JPH0960501A - タービン動翼 - Google Patents

タービン動翼

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JPH0960501A
JPH0960501A JP21765695A JP21765695A JPH0960501A JP H0960501 A JPH0960501 A JP H0960501A JP 21765695 A JP21765695 A JP 21765695A JP 21765695 A JP21765695 A JP 21765695A JP H0960501 A JPH0960501 A JP H0960501A
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blade
gravity
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turbine
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Minoru Matsuda
田 實 松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造を有し、タービン動翼の圧力損失
を低減させることは勿論、動翼の過大応力を低減し、振
動を抑制したタービン動翼を提供することにある。 【解決手段】 動翼中央付近における周方向の各断面重
心が、ロータ回転中心から延びるラジアル線に対して翼
腹側にずらされ、これらの各断面重心を結ぶ線がラジア
ル線に略平行に形成され、動翼根元部の周方向の断面重
心はラジアル線に対して翼背側にずらされ、この根元部
から中央付近にかけては、これらの各断面重心を結ぶ線
は、所定の曲率に沿って連続的に湾曲して形成され、動
翼先端部の周方向の断面重心はラジアル線に対して翼背
側にずらされ、この先端部から中央付近にかけては、こ
れらの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率に沿って連続
的に湾曲して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸流タービンの動
翼に関し、詳しくは、段落性能並びに信頼性を向上した
タービンの動翼に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸流タービンにおいては、性能
向上を目的として、内部効率の上昇のため、種々の技術
が採用されているが、タービン内部損失のうち、特に、
2次元流れ損失は、タービンの各段落に共通する損失で
あるため、その改善策が要望されている。
【0003】この一般的な軸流タービンの動翼構造を示
す段落断面図を図6に示す。タービンの各段落の通路部
は、複数枚のノズル翼1がダイアフラム外輪2とダイア
フラム内輪3との間に協働して形成するノズル流路から
構成されている。また、このノズル流路の下流側には、
複数枚の動翼4が配置されている。この動翼4は、ロー
タホィール5の外周に、周方向に所定間隔で列状に植設
されており、動翼4の外周端には、動翼を固定するため
並びに作動流体の漏洩を防止するため、シェラウド6が
装着されている。
【0004】このようなタービンの段落構成において、
タービン動翼4における2次元流れの発生機構について
図7を参照しつつ説明する。高圧蒸気等の作動流体が、
隣接する動翼4の間で形成された動翼流路を流れると
き、図7に2点鎖線で示すように、この動翼流路内で円
弧状に転向して流されている。このとき、動翼4の翼背
面Bから翼腹面F方向に遠心成分が生じさせられる。こ
の遠心成分と動翼流路内の圧力とが平衡しているため、
翼腹面Fにおける静圧が高くなる一方、翼背面Bにおい
ては、作動流体の流速が大きいため、翼背面Bの圧力が
低くなる。その結果、動翼流路内においては、翼腹面F
から翼背面Bにかけて、翼腹面Fの圧力が高く翼背面B
の圧力が低いような圧力勾配が生起される。
【0005】このような圧力勾配は、図7に示すよう
に、動翼根元部の内壁側と、動翼先端部の外壁側(シェ
ラウド6)の流速の遅い層、即ち、境界層においても生
起されている。
【0006】しかし、このような境界層の付近において
は、流速が小さく、作用する遠心成分も小さい。そのた
め、作動流体の流れは、翼腹面Fから翼背面Bに向かっ
て生じている圧力勾配に抗しきれず、その結果、翼腹面
Fから翼背面Bに向かう流れ、即ち、図7に示すよう
に、2次流れ7が生起される。この2次流れ7は、動翼
4の翼背面Bに衝突し巻き上がり、動翼4の根元部の内
壁側、及び先端部の外壁側において、2次流れ渦8a,
8bが生起される。
【0007】このような2次流れ渦8a,8bが生起さ
れると、作動流体が保有するエネルギーの一部が散逸さ
れ、加えて、作動流体の不均一な流れが生じさせられ、
動翼性能が著しく低下されるといった問題がある。
【0008】このような動翼の流路内で発生する2次流
れ渦8a,8bに起因する2次流れ損失を低減するた
め、種々のタービン動翼が研究されている。
【0009】このような一例として、従来、図8に示す
ように、タービンの回転中心を通るラジアル線に対して
動翼9の各翼断面重心が翼腹側にずらされており、しか
も、動翼中央の断面重心が動翼先端部の断面重心からθ
だけ傾斜され且つ動翼中央の断面重心が動翼根元部の
断面重心からθだけ傾斜されるように、動翼が屈曲形
状に湾曲して形成されている。このような湾曲動翼9で
は、図8に示すように、翼間流路における速度ベクトル
が、動翼根元部では内壁側の方向に流れ10を押し付
け、動翼先端部では外壁側の方向に流れ11を押し付け
るといった効果がある。この内壁側の流れ10と外壁側
の流れ11とによって境界層の成長が抑制され、その結
果、図9に示すように、動翼の圧力損失は、動翼が湾曲
されていない場合の損失(図示P1)に比べ、動翼が湾
曲されている場合の損失(図示P2)の方が低減されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような図8に示す
湾曲動翼では、動翼9の中央部において、翼が極端に屈
曲されているため、タービン回転中に作用する動翼自身
の遠心力によって翼背面で局部的に過大な応力が発生さ
れる。その結果、タービンの安定した運転に支障を来す
といった問題がある。また、動翼の振動抑制も要望され
ている。
【0011】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、簡単な構造を有し、タービン動翼
の圧力損失を低減させることは勿論、動翼の過大応力を
低減し、振動を抑制したタービン動翼を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明の請求項1に係るタービン動翼は、タービ
ンのロータホィールの外周に周方向に所定間隔をおいて
列状に植設されたタービン動翼であって、動翼中央付近
における周方向の各断面重心が、ロータ回転中心から延
びるラジアル線に対して翼腹側にずらされ、これらの各
断面重心を結ぶ線がラジアル線に略平行に形成され、動
翼根元部の周方向の断面重心はラジアル線に対して翼背
側にずらされ、この根元部から中央付近にかけては、こ
れらの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率に沿って連続
的に湾曲して形成され、動翼先端部の周方向の断面重心
はラジアル線に対して翼背側にずらされ、この先端部か
ら中央付近にかけては、これらの各断面重心を結ぶ線
は、所定の曲率に沿って連続的に湾曲して形成されてい
ることを特徴としている。
【0013】このように、動翼の周方向の各断面重心
が、動翼中央付近においてラジアル線の翼腹側に、動翼
根元部及び先端部においてラジアル線の翼背側にずらさ
れているため、翼間流路における速度ベクトルが、動翼
根元部では内壁側の方向に流れを押し付け、動翼先端部
では外壁側の方向に流れを押し付けることから、2次流
れ渦の生起が抑制され、圧力損失が低減されることは勿
論である。これに加えて、動翼の中央付近においては、
各断面重心を結ぶ線がラジアル線に略平行に形成され、
根元部及び先端部においては、各断面重心を結ぶ線がこ
の略平行な線に連続するようにして各々所定の曲率で形
成されているため、動翼の中央部付近の翼背面での極端
な屈曲形状が避けられ、その結果、動翼の前縁、後縁及
び翼背面での局部的な応力の発生が低減され、タービン
運転の安定性・信頼性が確保される。
【0014】また、請求項2に係るタービン動翼は、タ
ービンのロータホィールの外周に周方向に所定間隔をお
いて列状に植設されたタービン動翼であって、動翼中央
付近における周方向の各断面重心が、ロータ回転中心か
ら延びるラジアル線に対して翼腹側にずらされ、動翼根
元部および動翼先端部の周方向の断面重心はラジアル線
に対して翼背側にずらされ、動翼根元部から中央付近を
介して先端部にかけて、これらの各断面重心を結ぶ線
は、所定の曲率に沿って湾曲して形成されていることを
特徴としている。
【0015】この場合にも、動翼の周方向の各断面重心
が、動翼中央付近においてラジアル線の翼腹側に、動翼
根元部及び先端部においてラジアル線の翼背側にずらさ
れているため、2次流れ渦の生起が抑制され、圧力損失
が低減されることは勿論である。さらに、動翼根元部か
ら中央付近を介して先端部にかけて各断面重心を結ぶ線
が所定の曲率に沿って形成されているため、動翼の中央
部付近の翼背面での極端な屈曲形状が避けられ、動翼の
前縁、後縁等での局部的な応力の発生が低減される。
【0016】さらに、請求項3に係るタービン動翼は、
動翼の周方向の各断面重心がラジアル線に対して翼背側
にずらされている場合を正値とし、翼腹側にずらされて
いる場合を負値と規定した場合、 α<0<β≦γ に設定され、ここでαは、動翼中央付近の各断面重心の
ずれ量(Lp)であり、βは、動翼先端部の各断面重心
のずれ量(Lt)であり、γは、動翼根元部の各断面重
心のずれ量(Lr)であることを特徴としている。
【0017】これにより、2次流れ渦の生起が確実に抑
制されている。
【0018】さらに、請求項4に係るタービン動翼は、
動翼中央付近における軸方向の各断面重心が、ロータホ
ィールの中心線に対して下流側にずらされ、動翼根元部
および動翼先端部の軸方向の断面重心は上記中心線に対
して上流側にずらされ、動翼根元部から中央付近を介し
て先端部にかけて、これらの各断面重心を結ぶ線は、所
定の曲率に沿って湾曲して形成されていることを特徴と
している。
【0019】このように、請求項1乃至3のように湾曲
された動翼に、タービンの周方向だけでなく、軸方向に
おいても、動翼の各断面重心が、中央付近でロータホィ
ールの中心線の下流側に、動翼根元部及び先端部で中心
線の上流側にずらされているため、2次流れ渦の生起が
確実に抑制される。さらに、これら各断面重心を結ぶ線
が所定の曲率に沿って形成されているため、動翼での局
所的な応力の発生が低減される。
【0020】さらに、請求項5に係るタービン動翼は、
動翼とこれの外周のインテグラルカバーとが一体に構成
されたタービンのスナッバ動翼であり、一つのインテグ
ラルカバーとこれに隣接するインテグラルカバーとの接
合端部がラジアル線に対して傾斜して形成されているこ
とを特徴としている。
【0021】このように、請求項1乃至4のように湾曲
された動翼に、接合端部がラジアル線に対して傾斜され
たスナッバ動翼が組み合わされているため、タービン回
転時に自動的に隣接する接合端部に面圧を与えることが
可能になり、これにより、動翼の振動を減衰させること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るタ
ービン動翼を図面を参照しつつ説明する。
【0023】先ず、図1(a)乃至(d)を参照して、
第1実施形態に係るタービン動翼を説明する。
【0024】本実施形態では、図1(a)に示すよう
に、動翼12の中央付近においては、周方向の各断面重
心は、ロータ回転中心から延びるラジアル線に対して翼
腹側にずらされている。さらに、この中央付近において
は、各断面重心を結ぶ線は、ラジアル線に平行で直線に
形成されている。
【0025】各断面重心がラジアル線に対して、翼背側
にずらされている場合を正値とし、翼腹側にずらされて
いる場合を負値と規定した場合、中央付近の各断面重心
のずれ量は、マイナスとなり、図1(a)に示すよう
に、−Lpと表す。この中央付近の翼断面は、図1
(c)に示されている。
【0026】また、動翼根元部においては、その周方向
の断面重心は、ラジアル線に対して翼背側に+Lrだけ
ずらされ、この根元部から中央付近にかけては、これら
の各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率Rrに沿って連続
的に湾曲して形成されている。この動翼根元部の翼断面
は、図1(d)に示されている。
【0027】さらに、動翼先端部においては、その周方
向の断面重心は、ラジアル線に対して翼背側に+Ltだ
けずらされ、この先端部から中央付近にかけては、これ
らの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率Rtに沿って連
続的に湾曲して形成されており、この動翼先端部の翼断
面は、図1(b)に示されている。
【0028】このような重心の位置ずれ量は、動翼6が
回転する際に遠心力によって発生する動翼の各部位の応
力から決定される。即ち、2次流れ渦を減少させるため
には重心の位置ずれ量が大きくされる方がよく、応力低
減のためには重心の位置ずれ量が小さくされる方がよ
い。これらのバランスを取り、各断面重心の位置ずれ量
は、次式に示すように、 α<0<β≦γ に設定され、ここでαは、動翼中央付近の各断面重心の
ずれ量(Lp)であり、βは、動翼先端部の各断面重心
のずれ量(Lt)であり、γは、動翼根元部の各断面重
心のずれ量(Lr)である。
【0029】次に、図2に、従来の湾曲動翼と本実施形
態の湾曲動翼との応力解析結果の比較を示す。
【0030】従来の湾曲動翼では、動翼根元部の前縁と
後縁(図示のa点、b点)で引張応力が大となり、ま
た、動翼中央付近において、翼背面(図示のc点)にお
いても引張応力が大きくなっている。そのため、従来の
湾曲動翼では、応力的な問題があった。
【0031】これに対して、本実施形態では、動翼中央
付近において、翼背面での極端な屈曲を避け、ラジアル
線と平行になるように、各断面重心のずれが規定され、
また、重心ずれ量が規定されているため、図2(b)に
実践で示す動翼前縁、後縁及び翼背面応力が低減され
る。
【0032】このように、湾曲動翼において翼断面重心
のずれが上記のように規定されているため、動翼での圧
力損失が低減されるだけでなく、動翼での応力が低減さ
れ、タービン運転上の高い信頼性を確保することができ
る。
【0033】次に、図3を参照して、第2実施形態に係
るタービン動翼を説明する。
【0034】本実施形態では、各断面重心のずれは、第
1実施形態と同様に、動翼12の中央付近においては、
周方向の各断面重心は、ロータ回転中心から延びるラジ
アル線に対して翼腹側にずらされ、根元部及び先端部に
おいては、各断面重心は、各々、+Lr,+Ltだけ、
ラジアル線に対して翼背側にずらされている。
【0035】また、翼背面における応力低減を行うため
には、局部的な屈曲を避けることが好ましい。そのた
め、本実施形態では、各断面重心を結ぶ線は、根元部か
ら中央付近を介して先端部にかけて、所定の曲率Rによ
り湾曲して形成されている。
【0036】この場合にも、動翼12の周方向の各断面
重心が、中央付近においてラジアル線の翼腹側に、根元
部及び先端部においてラジアル線の翼背側にずらされて
いるため、2次流れ渦の生起が抑制され、圧力損失が低
減されることは勿論であるが、さらに、根元部から中央
付近を介して先端部にかけて各断面重心を結ぶ線が所定
の曲率Rに沿って形成されているため、動翼12の中央
部付近の翼背面での極端な屈曲形状が避けられ、動翼の
前縁、後縁等での局部的な応力の発生が低減される。
【0037】次に、図4を参照して、本発明の第3実施
形態に係るタービン動翼を説明する。
【0038】上述した実施形態では、周方向の断面重心
が位置ずれされているのに対し、本実施形態は、更に軸
方向の断面重心が位置ずれされたいわゆるスキュー動翼
13に関するものである。
【0039】すなわち、本実施形態では、図4に示すよ
うに、スキュー動翼13の中央付近において、その軸方
向の各断面重心が、ロータホィールの中心線に対して+
Spだけ下流側にずらされ、根元部および動翼先端部に
おいては、その軸方向の断面重心は、上記中心線に対し
て、各々、−Sr,−Stだけ上流側にずらされてい
る。さらに、根元部から中央付近を介して先端部にかけ
て、これらの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率に沿っ
て湾曲して形成されている。これらの位置ずれ量は、S
r≦St<Spに設定されている。
【0040】上述した第1及び第2実施形態では、周方
向の断面重心が位置ずれされているが、速度ベクトルを
動翼の内壁側、外壁側に向け2次流れ渦を減少させるた
めには、周方向の断面重心の位置ずれ量(Lr,Lp,
Lt)の規定値が大きくされるのが効果的である。しか
しながら、翼断面の応力的制限から重心の位置ずれ量が
制限されるため、本実施形態のように、軸方向の断面重
心が位置ずれしたスキュー動翼を組み合わせることによ
り、内壁側の流れ14(図4(a))及び外壁側の流れ
15(図4(a))が更に追加されさらなる動翼の圧力
損失の低減が達成される。さらに、このスキュー動翼1
3は、軸方向の翼断面剛性が高いため、周方向に断面重
心が位置ずれされた場合に比べ、遠心力による応力増加
が少ないといった利点もある。そのため、このようなス
キュー動翼13と、周方向に断面重心が位置ずれされた
動翼とを組み合わせることが一層効果的である。
【0041】次に、図5を参照して、本発明の第4実施
形態に係るタービン動翼を説明する。
【0042】本実施形態は、周方向の断面重心が位置ず
れした動翼に、動翼の振動を抑制するスナッバ動翼を組
み合わせたものに関する。
【0043】このスナッバ動翼は、図5に示すように、
動翼16とこれの外周のインテグラルカバー17とが一
体に構成されたものである。さらに、本実施形態では、
一つのインテグラルカバー17とこれに隣接するインテ
グラルカバー17との接合端部18がラジアル線に対し
て傾斜して形成されている。
【0044】従来、スナッバ動翼は、周方向の各断面重
心が位置ずれした動翼には採用されておらず、この断面
重心が位置ずれされていない動翼にのみ採用されてお
り、動翼組み込み作業時に、強制的に外力を加え、隣接
する接合端部18に面圧が与えられていた。
【0045】本発明に係るような周方向の各断面重心が
位置ずれされた動翼の場合に、上記のように、接合端部
18がラジアル軸線に対して傾斜されていると、タービ
ン回転中にインテグラルカバー17が回転変位し、ター
ビン回転時に自動的に隣接する接合端部18に面圧を与
えることが可能になり、これにより、動翼の振動を減衰
させることができる。従って、周方向の各断面重心が位
置ずれされた動翼に、本実施形態に係るスナッバ動翼を
組み合わせることが効果的である。これにより、タービ
ンの性能向上と同時に、動翼の振動を減衰することがで
きる。
【0046】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されないのは勿論であり、種々変形可能である。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1では、動翼
の周方向の各断面重心が、動翼中央付近においてラジア
ル線の翼腹側に、動翼根元部及び先端部においてラジア
ル線の翼背側にずらされているため、翼間流路における
速度ベクトルが、動翼根元部では内壁側の方向に流れを
押し付け、動翼先端部では外壁側の方向に流れを押し付
けることから、2次流れ渦の生起が抑制され、圧力損失
が低減されることは勿論である。これに加えて、動翼の
中央付近においては、各断面重心を結ぶ線がラジアル線
に略平行に形成され、根元部及び先端部においては、各
断面重心を結ぶ線がこの略平行な線に連続するようにし
て各々所定の曲率で形成されているため、動翼の中央部
付近の翼背面での極端な屈曲形状が避けられ、その結
果、動翼の前縁、後縁及び翼背面での局部的な応力の発
生が低減され、タービン運転の安定性・信頼性が確保さ
れる。
【0048】また、請求項2では、この場合にも、動翼
の周方向の各断面重心が、動翼中央付近においてラジア
ル線の翼腹側に、動翼根元部及び先端部においてラジア
ル線の翼背側にずらされているため、2次流れ渦の生起
が抑制され、圧力損失が低減されることは勿論である。
さらに、動翼根元部から中央付近を介して先端部にかけ
て各断面重心を結ぶ線が所定の曲率に沿って形成されて
いるため、動翼の中央部付近の翼背面での極端な屈曲形
状が避けられ、動翼の前縁、後縁等での局部的な応力の
発生が低減される。
【0049】さらに、請求項3では、2次流れ渦の生起
が確実に抑制されている。
【0050】さらに、請求項4では、タービンの周方向
でなく、軸方向においても、動翼の各断面重心が、中央
付近でロータホィールの中心線の下流側に、動翼根元部
及び先端部で中心線の上流側にずらされているため、2
次流れ渦の生起が確実に抑制される。さらに、これら各
断面重心を結ぶ線が所定の曲率に沿って形成されている
ため、動翼での局所的な応力の発生が低減される。
【0051】さらに、請求項5では、請求項1乃至4の
ように湾曲された動翼に、接合端部がラジアル線に対し
て傾斜されたスナッバ動翼が組み合わされているため、
タービン回転時に自動的に隣接する接合端部に面圧を与
えることが可能になり、これにより、動翼の振動を減衰
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るタ
ービン動翼を軸方向から視た図であり、図1(b)乃至
(d)は、各々、先端部、中央付近、根元部の周方向の
断面図である。
【図2】図2(a)は、従来の湾曲動翼の模式図であ
り、図2(b)は、従来の湾曲動翼と第1実施形態の湾
曲動翼との応力解析結果の比較を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態に係るタービン動翼を軸
方向から視た図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第3実施形態に係るタ
ービン動翼をタービン側部から視た図であり、図4
(b)は、先端部、中央付近、根元部の周方向の断面図
である。
【図5】図5(a)は、本発明の第4実施形態に係るタ
ービン動翼を軸方向から視た図であり、図5(b)は、
図5(a)のタービン動翼の平面図である。
【図6】従来のタービンの側方断面図である。
【図7】従来の動翼流路内で発生する2次流れを説明す
る図である。
【図8】従来の湾曲動翼を示す模式図である。
【図9】従来の湾曲動翼による圧力損失低減を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 ノズル翼 2 ダイアフラム外輪 3 ダイアフラム内輪 5 ロータホィール 6 シェラウド 7 2次流れ 8 2次流れ渦 12 湾曲動翼 13 スキュー動翼 16 スナッバ動翼 17 インテグラルカバー 18 接合端面 B 翼背面 F 翼腹面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンのロータホィールの外周に周方向
    に所定間隔をおいて列状に植設されたタービン動翼であ
    って、 動翼中央付近における周方向の各断面重心が、ロータ回
    転中心から延びるラジアル線に対して翼腹側にずらさ
    れ、これらの各断面重心を結ぶ線がラジアル線に略平行
    に形成され、 動翼根元部の周方向の断面重心はラジアル線に対して翼
    背側にずらされ、この根元部から中央付近にかけては、
    これらの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率に沿って連
    続的に湾曲して形成され、 動翼先端部の周方向の断面重心はラジアル線に対して翼
    背側にずらされ、この先端部から中央付近にかけては、
    これらの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率に沿って連
    続的に湾曲して形成されていることを特徴とするタービ
    ン動翼。
  2. 【請求項2】タービンのロータホィールの外周に周方向
    に所定間隔をおいて列状に植設されたタービン動翼であ
    って、 動翼中央付近における周方向の各断面重心が、ロータ回
    転中心から延びるラジアル線に対して翼腹側にずらさ
    れ、 動翼根元部および動翼先端部の周方向の断面重心はラジ
    アル線に対して翼背側にずらされ、 動翼根元部から中央付近を介して先端部にかけて、これ
    らの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率に沿って湾曲し
    て形成されていることを特徴とするタービン動翼。
  3. 【請求項3】動翼の周方向の各断面重心がラジアル線に
    対して翼背側にずらされている場合を正値とし、翼腹側
    にずらされている場合を負値と規定した場合、 α<0<β≦γ に設定され、ここでαは、動翼中央付近の各断面重心の
    ずれ量(Lp)であり、βは、動翼先端部の各断面重心
    のずれ量(Lt)であり、γは、動翼根元部の各断面重
    心のずれ量(Lr)であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のタービン動翼。
  4. 【請求項4】動翼中央付近における軸方向の各断面重心
    が、ロータホィールの中心線に対して下流側にずらさ
    れ、 動翼根元部および動翼先端部の軸方向の断面重心は上記
    中心線に対して上流側にずらされ、 動翼根元部から中央付近を介して先端部にかけて、これ
    らの各断面重心を結ぶ線は、所定の曲率に沿って湾曲し
    て形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    のタービン動翼。
  5. 【請求項5】動翼とこれの外周のインテグラルカバーと
    が一体に構成されたタービンのスナッバ動翼であり、 一つのインテグラルカバーとこれに隣接するインテグラ
    ルカバーとの接合端部がラジアル線に対して傾斜して形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    か1項に記載のタービン動翼。
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