JP2003168595A - 高周波熱プラズマ装置 - Google Patents

高周波熱プラズマ装置

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JP2003168595A
JP2003168595A JP2001363614A JP2001363614A JP2003168595A JP 2003168595 A JP2003168595 A JP 2003168595A JP 2001363614 A JP2001363614 A JP 2001363614A JP 2001363614 A JP2001363614 A JP 2001363614A JP 2003168595 A JP2003168595 A JP 2003168595A
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JP2001363614A
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Akira Terajima
章 寺島
Yoshiaki Inoue
好明 井上
Seiji Yokota
誠二 横田
Kazuhiro Kawasaki
一博 川嵜
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Neturen Co Ltd
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Neturen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマトーチの失火のおそれなしに温度の
低い均一温度領域の広いプラズマフレームが得られる高
周波熱プラズマ装置。 【解決手段】 第1プラズマ1を発生する第1トーチ1
1と第2プラズマ2を発生する第2トーチ21の誘導加
熱コイル17、18が直列若しくは並列に接続されて1
電源により電力が付加される2段トーチ(石英管)10
を備える。プラズマフレーム中に拡散ガス放出部33と
緩衝ブロック34を設けてプラズマフレームを拡散して
プラズマフレームの温度を低下させ均一温度の範囲を広
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱プラズマ加熱に
より物質の熱化学合成をしたり、粒体を加熱溶融して球
状化処理したり、あるいは表面物質を溶融化してコーテ
ィングするなどの材料、物質を加熱処理する高周波熱プ
ラズマ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1200Kを超える高温が必要な化学物
質の熱合成や、化学物質を溶融球状化して球状粉末を得
るためなどに熱プラズマによる加熱処理装置が使用され
る。このような高周波熱プラズマによる加熱は、高温度
が容易に得られて、物質の汚染がない点で有利であり、
物質の熱合成や粉末の球状化の加熱方法として望まし
い。
【0003】上記の熱合成の際に温度が低すぎると反応
速度が低下し、あまり温度が高すぎると再分解して所要
の組成の生成物が得られない。また、前記原料粒体を熱
プラズマにより加熱溶融して球体とする場合には、加熱
温度が物質の融点より低いと溶解しないために球状化せ
ず、加熱温度が沸点より高すぎると成分が蒸発して原料
粒体と異なる構造または組成になってしまうという問題
点がある。したがって、熱プラズマにより加熱処理する
場合には熱プラズマにおける加熱部の温度を一定に保持
する必要がある。とくに融点温度が高く融点と沸点の温
度差が少ない物質の場合には高温でかつ狭い温度範囲で
管理することが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高周波
熱プラズマの温度はプラズマフレームの渦流中心の温度
が10,000Kにも達し、高周波熱プラズマによる直
接加熱方式ではプラズマフレームが超高温で温度均一領
域が狭いために、融点の低い複合材料や金属間化合物で
は温度が高すぎて分解を生じ、原料粒体と同じ特性が得
られなくなるという問題点がある。また、低融点物質の
球状化の場合にはプラズマの温度が高すぎて超微粒子が
多量に発生し、所要の粒度の球状粒子の収率が低下する
ほか、超微粒子の分級を要しコスト増となるのみでなく
分級が不可能な場合も生ずる。
【0005】一方、プラズマの渦流中心の温度を下げれ
ばプラズマフレーム中の所要温度領域が広くなるが、プ
ラズマの温度を下げすぎると失火するなどプラズマフレ
ームが不安定になるという問題点がある。そのためプラ
ズマ加熱には、必要な処理温度を得るための温度コント
ロールが難しく局部加熱されて均一な加熱が困難である
という問題点がある。
【0006】そこで本発明は、プラズマトーチにおいて
プラズマの失火を防止しながら反応に必要な加熱温度ま
でフレームの温度を下げて均一な温度領域を拡大し、物
質熱合成や球状化などに使用する場合に安定したプラズ
マフレームが得られる高周波熱プラズマ装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の高周波熱プラズマ装置は、被処理物質を加
熱処理する高周波熱プラズマ装置において、プラズマフ
レーム径の小さい第1プラズマを発生する第1トーチと
フレーム径の大きい第2プラズマを発生する第2トーチ
とを有し、該第1トーチと第2トーチの誘導加熱コイル
が直列若しくは並列に接続されて1電源により電力が付
加される2段トーチを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0008】そして本発明の高周波熱プラズマ装置の特
徴は、前記第1トーチのフレームと第2トーチのフレー
ムが繋がっていることにある。
【0009】従来の高周波熱プラズマ装置は、図4に示
すように石英管5の内部にプラズマガスを流しながら外
周に巻かれた誘導加熱コイル6に高周波電流を付加して
熱プラズマ4を発生させる1段トーチの装置が使用され
ている。このような装置の熱プラズマにより被処理物質
を直接加熱する場合には、熱プラズマの温度が局部的に
非常に高いため、被処理物質が所定温度より過温度に加
熱されるおそれがある。また、これを避けるために熱プ
ラズマの温度を下げると失火するという使い難さがあっ
た。
【0010】そこで本発明の高周波熱プラズマ装置は、
プラズマフレームをプラズマフレーム径の小さい第1ト
ーチとフレーム径の大きい第2トーチとの2段トーチに
して、第1トーチの高温フレームを第2トーチにより拡
散してプラズマフレームの均一温度の領域を広くしたも
のである。
【0011】このような2段トーチは公知であるが、従
来の2段トーチは図5(a)に示すように第1トーチと
第2トーチの高周波誘導加熱コイルを、それぞれ別個の
電源に並列に接続していた(明石和夫:表面技術,Vo
l.41,No.5,1990,P18)。このため
に、同図に示すように第1トーチのプラズマフレームと
第2トーチのフレームが繋がらないでとぎれるため、十
分な拡大効果が得られなかった。
【0012】これに対し発明者らは、図5(b)又は
(c)に示すように第1トーチと第2トーチの誘導加熱
コイルを直列若しくは並列に接続して1電源により電力
を付加することにより、同図に示すように第1トーチの
プラズマフレームと第2トーチのフレームが切れないで
繋がることを見出だした。これによりフレームの拡大効
果を増すことができ、プラズマトーチの失火のおそれな
しに温度の低い均一温度領域の広いプラズマフレームを
得ることができた。
【0013】また、本発明の高周波熱プラズマ装置は、
被処理物質を加熱処理する高周波熱プラズマ装置におい
て、プラズマフレーム中にプラズマフレームを拡散させ
る拡散手段を設けけることにより、プラズマフレームの
温度が下がり、かつフレームの均一温度領域が広くなっ
て、物質加熱の取り扱いが容易になる。
【0014】前記拡散手段は、ガス放出によりプラズマ
フレームを拡散する拡散ガス放出部又は/及びフレーム
を衝突させて拡散する緩衝ブロックをプラズマフレーム
中に設けることが望ましい。そして、前記拡散ガス放出
部と緩衝ブロックとが一体に形成された拡散手段が、プ
ラズマ加熱部に原料を投入する原料投入管に設けられる
ことが簡易に目的を達成するために望ましい。
【0015】このように、プラズマフレーム中を貫通す
る原料投入管に拡散ガス放出部を設けて、フレーム中心
の拡散ガス放出部から拡散ガスを放出することにより、
プラズマフレームの温度が下がり、かつフレームが拡散
されて均一温度の領域が広くなり物質の加熱が容易にな
る。また、緩衝ブロックを設けることにより、流出する
プラズマフレームが緩衝ブロックに衝突してフレームの
流れが拡散されてフレームの温度が均一になる。この緩
衝ブロックはプラズマフレームが衝突して流れが乱れる
形状であれば、どのようなものでも良いが、拡散ガス放
出部と一体にすることが簡易である。また、拡散ガス放
出部と緩衝ブロックはいずれか一方の設置でも効果があ
るが、両者を併用すれば一層効果が向上する。
【0016】また、プラズマフレームの流れを分散させ
る複数のフレーム通過孔が設けられた孔付部材からなる
拡散手段がプラズマフレームの流路の途中に配設される
ことが望ましい。このようにすると、孔付部材に衝突し
たプラズマフレームは、複数のフレーム通過孔を分散し
て通過し、フレームが拡散されるのでフレーム温度が均
一になる。
【0017】上記の拡散手段は、2段トーチの熱プラズ
マのみでなく、従来の1段トーチの熱プラズマ装置に使
用しても効果があり、また、上記の拡散手段を組み合わ
せて採用することにより、一層プラズマフレームの拡散
効果が増進される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の第1実施形
態について具体的に説明する。図1は本発明第1実施形
態の高周波熱プラズマ装置の断面図、図2は第2実施形
態の拡散手段の詳細図である。
【0019】[第1実施形態]まず図1に基づき本発明
第1実施形態の高周波熱プラズマ装置の構成について説
明する。本発明第1実施形態の熱プラズマによる加熱処
理装置は、第1トーチ11、第1トーチ21からなる2
段プラズマトーチと拡散手段31及び原料供給手段41
により構成されている。
【0020】2段プラズマトーチになる水冷される二重
管構造の石英管(図には一重に図示)10は、小径管1
2と大径管22とが連結された2段円筒になっている。
小径管12と大径管22の外周には、それぞれ高周波誘
導コイル(以下単にコイルという)17、18が巻か
れ、コイル17、18に同方向の電流が流れるように接
続部17aにより接続されている。そして、図示しない
高周波電源に接続されてコイル17、18に高周波電流
が付加されるようになっている。こうして小径管12が
第1トーチ11を、大径管22が第2トーチ21を構成
している。
【0021】小径管12の上部は水冷の(水冷は図示し
ない)トーチヘッド16に固定され、大径管22の下部
は水冷ジャケット(水冷は図示しない)19に固定さ
れ、トーチヘッド16と水冷ジャケット19はタイバー
20により締結されて、石英管10を保持している。そ
して水冷ジャケット19が図示しない加熱処理装置のタ
ンクなどに装着されるようになっている。
【0022】トーチヘッド16の中心に原料供給管41
を挿通した拡散手段保持管32が装着されている。拡散
手段保持管32の外側に円筒状のシース管45が小径管
12の内周との間に隙間を持たせて設けられトーチヘッ
ド16に固定されている。
【0023】トーチヘッド16にコアガス供給管13、
クーリングガス供給管14、拡散ガス供給管15が設け
られ、コアガス供給管13から拡散手段保持管32とト
ーチヘッド16の中心孔との隙間を通してコアガスが供
給され、クーリングガス供給管14からシース管45と
小径管12との隙間を通してクーリングガスが供給さ
れ、拡散ガス供給管15から拡散手段保持管32の内部
に拡散ガスが供給される。これらのガスは、目的に応じ
て適切な種類のガスが選択される。
【0024】上記構成の石英管(プラズマトーチ)10
に、コアガス、クーリングガス供給管13、14からガ
スを流入しながらコイル17、18に高周波電力を掛け
ると図の鎖線で示すように小径管12の第1プラズマ1
と大径管22の第2プラズマ2の2段プラズマが発生
し、大径管22の下部側から噴出する。
【0025】この際に、小径管12と大径管22のコイ
ル17、18は連結されて1電源により加熱され、図の
鎖線で示すような形の第1プラズマと第2プラズマが切
れることなく繋がることに本発明の特徴がある。
【0026】[第2実施形態]次に図1および2により
第2実施形態の拡散手段31について説明する。拡散手
段31は、第2トーチのプラズマフレーム2中に配設さ
れ、拡散手段保持管32と拡散ガス放出部33とにより
構成され、拡散ガス放出部33の外形が緩衝ブロック3
4を構成している。拡散手段保持管32の内部に原料供
給管41が挿通され、拡散手段保持管32の一端がトー
チヘッド16に支持されている。
【0027】拡散ガス放出部33は拡散手段保持管32
の他端が膨らんだ形状をなし外周に複数の放射状ガス孔
33aが設けられ、拡散手段保持管32の内周と原料供
給管41との隙間から拡散ガス供給管を通じて供給され
る拡散ガスを放射方向に放出するようになっている。こ
れによって、プラズマフレームは温度が低下するととも
に拡散されて均一温度領域が広くなる。
【0028】図2に拡散ガス放出部33の形状の一例を
示す。拡散ガス放出部33の外形は肩を張った円筒状を
なし、プラズマフレームをこの肩部に衝突させて拡散す
る緩衝ブロックを構成している。これにより、図2に示
すようにプラズマフレームが拡がって拡散され、前述の
拡散ガス放出部33の効果を一層助長する。
【0029】拡散手段保持管32の内部に挿通された原
料供給管41は中空パイプをなし、図示しないホッパー
に装入された原料粉末を一端41aからキャリヤガスに
より第2プラズマフレーム2中に供給する。
【0030】上記第1、第2実施形態の構成の高周波熱
プラズマ装置の動作について説明する。まずコアガス、
クーリングガス供給管13、14からAr,H2 などの
ガスを供給しながらコイル17、18に高周波電流を付
加すると図1の鎖線で示すように第1、第2プラズマが
発生する。このとき、第1プラズマの中心部は10,0
00Kもの超高温になり中心と外周の温度差が大きい。
本発明の装置では、この第1プラズマが第2プラズマと
繋がり、第2プラズマはコイル18の位置で拡大される
ので、第2プラズマでは温度がやや低下し均一温度領域
も広くなる。
【0031】第2プラズマフレームは、緩衝ブロック3
4に衝突して拡散されるので、フレーム温度の均一領域
がさらに広くなる。また、拡散ガス供給管15から拡散
ガスが供給され、拡散手段31の拡散ガス放出部33か
ら第2プラズマ2のフレーム中にガスを放出されるの
で、プラズマフレームの温度が低下するとともに、均一
温度領域が一層が広くなる。
【0032】この状態で原料供給管41からキャリヤガ
スとともに原料粉末をプラズマフレーム中に供給するこ
とにより、物質の熱合成や粉末の溶融球状化が行われ
る。本発明の高周波熱プラズマ装置は、所要の温度の均
一温度領域の広いプラズマフレームが得られるので、加
熱温度が高すぎて物質が再分解したり、温度が沸点より
高すぎて異なる組成になったりすることなく、熱合成や
溶融球状化を行うことができる。
【0033】上記構成の本発明の高周波熱プラズマ装置
と図5に示す従来の高周波熱プラズマ装置を用いてAl
PO4 材料の溶融球状化を行った。その結果を図6〜1
1に示す。図6はプラズマ条件を示す図、図7は原料の
AlPO4 のX線回折パターン、図8は従来装置で球状
化した球状粉末のX線回折パターン、図9は本発明装置
で球状化した球状粉末のX線回折パターンを示す。ま
た、図10及び図11は、それぞれ従来装置と本発明装
置で球状化した球状粉末のSEM写真である。
【0034】図6に示すようにプラズマ条件は従来装
置、本発明装置ともほぼ同一であるが、入力電力は従来
装置は10kWに対し本発明装置は20kWと2倍の入
力をかけて加熱処理能力を増加させた。
【0035】図10及び図11のSEM写真に見られる
ように従来装置、本発明装置ともに良好な球状体が得ら
れた。しかし、X線回折パターンを見ると、図7の原料
のパターンはAlPO4 の回折線を示しているが、図8
の従来装置で球状化した粉末のパターンはAl2 3
パターンを示している。すなわち、従来装置ではプラズ
マ温度が高温過ぎてAlPO4 がAl2 3 に分解して
しまったことを示す。これに対し、図9の本発明の装置
により球状化した粉末のパターンは原料と同じAlPO
4 のパターンを示している。これは、本発明の装置で
は、従来装置より2倍の電力を入力して加熱能力を増し
たにもかかわらず、プラズマ温度は低下して均一温度領
域が広くなったため、粒子の組成の変化を生じない適正
な温度で球状化されたことを示すものである。
【0036】このように本発明の高周波熱プラズマ装置
によれば、従来のプラズマ装置では組成の変化なしに球
状化できなかった物質の球状化が能率良く可能になる。
【0037】上記構成の本発明の高周波熱プラズマ装置
と図5に示す従来の高周波熱プラズマ装置を用いてNb
・Al系金属材料の溶融球状化を行った。その結果、従
来の高周波熱プラズマ装置によって球状化した場合は球
状粉末の収率が30%であったが、本発明の装置を使用
した場合は85%の収率が得られた。
【0038】[第3実施形態]次に第3実施形態の拡散
手段について説明する。図3は第3実施形態の拡散手段
の概念図である。第3実施形態の拡散手段はプラズマフ
レームの流路に孔付部材35を設けたものである。孔付
部材35は、図のようにプラズマフレームが通過する多
数の貫通孔35aが設けられた円板からなる。これをプ
ラズマフレームの流路に配設すると、プラズマフレーム
が貫通孔を通過する際に拡散されて渦流が生ずるのでフ
レーム断面の温度が均一になる。貫通孔35aは、図に
示すように螺旋状に設けることが拡散効果を増すために
望ましい。
【0039】上記第2、第3実施形態の拡散手段は、2
段プラズマのみでなく従来の1段プラズマに使用しても
効果が得られる。
【0040】以上述べたように、本発明実施形態の高周
波熱プラズマ装置は、第1プラズマを発生する第1トー
チと第2プラズマを発生する第2トーチの誘導加熱コイ
ルが直列若しくは並列に接続されて1電源により電力が
付加される2段トーチを備えているので、 従来の2
段プラズマのように第1トーチのプラズマと第2トーチ
のプラズマのフレームがとぎれることがなく、第1プラ
ズマと第2プラズマのフレームが繋がって第2プラズマ
の拡大効果を増し、プラズマフレームの十分な拡大効果
が得られる。 プラズマフレームの局部の超高温部の
温度を低下し、プラズマトーチの失火のおそれなしに温
度の低い均一温度領域の広いプラズマフレームを得るこ
とができる。 これにより、プラズマフレームで直接
物質を加熱する場合に熱プラズマの温度が局部的に高す
ぎて過温度に加熱されることが防止される。
【0041】また、本発明の高周波熱プラズマ装置は、
プラズマフレームを拡散させる拡散手段が設けられてい
るので、プラズマフレームの温度が下がり、かつフレー
ムの均一温度領域が広くなって物質加熱の取り扱いが容
易になる。
【0042】この拡散手段として、緩衝ブロックを設け
てプラズマフレームを衝突させて拡散し、拡散ガス放出
部を設けてプラズマフレームをガスにより拡散するの
で、フレームの温度を低下させるとともに均一温度領域
を拡大する。
【0043】また、拡散手段には、フレーム通過孔を設
けた孔付部材をプラズマフレームの流路の途中に配設し
てプラズマフレームの流れを分散させても良い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高周波熱
プラズマ装置によれば、プラズマトーチの失火のおそれ
なしに、温度の低い均一温度領域の広いプラズマフレー
ムを得ることができるので、従来のプラズマ装置ではで
きなかった組成などに変質が生じない物質のプラズマ加
熱による熱合成や、収率の高い粉末の溶融球状化などの
プラズマ加熱の用途が拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明第1実施形態の高周波熱プラズマ装置
の断面図
【図2】 本発明第2実施形態の拡散手段の1例を示す
詳細図
【図3】 本発明第3実施形態の拡散手段の1例を示す
詳細図
【図4】 従来の1段プラズマの説明図
【図5】 本発明の2段プラズマと従来の2段プラズマ
との差を説明する図
【図6】 本発明の高周波熱プラズマ装置と従来のプラ
ズマ装置とによる球状化実験のプラズマ条件を示す図
【図7】 本発明実施形態の原料のX線回折パターンを
示す図
【図8】 従来のプラズマ装置により球状化した粉末の
X線回折パターンを示す図
【図9】 本発明の高周波熱プラズマ装置により球状化
した粉末のX線回折パターンを示す図
【図10】 従来のプラズマ装置により球状化した粉末
のSEM写真
【図11】 本発明の高周波熱プラズマ装置により球状
化した粉末のSEM写真
【符号の説明】
1 第1プラズマフレーム、2 第2プラズマフレー
ム、4 熱プラズマ、5石英管、6 誘導加熱コイル、
10 石英管(プラズマトーチ)、11 第1トーチ、
12 小径管、13 コアガス供給管、14 クーリン
グガス供給管、15 拡散ガス供給管、16 トーチヘ
ッド、17 高周波誘導コイル、18高周波誘導コイ
ル、19 水冷ジャケット、20 タイバー、21 第
2トーチ、22 大径管、31 拡散手段、32 拡散
手段保持管、33 拡散ガス放出部、34 緩衝ブロッ
ク、35 孔付部材、41 原料供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 誠二 神奈川県平塚市田村5893番地 高周波熱錬 株式会社内 (72)発明者 川嵜 一博 神奈川県平塚市田村5893番地 高周波熱錬 株式会社内 Fターム(参考) 4G075 AA27 AA30 CA02 CA03 CA47 EB43 FB06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物質を加熱処理する高周波熱プラ
    ズマ装置において、プラズマフレーム径の小さい第1プ
    ラズマを発生する第1トーチとフレーム径の大きい第2
    プラズマを発生する第2トーチとを有し、該第1トーチ
    と第2トーチの誘導加熱コイルが直列若しくは並列に接
    続されて1電源により電力が付加される2段トーチを備
    えたことを特徴とする高周波熱プラズマ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1トーチのフレームと第2トーチ
    のフレームが繋がっていることを特徴とする請求項2に
    記載の高周波熱プラズマ装置。
  3. 【請求項3】 被処理物質を加熱処理する高周波熱プラ
    ズマ装置において、プラズマフレーム中にプラズマフレ
    ームを拡散させる拡散手段が設けられたことを特徴とす
    る高周波熱プラズマ装置。
  4. 【請求項4】 前記拡散手段は、ガス放出によりプラズ
    マフレームを拡散する拡散ガス放出部又は/及びフレー
    ムを衝突させて拡散する緩衝ブロックがプラズマフレー
    ム中に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の高
    周波熱プラズマ装置。
  5. 【請求項5】 前記拡散ガス放出部と緩衝ブロックとが
    一体に形成された拡散手段が、プラズマ加熱部に原料を
    投入する原料投入管に設けられたことを特徴とする請求
    項4に記載の高周波熱プラズマ装置。
  6. 【請求項6】 プラズマフレームの流れを分散させる複
    数のフレーム通過孔が設けられた孔付部材からなる拡散
    手段がプラズマフレームの流路の途中に配設されたこと
    を特徴とする請求項4に記載の高周波熱プラズマ装置。
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