JPH10189291A - 熱プラズマによる加熱処理装置 - Google Patents
熱プラズマによる加熱処理装置Info
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Abstract
温の均一温度領域の広いプラズマフレームが得られる熱
プラズマによる加熱処理装置。 【解決手段】 熱プラズマにより被処理材料を加熱処理
する装置において、熱プラズマを発生する熱プラズマト
ーチ11と、該プラズマトーチ11により発生した熱プ
ラズマ1を加熱制御するプラズマフレーム炉21と、被
処理材料を加熱反応させる反応塔31と、前記被処理材
料を前記反応塔内に供給する供給手段41とを備える。
Description
より物質の化学合成をしたり、粒体を加熱溶融により球
状化処理したり、表面物質を溶融化してコーティングす
るなどの材料、物質の加熱処理をする熱プラズマによる
加熱処理装置に関するものである。
シリコンを合成する場合にSiCl4+2H2 =Si+
4HClの化学反応により生成されるが、従来はこの化
学反応は電気炉や火炎などにより加熱して合成する方法
(Simens法、UnionCarbide法など)
が行われている。しかし、この様な化学反応には、10
00℃を超える高温が必要であるため(反応速度を上昇
するためにはさらに高温が必要)コスト高となり、また
火炎による加熱では反応生成物の汚染の問題が生ずると
いう問題点がある。そこで、かかる加熱処理をする場合
に、上記欠点のない加熱合成ができコストを低下できる
点で熱プラズマによる加熱処理装置が望ましい。
は粗形であるが、粉末焼結体の焼結密度を向上させるた
め、あるいは粉末蛍光体の輝度を向上させるのためには
球状化した粒体物質が望ましいので、原料粒体をその融
点直上で加熱して表面張力により球状化する球状化処理
が行われている。この球状化処理の方法として高周波誘
導熱プラズマにより加熱する方法が開示されている(作
田忠裕ほか:電気学会開閉保護研究会;1993、特開
平6−25717号公報など)。また、蛍光体原料粉を
高周波誘導熱プラズマにより加熱溶融して、発光性能を
向上した球体の蛍光体を製造する方法が開示されている
(特開平8−109375号公報)。
ぎると反応速度が低下し、あまり温度が高すぎると再分
解して所要の組成の生成物が得られない。また、前記原
料粒体を高周波誘導熱プラズマにより加熱溶融して球体
とする場合には、加熱温度が物質の融点より低いと溶解
しないために球状化せず、加熱温度が沸点より高すぎる
と成分が蒸発して原料粒体と異なる構造または組成にな
ってしまうという問題点がある。したがって、熱プラズ
マにより加熱処理する場合には熱プラズマにおける加熱
部の温度を一定に保持する必要がある。とくに融点温度
が高く融点と沸点の温度差が少ない物質の場合には高温
でかつ狭い温度範囲で管理することが要求される。高周
波誘導熱プラズマ(以下高周波プラズマという)による
加熱は高温度が容易に得られ、電極を使用する熱プラズ
マに比してプラズマの汚染がない点で有利であり、上記
の物質合成や粒体球状化の加熱方法として望ましい。
センス表示器などの蛍光体として使用されるが耐水性が
低いためそのままで使用すると空気中の水分と反応して
変質して蛍光性が失われる。そのため従来はZnS:C
uの粒子をフィルムに挟んで粒子が大気に触れないよう
にして使用されているが、コストが高くつくという問題
点がある。そこで、ZnS:Cu粒子の表面をコートし
て大気に直接触れないようにして使用すれば粒子の耐水
性が向上してフィルムで挟まなくても使用できコストを
低減できることに着目した。
面にSiO2 を付着させたZnS:Cu原料粒子を加熱
し表面のSiO2 を溶融してSiO2 のフィルムを作
り、これでコートするようにすれば個々の粒子に耐水性
を与えることができる。しかし、SiO2 は融点が10
00℃以上と高く、一方ZnS:Cuは300℃以上に
なるとダメージを受けるので、SiO2 でコーティング
するためには内部のZnS:Cuは温度が上がらないで
表面のSiO2 のみが溶融する高温に加熱する必要があ
る。
プラズマのプラズマ温度は図5に図示するプラズマフレ
ーム1のプラズマの渦流中心2の温度は10,000K
にも達し、フレーム先端部3の温度でも5,000Kに
もなる。そのためプラズマトーチからでるプラズマフレ
ームを直接被処理物質に当てて加熱する上記従来の高周
波プラズマによる加熱処理装置では、例えば粒体物質の
球状化の場合に単一組成の物質では球状化が可能である
が、融点の低い複合材料や金属間化合物では温度が高す
ぎて分解を生じ原料粒体と同じ特性が得られなくなると
いう問題点がある。また、低融点物質の球状化の場合に
はプラズマの温度が高すぎて超微粒子が多量に発生し、
所要の粒度の球状粒子の収率が低下するほか、超微粒子
の分級を要しコスト増となるのみでなく分級が不可能な
場合も生ずる。したがって、必要な処理温度の773〜
3273Kを得るためにはプラズマ先端の限られた部分
で加熱するようにしなければならない。この場合、プラ
ズマの渦流中心の温度を下げればプラズマフレーム中の
所要温度範囲が広くなるが、プラズマの温度を下げすぎ
ると失火するなどプラズマフレームが不安定になるとい
う問題点がある。このために、従来技術では高周波入力
及びプラズマガスの種類と流量を適切に選択することに
より高周波プラズマを安定させる方法が行われてきた
(特開平8−109375号公報)。
O2 でコーティングする場合に、従来の高周波プラズマ
による直接加熱方式ではプラズマフレームが超高温で温
度均一範囲が狭いために内部まで高温になりZnS:C
uが変質して発光しない粒子が生ずるという問題点があ
った。
の引張り強さ、弾性率が向上することが認められてお
り、ピッチ系炭素繊維を高温加熱処理でアクリル系炭素
繊維の強度まで向上させることができればコストを低減
することができる。この加熱処理には3000℃の高温
で不純物の汚染のない不活性ガス中で加熱する必要があ
り、電気炉により加熱処理することも可能であるが、高
周波誘導熱プラズマにより加熱する方法が最も望まし
い。しかしながら、従来のプラズマフレームを直接炭素
繊維に当てて加熱する方法では、温度コントロールが困
難で局部加熱されて均一な改質が困難であるという問題
点があった。
プラズマフレーム炉を設けることによりプラズマトーチ
におけるプラズマフレームの温度を下げることなく、反
応に必要な加熱温度までフレームの温度を下げて均一な
温度領域を拡大することに着目し、前記物質合成や球状
化などに使用する場合に簡易に安定した低温のプラズマ
フレームが得られる熱プラズマによる加熱処理装置を提
供することを目的とする。
に、本発明の熱プラズマによる加熱処理装置は、熱プラ
ズマを発生する熱プラズマトーチと、該プラズマトーチ
により発生した熱プラズマを加熱制御するプラズマフレ
ーム炉と、被処理材料を加熱反応させる反応塔と、前記
被処理材料を前記反応塔内に供給する供給手段とを備え
たことを特徴とするものである。
加熱においては、プラズマトーチにより発生したプラズ
マフレームにより直接被処理材料を加熱した。しかし、
熱プラズマの温度は局部的に非常に高いため、被処理材
料が所定温度より過温度に加熱されて加熱処理の目的が
達成できず、このため熱プラズマの温度を下げると失火
するという使い難さがあった。
装置は、熱プラズマを発生するプラズマトーチの下流に
プラズマフレーム炉を設けて、プラズマトーチにより発
生したプラズマフレームをこのプラズマフレーム炉を通
過させた後流出させるようにした。これにより、プラズ
マトーチの失火のおそれなしに温度の低い均一温度領域
の広いプラズマフレームを得ることができた。このプラ
ズマフレーム炉から流出するフレームを反応塔内に流出
させ、反応塔内で供給手段から供給される被処理材料を
加熱処理することにより、前記超高温の熱プラズマによ
る被処理材料の過温度の加熱が防止されて安定した熱プ
ラズマによる加熱処理ができる。
装置の前記プラズマフレーム炉は、プラズマトーチによ
り発生したプラズマフレームを通過させるプラズマ通路
と、その通路の中間に前記プラズマフレームの流れを拡
散する拡散手段とを備えた構成とすれば、プラズマトー
チにより発生したプラズマフレームはプラズマ通路と拡
散手段を通過してプラズマフレーム炉から流出する間に
拡散、攪拌されて温度が低下すると共に温度均一領域が
拡大し、前記の効果が簡易に安定して得られる。
前記プラズマトーチにより発生したプラズマフレームが
流入する入口管と流出する出口管と該入口管と出口管の
中途に設けられ拡径された拡散室により形成されるよう
にすれば、前記のプラズマフレームの拡散、攪拌効果が
増進され、さらに前記プラズマ通路の拡散室内に前記プ
ラズマフレームの流れ方向を変更する障害部材を設ける
ことにより一層プラズマフレームの拡散、攪拌効果が増
進される。さらに、前記熱プラズマトーチには、クエン
チングガス投入手段を設けることにより、プラズマフレ
ームへクエンチングガスを流してプラズマフレームの温
度を低下させることができる。
フレームの流出する出口管側に前記プラズマフレーム炉
を通過させたプラズマフレームを導入して被処理材料を
加熱処理する反応室を設け、さらにこの反応室に被処理
材料を連続的に供給する供給手段を備えることが繊維な
どの加熱処理の均一加熱と連続処理のために望ましい。
即ち、プラズマフレーム炉で拡散・攪拌されたプラズマ
フレームは反応室で一層攪拌され均一温度範囲の広くな
るとともに、プラズマフレームにより反応室壁も加熱さ
れるので、反応室内の被処理材料の周囲をまんべんなく
均一に加熱する。
は、前記のようにクリーンな熱源で均一温度範囲の広い
プラズマフレームが得られるので、例えばポリシリコン
などの物質の熱化学合成処理、原料粒体例えば蛍光体や
金属間化合物などを加熱溶融状態にして球状化する粒体
の球状化処理、原料粒体例えば蛍光体などを加熱してそ
の表面部のみを溶融させ、表面を溶融固化したフィルム
で覆う粒体のコーティング処理、あるいは炭素繊維の加
熱による改質処理などの加熱処理に適する。
拡散手段は炭素系材料やセラミックなどの耐熱材料によ
り作られるが、これに冷却手段を備えることにより金属
材料を使用することも可能であり、処理装置の用途・目
的によってはさらにプラズマフレームの温度を低下させ
ることができて低温領域での本加熱処理装置の使用が可
能になる。
使用される熱プラズマトーチは、清浄なプラズマフレー
ムが得られるので高周波誘導プラズマトーチが望ましい
が、電極型プラズマトーチでも可能である。
態について具体的に説明する。図1は本発明第1実施形
態の熱プラズマによる加熱処理装置の断面図、図2はそ
のプラズマフレーム炉の詳細断面図、図3は図2のX−
X断面図である(図1のプラズマフレーム炉は図3のX
−X断面図で示される)。
プラズマによる加熱処理装置の全体の構成について説明
する。本発明第1実施形態の熱プラズマによる加熱処理
装置は、プラズマトーチ11、プラズマフレーム炉2
1、反応塔31及び原料供給手段41により構成されて
いる。
構造の石英管12(図には一重に図示)の外周に高周波
誘導コイル17が巻かれ端子17a及び17bから高周
波電流が付加されるようになっている。石英管12の上
部には第1ガス供給管13、第2ガス供給管14、第3
ガス供給管15が設けられ、主として第1,2,3ガス
供給管13,14,15からプラズマガスが供給され、
目的に応じて適切な種類のガスが供給されるようになっ
ている。これらの第1〜3供給管の周囲は簡易に図示さ
れたトーチヘッド16により水冷されるようになってい
る。石英管12の下部は水冷ジャケット18に固定さ
れ、水冷ジャケット18にはクエンチングガス供給管1
9が設けられている。
1は第1、第2、第3ガス供給管13、14、15から
ガスを流入しながら高周波誘導コイル17に高周波電力
を掛けると石英管12内に図の鎖線で示すプラズマ1が
発生し石英管12の下部側から噴出する。この様なプラ
ズマトーチは公知のプラズマトーチと同様である。
下部側にプラズマフレーム炉21が設けられている。プ
ラズマフレーム炉21は、詳細を図2及び3に示すよう
に中空円筒の胴部22の両端を栓23で閉じた円筒箱型
をなし、円筒面の中心対称位置にプラズマフレームの入
口管24と出口管25がそれぞれねじ24a,25aに
より固定されている。胴部22の内部には内径同心に管
形または棒状の障害部材26が設けられ、その両端を栓
23により保持固定されている。この様に胴部22の内
部が拡散室を形成し障害部材26と併せて拡散手段が構
成されている。入口管24、胴部22、出口管25のそ
れぞれの内径A,B,C及び障害部材26の外径Dはプ
ラズマガスの種類、流速・流量、付加する高周波電力、
被処理材の種類などにより経験的に定められる。入口管
24の上端をニップル27により水冷ジャケット18の
下側に固定することによりプラズマフレーム炉21がプ
ラズマトーチ11の下部に固定されるようになってい
る。なお、障害部材26を図示したように管形にした場
合はその内径を冷却して冷却手段とすることもできる。
部22、入口管24、出口管25、障害部材26等はす
べて炭素材により製作したが、セラミックなどの耐熱材
料で製作しても良く、水冷構造にして銅など金属で製作
することも可能である。
マフレーム炉21の拡散室である胴部22を円筒型にし
たが球形にしても良い。図4(a)は胴部を球状にした
プラズマフレーム炉の断面図、同図(b)はそのY視図
である。図は胴部22´と障害部材26´を球形にして
障害部材26´を軸26aにより胴部22´の内部中心
に保持させた形状のものである。また、図5(a)に示
すように胴部22内に障害部材を装入しないで中空のま
までも良く、さらに図5(b)に示すようにプラズマフ
レームの入口管と出口管を同心対称に設けないでプラズ
マフレームの出口方向を入口方向に傾斜させて噴出させ
ることもできる。また、障害部材26は棒状、あるいは
球形にかぎるものでなくプラズマフレームを拡散・攪拌
する形状であればいかなる形状とすることもできる。
英管12内に発生したプラズマフレーム1は図1に示す
ように、プラズマフレーム炉21の入口管24から入
り、胴部22の内径と障害部材26の外径の間の空間を
回り出口管25から反応塔31内に噴出する。このとき
プラズマフレーム炉21全体が通過するプラズマフレー
ムにより加熱され、出口管25から噴出するプラズマフ
レームは放熱により温度が低下すると共に渦流が拡散・
攪拌されて温度の均一範囲が広くなる。
筒部32の上部フランジ33に上蓋34が取外し可能に
固定され、上蓋34にプラズマトーチ11の下部の水冷
ジャケット18が固定される。これによりプラズマフレ
ーム炉21を下部に取り付けたプラズマトーチ11が反
応塔31の上蓋34の上に固定されるようになってい
る。
給パイプ41が設けられその先端がプラズマフレーム炉
21の出口管25の下に開放されている。これにより、
原料粒体などの被処理材料がガスにより吹き込まれ、出
口管25から噴出するプラズマフレームにより加熱さ
れ、反応塔31内に落下するようになっている。
装置のプラズマトーチとしては高周波誘導熱プラズマが
望ましいが、これに限るものではなく電極タイプのプラ
ズマトーチにも適用できる。
置を使用して以下の諸実験を行った。 加熱処理装置の諸元: プラズマトーチ:石英管内径:46mmφ 高周波誘導加熱コイル内径:70mmφ プラズマフレーム炉:入口内径A:37mmφ 出口内径C:20mmφ 胴部内径B:50mmφ 障害部材外径:30mmφ
件の合成実験を行った。 物質:高純度ポリシリコン 高周波誘導コイル入力条件:4MHz,15kW ガス供給条件: プラズマガス:第1ガス供給管13から、Arガス:15l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:20l/min 第3ガス供給管15から、Arガス:30l/min クエンチングガス:クエンチングガス供給管19からArガス: 20l/min+H2 ガス:20l/min バブリングガス:H2 ガス:2l/minを用いて25℃の四塩化シリコン (SiCl4 )をバブリングして原料供給管41から供給した。
HClの反応により超高純度のポリシリコン粉末を得る
ことができた。この反応温度は900℃〜1300℃が
適当であるが、実験結果から本発明の加熱装置によりこ
の温度範囲の安定した加熱が得られたことが証明され
た。即ち本発明の加熱装置によれば低コストで安定した
超高純度のポリシリコンの合成ができることが判った。
を行った。 蛍光材料のBaFCl:Eu原料粉末の球状化処理: 高周波誘導コイル入力条件:3MHz,15kW ガス供給条件: プラズマガス:第1ガス供給管13から、Arガス:30l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:40l/min キャリアガス:Arガス:20l/minを用いて粒径1〜10μmの BaFCl:Eu原料粉末を5gr/minを原料供給管41から供給した。
%の収率で得られ、60%の收率しか得られなかった従
来技術よりも微粉末の発生が少なく収率が向上した。こ
のことは、従来技術よりも加熱温度が適正均一で高温過
熱による蒸発損失量が少なく、微粉末の発生が少ないこ
とを示すものである。また、輝度測定における発光特性
の輝度は原料粉(100)と同等の100が得られた。
この結果は、従来技術では原料粉の分解が生じ輝度の低
下が生ずるものがあったが、本高周波プラズマによる加
熱装置ではクリーンな熱源であるため不純物の汚染がな
く、加熱温度が適正均一なため原料粉末の結晶構造が変
わらないで球状化ができたことを示すものである。
原料中の沸点(2467℃)が低いAlが蒸発するた
め、従来技術の球状化処理ではこのAlが蒸発してUF
P化し、処理した球状粉の組成が原料粉と異なる場合が
あった。本発明の加熱装置では融点直上の球状化の所要
温度以上に加熱温度が上がらないで相の分解が生じない
状態で粒体が溶融球状化するので、組成変化が生ぜず、
bcc構造(A2型)のNb3 Alの1〜100μmの
球状粉末が98%の収率で得られた。この得られた球状
粉末を焼結後室温圧延した結果は良好な展伸性を示し
た。本処理装置では急冷が容易になるためにbcc構造
(A2型)の球状粒体が得られたものである。
して以下の実験を行った。 蛍光体ZnS:CuのSiO2 コーティング処理: 高周波誘導コイル入力条件:4MHz,15kW ガス供給条件: プラズマガス:第1ガス供給管13から、Arガス:20l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:30l/min キャリアガス:Arガス:20l/minを用いて表面にSiO2 を付着さ せた粒径20μmのZnS:Cu原料粉末5gr/minを原料供給管41から 供給した。
高周波プラズマ加熱による場合と比較して表1に示す。
耐水性試験は試験粉末をAgNO3 液に浸漬して変色状
況により判定した。表から判るように、原料粉末はAg
NO3 液に浸漬直後茶色に変色して耐水性がないことが
判るが、表面にSiO2 を溶融コーティングした本発明
方法の処理、従来方法の処理ともに12時間浸漬後も変
色がなく、SiO2 が溶融して原料粒子がコーティング
され耐水性が得られたことが判った。しかし、輝度試験
結果では、従来の高周波プラズマで直接加熱したものは
発光条件を変えても発光せずZnS:Cuが高温に加熱
されてダメージを受けたことが判った。これに対し、本
発明の加熱処理装置では、輝度は原材料の100に対し
印加電圧100V試験では77%、印加電圧200V試
験では98%が得られた。これは、本加熱処理装置によ
れば内部のZnS:Cuの温度を上げないで表面のSi
O2 だけを溶解してコーティングできることを示すもの
である。
室を設けた第2実施形態の熱プラズマによる加熱処理装
置について説明する。本発明第2実施形態の加熱処理装
置は炭素繊維の加熱処理などに適するものである。図8
は本発明第2実施形態の熱プラズマ加熱による加熱処理
装置の断面図、図9はそのプラズマフレーム炉と反応室
の詳細断面図、図10は図9のY−Y断面図である(図
8のプラズマフレーム炉と反応室の関係は90度ずらし
て図示されている)。
装置について説明する。プラズマトーチ11、プラズマ
フレーム炉21までの構成は、図1に示す第1実施形態
と同じであが、本実施形態では反応室40及び供給手段
51が設けられている点が異なる。
の出口管25に反応室42の導入管43が固定される。
反応室42の加熱部44は中空円筒管45の両端を端板
46で閉じた円筒箱型をなし、その円筒側面にプラズマ
フレームを導入する導入口を有する導入管43が固着さ
れている。中空円筒管45の両端近傍の円筒面にはプラ
ズマガスを排出する複数個の排出口47が設けられてい
る。排出口47の位置・個数は被処理炭素繊維Sが均一
に加熱されるように実験的に定められる。端板46の中
心には被処理炭素繊維Sを通過させる貫通孔46aが設
けられている。導入管43の先端のねじ43aにより反
応室42はプラズマフレーム炉21の出口管25の下部
に一体になるように固定されている。上記プラズマフレ
ーム炉21、反応室40は炭素繊維との反応を防止する
ために炭素材によって作られている。
炭素繊維Sを気密に反応塔31内に連続的に供給する原
料供給手段51が設けられ被処理炭素繊維Sを前記反応
室42の加熱部44に連続的に送るようになっている。
を通過したプラズマフレーム1は出口管25、導入管4
3から反応室42の加熱部44に導入され被加熱炭素繊
維Sを加熱してプラズマガスは排出口47から反応塔3
1内に排出される。このときプラズマフレームの渦流は
拡散・攪拌されて温度の均一範囲が広くなると共に反応
室42の加熱部44の壁を加熱する。
の1例として下記実験を行った。プラズマトーチ、プラ
ズマフレーム炉の諸元は第1実施形態と同じである。 反応室寸法: 中空円筒管内径:25mmφ 中空円筒管長さ:85mm 被処理炭素繊維S: 種類: ピッチ系炭素繊維 繊維径: 10μmφ 送り速度:10m/min 高周波誘導コイル入力条件:4MHz,15kw ガス供給条件:プラズマガス: 第1ガス供給管13から、Arガス:30l/min 第2ガス供給管14から、Arガス:45l/min クエンチングガス: クエンチングガス供給管19からArガス:20l/min
熱処理の電気炉加熱の炭素繊維が引張り強さ400fk
g/mm2 、弾性率80.0tonf/mm2 であるの
に対し、本改質処理装置で3300℃の加熱処理したも
のは引張り強さ440fkg/mm2 、弾性率90.0
tonf/mm2 と、引張り強さ、弾性率ともに10%
程度の改善ができた。これは、従来の電気炉加熱ではこ
の様な高温を得ることは非常に困難でかつコストも高い
が、高周波誘導熱プラズマによれば容易に高温が得られ
かつ本発明の構成によれば従来の直接プラズマ加熱に比
しプラズマフレームが攪拌されて被処理炭素繊維が均一
に加熱されたことを示すものである。
プラズマによる加熱処理装置によれば、プラズマトーチ
の下流にプラズマフレーム炉を設けてプラズマトーチの
プラズマフレームをこのプラズマフレーム炉を通過させ
た後流出させるので、プラズマトーチの失火のおそれな
しにフレーム温度が低く均一温度領域の広いプラズマフ
レームを得ることができる。このプラズマフレーム炉か
ら流出するフレームにより反応塔内で供給手段から供給
される被処理材料を加熱処理するので、超高温の熱プラ
ズマにより直接加熱する従来技術の熱プラズマ炉に比し
被処理材料の過温度の加熱や局部加熱が防止されて安定
した熱プラズマによる加熱処理ができる。
ズマトーチにより発生したプラズマフレームを流出入す
る入口管、出口管でプラズマ通路を形成させ、その中途
に拡径された拡散室を設け、さらに攪拌室内に障害部材
を設けているので、プラズマトーチにより発生したプラ
ズマフレームはプラズマ通路と拡散手段を通過する間に
障害部材の効果と併せてプラズマフレームが拡散、攪拌
されて温度低下すると共に温度均一領域が拡大する。さ
らに、プラズマトーチにクエンチングガス投入手段を設
けているので一層温度コントロール範囲が広がる。
ズマフレーム炉の後に反応室を設けると繊維などの加熱
処理に有効である。
ックなどの耐熱材料のほか冷却手段を備えることにより
金属材料も使用でき、加熱処理装置の用途・目的によっ
てさらに低温領域で使用できる。また、本発明の熱プラ
ズマによる加熱処理装置に使用される熱プラズマトーチ
は、高周波誘導プラズマトーチでも電極型プラズマトー
チでも可能である。
マによる加熱処理装置は、クリーンな熱源である熱プラ
ズマを使用して通常の熱プラズマより温度が低く均一温
度範囲の広いプラズマフレームが得られるので、熱プラ
ズマ加熱による物質の合成反応や、加熱溶融による粒体
の球状化や、表面物質の溶融化によるコテーィングその
他の加熱処理を行う場合に、構造や組成の変化がなく清
浄な生成物を得るのに適する。
理装置の断面図である。
理装置のプラズマフレーム炉の詳細断面図である。
室を球状断面にしたプラズマフレーム炉の断面図であ
る。
部材のない拡散手段を設けたプラズマフレーム炉の断面
図である。
ある。
ングした状態を説明する図である。
熱処理装置の断面図である。
熱処理装置のプラズマフレーム炉と反応室の詳細断面図
である。
Claims (18)
- 【請求項1】 熱プラズマにより被処理材料を加熱処理
する装置において、熱プラズマを発生する熱プラズマト
ーチと、該プラズマトーチにより発生した熱プラズマを
加熱制御するプラズマフレーム炉と、被処理材料を加熱
反応させる反応塔と、前記被処理材料を前記反応塔内に
供給する供給手段とを備えたことを特徴とする熱プラズ
マによる加熱処理装置。 - 【請求項2】 前記プラズマフレーム炉は、前記プラズ
マトーチにより発生したプラズマフレームを通過させる
プラズマ通路と、その通路の中間に前記プラズマフレー
ムの流れを拡散する拡散手段とを備えたことを特徴とす
る請求項1に記載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項3】 前記プラズマフレーム炉のプラズマ通路
と拡散手段は、前記プラズマトーチにより発生したプラ
ズマフレームが流入する入口管と流出する出口管と該入
口管と出口管の中途に設けられ拡径された拡散室により
形成されることを特徴とする請求項2に記載の熱プラズ
マによる加熱処理装置。 - 【請求項4】 前記プラズマ通路の拡散室内に前記プラ
ズマフレームの流れ方向を変更する障害部材を設けたこ
とを特徴とする請求項3に記載の熱プラズマによる加熱
処理装置。 - 【請求項5】 前記プラズマフレーム炉のプラズマ通路
と拡散手段には冷却手段を備えたことを特徴とする請求
項2から4のいずれかに記載の熱プラズマによる加熱処
理装置。 - 【請求項6】 前記プラズマフレーム炉のプラズマフレ
ームの流出する出口管側に前記プラズマフレーム炉を通
過させたプラズマフレームを導入して被処理材料を加熱
処理する反応室を設けたことを特徴とする請求項3から
5のいずれかに記載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項7】 前記反応室には被処理材料を連続的に供
給する供給手段を備えたことを特徴とする請求項6に記
載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項8】 前記熱プラズマトーチには、クエンチン
グガス投入手段を設けたことを特徴とする請求項1から
7のいずれかに記載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項9】 前記熱プラズマトーチは、高周波誘導プ
ラズマトーチからなることを特徴とする請求項1から8
のいずれかに記載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項10】 前記熱プラズマトーチは、電極型プラ
ズマトーチからなることを特徴とする請求項1から8の
いずれかに記載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項11】 前記熱プラズマによる加熱処理は、物
質の熱化学合成処理であることを特徴とする請求項1か
ら10のいずれかに記載の熱プラズマによる加熱処理装
置。 - 【請求項12】 前記熱化学合成物質はポリシリコンで
あることを特徴とする請求項11に記載の熱プラズマに
よる加熱処理装置。 - 【請求項13】 前記熱プラズマによる加熱処理は、原
料粒体を加熱溶融状態にして球状化する粒体の球状化処
理であることを特徴とする請求項1から10のいずれか
に記載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項14】 前記球状化処理粒体は蛍光体であるこ
とを特徴とする請求項13に記載の熱プラズマによる加
熱処理装置。 - 【請求項15】 前記球状化処理粒体は金属間化合物で
あることを特徴とする請求項13に記載の熱プラズマに
よる加熱処理装置。 - 【請求項16】 前記熱プラズマによる粒体の加熱処理
は、原料粒体を加熱してその表面部のみを溶融させ、表
面を溶融固化したフィルムで覆う粒体のコーティング処
理であることを特徴とする請求項1から10のいずれか
に記載の熱プラズマによる加熱処理装置。 - 【請求項17】 前記コーティング処理する粒体は蛍光
体であることを特徴とする請求項16に記載の熱プラズ
マによる加熱処理装置。 - 【請求項18】 前記熱プラズマによる加熱処理は、炭
素繊維の加熱による改質処理であることを特徴とする請
求項1から10のいずれかに記載の熱プラズマによる加
熱処理装置。
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