシャルギャップ型モータの詳細構成を示すための軸方向の断面図である。 上記アキシャルギャップ型モータの、上記軸と垂直方向の(図1のA―A)断面図である。 上記アキシャルギャップ型モータの回転子の一部の詳細構造を示すための正面図及び側面図である。 上記アキシャルギャップ型モータにおける回転子の小固定子の構造及びその製造工程を示す外形斜視図である。 上記小固定子により発生される磁束Φの特性を示す図である。 本発明の変形例になるアキシャルギャップ型モータの小鉄心の詳細構造を示すための斜視及び側面図である。 本発明の変形例になるアキシャルギャップ型モータの小鉄心の詳細構造を示すための斜視及び側面図である。 本発明の変形例になるアキシャルギャップ型モータの回転子の詳細構造を示すための正面及び側面図である。 本発明のアキシャルギャップ型モータを採用した空気調和機の冷凍サイクル構成を示す図である。
以下、本発明になる実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の一実施の形態になるアキシャルギャップ型モータの全体構成について、添付の図1〜図3を参照しながら以下に詳細に説明する。
添付の図1は、本発明になるアキシャルギャップ型モータの軸方向に沿った断面構成図であり、図2は、上記軸方向に垂直方向に沿った(即ち、図1におけるA−A断面)断面構成図であり、そして、図3(A)及び(B)は、アキシャルギャップ型モータを構成する回転子の一部の詳細構造を示す図である。
これらの図からも明らかなように、アキシャルギャップ型モータ1は、外形略円筒形状の固定子2を備えており、当該固定子2の中央部には、貫通孔が形成されている。一方、上記固定子2の両端部(図の左右の側端部)には、一対(2個)の円盤状の回転子3、3が、それぞれ、僅かなギャップ(隙間)をもって端面に対向するように配置され、かつ、これらの円盤状の回転子3、3は、上記固定子2の中央に形成した貫通孔に一対のベアリング5、5を介して回転自在に取り付けられたシャフト4に固定されている。また、これら円盤状の回転子3、3の夫々には、後に図3(A)及び(B)にも示すが、上記固定子2と対向する面上に、例えば、ネオジウム磁石等からなる、外形が扇形状の複数(本例では、8枚)の永久磁石17、17が貼り付けられている。
アキシャルギャップ型モータでは、上記の固定子2は、例えば、樹脂等、非磁性の材質を成形などの方法で製作し、その外周近傍に複数の貫通穴19を形成したホルダー8と、当該ホルダー8の複数の穴19の内部に挿入される複数(本例では、12個)の小固定子16とを備えており、これらは、一体にモールドされて構成されている。また、これらの小固定子16には、三相の巻線15が施されている。更に、上記固定子2の両端部には、それぞれ、保護用のブラケット7a、7bが、例えば、ネジ等により取り付けられており、また、当該ブラケットの一方(本例では、図の左側のブラケット7bの内側には、当該アキシャルギャップ型モータを駆動・制御するためのモータ制御回路(図示せず)をその表面に搭載又は形成したモータ制御基板6が取り付けられている。加えて、参照符号31は、上記モータ制御基板6上に取り付けられた、即ち、磁極センサとしてのホール素子を示しており、そして、18は、上記固定子2の外周の突起部に形成されて貫通穴を示しており、当該貫通穴によりモータを所定の位置(場所)に取り付けられる。
更に、上述したアキシャルギャップ型モータでは、二つの回転子3は、前記固定子2を挟むように配置され、もって、前記回転子3に貼り付けた複数の永久磁石17は、それぞれ、前記複数の小固定子16に対向する位置に設けられることとなる。また、前記二つの回転子3は、前記固定子2の両端面との間に一定のギャップ(例えば、0.3〜1.5mm)を保持するように前記シャフト4に固定されており、前記回転子3は前記ベアリング5を介して自由に回転できることとなる。
また、前記モータ制御基板6上には、磁極センサとしてのホール素子31が設けられており、これにより、回転子3に貼り付けた複数の前記永久磁石17の磁極を検知しており、これにより、当該基板6上に搭載したモータ制御回路は、検出した前記永久磁石17の磁極情報(即ち、回転子3の位置情報)を入力として、前記固定子2の三相巻線15に通電するタイミングを決定して駆動電流を供給し、もって、モータを所望の制御に従って運転する。即ち、ここで、前記モータ制御基板6に搭載されるモータ制御回路としては、例えば、商用電源からの交流電力の整流する整流器、制御装置を構成するマイクロコンピュータ、ドランバICなどの電子部品を含んでおり、PAM又はPWM制御を行う機能を有するものである。なお、本例では、前記二つの回転子3、3は、共通のシャフト4上に固定されていることから、その一方の近傍にのみ配置すれば足りる。
<小固定子>
続いて、上記に構成を述べたアキシャルギャップ型モータにおける前記固定2の構成、特に、当該固定子2を構成する複数の小固定子16について、その一つを取り出して、以下に、詳細に説明する。
添付の図4(A)〜(C)は、各小固定子16の構造とその製造工程を示している。まず、図4(A)に示すように、例えば、棒状で所定の長さを有しており、その断面を略扇形とした(所謂、角柱状の)非磁性体材料の芯部材(以下、「非磁性部材」と言う)11を用意する。なお、この非磁性部材11は、例えば、樹脂など、非磁性でかつ非金属の材料により、成形などの方法で、単品として作成され、そして、その扇形断面の各角部には、以下に述べるアモルファス薄帯12の厚さの略10倍以上の半径(r)を有する湾曲部(又は、テーパ部)111が形成されている。
続いて、図4(B)に示すように、上記非磁性部材11の外周面に、それを中心として、その片面に予め絶縁皮膜を形成したアモルファス薄帯12を、複数層にわたって巻き付ける。このアモルファス薄帯12は、0.01〜0.04mmの厚さを、更に好適には、0.025mmの厚さを有している。その後、巻き付けたアモルファス薄帯12の厚さ(外周)が所定の寸法になると(又は、所定の回数だけ巻き付ける)、当該アモルファス薄帯12を切断し、更には、図示しないが、その外周に接着剤や樹脂のコーティングを施すことによって固定子鉄心を全体として一体に固定し、或いは、接着剤付きの絶縁紙をその外周に巻いて固定子鉄心を固定する。これによれば、図に示すように、アモルファス材料からなる断面が略扇形の小固定子鉄心14が作成されることとなる。
その後、図4(C)のように、前記小固定子鉄心14の外周に、更に、巻線15を巻き付け、そして、その両端線15a、15bを外部に取り出した状態で、当該巻線15の外周に、更に、接着剤や樹脂のコーティングを施し、又は、接着剤付きの絶縁紙を巻き付けることにより、小固定子16を完成する。
その後、上述のようにして完成された小固定子16を、複数個(例えば、本例では、12個)、上記図1又は図2に示した円筒状のホルダー8の外周近傍に形成した複数の貫通穴19に挿入して固定し、更に、それぞれの端線15a、15bを三相巻線(U、V、W)に結線する。その後、複数個の小固定子16をホルダー8と共に型に入れ、更に、当該型に樹脂を流し込んで一体化し、もって、固定子2として完成する。
即ち、上述したアキシャルギャップ型モータの固定子、特に、当該固定子を構成する小固定子鉄心14の製造方法によれば、当該小固定子鉄心14を、アモルファス薄帯12を非磁性部材11の外周面に巻き付けることにより形成することから、硬くて脆いために加工が困難であるアモルファス材料の薄帯を、比較的簡単な設備(方法)によって、容易に、損傷することなく製造することが可能となる。その際、非磁性部材11の断面角部には、湾曲部(又は、テーパ部)111が形成されていることから、アモルファス薄帯12を非磁性部材11の外周面に巻き付ける際に、当該角部により損傷されることから回避される。
また、このようにして完成された小固定子鉄心14では、その中心部には、アモルファス薄帯12ではなく、例えば樹脂製の非磁性部材11が存在することから、その周囲に巻き付けたアモルファス薄帯の鉄損(渦電流損)が応力によって増大することもなく、そのため、その中心部において発熱が生じることもない。更に、添付の図5にも示すように、巻線15により発生する磁束Φが小固定子鉄心14の中心部に集中することなく、全体に分布した、回転子を回転駆動するために良好な磁界を発生することが可能となる。即ち、特に、アキシャルギャップ構造のモータに採用した場合、コギングトルクの発生を抑制することが可能となる。なお、この図5は、上記図4(C)に示した小固定子鉄心14により発生する磁束Φの変化(特性)を、当該図の一点鎖線B−B’に沿って示したものである。
<固定子>
なお、上述のようにして形成された小固定子鉄心14は、複数(12個)用意され、そして、上記図2にも示したように、非磁性の材質である樹脂により成形などの方法で製作されたホルダー8の外円周に沿って、同心上に等間隔で設けられた複数(12個)の穴19内に挿入し、もって、円環状に配置して固定される。更に、三相巻線(U、V、W)の端線を結線した後、これを予め用意した型に挿入して樹脂を流し込んで、固定子2として、一体にモールド形成することにより、固定子が形成される。
<回転子>
回転子は、上記図1及び図3(A)及び(B)からも明らかなように、非磁性材料(金属、又は非金属でも良い)からなる一対の円盤状の回転子3を、共通のシャフト4の両端に固定して構成されており、各円盤状部材の内側の面には、それぞれ、複数(8枚)の永久磁石17が接着剤などにより貼り付けられている。これによれば、上記固定子2の両端面には、一対の回転子3が、対向して配置される。そして、図示しない着磁装置を用いてパルス電流を固定子2に流すことにより、隣接する小固定子鉄心14が互いに異なる極となり、かつ、回転する磁界を発生することにより、回転子3が回転することとなる。
ここで、前記永久磁石17の材質としては、例えば、フェライト、又は希土類磁石でも良い。また、その形状は、上述した扇形に限らず、その他、例えば、長方形、正方形、楕円、円などの形状でも良い。なお、その厚みは、本例では、均等である。
以上のように、本実施例によれば、低鉄損でかつ高透磁率のアモルファス薄帯を用いて固定子鉄心を、簡単な製造工程で、容易に、損傷することなく製造することが可能となる。また、作成された固定子鉄心を、特に、アキシャルギャップ型モータの固定子に採用することにより、その鉄損(渦電流損)による発熱を減少してモータの高効率の実現が可能となると共に、コギングトルクの発生を抑制することが可能となる。
なお、以上に述べた実施例では、モータの固定子は12極、回転子は8極の構成になっているが、これら固定子と回転子の極数比は、上記した以外の組み合わせとすることも可能である。また、場合によっては、本実施例における回転子側を固定とし、他方、固定子側を回転するように構成することも可能であろう。
<変形例>
続いて、上記に詳述した本発明の一実施例になるキシャルギャップ型モータの他の変形例について、以下に、図面を参照しながら説明する。なお、図6(A)及び(B)は及び図7(A)及び(B)は、上述した小固定子鉄心14の他の例を示している。なお、これらの図は、それぞれ、変形例になる小固定子鉄心の外形を示す斜視図と側面図を含む。
まず、図6(A)及び(B)に示した小固定子鉄心は、上記小固定子鉄心14と同様、一定長さの非磁性体材料の部材11を中心部として、その外周に沿って、片面に絶縁皮膜を有するアモルファス薄帯12を巻き、接着剤(又は、樹脂、テープでも良い)のコーティングによって固め、もって、扇形断面のアモルファス材料の小固定子鉄心34として形成する。その後、形成した小固定子鉄心34の両端面(図では、一方の端面32のみを示す)に、モータの半径方向に沿うように、例えば、幅0.1〜1.5mm、深さ0.5〜2mmのスリット(溝)35を、例えば、切削などにより形成する。
なお、かかる両端面にスリット(溝)35を形成した小固定子鉄心34によれば、回転子の永久磁石17と前記小固定子鉄心34の間に発生するコギングトルク振幅を減少することが出来る。即ち、モータの運転時には、前記永久磁石17と前記小固定子鉄心34との間にコギングトルクが発生した場合、このコギングトルクはモータの振動の原因となる加振力となり、特に、これがモータの固有値と一致した時には、大きな騒音が生じる等の問題があるが、上記の構成によれば、モータの振動・騒音を抑制することができるキシャルギャップ型モータを提供することが可能となる。
また、図7(A)及び(B)に示した小固定子鉄心は、図からも明らかなように、永久磁石17と対面する小固定子鉄心38の両端面(図では、一方の端面のみを示す)を、その中央部は厚く、かつ、その両側37、37が薄くなるよう、即ち、鉄心の厚み(磁束が通る方向の厚み)が不均一となる曲面36で形成したものである。かかる小固定子鉄心38によれば、モータの回転時、互いに隣接して配置された異極の永久磁石17(S、N極)が、前記小固定子鉄心38に巻かれた巻線15に誘導する誘起電圧を滑らかに変化させるため、永久磁石17と固定子2との間に生じるコギングトルク振幅が減少され、モータの振動・騒音を抑制することができる。
更に、添付の図8(A)及び(B)は、本発明の変形例になる回転子(一方の円盤状の回転子)の詳細構造を示しており、特に、この変形例になる回転子では、図8(B)に明らかなように、前記小固定子鉄心と対面する永久磁石47を、周辺部において厚さの異なる(具体的には、周辺部が中央部よりも薄い)形状とする。このことにより、上記と同様に、モータの回転時、互いに隣接して配置された異極の永久磁石47(S、N極)が、前記小固定子鉄心に巻かれた巻線に誘導する誘起電圧を滑らかに変化させるため、永久磁石17と固定子2との間で生じるコギングトルクの振幅が減少され、モータの振動・騒音を抑制することができる。
即ち、上記の変形例によれば、上述した実施例により得られる利点を含め、更に、低損失のアモルファス鉄心材料で構成したアキシャルギャップ型のモータにおける騒音・振動を減少し、且つ、高効率モータの実現が可能となる。
<適用例>
更に、添付の図9は、上記に構成の詳細を述べたアキシャルギャップ型モータを採用した空気調和機(更には、冷蔵又は冷凍装置等)の冷凍サイクル構成を示す図である。この図9において、符号80は室外機、81は室内機である。また、圧縮機83内には、冷媒が封入されており、そして、当該圧縮機83は、配管を通して、凝縮器84、膨張弁85、そして、蒸発器86に、順次、繋がっている。そして、この冷凍サイクルにおいて、上述した本発明になるアキシャルギャップ型モータは、特に、凝縮器84や蒸発器86において、より具体的には、それぞれにおけるファン88、88を回転駆動するための動力源として使用されている。
即ち、上記の冷凍サイクルにおいて、本発明になるアキシャルギャップ型モータ1は、当該モータの回転によりファン88を回転し、熱交換器内に流れている冷媒の熱を、周囲の空気との間で熱交換を可能にする。これにより、冷凍サイクルでは、冷媒を図の矢印の方向に循環させることとなる。そして、圧縮機83は、冷媒を圧縮し、当該圧縮した冷媒を矢印の方向に循環させることにより、凝縮器84と膨張弁85からなる室外機80、そして、蒸発器86からなる室内機81と間で熱交換を行い、もって、冷又は暖房機能を発揮することとなる。
そして、本発明になるアキシャルギャップ型モータ1を、上述した空気調和機、冷蔵又は冷凍装置等の冷凍サイクルにおいて、その蒸発器84や凝縮器86のファン88を回転駆動するための動力源(モータ)として使用することによれば、当該モータの効率の向上により、装置への電力の入力を低減できることから、地球温暖化につながるCOの排出を削減できるという効果を発揮する。また、信頼性の向上と共に、更に、装置の運転時における振動や騒音の発生を低減し、もって、静音に優れた装置を提供することが可能になるという効果をも達成することが可能となる。
1…キシャルギャップ型モータ、2…固定子、3…回転子、4…シャフト、5…ベアリング、6…モータ制御基板、7a、7b…ブラゲット、8…ホルダー、9…非磁性体円盤、10…ホルダー穴、11…非磁性体部材、12、14、24、34…小固定子鉄心、13…絶縁紙、15…巻線、15a、15b…巻線端線、16、30…小固定子、17、47…永久磁石、18…モータ取付け部、25、26、27、35…スリト、36、37…鉄心端面、80…室外機、81…室内機、82…圧縮機、83…圧縮機、84…凝縮機、85…膨張弁、86…蒸発器、88…ファン、111…湾曲部。

Claims (10)

  1. 非磁性かつ非金属の材料からなる芯部材の外周面上に、少なくとも一方の表面に絶縁皮膜を有する薄帯状のアモルファス電磁鋼板を、複数層にわたって巻き付けてなる小固定子鉄心と、
    当該小固定子鉄心の外周に巻き回した巻線と、
    からなる小固定子を、複数、円環状に配置して固定して構成したことを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子。
  2. 前記請求項1に記載したアキシャルギャップ型モータの固定子において、前記薄帯状のアモルファス電磁鋼板は、0.01〜0.04mmの厚さを有し、かつ、前記棒状部材は、その断面角部には、前記薄帯状アモルファス電磁鋼板の厚さの10倍以上の半径を有する湾曲部を形成していることを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子。
  3. 前記請求項2に記載したアキシャルギャップ型モータの固定子において、前記薄帯状のアモルファス電磁鋼板は、0.025mmの厚さであることを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子。
  4. 非磁性かつ非金属の材料からなる芯部材を用意し、
    前記芯部材の外周面上に、少なくとも一方の表面に絶縁皮膜を有する薄帯状のアモルファス電磁鋼板を、複数層にわたって巻き付けて小固定子鉄心を形成し、更に、
    得られた前記小固定子鉄心の外周に巻線を巻き回して小固定を形成し、
    当該得られた小固定子を、複数、円環状に配置して固定することを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子の製造方法。
  5. 複数の小固定を円環状に配置してなる固定子と、
    前記固定子の少なくとも一端面に対し、所定のギャップを保持して対向して配置され、当該固定子に対向する面に複数の永久磁石を円環状に配置してなる回転子とを備えたアキシャルギャップ型モータにおいて、
    前記小固定は、非磁性かつ非金属の材料からなる芯部材の外周面上に、少なくとも一方の表面に絶縁皮膜を有する薄帯状のアモルファス電磁鋼板を複数層にわたって巻き付けて形成した小固定子鉄心の外周に、巻線を巻き回して形成されていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  6. 前記請求項5に記載したアキシャルギャップ型モータにおいて、前記小固定子鉄心の両端面には、当該モータの半径方向に沿って、複数のスリットが形成されていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  7. 前記請求項5に記載したアキシャルギャップ型モータにおいて、前記小固定子鉄心の両端面は、当該鉄心の厚みが中央部に対して両側で薄くなる曲面となっていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  8. 前記請求項5に記載したアキシャルギャップ型モータにおいて、前記回転子を構成する永久磁石は、周辺部における厚さが中央部よりも薄くなっていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  9. 前記請求項5に記載したアキシャルギャップ型モータにおいて、一対の前記回転子が、前記回転子の両端面に対向して設けられていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
  10. 蒸発器を含む室外機と、
    圧縮機、凝縮器、膨張弁を含む室外機とを備え、
    前記圧縮機内に封入された冷媒を、配管を介して、当該室外機の前記凝縮器、前記膨張弁、更に、前記室外機の前記蒸発器に、順次循環する冷凍サイクルを構成する空気調和機において、
    前記室外機の前記蒸発器、又は、前記室外機の前記凝縮器において、前記冷媒の熱を外部の空気と熱交換するためのファンを回転駆動するための手段として、前記請求項5に記載したアキシャルギャップ型モータを用いることを特徴とする空気調和機。
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