JPH1018980A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH1018980A
JPH1018980A JP17455796A JP17455796A JPH1018980A JP H1018980 A JPH1018980 A JP H1018980A JP 17455796 A JP17455796 A JP 17455796A JP 17455796 A JP17455796 A JP 17455796A JP H1018980 A JPH1018980 A JP H1018980A
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JP
Japan
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oil
shell
main shaft
scroll
hole
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Pending
Application number
JP17455796A
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English (en)
Inventor
Masaaki Sugawa
昌晃 須川
Shinken Kosone
伸憲 小曽根
Atsushi Osada
淳 長田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機内部の潤滑油中の異物によりポンプ部
の損傷や軸受部の異常摩耗が生じないスクロール圧縮機
を得る。 【解決手段】 スクロール圧縮機内の給油経路途中に軸
方向に対してほぼ直角方向のパイプ壁部、または、シェ
ル底部の方向に向くパイプ壁部を備えた通路拡大部を設
け、この通路拡大部で油中の異物を沈澱させ、パイプ壁
部に異物を分離捕捉させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば空気調和
機、冷凍機等に用いられるスクロール圧縮機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図11は例えば特開平4−54294号
公報に開示された従来のスクロール圧縮機を示す。図に
おいて、1は渦巻ラップ1aを有する固定スクロール、
2は渦巻ラップ1aに組み合わされる渦巻ラップ2aを
有した揺動スクロール、3は揺動スクロール2に連結さ
れこの揺動スクロール2を揺動運動させる主軸、4は揺
動スクロール2を主軸3に固定するオルダム継手、5は
シェル8に焼嵌め接触部10にて焼嵌め固定されたフレ
ーム(上部フレームの一例)である。6はフレーム5の
下方側に設けられ主軸3の下端を回動自在に軸支するサ
ブフレーム(下部フレームの一例)である。7はフレー
ム5とサブフレーム6との間に配備され一般的なロー
タ、ステータ等からなり主軸3を回転駆動するモータ
(モータ部の一例)、11は固定スクロール1の軸心部
に穿設された冷媒ガス吐出用の吐出ポート、31は主軸
3内に当該軸心部に沿って穿設された油穴、32は潤滑
油を汲み上げて油穴31に送る油ポンプ部、51は揺動
スクロール2のスラスト力を支えるスラスト軸受、81
はシェル8に設けられた密封端子、82は冷媒ガス用の
吸入管でありシェル8内のモータ側空間84に開口して
いる。83は吐出管でありシェル8内にて吐出ポート1
1と連通する固定スクロール側空間85に開口してい
る。86はシェル8底部の油溜りである。なお、5aは
焼き嵌め時のフレーム5の変形を緩衝する逃し穴、5b
はリーマ穴、101aはリーマ穴である。
【0003】次に、前記従来の圧縮機の動作について説
明する。密封端子81に通電がされると、モータ7が駆
動し、これに同期して主軸3が回転する。それに伴って
揺動運動する揺動スクロール2と固定スクロール1との
協働作用によって、流体ガスが圧縮される。この際、流
体ガスは、シェル8の外部から吸入管82を通してモー
タ側空間84に吸引された後、前記両スクロール1、2
よりなる圧縮室(圧縮部の一例)へ吸入されて圧縮され
る。更に、流体ガスは吐出ポート11から吐出管83を
経て、シェル8外へ排出される。また、主軸3が回転す
ると、遠心ポンプまたは容積型ポンプ等の油ポンプ部3
2が連動する。これによって、油溜り86内の潤滑油
は、主軸3内に設けられた油穴を通ってスラスト軸受5
1等に給油された後、自重によりシェル8内の間隙部を
通って再び底部の油溜り86内へ戻る。
【0004】従来の圧縮機の給油装置は以上のように構
成されているので、例えば微小な砂、鉄粉、銅粉等の異
物が吸入管82を通して機外から圧縮機内へ持ち込まれ
た場合、これらの異物は、潤滑油に随伴し油穴31を経
て前記スラスト軸受51等に流れ込んでこれらの軸受部
の異常摩耗や焼付き等の支障を生じさせたりすることが
ある。一方、油ポンプ部として、例えばトロコイド歯形
の回転子を有する容積型ポンプを用いた場合、異物が奥
歯に入り込んで歯部・その他の損傷等をたびたび発生さ
せるといった問題があった。
【0005】そこで、図12に示したように、吸入管8
2に拡管部87を設け、圧縮機内への異物の侵入を防止
するフィルタ88を前記拡管部87内に設けることが考
えられる。このような構成は、圧縮機の吸入管82、吐
出管83が接続されてなるいわゆる冷凍サイクルより圧
縮機内に持ち込まれる異物から圧縮機を有効に保護する
ための比較的簡便な手段として、従来から採用されてい
る。
【0006】図13、14、15は、特開平6−235
387号公報に開示された従来の容積型ポンプを使うス
クロール圧縮機を示す断面図である。図中記号、構成は
図11、12と同じであるため、説明を省略する。図1
3、14は、それぞれ、容積型ポンプを用いたスクロー
ル圧縮機及び容積型ポンプを示す縦断面図、図15は容
積型ポンプを構成する各部品を示す斜視図である。各図
において、主軸3の油溜り86側端面38は、側面を一
部切欠かれた下向き突起状に形成されており、油ポンプ
部32を構成する例えばトロコイド歯形状のインナーロ
ータ321及びアウタロータ322のうち、インナーロ
ータ321の中央部に穿設された係止穴323と着脱可
能に嵌合・係止される。これによって、インナーロータ
321は主軸3と同期して回転する。油ポンプ部32を
収納するポンプケース39は、ポンプケース39の軸心
に対して所定量偏心した位置に形成された凹嵌部391
にアウターロータ322の外径部を収納可能に形成され
ている。また、ポンプポート40には、潤滑油出し入れ
の為の入口ポート402と出口ポート401が穿設さ
れ、ピン41によってポンプケース39に回転方向に対
して位置決め固定されている。また、サブフレーム6の
下面の所定位置には、ポンプケース39から皿ばね42
までの各部品を収納可能のポンプ部収容部61が上向き
に陥入して形成されている。
【0007】フィルタ36を収納したパイプ部43を有
する円盤状のポンプカバー44の上面には、下端面40
3に皿ばね42を当てがった状態のポンプポート40が
所定位置に位置決め載置される。ポンプカバー44は、
皿ばね42を押し上げた状態でサブフレーム6の下面に
例えばボルト442等により固定されている。このとき
発生する皿ばね42の付勢力によって、ポンプケース3
9とポンプポート40の軸方向シールが行われ、油ポン
プ部32における潤滑油の漏れが防止されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たように吸入管82にフィルタ88を設けたとしても、
圧縮機を組み立てる際に、異物(例えば、各部品単体の
加工時のバリ、カエリ、切削時の切り粉、シェルの溶接
時のスパッタや、圧縮機運転時に発生する各軸受部の摺
動による摩耗粉等)が、圧縮機内部にて生じることを避
けることは極めて困難である。これらの異物は、油溜め
86の潤滑油と混在し、圧縮機内を随伴して流通する。
そのため、圧縮機内部にて生じた異物によっても、各軸
受部の摩耗を促進し、更には過度の摩耗から焼付けを起
こすことがある。また、前述のように、容積型ポンプの
歯部の損傷を引き起こす原因にもなる。
【0009】またユニット配管長が長い場合、据付工事
時、配管溶接による酸化スケールが多量に発生し、運転
中圧縮機内へ流入する。酸化スケールは最初はフィルタ
に捕捉されていても徐々に小さくなっていき、しいては
ユニットのストレーナを通り抜けて圧縮機へ流入し、さ
らに圧縮機内に設けたフィルタを通り抜けてポンプを通
り軸受部へ入ってしまう。そのため軸受部の摩耗を促進
し、しいては過度の摩耗から焼付をおこすことがあっ
た。又、軸受部を通り抜けた小さな異物も循環して油貯
溜部に戻りフィルタを通って、再度ポンプから吸上げら
れ軸受部に入り更に摩耗を促進させてしまう。又、異物
が圧縮機内に多量に入るとモータに付着し、絶縁劣化
メグ不良等発生する場合もあった。
【0010】この発明は、前述したような問題点を解決
するためになされたもので、圧縮機内部の潤滑油中の異
物を分離、捕捉する手段を設けることにより、異物がポ
ンプ部や軸受部に流入しないようにし、また、モータ部
に付着しないようにし、ポンプ部の損傷や軸受部の摩耗
の防止、また、異物付着によるモータ部の絶縁不良防止
等を図ること、さらに、これらの手段を容易に形成でき
ること等を目的とする。その他、後述のように、補足的
な効果を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係るものは、シェル内に設けられ、固定スクロールと揺
動スクロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部
と、シェル内に収納され揺動スクロールを駆動するモー
タ部と、揺動スクロールに連結され、モータ部により回
転する主軸と、主軸内に軸方向に設けた油穴と、主軸を
回転自在に軸支するフレームと、シェルの底部に貯溜し
た潤滑油を汲み上げ、油穴に供給する油ポンプ部と、シ
ェル底部の潤滑油に開口し、油ポンプ部へ潤滑油を導く
パイプ部とを備えたスクロール圧縮機において、前記パ
イプ部途中に通路拡大部を設け、前記通路拡大部は、少
なくとも軸方向に対してほぼ直角方向のパイプ壁部、ま
たは、シェル底部の方向に向くパイプ壁部を備えたもの
である。
【0012】また、この発明の第2の発明に係わるもの
は、第1の発明において、パイプ部をシェル底部の潤滑
油側の通路径小のパイプ部とポンプ側の通路径大のパイ
プ部とで構成し、パイプ部途中の通路拡大部である通路
径小のパイプ部と通路径大のパイプ部との接続部で通路
径小のパイプ部を通路径大のパイプ部に突出させ接続し
たものである。
【0013】また、この発明の第3の発明に係わるもの
は、第1の発明において、パイプ部途中の通路拡大部よ
りポンプ部側のパイプ部の通路径を前記通路拡大部より
縮小したものである。
【0014】また、この発明の第4の発明に係わるもの
は、シェル内に設けられ、固定スクロールと揺動スクロ
ールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部と、シェル
内に収納され前記揺動スクロールを駆動するモータ部
と、揺動スクロールに連結され、モータ部により回転す
る主軸と、主軸内に軸方向に設けた油穴と、主軸を回転
自在に軸支するフレームと、シェルの底部に貯溜した潤
滑油を汲み上げ、油穴に供給する油ポンプ部と、シェル
底部の潤滑油に開口し、油ポンプ部へ潤滑油を導くパイ
プ部とを備えたスクロール圧縮機において、前記パイプ
部途中に、軸方向に重ね合わせたフィルタを備えたもの
である。
【0015】また、この発明の第5の発明に係わるもの
は、シェル内に設けられ、固定スクロールと揺動スクロ
ールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部と、シェル
内に収納され揺動スクロールを駆動するモータ部と、揺
動スクロールに連結され、モータ部により回転する主軸
と、主軸内に軸方向に設けた油穴と、主軸を回転自在に
軸支するフレームと、シェルの底部に貯溜した潤滑油を
汲み上げ、油穴に吐出ポートを介して供給するトロコイ
ド形の容積型ポンプを有する油ポンプ部と、シェル底部
の潤滑油に開口し、油ポンプ部の入口ポートへ潤滑油を
導くパイプ部とを備えたスクロール圧縮機において、前
記油ポンプ部は、アウターロータ及びインナーロータよ
り形成される圧縮室が前記入口ポート及び出口ポートと
同時に連通しない位置に異物溜り溝を有するようにした
ものである。
【0016】また、この発明の第6の発明に係わるもの
は、シェル内に設けられ、固定スクロールと揺動スクロ
ールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部と、シェル
内に収納され揺動スクロールを駆動するモータ部と、揺
動スクロールに連結され、モータ部により回転する主軸
と、主軸内に軸方向に設けた油穴と、主軸を回転自在に
軸支するフレームと、シェルの底部に貯溜した潤滑油を
汲み上げ、油穴に供給する油ポンプ部とを備えたスクロ
ール圧縮機において、シェル底部の油溜りに至る給油経
路中で、主軸内の油穴から軸受に給油後の給油経路中
に、揺動スクロール背面とフレームとにより形成される
フレームボス空間を設け、前記フレームボス空間の底面
外周部のフレームに凹部を設けたものである。
【0017】また、この発明の第7の発明に係わるもの
は、シェル内に設けられ、固定スクロールと揺動スクロ
ールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部と、シェル
内に収納され揺動スクロールを駆動するモータ部と、揺
動スクロールに連結され、モータ部により回転する主軸
と、主軸内に軸方向に設けた油穴と、主軸を回転自在に
軸支するフレームと、シェルの底部に貯溜した潤滑油を
汲み上げ、油穴に供給する油ポンプ部とを備えたスクロ
ール圧縮機において、前記主軸に前記油穴と連通する第
1の横穴を設け、前記第1の横穴の油穴と反対側に閉空
間を形成したものである。
【0018】また、この発明の第8の発明に係わるもの
は、第7の発明において、主軸に固定し、モータ部を形
成するロータと、第1の横穴に連通する主軸外周部のス
リットとを備え、前記スリットと前記ロータ内壁とによ
り閉空間を形成したものである。
【0019】また、この発明の第9の発明に係わるもの
は、第7の発明において、閉空間を形成した第1の横穴
を主軸の偏心軸側端部に設け、前記第1の横穴途中よ
り、主軸の軸方向に向かう縦穴と、一端を閉塞し他端を
主軸受に開口する第2の横穴とを備え、前記縦穴と前記
第2の横穴とを連通するように接続したものである。
【0020】また、この発明の第10の発明に係わるも
のは、シェル内に設けられ、固定スクロールと揺動スク
ロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部と、シェ
ル内に収納され前記揺動スクロールを駆動するモータ部
と、揺動スクロールに連結され、モータ部により回転す
る主軸と、主軸内に軸方向に設けた油穴と、主軸を回転
自在に軸支するフレームと、シェルの底部に貯溜した潤
滑油を汲み上げ、油穴に供給する油ポンプ部とを備えた
スクロール圧縮機において、シェル底部の潤滑油の油溜
りに遮蔽板を備え、前記遮蔽板とシェル底部との間に異
物を捕捉する空間を設けたものである。
【0021】また、この発明の第11の発明に係わるも
のは、第1の発明において、遮蔽板の中央部にシェル底
部方向の凹部を設けたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この発明の実施の形態1を図1〜図3に
基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によ
るスクロール圧縮機の断面図、図2は同じく、パイプ部
の拡大断面図、図3は同じく、パイプ部での潤滑油及び
異物の状態を表わす状態説明図である。各図において、
従来技術と同一又は相当する部分は、同一符号を付けて
説明を省略する。
【0023】図1において、110は遠心ポンプ又は容
積型ポンプ等の油ポンプ部であり、パイプ部111を経
由してシェル底部89の油溜り86の油を汲み上げる。
ポンプ部110から汲み上げられた油溜り86内の潤滑
油が主軸3内の油穴31を通って主軸受100等へ給油
され、揺動スクロール2、フレーム(上部フレーム)5
で形成されるフレームボス空間105に溜まり、排油パ
イプ(図示せず)を通り、油溜り86へ戻るのは従来技
術と同じである。図2において、110はポンプ部、1
16はシェル底部油溜り86に開口し、潤滑油をポンプ
部110まで吸い上げる通路径小のパイプ部であるパイ
プ小径部、111aはポンプ部110側に開口する通路
径大のパイプ部であるパイプ大径部、111cはパイプ
大径部に突出したパイプ小径部111bにより形成され
る空間、111dは通路拡大部、111fはシェル底部
方向に向く壁部を示す。これらパイプ大径部111a、
パイプ小径部111bとでパイプ部111を構成する。
【0024】動作を図3をもとに説明する。油溜り86
に浮遊又は沈殿している異物は、油と共にポンプ部11
0のポンプ作用により吸い上げられ、パイプ小径部11
1bを通り、通路拡大部111dにおいて大径部111
aに流入する時、シェル底部方向に向くパイプ壁部11
1fにより通路面積が急激に拡大するため、外側に向か
って渦を巻く。又通路面積拡大により流速が低下するた
め、油と異物が分離され、流れに乗って異物が空間11
1cに入り沈殿し、油だけがポンプ部110に流入され
る。よって異物をパイプ部で分離、捕捉できるため異物
がポンプ部に吸入されることなく、従って軸受部に異物
が入り込まないから軸受部の異常摩耗、焼付きを防止す
ることができる。更に異物を捕捉できるので、圧縮機内
に異常を巻き散らすことがない。よって異物付着による
モータ絶縁劣化等を防ぐことができ、又、異物のフィル
タ目詰りによる給油不足を防ぐことができ、信頼性の高
い圧縮機を得ることができる。尚、ポンプ部110は遠
心ポンプでも容積型ポンプでもどちらでも効果が得られ
ることは言うまでもない。なお、図2、図3において、
パイプ大径部111a、パイプ小径部111bは、いず
れも一定の径のものであるが、軸方向に径の変化するも
の(テーパを有するもの)の組合せ、または、径の変化
するものと径の一定のものの組合せでもよい。
【0025】実施の形態2.次にこの発明の実施の形態
2について、図4に基づき説明する。図4は、この発明
の実施の形態2を示すパイプ部の拡大断面図である。図
4において、110はポンプ部、111bは油溜り86
に開口し、潤滑油をポンプ部110まで吸い上げる通路
径小のパイプであるパイプ小径部、111gはポンプ部
近傍の通路径小のパイプであるパイプ小径部、111a
は、パイプ小径部111bと111gの間に設けた通路
径大のパイプ部であるパイプ大径部、111cは、パイ
プ大径部に形成される空間、111dは通路拡大部、1
11eは軸方向に対してほぼ直角方向のパイプ壁部を示
す。これらのパイプ大径部111a、パイプ小径部11
1b、111gとでパイプ部111を構成する。
【0026】動作を図4をもとに説明する。油溜り86
に浮遊、又は沈殿している異物は、油と共にポンプ作用
により、パイプ小径部111bを通り吸上げられる。パ
イプ大径部111aに流入する時、軸方向に対して直角
方向のパイプ壁部111eにより通路面積が急激に拡大
するため、外側に向かって渦を巻く。又、通路面積拡大
により流速が低下するため、油と異物が分離され、パイ
プ大径部111aと2つの小径部111b、111gで
形成される空間111cに捕捉される。又、ポンプが遠
心ポンプの場合、パイプも回転しているため油より重い
異物は、遠心力により外周側へ飛ばされ空間111cの
外周側へ付着、捕捉される。大径部111aに捕捉され
た異物は、その上流側、すなわち、ポンプ部側の径が小
さくなっている(111g)ため、空間111cより流
出することがない。よって異物をパイプ部で分離、捕捉
できるため異物がポンプ部に吸入されることなく、従っ
て軸受部に異物が入り込まないので軸受部の異常摩耗、
焼付きを防止することができる。更に異物を捕捉できる
ので、圧縮機内に異物を巻き散らすことがない。よって
異物付着によるモータ絶縁劣化等を防ぐことができ、
又、異物のフィルタ目詰りによる給油不足を防ぐことが
でき、信頼性の高い圧縮機を得ることができる。尚この
実施例では2つの小径部を異径にしているが、大径部よ
り小さければ問題なく、また、本実施の形態では、ポン
プ部は遠心ポンプの場合を示したが容積型ポンプの場合
でも実施の形態1と同様の効果が得られることは言うま
でもない。
【0027】前記発明の実施の形態1、2に示したパイ
プ部111の通路拡大部111dと同様に異物を分離、
捕捉する他の例を図5の(a)、(b)、(c)に示
す。いずれも、パイプ小径部111bとパイプ大径部1
11aとの接続部である通路拡大部111dには、少く
とも軸方向に対してほぼ直角方向のパイプ壁部111
e、または、シェル底部の方向に向くパイプ壁部111
fを有しており、これらのパイプ壁部により、油と異物
が分離され、空間111cに捕捉される。要するに、パ
イプ部111の通路拡大部111dに、少くとも、前記
のパイプ壁部111eまたは111fを有していればよ
いわけである。
【0028】実施の形態3.次に、この発明の実施の形
態3について図6に基づいて説明する。図6は、この発
明の実施の形態3におけるパイプ部の部分断面図であ
る。図6において110はポンプ部、111は、油溜り
86とポンプ部110に開口し、油溜りの油をポンプ部
110のポンプ作用によりポンプ部110へ導くパイプ
部、113はパイプ部111に設けられた軸方向に重ね
合わせ、じゃばら形状にしたフィルタを示す。油と共に
油溜り86に沈殿、浮遊した異物を吸入上げ、フィルタ
により異物を遮断、捕捉して異物をポンプ部、軸受部に
流入させない。このフィルタを軸方向に重ね、じゃばら
にすることで表面積拡大、及び油のフィルタ通過抵抗低
下することができ、多量の異物が油溜りに存在し吸上げ
たとしてもフィルタが目詰りすることなく確実に油だけ
を給油することができる。又、表面積を大きくする分フ
ィルタ部の通過抵抗が減るため、フィルタの目の大きさ
を細かくすることができ、より細かい異物捕捉すること
ができる。尚、表面積を大きくできるが、パイプ径は変
更することがなく、逆にいえばフィルタをじゃばら化す
ることでパイプ部を縮少させることが可能になるという
ことは言うまでもない。
【0029】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
ついて図7に基づいて説明する。図7(a)は、容積型
ポンプの代表的なトロコイドポンプの圧縮機組込時の部
分断面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A断面
図である。図中114は、ポンプポート40の入口ポー
ト402、出口ポート401の間に設けた異物溜り溝で
ある。その他の記号及びトロコイドポンプの構造、作用
は、従来技術で記述しているためここでは省略する。
【0030】油溜り86より吸上げられた油と異物は、
ポンプポート40に設けた入口ポート402に入り、こ
れよりアウターロータ322とインナーロータ321に
より形成される圧縮空間により出口ポート401へ運ば
れ出口ポート401をへて主軸3に設けた油穴31を通
り各軸受へ流れる。この時油と共に油溜りに沈殿、浮遊
している異物も吸入されアウターロータ、インナーロー
タで形成される圧縮空間へ流入する。その圧縮空間内に
入った油と異物が、出口ポート401に運ばれるまでに
入口ポート402と出口ポート401の間に設けた異物
溜り溝114上を流れ、異物は油より重いため重力によ
り異物が溝に落ち、油だけが出口ポートから主軸の油穴
へ流れる。従って異物は異物溜り溝内で捕捉され軸受部
へ流入しない。又、異物を捕捉するので圧縮機内へ撒き
散らすことなく、異物付着によるモータ絶縁劣化等を防
ぐことができる。
【0031】実施の形態5.この発明の実施の形態5を
図8に基づいて説明する。図8はスクロール圧縮機の部
分断面図である。図中5は、フレームであり、本実施の
形態では、上部フレーム、105は上部フレーム5と揺
動スクロール2で形成されるフレームボス空間であり、
油溜り86より吸い上げられた油は主軸受100、揺動
軸受150等の各軸受を潤滑し、この空間に流入する。
115bはこの空間上方に設けた排油溝であり、115
cの排油穴、115dの排油パイプをへて油溜り86に
戻される。又、115aはフレームボス空間105底面
外周部に設けられた溝状凹部である。油溜り86に異物
が沈殿、浮遊しており、油と共に吸入された場合細かい
異物は軸受隙間を通り抜けフレームボス空間105に流
入する。この空間はこのスクロール圧縮機の給油経路の
中で最も流速が遅いところであり、かつ、揺動スクロー
ル2の公転運動により流入油及び異物には遠心力が作用
しており、油と異物は、この力で外周側へ流される。
又、異物は油より重いため重力により下方へ移動する。
そのためフレームボス空間105の底部、外周部に設け
た溝状凹部115a内に沈殿し捕捉される。従ってこの
溝に沈殿した異物は圧縮機内に巻きちらされることがな
い。よって異物付着によるモータ絶縁劣化を防止すると
ともに再循環した異物による軸受損傷を防ぐことができ
る。本実施の形態では、給油経路で油の流速が最も遅い
フレームボス空間に溝状凹部を設けたが、給油経路で油
の流速が最も遅いフレームボス空間に溝状凹部を設けた
が、給油経路によっては、他場所で流速が最小になる場
合もあり、フレームボス空間に限らず給油経路の中で最
も流速の遅いところにこの溝状凹部を設けることが、最
大の分離効果を得られるということは言うまでもない。
【0032】実施の形態6.この発明の実施の形態6に
ついて図8に基づいて説明する。図8において、71は
モータ7のロータ、117aはロータ71に対応する主
軸3の外周部に設けた軸方向に延伸するスリット、11
7bは主軸3に設けた油穴31とスリット117aを連
通する第1の横穴である。油溜り86の油は油ポンプ部
のポンプ作用により、主軸の油穴31を汲み上げられ
る。この時、ロータ71は回転しており、ロータ71に
焼きばめ等により固定された、主軸3には回転により遠
心力が作用し、その力により吸上げられた油は第1の横
穴117bを通りスリット117aに入る。このスリッ
ト117aはロータ71の内壁により閉空間となってい
る。この時、油溜り86に異物が浮遊、沈殿している場
合、油と共に吸入され主軸3の油穴31を上昇する。異
物は油より重いため、主軸3の回転による遠心力のため
油穴31外壁に沿って流れ、かつ、遠心力により第1の
横穴117bをへてスリット117aへ流入する。よっ
てこのスリット117aの外壁、すなわちロータ71の
内壁に遠心力で付着し、捕捉される。圧縮機停止時は遠
心力が作用しないため重力により異物はスリット117
a下方へ落ち、スリット117aから流出することがな
く、圧縮機内に巻きちらされることがない。よって異物
付着によるモータ絶縁劣化を防止するとともに再循環し
た異物による軸受損傷を防ぐことができる。スリット1
17aの軸方向長さは適宜決定でき、また、第1の横穴
117bは図8では2本示しているが、1本または3本
以上でもよい。多い方が確実に異物は捕捉できる。ま
た、第1の横穴117bはスリット117aの上部に設
け、スリット117aの下部に異物たまりを形成するこ
とが望ましい。第1の横穴117b及びスリット117
aを主軸3のロータ71に対応する部分に設けることに
より、ロータ71の焼きはめによりスリットを閉空間化
でき、スリット閉空間の加工が容易となる。
【0033】実施の形態7.この発明の実施の形態7に
ついて、図8に基づいて説明する。図8において、3a
は主軸3と一体の偏心軸であり、揺動軸受150を介し
て揺動スクロールボス部160と結合している。3bは
主軸3の偏心軸側端部であり、偏心軸3aから段差を有
して軸径が拡大している。116aは、主軸3の偏心軸
側端部3bに設けた、油穴31に連通し、その油穴側開
口部の反対側開口部をシールした第1の横穴、116b
は、同じく、主軸3の偏心軸側端部3bに設けた、一端
を主軸受100に開口し、他端を閉塞した第2の横穴、
116cは第1の横穴116aと第2の横穴116bを
連通させ、かつ、第1の横穴116aにおいて、連通位
置より外側にシール部から成る閉空間116dを有する
ように設けた縦穴であり、その開口部116eはシール
してある。油溜り86より油ポンプ部110のポンプ作
用により吸上げられた油は、主軸3の油穴31を通り主
軸3の回転による遠心力の作用により、主軸3に設けた
第1の横穴116a、縦穴116c、第2の横穴116
bをへて、主軸受100に給油される。この時油溜り8
6に異物が浮遊、沈殿していた場合、油と共に吸入さ
れ、油穴31を上昇し、遠心力により第1の横穴116
aへ流入する。この時、異物は油より重いため遠心力に
より第1の横穴116aの外側に設けた閉空間116d
に入り捕捉され、油だけが軸受部へ給油される。従っ
て、この閉空間116dに捕捉された異物は、圧縮機内
に巻きちらされることがない。よって異物付着によるモ
ータ絶縁劣化を防止するとともに再循環した異物による
軸受損傷を防ぐことができる。この実施の形態のもの
は、主軸3の偏心軸側端部3bに第1の横穴116a、
第2の横穴116b、縦穴116cを設けているので、
偏心軸側の主軸3の端部、3bの上部段差部から縦穴の
加工ができ、加工がやり易くなる。また、主軸受100
への給油穴を兼用できるので能率的である。なお、開口
部116eは、縦穴116c加工用の穴であり、油の流
出防止のためシールする。また、図8においては、第1
の横穴116aを第2の横穴116bの上側に設けてい
るが、上下逆にしてもよい。
【0034】また、前記の第1の横穴116a、第2の
横穴116b及び両者を接続する縦穴から成る構成を主
軸の主軸受部以外の他の軸受部に設け、第2の横穴11
6bの一端を閉塞し、他端を前記軸受部に開口するよう
にして、主軸3の回転の遠心力により、油穴31中の油
を前記軸受部に供給し、異物を第1の横穴116aの閉
空間に捕捉することにより、油と異物の分離と前記軸受
部への給油が効率的に行うことができる。この場合も、
第1の横穴116aと第2の横穴116bをどちらを上
側、または、圧縮部に近い方に設けてもよいのは当然で
ある。
【0035】発明の実施の形態6及び7においては、第
1の横穴を主軸3のロータ71対応部及び主軸3の偏心
軸側端部3bに設けているが、なにもこれらの位置に限
られるものではなく、主軸3のその他の位置に設けるこ
とも可能である。要するに、主軸3の適宜の位置に油穴
31に連通する第1の横穴を設け、その油穴31と反対
側の端部をシールして閉空間を形成すればよく、油穴3
1を流れる異物を含有する油から、主軸31の回転によ
る遠心力により閉空間に異物を捕捉することができる。
【0036】実施の形態8.この発明の実施の形態8を
図9に基づいて説明する。図9は、シェル底部の断面図
であり、図9において89はシェル底部、86は油溜
り、118aはシェル底部形状に沿った遮へい板であ
り、その遮へい板118aとシェル底部89間には空間
119aが形成されている。油ポンプ部110に連通す
るポンプ吸入孔120は、遮へい板118a上方に開口
している。油溜りに油が戻る場合、圧縮機内はロータ7
1の回転により遠心力が作用しているため、冷媒より重
い油はシェル壁面近傍を流れ落ちる。異物等混入してい
た場合もその重さのためシェル壁面近傍を流れ油溜り8
6に戻る。異物は油より重いため沈殿もしくは表面張力
等により油中を浮遊する。シェル壁面に沿って油と共に
流れ落ちてきた異物は遮へい板118aとシェル底部8
9で形成された空間119aに沈殿、浮遊して捕捉され
る。よって、異物が沈殿又は浮遊する油の層は遮へい板
118aの下の空間119aにあり、遮へい板118a
の上側空間には異物が流れ込まない。ポンプ吸入孔12
0は遮へい板118aの上方に開口しているので、遮へ
い板下空間119aに有る異物は吸入せず異物は空間1
19aで捕捉される。従って、異物が油ポンプ部110
より吸入され軸受部等に流入することなく、異物による
軸受異常摩耗、焼付きが防止できるとともに、異物を捕
捉できるので、異物巻きちらしがなく異物付着によるモ
ータ絶縁劣化等を防ぐことができる。
【0037】同様の動作をする遮蔽板の変形例を図10
に基づいて説明する。図10において、89はシェル底
部、118bはシェル底部形状に沿った遮へい板であ
り、その中央部、すなわち、ポンプ吸入孔120の下方
に凹部であるくぼみ121を形成している。119bは
遮へい板118b、遮へい板くぼみ121、シェル底部
89で形成される空間である。油溜りに油が戻る場合、
圧縮機内はロータ71の回転により遠心力が作用してい
るため、冷媒より重い油はシェル壁面近傍を流れ落ち
る。異物等混入していた場合もその重さのためシェル壁
面近傍を流れ油溜り86に戻る。異物は油より重いた
め、沈殿もしくは油中を浮遊する。シェル壁面に沿って
油と共に流れ落ちてきた異物は遮へい板118bとくぼ
み121、シェル底部89で形成された空間119bに
沈殿、浮遊する。よって、異物が沈殿又は浮遊する油の
層は遮へい板118bの下の空間119bにあり、遮へ
い板118bの上側空間には異物が流れ込まない。又、
遮へい板118bにくぼみ121を設けることにより、
ポンプ吸入孔120の位置は下げることができ油ポンプ
部110が給油可能なシェル内最低油量を少なくするこ
と、すなわち封入油量を少なくすることが可能になる。
またポンプ吸入孔120は遮へい板118b及びくぼみ
121の上方に開口しているので、遮へい板下空間11
9bに有る異物は吸入せず、異物は空間119bで捕捉
される。従って、異物が油ポンプ部110より吸入され
軸受部等に流入することなく、異物による軸受異常摩
耗、焼付きが防止できるとともに、異物を捕捉できるの
で、異物巻きちらしがなく異物付着によるモータ絶縁劣
化等を防ぐことができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり、第1の発明におい
ては、パイプ部途中に通路拡大部を設け、通路拡大部
は、少なくとも軸方向に対してほぼ直角方向のパイプ壁
部、または、シェル底部の方向に向くパイプ壁部を備え
たので、パイプ部途中の通路拡大部の軸方向に対してほ
ぼ直角方向のパイプ壁部またはシェル底部の方向に向く
パイプ部壁部で、通路の急激な拡大により、異物と油は
流速が急激に低下し、遠心力の差により異物が油から分
離され、捕捉されることにより、ポンプ部や軸受に異物
が混入することが防止でき、ポンプ部の損傷や軸受の異
常摩耗が防止できる。
【0039】また、第2の発明においては、パイプ部を
シェル底部の潤滑油側の通路径小のパイプ部とポンプ側
の通路径大のパイプ部とで構成し、前記パイプ部途中の
通路拡大部である前記通路径小のパイプ部と通路径大の
パイプ部との接続部で通路径小のパイプ部を通路径大の
パイプ部に突出させ接続したので、通路径小のパイプ部
から吸上げられた油が通路径大のパイプ部に流入すると
き、油は流路が急に拡管されるため、外側に渦を巻き、
かつ、流速が急激に低下するため油と共に吸上げられた
異物がそこで分離され、突出部と通路径大のパイプ部内
壁で形成される空間へ落ち、油ポンプ部へ吸入しない。
よって軸受や、容積型ポンプの場合、トロコイド部に異
物が吸入されないため、異常摩耗やトロコイド等の歯形
の損傷を防ぐことができる。また、異物を捕捉できるの
で圧縮機内に異物を撒き散らすことがない。よって異物
付着によるモータ絶縁劣化等も防ぐことができ、信頼性
の高い圧縮機を得ることができる。
【0040】また、第3の発明においては、パイプ部途
中の通路拡大部よりポンプ部側のパイプ部の通路径を前
記通路拡大部より縮小したので、通路拡大部で分離、捕
捉された異物が通路拡大部より縮小した通路径部により
ポンプ部に持ち込まれるのを確実に防止できる。
【0041】また、第4の発明においては、パイプ部途
中に、軸方向に重ね合わせたフィルタを備えたので、フ
ィルタを重ねあわせることでフィルタ表面積を大きくし
たので、パイプ径を大きくすることなくフィルタが異物
でつまることがない。よってフィルタつまりによる給油
不良による軸受損傷、焼付を防ぐことができる。また異
物を捕捉できるので、圧縮機内に異物を撒き散らすこと
がない。よって異物付着によるモータ絶縁劣化等も防ぐ
ことができ信頼性の高い圧縮機を得ることができる。
【0042】また、第5の発明においては、油ポンプ部
は、トロコイド形の容積型ポンプを有し、前記油ポンプ
部は、アウターロータ及びインナーロータより形成され
る圧縮室の入口ポート及び出口ポートの間に異物溜り溝
を有するので、油ポンプ部に吸入した異物を異物溜り溝
に捕捉でき、圧縮室内に異物を巻き散らすことがない。
また、圧縮機の軸受に異物が混入するのを防止できる。
よって異物付着によるモータ絶縁劣化等を防ぐことがで
き、また、軸受損傷を防止でき、信頼性の高い圧縮機を
得ることができる。
【0043】また、第6の発明においては、シェル底部
の油溜りに至る給油経路中で、主軸内の油穴から軸受に
給油後の給油経路中に、揺動スクロール背面とフレーム
とにより形成されるフレームボス空間を設け、前記フレ
ームボス空間の底面外周部のフレームに凹部を設けたの
で、フレームボス空間の底面外周部のフレームに設けた
凹部により異物を捕捉できる。そのため軸受の異常摩
耗、焼付や、しいてはたとえば、異物付着によるモータ
絶縁劣化等を防ぐことができ、信頼性の高い圧縮機を得
ることができる。
【0044】また、第7の発明においては、主軸に油穴
と連通する第1の横穴を設け、前記第1の横穴の油穴と
反対側に閉空間を形成したので、主軸の回転による遠心
力により、油穴中の油と異物のうち、異物を第1の横穴
の閉空間に分離、捕捉でき、従って、軸受損傷やモータ
絶縁劣化等を防止できる、
【0045】また、第8の発明においては、主軸に固定
し、モータ部を形成するロータと、第1の横穴に連通す
る主軸外周部のスリットとを備え、前記スリットと前記
ロータ内壁とにより閉空間を形成したので、第1の横穴
及びスリットを主軸のロータ取付対応部に設け、また、
スリットとロータ内壁とで閉空間を形成することによ
り、スリット閉空間の形成が容易に行うことができる。
【0046】また、第9の発明においては、閉空間を形
成した第1の横穴を主軸の偏心軸側端部に設け、前記第
1の横穴途中より、主軸の軸方向に向かう縦穴と、一端
を閉塞し他端を主軸受に開口する第2の横穴とを備え、
前記縦穴と前記第2の横穴とを連通するように接続した
ので、縦穴の形成が容易であるとともに、油は主軸受に
供給し、異物は第1の横穴の閉空間に捕捉することがで
き、異物と油の分離が効率的に行われる。
【0047】また、第10の発明においては、シェル底
部の潤滑油の油溜りに遮蔽板を備え、前記遮蔽板とシェ
ル底部との間に異物を捕捉する空間を設けたので、油よ
り重い異物及び壁面に沿って落ちてきた異物は遮蔽板の
下側に入り込み、油ポンプ部の吸込口と隔離されるの
で、油ポンプ部に異物を吸込むことがなく、かつ異物が
遮蔽板とシェル底部間の空間で捕捉される。そのため軸
受の異常摩耗、焼付、しいては、たとえば、異物付着に
よるモータ絶縁劣化等を防ぐことができ、信頼性の高い
圧縮機を得ることができる。
【0048】また、第11の発明においては、遮蔽板の
中央部にシェル底部方向の凹部を設けたので、遮蔽板に
よる異物分離、捕捉効果とともに、油ポンプ部の吸込口
をシェル底部に近ずけることができ、シェル内貯油量を
少くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すスクロール圧
縮機の断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1を示すパイプ部の断
面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1を示す潤滑油及び異
物の状態を示す状態説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2を示すパイプ部の断
面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1、2の変形例を示す
パイプ部の断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3を示すパイプ部の断
面図である。
【図7】 この発明の実施の形態4を示すポンプ部の断
面図である。
【図8】 この発明の実施の形態5、6及び7を示すス
クロール圧縮機の部分断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態8を示すシェル底部の
断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態8の別の例を示すシ
ェル底部の断面図である。
【図11】 従来のスクロール圧縮機の断面図である。
【図12】 従来のスクロール圧縮機の別の断面図であ
る。
【図13】 従来のスクロール圧縮機のさらに別の断面
図である。
【図14】 従来のスクロール圧縮機のポンプ部の断面
図である。
【図15】 図14の部品詳細図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 主軸、
3b 主軸の偏心軸側端部、5 フレーム、7 モータ
部、8 シェル、31 油穴、105 スレームボック
ス空間、110 油ポンプ部、111 パイプ部、11
1a 通路径大のパイプ部、111b 通路径小のパイ
プ部、111d 通路拡大部、111e直角方向のパイ
プ壁部、111f シェル底部方向に向くパイプ壁部、
111g 通路径小のパイプ部、113 フィルタ、1
14 異物溜り溝、115a凹部、116a 第1の横
穴、116b 第2の横穴、116c 縦穴、117a
スリット、117b 第1の横穴、118a、118
b 遮蔽板、119a、119b 異物を捕捉する空
間、121 遮蔽板の凹部、401 出口ポート、40
2 入口ポート。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に設けられ、固定スクロールと
    揺動スクロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部
    と、前記シェル内に収納され前記揺動スクロールを駆動
    するモータ部と、前記揺動スクロールに連結され、前記
    モータ部により回転する主軸と、前記主軸内に軸方向に
    設けた油穴と、前記主軸を回転自在に軸支するフレーム
    と、前記シェルの底部に貯溜した潤滑油を汲み上げ、前
    記油穴に供給する油ポンプ部と、前記シェル底部の潤滑
    油に開口し、前記油ポンプ部へ潤滑油を導くパイプ部と
    を備えたスクロール圧縮機において、 前記パイプ部途中に通路拡大部を設け、前記通路拡大部
    は、少なくとも軸方向に対してほぼ直角方向のパイプ壁
    部、または、シェル底部の方向に向くパイプ壁部を備え
    たことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 パイプ部をシェル底部の潤滑油側の通路
    径小のパイプ部とポンプ側の通路径大のパイプ部とで構
    成し、前記パイプ部途中の通路拡大部である前記通路径
    小のパイプ部と通路径大のパイプ部との接続部で通路径
    小のパイプ部を通路径大のパイプ部に突出させ接続した
    ことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 パイプ部途中の通路拡大部よりポンプ部
    側のパイプ部の通路径を前記通路拡大部より縮小したこ
    とを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 シェル内に設けられ、固定スクロールと
    揺動スクロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部
    と、前記シェル内に収納され前記揺動スクロールを駆動
    するモータ部と、前記揺動スクロールに連結され、前記
    モータ部により回転する主軸と、前記主軸内に軸方向に
    設けた油穴と、前記主軸を回転自在に軸支するフレーム
    と、前記シェルの底部に貯溜した潤滑油を汲み上げ、前
    記油穴に供給する油ポンプ部と、前記シェル底部の潤滑
    油に開口し、前記油ポンプ部へ潤滑油を導くパイプ部と
    を備えたスクロール圧縮機において、 前記パイプ部途中に、軸方向に重ね合わせたフィルタを
    備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 シェル内に設けられ、固定スクロールと
    揺動スクロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部
    と、前記シェル内に収納され前記揺動スクロールを駆動
    するモータ部と、前記揺動スクロールに連結され、前記
    モータ部により回転する主軸と、前記主軸内に軸方向に
    設けた油穴と、前記主軸を回転自在に軸支するフレーム
    と、前記シェルの底部に貯溜した潤滑油を汲み上げ、前
    記油穴に吐出ポートを介して供給するトロコイド形の容
    積型ポンプを有する油ポンプ部と、前記シェル底部の潤
    滑油に開口し、前記油ポンプ部の入口ポートへ潤滑油を
    導くパイプ部とを備えたスクロール圧縮機において、 前記油ポンプ部は、アウターロータ及びインナーロータ
    より形成される圧縮室の前記入口ポート及び出口ポート
    の間に異物溜り溝を有することを特徴とするスクロール
    圧縮機。
  6. 【請求項6】 シェル内に設けられ、固定スクロールと
    揺動スクロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部
    と、前記シェル内に収納され前記揺動スクロールを駆動
    するモータ部と、前記揺動スクロールに連結され、前記
    モータ部により回転する主軸と、前記主軸内に軸方向に
    設けた油穴と、前記主軸を回転自在に軸支するフレーム
    と、前記シェルの底部に貯溜した潤滑油を汲み上げ、前
    記油穴に供給する油ポンプ部とを備えたスクロール圧縮
    機において、 シェル底部の油溜りに至る給油経路中で、前記主軸内の
    油穴から軸受に給油後の給油経路中に、揺動スクロール
    背面とフレームとにより形成されるフレームボス空間を
    設け、前記フレームボス空間の底面外周部のフレームに
    凹部を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 シェル内に設けられ、固定スクロールと
    揺動スクロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮部
    と、前記シェル内に収納され前記揺動スクロールを駆動
    するモータ部と、前記揺動スクロールに連結され、前記
    モータ部により回転する主軸と、前記主軸内に軸方向に
    設けた油穴と、前記主軸を回転自在に軸支するフレーム
    と、前記シェルの底部に貯溜した潤滑油を汲み上げ、前
    記油穴に供給する油ポンプ部とを備えたスクロール圧縮
    機において、 前記主軸に前記油穴と連通する第1の横穴を設け、前記
    第1の横穴の油穴と反対側に閉空間を形成したことを特
    徴とするスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 主軸に固定し、モータ部を形成するロー
    タと、第1の横穴に連通する主軸外周部のスリットとを
    備え、前記スリットと前記ロータ内壁とにより閉空間を
    形成したことを特徴とする請求項7記載のスクロール圧
    縮機。
  9. 【請求項9】 閉空間を形成した第1の横穴を主軸の偏
    心軸側端部に設け、前記第1の横穴途中より、主軸の軸
    方向に向かう縦穴と、一端を閉塞し他端を主軸受に開口
    する第2の横穴とを備え、前記縦穴と前記第2の横穴と
    を連通するように接続したことを特徴とする請求項7記
    載のスクロール圧縮機。
  10. 【請求項10】 シェル内に設けられ、固定スクロール
    と揺動スクロールを組み合わせて圧縮室を形成する圧縮
    部と、前記シェル内に収納され前記揺動スクロールを駆
    動するモータ部と、前記揺動スクロールに連結され、前
    記モータ部により回転する主軸と、前記主軸内に軸方向
    に設けた油穴と、前記主軸を回転自在に軸支するフレー
    ムと、前記シェルの底部に貯溜した潤滑油を汲み上げ、
    前記油穴に供給する油ポンプ部とを備えたスクロール圧
    縮機において、 シェル底部の潤滑油の油溜りに遮蔽板を備え、前記遮蔽
    板とシェル底部との間に異物を捕捉する空間を設けたこ
    とを特徴とするスクロール圧縮機。
  11. 【請求項11】 遮蔽板の中央部にシェル底部方向の凹
    部を設けたことを特徴とする請求項10記載のスクロー
    ル圧縮機。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7442018B2 (en) * 2005-09-20 2008-10-28 Sanyo Electric Co., Ltd. Compressor having an oil residue pool
CN100464942C (zh) * 2007-04-16 2009-03-04 吴建均 空调压缩机外壳成型工艺
KR101011323B1 (ko) * 2007-07-30 2011-01-28 히타치 어플라이언스 가부시키가이샤 유체 기계
WO2018051502A1 (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 三菱電機株式会社 圧縮機
CN109505756A (zh) * 2018-12-12 2019-03-22 珠海格力电器股份有限公司 润滑油储存装置及压缩机
WO2022208573A1 (ja) * 2021-03-29 2022-10-06 三菱電機株式会社 圧縮機

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