JPH1018804A - タービンノズル - Google Patents

タービンノズル

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JPH1018804A
JPH1018804A JP17042596A JP17042596A JPH1018804A JP H1018804 A JPH1018804 A JP H1018804A JP 17042596 A JP17042596 A JP 17042596A JP 17042596 A JP17042596 A JP 17042596A JP H1018804 A JPH1018804 A JP H1018804A
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nozzle
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line
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JP17042596A
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Koichi Kitaguchi
公一 北口
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノズル翼の前縁で主流が衝突により発生する二
次流れ渦をより一層低く抑えることにより翼効率の向上
を図ったタービンノズルを提供する。 【解決手段】外周壁21と内周壁22とで環状の流路2
3を形成し、流路23内にノズル翼20を列状に配列し
たタービンノズルにおいて、上記ノズル翼20の前縁2
4からスロート25までを、上記外周壁21および内周
壁22の接続端37のそれぞれに、腹側26に向いかつ
タービン軸の中心を通るラジアル線に対して傾斜する直
線状の基線A1 ,A2 を設け、各基線A1 ,A2 間を腹
側26に向う湾曲状曲線の中間基線A3 で接続する一
方、上記ノズル翼20のスロート25から後縁27まで
を、上記外周壁21および内周壁22の接続端37のそ
れぞれに背側28に向いかつタービン軸の中心を通るラ
ジアル線に対して傾斜する直線状の基線A4 ,A5 を設
け、各基線A4 ,A5 間を背側28に向う湾曲状曲線の
中間基線A6 で接続したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービンノズルに
係り、特にノズル翼の流路内に発生する二次流れ渦に伴
う二次流れ損失を効果的に抑制し、翼効率の向上を図っ
たタービンノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発電プラントにおいては、経済的
な運転を行なうために発電効率の改善、特にタービン性
能の向上を図ることが重要な課題になっている。
【0003】タービン性能の向上を図るにはタービン
翼、特にタービンノズルに発生する諸損失を低減する必
要がある。タービンノズルに発生する諸損失には、ノズ
ル翼の流路内を通過する作動流体(以下主流と記す)が
ノズル翼の湾曲状曲面に沿って流れる際に発生する翼型
損失、流路の境界層が遠心力により吹き上げられる吹上
げ損失、主流が翼間流路を通過する際、主流に交差して
翼から隣接翼に向って流れる二次流れに伴う二次流れ損
失などがある。特に、翼高さが比較的低く、アスペクト
比が小さいタービンノズルにおいていは、二次流れ損失
が翼効率を改善する上で隘路になっており、その二次流
れ損失を低減することがでタービン性能を飛躍的に向上
させる要因になっている。
【0004】二次流れ損失は、図9に示すように、境界
層1を持った主流2がノズル翼3の前縁4に衝突したと
きにできる二次流れ渦5(カウンターボルテックス)に
より発生する。この二次流れ渦5は、ノズル翼3の背側
6と腹側7に向って分れる。背側6に向う二次流れ渦5
は、反時計方向に回転しながらノズル翼3の湾曲状曲面
に沿って流れ、後縁10に至る間にそのエネルギを失っ
て弱められる。
【0005】ところが、腹側7に向う二次流れ渦5は、
時計方向に回転しながら流路9を通過する間に腹側7か
らの押圧力により次第に隣接するノズル翼3の背側6に
移動して行く。二次流れ渦5は、隣接するノズル翼3の
背側6に移動する間に流路9の境界層を巻き上げ流路渦
8(パッセージボルテックス)となって大きく成長す
る。この流路渦8は、ノズル翼3の腹側7の押圧力の影
響を受けて発生するものであるが、この押圧力はノズル
翼3の腹側7と背側6とでは腹側7の方が圧力(静圧)
が高いことが原因になっている。
【0006】このように、従来のタービンノズルでは、
二次流れ渦5の発生と成長により、主流2がノズル翼3
を通過する間にエネルギの一部を失い、またその流線に
変動が生じ、タービン性能を飛躍的に向上させることが
できない要因になっていた。
【0007】最近、ノズル翼3の流路9内に発生する二
次流れ渦5に伴う二次流れ損失を低減するタービンノズ
ルが数多く提案されている。
【0008】例えば、図10に示すように、両端を外周
壁11と内周壁12とで固設されたノズル翼3の後縁1
0を、腹側7の方向に湾曲状曲面に形成し、外周壁11
および内周壁12で発生する二次流れ渦5を、湾曲状曲
面の押圧力により抑制した、いわゆるリーンノズルや、
図11に示すように、ノズル翼3に腹側7の吸込口13
と背側6の吹出口14とを結ぶ連通路15を設け、腹側
7を通過する主流2を吸い込んで圧力(静圧)を下げ、
吸い込んだ主流2を背側6から吹き出すことにより背側
6を通過する主流2の圧力を高めて腹側7および背側6
を互いに圧力バランスさせ、二次流れ渦5の低減を図っ
たものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図10で示す従来のリ
ーンノズルでは、ノズル翼3の前縁4で発生した二次流
れ渦5を、腹側7の湾曲状曲面から外周壁11および内
周壁12に向う押圧力により抑制できる優れた利点を備
えているため、翼効率が従来に比べ高くなっている。
【0010】しかし、発電プラントの高出力化に伴って
主流2の流量が増加してくると、限られた翼高さのリー
ンノズルでは、より一層曲率を増して湾曲状曲面に形成
することが難しく、それに伴って湾曲状曲面からの押圧
力を増加させることに限界がある。このため、ノズル翼
3の前縁4で発生した二次流れ渦5のうち、一部抑制で
きなかった二次流れ渦5は、二次流れとともに、ノズル
翼3の腹側7から隣接するノズル翼3の背側6に移動
し、この間、流路9の境界層を巻き上げて流路渦8がで
き、この流路渦8のために設計とおりの翼効率にできな
い問題点を抱えていた。
【0011】一方、図11で示す従来のタービンノズル
では、ノズル翼3の腹側7に吸込口13を、その背側6
に吹出口14をそれぞれ設け、ノズル翼3の横断面が湾
曲状曲面になっているために必然的に発生する腹側7と
背側6との圧力アンバランスを解決する点で期待されて
いるが、何分にも吸込口13で主流2を吸い込むと、腹
側7の主流2の流線が乱れ、また吹出口14から吸い込
んだ主流2を吹き出すと背側6の主流2の流線が乱れ、
このため翼効率の向上が期待できない。
【0012】最近の発電プラントでは、図10の一点鎖
線で示すスロート16(ノズル翼と隣接するノズル翼と
の最小流路幅)からノズル3の前縁4側にかけて主流2
に交差する二次流れ渦5の存在のために翼効率が向上で
きない点に着目してノズル翼3の翼形状に改善を加える
研究が進められている。と同時に、ノズル翼3の外周壁
11、内周壁12に発達する境界層を極力少なくし、ノ
ズル翼3の湾曲状曲面から外周壁11、内周壁12に向
って与えられる押圧力を充分に活用し、前縁4で発生す
る二次流れ渦5を外周壁11、内周壁12に向って押圧
させることにより従来よりもより一層二次流れ渦5を抑
制する検討が進められている。いずれも現在、模索中で
ある。
【0013】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、主流の前縁での衝突により発生する二次流
れ渦をより一層低く抑えることにより翼効率の向上を図
ったタービンノズルを提供することを目的とする。
【0014】また、本発明の他の目的は、ノズル翼の外
周壁、内周壁に発達する主流による境界層を、各周壁内
に閉じ込めることにより境界層の厚みを薄くし、ノズル
翼の湾曲状曲面から外周壁、内周壁に向う押圧力を充分
に活用して翼効率を向上を図ったタービンノズルを提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタービンノ
ズルは、上記目的を達成するために、請求項1に記載し
たように、外周壁と内周壁とで環状の流路を形成し、流
路内にノズル翼を列状に配列したタービンノズルにおい
て、上記ノズル翼の前縁からスロートまでを、上記外周
壁および内周壁の接続端のそれぞれに、腹側に向いかつ
タービン軸の中心を通るラジアル線に対して傾斜する直
線状の基線を設け、各基線間を腹側に向う湾曲状曲線の
中間基線で接続する一方、上記ノズル翼のスロートから
後縁までを、上記外周壁および内周壁の接続端のそれぞ
れに背側に向いかつタービン軸の中心を通るラジアル線
に対して傾斜する直線状の基線を設け、各基線間を背側
に向う湾曲状曲線の中間基線で接続したものである。
【0016】また、本発明に係るタービンノズルは、上
記目的を達成するために、請求項2に記載したように、
ノズル翼の前縁からスロートまでにおける外周壁の接続
端に設けた基線の高さHoeは、外周壁の直径をDoe、上
記基線のラジアル線に対する傾斜角θoe、上記ノズル翼
の枚数をNとするとき、
【数7】 の範囲に設定する一方、ノズル翼の前縁からスロートま
でにおける内周壁の接続端に設けた基線の高さHieは、
内周壁の直径をDie、上記基線のラジアル線に対する傾
斜角θie、上記ノズル翼の枚数をNとするとき、
【数8】 の範囲に設定したものである。
【0017】また、本発明に係るタービンノズルは、上
記目的を達成するために、請求項3に記載したように、
ノズル翼のスロートから後縁までにおける外周壁の接続
端に設けた基線の高さHoiは、外周壁の直径をDoe、上
記基線のラジアル線に対する傾斜角をθoi、上記ノズル
翼の枚数をNとするとき、
【数9】 の範囲に設定する一方、ノズル翼のスロートから後縁ま
でにおける内周壁の接続端に設けた輝線の高さHiiは、
内周壁の直径をDie、上記基線のラジアル線に対する傾
斜角をθii、上記ノズル翼の枚数をNとするとき、
【数10】 の範囲に設定したものである。
【0018】また、本発明に係るタービンノズルは、上
記目的を達成するために、請求項4に記載したように、
外周壁と内周壁とで環状の流路を形成し、流路内にノズ
ル翼を列状に配列したタービンノズルにおいて、上記ノ
ズル翼の前縁から後縁までを、上記外周壁および内周壁
の接続端のそれぞれに、背側に向いかつタービン軸の中
心を通るラジアル線に対して傾斜する直線状の基線を設
け、各基線間を背側に向う湾曲状曲線の中間基線で接続
したものである。
【0019】また、本発明に係るタービンノズルは、上
記目的を達成するために、請求項5に記載したように、
外周壁と内周壁とで環状の流路を形成し、流路内にノズ
ル翼を列状に配列したタービンノズルにおいて、上記外
周壁および内周壁のそれぞれに凹陥部を設けたものであ
る。
【0020】また、本発明に係るタービンノズルは、上
記目的を達成するために、請求項6に記載したように、
外周壁に設けた凹陥部の深さLo は、外周壁に発達する
境界層の厚みをδo 、ノズル翼間のピッチをTo 、流路
幅をSo とするとき、
【数11】Lo ≧δo ×(To −So )/So の範囲に設定したものである。
【0021】また、本発明に係るタービンノズルは、上
記目的を達成するために、請求項8に記載したように、
外周壁および内周壁のそれぞれ設けた凹陥部は、ノ請求
項7に記載したように、内周壁に設けた凹陥部の深さL
i は、内周壁に発達する境界層の厚みをδi 、ノズル翼
間のピッチをTi 、流路幅をSi とするとき、
【数12】Li ≧δi ×(To −So )/So の範囲に設定したものである。
【0022】また、本発明に係るタービンノズルは、上
記目的を達成するために、請求項8に記載したように、
外周壁および内周壁のそれぞれ設けた凹陥部は、ノズル
翼の前縁から後縁までの翼弦長よりも長く形成したもの
である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るタービンノズ
ルの一実施形態について添付図を参照して説明する。
【0024】図1は、本発明に係るタービンノズルの概
略斜視図であり、ノズル翼の後縁から観察した例を示
す。タービンノズルは、外周壁21と内周壁22との間
に形成される環状の流路23に複数のノズル翼20をタ
ービン軸(図示せず)の周方向に沿って列として構成す
る。ノズル翼20は、前縁24からスロート25(スロ
ートとは、一方のノズル翼と隣接する他方のノズル翼と
の最小流路幅をいうが、説明の便宜上、他方のノズル翼
の後縁から一方のノズル翼の背側に垂直線として画した
部分を、以下スロートと記す)までを腹側26に向って
凸状に膨出する湾曲状曲面34に形成する一方、スロー
ト25から後縁27までを背側28に向って凸状に膨出
する湾曲状曲面35に形成し、スロート25を境に互い
に軸対称になっている。
【0025】前縁24からスロートまでの湾曲状曲面3
4は、図2に示すように、外周壁21および内周壁22
の接続端37のそれぞれに、腹側26に向いかつタービ
ン軸の中心を通るラジアル線Oに対して傾斜する直線状
の基線A1 ,A2 を設け、各基線A1 ,A2 間を腹側2
6に向う曲率R1 の中間基線A3 で接続する。
【0026】また、ノズル翼20の基線A1 および基線
A2 のそれぞれは、外周壁21および内周壁22の接続
端32からの高さをそれぞれHoe,Hieとし、基線A1
および基線A2 のラジアル線に対する傾斜角(基線A1
,A2 とタービン軸の回転中心を通るラジアル線Oと
の交差角)のそれぞれをθoe,θieとし、外周壁21お
よび内周壁22の直径をそれぞれDoe,Dieとし、翼枚
数をNとした場合、各基線A1 ,A2 の高さHoe,Hie
は、
【数13】 の範囲に設定される。このような範囲に設定しておかな
いと、各基線A1 ,A2の二次流れ渦に対する押圧力は
充分に活用できなくなる。
【0027】一方、スロートから後縁までの湾曲状曲面
35は、図3に示すように、外周壁21および内周壁2
2の接続端37のそれぞれに、背側28に向いかつター
ビン軸の中心を通るラジアル線Oに対して傾斜する直線
状の基線A4 ,A5 を設け、各基線A4 ,A5 間を背側
28に向かう曲率R2 の中間基線A6 で接続する。
【0028】また、ノズル翼20の基線A4 および基線
A5 のそれぞれは、外周壁21および内周壁22の接続
端37からの高さをそれぞれHoi,Hiiとし、基線A4
および基線A5 のラジアル線に対する傾斜角(基線A4
,A5 とタービン軸の回転中心を通るラジアル線Oと
の交差角)のそれぞれをθoi,θiiとし、外周壁21お
よび内周壁22の直径をそれぞれDoe,Dieとし、翼枚
数をNとした場合、各基線A4 ,A5 の高さHoi,Hii
は、
【数14】 の範囲に設定される。各基線A4 ,A5 の高さHoi,H
iiを、上式の範囲に設定しておかないと、各基線A4 ,
A5 の二次流れ渦に対する押圧力が不足し、二次流れ渦
を充分に抑制できなくなる。
【0029】次に作用を説明する。
【0030】主流29が流路23に流入し、ノズル翼2
0の前縁24に衝突すると、二次流れ渦30が発生す
る。この二次流れ渦30は、腹側26と背側28とにそ
れぞれ分かれる。腹側26に廻った二次流れ渦30は、
二次流れに伴って隣接するノズル翼20における背側2
8のスロート25に向って移動し、流路23の境界層を
巻き上げて大きく成長し、流路渦31になろうとする。
このとき、前縁24からスロート25に亘って設けた直
線状の基線A1 ,A2 には外周壁21および内周壁22
に向って押圧力が作用しているので、この押圧力により
二次流れ渦30を抑制することができる。
【0031】一方、背側28に廻ったエネルギとしては
低い二次流れ渦30は、背側28に沿って流れるが、ス
ロート25から後縁27に亘って設けた直線状の基線A
4 ,A5 の押圧力により外周壁21および内周壁22に
押圧されて抑制される。また、腹側26に廻った二次流
れ渦30が上述基線A1 ,A2 で抑制できなかった場
合、残りの二次流れ渦30は、隣接するノズル翼20の
スロート25に移動するが、このときも上述基線A4 ,
A5 の押圧力により外周壁21および内周壁22に押圧
されて抑制される。なお、中間基線A3 ,A6 のそれぞ
れは、曲率R1 ,R2 の湾曲状曲面34,35になって
いるので、ノズル翼20の中間部を通過する主流29
は、擾乱の少ない、圧力損失の少ない安定流にして動翼
に流すことができる。
【0032】このように、本実施形態は、前縁24から
スロート25までを、外周壁21および内周壁22の接
続端37のそれぞれから腹側26に向って直線状の基線
A1,A2 を設け、これら基線A1 ,A2 間を曲率R1
の中間基線A3 で接続する一方、スロート25から後縁
27までを、外周壁21および内周壁22の接続端37
のそれぞれから背側28に向って直線状の基線A4 ,A
5 を設け、これら基線A4 ,A5 間を曲率R2 の中間基
線A6 で接続しているので、基線A1 ,A2 ,A4 ,A
5 の押圧力により二次流れ渦30を抑制することがで
き、中間基線A3,A6 の湾状曲面34,35により主
流29を圧力損失の少ない安定流にすることができる。
【0033】したがって、本実施形態では、基線A1 ,
A2 ,A4 ,A5 の押圧力により二次流れ渦を抑制で
き、また中間基線A3 ,A6 の湾曲状曲面34,35に
より主流29を圧力損失の少ない安定流にすることがで
きるので、発電プラントの高出力化に伴って流量が増加
しても充分に対処でき、翼効率を従来以上に向上させる
ことができる。
【0034】図4は、本発明に係るタービンノズルの第
2実施形態を示す概略斜視図である。なお、第1実施形
態の構成部品と同一部分には同一符号を付す。
【0035】本実施形態は、ノズル翼20の前縁24か
ら後縁27までを、背側28に向って湾曲状曲面36に
形成したものである。
【0036】湾曲状曲面36は、図5に示すように、外
周壁21および内周壁22の接続端37のそれぞれに、
背側28に向い、タービン軸の中心を通るラジアル線O
に対して傾斜する直線状の基線B1 ,B2 を設け、各基
線B1 ,B2 間を背側28に向う曲率R3の中間基線B3
で接続する。
【0037】このように、本実施形態は、外周壁21お
よび内周壁22の接続端37のそれぞれから背側28に
向い、かつラジアル線Oに対して傾斜する直線状の基線
B1,B2 から外周壁21および内周壁22のそれぞれ
に押圧力が作用するよう図っているので、主流29が前
縁24に衝突し、発生した二次流れ渦30のうち、背側
28に廻り込む二次流れ渦30を、その押圧力により外
周壁21および内周壁22のそれぞれに押圧する。ま
た、前縁24で発生した二次流れ渦30のうち、腹側2
6に廻り込む二次流れ渦30は、流路渦31に成長して
隣接するノズル翼20の背側28に移動するが、ここで
も直線状の基線B1 ,B2 の押圧力が外周壁21および
内周壁22のそれぞれに向って流路渦31を押圧する。
【0038】また、本実施形態は、外周壁21および内
周壁22の接続端37のそれぞれに設けた直線状の基線
B1 ,B2 間を曲率R3 の中間基線B3 で接続し、ノズ
ル翼20の中間部を湾曲状曲面36に形成しているた
め、主流29の流れを圧力損失の少ない安定流にするこ
とができる。
【0039】したがって、本実施形態では、第1実施形
態と同様に、二次流れ渦の抑制と主流の安定流化を図る
ことができ、翼効率を従来以上に向上させることができ
る。
【0040】図6および図7は、本発明に係るタービン
ノズルの第3実施形態を示す概略図である。なお、第1
実施形態の構成部品と同一部分には同一符号を付す。
【0041】本実施形態は、外周壁21および内周壁2
2のそれぞれに凹陥部32を設け、凹陥部32によりノ
ズル翼20と隣接するノズル翼20とで形成される流路
23内に発達する境界層を低く抑えたものである。
【0042】従来のタービンノズルでは、図8に示すよ
うに、主流29には粘性があるため、外周壁21および
内周壁22を通過する際、ある任意の速度分布をもった
境界層33が外周壁21および内周壁22の軸方向に沿
って発達する。このため、主流29がノズル翼20に流
入する際、前縁24で衝突して発生した二次流れ渦30
のうち、腹側26に廻り込んだ二次流れ渦30は、二次
流れに伴って主流29に交差して隣接するノズル翼に移
動するとき、流路23に滞留している境界層33を巻き
上げて流路渦31として大きく成長し、主流92の流線
を乱し、翼効率を低下させる原因になっている。
【0043】本実施形態は、二次流れ渦30が境界層3
3を巻き上げて流路渦31として大きく成長することを
抑えるため、図6に示すように、外周壁21および内周
壁22のそれぞれに凹陥部32を設けたものである。こ
の場合、凹陥部32のそれぞれの深さのうち、外周壁2
1の凹陥部32の深さLo 、外周壁21に発達する境界
層33の厚みをδo 、ノズル翼20間のピッチをTo 、
流路幅をSo とするとき、外周壁21の凹陥部32の深
さLo は、
【数15】Lo ≧δo ×(To −So )/So の範囲に設定される。凹陥部32の深さLo を上式の範
囲に設定しておかないと、二次流れ渦30に伴う流路渦
31の抑制ができなくなるからである。
【0044】また、内周壁22の凹陥部32の深さをL
i 、内周壁22に発達する境界層33の厚みをδi 、ノ
ズル翼20間のピッチをTo 、流路幅をSo とすると
き、
【数16】Li ≧δi ×(To −So )/So の範囲に設定される。凹陥部32の深さLi を上式の範
囲に設定することにより、二次流れ渦30に伴う流路渦
31の成長を抑制することができる。
【0045】また、外周壁21および内周壁22のそれ
ぞれに設けた凹陥部32の軸方向の長さLo は、図6に
示すように、ノズル翼20の翼弦長L1 よりも長く延ば
し、主流29がノズル翼20に流入する際、その擾乱が
発生しないよう図っている。
【0046】このように、本実施形態は、外周壁21お
よび内周壁22のそれぞれに凹陥部32を設け、外周壁
21および内周壁22に発達する境界層33を凹陥部3
2に閉じ込めるので、二次流れ渦30が隣接するノズル
翼20に移動する際、流路渦31として大きく成長させ
ることがない。
【0047】また、凹陥部32の軸方向の長さLo は、
ノズル翼20の翼弦長L1 よりも長くしているので、ノ
ズル翼20の流入の際の主流29の擾乱を低く抑するこ
とができる。
【0048】したがって、本実施形態では、二次流れ渦
30の成長を低く抑え、主流29の擾乱を低く抑えるの
で、従来以上に翼効率を向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明に係るタービ
ンノズルは、ノズル翼の前縁からスロートまでを、外周
壁および内周壁の接続端のそれぞれから腹側に向って傾
斜された直線状の基線をそれぞれ設け、各基線間を湾曲
状曲線の中間基線で接続する一方、スロートから後縁ま
でを、外周壁および内周壁の接続端のそれぞれから背側
に向って傾斜させた直線状の基線をそれぞれ設け、各基
線間を湾曲状曲線の中間基線で接続したので、主流が前
縁で衝突し、腹側に廻り混む二次流れ渦に対し、上記腹
側に向って傾斜させた直線状の基線が外周壁および内周
壁のそれぞれに向って押圧する。その結果、各基線の押
圧力により腹側に廻り込む二次流れ渦を抑制することが
できる。
【0050】また、主流が前縁で衝突し、背側に廻り込
む二次流れ渦は、スロートから後縁までに設けた直線状
の基線の押圧力により抑制することができる。
【0051】また、ノズル翼の中間部は、直線状の各基
線間を湾曲状曲線の中間基線で接続しているので、ノズ
ル翼の中間部を通過する主流に乱れが少なく、圧力損失
を低く抑えることがてきる。
【0052】また、本発明に係るタービンノズルは、ノ
ズル翼の前縁から後縁までを、外周壁および内周壁の接
続端のそれぞれから背側に向って傾斜させた直線状の基
線をそれぞれ設け、各基線間を湾曲状曲線の中間基線で
接続したので、各基線の押圧力により背側に廻り込んだ
二次流れ渦を抑制することができ、さらに前段のノズル
翼の腹側から幅広く移動してくる二次流れ渦をその押圧
力で抑制することができる。
【0053】また、本発明に係るタービンノズルは、ノ
ズル翼の外周壁および内周壁のそれぞれに凹陥部を設
け、外周壁および内周壁のそれぞれに発達した境界層を
凹陥部に閉じ込めるよう図っているので、前段のノズル
翼の腹側から移動してくる二次流れ渦の成長を低く抑え
ることができる。
【0054】このように、本発明に係るタービンノズル
では、二次流れ渦の抑制と、主流の流れの擾乱防止を図
っているので、翼効率を飛躍的に向上させることがで
き、発電プラントの高出力化に充分に対処することがで
きる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタービンノズルの第1実施形態を
示す概略斜視図。
【図2】図1のノズル翼の前縁の形状を後縁側から観察
した模式図。
【図3】図1のノズル翼の後縁の形状を後縁側から観察
した模式図。
【図4】本発明に係るタービンノズルの第2実施形態を
示す概略斜視図。
【図5】図4のノズル翼の後縁の形状を後縁側から観察
した模式図。
【図6】本発明に係るタービンノズルの第3実施形態を
示す概略斜視図。
【図7】図6のノズル翼を前縁側から観察した概略断面
図。
【図8】ノズル翼に流入する主流の境界層の発達と、二
次流れ渦の発生を説明する模式図。
【図9】ノズル翼で発生する二次流れ渦の挙動を説明す
る模式図。
【図10】従来のタービンノズルの第1実施形態を示す
概略斜視図。
【図11】従来のタービンノズルの第2実施形態を示す
模式図。
【符号の説明】
1 境界層 2 主流 3 ノズル翼 4 前縁 5 二次流れ渦 6 背側 7 腹側 8 流路渦 9 流路 10 後縁 11 外周壁 12 内周壁 13 吸込口 14 吹出口 15 連通路 16 スロート 20 ノズル翼 21 外周壁 22 内周壁 23 流路 24 前縁 25 スロート 26 腹側 27 後縁 28 背側 29 主流 30 二次流れ渦 31 流路渦 32 凹陥部 33 境界層 34,35,36 湾曲状曲面 27 背端 A1 ,A2 ,A4 ,A5 基線 A3 ,A6 中間基線 B1 ,B2 基線 B3 中間基線 Lo 凹陥部の長さ L1 翼弦長

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周壁と内周壁とで環状の流路を形成
    し、流路内にノズル翼を列状に配列したタービンノズル
    において、上記ノズル翼の前縁からスロートまでを、上
    記外周壁および内周壁の接続端のそれぞれに、腹側に向
    いかつタービン軸の中心を通るラジアル線に対して傾斜
    する直線状の基線を設け、各基線間を腹側に向う湾曲状
    曲線の中間基線で接続する一方、上記ノズル翼のスロー
    トから後縁までを、上記外周壁および内周壁の接続端の
    それぞれに、背側に向いかつタービン軸の中心を通るラ
    ジアル線に対して傾斜する直線状の基線を設け、各基線
    間を背側に向う湾曲状曲線の中間基線で接続したことを
    特徴とするタービンノズル。
  2. 【請求項2】 ノズル翼の前縁からスロートまでにおけ
    る外周壁の接続端に設けた基線の高さHoeは、外周壁の
    直径をDoe、上記基線のラジアル線に対する傾斜角θo
    e、上記ノズル翼の枚数をNとするとき、 【数1】 の範囲に設定する一方、ノズル翼の前縁からスロートま
    でにおける内周壁の接続端に設けた基線の高さHieは、
    内周壁の直径をDie、上記基線のラジアル線に対する傾
    斜角θie、上記ノズル翼の枚数をNとするとき、 【数2】 の範囲に設定したことを特徴とする請求項1に記載のタ
    ービンノズル。
  3. 【請求項3】 ノズル翼のスロートから後縁までにおけ
    る外周壁の接続端に設けた基線の高さHoiは、外周壁の
    直径をDoe、上記基線のラジアル線に対する傾斜角をθ
    oi、上記ノズル翼の枚数をNとするとき、 【数3】 の範囲に設定する一方、ノズル翼のスロートから後縁ま
    でにおける内周壁の接続端に設けた輝線の高さHiiは、
    内周壁の直径をDie、上記基線のラジアル線に対する傾
    斜角をθii、上記ノズル翼の枚数をNとするとき、 【数4】 の範囲に設定したことを特徴とする請求項1に記載のタ
    ービンノズル。
  4. 【請求項4】 外周壁と内周壁とで環状の流路を形成
    し、流路内にノズル翼を列状に配列したタービンノズル
    において、上記ノズル翼の前縁から後縁までを、上記外
    周壁および内周壁の接続端のそれぞれに、背側に向いか
    つタービン軸の中心を通るラジアル線に対して傾斜する
    直線状の基線を設け、各基線間を背側に向う湾曲状曲線
    の中間基線で接続したことを特徴とするタービンノズ
    ル。
  5. 【請求項5】 外周壁と内周壁とで環状の流路を形成
    し、流路内にノズル翼を列状に配列したタービンノズル
    において、上記外周壁および内周壁のそれぞれに凹陥部
    を設けたことを特徴とするタービンノズル。
  6. 【請求項6】 外周壁に設けた凹陥部の深さLo は、外
    周壁に発達する境界層の厚みをδo 、ノズル翼間のピッ
    チをTo 、流路幅をSo とするとき、 【数5】Lo ≧δo ×(To −So )/So の範囲に設定したことを特徴とする請求項5に記載のタ
    ービンノズル。
  7. 【請求項7】 内周壁に設けた凹陥部の深さLi は、内
    周壁に発達する境界層の厚みをδi 、ノズル翼間のピッ
    チをTi 、流路幅をSi とするとき、 【数6】Li ≧δi ×(To −So )/So の範囲に設定したことを特徴とする請求項5に記載のタ
    ービンノズル。
  8. 【請求項8】 外周壁および内周壁のそれぞれ設けた凹
    陥部は、ノズル翼の前縁から後縁までの翼弦長よりも長
    く形成したことを特徴とする請求項5に記載のタービン
    ノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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