JP4776333B2 - 水力機械のガイドベーン及びそのガイドベーンを備えた水力機械 - Google Patents
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Description
H=(U1・Vu1−U2・Vu2)/g
で計算される(非特許文献1参照)。
1.05π2Rg′/Zg≦ L1 + L2 ≦1.125π2Rg′/Zg を満たすようにL1、L2、Zg、Rg′を決めたことを特徴とする。
まず、図1〜図3を用いて第1参考例を説明する。図1において、ガイドベーン1はスピンドル中心2がピッチサークル3上に配置され、そのスピンドル中心2周りに回転可能としてある。そこで、ガイドベーン1を上記スピンドル中心2の回りに回転させ、その姿勢を変化させると、隣接するガイドベーンとの間で形成される開口面積が変わり、これを調整することで水車の運転点を制御することができる。そのため、ガイドベーン開度がゼロとなるには隣接するガイドベーン1のスピンドル中心2間の距離よりもガイドベーン1の長さの方を長くする必要がある。
図4(a)は本発明の一実施形態を示すガイドベーンを示す図、(b)はそのガイドベーン配置図であり、スピンドル軸に直交する任意のガイドベーン翼断面上で、当該ガイドベーンの水車入口端から水車出口端にわたって翼断面の高圧力側翼面と低圧力側断面の双方に外接する円の中心を連ねてなる翼のキャンバーライン4に対して、スピンドル中心2をそのキャンバーライン4よりも高圧力面側に偏心させたことが形状の上での特徴となっているガイドベーンである。このようなガイドベーン1では、ガイドベーン開度が図4(b)において破線で示す位置に変化した時、スピンドル中心2からキャンバーライン4へおろした垂線とキャンバーライン4との交点の位置5が見かけ上のピッチサークル上の位置5′の位置に移動する。そこで、最高効率点の50%流量時(破線で示すガイドベーン)における、スピンドル中心2からキャンバーライン4へおろした垂線とキャンバーライン4との交点5′とランナ回転中心との距離をRg’とすると、
1.05π2Rg’/Zg ≦ L1 + L2 ≦ 1.125π2Rg’/Zg
を満たすように各パラメータの値を選定したものである。その結果、第1参考例の場合と同様に、最高効率点の50%流量時を中心としてガイドベーン出口での流れ角度βを小さくすることができ、運転範囲全域で水車効率を向上させることができる。
図5(a)は従来のガイドベーンの速度三角形を示す図、(b)は本発明の第2参考例のガイドベーン、及びそのガイドベーンの速度三角形を示す図であり、本第2参考例では、図5(b)に示すように、ガイドベーン1のスピンドル中心2よりも出口側のキャンバーライン4の一部が高圧力面側に凹形状となっている。したがって、図5(a)に示すキャンバーラインが凹となっていない従来のガイドベーンの流れ角度β1に比し、ガイドベーン出口で絶対速度の流れ角度β2が小さくなり、有効に旋回成分を付加することができる。その結果、第1参考例と同様に流れ角度を小さくでき、運転範囲全域で水車効率を向上させることができる。
図6は本発明の第3参考例を示す図であり、ガイドベーン1の水車出口高圧力面側の翼面が凹形状に形成されている。しかして、この場合も第2参考例と同様に水の流出方向が上記翼面の凹曲面により水車の回転方向側に偏向され、上記第2参考例と類似の作用及び効果を得ることができる。
また、図7は本発明の第4参考例を示す図であり、ガイドベーン1の低圧力面側1aの後端部円弧6’の径が高圧力面側1bの後端部円弧6の径よりも大きく形成されている。したがって、この場合にはガイドベーン1の低圧力面側1aに沿う流れが、破線で示す従来の翼面形状の場合に比し、水車の回転方向側に偏向され、上記第3参考例と同様な作用と効果が生まれて、運転範囲全域で水車効率を向上させることができる。
図8は、本発明の第5参考例を示す図であって、(a)はその側面図、(b)は端面図であり、ガイドベーン1の上カバー8側端部と下カバー9側端部に、翼形状最大厚み部で翼断面の高圧力面側と低圧力面側の双方に内接する円の中心とガイドベーン先端部円弧の中心を結ぶ直線と、その内接円の中心とガイドベーン後端部円弧の中心を結んだ直線に沿った2つの平板状のサイドギャップ整流板10が突設されている。サイドギャップ部では通常、高圧力面側から低圧力面側への漏れ流れが生じて、上カバーおよび下カバー壁面近傍の流れ角度が大きくなり、旋回成分が小さくなる傾向にある。これに対して、本実施の形態のように、サイドギャップ整流板10を設けることで、サイドギャップ部での漏れ流れが減少するとともにサイドギャップ部の流れが整流板10によって制御されて高圧力面側に偏向され、ガイドベーン出口での旋回成分を増大させることができる。その結果、第1参考例と同様な作用と効果が生まれて、運転範囲全域で水車効率を向上させることができる。
図10は本発明の第6参考例を示す図である。この図では、水車入口側のガイドベーン高さをB1、出口側のガイドベーン高さをB2、上カバー8と下カバー9との距離をBsとすると、水車出口側サイドギャップ(上カバー側と下カバー側の和)Bs−B2が、水車入口側サイドギャップBs−B1よりも小さくなるように、スピンドル中心よりも出口側のガイドベーン高さを入口側よりも大きくしたものである。そのため、スピンドル中心よりも出口側の領域においてサイドギャップの漏れ流れが減少して、ガイドベーン出口における流れの旋回方向成分を増大させることができる。その結果、先のサイドギャップ整流板10の場合と同様な効果が生じて、運転範囲全域で水車効率を向上することができる。
2 スピンドル中心
3 ピッチサークル
4 キャンバーライン
5 スピンドル中心からキャンバーラインへおろした垂線とキャンバーラインとの交点
5’ 最高効率点の50%流量時のスピンドル中心からキャンバーラインへおろした垂線とキャンバーラインとの交点
6 高圧力面側の後端部円弧
6’ 低圧力面側の後端部円弧
7 スピンドル
8 上カバー
9 下カバー
10 サイドギャップ整流板
11 ランナ羽根
Claims (2)
- スピンドル軸を回転させて翼の角度を変えることにより、隣接する翼間で形成される開口面積を変化させる水力機械のガイドベーンにおいて、スピンドル軸に直交する任意のガイドベーン翼断面上で、当該ガイドベーンの水車入口端から水車出口端にわたって翼断面の高圧力側翼面と低圧力側断面の双方に外接する円の中心を連ねてなる翼のキャンバーラインに対して、スピンドル軸の中心からおろした垂線と上記キャンバーラインとの交点の最高効率点の50%流量時の位置と、ランナ回転中心との距離をRg′、前記交点を中心として水車入口端に内接する円弧の半径をL1、前記交点を中心として水車出口端に内接する円弧の半径をL2、ガイドベーンの枚数をZgとしたとき、
1.05π2Rg′/Zg≦ L1 + L2 ≦1.125π2Rg′/Zg
を満たすようにL1、L2、Zg、Rg′を決めたことを特徴とする、水力機械のガイドベーン。 - 請求項1に係るガイドベーンを備えたことを特徴とする水力機械。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2005308741A JP4776333B2 (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 水力機械のガイドベーン及びそのガイドベーンを備えた水力機械 |
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Family Applications (1)
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