JPH10189002A - 燃料電池用電極及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極及びその製造方法

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JPH10189002A
JPH10189002A JP8358190A JP35819096A JPH10189002A JP H10189002 A JPH10189002 A JP H10189002A JP 8358190 A JP8358190 A JP 8358190A JP 35819096 A JP35819096 A JP 35819096A JP H10189002 A JPH10189002 A JP H10189002A
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particles
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Tsutomu Seki
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒粒子、電解質及び撥水化剤を含む燃料電池
用電極において、触媒粒子に対する電解質のコーティン
グ性を改善し、これを用いた電池の性能を大幅に改善す
る。 【解決手段】触媒粒子、電解質、撥水化剤を含む燃料電
池用電極であって、触媒粒子及び電解質溶液混合物の噴
霧乾燥により、触媒粒子が電解質によりコーティングさ
れてなることを特徴とする燃料電池用電極及びその製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用電極及
びその製造方法に関し、より具体的には、触媒粒子、電
解質及び撥水化剤を含む燃料電池用電極及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池、例えば固体高分子型燃料電池
は、イオン伝導体すなわち電解質が固体で且つ高分子で
ある点に特徴を有するものであるが、その固体高分子電
解質膜としては、具体的にはイオン交換樹脂膜等が使用
され、この電解質膜を挟んで負極及び正極の両電極を配
置し、例えば、負極側に燃料としての水素を、また正極
側には酸素又は空気を供給することにより電気化学反応
を起こさせ電気を発生させるものである。
【0003】その固体高分子電解質膜に接する負極及び
正極の両電極としては、その中に反応を促進させるため
の触媒が添加、使用される形式のものがあるが、この形
式の電極の製造法としては、これまで種々のものが提案
されてきている。例えば、米国特許第3297484号
には、白金ブラック、パラジウムブラック等の触媒粒子
或いはこれらをカーボン粒子に担持させた粒子をポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)と混合して電極シー
トとし、これをイオン交換樹脂膜に熱圧着する方法が、
また特公昭58ー47471号では、イオン交換樹脂膜
の内表面に触媒金属層を析出させた後、さらにその表面
に触媒金属層を成長させる方法が紹介され、ここでの触
媒成分としては白金その他の白金族金属が示されてい
る。
【0004】また、「電気化学」53、No.10(1
985)、812〜817頁には、固体高分子電解質と
してパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜の一種であ
るNAFIONー117膜(Du Pont社製、商品
名)を用いた燃料電池において、この材質に対応する材
料を用いて電子ーイオン混合伝導体を接合することによ
り、反応サイト(反応域)を三次元化し、作用面積を上
げる試み等が紹介されている。これによれば、固体高分
子電解質としてのNAFIONー117膜の片面に対し
て無電解メッキ法により白金電極を接合して水素極すな
わちアノードとする一方、この電極の対極を構成する酸
素極すなわちカソード側電極を概略以下の工程により製
作している。
【0005】まず、酸素極用の電極触媒粉末として、白
金ブラック粉末又は10%の白金を担持したカーボン粉
末(以下、適宜白金担持カーボン粉末という)を用い、
これにアンバーライトIRー120B(Tー3)〔スチ
レンージビニルベンゼンスルホン酸樹脂、Na型、粒経
30μmの粉末、Organo社製、商品名〕又はNA
FIONー117(パーフルオロカーボンスルホン酸樹
脂、H型、脂肪族アルコールと水との混合溶媒中5%溶
液、Aldrich Chemical社製、商品名)
を、種々の混合比で混合する。
【0006】次いで、上記のように得られた各混合物に
対し、PTFEを、白金ブラック粉末の場合は固形分重
量割合で30%、白金担持カーボン粉末の場合には同じ
く60%、水懸濁液状で加えて混練した後、圧延してシ
ート状とし、真空乾燥後、このシートを固体高分子電解
質としてのNAFION膜に対して、温度100℃、圧
力210kg/cm2 でホットプレスするというもので
ある。そして、固体高分子電解質としてのNAFION
膜に接合される酸素極にイオン交換樹脂膜を混入するこ
とにより、反応サイトの三次元化を図り、分極特性を著
しく向上させることができ、このイオン交換樹脂膜の混
入による効果は、特に白金を担持したカーボンを電極触
媒とした場合に大きい旨指摘されている。
【0007】このほか、特開平4ー162365号に
は、白金触媒担持のカーボンブラックと触媒無担持のカ
ーボンブラックとを、それぞれ固体高分子電解質の一種
であるNAFIONのブタノール溶液で浸漬処理し、次
いで両粒子の混合物をPTFEのディスパージョンで処
理すること等を特徴とする方法が紹介されており、この
方法では、使用触媒の量を少なくし、低コストで高性能
の電極が得られ、小型高出力密度の燃料電池の作製が可
能となるとしている。
【0008】本発明者は、燃料電池で使用するそのよう
な電極を製造する方法について、各種研究、開発を進め
てきているが、返ってPTFEを用いることなく、製造
工程を簡略化し、その電池性能上も優れた電極を製造す
る方法を別途開発し、提案している。この場合にも、触
媒粒子を高分子電解質でコーティングする点では変りは
ないが、その電極の製造過程において行う触媒粒子と高
分子電解質溶液とを混合した懸濁液から、溶媒を抜き、
除去する工程の中に、電極そのものの特性を左右し、延
いては電池の出力や持続性、その他の電池性能に微妙に
影響している要素があることが観察された。
【0009】すなわち、燃料電池用の電極を製造する工
程においては、触媒粒子として、例えば白金ブラックや
これを担持させたカーボンブラック粒子を製造し、これ
と固体高分子電解質溶液とを、さらに溶媒を加えて均一
に混合することにより懸濁液を造り、次いで、必要に応
じ、結合剤としてのポリテトラフルオロエチレン系の樹
脂等を混合することになるが、この混合工程に先立ち、
その懸濁液からその中の溶媒を除去する工程が必要不可
欠である。
【0010】この溶媒の除去操作としては、その溶媒の
自然蒸発に任せる場合もあるが、その懸濁液を加熱して
溶媒を気化、蒸発させ、またそれらの促進を図るため、
その操作を真空すなわち減圧状態として実施し、しかも
この加熱、減圧操作は沸騰状態で実施されているのが通
常である。しかし、溶媒除去操作におけるその沸騰状態
そのものが、その組成中の各成分の分布にバラツキ等を
生じ、これが電極そのものの特性を左右し、延いては電
池の出力、持続性、その他その性能に微妙に影響してい
ることが観察された。
【0011】本発明者は、この知見に基づき、この溶媒
除去操作自体としては多少時間を要し、また細心の注意
を要するが、その操作を沸騰状態を回避し、触媒粒子と
固体高分子電解質とが均一に混合した状態を保持したま
まで、溶媒を蒸発させ、抜くことができ、これを用いた
電池の性能を著しく向上させ得る固体高分子型燃料電池
用電極の製造方法を先に開発している(特開平7ー13
0376号)。
【0012】特開平7ー130376号によれば、触媒
粒子を高分子電解質でコーティングする形式の固体高分
子型燃料電池用電極の製造法において、固体高分子型燃
料電池用電極を、予め触媒粒子と溶液中に溶解した高分
子電解質とを混合した懸濁液から、その溶媒を除去する
に際し、この溶媒除去操作を、その懸濁液を攪拌しなが
ら加熱し、沸騰状態となる直前まで減圧することにより
行うものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記触媒層の原料は触
媒粒子、電解質及び撥水化剤の3つであり、このうち電
解質は電極反応点を増加させるために混合される。とこ
ろが、従来の技術では触媒粒子に対して電解質が厚くコ
ーティングされ易く、このため反応点にガスが拡散しに
くいという欠点があった。そこで、本発明においては、
電解質と触媒粒子とを噴霧乾燥することで電解質が触媒
粒子に薄くコーティングされ、触媒としての利用率を格
段に向上させ得ることを見い出し、本発明に至ったもの
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、触媒粒子、電
解質、撥水化剤を含む燃料電池用電極であって、触媒粒
子及び電解質溶液混合物の噴霧乾燥により、触媒粒子が
電解質によりコーティングされてなることを特徴とする
燃料電池用電極を提供する。
【0015】本発明は、多孔質のシートからなる拡散層
上に、触媒粒子、電解質、撥水化剤を含む触媒層を担持
してなる燃料電池用電極であって、触媒粒子及び電解質
溶液混合物の噴霧乾燥により、触媒粒子が電解質により
コーティングされてなることを特徴とする燃料電池用電
極を提供する。
【0016】また、本発明は、触媒粒子、電解質及び撥
水化剤からなる燃料電池用電極の製造方法において、触
媒粒子と電解質溶液を混合して噴霧乾燥することによ
り、触媒粒子を電解質によりコーティングすることを特
徴とする燃料電池用電極の製造方法を提供する。
【0017】また、本発明は、多孔質のシートからなる
拡散層上に触媒粒子、電解質及び撥水化剤からなる触媒
層を担持してなる燃料電池用電極の製造方法において、
触媒粒子と電解質溶液を混合して噴霧乾燥することによ
り、触媒粒子を電解質によりコーティングすることを特
徴とする燃料電池用電極の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】燃料電池にはりん酸型、アルカリ
型、固体高分子型等各種あるが、本発明の電極及びその
製造方法はそれらの何れの燃料電池用の電極についても
適用される。本発明の電極は、触媒粒子、電解質及び撥
水化剤を含むが、触媒粒子としては、燃料電池の電極用
として使用され得る触媒粒子であれば使用され、この触
媒粒子は、好ましくは担体粒子に活性金属を担持して構
成される。
【0019】上記活性金属としては燃料電池の電極用と
して有効な活性を有する金属であれば使用されるが、好
ましくは白金、白金を含む合金又はパラジウムが用いら
れ、これら活性金属は、担体粒子に一種又は二種以上が
担持される。また活性金属を担持する担体粒子には特に
限定はないが、好ましくはカーボンブラック等のカーボ
ン粒子が用いられる。これらの例としては白金ブラック
粉末、白金合金粉末、白金担持のカーボンブラック粉
末、白金合金担持のカーボンブラック粉末、パラジウム
ブラック粉末、パラジウム担持のカーボンブラック等が
挙げられる。
【0020】その電解質としては、各種イオン交換樹脂
等が使用できる。この場合、特に固体高分子型燃料電池
として構成し、その高分子電解質膜としてNAFION
膜系のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いる
場合には、同系統のパーフルオロカーボンスルホン酸系
の樹脂を用いるのが好ましい。
【0021】触媒粒子及び電解質の混合物、すなわち本
発明の製造方法で得られる電解質でコーティングされた
触媒粒子には撥水化剤が混合される。撥水化剤の種類と
しては特に限定はないが、好ましくはポリテトラフルオ
ロエチレン系ポリマーが用いられる。ここでポリテトラ
フルオロエチレン系ポリマーとは、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)のほか、テトラフルオロエチレン
ーヘキサフルオロプロピレン共重合体等の共重合体、そ
の他その誘導体をも含めた意味である。
【0022】また、本発明における触媒粒子、電解質及
び撥水化剤を含む混合物は触媒層としてシート化される
が、そのシート化の態様としては、例えば触媒粒子、
電解質及び撥水化剤を含む混合物を混練物とし、これを
圧延等によりシート化する、その混合物をアルコール
等の溶媒を用いて溶液とし、これを多孔性の基材面上に
膜状に塗工する、、の態様と類似するが、各触媒粒
子を含む懸濁液又は粘性懸濁液をスクリーン印刷等の印
刷法により担持させる、その混合物をアルコール等の
溶媒を用いて溶液とし、これを多孔性の基材面上に濾過
法により堆積、担持させる等の各種態様により実施する
ことができる。本発明によればこれらの何れの態様を採
る場合にもその電極特性等上優れた効果を得ることがで
きる。
【0023】このうち〜の態様を採る場合、その多
孔性の基材は電極中ガス拡散層となるもので、この材料
としては各種材質からなる多孔性のペーパー又はシート
(本明細書中、両者を含めて適宜「シート」と指称して
いる)、或いはこれらを適宜撥水化して使用することが
できるが、好ましくはカーボンペーパーや撥水化カーボ
ンペーパーを用いることができ、このうち特にその優れ
た特性から撥水化カーボンペーパーを用いるのが有利で
ある。
【0024】上記撥水化カーボンペーパーは、所定の気
孔率及び厚さを有するカーボンペーパーを用い、これに
対してポリテトラフルオロエチレン系ポリマーのディス
パージョンを含浸させた後、熱処理をして撥水化したも
のである。ここでポリテトラフルオロエチレン系ポリマ
ーとはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のほ
か、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体等の共重合体その他その誘導体をも含む意味
である。
【0025】ここで、本発明に係る触媒粒子と電解質の
混合溶液を噴霧乾燥する構成を含む電池作製の一態様例
について述べると、(1)白金を担持した触媒粒子と電
解質のアルコール溶液を混合する。(2)該混合液を送
液し、熱風流路上の蒸発管内へノズル、好ましくは二流
体ノズルを介して噴霧し、乾燥された混合体を例えばサ
ンクロンで捕集する。(3)捕集混合体とPTFEのデ
ィスパージョンをコロイドミルで混合する。(4)、
(3)で得られた混合液を撥水化カーボンペーパー上に
散布し、溶媒の濾過により触媒層を形成させる。(5)
作製した電極の間に固体高分子電解質膜を挟み、ホット
プレス等によりプレスして電池を得る。
【0026】上記工程のうち、(4)における溶媒の濾
過工程としては、好ましくは図1に示すような装置を用
いることができる(特開平8ー148154号)。図1
中、1は中空筒状体であり、図示のとおり竪型に配置さ
れる。2は上板、3は下板、4、5はそれぞれ上方及び
下方のパッキン、6は触媒層が堆積されるガス拡散板で
ある。このうちパッキン4、5は、中空筒状体1の上下
縁部の形状に合わせた形状に構成され、例えば中空筒状
体が円筒状である場合には、その上下縁部に対応して円
環状に構成される。
【0027】また、上板2は、濾過する溶液を導入する
管7、過剰圧時に空気を放出する管8を備え、容器内内
圧を上昇させるコンプレッサー10からの圧縮空気を導
入する管9が連結される。11は下板3の中央部に設け
られた溶媒排出口、12は下板3に一体に取付けられた
脚部である。ガス拡散板6は、中空円筒体1の下部開口
縁部とパッキン5の間に挟持され、これをフィルターと
してその上面に溶液中の溶質すなわち触媒粒子が堆積さ
れることになる。
【0028】下板3は、好ましくは図中点線で示すとお
りロート状に構成され、これにより濾過後の溶媒がスム
ーズに流れるようになっている。下板の上面をこのよう
にロート状に構成することにより、中空筒状体1等の他
の構成とも相まち、濾過後の溶媒が溶媒排出口に向かっ
てスムーズに流れ、また仮りに堆積物の厚みに分布が生
じても厚い部分は流れが悪くなり、堆積速度が落ちるた
め全体として均一な層とすることができる。その傾斜は
このような効果を得る上で必要な限度で適宜設定され
る。
【0029】その概略、以上の装置を操作するに際して
は、組立作業を終了した後、中空円筒体1に触媒粒子を
含む溶液をその収容容器から導管7を介して供給し、コ
ンプレッサー10により圧縮空気を導入して中空円筒体
1内を加圧状態として操作する。この場合、その加圧の
程度は装置の規模、触媒粒子を含む溶液の流動性、ガス
拡散板6自体の強度等の性質、下板3上面のロート状傾
斜の程度等如何により適宜選定できるが、通常、例えば
中空円筒体の直径が30cm、高さ5cm程度の場合に
は0.1kg/cm2 G(ゲー圧)以下で十分である。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳述す
るが、本発明がこの実施例に限定されないことは勿論で
ある。まず、カーボンブラック粒子に対して50重量
%の白金を担持した触媒粒子2gとNAFION(パー
フルオロカーボンスルホン酸樹脂、高分子電解質、Du
Pont社製、商品名)1.5gのアルコール溶液と
を、水とイソプロパノールとの混合溶媒中に加えて均一
に混合し、懸濁液を得た。
【0031】次いで、該混合液を毎時500ml送液
し、熱風流路上の蒸発管内へ二流体ノズルを介して噴霧
して、乾燥されたコーティング混合体とし、この混合体
をサンクロンで捕集した。該捕集したコーティング混
合体2.5gとポリフロン(PTFE1.5gのディス
パージョン(ポリテトラフルオロエチレン、ダイキン工
業社製、登録商標)を加えてコロイドミルで混合した。
、で得られた混合液を、図1に示す溶媒濾過法によ
り、撥水化カーボンペーパー上に堆積させて触媒層を形
成し、実施例電極シートを得た。
【0032】上記撥水化カーボンペーパーは下記のとお
りにして作製した。気孔率80%、厚さ0.4mmのカ
ーボンペーパーにネオフロン(テトラフルオロエチレン
ーヘキサフルオロプロピレン共重合体、ダイキン工業社
製、登録商標)のディスパージョンを含浸させた後、熱
処理を行い、ネオフロンで撥水化したカーボンペーパー
を得た。この場合、その量的割合は、ネオフロンがその
全体量中20重量%占めるよう調製した。
【0033】一方、比較例として、以上〜の工程の
うちのの工程に代えて、電解質を以下′のようにし
てコーティングした以外は上記と同様にして、撥水化カ
ーボンペーパー上に触媒層を形成し、比較例電極シート
を得た。′触媒粒子とNAFIONのアルコール溶液
を、水とイソプロパノールとの混合溶媒中に加えて均一
に混合して懸濁液を得た後、その懸濁液収容フラスコを
回転させながら、その下部から湯浴により温度50℃に
加熱する一方、真空ポンプにより吸引して容器内圧力を
下げることにより、溶媒の気化、蒸発を促進させた。
【0034】以上の工程で作製した実施例電極シート及
び実施例電極シートを共に電極面積10cm2 として用
い、各々、電極シートの2枚間にNAFION膜(固体
高分子電解質膜、Du Pont社製、商品名)を挿入
し、温度140℃、圧力100kg/cm2 で60秒間
ホットプレスして一体化し、各々、燃料電池としてセッ
トした。
【0035】次いで、各燃料電池について、電池として
の性能の変化を測定した。本測定では、燃料として水素
を使用し、これをアノード側に供給する一方、カソード
側には酸素を供給した。この両ガスの供給圧力はともに
2atmとし、水素は温度95℃で、酸素については5
0℃で加湿し、また電池の温度を80℃に保って操作し
て測定した。図2は、以上で各供試電池について測定し
た電流密度とセル電圧との関係を示したものである。
【0036】図2のとおり、実施例電極シートを用いた
電池においては、その電圧は高く、電流密度の増加とと
もに僅かずつ低下はするが、電流密度1.000A/c
2の時点でも0.55Vの電圧を維持している。一
方、比較例電極シートを用いた電池の場合にも、かなり
有効な性能を示しているが、実施例電池に比べると、電
圧及び電流密度ともに下回っている。実施例電極シート
を用いた電池における、このような優れた特性は、本発
明によって、触媒粒子のまわりを電解質により薄くコー
ティングすることができ、触媒としての利用率が向上し
た結果である。こうして高い性能を有する電池を得るこ
とができる。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、触媒粒
子と電解質溶液の混合物の噴霧乾燥により、触媒粒子の
まわりが電解質によって薄くコーティングされる。これ
により触媒の利用率が格段に向上された電極が得られ、
これを用いた燃料電池の性能を大幅に改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において好ましく用いられる電極作製装
置の一態様を示す図。
【図2】実施例及び比較例で製作した各供試電池につい
て測定した電流密度とセル電圧との関係を示す図。
【符号の説明】
1 中空筒状体 2 上板 3 下板 4、5 パッキン 6 触媒層が堆積されるガス拡散板 7 濾過する溶液を導入する管(バルブ付) 8 過剰圧時に空気を放出する管(バルブ付) 9 圧縮空気導入管 10 コンプレッサー 11 溶媒排出口 12 脚部

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒粒子、電解質、撥水化剤を含む燃料電
    池用電極であって、触媒粒子及び電解質溶液混合物の噴
    霧乾燥により、触媒粒子が電解質によりコーティングさ
    れてなることを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 【請求項2】多孔質のシートからなる拡散層上に、触媒
    粒子、電解質、撥水化剤を含む触媒層を担持してなる燃
    料電池用電極であって、触媒粒子及び電解質溶液混合物
    の噴霧乾燥により、触媒粒子が電解質によりコーティン
    グされてなることを特徴とする燃料電池用電極。
  3. 【請求項3】上記触媒粒子が担体粒子に白金、白金を含
    む合金又はパラジウムを担持した触媒粒子である請求項
    1又は2記載の燃料電池用電極。
  4. 【請求項4】上記触媒粒子が担体粒子に白金、白金を含
    む合金及びパラジウムから選ばれた複数種の活性金属を
    担持した触媒粒子である請求項1又は2記載の燃料電池
    用電極。
  5. 【請求項5】上記担体粒子がカーボン粒子である請求項
    3又は4記載の燃料電池用電極。
  6. 【請求項6】上記電解質がパーフルオロカーボンスルホ
    ン酸系の樹脂である請求項1又は2記載の燃料電池用電
    極。
  7. 【請求項7】上記撥水化剤がポリテトラフルオロエチレ
    ン系ポリマーである請求項1又は2記載の燃料電池用電
    極。
  8. 【請求項8】上記多孔質のシートからなる拡散層がカー
    ボンペーパー又は撥水化カーボンペーパーである請求項
    2記載の燃料電池用電極。
  9. 【請求項9】上記撥水化カーボンペーパーの撥水化剤が
    ポリテトラフルオロエチレン系ポリマーである請求項8
    記載の燃料電池用電極。
  10. 【請求項10】上記燃料電池用電極が、固体高分子型燃
    料電池用の電極である請求項1乃至請求項9の何れかに
    記載の燃料電池用電極。
  11. 【請求項11】触媒粒子、電解質及び撥水化剤からなる
    燃料電池用電極の製造方法において、触媒粒子と電解質
    溶液を混合して噴霧乾燥することにより、触媒粒子を電
    解質によりコーティングすることを特徴とする燃料電池
    用電極の製造方法。
  12. 【請求項12】多孔質のシートからなる拡散層上に触媒
    粒子、電解質及び撥水化剤からなる触媒層を担持してな
    る燃料電池用電極の製造方法において、触媒粒子と電解
    質溶液を混合して噴霧乾燥することにより、触媒粒子を
    電解質によりコーティングすることを特徴とする燃料電
    池用電極の製造方法。
  13. 【請求項13】上記触媒粒子が担体粒子に白金、白金を
    含む合金又はパラジウムを担持した触媒粒子である請求
    項11又は12記載の燃料電池用電極の製造方法。
  14. 【請求項14】上記触媒粒子が担体粒子に白金、白金を
    含む合金及びパラジウムから選ばれた複数種の活性金属
    を担持した触媒粒子である請求項11又は12記載の燃
    料電池用電極の製造方法。
  15. 【請求項15】上記担体粒子がカーボン粒子である請求
    項13又は14記載の燃料電池用電極の製造方法。
  16. 【請求項16】上記電解質がパーフルオロカーボンスル
    ホン酸系の樹脂である請求項11又は12記載の燃料電
    池用電極の製造方法。
  17. 【請求項17】上記撥水化剤がポリテトラフルオロエチ
    レン系ポリマーである請求項11又は12記載の燃料電
    池用電極の製造方法。
  18. 【請求項18】上記多孔質のシートからなる拡散層がカ
    ーボンペーパー又は撥水化カーボンペーパーである請求
    項12記載の燃料電池用電極の製造方法。
  19. 【請求項19】上記撥水化カーボンペーパーの撥水化剤
    がポリテトラフルオロエチレン系ポリマーである請求項
    18記載の燃料電池用電極の製造方法。
  20. 【請求項20】上記燃料電池用電極の製造方法が固体高
    分子型燃料電池用の電極の製造方法である請求項11乃
    至請求項19の何れかに記載の燃料電池用電極の製造方
    法。
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